説明

医療支援装置、医療支援方法及びプログラム

【課題】直感的な操作による検査部位の選択の際に、医療検査の種類に応じて選択可能な検査部位を適切に表示し得る、医療支援装置、医療支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】医療支援装置は、ユーザインタフェース9を表示する表示部2と、入力を受け付ける入力受付部3と、ユーザインタフェース9として表示される複数の図形を記憶する記憶部5と、図形を選択し、それを表示部2に表示させる図形選択部4とを備える。記憶部5は、検査種が列記された検査種メニューと、検査種毎に設定され、検査部位に対応する部分の集合で形成された人型の図形と、各部分における細分化部分の名称が列記された細分化メニューとを記憶する。図形選択部は、検査種を選択する入力が受け付けられると、その検査種に設定された人型の図形を表示部2に表示させ、人型の図形の部分を選択する入力が受け付けられると、対応する細分化メニューを表示部2に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療支援装置、医療支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療機関においては、電子カルテシステムを初めとした各種の電子化システムが導入されている。このような電子化システムは、各種の病院業務における効率の向上を図ることができ、ひいては、省力化や、経費の低減化に貢献する。
【0003】
特に、医療機関では、MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査装置、及びCT(Computed Tomography)検査装置等の検査装置が導入されているが、病院業務における効率の向上には、診断を行う医師と検査装置の操作者との間の連携が重要となる。このため、電子化システムの一つとして、医師がコンピュータの画面上で選択した検査装置の種類と検査対象となる部位(検査部位)とを、検査装置側に送信するシステムが導入されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
具体的には、特許文献1に開示のシステムでは、医師側のコンピュータの表示画面上には、ユーザインタフェースとして、選択可能な検査装置が列記されたプルダウンメニューや、人体を模した図形等が表示される。また、図形は、複数の部分の集合によって構成されており、部分毎に選択可能となっている。このような図形を用いた選択は、医師において直感的な操作を可能としており、選択作業の効率化及び容易化を図っている。
【0005】
そして、医師が、検査装置の種類と、検査部位に相当する部分とを選択すると、選択された情報が、検査装置に送られる。検査装置の操作者は、送られた情報に基づいて、検査装置を操作すれば良い。このような特許文献1に開示のシステムによれば、検査情報は、迅速、且つ、確実に、医師から検査装置の操作者に伝わるので、医療行為の迅速化が図られる。
【特許文献1】特開2005−80969号公報(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、通常、検査部位は、医療検査の種類毎、つまり検査装置毎に異なっている。しかしながら、特許文献1に開示のシステムでは、端末装置の表示画面に表示される図形は、実施される医療検査の種類が、MRI検査、CT検査等のどのような検査装置であっても同じであり、医師が選択可能な部位も同じである。
【0007】
このため、医師が、選択されている医療検査では検査できない部位を誤って選択し、誤って選択された部位が、検査部位として指示されてしまう場合がある。この場合、検査装置の操作者は、誤った指示が行われていることを医師に連絡する必要がある。また、操作者は、正確な指示があるまで、医療検査を行えず、医療検査の遅延が発生してしまう。更に、医療検査の遅延は、患者にとっても大きな負担となる。
【0008】
本発明の目的は、上記問題を解消し、直感的な操作による検査部位の選択の際に、医療検査の種類に応じて、選択可能な検査部位を適切に表示し得る、医療支援装置、医療支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明における医療支援装置は、医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択とを支援する医療支援装置であって、
表示画面にユーザインタフェースを表示させる表示部と、前記ユーザインタフェースを介した外部からの入力を受け付ける入力受付部と、前記ユーザインタフェースとして表示される複数の図形を記憶している記憶部と、前記外部からの入力に応じて、前記記憶部が記憶している前記複数の図形の中から図形を選択し、選択した図形を前記表示部に表示させる図形選択部とを備え、
前記記憶部は、前記複数の図形として、
前記医療検査の種類が列記された検査種メニューと、
前記医療検査の種類毎に設定され、且つ、当該医療検査で検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている、人型の図形と、
前記部分毎に設定され、且つ、各部分を細分化したときの細分化された部分の名称が列記された細分化メニューとを記憶し、
前記図形選択部は、前記表示部に前記検査種メニューを表示させた後、前記入力受付部が、いずれかの医療検査を選択する入力を受け付けると、前記表示部に、選択されている医療検査に対して設定された前記人型の図形を表示させ、
更に、前記入力受付部が、表示されている前記人型の図形のいずれかの部分を選択する入力を受け付けると、前記表示部に、選択されている部分に対して設定された前記細分化メニューを表示させる、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明における医療支援方法は、医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択とを支援するための医療支援方法であって、
(a)表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記医療検査の種類が列記された検査種メニューを表示するステップと、
(b)前記(a)のステップで表示された検査種メニューを介して、いずれかの医療検査の選択を受け付けるステップと、
(c)前記医療検査の種類毎に設定され、且つ、当該医療検査で検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている、人型の図形の中から、前記(b)のステップで選択された医療検査に対して設定された人型の図形を選択するステップと、
(d)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(c)のステップで選択された人型の図形を表示するステップと、
(e)前記(d)のステップで表示された人型の図形を介して、いずれかの前記部分の選択を受け付けるステップと、
(f)前記部分毎に設定され、且つ、各部分を細分化したときの細分化された部分の名称が列記された細分化メニューの中から、前記(e)のステップで選択された部分に対して設定された細分化メニューを選択するステップと、
(g)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(f)のステップで選択された細分化メニューを表示するステップとを有する、ことを特徴とする。
【0011】
更に、上記目的を達成するために、本発明におけるプログラムは、医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択との支援をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記医療検査の種類が列記された検査種メニューを表示するステップと、
(b)前記(a)のステップで表示された検査種メニューを介して、いずれかの医療検査の選択を受け付けるステップと、
(c)前記医療検査の種類毎に設定され、且つ、当該医療検査で検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている、人型の図形の中から、前記(b)のステップで選択された医療検査に対して設定された人型の図形を選択するステップと、
(d)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(c)のステップで選択された人型の図形を表示するステップと、
(e)前記(d)のステップで表示された人型の図形を介して、いずれかの前記部分の選択を受け付けるステップと、
(f)前記部分毎に設定され、且つ、各部分を細分化したときの細分化された部分の名称が列記された細分化メニューの中から、前記(e)のステップで選択された部分に対して設定された細分化メニューを選択するステップと、
(g)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(f)のステップで選択された細分化メニューを表示するステップと、を実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明における、医療支援装置、医療支援方法及びプログラムによれば、直感的な操作による検査部位(検査対象となる部位)の選択の際に、医療検査の種類に応じて、選択可能な検査部位を適切に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における医療支援装置、医療支援方法及びプログラムについて、図1〜図9を参照しながら説明する。最初に、図1〜図8を用いて、本発明の実施の形態における医療支援装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態における医療支援装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す本実施の形態における医療支援装置1は、医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択とを支援する装置である。図1に示すように、医療支援装置1は、表示部2と、入力受付部3と、図形選択部4と、記憶部5とを備えている。本実施の形態では、医療支援装置1は、病院に導入されている電子カルテシステムの一部を構成している。また、選択可能な医療検査には、MRI検査、及びCT検査が少なくとも含まれている。なお、選択可能な医療検査の種類は、特に限定されるものではない。
【0015】
表示部2は、表示画面8aにユーザインタフェース9を表示させる。入力受付部3は、ユーザインタフェース9を介した外部からの入力を受け付ける。記憶部5は、ユーザインタフェース9として表示される複数の図形を記憶している。図形選択部4は、外部からの入力に応じて、記憶部5が記憶している複数の図形の中から図形を選択し、選択した図形を表示部2に表示させる。
【0016】
本実施の形態では、表示部2は、液晶表示装置といった表示装置8に接続されている。ユーザインタフェース9は、複数の図形で構成されており、表示装置8の表示画面8aに表示される。また、入力受付部3には、キーボードやマウスといった入力装置7が接続されている。入力受付部3は、入力装置7から入力された信号、例えば、マウスの場合は、ポインタの座標を特定する信号や、クリックの有無を特定する信号を受け付け、受け付けた信号を、表示部2及び図形選択部4に入力する。表示部2は、入力受付部3からの信号に基づき、ユーザインタフェース9の表示を更新する。また、図形選択部4は、入力受付部3からの信号に基づき、後述する選択が行われたどうかを判定する。
【0017】
記憶部5は、ユーザインタフェース9となる図形として、検査種メニュー(図2〜図8参照)と、人型の図形(図2及び図3参照)と、細分化メニュー(図7及び図8参照)とを記憶している。検査種メニューには、選択可能な医療検査の種類(検査種)が列記されている。人型の図形は、選択可能な医療検査の種類(検査種)毎に設定され、検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている。細分化メニューは、人型の図形の部分毎に設定されている。細分化メニューには、各部分を細分化したときの細分化された部分(細分化部分)の名称が列記されている。
【0018】
図形選択部4は、表示部2に検査種メニュー(図2〜図8参照)を表示させた後、入力受付部3が、いずれかの医療検査を選択する入力を受け付けると、表示部2に、選択されている医療検査に対して設定された人型の図形(図2及び図3参照)を表示させる。また、図形選択部4は、入力受付部3が、表示されている人型の図形のいずれかの部分を選択する入力を受け付けると(図4及び図5参照)、表示部2に、選択されている部分に対して設定された細分化メニュー(図6及び図7参照)を表示させる。
【0019】
本実施の形態では、細分化メニュー(図6及び図7参照)が表示されると、入力受付部3は、細分化メニューに列記された細分化部分を選択する入力を受け付ける。医療支援装置1は、更に、送信部6を備え、選択されている医療検査を実行する検査装置に向けて、選択されている細分化部分を特定する情報を送信する。
【0020】
具体的には、医療支援装置1は、送信部6によって、病院内に敷設されたネットワーク30に接続され、更に、ネックとワーク30を介して検査部門の端末装置31及び33に接続されている。また、端末装置31は、CT検査装置32に接続され、端末装置33は、MRI検査装置34に接続される。選択されている細分化部分を特定する情報は、ネットワーク30を介して、対応する検査装置に送られる。
【0021】
このように、本実施の形態における医療支援装置1によれば、人型の図形の部分を選択することによって(図4及び図5参照)、つまり、直感的な操作によって、医療検査の検査対象となる部位の大まかな選択が可能となっている。そして、人型の図形は、医療検査の種類毎に設定されているため(図2及び図3参照)、表示画面には、検査の種類に応じて、検査可能な部位が適切に表示される。この結果、医師が、検査できない部位を誤って選択してしまう事態の発生が抑制され、医療検査の遅延が回避される。
【0022】
更に、本実施の形態によれば、医師は、人型の図形を用いて、大まかな部位を選択してから、細分化メニューの中から具体的な部分を選択することによって(図7及び図8参照)、具体的な検査対象となる部位が特定される。即ち、本実施の形態においては、具体的な検査対象となる部位の特定は、認識の方法を変えて、二段階で行われる。よって、医師による入力誤りの発生も抑制される。
【0023】
ここで、図2〜図8を用いて、医療支援装置1の各部の機能について、更に、具体的に説明する。図2〜図8それぞれは、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。また、図2〜図8では、図1に示されたユーザインタフェース9を構成するテンプレート9aが図示されている。本実施の形態では、テンプレート9aを用いて、医療検査の種類と検査対象となる患者の部位とが選択される。テンプレート9aは、記憶部5に記憶されている。テンプレート9aの起動が入力装置7から指示されると、図形選択部9aは、表示部2にテンプレート9aを表示させる。
【0024】
図2及び図3は、検査種メニューと人型の図形とを示している。検査種メニュー及び人型の図形は、ユーザインタフェース9(テンプレート9a)を構成する。図2及び図3に示すように、本実施の形態では、表示部2は、プルダウンメニューによって、「CT」検査または「MRI」検査が選択可能な検査種メニュー10を表示している。医師等の操作者が、入力装置7によるポインタ17の操作で検査種を指定すると、入力受付部3は、検査種を選択する入力を受け付ける。
【0025】
図2の例では、検査種として、「CT」検査が選択されている。これにより、図形選択部4は、CT検査に対して設定された人型の図形11を記憶部5から取り出し、これを表示部2に表示させる。一方、図3の例では、検査種として「MRI」検査が選択されている。これにより、図形選択部4は、MRI検査に対して設定された人型の図形12を記憶部5から取り出し、これを表示部2に表示させる。このように、本実施の形態では、選択された検査種に応じて、対応する人型の図形が表示される。
【0026】
図2に示す人型の図形11は、CT検査に対応するため、頭頚部11a、体幹部11b、脊椎11c、右上肢11d、左上肢11e、右下肢11f、左下肢11gの7つの部分で構成されている。頭頚部11a、体幹部11b、脊椎11c、右上肢11d、左上肢11e、右下肢11f、及び左下肢11gの各部分は、医師等の操作者がポインタ17を操作することによって選択される。図4は、一部分が選択されている状態を示している。図4の例では、頭頸部11aが選択されている。
【0027】
また、本実施の形態では、表示されている人型の図形の2以上の部分を選択する入力が、予め設定された2以上の部分の組合せについて、許容されている。よって、入力受付部3は、予め設定された組合せで、2以上の部分を選択する入力を受け付けることができる。
【0028】
具体的には、人型の図形11の場合は、右上肢11dと左上肢11eとの組み合わせ、右下肢11fと左下肢11gとの組み合わせ、頭頚部11aと体幹部11bとの組み合わせ、体幹部11bと右上肢11dと左上肢11eとの組み合わせでの選択が可能となっている。図5は、2以上の部分の組み合わせが選択されている状態を示している。図5の例では、頭頚部11aと体幹部11bとが選択されている。また、図2、図4及び図5において、14a及び14bは、組み合わせ可能な2以上の部分を一括して選択するためのボタンである。
【0029】
一方、図3に示す人型の図形12は、MRI検査に対応するため、頭頚部12a、胸部12b、腹部12c、右上肢12d、左上肢12e、右下肢12f、左下肢12g、脊椎12hの8つの部分で構成されている。なお、図形12においても、頭頚部12a、胸部12b、腹部12c、右上肢12d、左上肢12e、右下肢12f、左下肢12g及び脊椎12hの各部分は、医師等の操作者がポインタ17を操作することによって選択される。
【0030】
また、人型の図形12の場合は、右上肢11dと左上肢11eとの組み合わせ、右下肢11fと左下肢11gとの組み合わせ、胸部12aと腹部12bと脊椎12hと右下肢12fと左下肢12gとの組み合わせでの選択が可能となっている。また、図3において、15a及び15bは、先に説明したボタン14a及び14bと同様に、組み合わせ可能な2以上の部分を一括して選択するためのボタンである。
【0031】
図2と図3との比較から分かるように、人型の図形11と人型の図形12とは、CT検査とMRI検査との特性の違いにより、分割の態様や、部分の組み合わせが異なっている。このように、本実施の形態によれば、上述したように、表示画面8a(図1参照)には、検査の種類に応じた検査可能な部位が、適切に表示される。また、図2〜図4の例に示すように、ユーザインタフェース9においては、人型の図形11及び12の各部分の選択は、プルダウンメニュー13によっても可能となっている。
【0032】
そして、人型の図形11又は12を用いて大まかな部分が選択されると、図形選択部4は、選択された部分に対応する細分化メニューを記憶部5に記憶されている図形の中から選択し、これを表示部2に表示させる。本実施の形態では、人型の図形11又は12において、部分が選択された後に、タブ16が「検査項目」に切り替えられると、図6に示すように、選択された部分に対応する細分化メニュー18が表示される。図6は、人型の図形11の頭頸部11aが選択された場合(図4参照)の細分化メニュー18を示している。
【0033】
図6に示すように、細分化メニュー18としては、リストボックスが用いられている。細分化メニュー18に列記されている細分化部分の一つが選択されると、リストボックス19には、選択可能な検査名が表示される。医師等の操作者は、リストボックス19に表示されている検査名の中から、求める検査名を選択できる。
【0034】
また、人型の図形11又は12において、2以上の部分の組み合わせが選択された場合は、図7に示すように、図形選択部4は、選択されている組み合わせ、それぞれについて、対応する細分化メニューを表示部2に表示させる。図7は、人型の図形11において、頭頚部11aと体幹部11bとの組み合わせが選択された場合(図5参照)の細分化メニュー20及び21を示している。なお、図7の例では、2以上の部分の組合せが選択されているため、頭頸部11aに対応する細分化メニュー20は、図6に示した細分化メニュー18とは異なっている。
【0035】
そして、図7に示すように、細分化メニュー20及び21に列記されている細分化部分の一つが選択されると、リストボックス22には、選択可能な検査名が表示される。この場合も、医師等の操作者は、リストボックス22に表示されている検査名の中から、求める検査名を選択できる。
【0036】
また、本実施の形態では、入力受付部3(図1参照)は、外部からのテキスト情報の入力も受け付けることができる。具体的には、図2〜図7に示されたタブ16が「主訴・検査目的・病名」に切り替えられると、図8に示すように、テキスト情報の入力が可能となる。
【0037】
図8は、人型の図形11の頭頸部11aが選択された後(図4参照)に、タブ16が「主訴・検査目的・病名」に切り替えられた例を示している。図8に示すように、図形選択部4は、テンプレート9a内に、テキスト入力ボックス23、24、及び25を表示させる。テキスト入力ボックス23には、患者の主な訴え(主訴)が入力される。テキストボックス24には、医師のコメントが入力される。また、テキストボックス25には、医師の診断した病名が入力される。
【0038】
更に、図8に示すように、図形選択部4は、選択された部分(この場合は頭頸部11a)の拡大図(シェーマ)を、テンプレート9aのボックス26内に表示させる。また、入力されたテキスト情報は、選択されている細分化部分を特定する情報と共に、送信部6(図1参照)によって、検査装置に向けて送信される。
【0039】
次に、本発明の実施の形態における医療支援方法について図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態における医療支援方法を示すフロー図である。本実施の形態における医療支援法は、図1に示した本実施の形態における医療支援装置1を動作させることによって実施される。このため、以下の説明においては、適宜図1〜図8を参酌する。
【0040】
図9に示すように、先ず、テンプレート9a(図2〜図8参照)の起動が入力装置7を介して指示されると、図形選択部4は、記憶部5から、テンプレート9aを構成するデータを読み取り、これを表示部2に送ってテンプレート9aを表示させる(ステップS1)。ステップS1においては、人型の図形11及び12は、未だ表示されていない状態である。
【0041】
次に、入力受付部3は、入力装置7を介して、検査種を選択する入力が行われると、それを受け付け、受け付けた入力を図形選択部4及び表示部2に入力する(ステップS2)。ステップS2の後、図形選択部4は、選択された検査種がCT検査であるかどうかを判定する(ステップS3)。
【0042】
ステップS3の判定の結果、検査種がCT検査である場合は、図形選択部4は、CT検査に対して設定された人型の図形11を記憶部5から取り出し、図2に示すように、これを表示部2に表示させる(ステップS4)。一方、ステップS3の判定の結果、検査種がCT検査でない場合、即ち、検査種がMRI検査である場合は、図形選択部4は、MRI検査に対して設定された人型の図形12を記憶部5から取り出し、図3に示すように、これを表示部2に表示させる(ステップS5)。
【0043】
ステップS4及びステップS5が終了すると、入力受付部3は、人型の図形を構成している複数の部分から、いずれかを選択する入力を受け付ける(ステップS6)。ステップS6においては、入力受付部3は、一つの部分の選択のみを受け付けても良いし(図4参照)、予め設定された2以上の部分の組合せでの選択を受け付けても良い(図5参照)。また、入力受付部3は、選択を受け付けると、選択された部分を特定する情報を図形選択部4に入力する。
【0044】
次に、図形選択部4は、選択された部分に対応する細分化メニューを記憶部5に記憶されている図形の中から選択し、これを表示部2に表示させる(ステップS7)。また、ステップS6において、2以上の部分の組み合わせが選択されている場合は、図7に示すように、図形選択部4は、選択されている組み合わせ、それぞれについて、対応する細分化メニューを表示部2に表示させる。
【0045】
次に、入力受付部3は、図6及び図7に示すように、細分化メニューに列記されている細分化部分を選択する入力を受け付ける(ステップS8)。ステップS8においては、更に、医師等の操作者が指定した検査名の入力も受け付ける。
【0046】
続いて、入力受付部3は、図8に示すように、各種のテキスト情報の入力も受け付ける(ステップS9)。そして、入力受付部3は、ステップS8で選択された細分化部分を特定する情報と、ステップS9で受け付けたテキスト情報とを送信部6に入力する。その後、送信部6は、入力された情報(テキスト情報を含む)を、ステップS2で選択された医療検査を実行する検査装置に向けて送信する(ステップS10)。ステップS10の実行により、医療支援装置1における処理は終了する。
【0047】
このように、本実施の形態における医療支援方法においても、直感的な操作を助ける人型の図形は、医療検査の種類毎に設定されているため(図2及び図3参照)、表示画面には、検査の種類に応じて、検査可能な部位が適切に表示される。医療支援装置1の説明でも述べたように、本実施の形態における医療支援方法によれば、医師が、検査できない部位を誤って選択してしまう事態の発生が抑制され、医療検査の遅延が回避される。
【0048】
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図9に示すステップS1〜S10を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、これを実行すれば、本実施の形態における医療支援装置が具現化され、本実施の形態における医療支援方法が実行される。
【0049】
この場合、コンピュータのCPU(central processing unit)は、入力受付部3、図形選択部4、表示部2及び通信部6として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態では、記憶部5は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって、又はこのデータファイルが格納された記録媒体をコンピュータと接続された読取装置に搭載することによって実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明によれば、医師が、検査できない部位を誤って選択してしまう事態の発生を抑制でき、それによる医療検査の遅延を回避できる。よって、本発明は、産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における医療支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図3】図3は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図4】図4は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図5】図5は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図6】図6は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図7】図7は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図8】図8は、表示画面に表示されるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態における医療支援方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0052】
1 医療支援装置
2 表示部
3 入力受付部
4 図形選択部
5 記憶部
6 送信部
7 入力装置
8 表示装置
8a 表示画面
9 ユーザインタフェース
9a テンプレート
10 検査種メニュー
11 人型の図形(CT検査)
11a 頭頚部
11b 体幹部
11c 脊椎
11d 右上肢
11e 左上肢
11f 右下肢
11g 左下肢
12 人型の図形(MRI検査)
12a 頭頚部
12b 胸部
12c 腹部
12d 右上肢
12e 左上肢
12f 右下肢
12g 左下肢
12h 脊椎12
13 プルダウンメニュー
14a、14b、15a、15b ボタン
16 タブ
17 ポインタ
18 細分化メニュー
19 リストボックス
20、21 細分化メニュー
22 リストボックス
30 ネットワーク
31 端末装置
32 CT検査装置
33 端末装置
34 MRI検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択とを支援する医療支援装置であって、
表示画面にユーザインタフェースを表示させる表示部と、前記ユーザインタフェースを介した外部からの入力を受け付ける入力受付部と、前記ユーザインタフェースとして表示される複数の図形を記憶している記憶部と、前記外部からの入力に応じて、前記記憶部が記憶している前記複数の図形の中から図形を選択し、選択した図形を前記表示部に表示させる図形選択部とを備え、
前記記憶部は、前記複数の図形として、
前記医療検査の種類が列記された検査種メニューと、
前記医療検査の種類毎に設定され、且つ、当該医療検査で検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている、人型の図形と、
前記部分毎に設定され、且つ、各部分を細分化したときの細分化された部分の名称が列記された細分化メニューとを記憶し、
前記図形選択部は、前記表示部に前記検査種メニューを表示させた後、前記入力受付部が、いずれかの医療検査を選択する入力を受け付けると、前記表示部に、選択されている医療検査に対して設定された前記人型の図形を表示させ、
更に、前記入力受付部が、表示されている前記人型の図形のいずれかの部分を選択する入力を受け付けると、前記表示部に、選択されている部分に対して設定された前記細分化メニューを表示させる、ことを特徴とする医療支援装置。
【請求項2】
表示されている前記人型の図形の2以上の部分を選択する入力が、予め設定された前記2以上の部分の組合せについて、許容されている場合において、
前記入力受付部が、前記予め設定された組合せで、前記2以上の部分を選択する入力を受け付けると、
前記図形選択部は、前記表示部に、選択されている前記2以上の部分それぞれについて、前記細分化メニューを表示させる、請求項1に記載の医療支援装置。
【請求項3】
送信部を更に備え、
前記入力受付部が、前記細分化メニューが表示された後に、いずれかの細分化された部分を選択する入力を受け付け、
前記送信部は、選択されている前記医療検査を実行する検査装置に向けて、選択されている細分化された部分を特定する情報を送信する、請求項1または2に記載の医療支援装置。
【請求項4】
前記入力受付部が、更に、外部からのテキスト情報の入力を受け付け、
前記送信部が、前記情報に加え、入力が受け付けられた前記テキスト情報を送信する、請求項3に記載の医療支援装置。
【請求項5】
前記医療検査が、MRI検査、及びCT検査を少なくとも含む、請求項1〜4のいずれかに記載の医療支援装置。
【請求項6】
医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択とを支援するための医療支援方法であって、
(a)表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記医療検査の種類が列記された検査種メニューを表示するステップと、
(b)前記(a)のステップで表示された検査種メニューを介して、いずれかの医療検査の選択を受け付けるステップと、
(c)前記医療検査の種類毎に設定され、且つ、当該医療検査で検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている、人型の図形の中から、前記(b)のステップで選択された医療検査に対して設定された人型の図形を選択するステップと、
(d)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(c)のステップで選択された人型の図形を表示するステップと、
(e)前記(d)のステップで表示された人型の図形を介して、いずれかの前記部分の選択を受け付けるステップと、
(f)前記部分毎に設定され、且つ、各部分を細分化したときの細分化された部分の名称が列記された細分化メニューの中から、前記(e)のステップで選択された部分に対して設定された細分化メニューを選択するステップと、
(g)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(f)のステップで選択された細分化メニューを表示するステップとを有する、ことを特徴とする医療支援方法。
【請求項7】
前記(e)のステップで、前記(d)のステップで表示されている前記人型の図形の2以上の部分を選択する入力が、予め設定された前記2以上の部分の組合せについて、許容されており、そして、前記予め設定された組み合わせで、前記(d)のステップで表示された人型の図形の2以上の部分の選択が受け付けられると、
前記(f)のステップで、前記(e)のステップで選択された2以上の部分それぞれ毎に、前記細分化メニューを選択し、
前記(g)のステップで、前記(f)のステップで選択された全ての細分化メニューを表示する、請求項6に記載の医療支援方法。
【請求項8】
(h)前記(g)のステップで表示された細分化メニューを介して、いずれかの細分化された部分の選択を受け付けるステップと、
(i)前記(h)のステップで選択された、細分化された部分を特定する情報を、前記(b)のステップで選択された医療検査を実行する検査装置に向けて送信するステップとを、更に有する、請求項6または7に記載の医療支援方法。
【請求項9】
(j)前記(i)のステップの実行前に、テキスト情報の入力を受け付ける、ステップを更に有し、
前記(i)のステップで、前記情報に加え、前記(j)のステップで入力が受け付けられたテキスト情報を送信する、請求項8に記載の医療支援方法。
【請求項10】
前記医療検査が、MRI検査、及びCT検査を少なくとも含む、請求項6〜9のいずれかに記載の医療支援方法。
【請求項11】
医療検査の種類の選択と各医療検査で検査対象となる患者の部位の選択との支援をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記医療検査の種類が列記された検査種メニューを表示するステップと、
(b)前記(a)のステップで表示された検査種メニューを介して、いずれかの医療検査の選択を受け付けるステップと、
(c)前記医療検査の種類毎に設定され、且つ、当該医療検査で検査可能な患者の各部位に対応する部分の集合によって形成されている、人型の図形の中から、前記(b)のステップで選択された医療検査に対して設定された人型の図形を選択するステップと、
(d)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(c)のステップで選択された人型の図形を表示するステップと、
(e)前記(d)のステップで表示された人型の図形を介して、いずれかの前記部分の選択を受け付けるステップと、
(f)前記部分毎に設定され、且つ、各部分を細分化したときの細分化された部分の名称が列記された細分化メニューの中から、前記(e)のステップで選択された部分に対して設定された細分化メニューを選択するステップと、
(g)前記表示画面に、ユーザインタフェースとして、前記(f)のステップで選択された細分化メニューを表示するステップと、を実行させる、ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
前記(e)のステップで、前記(d)のステップで表示されている前記人型の図形の2以上の部分を選択する入力が、予め設定された前記2以上の部分の組合せについて、許容されており、そして、前記予め設定された組み合わせで、前記(d)のステップで表示された人型の図形の2以上の部分の選択が受け付けられると、
前記(f)のステップで、前記(e)のステップで選択された2以上の部分それぞれ毎に、前記細分化メニューを選択し、
前記(g)のステップで、前記(f)のステップで選択された全ての細分化メニューを表示する、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
(h)前記(g)のステップで表示された細分化メニューを介して、いずれかの細分化された部分の選択を受け付けるステップと
(i)前記(h)のステップで選択された、細分化された部分を特定する情報を、前記(b)のステップで選択された医療検査を実行する検査装置に向けて送信するステップとを、更に有する、請求項11または12に記載のプログラム。
【請求項14】
(j)前記(i)のステップの実行前に、テキスト情報の入力を受け付ける、ステップを更に有し、
前記(i)のステップで、前記情報に加え、前記(j)のステップで入力が受け付けられたテキスト情報を送信する、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記医療検査が、MRI検査、及びCT検査を少なくとも含む、請求項11〜14のいずれかに記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate