印刷インキ用容器
【課題】印刷インキを全て取り出す場合、全ての印刷インキを短時間で容易に開口部から取り出すことのできる印刷インキ用容器の提供。
【解決手段】本発明は、印刷インキ用容器は、シートの周辺部を封止して、印刷インキを収納する可撓性を有する胴体部であるインキを収納するスペースが形成され、前記インキを収納するスペースは、長方形に三角形を組み合わせた五角形状であり、前記三角形部分は、適宜破ることによって、任意の開口部を形成することが出来る開口形成部であることを特徴とする。
【解決手段】本発明は、印刷インキ用容器は、シートの周辺部を封止して、印刷インキを収納する可撓性を有する胴体部であるインキを収納するスペースが形成され、前記インキを収納するスペースは、長方形に三角形を組み合わせた五角形状であり、前記三角形部分は、適宜破ることによって、任意の開口部を形成することが出来る開口形成部であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷インキを収容して保管、運搬する印刷インキ用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記した印刷インキ用容器として、印刷インキを収容する折りたたみ可能な胴体部に口栓を取り付けるとともに、口栓にキャップを取り付けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この印刷インキ用容器は、口栓に取り付けたキャップを取り外すことにより、印刷インキを口栓から必要量取り出すことができる。
【0004】
そして、印刷インキ用容器内に印刷インキが残っている場合は、口栓にキャップを取り付け、印刷インキが印刷インキ用容器内から流れ出さないようにして保管する。
しかしながら、口栓付は、一度使用してから保管するためには、非常に便利であるが、口栓は高価であるためそれに変わる取り出し方法とさらに取り出し時の取り出し量の調整とが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−278265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した印刷インキ用容器(例えば、特許文献1参照)は、印刷インキの取出口(排出口)が口栓のみである。
【0007】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出す場合、粘度の高い印刷インキを口栓から取り出すことになるので、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出すのに時間がかかるという不都合がある。
【0008】
本発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、印刷インキを全て取り出す場合、全ての印刷インキを短時間で容易に開口部から取り出すことのでき、しかもその取り出し時の取り出し量の調整が行える印刷インキ用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の印刷インキ用容器は、シートの周辺部を封止して、印刷インキを収納する可撓性を有する胴体部であるインキを収納するスペースが形成され、前記インキを収納するスペースは、長方形に三角形を組み合わせた五角形状であり、前記三角形部分は、適宜破ることによって、任意の開口部を形成することが出来る開口形成部であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の印刷インキ用容器は、請求項1に記載の印刷インキ用容器において、
前記長方形部分と前記三角形部分との境目の前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けた、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の印刷インキ用容器は、請求項1または2に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、前記底部分は透明または半透明とされ、前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされている、 ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の印刷インキ用容器は、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けた、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の印刷インキ用容器は、請求項4に記載の印刷インキ用容器において、 前記接着部に複数の孔を設けた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の印刷インキ用容器によれば、胴体部に任意の開口部を形成することが出来る開口形成部が設けられているので、開口形成部を破ることによって、インキの取り出し時の取り出し量の調整が行える。
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器を提供することができる。
【0015】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【0016】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ(産業廃棄物)の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【0017】
請求項2の印刷インキ用容器によれば、開口形成部の胴体部の端に、開口形成部に連なる切欠を設けたので、切欠を誘導手段として開口形成部を、さらに、容易に破って開口部を形成することができる。
【0018】
請求項3の印刷インキ用容器によれば、胴体部に底部分が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【0019】
また、底部分が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、中を確認せず、あるいは開口形成部により実際に開口部を形成せずに、底部分から確認することができる。
【0020】
また、開口せずに、底部分から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するために開口する必要がなく、印刷インキ用容器内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【0021】
また、底部分が透明または半透明とされ、底部分以外の部分が不透光性とされているので、底部分を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【0022】
請求項4の印刷インキ用容器によれば、胴体部の他端に、胴体部を接着した接着部を設けたので、接着部を治具などで挟持して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【0023】
請求項5の印刷インキ用容器によれば、接着部に複数の孔を設けたので、複数の孔に治具を通して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の印刷インキ用容器の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図3】本発明の印刷インキ用容器の第2実施例を示す正面図である。
【図4】図3に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図5】本発明の印刷インキ用容器の第3実施例を示す正面図である。
【図6】図5に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図7】本発明の印刷インキ用容器の第4実施例を示す正面図である。
【図8】図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図9】図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図で ある。
【図10】本発明の印刷インキ用容器の第5実施例を示す正面図である。
【図11】図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方 の一例を示す説明図である。
【図12】図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方 の他の例を示す説明図である。
【図13】図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方 のさらに他の例を示す説明図である。
【図14】本発明の印刷インキ用内容器の第1実施例別形体を示す正面図である。
【図15】図14に示した印刷インキ用内容器内に印刷インキを収容させた状態の右 側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明の印刷インキ用容器の第1実施例を示す正面図、図2は図1に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【0027】
本発明の第1実施例の印刷インキ用容器11は、図1および図2に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21と、胴体部21の所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
なお、図1〜8、図10、図14、図15において灰色の部分は、インキを収納するスペース28、28´、28A,28B、28Cであり、収容量として50g〜10kg程度で構成される。
【0028】
上記した胴体部21は、側面部分23のみで構成されている。
【0029】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分23Bとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0030】
なお、表側側面部分23Fの外形形状と裏側側面部分23Bの外形形状とは、表側(正面側)から見て、縦長の矩形(長方形)である同一形状とされている。
インキを収納するスペースの形状は、縦長の矩形(長方形)に三角形を組み合わせた五角形状である。
【0031】
なお、表側、裏側側面部分23F,23Bは、内容物の特性に応じて酸素を通過(透過)させず、紫外線などの光を通過(透過)させず、可撓性を有する材料(材質)、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【0032】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【0033】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、PE/EVOH/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【0034】
なお、プラスチックシートの厚さは、50μm〜800μmの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは100μm〜500μmの範囲とする。
【0035】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【0036】
さらに、胴体部21には任意の開口部を形成することが出来る開口形成部26が設けられているので、開口形成部を破ることによって、インキの取り出し時の取り出し量の調整が行える。
開口形成部は26に示した任意の位置で、横向きに切り開けるよう工夫がされている。
【0037】
さらに、三角形の底辺である一番大きな開口を行える部分、すなわち開口形成部の一番下の部分の胴体部21の左端には、さらに、開口し易くするために、切欠27が開口形成部26を破る誘導手段として設けられている。
上記したラベル31は、胴体部21内に収容されている印刷インキが何色であるか、印刷インキの成分が何であるか等を表示するものである。
【0038】
なお、図14及び図15容器は、図1及び図2のインキ収容スペースにおいて、角部を緩やかなカーブに置き換えたものであり、インキ充填時の気泡(酸素)等混入を防ぐため角部形状を変更したものである。
【0039】
このように構成された印刷インキ用容器11内から印刷インキを、胴体部21には任意の開口部を形成することが出来る開口形成部26が設けられているので、開口形成部を破ることによって、インキの取り出し時の取り出し量の調整が行える。
【0040】
そして、ラベル31を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【0041】
本発明の第1実施例の印刷インキ用容器11によれば、胴体部21に開口形成部26が設けられているので、開口形成部26を破ることによって開口部を形成することができる。
【0042】
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器11を提供することができる。
【0043】
また、胴体部21が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【0044】
また、胴体部21が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ(産業廃棄物)の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【0045】
また、開口形成部26を容易に破って開口部を形成することができる。
【0046】
さらに、開口形成部の一番下の部分の胴体部21の左端には、さらに、開口し易くするために切欠27を設けたので、切欠27を誘導手段として開口形成部26を容易に破って一番大きな開口部を形成することができる。
【0047】
また、胴体部21にラベル31が貼付されているので、ラベル31を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【0048】
なお、以下の図の説明において、図1または図2に示した部分と同一部分、または、図1または図2に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0049】
図3は本発明の印刷インキ用容器の第2実施例を示す正面図、図4は図3に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【0050】
本発明の第2実施例の印刷インキ用容器11Aは、図3および図4に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Aと、胴体部21Aの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0051】
上記した胴体部21Aは、側面部分23のみで構成されている。
【0052】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分23Bとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0053】
インキを収納するスペースの形状は、縦長の矩形(長方形)に三角形を組み合わせた五角形状である。
【0054】
なお、左側、右側側面部分23Rは、裏側側面部分23F,23Bと同じ材料(材質)で構成されている。
【0055】
本発明の第2実施例の印刷インキ用容器11Aによれば、第1実施例の印刷インキ用容器11と同様な効果を得ることができ、相違点は、容器外周の形の違いだけである。
【0056】
図5は本発明の印刷インキ用容器の第3実施例を示す正面図、図6は図5に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【0057】
本発明の第3実施例の印刷インキ用容器11Bは、図5および図6に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Bと、胴体部21Bの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0058】
上記した胴体部21Bは、側面部分23のみで構成されている。
【0059】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分23Bとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0060】
インキを収納するスペースの形状は、縦長の矩形(長方形)に三角形を組み合わせたものであるが、図5の通り、右側部分が直線となり、結果的に四角形状である。
【0061】
なお、左側、右側側面部分23Rは、裏側側面部分23F,23Bと同じ材料(材質)で構成されている。
【0062】
本発明の第3実施例の印刷インキ用容器11Bによれば、第1実施例の印刷インキ用容器11と同様な効果を得ることができ、相違点は、容器外周の形の違いだけである。
【0063】
図7は本発明の印刷インキ用容器の第4実施例を示す正面図、図8は図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図、図9は図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図である。
【0064】
なお、図1〜図6に示した部分と同一部分、または、図1〜図6に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0065】
本発明の第4実施例の印刷インキ用容器11Cは、図7〜図9に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Cと、胴体部21Cの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0066】
上記した胴体部21Cは、楕円形状の底部分22と、この底部分22の回りに下端部分が液密(水密)に密閉された状態に取り付けられた側面部分23とで構成されている。
【0067】
なお、底部分22は、透明または半透明で、内容物の特性に応じて酸素を通過(透過)させず、可撓性を有する材料(材質)、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【0068】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【0069】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、PE/EVOH/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【0070】
なお、プラスチックシートの厚さは、50μm〜800μmの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは100μm〜500μmの範囲とする。
【0071】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【0072】
上記した側面部分23は、底部分22の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉された状態に取り付けられる表側側面部分23Fと、底部分22の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉された状態に取り付けられ、表側側面部分23Fの周縁と対向する周縁が表側側面部分23Fの周縁に、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉された状態に取り付けられる裏側側面部分23Bとで形成されている。
【0073】
本発明の第4実施例の印刷インキ用容器11Cによれば、第1実施例、第2実施例または第3実施例の印刷インキ用容器11、11´、11A、11Bと同様な効果を得ることができる。
【0074】
そして、底部分22が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【0075】
また、底部分22が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、キャップ41を外さずに底部分22から確認することができる。
【0076】
また、開口形成部26により容器を開封せずに、底部分22から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するために開封する必要がなく、印刷インキ用容器11C内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【0077】
また、底部分22が透明または半透明とされ、底部分22以外の部分(側面部分23)が不透光性とされているので、底部分22を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器11C内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【0078】
図10は本発明の印刷インキ用容器の第5実施例を示す正面図、図11は図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の一例を示す説明図、図12は図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の他の例を示す説明図、図13は図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方のさらに他の例を示す説明図である。
【0079】
なお、図1〜図9に示した部分と同一部分、または、図1〜図9に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0080】
本発明の第5実施例の印刷インキ用容器11Dは、図10に示すように(第1実施例の印刷インキ用容器11と同様に)、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Dと、胴体部21Dの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0081】
上記した胴体部21は、側面部分23のみで構成されている。
【0082】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分との周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0083】
なお、表側側面部分23Fの外形形状と裏側側面部分23Bの外形形状とは、表側(正面側)から見て、縦長の矩形(長方形)の同一形状とされている。
【0084】
そして、胴体部21には、他端(下端)に、胴体部21D、すなわち、表側側面部分23Fと、裏側側面部分とを接着(溶着)した接着部(溶着部)21a(一点鎖線で示されている部分)が、全幅(左右の全幅)で下端から所定の長さ(上下方向の長さ)に設けられている。
【0085】
この接着部21aは、表側側面部分23Fと、裏側側面部分とを接着(溶着)する通常の長さよりも長くされている。
【0086】
そして、接着部21aには、横方向(左右方向、水平方向)に複数(少なくとも2つ)の孔21bが設けられている。
【0087】
本発明の第5実施例の印刷インキ用容器11Dによれば、第1実施例の印刷インキ用容器11と同様な効果を得ることができる。
【0088】
そして、胴体部21の他端に接着部21aを設けたので、図11に示すように、ボード71の一端に溶着部21aを押さえ治具75で固定したり、または、図12に示すように、ボード71の一端に溶着部21aを、ボード71に設けた押さえ棒72で固定し、胴体部21Dを図示を省略した治具で扱(しご)くことにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【0089】
また、接着部21aに複数の孔21bを設けたので、図13に示すように、ボード71に設けた治具としての複数の係止ピン73を、孔21bに通して胴体部21の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【0090】
上記した実施例において、開口形成部26を胴体部21,21A,21B、21C、21Dの一端部(上端部の三角形部分)に設けた例を示した。
【0091】
なお、開口形成部の両端部分に切欠を設けてもよい
【0092】
また、ラベル31を貼付した例を示したが、収容した印刷インキの色等を胴体部に印刷することによってラベル31を省略してもよい。
【符号の説明】
【0093】
11、11´、11A,11B、11C、11D 印刷インキ用容器
21,21A,21B、21C、21D 胴体部
21a 接着部(溶着部)
21b 孔
22 底部分
23 側面部分
23F 前側側面部分
23B 裏側側面部分
23R 右側側面部分
26 開口形成部
27 切欠
28、28´、28A、28B、28C、28D インキを収納するスペース
(灰色部分)
31 ラベル
71 ボード
72 押さえ棒
73 係止ピン(治具)
75 押さえ治具
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷インキを収容して保管、運搬する印刷インキ用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記した印刷インキ用容器として、印刷インキを収容する折りたたみ可能な胴体部に口栓を取り付けるとともに、口栓にキャップを取り付けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この印刷インキ用容器は、口栓に取り付けたキャップを取り外すことにより、印刷インキを口栓から必要量取り出すことができる。
【0004】
そして、印刷インキ用容器内に印刷インキが残っている場合は、口栓にキャップを取り付け、印刷インキが印刷インキ用容器内から流れ出さないようにして保管する。
しかしながら、口栓付は、一度使用してから保管するためには、非常に便利であるが、口栓は高価であるためそれに変わる取り出し方法とさらに取り出し時の取り出し量の調整とが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−278265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した印刷インキ用容器(例えば、特許文献1参照)は、印刷インキの取出口(排出口)が口栓のみである。
【0007】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出す場合、粘度の高い印刷インキを口栓から取り出すことになるので、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出すのに時間がかかるという不都合がある。
【0008】
本発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、印刷インキを全て取り出す場合、全ての印刷インキを短時間で容易に開口部から取り出すことのでき、しかもその取り出し時の取り出し量の調整が行える印刷インキ用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の印刷インキ用容器は、シートの周辺部を封止して、印刷インキを収納する可撓性を有する胴体部であるインキを収納するスペースが形成され、前記インキを収納するスペースは、長方形に三角形を組み合わせた五角形状であり、前記三角形部分は、適宜破ることによって、任意の開口部を形成することが出来る開口形成部であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の印刷インキ用容器は、請求項1に記載の印刷インキ用容器において、
前記長方形部分と前記三角形部分との境目の前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けた、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の印刷インキ用容器は、請求項1または2に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、前記底部分は透明または半透明とされ、前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされている、 ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の印刷インキ用容器は、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けた、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の印刷インキ用容器は、請求項4に記載の印刷インキ用容器において、 前記接着部に複数の孔を設けた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の印刷インキ用容器によれば、胴体部に任意の開口部を形成することが出来る開口形成部が設けられているので、開口形成部を破ることによって、インキの取り出し時の取り出し量の調整が行える。
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器を提供することができる。
【0015】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【0016】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ(産業廃棄物)の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【0017】
請求項2の印刷インキ用容器によれば、開口形成部の胴体部の端に、開口形成部に連なる切欠を設けたので、切欠を誘導手段として開口形成部を、さらに、容易に破って開口部を形成することができる。
【0018】
請求項3の印刷インキ用容器によれば、胴体部に底部分が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【0019】
また、底部分が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、中を確認せず、あるいは開口形成部により実際に開口部を形成せずに、底部分から確認することができる。
【0020】
また、開口せずに、底部分から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するために開口する必要がなく、印刷インキ用容器内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【0021】
また、底部分が透明または半透明とされ、底部分以外の部分が不透光性とされているので、底部分を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【0022】
請求項4の印刷インキ用容器によれば、胴体部の他端に、胴体部を接着した接着部を設けたので、接着部を治具などで挟持して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【0023】
請求項5の印刷インキ用容器によれば、接着部に複数の孔を設けたので、複数の孔に治具を通して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の印刷インキ用容器の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図3】本発明の印刷インキ用容器の第2実施例を示す正面図である。
【図4】図3に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図5】本発明の印刷インキ用容器の第3実施例を示す正面図である。
【図6】図5に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図7】本発明の印刷インキ用容器の第4実施例を示す正面図である。
【図8】図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図 である。
【図9】図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図で ある。
【図10】本発明の印刷インキ用容器の第5実施例を示す正面図である。
【図11】図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方 の一例を示す説明図である。
【図12】図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方 の他の例を示す説明図である。
【図13】図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方 のさらに他の例を示す説明図である。
【図14】本発明の印刷インキ用内容器の第1実施例別形体を示す正面図である。
【図15】図14に示した印刷インキ用内容器内に印刷インキを収容させた状態の右 側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明の印刷インキ用容器の第1実施例を示す正面図、図2は図1に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【0027】
本発明の第1実施例の印刷インキ用容器11は、図1および図2に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21と、胴体部21の所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
なお、図1〜8、図10、図14、図15において灰色の部分は、インキを収納するスペース28、28´、28A,28B、28Cであり、収容量として50g〜10kg程度で構成される。
【0028】
上記した胴体部21は、側面部分23のみで構成されている。
【0029】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分23Bとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0030】
なお、表側側面部分23Fの外形形状と裏側側面部分23Bの外形形状とは、表側(正面側)から見て、縦長の矩形(長方形)である同一形状とされている。
インキを収納するスペースの形状は、縦長の矩形(長方形)に三角形を組み合わせた五角形状である。
【0031】
なお、表側、裏側側面部分23F,23Bは、内容物の特性に応じて酸素を通過(透過)させず、紫外線などの光を通過(透過)させず、可撓性を有する材料(材質)、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【0032】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【0033】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、PE/EVOH/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【0034】
なお、プラスチックシートの厚さは、50μm〜800μmの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは100μm〜500μmの範囲とする。
【0035】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【0036】
さらに、胴体部21には任意の開口部を形成することが出来る開口形成部26が設けられているので、開口形成部を破ることによって、インキの取り出し時の取り出し量の調整が行える。
開口形成部は26に示した任意の位置で、横向きに切り開けるよう工夫がされている。
【0037】
さらに、三角形の底辺である一番大きな開口を行える部分、すなわち開口形成部の一番下の部分の胴体部21の左端には、さらに、開口し易くするために、切欠27が開口形成部26を破る誘導手段として設けられている。
上記したラベル31は、胴体部21内に収容されている印刷インキが何色であるか、印刷インキの成分が何であるか等を表示するものである。
【0038】
なお、図14及び図15容器は、図1及び図2のインキ収容スペースにおいて、角部を緩やかなカーブに置き換えたものであり、インキ充填時の気泡(酸素)等混入を防ぐため角部形状を変更したものである。
【0039】
このように構成された印刷インキ用容器11内から印刷インキを、胴体部21には任意の開口部を形成することが出来る開口形成部26が設けられているので、開口形成部を破ることによって、インキの取り出し時の取り出し量の調整が行える。
【0040】
そして、ラベル31を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【0041】
本発明の第1実施例の印刷インキ用容器11によれば、胴体部21に開口形成部26が設けられているので、開口形成部26を破ることによって開口部を形成することができる。
【0042】
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器11を提供することができる。
【0043】
また、胴体部21が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【0044】
また、胴体部21が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ(産業廃棄物)の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【0045】
また、開口形成部26を容易に破って開口部を形成することができる。
【0046】
さらに、開口形成部の一番下の部分の胴体部21の左端には、さらに、開口し易くするために切欠27を設けたので、切欠27を誘導手段として開口形成部26を容易に破って一番大きな開口部を形成することができる。
【0047】
また、胴体部21にラベル31が貼付されているので、ラベル31を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【0048】
なお、以下の図の説明において、図1または図2に示した部分と同一部分、または、図1または図2に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0049】
図3は本発明の印刷インキ用容器の第2実施例を示す正面図、図4は図3に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【0050】
本発明の第2実施例の印刷インキ用容器11Aは、図3および図4に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Aと、胴体部21Aの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0051】
上記した胴体部21Aは、側面部分23のみで構成されている。
【0052】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分23Bとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0053】
インキを収納するスペースの形状は、縦長の矩形(長方形)に三角形を組み合わせた五角形状である。
【0054】
なお、左側、右側側面部分23Rは、裏側側面部分23F,23Bと同じ材料(材質)で構成されている。
【0055】
本発明の第2実施例の印刷インキ用容器11Aによれば、第1実施例の印刷インキ用容器11と同様な効果を得ることができ、相違点は、容器外周の形の違いだけである。
【0056】
図5は本発明の印刷インキ用容器の第3実施例を示す正面図、図6は図5に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【0057】
本発明の第3実施例の印刷インキ用容器11Bは、図5および図6に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Bと、胴体部21Bの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0058】
上記した胴体部21Bは、側面部分23のみで構成されている。
【0059】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分23Bとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0060】
インキを収納するスペースの形状は、縦長の矩形(長方形)に三角形を組み合わせたものであるが、図5の通り、右側部分が直線となり、結果的に四角形状である。
【0061】
なお、左側、右側側面部分23Rは、裏側側面部分23F,23Bと同じ材料(材質)で構成されている。
【0062】
本発明の第3実施例の印刷インキ用容器11Bによれば、第1実施例の印刷インキ用容器11と同様な効果を得ることができ、相違点は、容器外周の形の違いだけである。
【0063】
図7は本発明の印刷インキ用容器の第4実施例を示す正面図、図8は図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図、図9は図7に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図である。
【0064】
なお、図1〜図6に示した部分と同一部分、または、図1〜図6に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0065】
本発明の第4実施例の印刷インキ用容器11Cは、図7〜図9に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Cと、胴体部21Cの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0066】
上記した胴体部21Cは、楕円形状の底部分22と、この底部分22の回りに下端部分が液密(水密)に密閉された状態に取り付けられた側面部分23とで構成されている。
【0067】
なお、底部分22は、透明または半透明で、内容物の特性に応じて酸素を通過(透過)させず、可撓性を有する材料(材質)、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【0068】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【0069】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、PE/EVOH/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【0070】
なお、プラスチックシートの厚さは、50μm〜800μmの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは100μm〜500μmの範囲とする。
【0071】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【0072】
上記した側面部分23は、底部分22の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉された状態に取り付けられる表側側面部分23Fと、底部分22の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉された状態に取り付けられ、表側側面部分23Fの周縁と対向する周縁が表側側面部分23Fの周縁に、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉された状態に取り付けられる裏側側面部分23Bとで形成されている。
【0073】
本発明の第4実施例の印刷インキ用容器11Cによれば、第1実施例、第2実施例または第3実施例の印刷インキ用容器11、11´、11A、11Bと同様な効果を得ることができる。
【0074】
そして、底部分22が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【0075】
また、底部分22が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、キャップ41を外さずに底部分22から確認することができる。
【0076】
また、開口形成部26により容器を開封せずに、底部分22から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するために開封する必要がなく、印刷インキ用容器11C内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【0077】
また、底部分22が透明または半透明とされ、底部分22以外の部分(側面部分23)が不透光性とされているので、底部分22を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器11C内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【0078】
図10は本発明の印刷インキ用容器の第5実施例を示す正面図、図11は図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の一例を示す説明図、図12は図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の他の例を示す説明図、図13は図10に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方のさらに他の例を示す説明図である。
【0079】
なお、図1〜図9に示した部分と同一部分、または、図1〜図9に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0080】
本発明の第5実施例の印刷インキ用容器11Dは、図10に示すように(第1実施例の印刷インキ用容器11と同様に)、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部21Dと、胴体部21Dの所定の位置に貼付されたラベル31とで構成されている。
【0081】
上記した胴体部21は、側面部分23のみで構成されている。
【0082】
この側面部分23は、表側側面部分23Fと、裏側側面部分との周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密(水密)に密閉されて形成されている。
【0083】
なお、表側側面部分23Fの外形形状と裏側側面部分23Bの外形形状とは、表側(正面側)から見て、縦長の矩形(長方形)の同一形状とされている。
【0084】
そして、胴体部21には、他端(下端)に、胴体部21D、すなわち、表側側面部分23Fと、裏側側面部分とを接着(溶着)した接着部(溶着部)21a(一点鎖線で示されている部分)が、全幅(左右の全幅)で下端から所定の長さ(上下方向の長さ)に設けられている。
【0085】
この接着部21aは、表側側面部分23Fと、裏側側面部分とを接着(溶着)する通常の長さよりも長くされている。
【0086】
そして、接着部21aには、横方向(左右方向、水平方向)に複数(少なくとも2つ)の孔21bが設けられている。
【0087】
本発明の第5実施例の印刷インキ用容器11Dによれば、第1実施例の印刷インキ用容器11と同様な効果を得ることができる。
【0088】
そして、胴体部21の他端に接着部21aを設けたので、図11に示すように、ボード71の一端に溶着部21aを押さえ治具75で固定したり、または、図12に示すように、ボード71の一端に溶着部21aを、ボード71に設けた押さえ棒72で固定し、胴体部21Dを図示を省略した治具で扱(しご)くことにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【0089】
また、接着部21aに複数の孔21bを設けたので、図13に示すように、ボード71に設けた治具としての複数の係止ピン73を、孔21bに通して胴体部21の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【0090】
上記した実施例において、開口形成部26を胴体部21,21A,21B、21C、21Dの一端部(上端部の三角形部分)に設けた例を示した。
【0091】
なお、開口形成部の両端部分に切欠を設けてもよい
【0092】
また、ラベル31を貼付した例を示したが、収容した印刷インキの色等を胴体部に印刷することによってラベル31を省略してもよい。
【符号の説明】
【0093】
11、11´、11A,11B、11C、11D 印刷インキ用容器
21,21A,21B、21C、21D 胴体部
21a 接着部(溶着部)
21b 孔
22 底部分
23 側面部分
23F 前側側面部分
23B 裏側側面部分
23R 右側側面部分
26 開口形成部
27 切欠
28、28´、28A、28B、28C、28D インキを収納するスペース
(灰色部分)
31 ラベル
71 ボード
72 押さえ棒
73 係止ピン(治具)
75 押さえ治具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの周辺部を封止して、印刷インキを収納する可撓性を有する胴体部であるインキを収納するスペースが形成され、
前記インキを収納するスペースは、長方形に三角形を組み合わせた五角形状であり、
前記三角形部分は、適宜破ることによって、任意の開口部を形成することが出来る開口形成部であることを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷インキ用容器において、
前記長方形部分と前記三角形部分との境目の前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、
前記底部分は透明または半透明とされ、
前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされている、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷インキ用容器において、
前記接着部に複数の孔を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項1】
シートの周辺部を封止して、印刷インキを収納する可撓性を有する胴体部であるインキを収納するスペースが形成され、
前記インキを収納するスペースは、長方形に三角形を組み合わせた五角形状であり、
前記三角形部分は、適宜破ることによって、任意の開口部を形成することが出来る開口形成部であることを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷インキ用容器において、
前記長方形部分と前記三角形部分との境目の前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、
前記底部分は透明または半透明とされ、
前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされている、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷インキ用容器において、
前記接着部に複数の孔を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−86885(P2012−86885A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237236(P2010−237236)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】
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