説明

医療用コネクタ

【課題】構造が単純で組み立てが容易な医療用コネクタを提供する。
【解決手段】医療用コネクタ100は、一方端にメス型ルアーコネクタ201、他方端にオス型ルアーコネクタ202を有するコネクタ本体200と、中空本体301の一端にスリット303を有した弁頭部302を備えてなる弾性変形可能なバルブステム300と、を備え、メス型ルアーコネクタ201にオス部品を接続したときに、バルブステム300が弾性変形してスリット303が開き、液体の通過が可能になる。ここで、オス型ルアーコネクタ202のオスルアー231の中空部231aに連続する中空部238aを有し、メス型ルアーコネクタ201に向けて延びる筒状嵌合部238をコネクタ本体200に設け、バルブステム300の中空本体301内に筒状嵌合部238を嵌挿し、筒状嵌合部238の中空部238aを介してバルブステム300の中空部301a内とオス型ルアーコネクタ202のオスルアー231の中空部231aとを連通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用コネクタに関し、詳しくは、コネクタ本体と、コネクタ本体内に配置した弾性変形可能なバルブステムとを備えた医療用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用コネクタとして、特許文献1に開示されるように、入口端部と出口端部とを有する筒状本体と、筒状本体内に配置した中空ピンと、弾性頭部及び弾性中空部を有するシール部材とを備え、液導入器を入口端部に挿入したときに、シール部材の弾性頭部に形成したスリットが開口し、開口したスリットを介して、入口端部を、開口したスリット,中空ピンの横孔及び中空ピンの中空内を介して出口端部に連通させる医療用コネクタが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−508016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の医療用コネクタは、コネクタ本体及びシール部材の他に、中空ピンを必要とし、また、中空ピンの横孔から液を中空ピン内に導入させるために、中空ピンの閉塞末端部に軸方向及び径方向に突出する突出部を設け、この突出部によって流体通路を形成するようにしている。このため、コネクタを構成する部品点数が多く、また、部品の形状が複雑になってしまい、更に、複雑な形状の多数部品を組み立てることから組み立ての作業性が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、構造が単純で組み立てが容易な医療用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明に係る医療用コネクタは、一方端にメス型ルアーコネクタ、他方端にオス型ルアーコネクタを有するコネクタ本体と、中空本体の一端にスリットを有した弁頭部を備えてなる弾性変形可能なバルブステムと、を備え、前記メス型ルアーコネクタにオス部品を接続したときに、前記オス部品が前記バルブステムの弁頭部を押すことで前記バルブステムが弾性変形して前記スリットが開き、前記スリットを介して前記メス型ルアーコネクタと前記オス型ルアーコネクタとが連通し、前記オス部品を解放したときに、前記バルブステムが元に戻って、前記メス型ルアーコネクタの液体通路に、前記スリットが閉じた状態で前記弁頭部が嵌合し、前記メス型ルアーコネクタの液体通路を閉塞する医療用コネクタであって、前記オス型ルアーコネクタの液体通路に連続する中空部を有し、前記メス型ルアーコネクタに向けて延びる筒状嵌合部を前記コネクタ本体に設け、前記バルブステムの中空本体内に前記筒状嵌合部を嵌挿し、前記筒状嵌合部の中空部を介して前記バルブステムの中空部内と前記オス型ルアーコネクタの液体通路とを連通させるようにした。
【0007】
ここで、前記オス型ルアーコネクタのオスルアーの基部を構成するフランジの裏面に前記筒状嵌合部を立設すると共に、前記フランジの裏面に前記コネクタ本体の中空本体の軸方向端面が当接し、前記フランジを固定端として前記バルブステムが弾性変形するよう構成することができる。
また、前記バルブステムの中空本体の外周を、軸方向に沿って波打つ波型に形成し、前記弁頭部が前記オス部品で押されたときに、前記バルブステムの中空本体が、少なくとも前記波型部分で軸方向に潰れるようにするとよい。
【0008】
また、前記バルブステムの中空本体の外周にフランジ部を一体的に形成する一方、前記コネクタ本体の前記メス型ルアーコネクタ側に、軸方向において前記フランジ部に対向するステップ面を形成し、前記フランジ部と前記ステップ面との当接によって前記中空本体の前記メス型ルアーコネクタに向けた変位を制限するとよい。
更に、前記コネクタ本体を、前記メス型ルアーコネクタを備えたメス側部品と、前記オス型ルアーコネクタ及び筒状嵌合部を備えたオス側部品との2部品で構成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る医療用コネクタは、コネクタ本体及びバルブステムからなり、部品点数が少なく、また、バルブステムの弁頭部のスリット,バルブステムの中空本体内及び該中空本体内に嵌挿させた筒状嵌合部を介し、メス型ルアーコネクタとオス型ルアーコネクタとの間で液体を通過させるので、構造が簡単で、各部品の形状を単純にでき、組み立てを容易に行える。更に、バルブステムの中空本体内に、オス型ルアーコネクタの液体通路に連続する中空部を有する筒状嵌合部を嵌挿させるので、コネクタ本体に対してバルブステムを位置決めし、コネクタ本体に対するバルブステムの組み付けを容易に行うことができ、かつ、バルブステムが弾性変形したときに液体流路の確保を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る医療用コネクタの実施形態を示す図であり、(A)は医療用コネクタの上面図、(B)は医療用コネクタの側面断面図、(C)が医療用コネクタの側面外観図である。
【図2】前記実施形態の医療用コネクタの分解図である。
【図3】前記実施形態の医療用コネクタを構成するバルブステムを示す図であり、(A)はバルブステムの上面図、(B)はバルブステムの側面断面図である。
【図4】前記実施形態の医療用コネクタのメス型ルアーコネクタに対するオス部品の解放状態及び接続状態を示す図であり、(A)はオス部品の解放状態を示す側面断面図、(B)はオス部品の接続状態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る医療用コネクタの実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態の医療用コネクタ100を示し、図1(A)は上面図、図1(B)は側面断面図、図1(C)は側面外観図である。
医療用コネクタ100は、全長20〜21mm程度、最大外径11〜12mm程度の円筒形状を有し、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリカーボネートなどの合成樹脂で形成したコネクタ本体200と、シリコンゴム,天然ゴムなどの弾性材料で形成した弾性変形可能なバルブステム300とを備える。
【0012】
コネクタ本体200の一端には、メスルアーの外周にロック用のねじを形成したメス型ルアーコネクタ201を形成し、他端には、ロックリング付オスルアーからなるオス型ルアーコネクタ202を形成してあり、医療用コネクタ100は、両端それぞれでルアーロック型接続を行うアダプターである。
医療用コネクタ100において、例えば、オス型ルアーコネクタ202に輸液ラインの先端に設けたメス型ルアーコネクタを接続し、メス型ルアーコネクタ201にロックリング付オスルアーを有する針なしシリンジなどのオス部品を接続する。
【0013】
ここで、メス型ルアーコネクタ201にオス部品を接続することで、バルブステム300が弾性変形して、医療用コネクタ100内の液体通路が開き、オス部品として針なしシリンジを接続すれば、針なしシリンジによる液体の注入又は抽出が可能になる。一方、メス型ルアーコネクタ201に接続したオス部品を解放すると、バルブステム300が元に戻って医療用コネクタ100内の液体通路を閉じ、液体を、医療用コネクタ100内でシールする。
【0014】
図2は、医療用コネクタ100の分解図であり、図2に示すように、コネクタ本体200は、メス型ルアーコネクタ201側のメス側部品210と、オス型ルアーコネクタ202側のオス側部品230との2部品からなる。メス側部品210は、一端にメス型ルアーコネクタ201を備え、他端側を、オス側部品230を嵌合させる解放端とした筒状部材である。
メス型ルアーコネクタ201は、オスルアーを嵌合させる嵌合孔であるルアーテーパ状部(メスルアー部)211を内周とし、外周にルアーロック用のオスねじ212を形成した第1筒状部213を備える。
【0015】
第1筒状部213に対してより外径が大きい第2筒状部214は、ルアーテーパ状部211に連続するバルブステム収容空間を形成する。第2筒状部214内の中空部は、ルアーテーパ状部211の端縁の内径と同じ内径からオス型ルアーコネクタ202に向けて徐々に内径を拡大させる拡径部216、拡径部216の最大内径よりも大きな内径を有してバルブステム300の中空本体301をその内側に収容する収容部217、収容部217よりも大きな内径を有し、内側にオス側部品230の解放端を嵌合させる嵌合部218を備えている。
【0016】
嵌合部218の軸方向の中間には、オス側部品230の解放端外周に形成したリング状突起部236が嵌合する溝218aを全周に亘って凹陥形成してある。
ここで、拡径部216と収容部217との境界部分、及び、収容部217と嵌合部218との境界部分には、内径をステップ的に拡大させたことで、オス型ルアーコネクタ202側に向く環状のステップ面219,220を形成する。
【0017】
一方、オス側部品230は、一端にオス型ルアーコネクタ202を備え、他端側を、メス側部品210に嵌合する解放端とした筒状部材である。
オス型ルアーコネクタ202は、メスルアーに嵌合するオスルアー231と、オスルアー231を囲み、内周にルアーロック用のメスねじ232を形成した第1筒状部233とを備える、ロックリング付オスルアーである。
【0018】
メス型ルアーコネクタ201のオスねじ212、及び、オス型ルアーコネクタ202のメスねじ232は、共通規格の多条ねじ(例えば、ねじ規格ISO594−2:1998(E)に対応する、2.5mmピッチの2条右ねじ)であり、ルアーテーパ状部211及びオスルアー231は、共通規格(例えば、ルアー規格ISO594/1:1986)に対応し、共通規格のオス部品・メス部品を脱着可能に接続できる互換性を有している。
第1筒状部233の外周には、ロックリングの締め付け作業における滑り止めとして、軸方向に沿って延設した突起部234を、全周に亘って複数形成してある。
【0019】
第1筒状部233に連続して、メス側部品210の嵌合部218内に嵌合する第2筒状部235を設けてあり、この第2筒状部235の外径は、メス側部品210の嵌合部218の内径よりも僅かに小さい値に設定してあり、更に、第2筒状部235の外周には、メス側部品210とオス側部品230との軸方向の嵌合代が所定値になったときに、メス側部品210の溝218aに嵌合するリング状突起部236を突出形成してある。
また、オスルアー231の基端部には、第2筒状部235の内周に接続するフランジ237を形成してあり、このオスルアー231の基端部を構成するフランジ237は、オスルアー231と第1筒状部233とが囲む環状空間と、コネクタ本体200内のバルブステム300の収容空間、換言すれば、液体通路とを隔成する。
【0020】
更に、フランジ237の第2筒状部235側の面(裏面)には、オスルアー231の中空部231a(液体通路)に連続する中空部238aを有し、メス型ルアーコネクタ201に向けて延びる筒状のバルブ嵌合部(筒状嵌合部)238を立設させてある。
メス型ルアーコネクタ201及びオス型ルアーコネクタ202、更に、バルブ嵌合部238は、コネクタ本体200の軸と同一軸上に設けてある。
バルブ嵌合部238の外径は、バルブステム300の中空本体301の中空部301a内に嵌合する径に設定してあり、バルブ嵌合部238の高さは、中空部301aの軸方向長さよりも短く設定してある。
【0021】
また、バルブステム300は、図3に示すように、中空本体301の一端に、スリット303を有した円板状の弁頭部302を備えている
弁頭部302の径は、メス型ルアーコネクタ201のルアーテーパ状部211(液体通路)に嵌合してルアーテーパ状部211を閉塞するように設定してあり、かつ、弁頭部302をルアーテーパ状部211に嵌合した状態で、スリット303は閉状態を保持するようにしてある。
【0022】
また、中空本体301の基端側外周を、軸方向に沿って波打つ波型に形成してあり、中空本体301を軸方向に押し潰すような荷重が弁頭部302に加わると、この波型部分301bの谷部と山部との連なりを畳むように弾性変形して潰れるようにしてある。
換言すれば、波型部分301bを設けることで、バルブステム300に軸方向の荷重が加わったときに、中空本体301が途中で折れたりすることなく、軸方向に沿って潰れるようにしてある。
【0023】
前述のメス側部品210、オス側部品230、バルブステム300の3部品を組み付けて医療用コネクタ100を組み立てる場合には、まず、オス側部品230のバルブ嵌合部238に、バルブステム300を被せるようにして、バルブ嵌合部238の外側にバルブステム300の中空部301aを嵌合させ、中空本体301の中空部301a内にバルブ嵌合部238を嵌挿する。
このとき、中空本体301の解放端側は、オス側部品230の第2筒状部235の内周と、バルブ嵌合部238の外周とで囲まれる環状空間に嵌挿され、かつ、中空本体301の解放側の端面が、フランジ237の第2筒状部235側の面(裏面)に当たる位置まで押し込むことで、軸方向の位置決めがなされる。
【0024】
ここで、バルブ嵌合部238の中空部238aは、オス型ルアーコネクタ202の液体通路(中空部231a)に連続する液体通路を構成するから、オス側部品230にバルブステム300を組み付けた状態で、前記オスルアー231の中空部231aからバルブステム300の中空部301aに至る液体通路を確保できる。
オス側部品230に対してバルブステム300を組み付けると、次いで、メス側部品210の第2筒状部214の内側に、オス側部品230の第2筒状部235を嵌合させるようにし、メス側部品210側に設けた溝218aに、オス側部品230側に設けたリング状突起部236が嵌合する位置まで押し込み、溝218aとリング状突起部236との嵌合によってオス側部品230とメス側部品210とを所期の嵌合位置で仮止めする。
【0025】
その後、超音波溶着や接着剤などによって、第2筒状部214と第2筒状部235との隙間をシールするようにしてオス側部品230とメス側部品210とを一体化させる。
オス側部品230とメス側部品210とを組み付けると、バルブステム300の弁頭部302は、スリット303が閉じた状態でメス型ルアーコネクタ201のルアーテーパ状部211に嵌合し、ルアーテーパ状部211(液体通路)を閉塞する。
【0026】
上記のように、医療用コネクタ100は、メス型ルアーコネクタ201にオス部品を接続していない状態では、バルブステム300の弁頭部302がメス型ルアーコネクタ201側の液体通路を閉塞するため、医療用コネクタ100で液体をシールすることができる。
一方、メス型ルアーコネクタ201に対して、図4に示すように、ロックリング付オスルアー401を有する針なしシリンジなどのオス部品400を接続すると、オスルアー401の先端がバルブステム300の弁頭部302を押すことで、バルブステム300がフランジ237を固定端として軸方向に弾性変形して潰れ、弁頭部302がオス型ルアーコネクタ202側に変位する。
【0027】
弁頭部302がルアーテーパ状部211よりも内径が大きい拡径部216に至ると、弁頭部302の圧迫が緩み、弁頭部302の径が大きくなる方向の弾性変形が可能な状態になり、このとき、オスルアー401の先端がスリット303を押し開き、スリット303を押し開きながらオスルアー401がバルブステム300を更に潰す。
そして、最終的には、図4に示すように、ルアーテーパ状部211にオスルアー401が嵌合すると共に、スリット303にオスルアー401の先端が嵌挿され、オスルアー401の中空部401a,スリット303,バルブステム300の中空部301a、バルブ嵌合部238の中空部238a及びオス型ルアーコネクタ202を構成するオスルアー231の中空部231aが、空間として連続し、係る連続空間を液体通路として液体の流通が可能になる。
【0028】
一方、オス部品400(針なしシリンジ)のメス型ルアーコネクタ201に対する接続を解くと、オスルアー401の先端の退避に応じてバルブステム300の潰れが徐々に戻り、スリット303にオスルアー401の先端が嵌挿された状態の弁頭部302が拡径部216に引っ掛かることで、オスルアー401の先端がスリット303から抜けてスリット303が閉じ、弁頭部302の径が弾性力によって元に戻ろうとして萎むと共に、バルブステム300の軸方向の潰れを元に戻そうとする弾性力によって、弁頭部302がルアーテーパ状部211に向けて変位し、弁頭部302がスリット303を閉じた状態でルアーテーパ状部211(液体通路)に嵌合し、バルブステム300がルアーテーパ状部211(液体流路)を遮断する状態に戻る。
【0029】
上記の医療用コネクタでは、コネクタ本体200とバルブステム300との2部品で構成するので、部品点数が少なく、また、メス型ルアーコネクタ201とオス型ルアーコネクタ202との間に、直線的に延びる液体流路を形成する構成であるため、各部品の構造が簡単で、各部品の作製及び医療用コネクタの組み立てを容易に行える。
また、液体流路の開閉を行うバルブステム300の解放端内に、液体流路を構成する筒状嵌合部であるバルブ嵌合部238を嵌挿させ、更に、バルブステム300の解放端面をバルブ嵌合部238の外周に設けたフランジ237に当接させるので、組み立て時におけるバルブステム300の位置決め及び液体流路の確保を容易に行える。
更に、オス部品400をメス型ルアーコネクタ201に接続させ、バルブステム300が潰れたときに、バルブステム300の解放端が液体流路を狭める方向に弾性変形することを、バルブ嵌合部238によって防ぐことができる。
【0030】
尚、上記実施形態では、バルブステム300が軸方向に潰れ易くなるように、中空本体301の外周に波型部分301bを設けたが、波型部分301bに代えて、中空本体301の周壁の内側及び外側が軸方向に凹凸を繰り返す蛇腹状に形成したり、また、中空本体301の外周に単独又は複数の切り欠きを設けたりすることができ、更に、波型部分、蛇腹、切り欠きのうちの複数を組み合わせて設けても良い。
また、荷重が加わらない状態でのバルブステム300の弁頭部302の外形が楕円となるようにし、かつ、前記楕円の短手方向に沿って形成した前記スリットが、荷重が加わらない状態で開状態を保持し、メス型ルアーコネクタ201のルアーテーパ状部(メスルアー部)211に弁頭部302を嵌合したときに、楕円の長手方向が圧迫されて弁頭部302が円形に弾性変形することで、前記スリットが閉じられるよう構成することができる。
【符号の説明】
【0031】
100…医療用コネクタ、200…コネクタ本体、201…メス型ルアーコネクタ、202…オス型ルアーコネクタ、210…メス側部品、230…オス側部品、237…フランジ、238…バルブ嵌合部(筒状嵌合部)、300…バルブステム、301…中空本体、302…弁頭部、303…スリット、400…オス部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方端にメス型ルアーコネクタ、他方端にオス型ルアーコネクタを有するコネクタ本体と、中空本体の一端にスリットを有した弁頭部を備えてなる弾性変形可能なバルブステムと、を備え、
前記メス型ルアーコネクタにオス部品を接続したときに、前記オス部品が前記バルブステムの弁頭部を押すことで前記バルブステムが弾性変形して前記スリットが開き、前記スリットを介して前記メス型ルアーコネクタと前記オス型ルアーコネクタとが連通し、
前記オス部品を解放したときに、前記バルブステムが元に戻って、前記メス型ルアーコネクタの液体通路に、前記スリットが閉じた状態で前記弁頭部が嵌合し、前記メス型ルアーコネクタの液体通路を閉塞する医療用コネクタであって、
前記オス型ルアーコネクタの液体通路に連続する中空部を有し、前記メス型ルアーコネクタに向けて延びる筒状嵌合部を前記コネクタ本体に設け、
前記バルブステムの中空本体内に前記筒状嵌合部を嵌挿し、前記筒状嵌合部の中空部を介して前記バルブステムの中空部内と前記オス型ルアーコネクタの液体通路とを連通させる医療用コネクタ。
【請求項2】
前記オス型ルアーコネクタのオスルアーの基部を構成するフランジの裏面に前記筒状嵌合部を立設すると共に、前記フランジの裏面に前記コネクタ本体の中空本体の軸方向端面が当接し、前記フランジを固定端として前記バルブステムが弾性変形する請求項1記載の医療用コネクタ。
【請求項3】
前記バルブステムの中空本体の外周を、軸方向に沿って波打つ波型に形成し、前記弁頭部が前記オス部品で押されたときに、前記バルブステムの中空本体が、少なくとも前記波型部分で軸方向に潰れる請求項1記載の医療用コネクタ。
【請求項4】
前記コネクタ本体が、前記メス型ルアーコネクタを備えたメス側部品と、前記オス型ルアーコネクタ及び筒状嵌合部を備えたオス側部品との2部品からなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の医療用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−172615(P2011−172615A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36990(P2010−36990)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(392035721)株式会社パルメディカル (6)
【Fターム(参考)】