説明

半導体ナノ粒子蛍光体

【課題】発光強度に優れ、分散性の向上した半導体ナノ粒子蛍光体を提供する。
【解決手段】本発明の半導体ナノ粒子蛍光体は、13族−15族半導体からなる半導体結晶粒子と、半導体結晶粒子に結合する、硫黄原子と炭素原子との結合を含む修飾有機化合物とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ナノ粒子蛍光体に関し、より特定的には、発光強度および分散性を向上させた半導体ナノ粒子蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体結晶粒子(以下「結晶粒子」ともいう。)の平均粒子径をボーア半径と同程度に小さくすることにより、量子サイズ効果を示すことが知られている。量子サイズ効果とは、物質の大きさがボーア半径と同程度に小さくなると、その中の電子が自由に運動できなくなり、電子のエネルギーが特定の値しか取り得なくなることである。
【0003】
非特許文献1には、量子サイズ効果を利用した技術として、12族−16族化合物半導体からなる結晶粒子を用いた蛍光体が記載されている。この蛍光体は励起子ボーア半径と同程度の大きさであるため、その寸法を小さくするほど、発生する光の波長を短くすることができる。
【0004】
しかしながら、平均粒子径100nm以下の蛍光体は、表面活性が高いことにより凝集しやすいため、蛍光体を安定して分散させることが困難である。さらに、この蛍光体の最表面には、ダングリングボンド(未結合手)や表面欠陥が存在するため、良好な発光効率を示す蛍光体は得られていなかった。
【0005】
そこで、半導体ナノ粒子の表面欠陥を保護し、凝集を防止して、半導体ナノ粒子を安定に単離するための技術として、保護剤による半導体ナノの修飾が提案されている。
【0006】
特許文献1では、半導体ナノ結晶コアと導電体シェルとからなるコアシェル型粒子表面に、樹脂モノマーとの共重合性又は樹脂マトリクスへの相溶性を有する有機化合物を表面修飾分子として結合させることが提案されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術を用いても、優れた発光効率を示す半導体ナノ粒子蛍光体は得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−64278号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】C.B.Murrayら(Journal of the American Chemical Society)1993年,115,p.8706-8715
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであり、発光強度に優れ、分散性の向上した半導体ナノ粒子蛍光体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半導体ナノ粒子蛍光体は、13族−15族半導体からなる半導体結晶粒子と、半導体結晶粒子に結合する、硫黄原子と炭素原子との結合を含む修飾有機化合物とを備える。
【0012】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、修飾有機化合物は、チオール基を有する。
【0013】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、修飾有機化合物は、直鎖アルキル基を有する。
【0014】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、半導体結晶粒子に、さらに金属含有有機化合物が結合する。
【0015】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、金属含有有機化合物は、直鎖アルキル基を有する。
【0016】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、金属含有有機化合物は、脂肪酸塩を有する。
【0017】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、半導体結晶粒子は、13族混晶窒化物半導体である。
【0018】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、半導体結晶粒子は、窒化インジウムガリウムからなる。
【0019】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、半導体結晶粒子は、ボーア半径の2倍以下の平均粒子径である。
【0020】
本発明に係る半導体ナノ粒子蛍光体において好ましくは、半導体結晶粒子は、半導体結晶コアと、該半導体結晶コアを被覆するシェル層とからなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、発光強度に優れ、分散性の向上した半導体ナノ粒子蛍光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す断面図である。
【図6】実施例1および比較例1の半導体ナノ粒子蛍光体のそれぞれの発光強度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本明細書の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。なお、図面における長さ、大きさ、幅などの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法を表していない。
【0024】
(実施の形態1)
<半導体ナノ粒子蛍光体>
図1は、本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体を模式的に示す断面図である。本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体10は、13族−15族半導体からなる半導体結晶粒子11と、該半導体結晶粒子11に結合する修飾有機化合物12とを備える。以下、これらの半導体ナノ粒子蛍光体10の各構成を説明する。
【0025】
<半導体結晶粒子>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体10において、半導体結晶粒子11は、13族−15族半導体からなるナノ粒子であることを特徴とする。ここで、「13族−15族半導体」とは、13族元素(B、Al、Ga、In、Tl)と15族元素(N、P、As、Sb、Bi)とが結合した半導体を意味し、「ナノ粒子」とは、粒子の直径が数nm以上数千nm以下のものをいうものとする。
【0026】
半導体結晶粒子11に用いられる13族−15族半導体としては、InN、InP、InGaN、InGaP、AlInN、AlInP、AlGaInN、AlGaInPよりなる群から選択される1つ以上を用いることが好ましい。中でも、InN、InP、InGaN、InGaPよりなる群から選択される1つ以上を用いることがより好ましい。
【0027】
半導体結晶粒子11に用いられる13族−15族半導体は、意図しない不純物を含んでいてもよい。また、1×1016cm-3以上1×1021cm-3以下の濃度であれば意図的に添加された不純物を含んでいてもよい。13族−15族半導体に意図的に不純物を添加する場合、2族元素(Be、Mg、Ca、Sr、Ba)、Zn、またはSiのいずれかをドーパントとして用いることが好ましく、これらの中でもMg、Zn、またはSiのいずれかをドーパントに用いることがより好ましい。
【0028】
このような組成の13族−15族半導体は、可視光を発光するようなバンドギャップ・エネルギを有するため、半導体結晶粒子11の平均粒子径およびその混晶比を制御することにより、半導体結晶粒子11の発光波長を任意の可視光領域の波長に調整することができる。
【0029】
半導体結晶粒子11に用いられる13族−15族半導体のバンドギャップは、半導体ナノ粒子蛍光体10の発光波長によっても異なるが、1.8eV以上2.8eV以下であることが好ましい。より具体的に説明すると、半導体ナノ粒子蛍光体10を赤色蛍光体として用いる場合、13族−15族半導体のバンドギャップは1.85eV以上2.5eV以下であることが好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体10を緑色蛍光体として用いる場合、13族−15族半導体のバンドギャップは、2.3eV以上2.5eV以下であることが好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体10を青色蛍光体として用いる場合、13族−15族半導体のバンドギャップは、2.65eV以上2.8eV以下であることが好ましい。
【0030】
半導体結晶粒子11は、13族窒化物半導体からなることが好ましく、窒化インジウムからなることがより好ましい。半導体結晶粒子11がこのような材料からなることにより、半導体結晶粒子の平均粒子径を制御したときに、任意の可視発光を実現することができる。
【0031】
また、半導体結晶粒子11は、13族混晶窒化物半導体からなるものであってもよい。このような材料の半導体結晶粒子11を用いることにより、半導体結晶粒子の平均粒子径およびその混晶比を制御したときに、任意の可視発光を実現することができる。
【0032】
本実施の形態で用いられる半導体結晶粒子11の平均粒子径は、0.1nm以上10μm以下であることが好ましく、0.5nm以上1μm以下であることがより好ましく、1〜20nmであることがさらに好ましい。このような平均粒子径の半導体結晶粒子11を用いることにより、半導体結晶粒子11の表層での励起光の散乱を抑制することができ、半導体結晶粒子11に励起光を吸収させることができる。半導体結晶粒子11の平均粒子径が0.1nm未満であると、粒子径が小さすぎることにより、半導体結晶粒子11間で凝集が生じやすいため好ましくない。一方、平均粒子径が10μmを超えると、励起光が散乱することにより、半導体ナノ粒子蛍光体10の発光効率が低下するため好ましくない。
【0033】
半導体結晶粒子11の平均粒子径は、ボーア半径の2倍以下であることが好ましい。ここで、「ボーア半径」とは、励起子の存在確率の広がりを示すもので、下記の数式(1)で表される。
【0034】
y=4πεh2・me2・・・式(1)
ここで、式(1)中の各記号はそれぞれy:ボーア半径、ε:誘電率、h:プランク定数、m:有効質量、e:電荷素量である。
【0035】
半導体結晶粒子11の平均粒子径をボーア半径の2倍以下にすると、半導体ナノ粒子蛍光体10の発光強度を非常に向上させることができる。なお、半導体結晶粒子11を半導体ナノ粒子蛍光体10に用いる場合、半導体結晶粒子11の平均粒子径がボーア半径の2倍以下になると、量子サイズ効果により13族−15族半導体のバンドギャップが広がる傾向がある。この場合でも、半導体結晶粒子11を構成する13族−15族半導体のバンドギャップは、1.8eV以上2.8eV以下であることが好ましい。
【0036】
上記の半導体結晶粒子11の平均粒子径は、X線回析測定によるスペクトル半値幅に基づいて算出することもできるし、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて、高倍率の観察像で半導体結晶粒子11の格子像を直接観察することによっても算出することができる。
【0037】
<修飾有機化合物>
本実施の形態において、修飾有機化合物12は、分子中に硫黄原子と炭素原子との結合を含む化合物である。修飾有機化合物12の硫黄原子は半導体結晶粒子11表面の13族元素と配位結合することができる。したがって、修飾有機化合物12は半導体結晶粒子11表面を被覆することができる。さらに、修飾有機化合物12は物理吸着による結合を介して、半導体結晶粒子11表面を被覆することができる。
【0038】
修飾有機化合物12は、分子中に親水基および疎水基を含む化合物であることが好ましい。修飾有機化合物12が親水基および疎水基を有することにより、半導体結晶粒子11の表面のダングリングボンド(未結合手)が修飾有機化合物12によってキャッピングされ、半導体結晶粒子11と修飾有機化合物12とが強固に結合することができる。このように修飾有機化合物12が半導体結晶粒子11の表面をキャッピングすることにより、半導体結晶粒子11の表面欠陥が保護されるため、半導体ナノ粒子蛍光体10の発光効率を向上させることができる。
【0039】
修飾有機化合物12は、疎水基としての非極性炭化水素末端と、親水基としてのチオール基、スルフィド基、チオエステル基、スルホキシド基、スルホン酸基、スルホン基とを有する化合物を用いることができる。このような修飾有機化合物12としては、たとえば、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、メチルプロピルスルフィド、チオ酢酸メチル、チオ酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ブチルエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなどを挙げることができる。
【0040】
修飾有機化合物12は、チオール基を有することが好ましい。チオール基は硫黄原子に結合している水素原子が小さいため、修飾有機化合物12が半導体結晶粒子11の表面の13族元素に結合するときに、修飾有機化合物12同士の立体的な障害を抑制することができる。
【0041】
修飾有機化合物12は、直鎖アルキル基を有することが好ましい。修飾有機化合物12が直鎖アルキル基を有することにより、修飾有機化合物12が半導体結晶粒子11の表面の13族元素に結合するときに、修飾有機化合物12同士の立体的な障害を抑制することができる。また、修飾有機化合物12に含まれる直鎖アルキル基により、半導体結晶粒子11の分散性および溶解性が向上する。
【0042】
なお、半導体結晶粒子11と結合している修飾有機化合物12の厚さは、TEMを用いて高倍率の観察像を観察することにより算出することができる。
【0043】
<半導体ナノ粒子蛍光体の発光>
半導体ナノ粒子蛍光体10おいて、修飾有機化合物12は、半導体結晶粒子11の表面に配列する未結合手を有する13族元素に結合する。このため、半導体結晶粒子11表面のダングリングボンド(未結合手)が効率的にキャッピングされる。
【0044】
このような半導体ナノ粒子蛍光体10に対して励起光を照射すると、半導体結晶粒子11が励起光を吸収して励起する。ここで半導体結晶粒子11の粒子径は、量子サイズ効果を有する程度に小さいので、半導体結晶粒子11は離散化した複数のエネルギー準位をとり得るが、一つの準位になる場合もある。半導体結晶粒子11に吸収され、励起された光エネルギーは、伝導帯の基底準位と価電子帯の基底準位との間で遷移し、そのエネルギーに相当する波長の光が半導体結晶粒子11から発光する。
【0045】
本実施の形態に係る半導体ナノ粒子蛍光体10によれば、半導体結晶粒子11の表面のダングリングボンド(未結合手)が修飾有機化合物12でキャッピングされることにより、半導体結晶粒子11の表面欠陥が保護される。これにより、半導体結晶粒子11は発生した励起キャリアの高い閉じ込め効果を有することができ、半導体結晶粒子表面での励起エネルギーの失活を抑えることができるため、発光効率が高く信頼性に優れた半導体ナノ粒子蛍光体を提供することができる。
【0046】
さらに、修飾有機化合物12が半導体結晶粒子11の表面を均一に被覆することによって、半導体ナノ粒子蛍光体10同士の凝集を抑制することができ、分散性が高い半導体ナノ粒子蛍光体10を提供することができる。
【0047】
<半導体ナノ粒子蛍光体の製造方法>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体の製造方法は、特に制限なくいかなる方法をも用いることができる。中でも、簡便な手法であり、かつ低コストであるという観点から、化学合成法を用いることが好ましい。化学合成法の具体例としては、ゾルゲル法(コロイド法)、ホットソープ法、逆ミセル法、ソルボサーマル法、分子プレカーサ法、水熱合成法、フラックス法などを挙げることができる。
【0048】
以下においては、ホットソープ法により半導体ナノ粒子蛍光体を製造する方法を説明する。ホットソープ法は、化合物半導体材料からなるナノ粒子を製造するのに適している。
【0049】
まず、半導体結晶粒子11を液相合成する。たとえばInNからなる半導体結晶粒子11を製造する場合、フラスコなどに合成溶媒として1−オクタデセンを満たし、ヨウ化インジウムとナトリウムアミドおよび修飾有機化合物12を混合する。この混合液を十分に攪拌した後、合成温度180〜500℃で反応を行なうことにより、InNからなる半導体結晶粒子に修飾有機化合物12が結合する。
【0050】
ここで、ホットソープ法に用いられる合成溶媒は、炭素原子および水素原子からなる化合物溶液(以下、「炭化水素系溶媒」という。)を用いることが好ましい。炭化水素系溶媒以外の溶媒を合成溶媒として用いると、合成溶媒中に水や酸素が混入してしまうこととなり、半導体結晶粒子11が酸化するため好ましくない。ここで、炭化水素系溶媒としては、たとえばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等を挙げることができる。
【0051】
ホットソープ法では、原理的に反応時間が長いほど半導体結晶粒子の粒子径は大きく成長する。よって、フォトルミネッセンス、光吸収、動的光散乱等で粒子径をモニタしながら、液相合成することにより、InNからなる半導体結晶粒子11を所望の粒子径に制御することができる。
【0052】
(実施の形態2)
<半導体ナノ粒子蛍光体>
図2は、本発明の一実施の形態における半導体ナノ粒子蛍光体を模式的に示す断面図である。本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体20は、半導体結晶粒子21と、該半導体結晶粒子21に結合する修飾有機化合物22および金属含有有機化合物23とを備える。以下、本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体20の構成について説明する。
【0053】
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体において、半導体結晶粒子21および修飾有機化合物22は、実施の形態1と同様のものを用いることができる。
【0054】
<金属含有有機化合物>
本実施の形態において、金属含有有機化合物23は、分子中に金属原子からなる金属23aと、親水基および疎水基を含む有機化合物23bとからなる化合物である。
【0055】
金属含有有機化合物23の金属23aは、半導体結晶粒子21の表面の15族元素に強固に結合することができる。したがって、半導体結晶粒子21の表面のダングリングボンド(未結合手)が金属含有有機化合物23によってキャッピングされ、半導体結晶粒子21と金属含有有機化合物23とが強固に結合することができる。このように金属含有有機化合物23が半導体結晶粒子21の表面をキャッピングすることにより、半導体結晶粒子21の表面欠陥が保護されるため、半導体ナノ粒子蛍光体20の発光効率を向上させることができる。
【0056】
金属含有有機化合物23を構成する金属23aとして、ガリウム、インジウム、亜鉛などを用いることができる。
【0057】
金属含有有機化合物23を構成する有機化合物23bとして、13族元素または12族元素の脂肪酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ならびに13族元素または12族元素を含む窒素含有官能基、硫黄含有官能基、酸性基、アミド基、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、水酸基などを含む有機化合物を用いることができる。
【0058】
このような金属含有有機化合物23としては、ガリウムアセチルアセトナート、インジウムアセチルアセトナート、ステアリン酸ガリウム、ステアリン酸インジウム、ステアリン酸亜鉛、パルチミン酸ガリウム、パルチミン酸インジウム、パルチミン酸亜鉛、ミリスチン酸ガリウム、ミリスチン酸インジウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸ガリウム、ラウリン酸インジウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸ガリウム、ウンデシレン酸インジウム、ウンデシレン酸亜鉛、ステアリル硫酸ガリウム、ステアリル硫酸インジウム、パルチミル硫酸ガリウム、パルチミル硫酸インジウム、パルチミル硫酸亜鉛、ステアリル硫酸亜鉛、ミリスチル硫酸ガリウム、ミリスチル硫酸インジウム、ミリスチル硫酸亜鉛、ラウリル硫酸ガリウム、ラウリル硫酸インジウム、ラウリル硫酸亜鉛、ステアリルリン酸ガリウム、ステアリルリン酸インジウム、ステアリルリン酸亜鉛、パルチミルリン酸ガリウム、パルチミルリン酸インジウム、パルチミルリン酸亜鉛、ミリスチルリン酸ガリウム、ミリスチルリン酸インジウム、ミリスチルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸ガリウム、ラウリルリン酸インジウム、ラウリルリン酸亜鉛などを挙げることができる。
【0059】
有機化合物23bは、直鎖アルキル基を有することが好ましい。有機化合物23bが直鎖アルキル基を有することにより、金属含有有機化合物23が半導体結晶粒子21の表面に結合するときに、金属含有有機化合物23同士の立体的な障害を抑制することができる。
【0060】
直鎖アルキル基としては、たとえば脂肪酸塩が好ましい。有機化合物23bの直鎖アルキル基が脂肪酸塩である場合、金属23aと有機化合物23bとの結合が強くなる。さらに、半導体結晶粒子21と金属含有有機化合物23との結合が強くなる。このため、半導体ナノ粒子蛍光体20の構造が安定になる。
【0061】
なお、半導体結晶粒子21と結合している金属含有有機化合物23の厚さは、TEMを用いて高倍率の観察像を観察することにより算出することができる。
【0062】
<半導体ナノ粒子蛍光体の製造方法>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体は、実施の形態1と同様の方法で製造することができる。たとえばホットソープ法によりInNからなる半導体結晶粒子21を製造する場合、フラスコなどに合成溶媒として1−オクタデセンを満たし、ヨウ化インジウムとナトリウムアミド、修飾有機化合物22および金属含有有機化合物23を混合する。この混合液を十分に攪拌した後、合成温度180〜500℃で反応を行なうことにより、InNからなる半導体結晶粒子21に修飾有機化合物22および金属含有有機化合物23が結合する。
【0063】
(実施の形態3)
<半導体ナノ粒子蛍光体>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体結晶粒子として、半導体結晶コアと、該半導体結晶コアを被覆するシェル層とを有する、コア/シェル構造のものを用いることを特徴とする。図3は、半導体結晶粒子がコア/シェル構造である半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す図である。
【0064】
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体30は、13族−15族半導体からなる半導体結晶粒子31と、該半導体結晶粒子31に結合する修飾有機化合物32とを備える。そして、半導体結晶粒子31は、半導体結晶コア34と、該半導体結晶コア34被覆するシェル層35とを有する。以下、本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体30の構成について説明する。
【0065】
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体において、修飾有機化合物32は、実施の形態1と同様のものを用いることができる。
【0066】
<半導体結晶粒子>
本実施の形態において、半導体結晶粒子31は、半導体結晶コア34と、該半導体結晶コア34を被覆するシェル層35とを有する。
【0067】
半導体結晶コア34は、実施の形態1における半導体結晶粒子と同様のものを用いることができる。
【0068】
半導体結晶粒子31が、コア/シェル構造であるときは、半導体結晶コア34を形成する半導体は、シェル層35を形成する半導体よりも、バンドギャップの小さい組成とすることが望ましい。
【0069】
本実施の形態で用いられる半導体結晶コア34の平均粒子径は、0.1nm以上10μm以下であることが好ましく、0.5nm以上1μm以下であることがより好ましく、1〜20nmであることがさらに好ましい。このような平均粒子径の半導体結晶コア34を用いることにより、半導体結晶コア34の表層での励起光の散乱を抑制することができ、半導体結晶コア34に励起光を吸収させることができる。半導体結晶コア34の平均粒子径が0.1nm未満であると、粒子径が小さすぎることにより、半導体結晶コア34間で凝集が生じやすいため好ましくない。一方、平均粒子径が10μmを超えると、励起光が散乱することにより、半導体ナノ粒子蛍光体30の発光効率が低下するため好ましくない。
【0070】
半導体結晶コア34の平均粒子径は、ボーア半径の2倍以下であることが好ましい。
シェル層35は、半導体結晶コア34の表面に半導体結晶が成長して形成される層であり、半導体結晶コア34とシェル層35との間は化学結合により結合する。シェル層35は半導体結晶コア34の結晶構造を引き継いで形成される化合物半導体からなる。
【0071】
シェル層35を構成する半導体は、13族−15族半導体からなることが好ましく、たとえばInN、InP、InGaN、InGaP、AlInN、AlInP、AlGaInN、AlGaInPよりなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。
【0072】
また、半導体結晶コア34の粒子径が2〜6nmと見積もられる場合、シェル層35の厚さは0.1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。シェル層35の厚さが0.1nmより小さいと半導体結晶コア34の表面を十分に被覆できないことにより、半導体結晶コア34を均一に保護することができない。一方、シェル層35の厚さが10nmを超えると、シェル層35の厚さを均一にしにくくなり、シェル層35表面に欠陥が増えることとなり好ましくない。さらに、原材料コストの観点からも好ましくない。
【0073】
ここで、シェル層35の厚さは、X線回析によって測定することができ、TEMを用いて、高倍率の観察像で格子像を観察することによっても算出することができる。
【0074】
また、シェル層35は単層構造のみに限られるものではなく、複数層からなる積層構造であってもよい。このようにシェル層35を積層構造にすることにより、半導体結晶コア34を確実に被覆することができる。
【0075】
<半導体ナノ粒子蛍光体の発光>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体30に対して励起光を照射すると、半導体結晶コア34が励起光を吸収して励起する。ここで半導体結晶コア34の粒子径は、量子サイズ効果を有する程度に小さいので、半導体結晶コア34は離散化した複数のエネルギー準位をとり得るが、一つの準位になる場合もある。半導体結晶コア34で吸収され、励起された光エネルギーは、伝導帯の基底準位と価電子帯の基底準位との間で遷移し、そのエネルギーに相当する波長の光が半導体結晶コア34から発光する。
【0076】
<半導体ナノ粒子蛍光体の製造方法>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体は、たとえば、半導体結晶コア34を合成後に、シェル層35の原料を加えて反応させる事により、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子蛍光体30を製造することができる。具体的には、半導体結晶コア34を含む溶液に、シェル層35の原材料である反応試薬と修飾有機化合物32とを加えて加熱反応させる。この工程において、コア/シェル構造の半導体結晶粒子31が合成される。また、同時に半導体結晶粒子31の表面には、修飾有機化合物32が化学的に結合する。
【0077】
(実施の形態4)
<半導体ナノ粒子蛍光体>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体結晶粒子としてコア/シェル構造のものを用いることを特徴とする。図4は、半導体結晶粒子がコア/シェル構造である半導体ナノ粒子蛍光体の基本構造を模式的に示す図である。本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体40は、13族−15族半導体からなる半導体結晶粒子41と、前記半導体結晶粒子41に結合する修飾有機化合物42および金属含有有機化合物43とを備える。そして、半導体結晶粒子41は、半導体結晶コア44と、該半導体結晶コア44被覆するシェル層45とを有する。
【0078】
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体において、半導体結晶粒子41は、実施の形態3と同様のものを用いることができる。さらに、修飾有機化合物42は実施の形態1と同様のものを、金属含有有機化合物43は実施の形態2と同様のものを用いることができる。
【0079】
<半導体ナノ粒子蛍光体の製造方法>
本実施の形態の半導体ナノ粒子蛍光体は、実施の形態3と同様の方法で製造することができる。なお、金属含有有機化合物43はシェル層45を成長させた後に溶液中に添加してもよい。
【0080】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0081】
本実施例においては、励起光を吸収して赤色光を発光発色する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体10は、図1に示されるように、InNからなる半導体結晶粒子11と、ドデカンチオール(DDT)からなる修飾有機化合物12とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0082】
1mmolのDDTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、1mmolのヨウ化インジウムと、10mmolのナトリウムアミドとを熱分解反応させることにより、InN(半導体結晶粒子)/DDT(修飾有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶粒子の平均粒子径を5nmに調整することにより、赤色発光を示すように発光波長を620nmに調整した。以下、「A/B」と表記した場合はBで被覆されたAを意味し、「A/B、C」と表記した場合は、BおよびCで被覆されたAを意味する。
【0083】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体10をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶粒子11の平均粒子径(直径)は、5nmであった。なお、半導体結晶粒子11の平均粒子径の算出には、以下のScherrerの式(数式(2))を用いた。
B=λ/cosθ・R・・・(数式(2))
ここで、数式(2)の各記号はそれぞれ、B:X線半値幅[deg]、λ:X線の波長[nm]、θ:Bragg角[deg]、R:粒子径[nm]を示す。
【0084】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、半導体結晶粒子を構成するInN結晶は、発光波長が620nmとなるように粒子径が調整されているため、赤色発光を示すことができた。
【0085】
実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、蛍光分光光度計((製品名:フルオロマックス3(堀場製作所株式会社製、ジョバンイボン社製))を用いて620nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約60a.u.(arbitrary unit)という高い発光強度が測定された。
【0086】
このことから、実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を修飾有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0087】
また、実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物間に生じた反発力と、修飾有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【0088】
【表1】

【実施例2】
【0089】
本実施例においては、励起光を吸収して緑色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体20は、図2に示されるように、InNからなる半導体結晶粒子21と、ヘキサデカンチオール(HDT)からなる修飾有機化合物22と、ステアリン酸亜鉛(Zn(STA)2)からなる金属含有有機化合物23とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0090】
1mmolのHDTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、1mmolのヨウ化インジウムと、10mmolのナトリウムアミドとを熱分解反応させることより、InN(半導体結晶粒子)/HDT(修飾有機化合物)、Zn(STA)2(金属含有有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶粒子の平均粒子径を4nmに調整することにより、緑色発光を示すように発光波長を520nmに調整した。
【0091】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶粒子の平均粒子径(直径)は、4nmであった。なお、半導体結晶粒子の平均粒子径の算出には、上記のScherrerの式(数式(2))を用いた。
【0092】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、半導体結晶粒子を構成するInN結晶は、発光波長が520nmとなるように粒子径が調整されているため、緑色発光を示すことができた。
【0093】
実施例2の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて520nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約80a.u.という高い発光強度が測定された。
【0094】
このことから、実施例2の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0095】
また、実施例2の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例2の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【実施例3】
【0096】
本実施例においては、励起光を吸収して青色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体40は、図4に示されるように、InNからなる半導体結晶コア44と、GaNからなるシェル層45と、オクタンチオール(OT)からなる修飾有機化合物42と、ウンデシレン酸亜鉛(Zn(UNA)2)からなる金属含有有機化合物43とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0097】
1mmolのOTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、1mmolのヨウ化インジウムと、10mmolのナトリウムアミドとを熱分解反応させることにより、InNからなる半導体結晶コアを合成した。次に、この溶液に、シェル層の原料である3mmolのヨウ化ガリウムを含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させ、さらに、1.5mmolのZn(UNA)2を加えて反応させることにより、InN(半導体結晶コア)/GaN(シェル層)/OT(修飾有機化合物)、Zn(UNA)2(金属含有有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶コア44の平均粒子径を3nmに調整することにより、青色発光を示すように発光波長を470nmに調整した。
【0098】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶コアの平均粒子径(直径)は、3nmであった。なお、半導体結晶コアの平均粒子径の算出には、上記Scherrerの式(数式(2))を用いた。
【0099】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、半導体結晶コアを構成するInN結晶は、発光波長が470nmとなるように粒子径が調整されているため、青色発光を示すことができた。
【0100】
実施例3の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて470nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約90a.u.という高い発光強度が測定された。
【0101】
このことから、実施例3の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0102】
また、実施例3の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例3の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【実施例4】
【0103】
本実施例においては、励起光を吸収して青色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体は、図4に示されるように、In0.3Ga0.7Nからなる半導体結晶コア44と、GaNからなるシェル層45と、ヘキサデカンチオール(HDT)からなる修飾有機化合物42と、ステアリン酸亜鉛(Zn(STA)2)からなる金属含有有機化合物43とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0104】
1mmolのHDTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、0.3mmolのヨウ化インジウムと、0.7mmolのヨウ化ガリウムと、10mmolのナトリウムアミドとを熱分解反応させることにより、In0.3Ga0.7Nからなる半導体結晶コアを合成した。次に、この溶液に、シェル層の原料である3mmolのヨウ化ガリウムおよび30mmolのナトリウムアミド含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させ、さらに、1mmolのZn(STA)2を加えて反応させることにより、In0.3Ga0.7N(半導体結晶コア)/GaN(シェル層)/HDT(修飾有機化合物)、Zn(STA)2(金属含有有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶コアの平均粒子径を5nmに調整することにより、青色発光を示すように発光波長を480nmに調整した。
【0105】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶コアの平均粒子径(直径)は、5nmであった。なお、半導体結晶コアの平均粒子径の算出には、上記Scherrerの式(数式(2))を用いた。
【0106】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、半導体結晶コアを構成するIn0.3Ga0.7N結晶は、発光波長が480nmとなるように粒子径が調整されているため青色発光を示すことができた。
【0107】
実施例4の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて480nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約100a.u.という高い発光強度が測定された。
【0108】
このことから、実施例4の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0109】
また、実施例4の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例4の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【実施例5】
【0110】
本実施例においては、励起光を吸収して緑色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体40は、図4に示されるように、In0.4Ga0.6Nからなる半導体結晶コア44と、ZnSからなるシェル層45と、ジエチルスルフィド(DES)からなる修飾有機化合物42と、パルミチルリン酸ガリウム(Ga(PP)3)からなる金属含有有機化合物43とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0111】
1mmolのDESを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、0.4mmolのヨウ化インジウムと、0.6mmolのヨウ化ガリウムと、および10mmolのナトリウムアミドとを熱分解反応させることにより、In0.4Ga0.6Nからなる半導体結晶コアを合成した。次に、この溶液に、シェル層の原料である3molの酢酸亜鉛および3mmolの硫黄を含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させ、さらに、1mmolのGa(PP)3を加えて反応させることにより、In0.4Ga0.6N(半導体結晶コア)/GaN(シェル層)/DES(修飾有機化合物)、Ga(PP)3(金属含有有機化合物)という構成を有する半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶コアの平均粒子径を5nmに調整することにより、緑色発光を示すように発光波長を520nmに調整した。
【0112】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶コアの平均粒子径(直径)は、5nmであった。なお、半導体結晶コアの平均粒子径の算出には、上記Scherrerの式(数式(2))を用いた。
【0113】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、半導体結晶コアを構成するIn0.4Ga0.6N結晶は、発光波長が520nmとなるように粒子径が調整されているため緑色発光を示すことができた。
【0114】
実施例5の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて520nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約95a.u.という高い発光強度が測定された。
【0115】
このことから、実施例5の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0116】
また、実施例5の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例5の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【実施例6】
【0117】
本実施例においては、励起光を吸収して赤色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体20は、図2に示されるように、InPからなる半導体結晶粒子21と、ノナンチオール(NT)からなる修飾有機化合物22と、ステアリルリン酸インジウム(In(SP)3)からなる金属含有有機化合物23とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0118】
1mmolのNTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、1mmolの三塩化インジウムと、1mmolのトリス(トリメチルシリルホスフィン)とを熱分解反応させることにより、InP(半導体結晶粒子)/NT(修飾有機化合物)、In(SP)3(金属含有有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶粒子の平均粒子径を3nmに調整することにより、赤色発光を示すように発光波長を650nmに調整した。
【0119】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された結晶粒子の平均粒子径(直径)は、3nmであった。なお、半導体結晶粒子の平均粒子径の算出には、上記Scherrerの式(数式(2))を用いた。
【0120】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、結晶粒子を構成するInP結晶は、発光波長が650nmとなるように粒子径が調整されているため、赤色発光を示すことができた。
【0121】
実施例6の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて650nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約80a.u.という高い発光強度が測定された。
【0122】
このことから、実施例6の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0123】
また、実施例6の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例6の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【実施例7】
【0124】
本実施例においては、励起光を吸収して赤色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体40は、図4に示されるように、In0.7Ga0.3Pからなる半導体結晶コア44と、ZnSからなるシェル層45と、ブタンチオール(BT)からなる修飾有機化合物42と、ステアリン亜鉛(Zn(STA)2)からなる金属含有有機化合物43とを備える。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0125】
1mmolのBTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、0.7mmolの三塩化インジウムと、0.3mmolの三塩化ガリウムと、1mmolのトリス(トリメチルシリルホスフィン)とを熱分解反応させることにより、In0.7Ga0.3Pからなる半導体結晶コアを合成した。次に、この溶液に、シェル層の原料である3molの酢酸亜鉛および3mmolの硫黄を含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させ、さらに、1mmolのZn(STA)2を加えて反応させることにより、In0.7Ga0.3P(半導体結晶コア)/ZnS(シェル層)/BT(修飾有機化合物)、Zn(STA)2(金属含有有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶コアの平均粒子径を3nmに調整することにより、赤色発光を示すように発光波長を600nmに調整した。
【0126】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶コアの平均粒子径(直径)は、3nmであった。なお、半導体結晶コアの平均粒子径の算出には、上記Scherrerの式(数式(2))を用いた。
【0127】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、半導体結晶コアを構成するIn0.7Ga0.3P結晶は、発光波長が600nmとなるように粒子径が調整されているため赤色発光を示すことができた。
【0128】
実施例7の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて600nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約90a.u.という高い発光強度が測定された。
【0129】
このことから、実施例7の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光強度を有していることがわかった。これは、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0130】
また、実施例7の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例7の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【実施例8】
【0131】
本実施例においては、励起光を吸収して赤色光を発光する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。このような半導体ナノ粒子蛍光体50は、図5に示されるように、InNからなる半導体結晶コア54と、GaNとZnSとが積層された積層構造からなるシェル層55と、ヘキサデカンチオール(HDT)からなる修飾有機化合物52、ウンデシレン酸亜鉛(Zn(UNA)2)からなる金属含有有機化合物53とを備える。なお、シェル層55において、GaN層が内殻である第1シェル層55aを構成し、ZnSが外殻である第2シェル層55bを構成する。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0132】
1mmolのHDTを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、1mmolのヨウ化インジウムと、10mmolのナトリウムアミドとを熱分解反応させることにより、InNからなる半導体結晶コアを合成した。次に、この溶液に、第1シェル層の原料である3mmolのヨウ化ガリウムおよび30mmolのナトリウムアミドを含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させ、さらに、第2シェル層の原料である3mmolの酢酸亜鉛および3mmolの硫黄を含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させた。そして、この溶液に、さらに、1mmolのZn(UNA)2を含む30mlの1−オクタデセン溶液を加えて反応させることにより、InN(半導体結晶コア)/GaN(第1シェル層)/ZnS(第2シェル層)/HDT(修飾有機化合物)、Zn(UNA)2(金属含有有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶コア54の平均粒子径を5nmに調整することにより、青色発光を示すように発光波長を620nmに調整した。
【0133】
得られた半導体ナノ粒子蛍光体をX線回折で測定した結果、スペクトル半値幅より算出された半導体結晶コアの平均粒子径(直径)は、5nmであった。なお、半導体結晶コアの平均粒子径の算出には、上記Scherrerの式(数式(2))を用いた。
【0134】
半導体ナノ粒子蛍光体は、13族窒化物からなる青色発光素子を励起光源として用いることができ、特に外部量子効率の高い405nmの発光を効率よく吸収できた。また、ナノ粒子コアを構成するInN結晶は、発光波長が620nmとなるように粒子径が調整されているため、赤色発光を示すことができた。
【0135】
実施例8の半導体ナノ粒子蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて620nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約95a.u.という高い発光強度が測定された。
【0136】
このことから、実施例8の半導体ナノ粒子蛍光体は、量子サイズ効果を示し、高い発光効率を有していることがわかった。これは、シェル層が積層構造であるために半導体結晶コアが効果的に保護されたためと考えられる。さらに、半導体結晶粒子の表面を、修飾有機化合物および金属含有有機化合物を用いて被覆したことにより、半導体結晶粒子の表面欠陥が安定にキャッピングされたことによるものと考えられる。
【0137】
また、実施例8の半導体ナノ粒子蛍光体同士は、凝集せず、均一な大きさであり、さらに分散性も高いことがわかった。これは、修飾有機化合物および金属含有有機化合物が半導体結晶粒子の表面を均一に被覆することによって、各々の半導体ナノ粒子に結合している修飾有機化合物と金属含有有機化合物との間に生じた反発力と、修飾有機化合物および金属含有有機化合物による半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径の制御によるものと考えられる。実施例8の半導体ナノ粒子蛍光体の特性を表1に示す。
【比較例1】
【0138】
比較例1においては、励起光を吸収して赤色光を発光発色する半導体ナノ粒子蛍光体をホットソープ法により作製した。具体的には、InNからなる半導体結晶粒子と、トリオクチルホスフィン(TOP)からなる修飾有機化合物とを備える半導体ナノ粒子蛍光体を作製した。以下にその製造方法を具体的に説明する。
【0139】
1mmolのTOPを含む30mlの1−オクタデセン溶液中で、1mmolの塩化インジウムと、10mmolの窒化リチウムとを熱分解反応させることにより、InN(結晶粒子)/HDP(修飾有機化合物)という構成の半導体ナノ粒子蛍光体を製造した。半導体結晶粒子11の平均粒子径を5nmに調整することにより、赤色発光を示すように発光波長を620nmに調整した。
【0140】
比較例1の蛍光体に対し、実施例1と同様の蛍光分光光度計を用いて620nmの波長の光の発光強度を測定したところ、約20a.u.であった。
【0141】
図6は、実施例1および比較例1の半導体ナノ粒子蛍光体のそれぞれの発光強度を示す図である。図中(a)は、実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体の発光強度であり、図中(b)は、比較例1の蛍光体の発光強度を示す。
【0142】
図6から分かるように、実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体は、比較例1の蛍光体よりも、高い発光強度を示した。すなわち、実施例1の半導体粒子蛍光体は、比較例1の蛍光体よりも発光効率が高いことが分かった。これは、比較例1で得られた蛍光体は、半導体結晶粒子の表面をトリオクチルホスフィン(TOP)からなる化合物により被覆されているため、実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体に比べて表面欠陥の保護が十分でないためと考えられる。
【0143】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0144】
10,20,30,40,50 半導体ナノ粒子蛍光体、11,21,31,41,51 半導体結晶粒子、12,22,32,42,52 修飾有機化合物、23,43,53 金属含有有機化合物、23a,43a,53a 金属、23b,43b,53b 有機化合物、34,44,54 半導体結晶コア、35,45,55 シェル層、55a 第1シェル層、55b 第2シェル層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
13族−15族半導体からなる半導体結晶粒子と、
前記半導体結晶粒子に結合する、硫黄原子と炭素原子との結合を含む修飾有機化合物とを備える、半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項2】
前記修飾有機化合物は、チオール基を有する、請求項1に記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項3】
前記修飾有機化合物は、直鎖アルキル基を有する、請求項1または2に記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項4】
前記半導体結晶粒子に、さらに金属含有有機化合物が結合する、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項5】
前記金属含有有機化合物は、直鎖アルキル基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項6】
前記金属含有有機化合物は、脂肪酸塩を有する、請求項5に記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項7】
前記半導体結晶粒子は、13族混晶窒化物半導体である、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項8】
前記半導体結晶粒子は、窒化インジウムガリウムからなる、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項9】
前記半導体結晶粒子は、ボーア半径の2倍以下の平均粒子径である、請求項1〜8のいずれかに記載の半導体ナノ粒子蛍光体。
【請求項10】
前記半導体結晶粒子は、半導体結晶コアと、該半導体結晶コアを被覆するシェル層とからなる、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体ナノ粒子蛍光体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate