説明

医療器具コーティング・システム

医療器具をコーティングするためのシステムは、搬送ウェブ、測定ウェブを含む。ウェブは各々、ウェブを前進させることによって形成された空隙に向かって下流の方向に前進される。コーティング液アプリケータは空隙の上流の位置にてステージング領域にコーティング液を塗布する。機構を保持する医療器具は、空隙から下流の位置の、搬送ウェブのコーティング塗布領域に位置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例において、本発明は、医療器具をコーティングするための装置およびその使用方法を含むシステム、並びにこのシステムによって形成される医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
医療器具の1つ以上の表面は、動脈や他の体腔のような体内の目的の部位へ薬剤を局所的に搬送すべく1つ以上の様々な治療薬によりコーティングされる。この局所的な薬剤搬送は、例えばバルーンカテーテル、ステントや、他の移植可能な人工器官を、局所的に搬送される治療薬によりコーティングすることによって行われる。
【0003】
医療器具に対して一層以上のコーティングを施すことにより、薬のリリースの制御、および/または放射線不透過性、円滑さ、生体に対する適合性の改善等のような他の効果が得られる。
【0004】
通常医療器具に塗布される治療用のコーティングは、溶解し、かつ/または懸濁する生体適合性を備えた薬剤または薬品を含むポリマの薬剤を含む。コーティングのポリマおよび薬の態様は、それ自体溶媒溶液に通常溶かされる。この混合体は、スプレー・コーティング(特許文献1に開示される例)、小滴堆積(特許文献2乃至4に開示される例)、ロールコーティング(特許文献5および6に開示される例)、浸漬コーティング、即ちディップコーティング(特許文献7に開示される例)等様々な機構によって医療器具に塗布される。これらの特許文献は、それぞれその全体がここに開示されたものとする。
【0005】
溶媒/ポリマ/薬剤の混合体の塗布の後に、溶媒は医療器具の処理面にポリマおよび薬剤の乾燥したコーティングを残すべく蒸発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6669980号明細書
【特許文献2】米国特許第7048962号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0172060号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0217801号明細書
【特許文献5】米国特許第6984411号明細書
【特許文献6】米国特許第7344599号明細書
【特許文献7】米国特許第6919100号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、医療器具にコーティングを塗布するための公知のシステムには多くの課題がある。これらの課題は、医療器具の特定の表面をコーティングする(例えば、管腔の表面をコーティングしないように、ステントの反管腔側の(abluminal)表面にのみコーティングを施す)性能、正確に医療器具に一様にコーティングを塗布不能であること、所定の方法およびシステムが複数の医療器具に対して一様な質のコーティングを効率的に繰り返し行うことができないこと、長期間にわたる休止時間、およびコーティングサイクル間における複数回にわたる冗長な変更等を含む。
【0008】
従って、医療器具のための別のコーティング法が懸案されている。
上述した技術は、ここに開示される任意の特許文献、刊行物、あるいは他の情報が本発明に対する「先行技術」であると承認することを意図したものではない。
【0009】
本明細書に示すすべての米国特許および出願による特許文献、並びに他の非特許文献は、その全体がここに開示されたものとする。
本発明の範囲を制限するものではないが、本発明の請求の範囲に開示される実施例のうちのいくつかの概要を後述する。本発明の要約された実施例および本発明の付加的な実施例のうち少なくともいずれか一方の付加的な詳細を、発明を実施するための形態に後述する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
少なくとも一実施例において、本発明は、カテーテル、バルーンや、ステントのような移植可能な人工器官等の医療器具をコーティングするためのシステムおよび方法に関する。
【0011】
少なくとも一実施例において、システムには、コーティング液が塗布される1つ以上の「ウェブ」通路が組み込まれる。ウェブは、コーティングの特性、特にその厚みを規制すべく、コーティング液が通過する空隙に集合する複数の通路に沿って前進される。規制された(測定された)コーティング液は、続いて医療器具がコーティング液の一部を通過する領域に前進され、これにより医療器具に略一様の厚みを有するコーティングが得られる。
【0012】
実施例において、空隙の高さにより、ステントに塗布されるコーティング液の厚みが制御される。空隙の高さは、様々なコーティングの厚みを得るべく調整可能である。付加的に、ウェブの速度により、コーティングの厚みを付加的に制御可能である。
【0013】
実施例において、ウェブ材料は、コーティングがコーティング・システムの任意の要素とも接触すること、およびコーティングされる医療器具に単に接触することを防止すべく、障壁として機能する。
【0014】
本発明を特徴づける実施例および別例は、添付の請求の範囲に開示され、一部をなす。しかしながら、本発明並びにその使用により得られる効果および課題をさらに理解すべく、これらのさらなる部分をなす図面、および本発明の実施例が開示される明細書を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示す正面図。
【図1A】本発明の実施例を示す正面図。
【図2】図1の実施例に示すような搬送ウェブ通路の方向を示す図。
【図3】図1に示す実施例における測定ウェブ通路を含む要素、および通路の方向を示す断面図。
【図4】図1に示すシステムの別例を示す正面図。
【図5】実施例における駆動機構、即ち紡錘を含む搬送ウェブ通路を示す図。
【図6】所定量のコーティング液が医療器具に塗布されるに先立って通過する、図1乃至4に示す測定ウェブ(ブレードによる)および搬送ウェブ(基部による)によって形成される空隙を詳細に示す図。
【図7】図1乃至4に示すコーティング堆積システムを示す近接斜視図。
【図8A】図1乃至4に示す搬送ウェブのステージング領域における所定量のコーティング液の堆積を示す、搬送路の一連の包括的な図。
【図8B】図1乃至4に示す搬送ウェブのステージング領域における所定量のコーティング液の堆積を示す、搬送路の一連の包括的な図。
【図8C】図1乃至4に示す搬送ウェブのステージング領域における所定量のコーティング液の堆積を示す、搬送路の一連の包括的な図。
【図9】図1乃至4および6に示す空隙を通過した後のコーティング・パッチを示す搬送路の包括的な図。
【図10A】図9に示すコーティング・パッチの作用部分によって回転される医療器具を示す側面図。
【図10B】図9に示すコーティング・パッチの作用部分によって回転される医療器具を示す側面図。
【図11】図10に示すようなステントにコーティングを塗布した後のコーティング・パッチを示す搬送路の包括的な図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して本発明の詳細な説明を後述する。
本発明は様々な形態にて実施可能であり、本発明の所定の好ましい実施例がここに詳細に開示される。明細書は本発明の原理の例であり、本発明を後述する所定の実施例に制限するように意図したものではない。
【0017】
この開示のために、図中の同様の参照符号は、特に他の方法により示されない場合は、同様の要素を示す。さらに、図示されるか一つの実施例に開示される本発明の要素や特徴は、要求に応じて別例に組み込み可能である。
【0018】
上述したように、本発明は、医療器具をコーティングするための装置やシステムとして、少なくとも一形態にて実施される。図1乃至4に、上記システムの一例を示す。図示の実施例において、コーティング・システム10は、搬送ウェブ20および測定ウェブ30を含み、これらは、これらを通過するコーティング液の量を測定するための空隙54を形成する。
【0019】
搬送ウェブ20および測定ウェブ30は、同じか異なる材料から形成される。実施例において、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方の材料は、通常コーティング液に含まれる溶媒および他の材料の影響に対して耐性を備える。材料はさらにコーティング液への移動に対して抵抗し、これにより、コーティング処理の全体にわたって溶液の一貫した組成を確実に保持する。
【0020】
少なくとも一実施例において、ウェブ20および30は各々、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)から、少なくとも部分的に構成される。ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方の製造において使用される他の好適な材料は、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。実施例において、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方は、傷に耐性を備え、輸送が容易であり、かつ/または他の所望の特徴を備える機能的なコーティングを含むコーティングされた膜や紙により構成される。
【0021】
ウェブ20および30の厚みは、所望の任意の厚みになり得る。実施例において、ウェブの一方または両者の厚みは、約0.1マイクロメートル乃至約100マイクロメートルである。実施例において、ウェブの一方または両者の厚みは、約10マイクロメートル乃至約50マイクロメートルである。少なくとも一実施例において、ウェブ20および30の一方または両者の厚みは、約25マイクロメートルである。少なくとも一つの実施例において、ウェブ20および30の一方または両者の厚みは、約5マイクロメートル乃至約10マイクロメートルである。
【0022】
各ウェブ20および30の幅も所望の任意の幅にて得られる。実施例において、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方の幅は、システム10を使用してコーティングされる医療器具100の長さの機能である。ウェブの幅は、医療器具の長さと少なくとも同じ長さである。少なくとも一実施例において、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方は、約40ミリメートル乃至約60ミリメートルの幅を有する。少なくとも一実施例において、各ウェブ20および30の幅は約50ミリメートルである。
【0023】
図示のシステム10において、搬送ウェブ20は、供給源機構22と受容、即ち端部機構24との間を延びる。搬送ウェブ20は、搬送ウェブ通路25に沿って、機構22と24との間を延びる。同様に、測定ウェブ30は、図示のように、測定ウェブ供給源機構32と測定ウェブ通路35に続く測定ウェブ端部機構34との間を延びる。
【0024】
供給源機構22および32は、それぞれの供給源機構からウェブ20あるいは30を一定に出力することができる任意のタイプの装置である。各端部機構24および34は、同様の一定の方法にてそれぞれの供給源機構からウェブを受容する収容能力によってのみ制限される。図1乃至4に示す実施例において、例えば、供給源機構22および32は、その上に含まれるウェブの、所定の長さを有するスプールまたはローラであり、端部機構24および34は、好適なウェブ20あるいは30を受容する少なくとも最初の空のスプールまたはローラである。
【0025】
図示の実施例の目的のために、供給源機構22および32(以下、供給源ローラ、あるいはローラと呼ぶ)は、所望の任意の量(長さ)のウェブを含む。ローラのウェブ材料の量を制限するものとして、ロールおよびウェブの総量(後述する駆動機構は、ローラを回転させる性能を有する必要がある)、ウェブの最初の径(妨害されることなくウェブの回転および前進が可能となるように十分に小さい必要がある)等が考えられる。これらの考察は、端部機構24および34が好適な供給源22または32から受容されたウェブを最終的に受容し蓄積するときに、等しく端部機構24および34(以下、端部ローラまたは受容ローラ、あるいはローラと呼ぶ)に当てはまる。
【0026】
上述したように、ローラ(搬送ウェブ20の場合は、供給源ローラ22および端部ローラ24、測定ウェブ30の場合は、供給源ローラ32および端部ローラ34)は、搬送ウェブ通路25および測定ウェブ通路35のそれぞれに沿ってウェブを前進させるように駆動される。実施例において、ウェブ前進の速度の選択的制御は好適である。図1乃至4に示す実施例において、ウェブは約1ミリメートル/秒乃至約1200ミリメートル/秒の速度にて通路に沿って前進される。実施例において、速度は、通常約100ミリメートル/秒乃至約150ミリメートル/秒である。異なる通路25および35は、所望に応じて同じか異なる速度にて前進されてもよい。少なくとも一実施例において、測定ウェブ30は、コーティング処理の全期間または所定の期間において静止した状態を保持される。
【0027】
ローラを回転させるための機構は、ローラあるいはウェブと係合し、これらを運動させることのできる任意の装置(1つ以上の油圧ポンプ、1つ以上の電気モータ等)である。様々な制御機構およびセンサが、所定の時間におけるローラの径、ウェブ張力等に対するウェブ速度の規則の他、ウェブ前進の開始、およびコーティング処理時における要求に応じた停止のために、システムにおいて使用されてもよい。
【0028】
実施例において、搬送ウェブおよび測定ウェブの速度は、端部ローラ24および34、並びに/または供給源ローラ22および32内に組み込まれるか、これらに操作自在に係合するサーボモータによって個別に駆動可能である。ウェブの所望の線形速度を得ることに必要な各駆動による回転速度は、ローラ22および32におけるウェブの厚みを個別に測定し、各ウェブの好適な周囲を計算することにより最初に決定され、従って、搬送ウェブおよび測定ウェブの両者に対して所望の線形速度を得るべくサーボモータの理論的な回転速度が計算可能である。ウェブの厚みの測定は様々な手段によって行なうことができる。少なくとも一実施例において、ウェブの厚みは、光学的に、例えば干渉計により得られる。各ウェブの線形速度は、測定された線形速度情報をサーボモータへ中継する直列リニアエンコーダによって制御可能であり、線形速度が所定の線形速度に対する所定の耐性外にある場合に、回転速度を調整することができる。実施例において、測定ウェブおよび搬送ウェブの張力は、ローラ22および32にて磁気破壊させることにより個別に調整される。搬送ウェブおよび測定ウェブの張力は、測定ウェブ通路および搬送ウェブ通路に沿った所定のポイントにて張力を測定する直列張力測定装置を使用し、この情報をローラ22および32、並びに/またはローラ24および34に中継することにより制御可能である。一方のウェブの張力が、所定の期間に対する規定の耐性外にある場合に、張力は、ローラ22および32にて破壊するかリリースすることにより調整することができる。
【0029】
少なくとも一実施例において、各ウェブ通路25および35の1つの駆動機構は、ローラから外的に使用されてもよい。図5に搬送ウェブ通路25のための駆動機構を例示する。ここで搬送ウェブ20は、供給源ローラ22から端部ローラ24に、かつドライブ・スピンドル40の周囲に移動する。モータあるいは他の機構によるドライブ・スピンドル40の駆動により、ウェブ20は、指示された方向に通路25に沿って移動可能である。しかしながら、1つのみの駆動機構によっても、ウェブ前進の速度の他、方向も所望に応じて反転させることができるものといえる。測定ウェブ30は、同様に前進され操作可能である。
【0030】
図1乃至3に示すように、実施例において、調整スピンドル42は、通路25および35のうち少なくともいずれか一方において、これらを所望に応じて配向し、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方の張力を保持し、規制することに使用される。
【0031】
図1Aに示すように、実施例において、1つ以上のスピンドルは、残骸取り払いスピンドル43として構成され、ウェブのうち少なくともいずれか一方(搬送ウェブ20は、外側表面21および内側表面23を含み、測定ウェブ30は、外側表面31および内側表面33を含む)の外側表面(例えば作用面、即ちコーティング液が接触する面)および/または内側表面と接触するように位置される。図2に一例を示すが、少なくとも一実施例において、1つ以上の残骸取り払いスピンドル43は、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方の内側表面23および/または33にのみ接触する。
【0032】
残骸取り払いスピンドル43は、ほこり、髪の毛や他の粒子のような任意の小さな残骸や外的要素を捕捉すべく1つ以上のウェブと接触する粘着性の材料を含むであろう。少なくとも一実施例において、残骸取り払いスピンドル43は、ウレタンを含む表面からなる。
【0033】
実施例において、ウェブ20および30のうち少なくともいずれか一方は、静電気を低減または除去すべく活性イオン化にさらされる。この活性イオン化は、ステージング領域52の上流に位置される1つ以上のイオン化ユニットを使用することにより行われる。
【0034】
図1乃至4に示すように、ウェブ20および30がシステム内に好適に位置され固定されると、コーティング処理が開始される。
(処理要約)
ウェブの前進に先だって、あるいは少なくとも搬送ウェブ20が制御機構(図示しない)によって移動されていない場合の(即ち、静止した)時点において、初期量のコーティング液50は、ステージング領域52にて搬送ウェブ20の外側表面21にアプリケータから堆積される。実施例において、アプリケータ61は注射器である。初期量のコーティング液50が塗布されると、搬送ウェブ20は、ステージング領域から空隙54に溶液50を移動させるべく前進される。初期量のコーティング液50は、続いて空隙54を通過する。
【0035】
図6に示すように、空隙54は、測定ウェブ30の外側表面31を搬送ウェブ20の外側表面21に近接させる規制部である。これにより、初期量のコーティング液50が空隙54を通過する場合に、少なくとも所定量の過剰なコーティング液50bが前進する測定ウェブ30の外側表面31に付着し運び去られる。空隙54を通過した後に搬送ウェブ20に残るコーティング液は、その関連する作用領域57を横断して略一様な厚みを有するコーティング・パッチ50aを形成する。作用領域57は、続いて医療器具に接触させられるパッチの領域である。
【0036】
コーティング・パッチ50aは、続いて医療器具100が位置されるコーティング塗布領域56まで搬送ウェブ通路25に沿って前進される。搬送ウェブ通路25を前進させることにより、パッチ50aは、医療器具100の外側表面に接触する。医療器具100は、パッチ50aの作用領域を通過し、これにより、医療器具の外側表面に略一様なコーティングが得られる。
(最初のコーティング液堆積)
ステージング領域52に堆積させるべくコーティング液50の初期量を決定することは、いくつかの要因を含み、例えば、コーティングされる医療器具のタイプおよび寸法、医療器具が含むこととなる治療薬およびキャリア(コーティング液内の)の所望の濃度、装置の薬剤総含有量、コーティングされる医療器具の表面積、測定ウェブおよび搬送ウェブが前進される速度、および空隙を含む。搬送ウェブ20の外側表面21にコーティング液を堆積させる実際の方法は、さらに変化する。例えば、搬送ウェブに容器からあらかじめ測定された量のコーティング液を手操作により単に注ぐことが可能である。実施例において、システムは、1回以上の投与量のコーティング液が予め充填された自動注射器61を使用する。実施例において、他の溶液投与機構は、スロットや押し出しダイ、スロット供給カーテン、ナイフ/棒/ブレードコーティング、グラビア・コーティング、変形可能なロールコーティング等を含む。
【0037】
図7に示すように、少なくとも一実施例において、予め充填した注射器61に含まれる溶媒の蒸発を防止すべく注射器61のアプリケータ・チップ63はシールしたチャンバ65内に最初に位置される。貯水槽および注射器のうち少なくともいずれか一方が、その使用に先立ってコーティング液を暖めるか冷却するように構成される。注射器61が充填されると、線形アクチュエータ、即ちロボットアームや同様の機構68は、搬送ウェブ20のステージング領域52の上方にアプリケータ・チップ63を再配置する。図7にステージング領域52を示し、図8A乃至8Cに初期量のコーティング液を受容するステージング領域52の機能をもっとも好適に示す。
【0038】
図示の方法にてアプリケータ・チップ63が位置される場合に、外的に伝えられる正圧がプランジャ66に作用され、初期量のコーティング液50が搬送ウェブ20に堆積される。実施例において、コーティング液は貯水槽から注射器61に供給され、注射器61(および/またはアプリケータ・チップ63)は1つ以上の始動バルブを備える。バルブは、所望の量のコーティング液50をリリースすべく開放される。
【0039】
実施例において、コーティング液の各塗布後に、チップ63を含む注射器61の少なくとも一部は清掃される。清掃は、手作業により、あるいは清浄液(図示しない)の貯水槽に注射器を位置させることによって行われる。
【0040】
コーティング液50は、長手方向軸53を有する長尺状ビード51の形態にて堆積され、これは堆積されると、ウェブ20の幅部分と略平行になり、かつ/または、その長さ部分に略直交する。
【0041】
図8Cにその一例を示す実施例において、ビード51には、中間の領域57と比較してより大きな量のコーティング液を有する複数の端部領域55が設けられる。これらの端部領域55は、初期量のコーティング液50が空隙54を通過する場合に、時期尚早に狭小となることを防止する。
【0042】
上述したように、実施例において、搬送ウェブが静止している(通路25に沿って前進しない)間に、ビード51は、搬送ウェブ20の外側表面21に位置される。実施例において、注射器61、あるいは、より正確に、アーム68は、ウェブ20の前進時に搬送ウェブ20にビード51を適用することができる。アーム68のサーボモータは、コーティング堆積時にウェブ20の移動を補償すべく搬送ウェブ20の幅部分を横断するようにアプリケータ・チップ63を移動させる他、前進するウェブ20と平行となる。
【0043】
初期量のコーティング液50が搬送ウェブ20に好適に堆積されると、ウェブは、コーティング液に空隙54を通過させるべく通路25に沿って「下流の」方向に前進される。
コーティング液の形成に通常使用される溶媒の所定の揮発性、およびこのような物質の揮発の傾向を考慮して、ステージング領域52は、コーティングの暴露時間を最小限にすべく空隙54に近接するように位置される。
【0044】
しかしながら、実施例において、この考慮は、シールされるハウジングまたはチャンバによって形成され、かつ温度および蒸気濃度が制御された環境にシステム全体を位置させることにより低減される。実施例において、そのようなチャンバは、搬送路25の周囲かつ搬送路25に沿った領域、および/またはコーティング液が暴露される搬送路25の領域にのみ設けられる。少なくとも一実施例において、1枚以上のカバープレートが、搬送ウェブ20に隣接して位置される。これらのカバープレートは、ウェブ20の幅部分を横断して、かつステージング領域52、空隙54、およびコーティング塗布領域56のような所望の領域におけるウェブ20の長さ部分に沿って延びる。不活性ガスや溶液の豊富な環境が、通路に沿って、上述したチャンバの閉じた環境内、および/または1つ以上のカバープレートに覆われる領域内に案内される。
(空隙、即ちウェブ、ブレードおよび基部)
図6に示すように、ここに開示されるシステム10の態様は、初期量のコーティング液50から過剰なコーティング50bを取り除き、かつ一様の厚みのコーティング・パッチ50aを設けるべく空隙54を使用することにある。
【0045】
上述したように、空隙54は、搬送ウェブ通路25および測定ウェブ通路35が交差するシステムの領域である。例えば、ウェブ20および30によって形成される空隙の高さはゼロに調整される(即ちウェブ20および30が物理的に接触する)が、この高さは、約1マイクロメートル乃至約100マイクロメートルに、あるいは比例する厚みのコーティング・パッチ50aが得られるように任意の所望の高さに、通常調整される。少なくとも一実施例において、空隙54は、約5マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの厚みを有するコーティング・パッチ50aが得られるように構成される。
【0046】
好適に較正される空隙54の通路となるコーティング・パッチ50aの厚みは、空隙の高さのおおよそ半分であり、即ち、空隙の高さは、測定ウェブおよび搬送ウェブが同じ直線速度を有する場合に、コーティングの厚みの約2倍に等しい。ゼロ位置の一様性を確立することによる空隙の較正は、下流側から上流側に空隙を光学的に照明することにより確立することができる。基部は、ウェブの幅部分を横断する光が光学的に検知不能となるまで上昇され、空隙は、ブレード固定治具の操作によりウェブの横断方向に手作業により調整される。
【0047】
コーティングの塗布において、空隙54の高さは、上述した関係に従って、医療器具に塗布される所望のコーティング・パッチ50aの厚みに応じて、約5マイクロメートル乃至60マイクロメートルである。実施例において、空隙の高さは、0.01マイクロメートルずつ増加させることによって調整することができる。
【0048】
図6に示すように、空隙54自体は、搬送ウェブ20および測定ウェブ30のそれぞれの外側表面21および31によって形成され、空隙の高さは、測定ウェブの内側表面33に対して測定ブレード60を位置させることにより部分的に保持される。図1乃至4に示すように、ブレード60はステージング領域52から下流の位置にて搬送ウェブ20の上に取り付けられる。実施例において、ブレード60は整列機構および再配置機構のうち少なくともいずれか一方を含み、これらによりブレードは、空隙54をさらに規制または開放すべく所望に応じて搬送ウェブに向かって、または搬送ウェブから離間するように再配置される。ブレード60は搬送ウェブ20に対して任意の角度に位置される。ウェブ30がブレード60に対して張力下に保持されるため、この方法によるブレード60の調整により、測定ウェブ30が対応して調整される。ブレード60に対する測定ウェブ30の張力は、空隙の高さ調整時に保持されるべく自動的に調整される。
【0049】
ブレード60には係合面または端62が設けられる。端62の少なくとも一部は、端ライン64に沿って測定ウェブ30の内側表面33に対して付勢される。図3および図6にて上述し図示した方法において、測定ウェブ30は、測定ウェブ30が測定ウェブ通路35に沿って前進されると、端62の周囲を移動する。端ライン64に対向する測定ウェブの外側表面31は、空隙54の上方の部分を形成し、初期量のコーティング液50と接触し、上述した方法にて過剰なコーティング液50bを除去すべく位置される。
【0050】
実施例において、空隙54を介して取り払われる過剰なコーティング50bの量は、搬送ウェブより高い速度にて空隙54を通して測定ウェブ30を移動させることにより制御可能である。ウェブ20および30の速度を個別に変更することによって、コーティングの厚みはより高度に制御される。
【0051】
図6に示すように、空隙54の下方の部分は搬送ウェブ20の外側表面23によって形成される。実施例において、搬送ウェブ20には、それ自体が空隙54の下方を形成することに十分な張力および/または材料強度が設けられる。しかしながら、実施例において、ウェブ20が空隙54の高さを確立し保持することを補助すべく基部、即ち基板70が搬送ウェブ20の下方に位置される。
【0052】
少なくとも空隙54および/またはステージング領域の少なくとも領域において、基部70は、搬送ウェブ20の内側表面23を堅固に支持するために十分な任意の所望の材料から形成される部材または部材の表面であり、これにより、搬送ウェブ30の外側表面31の一様性は、コーティング液の通過(空隙54の場合に)時やコーティング液の堆積(ステージング領域52の場合)時に妥協されるものではない。
【0053】
実施例において、空隙54および/またはステージング領域52の基礎となる基部70の少なくとも部分は、ステンレス鋼、セラミック、工具鋼、炭化タングステン、合金鋼、ダイヤモンド状炭素等のような非柔軟材料から形成される。実施例において、ブレード60、即ちブレードの少なくとも端62は、基部70と同じか類似の剛性を備えた堅固な材料から形成される。
【0054】
実施例において、基部70やコーティング塗布領域56に対応する基部70の少なくとも一部は、(例えば上述した材料のような)堅固な材料や、10乃至90デュロメータ(ショアA)硬度を有するいくぶん柔軟な材料から形成される。柔軟な基部領域の形成に使用することに好適な材料のいくつかの例は、PTFE、ポリカーボネート、ネオプレン、ポリウレタン等を含むがこれらに限定されるものではない。
【0055】
実施例において、基部70の位置は、ブレード60の位置に対して調整可能である。ブレード60に向かって、あるいはブレード60から離間するように基部70を移動させることによって、空隙の高さは調整することができる。基部70に対する搬送ウェブ20の張力は、空隙の高さ調整時に保持されるべく自動的に調整される。実施例において、ブレード60および基部70の両者は、個別に調整可能である。
【0056】
ブレード60および基部70の表面や整列に不備が無いことが重要である。不備があると、コーティング・パッチの厚みの一様性に悪影響を及ぼす。例えば以下の図は、ブレード60が基部に対して整列していない空隙(例えば、搬送ウェブの幅部分を横断する)を示す長手方向断面図である。そのような空隙を使用するコーティング・パッチの層は、一様な厚みを有さないものといえる。
【0057】
【表1】

同様に、ブレード60および基部70のうち少なくともいずれか一方が重大な表面の欠陥を含む場合に、そのような欠陥により許容できないほど不規則なパッチの厚みが生じる。基部70のそのような表面の欠陥の一例を以下に示す。
【0058】
【表2】

そのような整列および/または表面の欠陥は、容易に検知することができる。以下の図に示すように、少なくとも一実施例において、光は、空隙54を通過し、空隙をその幅部分に沿って通過する光の量または強度の不一致が観察される。そのような不一致を検知することにより、使用者や図4に示すような自動検知システム82は、空隙が適切に構成されていないと確証する。そのような決定は、システム10に警鐘を引き起こし、かつ/またはシステム10をシャット・ダウンさせるフィード・バック・ループの一部であり得る。
【0059】
【表3】

基部70およびブレード60は、通路25および35に沿ったウェブの前進中に対応するウェブと直接接触する可能性があるため、少なくとも実施例において、基部70および/またはブレード60(あるいは直接ウェブと接触する基部および/またはブレードの少なくとも1つ以上の部分)には、特に低摩擦係数を有する1つ以上の材料のコーティングが設けられる。そのようなコーティング材のいくつかの例は、ポリ(ジメチル・シロキサン)(PDMS)、PTFE等を含むが、これらに限定されるものではない。そのような表面処理を使用することにより、容易にウェブを搬送することができ、空隙54にウェブのしわが生じる危険性が最小限になる。
【0060】
実施例において、潤滑剤(潤滑剤アプリケータおよび貯水槽)が、搬送ウェブ20の内側表面23に隣接する基部70の表面にさらに設けられる。
一様な空隙の開口部の形成におけるブレード60および基部70の材料特性、およびこれらの好適な整列により、コーティング・パッチの厚みの形成および一貫性が確実に影響される。ウェブ表面21および31の表面平滑度も、確実にコーティング・パッチの一様性を保持する点における重要な要因であるものといえる。
【0061】
次のグラフは、少なくとも一実施例において、コーティング・パッチ50aのその長さ部分に沿った一様性の他、外側表面21の厚みの一様性に対するパッチの厚みの関係を示す。
【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

(コーティング・パッチ)
下流の方向にて空隙54を退出するコーティング・パッチ50aは、空隙54の上流のステージング領域52に最初に堆積するビード51よりずっと大きな領域を有するであろう。コーティング・パッチ50aは、他の要因と同様に元のビード51の径および形状に応じて様々な形状および構成を有する。本発明により形成される任意のコーティング・パッチにおいて、パッチの所定の部分は、作用部分57を形成し、さらに外的材料59の一部が設けられる。図9に示すコーティング・パッチ50aは、例えば、図8に示す元のビード51のバーベル状の形状を反映する形状を有する。本実施例において、作用部分57はパッチ50aの下流の端58の背面に位置され、パッチの長さのおおよそ50%拡張している。
【0064】
作用部分57および外的部分59の区別は、コーティング・パッチ50aの厚みに基づく。作用部分57の領域において、コーティングの厚みは略一様であるが、外的部分59の領域において、厚みは受容できない程度まで変化する。図9に示すように、例えば、空隙54が20マイクロメートル(空隙の高さに関して上述した部分を参照)のコーティングの厚みを得られるように設定される場合に、コーティング・パッチ50の作用部分57は、20マイクロメートルプラスマイナス0.25マイクロメートルの厚みを有するであろう。外的材料59の厚みはこの範囲外の領域を有してもよい。
【0065】
さらに、コーティング・パッチ50aの作用部分57は、医療器具100が接触するコーティングの作用部分57のみである点において、外的部分59とは区別される。
(コーティング塗布領域)
空隙54の通過に続いて、搬送ウェブ通路25に沿った下流の態様の説明を継続すると、コーティング・パッチ50aは、現在のシステム10のコーティング塗布領域56に搬送される。少なくとも一実施例において、コーティング塗布領域56は、搬送ウェブ20の幅部分に対して略平行に延びる機構80を保持する医療器具を含む。実施例において、機構80はマンドレル、ピン、バネ、並びに/またはステント、バルーン、カテーテルや、カテーテル要素等の医療器具100の取り付けに好適な他の装置を含む。
【0066】
実施例において、機構80は、搬送ウェブ20に向かって、および搬送ウェブ20から離間するように横断方向に移動可能である。非係合(離間する)位置に配置される場合に、機構は、ウェブ20やコーティング50aと接触しない。この位置に配置される場合に、医療器具100は機構80に装填されるか、機構80から取り払われる。係合位置(ウェブに向かう)に配置される場合に、機構に搭載される医療器具100は、ウェブ20および/またはコーティング・パッチ50aの作用部分57に接触する。
【0067】
次のグラフに示すように、医療器具100、即ちこの所定の例におけるステントに作用される圧力は、示される方法にてコーティング処理の間に変化する。
【0068】
【表6】

実施例において、機構80は、コントローラ(図示しない)に圧力フィード・バック・ループを供給するロードセルを含む。ロードセルは、機構80に搭載される医療器具がコーティング塗布時にウェブ20に作用する圧力を測定する。所定の圧力が到達する場合に、機構80は、ロードセルによって、設定時間(例えばコーティング・パッチ50aの作用部分57による装置100の一回以上の完全な回転を完了することに十分な時間)にわたって係合位置に医療器具を保持する。
【0069】
係合位置に配置される場合に、搬送ウェブ20の前進により、機構80に対応する回転速度が付与され、従って医療器具100が機構80に搭載される。図1bおよび図1Aに示すように、医療器具100は、この回転時においてコーティング・パッチ50aを覆うように、かつコーティング・パッチ50a内に少なくとも部分的に保持される。図10Bは、本発明の実施例において、コーティング・パッチ50aの厚みの一部のみによって回転する位置に医療器具100が保持されることを示す。図10Aは、本発明の実施例において、医療器具100がコーティング・パッチ50aの厚み全体によって回転されることを示す。
【0070】
コーティング・パッチ50aによる医療器具100の1回以上の回転の完了時に、機構80、即ち医療器具100は、非係合位置に移動される。コーティング・パッチ50aの作用部分57による医療器具100の回転により、医療器具は、コーティング50aによって回転した装置100の表面に沿って略一様な厚みのコーティングを受容する。
【0071】
実施例において、医療器具100は、好適に乾燥されるか、硬化されるべくコーティングが塗布されることに十分な時間にわたって非係合位置に保持される。実施例において、熱源は、乾燥/硬化工程を促進するように医療器具の方に配向可能である。実施例において、医療器具の乾燥し/硬化されたコーティングの厚みは、約1.5マイクロメートル乃至約14マイクロメートルであろう。
【0072】
コーティングが好適に硬化されると、機構80は、医療器具100を第2のコーティング・パッチに再度係合させ、これにより医療器具100に、複数のコーティング層が塗布される。コーティング処理の繰り返しによって、医療器具100には、要求に応じて任意の数の同様か異なるコーティング層が設けられる。コーティング液の層は、治療薬を含まないか、1つ以上の治療薬を含む。
【0073】
実施例において、機構80は、搬送ウェブ20の方向および速度と無関係に、いずれかの方向に機構を回転させることができる駆動機構を含む。
実施例において、コーティング・パッチ50aの作用部分57は、これにより医療器具100が一回転完了することに十分な長さを有する。実施例において、コーティング・パッチ50aの作用部分57は、医療器具100が装置の表面に、より厚みのあるコーティングを蓄積すべく、作用部分57により、複数回の回転を完了することができるように十分な長さを有する。
【0074】
医療器具100がコーティング・パッチ50aとのその相互作用を完了した後に、医療器具(例えばステント部材のパターンおよび管状ステントのセル開口部)の表面に位置される任意の地形上のパターンが、図11に示す方法のように塗布後のパッチに反映されるであろう。
【0075】
少なくとも一実施例において、印刷されたコーティング・パッチは、微分干渉コントラストイメージング、暗視野照明や、他の技術を使用して分析される。イメージの増強したコントラストは、コーティング内に印刷された医療器具の地形を示す。この図を分析することによって、使用者は、医療器具に塗布されたコーティングが一様であるかどうか判断することができる。図4に、そのような像の分析に好適なビジュアル化システム84を示す。ビジュアル化システム84は、コーティング塗布領域56に隣接して(下流に)位置される。
【0076】
実施例において、コーティングを施した医療器具自体、より詳細には、医療器具に塗布されたコーティングは、スペクトル反射率、低コヒーレンス干渉法、白色光干渉法や類似の技術を使用して分析され、器具の様々な位置におけるコーティングの厚みを決定し、コーティング内に含まれる含有薬剤の濃度および分配のうち少なくともいずれか一方を決定する。
(コーティングおよび治療薬)
広く上述したように、本発明は医療器具にコーティングを塗布することに特に好適である。コーティング液は、治療薬を溶かすことに使用される溶媒の他、通常1つ以上のポリマ剤等の様々な物質を含む。しかしながら、医師および患者にとって特に重要なことは、コーティングの治療の態様である。本発明の実施例における上述したコーティング液の組成において、任意の治療薬が使用可能である。ここに使用されるような用語「治療薬」は薬、遺伝物質および生体物質を包含し、「生物学的活性剤」と交換可能に使用することができる。用語「遺伝物質」は、DNAまたはRNAを意味し、後述する有用なタンパク質をコードするDNA/RNAを含むがこれらに限定されるものではない。このDNA/RNAは、ウイルスベクタおよび非ウイルスベクタを含む人体に挿入されることを意図される。
【0077】
用語「生体物質」は、細胞、イースト、バクテリア、タンパク質、ペプチド、サイトカイニン、およびホルモンを含む。ペプチドとタンパク質の例は、血管内皮成長因子(VEGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、軟骨成長因子(CGF)、神経成長因子(NGF)、角質細胞成長因子(KGF)、骨格成長因子(SGF)、骨芽細胞派生成長因子(BDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、サイトカイニン成長因子(CGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、低酸素誘導因子1(HIF−1)、幹細胞派生成長因子(SDF)、幹細胞因子(SCF)、血管内皮細胞成長サプリメント(ECGS)、顆粒細胞マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)、成長分化因子(GDF)、インテグリン修飾因子(IMF)、カルモジュリン(CaM)、チミジンキナーゼ(TK)、腫瘍壊死因子(TNF)、成長ホルモン(GH)、骨形成タンパク質(BMP)(例えばBMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(PO−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−14、BMP−15、BMP−16等)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、マトリックスメタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)、サイトカイニン、インターロイキン(例えばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12,IL−15等)、リンフォカイン、インターフェロン、インテグリン、コラーゲン(すべてのタイプ)、エラスチン、フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、転写(transferring)、サイトタクチン、細胞束縛領域(例えばRGD)およびテネイシンを含む。
【0078】
BMPの例は、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7である。これらの二量体のタンパク質は、ホモ二量体、ヘテロ二量体、あるいはこれらの組み合わせとして、単独にて、あるいは他の分子とともに得られる。細胞は、移植部位に関連するタンパク質を搬送すべく、所望に応じてヒト由来(自己由来か同種異型の)ものであっても、動物由来(異種の)のものであっても、遺伝子的に操作されてもよい。搬送媒体は、細胞機能および生存可能性を保持する必要に応じて調剤することができる。細胞は、前駆細胞(例えば血管内皮前駆細胞)、幹細胞(例えば、間充織、血液生成、ニューロン)、間質細胞、実質細胞、未分化の細胞、繊維芽細胞、マクロファージ、および衛星細胞を含む。
【0079】
他の好適な治療薬は次のものを含む。
・ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼおよびPPack(デキストロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン、クロロメチルケトン)のような抗血栓薬。
・エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖を防止することができるモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、シロリムス、ゾタロリムス、アムロジピンおよびドキサゾシン等の抗増殖剤。
・糖質コルチコイド、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、ロシグリタゾン、ミコフェノール酸およびメサラミン等の抗炎症剤。
・パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、メトトレキサート、アザチオプリン、アドリアマイシンおよび登録商標マイトマイシンのような抗腫瘍薬/抗増殖剤/抗有糸分裂剤、エンドスタチン、アンギオスタチンおよびチミジンキナーゼ阻害剤、クラドリビン、タキソール、およびその類似物または誘導体、パクリタキセルおよびその誘導体、類似物、あるいはアナログあるいはタンパク結合パクリタキセル(例えば登録商標Abraxane)。
・リドカイン、ブピバカイン、およびロピバカイン等の麻酔薬。
・D‐Phe‐Pro‐Arg‐クロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、アンチトロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン(アスピリンも鎮痛性、解熱・抗炎症剤として分類される)、ジピリダモール、プロタミン、ヒルジン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、トラピジルや登録商標Liprostin、およびマダニ抗血小板ペプチド(tick antiplatelet peptides)のような抗血小板剤等の抗凝固剤。
・細胞増殖を抑制し、所定の癌細胞のアポトーシスを誘発する、RNAやDNAの代謝物質としても分類される5−アザシチジン等のDNA脱メチル化剤。
・成長因子、血管内皮成長因子(VEGF、VEGF−2を含むすべてのタイプ)、成長因子受容体、転写活性化因子および翻訳促進剤等の血管細胞成長促進剤。
・抗増殖剤、成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、抑制抗体、成長因子に対する抗体、成長因子および細胞毒素から構成される二官能性分子、抗体および細胞毒素から構成される二官能性分子等の血管成長阻害剤。
・コレステロール降下剤、血管拡張剤、及び内因性血管作用機構に干渉する薬剤。
・プロブコールのような酸化防止剤。
・ペニシリン、セフォキシチン、オキサシリン、トブラマイシン、ラパマイシン(シロリムス)のような抗生物質薬品。
・酸性および塩基性線維芽細胞成長因子、並びにエストラジオール(E2)、エストリオール(E3)および17−βエストラジオールを含むエストロゲン等の血管新生物質。
・ジゴキシン、ベータ遮断薬、カプトプリルとエナラプリルを含むアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、スタチンおよび関連する化合物等の心不全用の薬。
・シロリムスまたはエベロリムスのようなマクロライド。
【0080】
他の治療薬は、ニトログリセリン、亜酸化窒素、一酸化窒素、抗生物質、アスピリン、ジギタリス製剤、エストロゲン、エストラジオールおよびグリコシドを含む。典型的な治療薬は、ステロイド、ビタミンおよび再狭窄防止剤のような抗増殖剤を含む。典型的な再狭窄防止剤は、登録商標Taxol、パクリタキセル(例、パクリタキセル、パクリタキセル類似物や、パクリタキセル誘導体、およびこれらの混合体)等の微小管安定剤を含む。例えば、医療器具における使用に好適な誘導体は、2’−スクシニル−タキソール、2’−スクシニル−タキソールトリエタノールアミン、2’−グルタリル−タキソール、2’グルタリル−タキソールトリエタノールアミン塩、N−(ジメチルアミノエチル)グルタミンとの2’−O−エステル、及びN−(ジメチルアミノエチル)グルタミド塩酸塩との2’−O−エステルを含む。
【0081】
他の治療薬の例は、タクロリムス、ハロフジノン、ゲルダナマイシン等の熱ショックタンパク質HSP90の阻害剤、エポチロンD等の微小管安定化剤、シロスタゾール等のホスホジエステラーゼ阻害剤、Barkct阻害剤、ホスホランバン阻害剤、およびSERCA2遺伝子/タンパク質を含む。さらなる別例において、治療薬は、エリスロマイシン、アンホテリシン、ラパマイシン、アドリアマイシン等のような抗生物質である。
【0082】
実施例において、治療薬は、細胞の新陳代謝を変更するか、タンパク質合成、DNA合成、紡錘糸形成、細胞増殖、細胞移動、微小管形成、マイクロフィラメント形成、細胞外マトリックス合成、細胞外マトリックス分泌あるいは細胞量増加等の細胞活動を抑制することができる。別例において、治療薬は、細胞増殖および移動のうち少なくともいずれか一方を抑制することができる。
【0083】
実施例において、医療器具で使用される治療薬は、当業者に公知の方法によって合成することができる。これに代えて、治療薬は、化学薬品会社および製薬会社から購入可能である。
【0084】
治療薬は、ポリマ剤を含み、ポリマ剤は、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレン−トリブロック共重合体(SIBS)、ポリ乳酸(PLA)ポリ−乳酸−グリコール酸、ポリ(DLラクチドーグリコリド)、ポリエチレンオキシド、シリコーンゴム、および/または例えばポリ(n−ブチル・メタクリレート)(PBMA)、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)等の他の生物分解性および生体安定性を備えたポリマ、および/または任意の他の好適な物質である。
【0085】
実施例において、上述した例のようなポリマ剤は、第1の、即ち最初のコーティング液であり、これは、上述した方法にて(例えば、コーティング液50は、搬送ウェブ20に塗布され、前進され、パッチ50aを形成し、これにより医療器具100が前進される等)医療器具100に最初に塗布される。
【0086】
治療薬および/またはポリマが1つ以上の溶媒の溶液に溶かされる実施例において、溶媒、即ち溶液は、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル・イソ・ブチル・ケトン(MIBK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸ブチル、酢酸エチル、ジメチル・フォルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、シクロヘキサノン、水およびエタノールからなる群の少なくとも1つから選択される。
(ステントによる前処置)
上述したことから明らかであるが、ここに開示されるコーティング処理により、広範囲のコーティング量を塗布することができる。しかしながら、非常に少ないコーティング量のような実施例において、コーティングの量はステントの表面に沿って要求以上に変化してもよく、また、コーティングに空隙が生じてもよい。実施例において、これらの点に取り組むべく、医療器具100は、コーティング・パッチ50aと接触するに先だって、プラズマ処理にさらされる。
【0087】
実施例において、医療器具は、プラズマ処理され、プラズマ処理の24時間以内にシステム10を使用してコーティングされる。
少なくとも一実施例(その一例は図4に示される)において、医療器具100の操作を最小限にすべく、医療器具100は、プラズマ処理用のプラズマチャンバ83内の保持機構80に保持される。保持機構80は、プラズマチャンバ83内の位置からコーティング塗布領域56に隣接する位置へ移動可能である。プラズマ処理に続いて、保持機構80および医療器具100は、コーティング塗布領域56に対して再配置される。
【0088】
少なくとも一実施例において、ステントは、マーチ・プラズマ・システムズ社によって提供される真空プラズマ技術にさらされる。真空プラズマシステムにおいて、医療器具100は、チャンバに低圧にて位置され、複数の部分、即ちステント全体が同時に処理される。
【0089】
少なくとも一実施例において、Brushプラズマシステムのような大気圧の技術が使用され、ここで気体のプラズマの流れは、処理すべくステントの表面を覆うように、または表面を移動する。
【0090】
上述した2つの治療オプション間の主な違いは、真空処理が略イオンを使用することによって表面を処理し、大気圧処理がラジカルを使用することによって処理することにある。
【0091】
実施例において、医療器具100がさらされるプラズマ処理は、例えば水素および酸素のような気体の組み合わせを使用する。実施例において、例えばアルゴンおよび/または窒素のような不活性ガスが使用される。
【0092】
上述したプラズマ処理工程は、金属に付加的にポリマ基板を処理することに使用可能であるものといえる。
本発明において、プラズマ処理工程は、ステント等の未処理の医療器具のウェブコーティングと比較して空隙コーティングの数を低減することが示された。この効果は、ステントが転がる溶液パッチの厚みがより薄くなるより低いコーティング量において、より大きい。
【0093】
医療器具100がステントである一例において、ステントはプラチナクロム合金(プラチナが豊富なステンレス鋼)から形成され、大気圧プラズマ処理にさらされた。表面にて測定されるオキシド基およびヒドロキシル基の量が増加した。表面のカルボキシル基(−COOH)の増加も観察された。これはステントに対するコーティングの付着性を増加するものと考えられる。オキシド基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基は、カルボキシル基やヒドロキシル基の末端基を含む生体分解性を備えたコーティングの付着において特に効果的である。
【0094】
以上が本発明の好適な実施例および別例の開示である。当業者は、ここに開示される所定の実施例の均等物も請求の範囲によって包含されるものと認識するであろう。
上記の開示は、例示的なものであり、網羅的なものと意図されるものではない。本明細書は当業者に多くの変更および別例を示唆するであろう。個別の図に示し、上述した様々な要素は、要求に応じて組み合わせや変形が可能である。これらの別例および変更はすべて、請求の範囲内に包含されるものと意図され、用語「含む」は、「含むが、これに制限されるものではない」ことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機具にコーティング液を塗布するためのシステムであって、
内側表面および外側表面を形成するとともに、搬送ウェブ通路に沿って延び、搬送ウェブ通路に沿って上流および下流の方向に移動可能である搬送ウェブと、
内側表面および外側表面を形成するとともに、測定ウェブ通路に沿って延びる測定ウェブと、
搬送ウェブの外側表面の領域からなるステージング領域に所定量のコーティング液を堆積するコーティング堆積機構と、
搬送ウェブの外側表面および測定ウェブの外側表面によって形成されるとともに、ステージング領域の下流に位置される空隙と、
測定ウェブの下流の搬送ウェブの外側表面によって形成されるコーティング塗布領域に位置される医療器具支持体とを備えることを特徴とするコーティング液塗布システム。
【請求項2】
前記測定ウェブは、測定ウェブ通路に沿って、上流および下流の方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
端を含むブレードをさらに備え、前記測定ウェブ通路は、端の少なくとも一部の周囲を延び、測定ウェブの内側表面は、端のラインに沿って端の少なくとも一部に接触することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コーティング堆積機構は注射器を含み、同注射器はコーティング液貯水槽と連通し、注射器はチップを有し、同チップはステージング領域にて搬送ウェブに隣接して位置され、コーティング液貯水槽から初期量のコーティング液をステージング領域に堆積することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記搬送ウェブに塗布される初期量のコーティング液は、バーベル状の形状を形成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記初期量のコーティング液は、空隙を通して前進されコーティング・パッチを形成し、同コーティング・パッチは、作用領域を有し、同作用領域は、一様の厚みを有するコーティング液の領域によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記空隙の高さは約1マイクロメートル乃至約100マイクロメートルであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング・パッチの一様の厚みは、空隙の高さのおおよそ半分であることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コーティング・パッチの一様の厚みは、約5マイクロメートル乃至約25マイクロメートルであることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記医療器具支持体は、回転自在に医療器具支持体に位置される医療器具を含み、同医療器具は、搬送ウェブに近接して位置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記医療器具は、ステント、バルーン、カテーテル、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
医療器具をコーティングする装置であって、
搬送ウェブ供給源ローラから搬送ウェブ受容ローラまで延びる搬送ウェブと、
測定ウェブ供給源ローラから測定ウェブ受容ローラまで延びる測定ウェブと、
搬送ウェブ供給源ローラから搬送ウェブ受容ローラに下流の方向に搬送ウェブを前進させ、かつ測定ウェブ供給源ローラから測定ウェブ受容ローラに測定ウェブを前進させるための少なくとも1つの機構と、
空隙と、搬送ウェブの領域と、該空隙を形成する測定ウェブの領域と、
空隙の上流の位置における搬送ウェブのステージ領域に隣接して位置されるコーティング液アプリケータと、
空隙から下流の位置に搬送ウェブのコーティング塗布領域に隣接して位置される医療器具保持機構とを備えることを特徴とする医療器具コーティング装置。
【請求項13】
医療器具にコーティングを塗布する方法であって、
コーティング装置提供を提供する工程と、該コーティング装置は、
搬送ウェブ供給源ローラから搬送ウェブ受容ローラまで延びる搬送ウェブと、
測定ウェブ供給源ローラから測定ウェブ受容ローラまで延びる測定ウェブと、
空隙と、搬送ウェブの領域と、該空隙を形成する測定ウェブの領域と、
空隙の上流の位置における搬送ウェブのステージング領域に隣接して位置されるコーティング液アプリケータと、
空隙から下流の位置における搬送ウェブのコーティング塗布領域に隣接して位置される医療器具保持機構とを備え、
ステージング領域にて搬送ウェブにコーティング液塗布により初期量のコーティング液を堆積させる工程と、
搬送ウェブ通路に沿って下流の方向に搬送ウェブを前進させ、これによりステージング領域から空隙に初期量のコーティング液を搬送する工程と、
測定ウェブ通路に沿って測定ウェブを前進させる工程と、
空隙を通して初期量のコーティング液を前進させる工程において、測定ウェブは、初期量のコーティング液に接触し、測定ウェブは、初期量のコーティング液から余剰量のコーティング液を取り払い、搬送ウェブにコーティング・パッチを形成する工程と、
コーティング・パッチを医療器具保持機構に前進させる工程において、医療器具保持機構は、医療器具を含み、医療器具は、搬送ウェブに対して自由に回転自在である工程と、
コーティング・パッチが搬送ウェブを前進させることにより医療器具保持機構を通過すると、コーティング・パッチの作用部分に医療器具を回転させる工程とを含むことを特徴とするコーティング塗布方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図11】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2012−533431(P2012−533431A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521736(P2012−521736)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/042632
【国際公開番号】WO2011/011433
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(506192652)ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド (172)
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
【Fターム(参考)】