説明

半導体テスタ

【課題】コネクタのフロ−ティング状態がハーネスの影響を受けることなく最適に保つことが出来る半導体テスタを実現する。
【解決手段】テストボードの一方の面に設けられ前記テストボードにフローティング保持されプローブカードに接続される複数のプローブカード側コネクタと、前記テストボードに設けられ前記複数のプローブカード側コネクタに一方端がそれぞれ接続され他方端がテストヘッドに接続されるテストヘッド側コネクタにそれぞれ接続される複数のリードと、前記複数のリードの所定数がそれぞれ束ねられる複数のハーネスと、前記テストボードに設けられ前記複数のハーネスを前記テストボードに固定保持する固定保持手段とを具備したことを特徴とする半導体テスタである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体テスタ−のテストボードで使用されているコネクタ用のハーネスの保持機構を有する半導体テスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体テスタに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2000−137058号公報
【0004】
半導体テスタのテストボード1は、図4に示す如く、テストヘッド2が(1)の状態において、テストヘッド2に搭載される。
プローバ3が、テストヘッド2にテストボード1が取り付けられたと認識すると、指令を出して、テストヘッド2を(1)→(2)→(3)の状態に回転させて、半導体テスタの測定動作が開始される。
【0005】
図5は従来より一般に使用されているテストヘッド2の従来例の構成説明図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、図6は図5のA−A断面図、図7,図8は図5の動作説明図である。
【0006】
図5,図6において、テストボ−ド1の上部ベース2へプローブカード側コネクタ3が円周状に複数個取付けられ、プローブカード側コネクタ3は上部ベース2へ、押え板4,5とスタッド6によりフロ−ティング可能な状態で取付けられている。
ハーネス7は、プローブカード側コネクタ3の下部に一端が接続され、テストボ−ド1内の空間に収納され、他端が下部ベ−ス8に取付けられているテストヘッド側コネクタ9に繋がっている。
【0007】
以上の構成において、図7に示す如く、半導体テスタの測定動作を行う場合には、テストボ−ド1は前述の如く、180度旋回し、プローブカードのコネクタ11と接続される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような装置においては、以下の間題点がある。
図7、図8に示す如く、テストボ−ド1を180度旋回して、プローブカードのコネクタ11とプローブカード側コネクタ3が嵌合する時、フロ−ティングされているプローブカード側コネクタ3がプローブカードのコネクタ11に案内される状態で嵌合される。
【0009】
その時、プローブカード側コネクタ3の下部に一端が接続されているハーネス7は、テストボ−ド1内でフォ−ミングされて収納されている。
しかし、ハーネス7の自重とハーネス7自体の張りの影響で、プローブカード側コネクタ3の取付け状態は傾いたり、押さえ付けられたりと、不安定となり、プローブカード側コネクタ3のフロ−ティングが硬くなることがある。
【0010】
また、180度戻して初期状態に戻しても、元の状態に戻らずフロ−ティングが硬いままとなりやすい。
フロ−ティングが硬いままの状態が続き、プローブカードのコネクタ11とプローブカード側コネクタ3が嵌合を頻繁に行うと、プローブカード側コネクタ3又はプローブカードのコネクタ11を破損する恐れがある。
【0011】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、コネクタのフロ−ティング状態がハーネスの影響を受けることなく最適に保つことが出来るように、ハーネスを保持する構造を有する半導体テスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の半導体テスタにおいては、
テストボードの一方の面に設けられ前記テストボードにフローティング保持されプローブカードに接続される複数のプローブカード側コネクタと、前記テストボードに設けられ前記複数のプローブカード側コネクタに一方端がそれぞれ接続され他方端がテストヘッドに接続されるテストヘッド側コネクタにそれぞれ接続される複数のリードと、前記複数のリードの所定数がそれぞれ束ねられる複数のハーネスと、前記テストボードに設けられ前記複数のハーネスを前記テストボードに固定保持する固定保持手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項2の半導体テスタにおいては、請求項1記載の半導体テスタにおいて、
前記固定保持手段は、一方端がテストボードに固定された支持ブロックと、前記支持ブロックの他方端に固定され前記ハーネスを押圧保持する平板状のプレートとを具備したことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3の半導体テスタにおいては、請求項1又は請求項2記載の半導体テスタにおいて、
前記プレートに設けられ前記プレートと前記複数のハーネスとを結束する結束手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4の半導体テスタにおいては、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の半導体テスタにおいて、
前記結束手段としてバンドが使用されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
テストボードに設けられ前記複数のハーネスをテストボードに固定保持する固定保持手段が設けられたので、テストボ−ドを180度旋回した状態でも、プローブカード側コネクタに一端が取り付けられたハ−ネスを、常に固定保持手段が支えているため、プローブカード側コネクタがハーネスの自重と張りによって押さえつけられることがなくなり、プローブカード側コネクタのフロ−ティング状態への影響が少なく出来る半導体テスタが得られる。
【0017】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
固定保持手段は、一方端がテストボードに固定された支持ブロックと、支持ブロックの他方端に固定されハーネスを押圧保持する平板状のプレートとが設けられたので、固定保持手段を簡潔に構成出来て、安価な半導体テスタが得られる。
【0018】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。
プレートに設けられ、プレートと複数のハーネスとを結束する結束手段が設けられたので、旋回を繰り返してもハ−ネスが一定に保たれ、プローブカード側コネクタのフロ−ティングが安定し、嵌合自体も良好に行うことが出来る為、プローブカード側コネクタの寿命も延び、嵌合不良の頻度が減ることにより信頼性が向上された半導体テスタが得られる。
【0019】
本発明の請求項4によれば、次のような効果がある。
結束手段としてバンドが使用されたので、結束が容易で、安価な半導体テスタが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の部品説明図である。
図において、図5,図6と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図5,図6との相違部分のみ説明する。
【0021】
図1において、複数のプローブカード側コネクタ22はテストボード21の一方の面に設けられ、テストボード21にフローティング保持されプローブカードに接続される。
この場合は、プローブカード側コネクタ22は、テストボ−ド21の上部ベース23へ円周上に複数個取付けられている。
【0022】
複数のリード24は、テストボード21に設けられ、複数のプローブカード側コネクタ22に一方端がそれぞれ接続され、他方端が下部ベース25に取り付けられたテストヘッド側コネクタ26にそれぞれ接続される。
複数のハーネス27は、複数のリード24の所定数がそれぞれ束ねられる。
【0023】
固定保持手段28は、テストボード21に設けられ、複数のハーネス27をテストボード21に固定保持する。
この場合は、図2に示す如く、固定保持手段28は、一方端がテストボード21に固定された支持ブロック281と、支持ブロック281の他方端に固定され、ハーネス27を押圧保持する平板状のプレート282とを有する。
【0024】
以上の構成において、テストボ−ド21の上部の上部ベース23の中央部分の内部に円状プレ−ト282が支持ブロック281と取付き、支持ブロック281は円状プレ−ト282に取り付けている側と反対側で、上部ベ−ス23と取付いている。
プローブカード側コネクタ22に一端が接続されたハ−ネス27は円状プレ−ト282に向けてフォ−ミングされ、円状プレ−ト282の下を通して下部ベ−ス25のテストヘッド側コネクタ26にそれぞれ接続される。
【0025】
この結果、テストボード21に設けられ、複数のハーネス27をテストボード21に固定保持する固定保持手段28が設けられたので、テストボ−ド21を180度旋回した状態でも、プローブカード側コネクタ22に一端が取り付けられたハ−ネス27を、常に固定保持手段28が支えているため、プローブカード側コネクタ22がハーネス27の自重と張りによって押さえつけられることがなくなり、プローブカード側コネクタ22のフロ−ティング状態への影響が少なく出来る半導体テスタが得られる。
【0026】
固定保持手段28は、一方端がテストボード21に固定された支持ブロック281と、支持ブロック281の他方端に固定されハーネス27を押圧保持する平板状のプレート282とが設けられたので、固定保持手段28を簡潔に構成出来て、安価な半導体テスタが得られる。
【0027】
図3は、本発明の他の実施例の要部構成説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
本実施例においては、結束手段31は、プレート282に設けられ、プレート282と複数のハーネス27とを結束する。
この場合は、結束手段31としてバンドが使用されている。
【0028】
以上の構成において、プレート282の下を通っている全てのハ−ネス27を、プレート282と共に、プレート282の中央でバンド31により束ねて固定する。
バンド31にて固定したことにより、プローブカード側コネクタ22の下部からバンド31で固定された部分までのハーネス27は常に一定の長さが保たれる。
【0029】
この結果、プレート282に設けられ、プレート282と複数のハーネス27とを結束する結束手段31が設けられたので、旋回を繰り返してもハ−ネス27が一定に保たれ、プローブカード側コネクタ22のフロ−ティングが安定し、嵌合自体も良好に行うことが出来る為、プローブカード側コネクタ22の寿命も延び、嵌合不良の頻度が減ることにより信頼性が向上された半導体テスタが得られる。
【0030】
結束手段31としてバンドが使用されたので、結束が容易で、安価な半導体テスタが得られる。
【0031】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の部品説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の要部構成説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図4】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【図5】従来より一般に使用されているテストボードの従来例の構成説明図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5の動作説明図である。
【図8】図5の動作説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 テストボ−ド
2 上部ベース
3 プローブカード側コネクタ
4 押え板
5 押え板
6 スタッド
7 ハーネス
8 下部ベ−ス
9 テストヘッド側コネクタ
11 プローブカードのコネクタ
21 テストボード
22 プローブカード側コネクタ
23 上部ベース
24 リード
25 下部ベース
26 テストヘッド側コネクタ
27 ハーネス
28 固定保持手段
281 支持ブロック
282 プレート
31 結束手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストボードの一方の面に設けられ前記テストボードにフローティング保持されプローブカードに接続される複数のプローブカード側コネクタと、
前記テストボードに設けられ前記複数のプローブカード側コネクタに一方端がそれぞれ接続され他方端がテストヘッドに接続されるテストヘッド側コネクタにそれぞれ接続される複数のリードと、
前記複数のリードの所定数がそれぞれ束ねられる複数のハーネスと、
前記テストボードに設けられ前記複数のハーネスを前記テストボードに固定保持する固定保持手段と
を具備したことを特徴とする半導体テスタ。
【請求項2】
前記固定保持手段は、一方端がテストボードに固定された支持ブロックと、
前記支持ブロックの他方端に固定され前記ハーネスを押圧保持する平板状のプレートと
を具備したことを特徴とする請求項1記載の半導体テスタ。
【請求項3】
前記プレートに設けられ前記プレートと前記複数のハーネスとを結束する結束手段
を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体テスタ。
【請求項4】
前記結束手段としてバンドが使用されたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の半導体テスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−151741(P2008−151741A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342535(P2006−342535)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】