説明

半透明保護フィルムを有する経皮薬物送達デバイス

本発明は、放出可能に貯蔵された投与量の薬学的に活性な物質を含むリザーバーと、リザーバーの少なくとも一部に関連する半透明フィルムと、を含む経皮薬物送達デバイスであって、半透明フィルムが少なくとも1種類の無機紫外線吸収化合物を含有するデバイスを含む。本発明は、かかるデバイスを使用して、哺乳動物に薬物送達する方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮薬物送達デバイスに関する。特に、本発明は、保護フィルムバッキング層を有する経皮送達デバイスに関する。本発明は、保護フィルムバッキングを有する経皮薬物送達デバイスを使用した、薬物送達の方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
経皮薬物送達は、薬剤を投与する公知の方法である。経皮薬物送達デバイスは一般に、薬物を収容するリザーバーからなる。かかるリザーバーの一例は、マトリックス全体にわたって薬物が分散または溶解されている、接着マトリックス、またはパッチである。接着剤マトリックスは、使用時には皮膚表面に接触して付けられ、薬物は、デバイスから皮膚内に入り、皮膚を通過する。皮膚透過向上剤または薬物可溶化剤などの他の賦形剤もまた、リザーバーに組み込むことができる。かかるデバイスは一般に、皮膚と接触しないリザーバーの部分を保護するフィルムバッキング材料を有する。
【0003】
アルミニウム箔を含むラミネートなどの、経皮デバイスで使用される一般的な保護フィルムバッキングは不透明である。場合によっては、半透明パッチバッキングが、体の露出領域上に装着され、目立たないようにするために使用される。経皮デバイスで使用される一般的な可撓性および半透明材料はポリエチレンフィルムである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
しかしながら、半透明バッキングは、紫外線曝露に対して保護するその能力が限られている。特定の薬物は、紫外線曝露を受けやすく、特に露出領域に装着されている場合には患者に装着されている間、分解を受ける。医薬製剤を保護するために、デバイスの保護フィルムバッキングに比較的少量の無機紫外線吸収化合物を添加することによって、経皮薬物送達デバイスを製造することができることが現在、見出されている。
【0005】
無機紫外線吸収化合物は半透明フィルムからの拡散に対して耐性であり、したがって、リザーバー中に存在する薬物との実質的な接触が防止され、紫外線吸収添加剤によって誘導される化学的劣化の可能性が低減されることから、本発明のデバイスは有利である。
【0006】
さらに、医薬製剤と不利に相互作用し得る添加剤を導入することなく、製剤(formulation)が紫外線から保護される。
【0007】
一態様において、本発明は、放出可能に貯蔵された投与量の薬学的に活性な物質と組み合わされたリザーバーと、リザーバーの少なくとも一部に関連する半透明フィルムと、を含む経皮薬物送達デバイスであって、その半透明フィルムが少なくとも1種類の無機紫外線吸収化合物を含有する、デバイスを提供する。
【0008】
他の態様において、本発明は、薬学的に活性な物質を収容するリザーバーと、リザーバーの少なくとも一部に関連する半透明バッキングフィルムとを提供する工程であって、そのバッキングフィルムが少なくとも1種類の無機紫外線吸収化合物を含む工程と、哺乳動物の皮膚表面に、送達関係でバッキングフィルムに対向するリザーバーの面を貼り付け、治療効果を提供するのに十分な時間、皮膚との送達関係にリザーバーを維持する工程と、のプロセスによって、製剤を分解から保護し、かつ製剤の分解を防止する、哺乳動物への薬物送達の方法を提供する。
【0009】
本発明の一特典は、バッキングに無機紫外線吸収物質が存在することである。従来の有機紫外線吸収物質などの小分子化合物は、ポリマーマトリックス内で比較的容易に拡散する。したがって、例えば、ポリエチレンなどのポリマーフィルム中にブレンドされる小分子は一般に、フィルム内で拡散する。小分子は一般に、圧感接着剤層などのフィルムに隣接するいずれかの層にも拡散する。特に圧感接着剤層が薬物リザーバー(つまり、「接着剤内薬物(drug−in−adhesive)」システム)としての役割も果たす場合には、これは不利である。圧感接着剤薬物リザーバー内に存在する小分子は、患者の皮膚に接触しやすく、または後に皮膚を通って拡散し、体循環中へ拡散しやすい。
【0010】
さらに、従来の無機紫外線吸収物質と薬物との相互作用によって、薬物の化学的分解または圧感接着剤マトリックスへの薬物の結合などの望ましくない影響が起こり得る。さらに、有効用量の損失は、有機紫外線吸収物質の更なる欠点である。
【0011】
本発明の上記の概要は、開示されるそれぞれの実施形態または本発明のすべての実施を説明することを意図するものではない。以下の図面および詳細な説明によって、さらに詳しく実例となる実施形態が例示されるが、本発明を過度に限定するものではない。
【0012】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して、以下にさらに詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1で示される実施形態において、経皮薬物送達デバイス100は、薬学的に活性な物質、対向する圧感接着剤を含むリザーバー110を有する。半透明フィルムバッキング120は、リザーバー110に直接接触する。デバイス100はさらに、患者に貼り付ける前に皮膚接触面を保護するために、リザーバー110の対向面に隣接する剥離ライナー130を有する。これは、「接着剤内薬物」パッチと呼ばれる。
【0014】
適切な経皮薬物送達デバイス100は、米国特許第4,834,979号明細書(ゲール(Gale))などにおけるゲル化または液体リザーバー、いわゆる「リザーバー」パッチ;米国特許第6,004,578号明細書(リー(Lee)ら)などにおける隣接接着剤層により皮膚に付けられるマトリックスリザーバーを含有するデバイス、いわゆる「マトリックス」パッチ;および米国特許第6,365,178号明細書(ヴェンカテーシュワラン(Venkateshwaran)ら)、米国特許第6,024,976号明細書(ミランダ(Miranda)ら)、および米国特許第6,149,935号明細書(チャング(Chiang)ら)などにおける圧感接着剤リザーバーを含有するデバイス、いわゆる「接着剤内薬物」パッチ;を含み、上記文献の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
リザーバー110が送達関係を維持する時間の長さは一般に、長時間であり、例えば約12時間〜約14日間である。特定の実施形態では、リザーバー110が送達関係を維持する時間の長さは、約1日(つまり、1日1回の投薬)、約3〜4日(週2回の投薬)、または約7日(週1回の投薬)である。
【0016】
一実施形態において、リザーバー110は、薬学的に活性な物質の他に、他の添加剤または賦形剤を含有する。かかる添加剤としては、経皮薬物送達システムにおける、皮膚透過向上剤として使用される薬学的に許容される物質(つまり皮膚を横切る薬物、または皮膚内への薬物の透過率を高める物質)または可溶化剤(つまり、薬物を有効に可溶化する物質)が挙げられる。皮膚透過向上剤として使用される適切な物質としては、イソステアリン酸、オクタン酸、オレイン酸などのC8−C20脂肪酸;オレイルアルコールおよびラウリルアルコールなどのC8−C20脂肪アルコール;オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸メチルなどのC8−C20脂肪酸の低級アルキルエステル;アジピン酸ジイソプロピルなどのC6−C8二酸のジ(低級)アルキルエステル;モノラウリン酸グリセリルなどのC8−C20脂肪酸のモノグリセリド;テトラグリコール(テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル);テトラエチレングリコール(エタノール,2,2’−(オキシビス(エチレンオキシ))ジグリコール);C6−C20アルキルピロリドンカルボキシレート;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;2−(2−エトキシエトキシ)エタノール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル;N,N−ジメチルドデシルアミン−N−オキシドおよび上記の物質の組み合わせが挙げられる。ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル、グリセロール、およびN−メチルピロリドンも適している。ピネン、d−リモネン、カレン、テルピネオール、テルピネン−4−オール、カルベオール、カルボン、プレゴン、ピペリトン、メントン、メントール、ネオメントール、チモール、カンファー、ボルネオール、シトラル、イオノン、およびシネオールを単独で、またはいずれかの組み合わせで含むテルペンは、もう1つの種類の有用な薬学的賦形剤である。他の添加剤の例としては、粘着付与剤、可塑剤、および酸化防止剤が挙げられる。
【0017】
リザーバー110に含有される、例示的な薬学的に活性な物質(「薬物」とも呼ばれる)は、皮膚に投与された場合に、局所または全身に作用することができる。一部の例としては、クロニジン、エストラジオール、ニコチン、ニトログリセリン、スコポラミン、およびフェンタニルが挙げられ、経皮デバイスの形で市販されている。他の例としては、抗炎症薬、ステロイド性(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン)と非ステロイド性(例えば、ナプロキセン、ピロキシカム)の両方;静菌剤(例えば、クロルヘキシジン、ヘキシルレソルシノール);抗菌薬(例えば、ペニシリンVなどのペニシリン、セファロスポリン、例えばセファレキシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ゲンタマイシン、スルファチアゾール、ニトロフラントイン、およびノルフロキサシン、フルメキン、イバフロキサシンなどのキノロン);抗原虫薬(例えば、メトロニダゾール);抗真菌薬(例えば、ナイスタチン);冠血管拡張薬;カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン、ジルチアゼム);気管支拡張薬(例えば、テオフィリン、ピルブテロール、サルメテロール、イソプロテレノール);コラゲナーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤(例えば、A64077)、およびアンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、リシノプリル)などの酵素阻害剤;他の抗高血圧薬(例えば、プロプラノロール);ロイコトリエン拮抗薬(例えば、ICI204、219);H2拮抗薬などの抗潰瘍薬;ステロイド性ホルモン(例えば、プロゲステロン、テストステロン、エストラジオール);抗ウイルス薬および/または免疫調節薬(例えば、1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、およびアシクロビル);局所麻酔薬(例えば、ベンゾカイン、プロポフォール);強心薬(例えば、ジギタリス、ジゴキシン);鎮咳薬(例えば、コデイン、デキストロメトルファン);抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、テルフェナジン);麻薬性鎮痛薬(例えば、モルヒネ、ブプレノルフィン);ペプチドホルモン(例えば、ヒトまたは動物成長ホルモン、LHRH);アトリオペプチドなどの心臓作用性生成物;タンパク性生成物(例えば、インスリン);酵素(例えば、抗プラーク酵素、リゾチーム、デキストラナーゼ);制吐剤;抗痙攣薬(例えば、カルバマジン);免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン);精神治療薬(例えば、ジアゼパム);鎮静薬(例えば、フェノバルビタール);抗凝固薬(例えば、ヘパリン);鎮痛薬(例えば、アセトアミノフェン);抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミン、メラトニン、スマトリパン);抗不整脈薬(例えば、フレカイニド);制吐薬(例えば、メトクロプラミド、オンダンセトロン);抗癌剤(例えば、メトトレキセート);抗不安薬などの神経薬;止血薬;抗肥満薬;等、ならびに薬学的に許容されるその塩およびエステルが挙げられる。治療有効量を構成する薬物の量は、特定の薬物、特定の担体および所望の治療効果を考慮して、当業者によって容易に決定することができる。本発明は、紫外線に影響を受けやすい薬物に特に有用である。これは、例えば1つまたは複数の紫外線吸収官能基、例えば炭素間二重結合、カルボニル、または芳香族基を含有する化合物を含む。紫外線感受性薬物の例としては、ニコチン、抗生物質、カルシウムチャネル遮断薬(つまり、イフェジピン(ifedipine)、フェロジピン、およびラシジピン)、ビタミン(つまり、B12)、およびプロゲスチン(つまり、ノルゲスティメート、およびレボノルゲストレル)が挙げられる。
【0018】
本発明において、無機紫外線吸収化合物を含有する半透明フィルムバッキング220は、フィルムを形成する従来の手段によって製造することができる。半透明フィルムは、少なくとも1種類の無機紫外線吸収化合物と合わせられる。一実施形態において、半透明フィルムは、フィルムのベース構成要素に存在する有機紫外線吸収化合物を超える有機紫外線吸収化合物を実質的に含有しない。適切な無機紫外線吸収化合物としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化鉄が挙げられる。一実施形態において、二酸化チタンは無機紫外線吸収化合物である。これらの化合物は一般に粒子状で提供され、粉末、フレーク、針、または顆粒状であることができる。さらに、化合物は、1つの粒子として、いくつかの粒子の凝集塊として、または1つの粒子と凝集塊との混合物として存在することもできる。
【0019】
無機紫外線吸収化合物は、乾燥粉末状で、ポリマーマトリックス中の分散液として、および液体媒体中の分散液として、半透明フィルムに含有させるために他の適切な従来の手段によって取り扱い、処理することができる。粒子または凝集塊は、可視光の過剰な吸収を避けるのに十分に小さい。平均粒径は、好ましくは約100ナノメートルより小さく、さらに好ましくは約50ナノメートルより小さく、最も好ましくは約25ナノメートルより小さい。可視光の散乱または吸収に関して粒子または凝集塊のサイズに下限はないが、平均粒径は一般に、約1ナノメートルよりも大きい。かかる小さな無機粒子は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,653,356号明細書(シャーマン(Sherman))、米国特許第6,440,383号明細書(ドイヴェステイン(Duyvesteyn)ら)、および米国特許第5,840,111号明細書(ウィーデルホフト(Wiederhoft)ら)に開示されている方法など、様々な従来の方法によって製造することができる。無機紫外線吸収化合物は、フィルムが製造された後に、半透明フィルム内でそれが移動または拡散しないような形で存在し得る。通常の温度条件下で維持されるポリマーフィルム内の有機吸収剤または単一分子と比較して、上述の粒子および凝集塊は大きすぎて、拡散または移動しない。
【0020】
一実施形態において、無機紫外線吸収化合物は一般に、リザーバー110に存在する薬学的に活性な物質および他のいずれかの賦形剤など、リザーバー110の成分に対して不活性である。しかしながら、完全に不活性ではない化合物は、その化合物がフィルムから移動または拡散する能力が限られている、またはその能力がない限り、有効に使用される。かかる状況において、化合物はフィルム内に封入され、リザーバー110内の感受性化合物に悪影響を及ぼさない。
【0021】
無機紫外線吸収化合物は、半透明フィルム中に均一に分散される。一実施形態において、無機紫外線吸収化合物は、フィルムの表面に存在することができ、実質的にすべての無機紫外線吸収化合物がフィルム内に封入され、フィルムの外面に露出しない。粒子状無機化合物は任意に、粉体流、分散性、および/または感光性の低減を助けるために、1つまたは複数の薄い表面コーティングを含むことができる。かかる表面コーティングの例としては、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、スズ、マグネシウム、亜鉛、セリウム、リンの酸化物、水酸化物、または含水酸化物などの無機コーティング、およびステアリン酸およびその誘導体などの有機コーティングが挙げられる。
【0022】
経皮送達デバイスの化学安定性は、本発明のデバイスを製造し、25℃および相対湿度60%の条件下でそれらを保管し、所定の保管時間で1種または複数種の薬学的に活性な物質(または薬物)の濃度についてデバイスを試験することによって測定される。一実施形態において、薬物の量は、25℃および相対湿度60%で6ヶ月間保管した場合に、デバイス100における薬物の初期量の約95重量%を超え、好ましくは約97重量%を超える。他の実施形態において、薬物の量は、25℃および相対湿度60%で1年間保管した場合に、デバイス100における薬物の初期量の約95重量%を超え、好ましくは約97重量%を超える。
【0023】
促進された化学安定性は、本発明のデバイスを製造し、40℃および相対湿度75%の条件下でそれらを保管し、所定の保管時間で1種または複数種の薬物の濃度についてデバイスを試験することによって測定される。一実施形態において、薬物の量は、40℃および相対湿度75%で3ヶ月間保管した場合に、デバイスにおける薬物の初期量の約95重量%を超え、好ましくは約97重量%を超え、6ヶ月間保管した場合には、デバイスにおける薬物の初期量の約90重量%を超え、好ましくは約93重量%を超える。
【0024】
必要な無機紫外線吸収化合物の濃度は、化合物の屈折率、粒径、粒子の形状、半透明フィルムのベース構成要素の屈折率、フィルム厚、所望の紫外線吸収性、および所望の可視光半透明性などのいくつかの因子に依存する。フィルム中のかかる粒子の濃度が高いと、フィルムの全体的な半透明性の許容できない低下が起こり得る。無機紫外線吸収化合物の一般的な濃度は、半透明フィルムの全重量に対して、約10重量%未満、しばしば約5重量%未満、時として約2.5重量%未満であるだろう。無機紫外線吸収化合物の一般的な濃度は、半透明フィルムの全重量に対して、約0.05重量%を超え、しばしば約0.1重量%を超え、時として約0.25重量%を超えるだろう。
【0025】
一実施形態において、本発明は、フィルムのベース構成要素に存在する有機紫外線吸収化合物を超える有機紫外線吸収化合物を実質的に含有しない半透明フィルムを含む。半透明フィルムのベース、ポリマー構成要素は、紫外線を吸収する能力をいくらか有する有機化合物であることを理解されたい。実質的に含有しない、とは、本質的にベンゾトリアゾールまたはベンゾフェノンなどの更なる有機紫外線吸収化合物が半透明フィルムのベース構成要素に添加されず、半透明フィルムの紫外線吸収性を高めるために添加されないことを意味することを理解されたい。この実施形態において、フィルムのベース構成要素に添加される半透明フィルム内の有機紫外線吸収化合物は、微量の不純物として、またはフィルムの形成に使用されるポリマーペレットなど原料で使用される少量のプロセス添加剤として存在し得るように、重要でない量でのみ存在する。重要でない量とは、半透明フィルムのベース構成要素の固有吸光度を超える紫外線吸光度の増加が主に、本発明の無機紫外線吸収化合物によるものであることを理解されたい。半透明フィルムのベース構成要素の固有吸光度を超える増加した紫外線吸光度のうちの通常95%を超える、場合によっては99%を超える値が無機紫外線吸収化合物によるものであるだろう。
【0026】
図2に示す実施形態において、デバイス200は、治療活性な物質(therapeutically active agent)を含むリザーバー210を有する。リザーバー210は、半透明フィルムバッキング220に隣接し、半透明フィルムバッキング220によって保護される。リザーバー210は、リザーバー210をフィルムバッキング220と共に囲む、膜250にも隣接する。したがって、リザーバー210は、バッキング220と膜250によって封入されることから、液体またはゲル配合物であることができる。膜は、皮膚表面にデバイス200を取り付けるために使用される、皮膚接触接着剤層240と隣接する。デバイス200はさらに、患者に付ける前に、皮膚接触接着剤層240の皮膚接触面を保護するための剥離ライナー230を有する。上記のように、これは、いわゆる「リザーバー」パッチである。
【0027】
無機紫外線吸収化合物を含有する半透明フィルムバッキング220は、フィルムを形成する従来の手段によって製造することができる。かかる一例は、ポリマー材料のペレットおよび無機紫外線吸収化合物の粒子を一軸または二軸スクリュー押出機などの混合デバイスに添加する方法である。押出機は、ポリマー材料を溶融し、均一な溶融混合物が調製されるまでポリマー材料と無機紫外線吸収化合物を混合する。次いで、均一な溶融混合物を押出ダイに通して、ポリマー材料の平らなシートを形成し、そのシートを冷却面上で冷却するか、または空気冷却する。冷却前に、フィルムを機械方向および/または横断方向のいずれかに延伸して、フィルム厚(またはカリパー(caliper))を低減し、かつ/またはフィルムの配向を生じさせることができる。
【0028】
他の実施形態において、ポリマー材料の平らなシート中に配合する前に、無機紫外線吸収化合物の粒子をポリマー材料のペレットと混合またはブレンドして、無機紫外線吸収化合物と混合された樹脂の「予備」バッチまたは「マスター」バッチを形成する。このマスターバッチは、最終製品で望まれるよりも高い濃度の無機紫外線吸収化合物を有し、例えば、混合デバイスにおいてポリマー材料の更なるペレットとブレンドし、所望の濃度の無機紫外線吸収化合物を有する、均一な溶融混合物を形成することができる。上述のように、均一な溶融混合物はフィルムに形成される。代替方法としては、マスターバッチは、最終製品に対して望ましい濃度で無機紫外線吸収化合物を用いて調製され、その場合には、マスターバッチの配合ペレットは、一軸スクリュー押出機および押出ダイを使用する方法などの従来の加工方法によって、平らなシートに形成することのみ必要である。
【0029】
半透明という用語は、半透明フィルムが光を通過させることを意味する。つまり、一実施形態において、かかるフィルムはクリア(clear)または透明である。その代わりとして、半透明フィルムは、フィルムのもう一方の面上の物体を確認することができるが、はっきりとは見えないような十分な光を透過する。人の知覚は変化するため、可視光を含む波長の範囲は正確に定義されないが、定義の目的では、可視スペクトルは400〜700ナノメートルであるとみなされる。
【0030】
本発明に有用である、従来のテープバッキングとして使用される可撓性フィルムの一般的な例としては、ポリプロピレン;ポリエチレン、特に低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、中密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレン;ポリ塩化ビニル;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート);ポリ塩化ビニリデン;エチレン−酢酸ビニルコポリマーなどのポリエチレンコポリマー;スチレン−エチレン/ブチレンコポリマーなどのスチレンブロックコポリマー;ポリウレタン;酢酸セルロース;およびエチルセルロース;などのポリマーフィルムから製造されたフィルムが挙げられる。共押出し多層ポリマーフィルムも適しており、例えば、上記のポリマーのうちの1種または複数種を含み得る。多層ポリマーフィルムの他の例は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,783,269号明細書(ヘイルマン(Heilmann)ら)、および米国特許出願公開第2004/0219198号明細書(ジョンソン(Johnson)ら)に記載されている。ポリエチレン、ポリエチレンブレンド、およびポリプロピレンが好ましいポリマーフィルムである。ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、およびポリエチレンブレンドが最も好ましいポリマーフィルムである。粘着付与剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤などの添加剤を半透明フィルムに添加することもできる。
【0031】
一実施形態において、半透明フィルム厚は、10μmを超え、一般に20μmを超え、通常40μmを超える。他の実施形態において、半透明フィルム厚は、150μm未満、一般に125μm未満、通常100μm未満である。
【0032】
半透明フィルムの紫外線および/または光吸光度は、入射ビームに対して角度90度で試料ホルダーにフィルム試料を取り付け、続いて入射波長の関数としてフィルム吸光度を測定することによって、標準紫外可視分光光度計を使用して測定される。対象の紫外線スペクトルは、200〜400ナノメートルの範囲を含む。十分に光透過するように、可視スペクトルにおける半透明フィルムの吸光度は低いことが一般に望ましい。無機紫外線吸収化合物を含有する半透明フィルムの吸光度は、無機紫外線吸収化合物を含有しない同様な半透明フィルムの吸光度よりも大幅に高くないこともまた一般に望ましい。
【0033】
一実施形態において、波長500ナノメートルでの半透明フィルムの吸光度は、無機紫外線吸収化合物を含有しない同様なフィルムの吸光度よりも約1.0(AU(absorbance unit))未満、好ましくは約0.5(AU)未満高い。一実施形態において、半透明フィルムの吸光度は、500ナノメートルにて吸光度約2.5(AU)未満であり、場合によっては、吸光度約2.0(AU)未満である。
【0034】
一実施形態において、波長450ナノメートルでの半透明フィルムの吸光度は、吸光度約2未満である。一実施形態において、波長450ナノメートルでの半透明フィルムの吸光度は、無機紫外線吸収化合物を含有しない同様なフィルムの吸光度よりも約1.0(AU)未満、場合によっては約0.5(AU)未満高い。
【0035】
無機紫外線吸収化合物を有する半透明フィルムは、紫外線の一部を吸収し、好ましくは、無機紫外線吸収化合物を含有しない同様なフィルムよりも多くの紫外線を吸収する。一実施形態において、半透明フィルムの吸光度は、波長350ナノメートルで吸光度約3.0(AU)を超える。一実施形態において、半透明フィルムの吸光度は、波長300ナノメートルで約3.0を超える。
【0036】
一実施形態において、波長300ナノメートルでの半透明フィルムの吸光度は、無機紫外線吸収化合物を含有しない同様なフィルムの吸光度よりも少なくとも約0.5(AU)、一般に少なくとも約1.0(AU)高い。一実施形態において、波長350ナノメートルでの半透明フィルムの吸光度は、無機紫外線吸収化合物を含有しない同様なフィルムの吸光度よりも少なくとも約0.5(AU)、一般に少なくとも約1.0(AU)高い。
【0037】
ポリマーフィルムのベース構成要素として使用される一般的な有機材料は、200ナノメートル未満の波長の放射線に対して不透明である。一実施形態において、半透明フィルムの吸光度は、200〜300ナノメートルのすべての波長で約3.0(AU)を超える。一実施形態において、半透明フィルムの吸光度は、200〜350ナノメートルのすべての波長で約3.0(AU)を超える。
【0038】
本発明の経皮薬物送達デバイスは、テープ、パッチ、シート、包帯または当業者に公知の他の形状などの物品の形態で製造することができる。
【0039】
一般に、デバイスは、選択された量の薬物を皮膚を通して送達するのに適したサイズのパッチの形状である。一般に、デバイスは、約1cm2を超える表面積、さらに一般的には約5cm2を超える表面積を有する。一般に、デバイスは、約100cm2未満、しばしば約40cm2未満、時として約20cm2未満の表面積を有する。本発明のデバイスは、保管のために、フォイルで裏当てされたパウチに個々に包装される。代替方法としては、本発明のデバイスは、分配(dispensing)装置に使用するのに適しているロール状またはスタック状で提供される。
【0040】
図3で示される実施形態において、リザーバー310が皮膚−接着剤層である、または皮膚−接着剤層でないことを除いては、デバイス100は図1に示されるデバイスと同様である。皮膚接触接着剤340の周囲の輪は、デバイスが皮膚表面に確実に付着するように提供される。剥離ライナー330は、患者に付ける前に、皮膚接触接着剤層340およびリザーバー310の皮膚接触面を保護する。これは、いわゆる「マトリックス」パッチである。
【0041】
一態様において、本発明のデバイス300は、患者が使用する前に、皮膚接触面を覆い、保護する剥離ライナー330を含む。適切な剥離ライナーとしては、ポリエステルウェブ、ポリエチレンウェブ、ポリプロピレンウェブ、または適切なフルオロポリマーもしくはシリコーンベースコーティングでコートされたポリエチレンコート紙などの公知のシート材料を含む従来の剥離ライナーが挙げられる。
【実施例】
【0042】
実施例1
経皮薬物送達デバイスで使用するのに適した半透明フィルムは、以下の一般的手順に従って製造された。公称クリスタリットサイズ15ナノメートルを有する、酸化アルミニウムおよびステアリン酸でコーティングされた二酸化チタン(ドイツ,デュースブルクのザハトレーベン社(Sachtleben Chemie GmbH,Duisburg,Germany))から市販のHombitec(登録商標)RM 130F)を無機紫外線吸収化合物として使用した。この材料は、ポリエチレン中に分散された20重量%二酸化チタン濃縮物として購入した。
【0043】
20%二酸化チタン濃縮物を低密度ポリエチレン(イリノイ州モリスのエクイスター社(Equistar,Morris,Illinoi)から市販のLDPE,NA964−085 NT)と1:39の比で一軸スクリュー押出機で混合し、艶消仕上げを有する厚さ3ミル(76μm)のフィルムに押出し成形した。得られたフィルムは、二酸化チタン濃度0.5重量%を有した。
【0044】
ヒューレット・パッカード(Hewlett−Packard)8452Aダイオードアレー紫外可視吸収分光光度計を使用して、フィルムの紫外可視吸収スペクトルを測定した。ビームに対して垂直な入射角で試料チャンバにフィルムを固定し、ブランク基準として空気を用い、室温にて200〜800nmのスキャン範囲にわたって測定した。測定された紫外可視吸収スペクトルを図4に示す。
【0045】
実施例2
低密度ポリエチレン/二酸化チタンブレンドを他の低密度ポリエチレンと1:19の比でさらに混合し、二酸化チタン濃度1.0重量%を有するフィルムを製造したことを除いては、実施例1の一般手順に従って半透明フィルムを製造した。測定された紫外可視吸収スペクトルを図4に示す。
【0046】
実施例3
低密度ポリエチレン/二酸化チタンブレンドを他の低密度ポリエチレンと1:9の比でさらに混合し、二酸化チタン濃度2.0重量%を有するフィルムを製造したことを除いては、実施例1の一般手順に従って半透明フィルムを製造した。測定された紫外可視吸収スペクトルを図4に示す。
【0047】
実施例4
低密度ポリエチレン/二酸化チタンブレンドを他の低密度ポリエチレンと1:3の比でさらに混合し、二酸化チタン濃度5.0重量%を有するフィルムを製造したことを除いては、実施例1の一般手順に従って半透明フィルムを製造した。測定された紫外可視吸収スペクトルを図4に示す。
【0048】
比較例1
二酸化チタンを添加しないことを除いては、実施例1の一般手順に従って半透明フィルムを製造した。測定された紫外可視吸収スペクトルを図4に示す。
【0049】
実施例5
実施例1の一般手順に従って半透明ポリエチレンフィルムを製造した。イソプロパノール、レボノルゲストレル、エストラジオール、アクリレートコポリマー接着剤、およびコリドン(Kollidon)(登録商標)VA64を混合することによって、経皮接着剤配合物を製造した。得られた接着剤配合物をフルオロポリマーコートポリエステル剥離ライナー(ScotchPak(登録商標)1022)上にナイフ塗布し、乾燥させて、塗布量約10mg/cm2を有する接着剤層を提供した。薬物濃度を高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定し、重量−重量ベースで薬物と接着剤配合物全体との比として報告する。紫外線に曝露されていない試料中のエストラジオールの平均濃度は、接着剤1g当たり20.45mgであった。紫外線に曝露されていない試料中のレボノルゲストレルの平均濃度は、接着剤配合物1g当たり6.59mgであった。剥離ライナーに対向する接着剤層の面を半透明ポリエチレンフィルム(またはバッキング)にラミネートし、経皮薬物送達デバイスとして使用するのに適した3層ラミネート(バッキング−接着剤−ライナー)を製造した。
【0050】
2インチ(5.08cm)×8インチ(20.32cm)の寸法を有する3層ラミネートの試料を紫外線に曝露し、続いて薬物濃度について試験した。International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (ICH) quality document Q1Bに記載のオプション1フィルターを使用して、300〜800nm放射照度450W/m2を用いて、Atlas SunTest CPS+で紫外可視線曝露を10時間行い、1.2メガルクス時以上の照度および300〜400nm紫外線曝露200ワット時を得た。紫外線に曝露した後の薬物濃度を表1に示す。さらに、紫外線曝露後の薬物濃度の低下(%)も示す。
【0051】
【表1】

【0052】
実施例6
実施例2の一般手順に従って半透明ポリエチレンフィルムを製造したことを除いては、経皮薬物送達デバイスとして使用するのに適している3層ラミネート(バッキング−接着剤−ライナー)を実施例5に従って製造した。
【0053】
実施例7
実施例3の一般手順に従って半透明ポリエチレンフィルムを製造したことを除いては、経皮薬物送達デバイスとして使用するのに適している3層ラミネート(バッキング−接着剤−ライナー)を実施例5に従って製造した。
【0054】
比較例2
比較例1の一般手順に従って半透明ポリエチレンフィルムを製造したことを除いては、経皮薬物送達デバイスとして使用するのに適している3層ラミネート(バッキング−接着剤−ライナー)を実施例5に従って製造した。
【0055】
本発明は、そのいくつかの実施形態を参照して説明されている。上述の詳細な説明および実施例は、理解しやすいように提供されているだけであり、それから不必要な限定が解釈されるものではない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、記載の実施形態に多くの変更を加えることができることは当業者には明らかであるだろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載の組成および構造の正確な詳細に限定されないが、むしろ冒頭の特許請求の範囲の文言によって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】デバイスが、圧感接着剤を含むリザーバーを有する、本発明の実施形態の概略断面図である。
【図2】デバイスが、フィルムバッキングおよび膜によって囲まれたリザーバーを有する、本発明の実施形態の概略断面図である。
【図3】デバイスが、リザーバーを取り囲む皮膚接触接着剤の周囲の輪を有する、本発明の実施形態の概略断面図である。
【図4】実施例1〜4および比較例1のフィルムに関する紫外可視吸光度スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)放出可能に貯蔵された投与量の薬学的に活性な物質を含むリザーバー;及び
b)前記リザーバーの少なくとも一部に関連する半透明フィルム;
を含む経皮薬物送達デバイスであって、
前記半透明フィルムが少なくとも1種類の無機紫外線吸収化合物を含有する、前記経皮薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記リザーバーが圧感接着剤である、請求項1に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記半透明フィルムが前記リザーバーに隣接するバッキングフィルムである、請求項1または2のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記半透明フィルムが、前記フィルムのベース構成要素に存在する有機紫外線吸収化合物を超える有機紫外線吸収化合物を実質的に含有しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記無機紫外線吸収化合物が、二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化鉄からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記無機紫外線吸収化合物が二酸化チタンである、請求項5に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記無機紫外線吸収化合物が粒子状で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記無機紫外線吸収化合物の平均粒径が約100ナノメートル未満である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記無機紫外線吸収化合物の平均粒径が約50ナノメートル未満である、請求項8に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記無機紫外線吸収化合物の平均粒径が約25ナノメートル未満である、請求項9に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記無機紫外線吸収化合物が前記半透明フィルム全体に実質的に均一に分散されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記無機紫外線吸収化合物の濃度が前記半透明フィルムの全重量に対して約2.5重量%未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記無機紫外線吸収化合物の濃度が前記半透明フィルムの全重量に対して約1重量%未満である、請求項12に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記半透明フィルムが、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、またはポリエチレンブレンドを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記薬学的に活性な物質が、紫外線により引き起こされる分解を受け得る、請求項1〜14のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項16】
波長500ナノメートルでの前記半透明フィルムの吸光度が、約2(AU)未満である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項17】
波長450ナノメートルでの前記半透明フィルムの吸光度が、約2(AU)未満である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項18】
波長300ナノメートルでの前記半透明フィルムの吸光度が、約3(AU)を超える、請求項1〜17のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項19】
波長350ナノメートルでの前記半透明フィルムの吸光度が、約3(AU)を超える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイス。
【請求項20】
a)請求項1〜19のいずれか一項に記載の経皮薬物送達デバイスを提供する工程;
b)哺乳動物の皮膚表面に送達関係で前記デバイスを取り付ける工程;
c)治療効果を得るのに十分な時間、前記皮膚との送達関係にデバイスを維持する工程;
を含む、前記哺乳動物への薬物送達方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−510713(P2008−510713A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528010(P2007−528010)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/029397
【国際公開番号】WO2006/023644
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】