説明

医療用支援装置

【課題】 診察や検査中に、担当医師以外の者にその様子が見られないようにして、被検
者のプライバシーの保護を図る。
【解決手段】 被検者の医用画像を取得するための画像診断装置14には、当該被検者の
情報を設定したり設定を解除したりする被検者情報設定機能を有している。そこでこの被
検者情報設定手段によって被検者情報を設定したり解除したりする操作に連動して、画像
診断装置外へ制御信号を送出するようにし、この制御信号によって、自動的に診察室や検
査室のドアー4を施錠したり、表示器5に「診察中」などの表示をしたりするようにした

これによって、部外者が不用意に診察室などに入ることを阻止し、診断中の被検者のプ
ライバシーを保護するとともに、スタッフの手間も省くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の医用画像を取得するための画像診断装置に係り、この画像診断装置
によって医用画像を取得する被検者の情報を設定したり、設定を解除したりする操作に連
動して、当該画像診断装置外へ制御信号を送出し、この制御信号を受けた外部の装置を適
宜動作させる医療用支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば超音波診断装置によって被検者の診断画像を取得する場合は、超音波診断用の検
査室に超音波診断装置と寝台が置かれ、寝台に被検者を寝かせた状態で、医師や技師が超
音波診断装置を操作しながら、モニタに表示される画像を観察して診断が行われる。この
とき、検査室の照明灯を消して、モニタに表示される画像をより鮮明に確認する状況が見
受けられる。
【0003】
また、検査室は診察室や待合室などとは、カーテンやドアーなどで仕切られてはいるも
のの、医療スタッフが突然カーテンやドアーなどを開いて検査室に入ってくることがある
。しかし、被検者が例えば乳腺や泌尿器系の診断を受けている場合など、診断内容によっ
ては病院関係者であっても、診断を受けている様子を担当の医師以外に見られたくないと
考えることもあり、被検者のプライバシーを保護するためのより一層の配慮が望まれてい
る。
【0004】
従来、X線診断装置やX線CT装置などの放射線を取り扱う検査室では、部外者が不用
意に検査室に入らないように、検査室のドアー付近に「X線発生中」のような表示が赤色
灯によって行われていた。この場合、X線は危険という意識が一般者には定着しているこ
ともあり、表示灯が点灯しているときに部外者が不用意に検査室に入ることは防止できて
いた。
【0005】
しかし、超音波診断装置は一般に安全性が高いと認識されていることもあり、病院関係
者であれば検査中であっても必要があれば検査室に自由に出入りできるものであった。
【0006】
また、被検者の取り違えを防止するために、検査室の入り口近傍に被検者名を表示する
ための表示器を設置し、X線診断装置やX線CT装置などの装置に設定する被検者情報に
応じて、この表示器に被検者名を表示し、被検者自身によりこの表示を確認して検査室に
入室して検査を受けることができるようにしたものが提案されていた(例えば、特許文献
1参照。)。
【特許文献1】特開2003−52641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、被検者のプライバシー保護の観点から、被検者の性別あるいは診断部位に応
じて、検査室への入出を制限しようとすれば、スタッフの手動作業によって、診察室のド
アーを施錠したり、入室禁止の札を掲げたりする必要があり、さらに検査終了時に開錠し
たり札を外したりするために、スタッフの負担が増加するという問題があった。
【0008】
また、特に超音波診断装置による検査に当たっては、検査室の照明を検査の開始、終了
に応じて暗くしたり明るくしたりする操作をするのがわずらわしいという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被検者の医用画像を取得するた
めの画像診断装置に備えられており、医用画像を取得する被検者の情報を設定するととも
に、その設定を解除する被検者情報設定手段と、この被検者情報設定手段による被検者情
報の設定/解除操作に連動して、前記画像診断装置外へ制御信号を送出する信号送出手段
と、この信号送出手段から送出された制御信号を受けて動作する従動装置とを具備するこ
とを特徴とする医療用支援装置である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療用支援装置において、前記従動
装置は、前記被検者の医用画像を取得する検査室の入口付近に設けた表示器であって、こ
の表示器は、前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、表示をオン/オフする
ように動作することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の医療用支援装置において、前記従動
装置は、前記被検者の医用画像を取得する検査室のドアーの施錠装置であって、この施錠
装置は、前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、前記検査室のドアーをロッ
ク/解除するように動作することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の医療用支援装置において、前記従動
装置は、前記被検者の医用画像を取得する検査室の照明装置であって、この照明装置は、
前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、点灯/消灯し、または明るさを変化
するように動作することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の医療用支援装置において、前記従動
装置は、前記被検者を載置する寝台装置であって、この寝台装置は、前記信号送出手段か
ら送出される制御信号を受けて、当該寝台装置の背もたれを起倒するように動作すること
を特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の医療
用支援装置において、前記被検者情報設定手段による設定操作に連動して前記画像診断装
置外へ送出される制御信号は、前記被検者情報の設定の確定操作を実施したときに第1の
信号を送出し、設定の解除操作を実施したときに第2の信号を送出するものであることを
特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記課題を解決するための手段の項にも示したとおり、本発明の特許請求の範囲に記載
する各請求項の発明によれば、次のような効果を奏する。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、医用画像を取得する被検者の情報を当該画像診断装置
に設定し、およびその設定を解除する操作に連動して、画像診断装置外の従動装置へ制御
信号を送出し、この制御信号に応じて従動装置を自動的に動作させることができる。よっ
て、画像診断装置外の従動装置を個別に操作する手間を省くことができ、多忙な医療スタ
ッフなどの負担を軽減することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、検査中はその旨を検査室の入口近くに設けた表示器に
自動的に表示し、検査の終了に合わせて表示が消えるようにしたので、スタッフが手動で
表示器を操作する手間が省ける。また、部外者などが検査室へ不用意に入室するのを防止
でき、被検者のプライバシーの保護に寄与することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、検査中は検査室の入口ドアーを自動的に施錠し、検査
の終了に合わせて開錠されるようにしたので、スタッフが手動でドアーに鍵を掛けたり外
したりする手間が省ける。また、検査中に部外者などが検査室へ不用意に入室するのを確
実に防止でき、被検者のプライバシーの保護も一段と強化することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、検査中は、検査室の照明装置を自動的に消したり暗く
なるように絞ったりするので、診断装置の画面が極めて見易くなり、小さな病変などの発
見も容易になる。そして、検査の終了に合わせて照明装置を点灯したり絞られていた明る
さを通常の明るさに自動的に復帰させるので、容易に被検者が服装を整えたり、医師がレ
ポートを作成したりすることができる。また、医師またはスタッフが照明装置を手動で操
作する必要がないので、負担が軽減し、検査の時間も短縮できる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、検査の開始に際して、被検者の乗った寝台の背もたれ
を水平になるように倒し、検査の終了により背もたれを起こす動作が自動的に行われるの
で、検査をスムースに行うことができ、スタッフの負担が軽減され、被検者の寝台への乗
り降りも容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る医療用支援装置の実施例について、図1ないし図9を参照して詳細
に説明する。なお、これらの図において、同一部分には同一符号を付して示してある。
【0023】
図1は、医療施設における診察室や待合室などの配置の一例を示したものである。図中
1は診察兼検査室、2は処置室、3は被検者が順番待ちをするための待合室である。診察
兼検査室1と待合室3とはドアー4で仕切られており、処置室2と待合室3はカーテンな
どで適宜仕切られるようになっている。そして、ドアー4付近には、診察兼検査室1にお
いて診察または検査が実施されていることを示す表示器5が設けられている。
【0024】
診察兼検査室1には医師用の机11、椅子12、被検者用の椅子13、検査装置として
の画像診断装置例えば超音波診断装置14、被検者用の寝台15などが配置されており、
ドアー4付近に設けられている表示器5は、超音波診断装置14から送出される制御信号
によって、点灯/消灯が制御されるものである。また待合室3には順番待ちをする被検者
のための複数の椅子31が配置されている。そして、看護師などの医療スタッフは、診察
兼検査室1、処置室2、待合室3の間を自由に行き来できるようになっている。
【0025】
次に、上記の施設において被検者に対して、診察後に超音波診断装置14による検査を
実施することになった場合の、医師や看護師などの医療スタッフによる超音波診断装置1
4の操作の流れと、その操作に伴う本発明の作用について説明する。
【実施例1】
【0026】
図2は、本発明の実施例1を説明するために示したフローチャートである。
【0027】
医師の診察により超音波診断装置14による検査を受けることになった被検者は、看護
師の介助により診察兼検査室1に配置された寝台15に横たわる。医師は、超音波診断装
置14を操作して、先ず被検者情報入力画面を開く操作をする(ステップ11)。続いて
、この画面に被検者の氏名、年齢、性別、診断部位などの被検者情報を入力する(ステッ
プ12)。被検者情報の入力が済んだら、被検者情報入力画面を閉じて、被検者情報の設
定を確定させる(ステップ13)。これによって検査が可能となる。ステップ13による
被検者情報の確定操作により、超音波診断装置14の制御部(図示せず)から、診察兼検
査室1と待合室3とを仕切っているドアー4付近に設けられている表示器5へ点灯信号が
送出され(ステップ14)、この点灯信号を受けて表示器5は点灯する(ステップ15)

【0028】
その後医師は、超音波診断装置14により被検者に対して所望の検査を実施する(ステ
ップ16)。そして検査が終了したとき、医師は再度被検者情報入力画面を開く操作をす
る(ステップ17)。この操作によって被検者情報の設定が解除される。なお、ステップ
17による被検者情報の設定解除の操作により、超音波診断装置14の図示しない制御部
から、表示器5へ消灯信号が送出され(ステップ18)、この点灯信号を受けて表示器5
は消灯し(ステップ19)、一連の動作を終了する。
【0029】
図3は、このような表示器5の点灯と消灯による表示の様子を説明するために示したも
のであり、診察兼検査室1の超音波診断装置14から表示器5へ点灯信号が送出された場
合に、表示器5が点灯して例えば「診察中」の文字が浮き出るように表示され、超音波診
断装置14から表示器5へ消灯信号が送出された場合は、表示器5が消灯するため「診察
中」の文字は表示されないようになるものである。なお、表示器5に表示する文字は、予
め決めた「検査中」、「入室禁止」など適宜の文字であって良いことは言うまでもない。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明の実施例2について、図4および図5を参照して説明する。
【0031】
この実施例は、表示器5への表示による注意喚起を、さらに実効あるものとするために
、検査中には診察兼検査室1のドアー4を施錠するようにしたものである。
【0032】
図4は、この実施例2における作業の流れを示したフローチャートであり、図2に示し
た実施例1のフローチャートに対応している。すなわち、被検者は看護師の介助により診
察兼検査室1に配置された寝台15に横たわっているものとする。そこで、医師が超音波
診断装置14を操作して、被検者情報入力画面を開く操作(ステップ21)から、被検者
情報入力画面に被検者情報を入力し(ステップ22)、被検者情報の入力が済んだら、被
検者情報入力画面を閉じて、被検者情報の設定を確定させる(ステップ23)ところまで
は、実施例1のステップ11からステップ13までと同様であり、ステップ23によって
検査が可能となる。
【0033】
そこで実施例2では、ステップ23による被検者情報の確定操作により、超音波診断装
置14の制御部(図示せず)から、診察兼検査室1と待合室3とを仕切っているドアー4
に設けられている施錠装置6(図5参照)へ施錠信号が送出され(ステップ24)、この
施錠信号を受けて施錠装置6が動作して、ドアー4を開かないようにロックする(ステッ
プ25)。
【0034】
その後所望の検査を実施する(ステップ26)。そして検査が終了したとき、医師は再
度被検者情報入力画面を開く操作をすることによって(ステップ27)、被検者情報の設
定が解除され、この被検者情報の設定解除の操作により、超音波診断装置14の図示しな
い制御部から、表示器5へ開錠信号が送出され(ステップ28)、この開錠信号を受けて
施錠装置6はロックを解除し(ステップ29)、ドアー4の開閉が自由になって一連の動
作を終了する。
【0035】
図5は、このようなドアー4に設けられている施錠装置6のロックと解除の様子を説明
するために示したものである。診察兼検査室1の超音波診断装置14からドアー4の施錠
装置6へ施錠信号が送出された場合に、この信号を受けて施錠装置6が動作してドアー4
を開かないようにロックする。一方、超音波診断装置14から表示器5へ開錠信号が送出
された場合は、施錠装置6はロックを解除してドアー4の開閉を自由にするものである。
従って、実施例2によれば、検査中に診察兼検査室1への入室が確実に防止でき、被検者
のプライバシーを保護することができる。
【実施例3】
【0036】
次に、本発明の実施例3について、図6および図7を参照して説明する。
【0037】
この実施例3は、検査中は、超音波診断装置14の画面が見易くなるように、検査室の
照明の明るさを調整するようにしたものである。
【0038】
図6は、この実施例3における作業の流れを示したフローチャートであり、図2、図4
に示した実施例1および実施例2のフローチャートに対応している。すなわち、被検者は
看護師の介助により診察兼検査室1に配置された寝台15に横たわっているものとする。
そこで医師が、超音波診断装置14を操作して、被検者情報入力画面を開く操作(ステッ
プ31)から、被検者情報入力画面に被検者情報を入力し(ステップ32)、被検者情報
の入力が済んだら、被検者情報入力画面を閉じて、被検者情報の設定を確定させる(ステ
ップ33)ところまでは、実施例1、実施例2のステップと同様であり、ステップ33に
よって検査が可能となる。
【0039】
そこで実施例3では、ステップ33による被検者情報の確定操作により、超音波診断装
置14の制御部(図示せず)から、診察兼検査室1の照明装置7(図7参照)へ照明調節
信号を送出する(ステップ34)。この照明調節信号を受けて照明装置7は診察兼検査室
1のランプなどの照明灯を消灯するか明るさを絞るように動作する(ステップ35)。こ
れによって、超音波診断装置14の画面は極めて見易くなり、小さな病変などの発見も容
易になる。
【0040】
検査室をこのような状態にして所望の検査を実施する(ステップ36)。そして、所望
の検査を終了したとき、医師は再度被検者情報入力画面を開く操作をすることによって(
ステップ37)、被検者情報の設定が解除され、この被検者情報の設定解除の操作により
、超音波診断装置14の図示しない制御部から、照明装置7へ解除信号が送出され(ステ
ップ38)、この解除信号を受けて照明装置7のランプなどが点灯または絞られていた明
るさを定格の明るさに復帰させ(ステップ39)、一連の動作を終了する。
【0041】
図7は、このような診察兼検査室1の照明装置7の消灯または減灯と解除の様子を説明
するために示したものである。診察兼検査室1の超音波診断装置14から照明装置7へ照
明調節信号が送出された場合に、この信号を受けて照明装置7がランプなどの照明灯を消
灯するか明るさを絞るように動作する。一方、超音波診断装置14から照明装置7へ解除
信号が送出された場合は、この解除信号を受けて照明装置7のランプなどが点灯し、また
は絞られていた明るさを定格の明るさに復帰させる。従って、実施例3によれば、検査中
に超音波診断装置14の画面は極めて見易くなり、小さな病変などの発見も容易になる。
【実施例4】
【0042】
次に、本発明の実施例4について、図8および図9を参照して説明する。
【0043】
この実施例4は、検査時に被検者が乗って横たわるための寝台装置について、被検者の
乗り降りやセッティングを容易にしたものである。そのため、この寝台15は背もたれ部
分を起倒可能に形成し、被検者が寝台15に乗ったり降りたりする場合は背もたれを起こ
し、検査時には背もたれを寝かせて水平になるようにしている。
【0044】
図8は、この実施例4における作業の流れを示したフローチャートであり、図2、図4
、図6に示した実施例1ないし実施例3のフローチャートに対応している。すなわち、被
検者は看護師などの介助により診察兼検査室1に配置された寝台15に載せられるもので
あり、本実施例での寝台15は起倒可能な電動式のものとなっている。被検者を寝台15
の所定位置に載せ、医師が、超音波診断装置14を操作して、被検者情報入力画面を開く
操作(ステップ41)をして、被検者情報入力画面に被検者情報を入力し(ステップ42
)、被検者情報の入力が済んだら、被検者情報入力画面を閉じて、被検者情報の設定を確
定させる(ステップ43)ところまでは、実施例1ないし実施例3のステップと同様であ
る。
【0045】
続いて、超音波診断装置14の制御部(図示せず)から、寝台15の背もたれ15a(
図9参照)を倒すための駆動信号を送出する(ステップ44)。この駆動信号を受けて寝
台15の背もたれ15aは、水平位置となるように倒され(ステップ45)、この状態で
超音波診断装置14による所定の検査が実施される(ステップ46)。
【0046】
その後所望の検査を終了したとき、医師は再度被検者情報入力画面を開く操作をするこ
とによって(ステップ47)、被検者情報の設定が解除さる。この被検者情報の設定解除
の操作により、超音波診断装置14の図示しない制御部から、寝台15へ背もたれ15a
を起こすための駆動信号(復帰信号)が送出される(ステップ48)。この駆動信号(復
帰信号)を受けて寝台15の背もたれ15aは、初期位置へ起こされて(ステップ49)
、一連の動作を終了する。
【0047】
図9は、このような診察兼検査室1における寝台15の背もたれ15aを起倒させる様
子を説明するために示したものである。検査の開始と終了に際して、被検者が診察兼検査
室1の寝台15に乗ったり降りたりする場合は、寝台15の背もたれ15aは起きた状態
にある。一方、超音波診断装置14による検査中は背もたれ15aを倒して水平に寝かせ
た状態となるようにする。このような背もたれ15aの起倒操作は、超音波診断装置14
からの指示で行われる。従って、実施例4によれば、被検者の寝台への乗り降りが容易と
なるとともに、検査の実施中は、背もたれ15aを倒して水平に寝かせた状態とするので
、検査をし易い状態にすることができる。
【0048】
以上詳述したように、本発明によれば、医用画像を取得する被検者の情報を当該画像診
断装置に設定したりその設定を解除したりする操作に連動して、画像診断装置外の従動装
置へ制御信号を送出し、この制御信号に応じて従動装置を自動的に動作させることができ
るので、画像診断装置外の従動装置を個別に操作する手間を省くことができ、いつも多忙
を極めている医療スタッフなどの負担を軽減することができる。
【0049】
また、従動装置が表示器あるいは施錠装置の場合は、検査中に部外者などが検査室へ不
用意に入室するのを防止でき、被検者のプライバシーの保護に寄与することができる。さ
らに、従動装置が検査室の照明装置の場合は、検査中に検査室の照明を暗くすることによ
って、診断装置の画面が見易くなるので、診断がよりし易くなる。そして、検査の終了に
合わせて照明装置を点灯したり絞られていた明るさを通常の明るさに自動的に復帰させる
ので、容易に被検者が服装を整えたり、医師がレポートを作成したりすることができる。
また、医師や看護師などの医療スタッフが照明装置を手動で操作する必要がないので、負
担が軽減し、検査の時間も短縮できる。なおさらに、従動装置が検査室の寝台の場合は、
検査中は寝台の背もたれを水平に倒して検査がスムースに行えるようになり、検査の終了
により背もたれを起こすので、被検者の寝台への乗り降りも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】医療施設における診察室や待合室などの配置の一例を示した平面図である。
【図2】本発明の実施例1を説明するために示したフローチャートである。(実施例1)
【図3】実施例1の説明図である。(実施例1)
【図4】本発明の実施例2を説明するために示したフローチャートである。(実施例2)
【図5】実施例2の説明図である。(実施例2)
【図6】本発明の実施例3を説明するために示したフローチャートである。(実施例3)
【図7】実施例3の説明図である。(実施例3)
【図8】本発明の実施例4を説明するために示したフローチャートである。(実施例4)
【図9】実施例4の説明図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0051】
1 診察兼検査室
2 処置室
3 待合室
4 ドアー
5 表示器
6 施錠装置
7 照明装置
14 超音波診断装置
15 寝台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の医用画像を取得するための画像診断装置に備えられており、医用画像を取得する
被検者の情報を設定するとともに、その設定を解除する被検者情報設定手段と、
この被検者情報設定手段による被検者情報の設定/解除操作に連動して、前記画像診断装
置外へ制御信号を送出する信号送出手段と、
この信号送出手段から送出された制御信号を受けて動作する従動装置と
を具備することを特徴とする医療用支援装置。
【請求項2】
前記従動装置は、前記被検者の医用画像を取得する検査室の入口付近に設けた表示器であ
って、
この表示器は、前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、表示をオン/オフす
るように動作することを特徴とする請求項1に記載の医療用支援装置。
【請求項3】
前記従動装置は、前記被検者の医用画像を取得する検査室のドアーの施錠装置であって、
この施錠装置は、前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、前記検査室のドア
ーをロック/解除するように動作することを特徴とする請求項1に記載の医療用支援装置

【請求項4】
前記従動装置は、前記被検者の医用画像を取得する検査室の照明装置であって、
この照明装置は、前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、点灯/消灯し、ま
たは明るさを変化するように動作することを特徴とする請求項1に記載の医療用支援装置

【請求項5】
前記従動装置は、前記被検者を載置する寝台装置であって、
この寝台装置は、前記信号送出手段から送出される制御信号を受けて、当該寝台装置の背
もたれを起倒するように動作することを特徴とする請求項1に記載の医療用支援装置。
【請求項6】
前記被検者情報設定手段による設定操作に連動して前記画像診断装置外へ送出される制御
信号は、前記被検者情報の設定の確定操作を実施したときに第1の信号を送出し、設定の
解除操作を実施したときに第2の信号を送出するものであることを特徴とする請求項1な
いし請求項5のいずれか1項に記載の医療用支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−254397(P2009−254397A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103619(P2008−103619)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】