説明

印刷システム、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法およびプログラム

【課題】ユーザーが現在装着されているテープのテープ幅を常に認識することができる。
【解決手段】印刷データを生成する携帯端末2と、携帯端末2から送信された印刷データ62を、印刷テープT上に印刷するテーププリンター3と、を備えた印刷システム1であって、携帯端末2は、テーププリンター3に装填された印刷テープTのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得部45と、印刷データ62の編集画面Aおよびステータス情報を表示する表示部41と、表示部41の表示制御を行う表示制御部43と、を備え、表示制御部43は、ステータス情報として、取得した最新のステータス情報に基づく現在テープ幅を表示部41に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データを生成し、当該印刷データをテープ上に印刷する印刷システム、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の印刷システムとして、パソコン等で構成されたデータ作成装置と、データ作成装置に接続されたテーププリンターと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。このデータ作成装置は、入力編集画面を表示して印刷データを作成するものであり、入力編集画面として、テープ幅表示ボックスと、テープ幅を取得してテープ幅表示ボックスに表示するテープ幅取得ボタンと、を有する画面を表示する。そして、テープ幅取得ボタンがクリックされると、テーププリンターに装着されている印刷テープのテープ幅を取得して、そのテープ幅をテープ幅表示ボックスに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4483727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷システムでは、テープ幅取得ボタンがクリックされた際に、装着されている印刷テープのテープ幅を取得して表示する構成であるため、テープ幅取得ボタンをクリックしないと、ユーザーが、現在装着されている印刷テープのテープ幅を認識できないという問題があった。すなわち、テープ幅取得ボタンを一度もクリックしないまま、印刷データの編集が終了してしまった場合や、テープ幅取得ボタンをクリックした後に印刷テープが交換されてしまい、テープ幅が変わってしまった場合には、ユーザーが現在装着されている印刷テープのテープ幅を認識していない状態となる。その結果、意図しないテープ幅のラベルが作成されてしまうという事態が生じた。
【0005】
本発明は、ユーザーが現在装着されているテープのテープ幅を常に認識することができる印刷システム、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法およびプログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷システムは、印刷データを生成する制御装置と、制御装置から送信された印刷データを、テープ上に印刷するプリンターと、を備えた印刷システムであって、制御装置は、プリンターに装填されたテープのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得部と、印刷データの編集画面およびステータス情報を表示する表示部と、表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備え、表示制御部は、ステータス情報として、取得した最新のステータス情報に基づく現在テープ幅を表示部に表示させることを特徴とする。
【0007】
本発明の印刷データ生成装置は、プリンターに送信する印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、プリンターに装填されたテープのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得部と、印刷データの編集画面およびステータス情報を表示する表示部と、表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備え、表示制御部は、ステータス情報として、取得した最新のステータス情報に基づく現在テープ幅を表示部に表示させることを特徴とする。
【0008】
本発明の印刷データ生成装置の制御方法は、印刷データ生成装置が、プリンターに装填されたテープのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得ステップと、プリンターに送信する印刷データの編集画面と当該ステータス情報とを表示する表示ステップと、表示部の表示制御を行う表示制御ステップと、を実行し、表示制御ステップでは、ステータス情報として、取得した最新のステータス情報に基づく現在テープ幅を表示部に表示させるように表示制御を行うことを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、制御装置(印刷データ生成装置)が、テープ幅を含むステータス情報を取得し、取得した最新のステータス情報に基づく現在のテープ幅を表示部に表示させるので、この表示を視認することで、ユーザーは、現在装着されているテープのテープ幅を常に認識することができる。よって、意図しないテープ幅のラベルが作成されてしまうのを防止することができる。
【0010】
上記の印刷システムにおいて、制御装置は、取得したステータス情報および/またはステータス情報の取得の有無に基づいて、特定のステータス変化が生じたか否かを判別し、特定のステータス変化が生じた場合に、印刷データのテープ幅の設定を変更するデータ編集部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
この場合、特定のステータス変化は、テープを装填するための開閉蓋の開閉状態を示すステータスが「開放」から「閉塞」に変化するステータス変化、および前記プリンターの電源状態を示すステータスが「電源オフ」から「電源オン」に変化するステータス変化の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0012】
これらの構成によれば、特定のステータス変化が生じた場合のみ、印刷データのテープ幅の設定を変更する構成であるため、開放された開閉蓋を閉塞したときや、プリンターの電源がオンされたときなど、テープ交換が行われた可能性があるステータス変化を生じたときに、印刷データのテープ幅の設定を変更することができる。
【0013】
一方、制御装置は、プリンターに印刷実行を指示するための操作部をさらに備え、表示制御部は、印刷実行が指示されたとき、印刷データに設定されているテープ幅と、現在テープ幅と、が一致するか否かを判別し、一致しない場合、テープの交換を促すダイアログ画面を表示部に表示することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ダイアログ画面を表示することで、印刷データ上のテープ幅と、実際のテープ幅とが相違した状態で、印刷処理が行われることを防止することができる。
【0015】
この場合、制御装置は、ダイアログ画面が表示されている状態で、印刷データに設定されているテープ幅を示すステータス情報を取得した場合、操作部による指示を伴うことなく、印刷データをプリンターに送信する印刷データ送信部をさらに備えたことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ユーザーが、ダイアログ画面に従ってテープを交換すると、制御装置は、ステータス情報の定期取得によって、印刷データに設定されているテープ幅を示すステータス情報を取得することになるので、これに起因して印刷データが自動的に送信される。このように、テープ交換後に再度印刷指示を行うことなく、印刷データの送信が行われるので、印刷指示の手間を省くことができる。
【0017】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の印刷データ生成装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、コンピューターに本プログラムを搭載するだけで、コンピューターに上記の印刷データ生成装置の制御方法を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムのシステム構成図である。
【図2】携帯端末の制御ブロック図である。
【図3】携帯端末の機能ブロック図である。
【図4】編集画面を示した図である。
【図5】定期動作を示したフローチャートである。
【図6】定期動作に伴う画面遷移を示した画面遷移図である。
【図7】印刷実行指示動作を示したフローチャートである。
【図8】ダイアログ画面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明の印刷システム、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、本発明を適用した印刷システムを例に挙げて説明する。
【0021】
図1に示すように、印刷システム1は、印刷データ生成用のアプリケーションを搭載した携帯端末(制御装置)2と、携帯端末2上で生成した印刷データ62を印刷テープ(テープ)T上に印刷するテーププリンター(プリンター)3と、無線LAN(Local Area Network)ルーター4とにより構成されている。このうち、携帯端末2と無線LANルーター4とは無線接続され、無線LANルーター4とテーププリンター3とはケーブル5により有線接続されている。なお、印刷システム1が、複数の携帯端末2を備えている場合には、複数の携帯端末2により単一のテーププリンター3を共有使用可能に構成している。
【0022】
テーププリンター3は、長尺状の印刷テープTを繰り出し可能に収容したテープカートリッジ16を装着しており、印刷テープTを繰り出しつつ、携帯端末2から受信した印刷データ62に基づいて、印刷処理および切断処理を行って、ラベルを作成する。テーププリンター3の側面には、開閉蓋17が設けられており、開閉蓋17の内側には、テープカートリッジ16を装着するためのカートリッジ装着部と、開閉蓋17の開閉を検出する開閉検出センサーと、が配設されている(いずれも図示省略)。そして、テープカートリッジ16は、開閉蓋17を開放した状態でカートリッジ装着部に着脱可能に装着される。
【0023】
印刷テープTは、テープ種別(テープ幅、印刷テープTの地色、地模様、材質(質感)など)が異なる複数種のものが用意されており、印刷テープTは、テープ種別対応のテープカートリッジ16に収容されている。すなわち、テープカートリッジ16を入れ替えることで、装填されている印刷テープTを交換することができ、例えば、装填されている印刷テープTのテープ幅を変更することができる。また、テープカートリッジ16には、印刷テープTの種別を特定するための複数の孔(図示省略)が設けられている。一方、複数の孔に対応してカートリッジ装着部には、これらのビットパターンを検出するマイクロスイッチ等のテープ識別センサー(図示省略)が、複数設けられている。そして、このテープ識別センサーによって、テープカートリッジ16に収容された印刷テープTのテープ種別、すなわち、テーププリンター3に装填されている印刷テープTのテープ種別を検出する。
【0024】
携帯端末2は、タッチパネル12を備えた一般的なスマートフォンである。そして、携帯端末2に、印刷データ生成用のアプリケーションをインストールし、これを起動させることで、当該携帯端末2が、印刷データ62を生成する印刷データ生成装置として機能する。
【0025】
図2は、携帯端末2の制御ブロック図である。図2に示すように、携帯端末2は、ユーザーインターフェースである上記タッチパネル12と、無線LANルーター4を介してテーププリンター3との通信を行う無線通信ユニット13と、これらを制御する制御ユニット14と、各種データを記憶するフラッシュROM(Flash Read Only Memory)15と、を備えている。
【0026】
制御ユニット14は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32およびRAM(Random Access Memory)33から成る。CPU31は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。なお、特に図示しないが、CPU31は、現在時刻を計時するタイマーを有している。ROM32は、CPU31が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM33は、CPU31が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。フラッシュROM15は、テーププリンター3の各種データを記憶すると共に、印刷データ生成用のアプリケーションを記憶している。
【0027】
ここで図3を参照して携帯端末2の機能構成について説明する。図3に示すように、携帯端末2は、表示部41と、操作部42と、表示制御部43と、印刷データ送信部44と、ステータス情報取得部45と、データ編集部46と、を備えている。表示部41は、タッチパネル12を主要部とし、印刷データ62を生成し編集するための編集画面Aを表示する。操作部42は、タッチパネル12を主要部とし、編集画面A上で各種操作を行うための手段である。表示制御部43は、制御ユニット14を主要部とし、操作部42による操作に従って、表示部41の表示制御を行う。印刷データ送信部44は、無線通信ユニット13を主要部とし、編集画面Aにより編集した印刷データ62を、テーププリンター3に送信する。
【0028】
ステータス情報取得部45は、無線通信ユニット13を主要部とし、テーププリンター3のステータス情報を定期的に取得する。具体的には、ステータス情報取得部45は、テーププリンター3にステータス要求信号を送信し、これに対するテーププリンター3からのステータス情報に基づいて、テーププリンター3に現在装填された印刷テープTのテープ幅であるテープ幅ステータスと、開閉蓋17の開閉状態(「開放」か「閉塞」か)を示す開閉ステータスと、を得る。加えて、ステータス要求信号の送信に対するテーププリンター3からのステータス情報の取得の有無に基づいて、テーププリンター3の電源状態(「電源オン」か「電源オフ」か)を示す電源ステータスを判別する。なお、後述するが、テーププリンター3の電源状態は、テーププリンター3の応答の有無により判別するため、テーププリンター3が通信不能である場合も含めて、電源ステータスが「電源オフ」であるものと判別する。
【0029】
データ編集部46は、編集画面A上での編集操作に伴って、印刷データ62を編集すると共に、テーププリンター3に特定のステータス変化(後述する)が生じた場合に、ステータス情報取得部45が取得したテープ幅ステータスに基づき、印刷データ62のテープ幅の設定を強制的に変更する。
【0030】
次に図4を参照して編集画面Aについて説明する。編集画面Aは、上から、プレビュー表示領域51と、ステータス表示領域54と、メニュー表示領域52と、操作ボタン表示領域53と、を有している。
【0031】
プレビュー表示領域51は、印刷テープTのイメージであるテープイメージ61上に配置された印刷データ62をフリック操作によってスクロール自在に表示している。印刷データ62は、編集画面Aで挿入されたテキストデータ63と、同じく編集画面Aで挿入されたイメージデータ64と、を有している。また、イメージデータ64には、コード情報を示すコード画像データ66と、コード画像データ66以外のイメージデータ64であるシンボルデータ65とがある。図4中の例では、シンボルデータ65、テキストデータ63およびコード画像データ66が挿入され、これらが並んで配置されている。
【0032】
メニュー表示領域52には、上から、テープ長設定メニュー71と、テープ幅設定メニュー72と、文字サイズ設定メニュー73と、イメージ設定メニュー74と、を表示する。
【0033】
テープ長設定メニュー71は、印刷データ62のテープ長を自動設定するテープ長自動設定ボタン76と、上記テープ長を固定値に手動設定するテープ長固定設定ボタン77と、手動設定の際にテープ長を入力するテキストボックス78と、を有している。携帯端末2は、テープ長自動設定ボタン76がタップ操作されると、印刷データ62に基づいてテープ長を設定する。一方、テープ長固定設定ボタン77がタップ操作されると、テキストボックス78への入力が可能となり、入力されたテープ長となるように印刷データ62を編集する(余白の付加、文字サイズ・文字幅の変更など)。
【0034】
テープ幅設定メニュー72は、印刷データ62のテープ幅を、「12mm」、「18mm」、「24mm」、「36mm」、「50mm」、「100mm」の中から選択可能となっている。
【0035】
文字サイズ設定メニュー73は、テキストデータ63の文字サイズを、「大」、「中」、「小」の中から選択可能となっている。
【0036】
イメージ設定メニュー74は、シンボルデータ65の挿入位置を、「なし」、「左」、「全体」、「右」の中から選択可能となっている。ここで、「左」が選択されると、シンボルデータ65を左寄せの配置とする(テープ前端側に配置する)。また、「右」が選択されると、シンボルデータ65を右寄せの配置とする(テープ後端側に配置する)。さらに、「全体」が選択されると、テープ幅方向に拡大されたシンボルデータ65が、印刷テープT全体に配置される。なお、シンボルデータ65が挿入されていない場合は、イメージ設定メニュー74から「左」または「右」を選択することで、所定のシンボルデータ65を挿入することができる。その場合、所定のシンボルデータ65は、前回選択したシンボルデータ65であっても良いし、あらかじめ決まっているシンボルデータ65であっても良い。また、シンボルデータ65を選択するメニューが表示されても良い。
【0037】
操作ボタン表示領域53は、拡張設定ボタン96、プレビューボタン97、印刷ボタン98を有している。拡張設定ボタン96は、拡張設定画面を表示するボタンである。拡張設定画面には、イメージ選択画面を表示させるためのイメージ選択ボタンや、QRコードを作成するためのQRコード作成画面を表示させるためのQRコード作成ボタンなどを表示する(図示省略)。プレビューボタン97は、テープ上に印刷された印刷データ62を実寸大で表示するプレビュー画面を表示するボタンである。印刷ボタン98は、印刷実行の指示を行うボタンである。つまり、印刷ボタン98がタップ操作されると、印刷データ送信部44により、印刷データ62をテーププリンター3に送信する。
【0038】
ステータス表示領域54は、ステータス情報取得部45により取得したステータス情報を表示する。具体的には、ステータス表示領域54は、テープ幅ステータスに基づく現在テープ幅を表示するテープ幅表示エリア101と、開閉ステータスおよび電源ステータスに基づくテーププリンター3の状態を表示する状態表示エリア102と、を有している。テープ幅表示エリア101は、複数種のテープ幅を表したボックスのうち、テープ幅ステータスに基づくテープ幅のボックスを暗転表示することで、テープ幅ステータスに基づく現在テープ幅を示す。一方、状態表示エリア102は、開閉ステータスが「開放」であることを示すメッセージ(「Cover Open!」)と、電源ステータスが「電源オフ」である、すなわち応答がなかったことを示すメッセージ(「No Response!」)と、開閉ステータスが「閉塞」であり且つ電源ステータスが「電源オン」である、すなわち印刷可能状態であることを示すメッセージ(「Ready」)と、を開閉ステータスおよび電源ステータスに基づいて選択的に表示することで、テーププリンター3の状態を示す。すなわち、ステータス情報を、「現在テープ幅」および「テーププリンター3の状態」という形で表示している。
【0039】
次に図5を参照して、定期動作について説明する。定期動作は、印刷データ生成用のアプリケーションを起動している間(編集作業の間)、一定時間(例えば3秒)毎に実施されるものであり、テーププリンター3からのステータス情報の取得を主とし、これに伴う表示制御やデータ編集を行う動作である。
【0040】
図5に示すように、まず、携帯端末2は、ステータス情報取得部45により、ステータス要求信号を送信する(S1)。そして、テーププリンター3からのステータス情報の受信待ち状態(S2)に移行する。この際、所定時間(例えば1秒)以上、テーププリンター3からのステータス情報を受信しなかった場合(S3:Yes)には、ステータス情報取得部45により、電源ステータスが「電源オフ」であると判別する。電源ステータスを判別したら、表示制御部43により、判別した電源ステータスでステータス表示領域54の状態表示エリア102を更新する(S5)。すなわち、状態表示エリア102上において、メッセージ「No Response!」を表示部41に表示させる。そして、本動作を終了する。
【0041】
一方、テーププリンター3は、ステータス要求信号を受信すると(S6:Yes)、テープ種別検出センサーおよび開閉検出センサーにより検出したテープ幅ステータスおよび開閉ステータスを、ステータス情報として送信する(S7)。これに対し、携帯端末2は、ステータス情報取得部45により、ステータス情報を受信すると(S2:Yes)、受信したステータス情報からテープ幅ステータスおよび開閉ステータスを得る(S8:ステータス取得ステップ)。
【0042】
そして、携帯端末2は、上記所定時間経たずにステータス情報を受信したことから、ステータス情報取得部45により、電源ステータスが「電源オン」であると判別する(S9)。ステータス情報(テープ幅ステータス、開閉ステータスおよび電源ステータス)が得られたら、表示制御部43により、得られたステータス情報でステータス表示領域54の各表示エリアを更新する(S10:表示制御ステップ)。すなわち、テープ幅表示エリア101上において、取得した最新のテープ幅ステータスに基づく現在テープ幅を、表示部41に表示させる(対応するボックスを暗転)と共に、状態表示エリア102上において、得られた開閉ステータスおよび電源ステータスに基づく現在のテーププリンター3の状態を、表示部41に表示させる(対応するメッセージを表示)。
【0043】
続いて、携帯端末2は、データ編集部46により、得られたステータス情報に基づいて、特定のステータス変化が生じたか否かを判別し(S11)、特定のステータス変化が生じた場合(S11:Yes)は、印刷データ62のテープ幅の設定を変更する(S12)。特定のステータス変化は、開閉ステータスが「開放」から「閉塞」に変化するステータス変化、および電源ステータスが「電源オフ」から「電源オン」に変化するステータス変化を含む。すなわち、具体的には、前回の定期動作で得られたステータス情報と、今回の定期動作で得られたステータス情報と、を参酌し、開閉ステータスや電源ステータスが、上記のように変化したか否かによって、特定のステータス変化が生じたか否かを判別する(S11)。そして、特定のステータス変化が生じていない場合(S11:No)には、本動作を終了し、一方、特定のステータス変化が生じていない場合(S11:Yes)には、印刷データ62のテープ幅の設定を変更して(S12)、本動作を終了する。すなわち、テープ幅設定メニュー72への操作によって印刷データ62のテープ幅が設定されていた場合にも、現在装填している印刷テープTのテープ幅に合わせて、印刷データ62のテープ幅を強制的に変更する。
【0044】
このような定期動作を行うことで、図6に示すように、表示制御部43により、テーププリンター3の実際のステータス変化に連動して、ステータス表示領域54を遷移させていく。これにより、携帯端末2は、ユーザーによる編集作業の間、編集画面A上で常に最新のステータス情報を表示し、ユーザーに対し現在のテーププリンター3のステータスを提示し続けることができる。
【0045】
次に図7を参照して、印刷実行指示動作について説明する。この印刷実行指示動作は、印刷実行が指示された際(厳密には印刷ボタン98がタップ操作された際)に実行される動作である。図7に示すように、印刷ボタン98がタップ操作されたとき(S21:Yes)、最新の定期動作で取得したテープ幅ステータスに基づく現在テープ幅と、ユーザー操作によって設定されているテープ幅(以下、設定テープ幅と呼称)とが一致しているか否かを判定する(S22)。両テープ幅が一致している場合(S22:Yes)には、印刷データ送信部44により、印刷データ62をテーププリンター3に送信して(S23)、本動作を終了する。
【0046】
一方、両テープ幅が一致していない場合(S22:No)には、表示制御部43により、両テープ幅が一致していないことを示してテープ交換を促すダイアログ画面Bを、表示部41に表示させる(S24)。具体的には、図8に示すように、ダイアログ画面Bは、「プリンターに装着されているテープ幅と設定しているテープ幅が合っていません。」というメッセージを表示すると共に、これに対する対応策を選択するための選択肢を表示する。これにより、「テープ幅を合わせて印刷」、「テープを交換して印刷」および「キャンセル」が選択可能になっている。「キャンセル」が選択された場合(S25:Yes、S26:A)には、印刷実行の指示をキャンセルし、本動作を終了する。
【0047】
一方、「テープ幅に合わせて印刷」が選択された場合(S25:Yes、S26:B)には、データ編集部46により、最新の定期動作で取得したテープ幅ステータスのテープ幅に合わせて、印刷データ62を拡大・縮小する(S27)。なお、この際、ユーザー操作によるテープ長の設定を無視して編集する。その後、印刷データ送信部44により、印刷データ62をテーププリンター3に送信して(S28)、本動作を終了する。
【0048】
さらに、「テープを交換して印刷」が選択された場合(S25:Yes、S26:C)には、設定テープ幅の印刷テープTに交換されるのを待つ。具体的には、定期動作によって、設定テープ幅を示すテープ幅ステータス(すなわち、設定テープ幅と一致するテープ幅のテープ幅ステータス)を取得するのを待つ取得待ち状態(S29)に移行する。設定テープ幅を示すテープ幅ステータスを取得したら(S29:Yes)、設定テープ幅の印刷テープTに交換されたものと考えられるため、印刷データ送信部44により、印刷データ62をテーププリンター3に送信して(S30)、本動作を終了する。
【0049】
そして、ダイアログ画面Bを表示されている状態(S25)で、設定テープ幅を示すテープ幅ステータスを取得した場合(S25:No、S31:Yes)にも、印刷データ送信部44により、印刷データ62をテーププリンター3に送信して(S31)、本動作を終了する。すなわち、かかる場合、操作部42による指示(タッチパネル12による操作)を伴うことなく、印刷データ62をテーププリンター3に送信する。
【0050】
以上のような構成によれば、上記定期動作において、携帯端末2が、テープ幅を含むステータス情報を取得し、取得した最新のステータス情報に基づく現在のテープ幅を表示部41に表示させるので、この表示を視認することで、ユーザーは、現在装着されている印刷テープTのテープ幅を常に認識することができる。よって、意図しないテープ幅のラベルが作成されてしまうのを防止することができる。
【0051】
また、特定のステータス変化が生じた場合に、印刷データ62のテープ幅の設定を変更する構成であるため、開放された開閉蓋17を閉塞したときや、テーププリンター3の電源がオンされたときなど、テープ交換が行われた可能性があるステータス変化を取得したときに、印刷データ62のテープ幅の設定を変更することができる。
【0052】
さらに、印刷実行指示動作において、ダイアログ画面Bを表示することで、印刷データ62上のテープ幅と、実際のテープ幅とが相違した状態で、印刷処理が行われることを防止することができる。
【0053】
またさらに、ダイアログ画面Bが表示されている状態で、設定テープ幅を示すテープ幅ステータスを取得した場合、操作部42による指示を伴うことなく、印刷データ62をテーププリンター3に送信することにより、テープ交換後に再度印刷指示を行うことなく、印刷データ62の送信が行われるため、印刷指示の手間を省くことができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、特定のステータス変化が、開閉ステータスが「開放」から「閉塞」に変化するステータス変化、および電源ステータスが「電源オフ」から「電源オン」に変化するステータス変化を含んだ構成であったが、これらのうちのいずれか一方のみを、特定のステータス変化に設定としても良い。また、テーププリンター3との通信状態に基づくステータス変化(例えば、接続状態を示すステータスが「通信不能」から「通信可能」に変化するステータス変化)を特定のステータス変化に含める構成であっても良い。
【0055】
また、本実施形態においては、印刷テープTのテープ種別のうち、テープ幅のみを取得し、表示する構成であったが、他のテープ種別(印刷テープTの地色、地模様、材質(質感)など)を取得し、編集画面A上に表示する構成であっても良い。
【0056】
さらに、本実施形態においては、テーププリンター3の電源ステータスおよび開閉ステータスを取得し、これらのステータスに基づく、テーププリンター3の状態を編集画面A上に表示する構成であったが、電源ステータスと開閉ステータスとをそのまま、編集画面Aに表示する構成であっても良い。また、テーププリンター3の他のステータス(例えば、印刷実行状態であるか否か、テープ残量、エラー状態など)を取得し、編集画面A上に表示する構成であっても良い。
【0057】
またさらに、本実施形態において、携帯端末2が複数のテーププリンター3と通信可能である場合には、各テーププリンター3のステータス情報を得て、編集画面A上において、各テーププリンター3の識別情報と共に各テーププリンター3のステータス情報を表示するようにしても良い。
【符号の説明】
【0058】
1:印刷システム、 2:携帯端末、 3:テーププリンター、 17:開閉蓋、 41:表示部、 42:操作部、 43:表示制御部、 44:印刷データ送信部、 45:ステータス情報取得部、 46:データ編集部、 62:印刷データ、 A:編集画面、 B:ダイアログ画面、 T:印刷テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを生成する制御装置と、
前記制御装置から送信された前記印刷データを、テープ上に印刷するプリンターと、を備えた印刷システムであって、
前記制御装置は、
前記プリンターに装填された前記テープのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得部と、
前記印刷データの編集画面および前記ステータス情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記ステータス情報として、取得した最新の前記ステータス情報に基づく現在テープ幅を前記表示部に表示させることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
取得した前記ステータス情報および/または前記ステータス情報の取得の有無に基づいて、特定のステータス変化が生じたか否かを判別し、前記特定のステータス変化が生じた場合に、前記印刷データのテープ幅の設定を変更するデータ編集部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記特定のステータス変化は、前記テープを装填するための開閉蓋の開閉状態を示すステータスが「開放」から「閉塞」に変化するステータス変化、および前記プリンターの電源状態を示すステータスが「電源オフ」から「電源オン」に変化するステータス変化の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記制御ユニットは、
前記プリンターに印刷実行を指示するための操作部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記印刷実行が指示されたとき、前記印刷データに設定されているテープ幅と、前記現在テープ幅と、が一致するか否かを判別し、一致しない場合、前記テープの交換を促すダイアログ画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記制御ユニットは、
前記ダイアログ画面が表示されている状態で、前記印刷データに設定されているテープ幅を示す前記ステータス情報を取得した場合、前記操作部による指示を伴うことなく、前記印刷データを前記プリンターに送信する印刷データ送信部をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
プリンターに送信する印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
前記プリンターに装填されたテープのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得部と、
前記印刷データの編集画面および前記ステータス情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記ステータス情報として、取得した最新の前記ステータス情報に基づく現在テープ幅を前記表示部に表示させることを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項7】
印刷データ生成装置が、
プリンターに装填されたテープのテープ幅を含むステータス情報を定期的に取得するステータス情報取得ステップと、
前記プリンターに送信する印刷データの編集画面と当該ステータス情報とを表示する表示ステップと、
前記表示部の表示制御を行う表示制御ステップと、を実行し、
前記表示制御ステップでは、前記ステータス情報として、取得した最新の前記ステータス情報に基づく現在テープ幅を前記表示部に表示させるように表示制御を行うことを特徴とする印刷データ生成装置の制御方法。
【請求項8】
コンピューターに、請求項7に記載の印刷データ生成装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−15950(P2013−15950A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147118(P2011−147118)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】