説明

卓球ロボットとその操作方法

ロボットサーバー装置は、背面パネルを有しており、背面パネルの底部には丸みを帯びたボール収集マウント部がある。ボール供給収集プレートは、背面パネルの下部から、外側へと伸びており、その水平面が、背面パネルの長手方向の軸に対して斜めに配置されている。回転可能なボールピックアップ機構が、ボール収集マウント部とボール供給収集プレートの間に位置しており、収集プレートに向かって伸びている複数のボールピックアップ構造を有している。背面パネルの上端部には、ボールガイドがある。実質的に透明な前面カバーが、背面パネルの前面に取り付けられ、ボールガイドの底部からボール供給収集プレートの上部まで延びていて、閉じたボール通路を形成している。ボールガイドの上には、オシレーターが背面パネルの上に取り付けられている。サーブヘッドアセンブリが、ピボットガイドを介して、オシレーターに取り付けられる。ロボットサーバー装置は、デジタルコントローラーを有しており、機能メニューから複数の機能を動作させられる。特別ドリルを開発するためにパーソナルコンピューターと接続することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、卓球ボールをサーブするサーバーロボット装置に関する。より詳細には、ポータブルで、低コストで、ボール詰まりの確率がより少なく、ボールピックアップ機能が改善された、サーバーロボット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
卓球は、人気のある競技スポーツであり、リクレーションスポーツである。ゲームは、卓球台の両側にプレーヤーをおいて、それぞれのプレーヤーが卓球ラケットで、ボールをサーブし、リターンし、ラリーを行うことを目的としている。しかしながら、しばしば、プレーヤーは、もう一人のプレーヤー無しに、卓球のゲームをしたいと思うことがある。そのため、種々の卓球ボールサーブ機器またはロボットが開発されてきている。そうした機器は、プレーヤーに向かってボールをサーブし、プレーヤーは、ロボットの方向に、そのショットをリターンすることができる。
【0003】
これまで、卓球ロボットは、種々の機能を取り入れてきている。Newgardenの米国特許第3794001号は、サーバーによりサーブされるボールに与えられたスピンの量にバリエーションをつけるための、比較的に簡素な機器について記載している。米国特許第3794001号の開示書は、ここで参考文献として組み入れられている
【0004】
米国特許第4844458号は、ヘッド部が左右に移動する卓球ロボットについて記載している。米国特許第4854588号は、ショットの軌道にバリエーションをつけられる卓球ロボットについて記載している。米国特許第4917380号は、ネットアレイ付きの、水平で折りたたみ可能な樋を有した卓球ロボットを開示している。ネットアレイにより、ボールを捕まえ、ロボットサーバーに供給するための樋にボールを落下させることができる。そして、米国特許第5009421号は、ロボットサーバーとボール捕獲ネットを含むポータブルな卓球サーブ装置を開示している。これら最後の2つの引用発明では、折りたたみ式ネット機構が採用され、卓球台へ取り付けられ、ロボットボールサーバーにボールを供給する。ネット機構は、センター部品から半径方向に伸びる複数のアームを有し、アーム間にはネットが張られる。ネットの下端は、樋に、協働的に接続され、ネットから落下してくるボールを受け取る。樋は、ボールをロボットサーバー装置に供給するように配列される。上記の特許における開示は、ここで参考文献として組み入れられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3794001号明細書
【特許文献2】米国特許第4844458号明細書
【特許文献3】米国特許第4854588号明細書
【特許文献4】米国特許第4917380号明細書
【特許文献5】米国特許第5009421号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術として知られている多くの装置は、機能的であり、有益なものではある。一方、それらの装置は、リターンされたボールが、捕らえられ、収集され、ロボットサーバーにボールをリサイクルする機構へと供給される際、ボール詰まりに弱いことがある。
【0007】
そのため、プレーヤーに連続して複数のボールをサーブするために、比較的に簡素で、費用のかからないデザインを採用した、精巧なサーバー装置であることが望ましい。ボール詰まり問題を処理し、リーズナブルな価格でお客様に提供できるような、デザインである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡潔に述べると、ロボットサーバー装置は、背面パネルを有しており、背面パネルの底部には丸みを帯びたボール収集マウント部がある。ボール供給収集プレートは、背面パネルの下部から、外側へと伸びている。ボールピックアップ機構が、ボール収集マウント部とボール供給収集プレートの間に動作的に位置している。背面パネルの上端部には、上部ボールガイドがある。前面カバーは、背面パネルの前面に取り付けられ、ボールガイドの底部からボール供給収集プレートの上部まで延びていて、閉じたボール通路を形成している。上部ボールガイドの上には、オシレーターが、背面パネルの上に取り付けられている。サーブヘッドアセンブリが、ピボットガイドを介して、オシレータに取り付けられる。
【0009】
一の特徴においては、前面カバーは、実質的にU字型の断面形状をしており、隅や角を無くして、ボール供給通路でのボールの進行を促進し、それにより、ボール詰まりを減らしている。
【0010】
一の特徴においては、前面カバーは、ボール供給通路でのボールの進行を見ることができる範囲において、実質的に透明であり得る。
【0011】
一の特徴においては、サーブヘッドアセンブリは、排出ホイールと排出チューブを有している。本発明の一の特徴においては、排出チューブは、縦溝のついたボアを有している。一の特徴においては、サーブヘッドアセンブリは、取替え可能な摩擦材料を持った、一対の相対した排出ホイールを有している。一つ以上の排出ホイールは、縦溝のついた排出チューブのボアの中へと、動作的に延長することができる。
【0012】
一の特徴においては、ボール収集プレートは、ボールがハングアップし、集合し、詰まるのを減らすために曲線的な形状をしており、ボールの供給とピックアップを促進するために、ロボットの長手方向の軸に関して斜めに置かれている。
【0013】
別の特徴においては、ボールピックアップ機構は、ボールピックアップ機構によるボールピックアップを促進するための複数の弾力のあるピックアップフィンガーを持った回転ピックアップホイールを有している。別の例においては、ピックアップホイールは、ボールピックアップ機構によるボールピックアップを促進するため、複数の長さと形状の異なるボール供給ばねを有している。
【0014】
本開示の別の特徴は、卓球ボールが、サーブヘッドアセンブリに入っていく連結部においてハングアップするのを防ぐ、ボールガイドのデザインである。
【0015】
さらに、本開示の別の特徴は、ネットアセンブリまたは樋アセンブリが接続できるように拡張可能なことである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示に従って構成されたロボットサーバー装置の実施例の斜視図である。
【図2】図1の実施例の正面図である。
【図3】図1の実施例の側面図である。
【図4】ロボットサーバー装置の下側部分の等角図である。ボールピックアップ機構は省略してあり、ボールトレイとボールピックアップ機構への開口部を図示している。
【図5】ボールピックアップ機構の分解組立図である。
【図6】前面カバーの裏側の斜視図である。
【図7】ボール供給通路上端の前面斜視図である。前面カバーは省略してあり、上部ボールガイドは取り外された状態で図示されている。
【図8】別の実施例におけるボールガイドの平面図である。
【図9】図1の装置のオシレーターに係る分解斜視図である。
【図10】サーブヘッドアセンブリの分解組立図である。
【図11A】排出チューブと排出ホイールのアセンブリの別の実施例に係る斜視図である。
【図11B】図11Aのアセンブリの正面図である。
【図12】図1の装置に関して使用されるデジタルコントローラーの正面図である。
【図13】図12のデジタルコントローラーの背面図である。
【図14A】デジタルコントローラーに表示される選択メニューと対応する機能をリストしたテーブルである。
【図14B】デジタルコントローラーに表示される選択メニューと対応する機能をリストしたテーブルである。
【図14C】デジタルコントローラーに表示される選択メニューと対応する機能をリストしたテーブルである。
【図14D】デジタルコントローラーに表示される選択メニューと対応する機能をリストしたテーブルである。
【図14E】デジタルコントローラーに表示される選択メニューと対応する機能をリストしたテーブルである。
【図14F】デジタルコントローラーに表示される選択メニューと対応する機能をリストしたテーブルである。
【図15】卓球ロボットを、プログラムし、コンピューターから操作するためのソフトウェアアプリケーションに係るコンピューター画面である。コンピューター画面は、実例に過ぎない。また、オペレーティングシステムにより管理された、ユーザーフレンドリーな方法で機能を管理するために使用される、いかなる適切な画面も、本発明の範囲に包含される。例えば、C、P、I、Dといった、種々のテキストまたは英数字のインジケーターは、画像シンボルに置き換えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここに開示される発明は、多くの異なった形式で実施することができる。一方、図に示され、そして、ここに詳細記述されるように、好ましい実施形態は、本開示が発明の本質の一例であるとして考えられ、本開示の広い特徴を図示された実施形態に限定するように意図するものではないことが理解されよう。
【0018】
図面は、ロボットサーバー装置20の一つの実施形態を示している。ロボットサーバー装置20は、細長い背面パネル21を有しており、背面パネルの底部には丸みを帯びたボール収集マウント部22がある。ボール供給収集プレート23は、背面パネルから、直角に、外側へと伸びている。ボールピックアップ機構24が、背面パネルのボール収集マウント部22と動作的に結合している。背面パネルの上端部には、上部ボールガイド25がある。前面カバー28は、取り外し可能に、背面パネル21の前面に取り付けられ、ボールガイド25の底部からボール供給収集プレート23の上部まで伸びていて、部分的にボールピックアップ機構24をカバーしている。以下に言及されるように、前面カバー28と背面パネルで、閉じたボール通路30を形成している。オシレーター32が、上部ボールガイド25の上の、背面パネルの上に取り付けられている。サーブヘッドアセンブリが、ピボットガイド35を介して、オシレーター32に取り付けられる。これ以降、前述のエレメントの様々な形態が詳細に記述される。
【0019】
ロボットサーバー装置は、ボールバケツやボールバスケットといった容器に取り付けることもできるし、ここで参照されている米国特許第5485995号に示されているように、取り付け手段を使って、着脱可能に、卓球台の端に直接に取り付けることもできる。図4に示すように、一つの特徴として、卓球ロボットの背面パネル21は、2つの取り付けアーム36と38を有しており、それぞれのアームには、ロボットサーバー装置を取り付けるためのスロット40が設けられている。取り付けアームは、ここで参照されている米国特許第5335905号に示されるような卓球ネット付きロボットサーバー装置のベースコンテナ部に、ロボットを着脱可能に取り付けるために利用することができる。本発明のロボットは、ボールを捕まえて、ロボットサーバーに供給するためにボールを投下するための、水平で折り曲げ可能なネット付の樋を有することもできる。ネット機構は、中央部から半径方向に伸びた複数のアームを有し、アーム間にネットが張られている。ネットの下端は、ネットにあたって落下するボールを受け取るために、協働するように前記の樋に接続されている。樋は、ボールをロボットサーバー装置に供給するように配置されている。
【0020】
背面パネル21には、背面パネルの前面に垂直な第一の側壁42があり、背面パネルの上端からボールピックアップ機構24のちょうど上に位置まで伸びている。第一の側壁の下方部分は、ボールピックアップ機構の中央部に向かってカーブしている。間隔の離れた第二の側壁44は、背面パネル21の前面に垂直であり、背面パネル21の上端から、ボール収集プレート23の上面に接するように伸びている。第二の側壁42の下方部分は、ボール収集プレート23の端から、背面パネル21の中央部に向かってカーブしている。上記の第一および第二の側壁と背面パネル21が一緒になって、ボール通路45を形成している。第一および第二の側壁のカーブした部分は、ボールをボールピックアップ機構24から上記のボール通路へと導くようにデザインされている。
【0021】
ボール供給センサーとチェックバルブ47は、上記のボール通路を通って移動するそれぞれのボールがスイッチを動作させるように、背面パネル21に取り付けられている。チェックバルブは、ボールがボール通路を通って後退し、間違ってボールセンサースイッチを動作させることを防止している。
【0022】
図4に示されたボール供給収集プレート23は、一般的にコーンケイブ(concave)、または、皿型の形状をしており、背面パネル21の下端においてボール収集取り付け部22の半径と一致する取り付けフランジ48を有している。ボール収集プレート23は、ネジ、または、その他の適した取り付け手段により、背面パネル21に取り付けられる。図2において最もよく示されるように、ボール供給収集プレート23は、収集プレートの水平面がロボット自身の長手方向の軸に対して斜めになるように、一方向へ傾けられ、または、角度がついている。更に、プレート23は、重力によりボールがボールピックアップ機構の左側に向かうように、ボールピックアップ機構に向かってスロープがついている。これにより、ボールが、ボールピックアップ機構によりピックアップされる確率が高くなる。ボール供給収集プレート23は、ボールがこぼれ落ちないように、上方にスロープしたフロントリップ49を有している。ボール供給収集プレート23は、耐静電気用の添加物を含んだプラスチック材料で形成されており、静電気によりボールがボールピックアップ機構24から押し出されないようにしている。
【0023】
図5を参照すると、ボールピックアップ機構24は、複数の外側に伸びた取り付けボスを持った取り付けプレート50を有している。第一のシャフト54と第二のシャフト56には、駆動ギア58と60が、それぞれ取り付けられている。同心の延長部64を有する主ギア62は、センターシャフト65に取り付けられ、駆動ギア58,60と噛み合っている。駆動ギアと主ギアのギア比は、一分間にボール150個以上のボール供給率を提供する。上面キャップ66は、センター開口部68が設けられ、主ギアの同心の延長部64に取り付けられ、一つ以上のネジにより取り付けプレート50に固定されている。電気ボール供給モーター70は、上部ハウジングに取り付けられておる。ボール供給モーターシャフト72は、少なくとも部分的に、駆動ギアに向かって上部ハウジングを貫通している。ボール供給モーター70は、モーターシャフト72を介して、駆動ギア58と60を駆動し、次には、主ギア62を駆動する。
【0024】
ピックアップホイール74は、ワッシャーとネジを組み合わせて、主ギア62の同心の延長部64に回転可能に取り付けられており、主ギアが回転すればホイールも回転する。ピックアップホイールの前面には、複数のボールピックアップ構造がある。例えば、いくつかのピックアップフィンガー78が一端に取り付けられ、ピックアップホイール74から突出している。ピックアップフィンガー78は、カーブした形状で、その自由端は、実質的に丸くなるのが望ましく、また、静電気によりボールが前記フィンガーから離れるように押されることが無いように、耐静電気用添加物を含むことが、望ましい。当業者であれば、必要があれば、他の材料かつ/または添加物を使用し得ることが、正しく理解されよう。ピックアップフィンガーの形状、耐静電気用添加物の使用、と、ボール収集プレートのスロープや角度の、組み合せにより、ボールピックアップのミスを減らしている
【0025】
フレキシブルで弾性のある複数のボール供給ばね80,81,82もピックアップホイールに取り付けられる。それぞれのばねには、ばねをピックアップホイール74に取り付けるための取り付けねじ84のねじ頭に噛み合うように適した、後方曲げ部83がある。ばねは、異なった長さであり得ることが正しく理解されよう。例えば、ばね80は、小さく、または、短いばねである。ばね81は、長いばねで、プレート23における真球ではない(semicircular)ボールによる詰まりを防止するのに特に効果的である。ばね82は、中間の長さであり、ばねの後方部分に対して90度の角度で曲げられ、または、形成された前方部分82Aがある。ばね82の90度の角度に配置された前方部分82Aは、ボール詰まりやボールブリッジを防ぐように、ボール通路を掃除したり、または、確保するのに特に効果的である。更に、前方部分82Aの方向は、ボールをプレート23の下方向の角度、または、スロープに向かって、そして、ボールピックアップ機構24の左側に向かって、ボールを移動するために効果的である。
【0026】
図6に示すように、前面カバー28は、背面パネル21の上方部分を補完するように上方部分85と、実質的に幅がより広い下方部分86を有している。上方部分85は、第一の側壁88と第二の側壁90と前面壁9-2とで、実質的にU字型の断面形状を有している。側壁と前面壁が接合する場所は、前面カバーが一般的に丸く、実質的にU字型の断面形状を有するように、既に決まった半怪であることが正しく理解されよう。二つの側壁と前面壁はチャネル94を成し、チャネルは上方部分の長さを延長し、下方部分86へと開いている。下方部分は、背面パネル21の丸形状の下部22の上方部分を補完するように構成されており、ボールピックアップ機構24の少なくともいくつかの動作部品をカバーしている。前面カバー28は、背面パネル21のスロットに適合する取り付けタブ96を通して背面パネル21に取り付けられる。前述のように、背面パネル21により形成されるチャネル94とチャネル95は、ボール通路30を形成する。前面カバー28には、前面壁92の裏側に背骨98がある。背骨98は、背骨の上端または上端で高さは最低であり、底部に向かって軸方向に沿って高さが増していく。背骨98が下方部分86に入るところで、背骨はカーブしている。背骨98の最大の高さは、そのカーブに接したところである。前面からカバー28を見ると、背骨は右側にカーブしている。背骨98のカーブは、下方右側における障壁を形成していることが正しく理解されよう。前面壁92の裏には、複数の左右に伸びたリブがあり、それぞれが、第一または第二の側壁に接続している。
【0027】
前面カバー28と、特に丸まった又は実質的にU字型の断面形状と、ボール供給ばねのサイズ、形状、方向と、収集プレートの形状、方向とが、組み合さって、ボールがハングアップする回数を減らしている。そして、数個のボールは、他のボールがピックアップ機構に到達するのを妨げないように、自分自身を配置し得る。上述のように、収集プレート23とボールピックアップ機構24は、理想的には、ボール通路30へのオープンな通路を有する装置の左側に、ボールを方向付ける。背骨98は、ボール通路において、捕らえたボールを、方向付け、整列させる。しかしながら、ボールが上方に通路を移動するにつれて、上端に向かって背骨98の高さが減少することで、ボールをより中心に向かって方向付ける。また、カバー28は、実質的にクリアなプラスチックといった、実質的に透明な材料から形成されており、ユーザーは、ボールがサーバーヘッドに向かって移動する際に、ボールの通過や進行を見ることができる。
【0028】
図7に移ると、背面パネル21は取り付けフランジ102を有している。上部ボールガイド25は、フランジ102に取り付けられ、ねじ、または、そのような部材で、固定される。上部ガイド25は、実質的に四角形状の筐体であり、第一の側壁106、反対側の第二の側壁108、と背面壁110がある。正面は、111におけるように、オープンである。上部ガイド25の底面は、十分にオープンであり、背面パネル21の側壁により形成されるボール通路45と合うようにサイズ化されている。オープンな底部からオープンな前部111に導くリブ114を持ったアーチ上のボールバンプ113がある。ボールバンプの前方端にはピボットピン座部115がある。センターボールガイド116は、上部ガイド25の側壁および背面壁の内側表面の間に位置している。センターボールガイド116は、背面壁110の中央から外に伸び、取り付けフランジで終結する「ウィッシュボーン(wishborne)」形状に分岐している。ボールガイドとボールランプは、ボールをオープンな前部からサーブヘッドの中へと方向付ける。
【0029】
図8に示す、他の実施例においては、ダブルウィッシュボーン型センターボールガイドが、シングルT型センターボールガイド116と取り替わっている。シングルT型センターボールガイドは、左側と右側のボールガイドへの分岐(ウィッシュボーン形状)に代えて、シングルセンターガイドに留まることを除いては、ダブルウィッシュボーンデザインと同等に機能している。この実施例においては、下方ボールガイドは取り外しができ、上部ガイドの底面パネルに沿った開口部をカバーする下方カバーに組み入れられる。下方ボールガイドは、T型センターガイドの形成を促進するためにカバーに組み込まれている。
【0030】
両方の実施例において、センターガイドの下端は、より上手く卓球ボールに適合し、ガイドするために、実質的にボールのアーチと類似の半径状の切り抜きを有し得る。
【0031】
図9に示すように、オシレーター32は、カバー118と、適切な方法でカバー内部に固定されたサーボ120と、動作的にサーボと接続されたドライブピン122を有している。ドライブピン122は、カム123を有している。ドライブピンは、また、組み立ての際にピンを適切に配置するために使用される、フロントポインター124を有している。適切に組み立てられれば、卓球台のセンターラインに向かってボールを投球するようにヘッドアセンブリを配置した際に、このポインターは、オシレーターカバーのセンターラインを指し示す。カバーの一端には、ピボットガイドピボット穴126がある。取り付けフランジ128は、それぞれの側壁の下端に沿って伸びている。オシレーターカバーの取り付けフランジは、上部ガイドの取り付けフランジと適合する。オシレーター32は、ねじ、または、他の取り付け手段により、上部ガイド25にしっかり固定される。
【0032】
ピボットガイド35は、オシレーターの下方前面端であり、上部ボールガイド25の前面に、配置される。ピボットガイドは、上方壁130と、下方壁132と、相対してミラーイメージの側壁134を有している。側壁は五角形形状をしている。列挙された壁は、ピボットガイドを通り抜けて通路135を形成する。通路135は、上部ボールガイドの前面開口部に接続している。少なくとも一つの側壁にはサーブヘッド角度インジケータ136があり、英字または数字の目盛り、配列された位置表示矢印/スロット、または、他の適切なしるし、を有している。タブ138は、ピボットガイドの上方壁から伸びて、長丸のスロット140を有している。上方壁130の上にはトップアライメントピン142があり、下方壁132の上には、対応してボトムアライメントピン(図示なし)がある。トップアライメントピンは、ピボットガイドピボット穴126に回転可能に座するように構成されている。ボトムアライメントピンは、上部ボールガイドのピボットピンシート115に回転可能に座するように構成されている。このように、ピボットガイド35は左右方向に回転できる。サーボが作動すると、ピボットガイド35は、ピボットピン122のカム123がタブ138のスロット140と噛み合うことにより、左右方向に移動する。サーブヘッドアセンブリ34は、すぐ下に説明されるように構成されており、ピボットガイド35に取り付けられている。そして、ピボットガイドを前後に振動させる。背面には、典型的な卓球ボールの大きさに適合するようなサイズの円形の穴が開いている。
【0033】
図10において最もよく示されるように、サーブヘッドアセンブリ34は、ねじ、または、類似の手段により固定された、第一の半体150と第二の半体153から成るハウジングを有している。両半体も、前面に半円形の切り欠き154と、背面に半円形の切り欠き155を有しており、それぞれの切り欠きは、ハウジングに組み付けられ、ボールの通過に適応したサイズの、前面の円形開口部と、背面の円形開口部を形成している。背面の円形開口部は、ピボットガイドと一直線に並んでいる。示されているように、モーター156は、第一のケース半体に取り付けられ、モーターカバー158により保護されている。必要であれば、それぞれのハウジング半体にモーターを取り付け得ることが、理解されよう。
【0034】
ケースの下部において、ブッシュ162の上にフリクションブロック(friction block)160が取り付けられている。一般的に、フリクションブロックは、耐久性ラバー等といった、高い摩擦係数を持つ材料で形成されている。排出ホイール164は、モーター156と、動作的に接続され、フリクションブロック160の隣りに配置されている。排出ホイール164もまた、高い摩擦係数を持った材料から形成されている。
【0035】
排出チューブ170には、ボールの通過に適応したサイズの穴172が空いている。排出チューブの後端には、チューブ表面のまわりに円周状のインデックス歯173の帯があり、また、セットスクリュー176等によりピボットガイドの側面に回転可能に取り付けられた、一対の対抗したフランジ174,175がある。従って、排出チューブと、ピボットガイドの開口部と、上部ボールガイドは、一直線に配置されている。さらには、回転可能な取り付けのため、サーブヘッドアセンブリは軌道を変えるように上下に旋回できるし、セットスクリューで所望の位置に固定され得る。倒れ(tilt)または、軌道の相対的な角度は、ピボットガイドの側面の角度インジケーター136によって反映される。
【0036】
チューブ170の前面または排出端は、フリクションブロックの隣りに配置される。ボールはサーブヘッドの中に入ると排出チューブを通って移動し、フリクションブロック160の上に配置される。そして、ボールは、排出ホイール164により、前面の円形開口部を通って、サーブヘッドアセンブリの前面から外へ押し出される。排出ホイール164は、ホイールの外周表面が、チューブから出て行くときのボールと、ちょうど噛み合うように取り付けられている。ホイールの速さは可変であり、ボールが外に押し出され、チューブから出て行くときの、ボールの移動速度に影響する。サーブヘッドアセンブリは、ロボットの長手方向の軸に関して、上下方向に回転できるような方法で、ピボットガイドに取り付けられていることが理解されよう。さらには、ヘッドアセンブリは、チューブの長手方向の軸のまわりに回転できる。円周状のインデックス歯173で定義される回転位置、または、停止の数字により、ボールのスピンのタイプを変えるために、ヘッドアセンブリを所望の位置に固定することができる。
【0037】
図11Aと図11Bは、排出ホイールと排出チューブアセンブリを、別の方法から見たところを示しており、一般的にリファレンス番号180によって指示されている。アセンブリ180は、排出チューブ182を有している。排出チューブ182には、内側ボア(inner bore)を形成する円柱状の壁184がある。排出チューブ182は、排出チューブ172よりも、軸方法にいくらか長い。壁184には、第一の開口部184と、反対側に第二の開口部190がある。第一の開口部に隣接して第一のホイール取り付けフランジ192があり、第二の開口部に隣接して第二のホイール取り付けフランジ194がある。第一の排出ホイール196は、回転可能に第一のフランジに取り付けられ、第二の排出ホイール198は、回転可能に第二のフランジに取り付けられている。図に示すように、ホイール196と198は、それぞれアウターリム200,202を有している。それぞれのリムは、ラバーといった、高い摩擦係数を持った材料でカバー204されている。コーティングを適用することもできるが、取替え可能であることが望ましく、例えば、取替え可能なゴムバンドまたはOリング等が適用できる。ホイール196と198は一つ以上のリムまたはOリングを有することができ、もしくは、ボールへのエネルギー伝達を増進させるために、摩擦係数が高く、実質的に固い表面を有し得る。
【0038】
図11Bにおいて最もよく示されるように、それぞれのホイールのリムは、開口部188と190を通して、わずかにボア186に突き出ている。どちらか一つ、または、両方の排出ホイールは、ホイールを回転させるために、モーターに動作的に接続されている。このアセンブリにおいて、排出チューブ182に入ったボールは、排出ホイールのリムの間で実質的にセンター決めされ、ボア186を通って、排出ヘッドから押し出される。ゴム製のOリングは、ボールに対して良好な摩擦面を提供する。Oリングは、コントロール可能な大きさで、二つの別々の位置でボールと接触する。一方、ゴム製パッドは、一つの大きな場所でボールと接してしまう。こうして、ボールが両方のホイールを通って移動する際に、「セルフセンター決め」(self centering)がある程度できる。Oリングは、また、磨耗したら容易に交換できるので、今日われわれが行っているようにホイール全体を交換する必要は無い。
【0039】
一の特徴においては、図に示すように、排出チューブのボア186は、縦溝が彫られた内側表面205を有している。縦溝により、ボールは、大きな空気の抵抗や乱れに遭遇することなくチューブから排出され得る。縦溝は、空気と置き換わる経路として働き、空気はボールのまわりをスムーズに流れる。一方、チューブから追い出されたり、ボールが飛ぶのを遅くしたり、乱したり、または、排出前にボールがチューブと接触する、ことはない。
【0040】
排出チューブとホイールの構成にかかわらず、サーブヘッドアセンブリ34は、肩つきねじ(shoulder screw)または他の取り付け手段により、フランジ174、175を介して、ピボットガイドに固定される。取り付けは、ピボットガイドのそれぞれの五角形の側壁の前方にある穴を通じてされる。取り付け手段は、サーブヘッドアセンブリを、上下方向に傾けられるように、構成されている。サーブヘッド角度インジケーター146は、調整角度を示している。調整用つまみねじ(thumbscrew)、または、他の適切な手段を使って、サーブヘッドを所望の角度に固定することができる。サーブヘッドアセンブリの前方表面は、チューブから排出される際にボールに伝えられるであろう種々のスピンのタイプを知らせるスピンポジションインジケーターとして機能する。例えば、トップ、バック、左、右サイドスピンである。
【0041】
代替的には、前述したスピンの組み合わせが、ボールに伝えられ得る。ボールに伝えられるスピンの種類は、ヘッドアセンブリをピボットガイドに関して排出の長手方向軸のまわりに、スピンポジションインジケーターが示す方向において、回転させることにより、コントロールされる。伝えられたスピンは、ヘッドアセンブリの上面に最も近いインジケーターにより示される。ヘッドアセンブリが回転すると、ヘッドアセンブリの中の排出ホイールの位置も、それに応じて変動する。例えば、排出ホイールは、排出経路やスピン等を変化させるため、ボールのトップ、ボトム、左、右に操作的に向けることができる。
【0042】
図12と図13において、リファレンス番号204として示されるように、卓球ロボットは、デジタルコントローラーに動作的に接続される。コントローラー204は、ディスプレイ画面206と複数のボタン208を有している。複数のボタン208は、電源ボタン、ディスプレイ画面に表示されるメニューを案内してメニューから選択する多くのボタン、と、実行/停止ボタンを含んでいる。デジタルコントローラーの背面には、電源入力ジャック210と、シリアルコネクター212と、5ピンのメス型コネクター214と、DB−9のオス型コネクター216がある。当業者には理解されるように、コントローラーに電気を供給するために、電源トランスが、電源入力ジャック210に接続される。シリアルコネクター212が、コントローラーをコンピューターに接続するために使用される。ロボットサーバー装置によって実行される種々のドリルのプログラムを促進するためである。5ピンのコネクター214は、コントローラーをロボットサーバー装置に接続するために使用される。コントローラーは、サーブアセンブリに指令を送り、ロボットサーバー装置から配球されるボールのスピードや位置をコントロールできる。DB−9のオス型コネクター216は、コントローラーを電子ゲーム、Pong−Master(登録商標)に接続するために使用される。
【0043】
動作中には、ボールはボール供給収集プレートに流れ込む。ボールピックアップ機構のモーターは、主ギアと転送ギアを介して、ピックアップホイールを回転させる。ピックアップホイールが回転すると、ピックアップホイールに取り付けられた複数のばねも、また、回転し、ボールをピックアップ機構の底部に供給する際に、効果的にボールを分離する。それぞれのピックアップフィンガーがピックアップメカの底部に向かって回転すると、それにより、ボールと噛み合い、ボールをボール通路へと押し上げる。ボールが待ち行列に入ると、ボールは上方へ移動し、上方ガイドの中に入る。
【0044】
ボールセンサースイッチは、ボールがセンサーを通過するときに、それぞれのボールの数をカウントする。センサーは、デジタルコントローラーに信号を送信し、デジタルコントローラーは、ある特定のボール数になったらボール供給を停止する。デジタルコントローラーは、また、ボールピックアップミスの発生を正確に探知することができる。そして、ロボットサーバー装置の中で一定のボールフローを維持するために、ボールピックアップ機構の回転のスピードを上げる。
【0045】
ダブルウィッシュボーン型ボールガイドは、ガイド内部でのボール詰まりが無いように、それぞれのボールを強制的に上部ガイドのセンターを通じて移動させる。ボール詰まりを防止するのに役立つ、上部ガイドの別の特徴は、上部ガイドの高さと深さが、センターボールガイドの半径より小さな半径にサイズ化されていることである。これにより、ボールが上部ガイドを通って進行するにつれて、上への進行から前への進行に変わる場所である、ボール通路の曲げ部分においても、ボール詰まり事件の発生を減らしている。そして、ボールはピボットガイドを通って、ヘッドアセンブリの中へと進む。
【0046】
ヘッドアセンブリの中に入ると、ボールは回転するゴム製ホイールと噛み合わされる。ゴム製ホイールは、ボールのスピードを増加し、上述のように、ボールにスピンを与える。ゴム製フリクションブロックが、ヘッドアセンブリの内部で固定された場所に取り付けられている。フリクションブロックは、直接的に、回転ホイールと相対している。フリクションブロックは、強制的に、ボールを、ヘッドアセンブリを通して回転ホイールの中へ進める。そして、回転ホイールがボールを捕まえるまで、回転ホイールに対してボールを保持する。そして、ボールを前方に投げ出す。代替的な実施例においては、ボールは、排出チューブに入り、望ましくは縦溝ボアを有したチューブ、回転ホイールは、分離した位置でボールに接触する。いずれの構成においても、次に、ボールは、ピボットガイドに対するヘッドアセンブリの位置によって定まる角度で、ヘッドアセンブリを出て行く。
【0047】
図12と図13に示すように、デジタルコントローラーは、メニューベースのコントロールシステムを使用しており、他のロボットが使用しているスイッチ、ダイアル、レバー、指示器よりも、ずっとユーザーフレンドリーである。図14Aから図14Fまでは、本発明の種々の特徴をリストした代表的なメニューを示している。メニューシステムは、最初に電源投入する時には、「ノーマルモード(normal mode)」にデフォルト設定されている。ノーマルモードでは、ボール速さ、ボール頻度(ウエイトタイム(Wait Time)と呼ばれる)、と、オシレーター位置をコントロールできる。追加的な特徴は、ノーマルモードの追加「ページ(pages)」を通じて、または、ドリルモード(Drill mode)に切り替えることで、起動できる。ドリルモードでは、種々のプリセットされたプレーパターンを起動できる。代替的には、デジタルコントローラーがウィンドウズ搭載パーソナルコンピューターに接続された時は、パーソナルコンピューターモードで、直接的にパーソナルコンピューターからロボットサーバー装置の操作をプログラムし、コントロールすることができる。
【0048】
デジタルコントローラーはパルス幅変調(Pulse Width Modulation)を使用して、モーター速度をコントロールしている。これにより、ポテンショメーターが最低速度に設定された時でも、1から2ボルトの替わりに、いつでも全12ボルト(または、それ以上)でモーターを駆動することが保証される。これにより、特に新品または汚れたボールがロボットサーバー装置で使用される時のボール詰まりの問題や、モーターが本開示書に従って使用される際に起き得る他の電圧問題、を防ぐのに役に立つ。
【0049】
デジタルコントローラーにより、オシレーターの範囲を設定することができ、コントロールレバーとコントロールレバーアダプターが不要となる。10をテーブルのセンターラインに対応する位置であると仮定すると、ポジション0から9は、センターラインの左側の位置を示し、ポジション11から20は、センターライン右側の位置を示す。デジタルコントローラーにより、右側と左側の位置を選択することができる。例えば、設定「L2R18」は、初めのボールが左コーナーに配球され(2)、次のボールが右コーナーに配球される(18)ことになる。ここで、0または1は、ボールが左サイドラインを横切るように角度付けされることを示し、19または20は、ボールが右サイドラインを横切るように角度付けされることを示す。ポジション2とポジション18は、ボールがテーブルの左と右のコーナーに配球されることを示す。
【0050】
ランダム設定では、ボールは0から20の間のいずれかの位置にランダムに配球され、テーブル上の浅いボールまたは深いボールになるようにボールスピードが変化し、また、待ち時間も変化する。そのため、リズムを作るのが難しい。このことは、ロボットサーバーをより予測しにくいものとし、より人間のプレーに類似したものとしている。デジタルコントローラーは、問題を修正したり、将来的に新機能を追加するために、コンピューターによりプログラムし直すことができる。
【0051】
デジタルコントローラーは、「ドリルファイル(drill files)」を作成できるソフトウェアプログラムの入ったウィンドウズ搭載パーソナルコンピューターに、シリアルポートにより接続することができる。ドリルファイルは、ユーザー間で転送することができる。例えば、コーチは今週の各日に生徒が行う3つのドリルファイルを作成し、その週末に生徒の進捗を評価した後で新たなドリルを送付することができる。任意的に、ロボットを使用するプレイヤー達の間で、ファイルを交換することもできる。ドリルファイルでは、モータースピード、ボール位置、そして、連続したショット間の遅延時間を定める。ドリルファイルに含まれる連続したボールの数には制限が無い。
【0052】
「ドリル」モードでは、デジタルコントローラーをパーソナルコンピューターに接続することなくデジタルコントローラー上で動作できる、いくつかの標準ドリルを持つことができる。ドリルのボールスピードと待ち時間は調節できるので、一つのドリルで幅広い技術レンジのプレーヤーに適合できる。ロボットには、64個の標準ドリルがインストールされている。最初の32個は、工場デフォルトのドリルであり、上書きすることはできない。後の32個は、上書きすることができ、カスタム化したムドリルをデジタルコントローラーにセーブすることができる。
【0053】
「ノーマル」モードでは、モータースピードを個々にコントロールでき、より正確にボール位置を設定でき、より細かく連続したショット間の待ち時間をコントロールでき、特定の数のボールを配球した後か、特定の時間が経過した後に、配球を停止することができる。
【0054】
「セットアップ」モードでは、設定のキャリブレーション(calibration)やオプションの選択をすることができる。
【0055】
「カウント/タイム」オプションでは、ボール配球を、ボール数により(ノーマルモードにおいて)、繰り返し回数により(ドリルモードにおいて)、または、経過時間により、コントロールすることができる。
【0056】
シリアルポートにより複数のロボットを一緒にリンクすることができ、すべてのコントローラーが一つのデジタルコントローラーによってコントロールできる。当業者により認識されるように、シリアルポートに替えて、いかなるシリアルまたはパラレルの通信インターフェイスが使用され得る。USB(Universal Serial Bus)またはFireWireを含むが、これらに限定されるものではない。加えて、WiFiやBluetoothといった無線通信インターフェイスもまた適している。
【0057】
デジタルコントローラーは、いつボールピックアップのミスが生じたかを知るために、ボールセンサーからの信号を受け取る。そして、デジタルコントローラーは、ショット間の待ち時間が非常に小さな遅延になるように、ボールピックアップ機構の動作を加速する。
【0058】
本機器は、メニューシステムにおけるメニューが、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、および、日本語で表示されるように適切にプログラムされる。さらに、デジタルコントローラーが、ユーザーが読むことのできない言語に既に設定されている場合においても、言語の選択ができるように特別機能がある。
【0059】
デジタルコントローラーは、左手、または、右手操作用に設定することができ、左利きのプレーヤーでも、右利きのプレーヤーでも、正しくドリルを実行することができる。スピードとオシレーションは、既知の規格に合わせて調整され得る。それにより、一つのロボット向けに書かれたドリルが、他の多くのロボットにより、共有され、正しく実行される。ボールセンサーは、ピックアップのミス、または遅れ、または2回投げ、を防ぐように、ある特定のボール供給機構に合わせて調整される。
【0060】
ボールアンロード特別機能により、ボールトレイまたはボールばけつからボールを取り外すことができる。この操作を動作させると、ボール供給モーターは最高速度(170ボール/秒)で回転し、ボールトレイからボールを取り出し、ボール排出穴の下に置かれた箱の中にボールを落とす。
【0061】
デジタルコントローラーは、また、工場デフォルトの回復と自己診断(Factory Default Restoration and Self Diagnostic)の特別機能を有している。当機能は、設定を工場デフォルトの設定に回復し、デジタルコントローラーが適切に機能しているかどうかについて、技術者が素早く判断できるように、トラブルシューティグコードを生成する。
【0062】
ソフトウェアプログラムが、ウィンドウズ搭載パーソナルコンピューターにインストールされ、シリアルケーブルまたは他の適切なインターフェイスを介して、デジタルコントローラーと接続される。ソフトウェアプログラムにより、ユーザーは、デジタルコントローラーのあちこちでドリルを読んだり、書いたりすることができ、新たなドリルを最初から作ったり、パーソナルコンピューターから直接にドリルを実行したり、ドリルファイルをパーソナルコンピューターにセーブしたり、することができる。ソフトウェアプログラムは、また、デジタルコントローラーにセーブされた64個の全てのドリルをオリジナルの工場設定に回復することができる。
【0063】
図15は、ソフトウェアプログラムのユーザーインターフェイス画面を示している。ドリルは、図15に示された「プログラムコントロール(PROGRAMMED CONTROL」という見出しの下でコントロールを使って作成される。ドリルは、一連のシーケンスステップにより構成されている。シーケンスステップは、「コマンド(COMMAND)」見出しの下の矢印を使用して、最初にコマンドを選択することにより、作成される。有効なコマンドは、位置、投げ、待ち、ビープ、そして、速度、から成り立っている。コマンドが選択されると、次の連続したシーケンス番号が、ソフトウェアプログラムによって、「#」列の下に、自動的に付加される。
【0064】
コマンドが選択された後で、「VALUE」列の下の矢印を使用して、コマンドに対する値(value)が割り当てられる。value列の下のテキストを選択するためにポインティングデバイスを使用してもよいし、所望の値を入力するためにキーボード、または、他の入力デバイスを使用してもよい。位置(position)コマンドについて、値は1から20までの範囲であり、上述したように、センターラインに対してボールの投げられる位置を意味している。待ち(wait)コマンドについて、値は0から12.75秒までの範囲であり、次のボールが投げられるまでの待ち時間を秒で意味している。ビープ(beep)コマンドは、カンマで分離された二つの値を有しており、それぞれの値は0から10までの範囲である。第一の値はビープ音の音調をコントロールし、第二の値はビープ音の持続時間をコントロールする。値は、継続時間が非常に短い0から、非常に長い10までの、相対的なスケールのものである。速度(speed)コマンドは、0から30までの範囲の値を有しており、ボールがサーバー装置から排出されるときに速度を意味している。
【0065】
「EDIT」列は、「C」、「P」、「I」、そして、「D」と表示された4つのボタンで構成されている。「C」ボタンは、対応するシーケンスステップからコマンドと値をコピーするために使用される。「P」ボタンは、次に、コピーされたコマンドと値を別のシーケンスステップに貼り付け、新たなシーケンスステップを作成するために使用される。「D」ボタンは、「D」ボタンに対応するシーケンスステップを削除するために使用される。「I」ボタンは、選択された「I」ボタンに対応するシーケンスステップの手前に新たなシーケンスステップを作成するために使用される。これらの文字は、代表値に過ぎず、当ソフトウェアはサポート言語において、より全世界的であるため、他のグラフィックシンボルと置き換えることもできる。
【0066】
ドリルファイルは、ファイル(File)メニューからセーブ(Save)コマンドを選択することにより、後の使用のために、パーソナルコンピューター上にセーブすることができる。すると、ダイアログボックスが表れ、特有の名前をドリルファイルに付けることができる。ファイルメニューのオープン(Open)コマンドを使用して、以前にサーブされたドリルファイルを呼び出すことができる。オープンコマンドを選択すると、ダイアログボックスが表示され、ユーザーを以前にセーブされたドリルファイルに導くことができる。一旦ドリルファイルが選択されると、そのドリルからのシーケンスステップが表れる。
【0067】
スピンとヘッド角度は、表示された値の隣りにある矢印を使って新しい値を選択することにより指定される。スピンは、トップ、バック、左、右、トップ/左、トップ/右、バック/左、そして、バック/右、から選択される。ヘッド角度は、1から13の範囲の値であり、ピボットガイド上のマーキングに対応している。
【0068】
ソフトウェアプログラムにより、さらに、投げるボールの数と、ボールのスピードや方向と同様にボール間隔の時間をマニュアルでコントロールすることができる。これは、ユーザーがドリルを作成する際に、ドリルにおけるそれぞれのボールのスピードと位置をテストするために使用される。マニュアルコントロール(Manual control)は、図15に示される画面の右下にある「Manual Control」見出しの下のボタンを使用することで、成し遂げられる。
【0069】
上述の例は、本開示が、特許請求の範囲に定義されるように、広い範囲の適合性を有し、そして、詳細に示され、記載された実施例のみに限定されるべきものではないことを示している。その代わりに、本開示は、特許請求の範囲の明白な文言のみにより限定されるべきであり、また、特許請求の範囲は、明細書に示された詳細な実施例に限定されるべきではない。実施例は、本開示のベストモードを表わしており、保護の範囲を表わすものではない。保護の範囲は、付随する特許請求の範囲によってのみ制限される。審査官は、この基準にたって特許請求の範囲を審査すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓球ボールをサーブするためのロボットサーバー装置であって、
上端および下端を有する背面パネルであり、該背面パネルは、第一の側壁と、離れて位置する第二の側壁とを有し、該側壁は前記背面パネルに垂直である背面パネルと、
前記背面パネルの下端にあるボール供給収集プレートであり、卓球ボールを収集し、ボールを背面パネルの下端に導くように構成されたボール供給収集プレートと、
前記背面パネルの下端で、前記ボール供給収集プレートに向かって方向付けられたボールピックアップ機構であり、前記ボールピックアップ機構は、回転可能に取り付けられたピックアップホイールと、該ピックアップホイールに動作的に接続されたボール供給モーターとを有し、前記ピックアップホイールは、前記ピックアップホイールから前記収集プレートに向かって伸びている、複数のボールピックアップ構造を有する、ボールピックアップ機構と、
前記背面パネルの上端にあるボールガイドであり、底部開口部と上部開口部を有するボールガイドと、
前記背面パネルに取り付けられた、実質的にU字型の断面形状を有する前面カバーであり、前記前面カバーと前記背面パネルの前記側壁がボール通路を形成し、該通路は、前記ボールガイドの前記底部開口部に連通する第一の開放端と、前記ボールピックアップ機構に連通する第二の開放端を有する前面カバーと、
前記ボールガイドの前記上部開口部に回転可能に取り付けられ、前記上部開口部に連通する通路を有する、ピボットガイドと、
前記ピボットガイドに取り付けられ、前記ピボットガイド通路に連通する少なくとも一つの排出ホイールと排出チューブを有する、サーブヘッドアセンブリと、
前記ピボットガイドの上部にあり、前記ピボットガイドに動作的に接続されたオシレーターであり、該オシレーターは、サーボとピボットガイドとを有し、該サーボと該ピボットガイドは、前記サーボが作動したときに、前記ピボットガイドと前記取り付けられたサーブヘッドアセンブリとが、交互に左右に動くように構成されている、オシレーターと、
を有する、
ことを特徴とするロボットサーバー装置。
【請求項2】
前記前面カバーは、実質的に透明な材料から構成されている、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項3】
前記ボールガイドは、さらに、センターガイドを有している、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項4】
前記センターガイドは、T型形状をしている、
請求項3に記載のロボットサーバー装置。
【請求項5】
前記センターガイドは、ウィッシュボーン型形状をしている、
請求項3に記載のロボットサーバー装置。
【請求項6】
前記ボール収集プレート面は、前記背面パネルの長手方向軸について、斜めに配置されている、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項7】
前記排出チューブは、長手方向に縦溝が彫られた表面形状の内側ボアを有する、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項8】
前記排出チューブには、少なくとも一つの開口部が形成され、前記排出ホイールが、前記開口部の中に、途中まで、伸びている、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項9】
前記排出チューブには、前記第一の開口部と反対側に少なくとも第二の開口部が形成され、第二の排出ホイールが、前記第二の開口部の中に、途中まで、伸びている、
請求項8に記載のロボットサーバー装置。
【請求項10】
前記排出ホイールは、一対の相対したリムを有し、それぞれの前記リムは、摩擦係数の高いカバーを有する、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項11】
前記ボールピックアップ構造は、弾力のあるフィンガーを有する、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項12】
前記ボールピックアップ構造は、ばねを有する、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項13】
前記ばねは、さらに、少なくとも3個のばねを有し、それぞれの前記ばねは異なった長さ寸法であり、少なくとも一つの前記ばねは、90度の角度に配置された前方部分を有する、
請求項12に記載のロボットサーバー装置。
【請求項14】
前記ロボットサーバー装置は、さらに、機能メニューから前記ロボットサーバー装置の機能を動作させるデジタルコントローラーを有する、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項15】
前記デジタルコントローラーは、さらに、
ディスプレイ画面と、複数のボタンと、デジタルインターフェースと、を有し、
前記デジタルコントローラーは、前記デジタルインターフェースを通して前記ロボットサーバー装置に動作的に接続され、
前記デジタルコントローラーは、前記ディスプレイ画面に、選択メニューを表示するように構成され、
前記複数のボタンは、前記ロボットサーバー装置の動作モードに応じて、特定の選択メニューを選定するように構成された、
請求項14に記載のロボットサーバー装置。
【請求項16】
前記ロボットサーバー装置は、さらに、
パーソナルコンピューターと前記デジタルコントローラー間のインターフェースと、
言語を選択すること、前記デジタルコントローラーによりドリルを前後して読み出すことと書き込むこと、新たなドリルを作成すること、前記パーソナルコンピューターから直接的にドリルを実行すること、前記パーソナルコンピューターにドリルをセーブすること、前記デジタルコントローラーにセーブされたドリルをオリジナルの設定に回復すること、から成る機能グループから選定した一つ以上の機能を、ユーザーが実行できるようにするソフトウェアプログラムと、
を有する、
請求項14に記載のロボットサーバー装置。
【請求項17】
前記ロボットサーバー装置は、さらに、ボールを捕獲し、ボールを前記ボールピックアップ機能へと方向付けるための、トレイとネットアセンブリを有する、
請求項1に記載のロボットサーバー装置。
【請求項18】
卓球ボールをサーブするためのロボットサーバー装置であって、
上端および下端を有する細長い背面パネルであり、該背面パネルは、第一の側壁と、離れて位置する第二の側壁とを有し、該側壁は前記背面パネルに垂直である背面パネルと、
前記背面パネルの下端にあるボール供給収集プレートであり、該ボール供給収集プレートは、周囲の縁が持ち上げられており、卓球ボールを収集し、ボールを前記背面パネルの前記下端に向かって方向付けるように、前記背面パネルの長手方向の軸について斜めに配置されているボール供給収集プレートと、
前記背面パネルの下端で、前記ボール供給収集プレートに向かって方向付けられたボールピックアップ機構であり、該ボールピックアップ機構は、前記ボール供給収集プレートに向かって外向きに伸びた複数のボールピックアップ構造を持つピックアップホイールであり、少なくとも一つの前記ボールピックアップ構造は弾力のあるフィンガーであり、少なくとも一つの前記ボールピックアップ構造はばねであり、回転可能に取り付けられたピックアップホイールと、ギアドライブアセンブリと、前記ピックアップホイールに動作的に接続されたモーターと、を有するボールピックアップ機構と、
前記背面パネルの上端にあるボールガイドであり、該ボールガイドは、底部開口部と上部開口部を形成し、ウィッシュボーン型形状のセンターボールガイドを有するボールガイドと、
前記背面パネルに取り付けられた、実質的にU字型の断面形状を有する実質的に透明な前面カバーであり、該前面カバーと前記背面パネルの前記側壁がボール通路を形成し、該通路は、前記ボールガイドの前記底部開口部に連通する第一の開放端と、前記ボールピックアップ機構に連通する第二の開放端と、を有する前面カバーと、
前記ボールガイドの前記上部開口部に取り付けられ、前記上部開口部に連通する通路を有するピボットガイドであり、該ピボットガイドは、交互に左右に動作できるように、回転可能に取り付けられたピボットガイドと、
上下方向に移動可能に前記ピボットガイドに回転自在に取り付けられたサーブヘッドアセンブリであり、該サーブヘッドアセンブリは、前記ピボットガイド通路に連通する少なくとも一つの排出ホイールと排出チューブを有する、サーブヘッドアセンブリと、
前記ピボットガイドの上部にあり、前記ピボットガイドに動作的に接続されたオシレーターであり、該オシレーターは、サーボとピボットガイドとを有し、該サーボと該ピボットガイドは、前記サーボが作動したときに、前記ピボットガイドと前記取り付けられたサーブヘッドアセンブリとが、交互に左右に動くように構成されている、オシレーターと、
を有する、
ことを特徴とするロボットサーバー装置。
【請求項19】
前記ロボットサーバー装置は、さらに、フリクションブロックが上に載ったブッシュを有し、前記フリクションブロックは、前記排出ホイールに隣り合って配置されている、
請求項18に記載のロボットサーバー装置。
【請求項20】
前記排出チューブは、縦溝が彫られた内側表面をもった円筒状の壁を有する、
請求項18に記載のロボットサーバー装置。
【請求項21】
前記ロボットサーバー装置は、さらに、ボアを形成する円筒状の壁と、前記壁を通って前記ボアの中へ開いた第一の開口部と、前記壁を通って前記ボアの中へ開いた相対する第二の開口部とを有する排出チューブと、前記第一の開口部を通って前記ボアの内部へ伸びる第一の排出ホイールと、前記第二の開口部を通って前記ボアの内部へ伸びる第一の排出ホイールと、を有する、
請求項18に記載のロボットサーバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−509253(P2013−509253A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536993(P2012−536993)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/054253
【国際公開番号】WO2011/056641
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.BLUETOOTH
3.WiFi
【出願人】(512110673)ニュージー インダストリーズ,インコーポレイテッド (1)