説明

印刷システム

【課題】文書を印刷した人に対して、その文書の更新情報を容易に通知する。
【解決手段】印刷システムは、印刷文書6の更新に関する情報の通知先を登録する登録手段3と、その通知先に加え、印刷文書6に対する属性情報を抽出する属性情報抽出手段4と、印刷文書6の印刷イメージを生成するプリンタドライバ5と、印刷イメージと通知先と印刷文書6に対する属性情報とを印刷ジョブとして送信する送信手段7と、を有する情報処理装置1と、送信手段7から印刷ジョブを受信する受信手段8と、受信手段8で受信した印刷ジョブ内の属性情報を履歴登録する履歴登録手段9と、履歴登録手段9で登録された属性情報を記憶する記憶手段10と、を有する印刷装置2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ(PC)から印刷を指示した場合に、その結果を通知してくれる機能がある(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1に記載の発明では、スタッカに一定時間シートが残っていた場合に、ワークステーションに通知メッセージを送信する。これにより、シートの除去を促す。
【0003】
特許文献2に記載の発明では、画像データに印刷結果の取り扱いを示す音声データを付加し、音声で印刷結果を通知する。このため、排紙されたシートの取り扱いを誰もが容易に認識することができる。
【0004】
特許文献3に記載の発明では、ネットワークに接続された周辺機器にエラーが発生した場合に、そのエラー情報をユーザに電子メールで通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−241617号公報
【特許文献2】特開2001−292299号公報
【特許文献3】特開2003−58438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子文書を印刷して使用する場合には、内容の新規性や複数の印刷者の間での統一性が大切になる場合があり、文書を印刷した人に対して、その文書の更新情報を通知する必要がある。
【0007】
本発明は、文書を印刷した人に対して、その文書の更新情報を容易に通知することができる印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、印刷文書の更新に関する情報の通知先を登録する登録手段と、前記印刷文書に対する属性情報を抽出する属性情報抽出手段と、前記印刷文書の印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、前記印刷画像と前記通知先と前記印刷文書に対する属性情報とを印刷指示として送信する送信手段と、前記送信手段から前記印刷指示を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した印刷指示に含まれる属性情報を記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする印刷システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記印刷文書の更新に関する情報の通知先を検索するための検索情報と前記更新に関する情報とを指示する指示手段と、前記指示手段で指示された前記検索情報を用いて、前記記憶手段に記憶された属性情報を検索する検索手段と、前記検索手段で検索された属性情報の通知先に、前記指示手段で指示された更新に関する情報を通知する通知手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記通知先が、メールアドレス、IPアドレス、ユーザ名のうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記印刷文書に対する属性情報が、さらに文書名、文書の改訂に関する情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記検索情報が、文書名または文書の改訂に関する情報のうち少なくとも一つであることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記検索手段は、前記文書の改訂に関する情報に基づき、同一の文書を印刷した印刷者を検索することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記検索手段は、前記文書の改訂に関する情報に基づき、より古い文書を印刷した印刷者を検索することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記通知手段は、前記更新に関する情報を、メールまたは通知内容を表示することによって通知することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記登録手段が、より新しい文書の印刷が指示された際に、前記文書の更新に関する情報を登録することを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記記憶手段が、前記文書の改訂に関する情報に基づき、前記より新しい文書の印刷が指示された際に、より新しい文書の印刷画像を記憶することを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記検索情報として、前記より新しい文書の文書名または印刷画像または印刷画像のハッシュ値が用いられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、文書を印刷した人に対して、その文書の更新に関する情報を通知することができる。
【0020】
請求項2および3に記載の発明によれば、文書の属性情報に基づき、印刷文書の更新に関する情報を通知する通知先を特定することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、文書の改訂に応じて、その文書の更新に関する情報を通知することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、特定の文書の改訂に伴い、当該文書を印刷した人に対して、その文書の更新情報を通知することができる。
【0023】
請求項6および7に記載の発明によれば、特定の改訂に対する文書を印刷した人に、その文書の更新情報を通知することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、改訂された文書を印刷した人に対して、その文書の更新情報を通知することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、改訂された文書の印刷に伴い、それ以後の改訂についても適切に通知することが可能となる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、改訂された文書に対応する印刷画像を保存しておくことが可能となる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、印刷文書が改訂されたことを適切に通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る印刷システムのブロック図である。
【図2】登録手段の一例を示す図である。
【図3】登録手段の一例を示す図である。
【図4】登録手段の一例を示す図である。
【図5】文書属性情報のテーブルの一例を示す図である。
【図6】指示手段の一例を示す図である。
【図7】印刷文書の更新情報を受け取る人側の印刷システムのフローチャートである。
【図8】印刷文書の更新情報を通知する人側の印刷システムのフローチャートである。
【図9】登録手段の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、印刷システムの一例について、図面を参照して説明する。
【0030】
1.第1の実施形態
図1は、本発明に係る印刷システムのブロック図である。印刷システムは、情報処理装置1、印刷装置2を備えている。情報処理装置1と印刷装置2は、LAN(Local Area Network)またはWAN(Wide Area Network)を経由して有線または無線で接続され、お互いに送受信が可能となっている。
【0031】
情報処理装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯型情報端末などであり、登録手段3、文書属性情報抽出手段4、プリンタドライバ5、印刷文書6、送信手段7を備えている。
【0032】
印刷装置2は、例えば、プリンター、プリンター機能を有するマルチファンクション機などであり、受信手段8、履歴登録手段9、記憶手段10、指示手段11、検索手段12、通知手段13を備えている。なお、印刷装置2は、複数の印刷装置を制御する印刷制御装置(プリントサーバなど)でもよい。
【0033】
(情報処理装置の構成)
登録手段3は、印刷文書6の更新情報の通知先を登録する。通知先情報は、印刷者名、印刷者のメールアドレス(または、情報処理装置1のIP(Internet Protocol)アドレスおよびデスクトップユーザ名)などで構成される。図2〜4は、登録手段の一例を示す図である。登録手段3は、図2に示すように、例えば、プリンタドライバ5の印刷設定ウィンドウ14内の入力ボックス15,16として設けられる。
【0034】
印刷文書6の更新情報を受け取る必要がない場合には、通知先情報の入力ボックスを空欄(NULL)にする。または、図3に示すように、印刷文書6の更新情報を受け取らない、というチェックボックス17を設ける。この場合、既に情報処理装置1に登録されている通知先を初期値とすることができる。なお、所定のユーザまたはグループに通知先情報を教えたくない場合には、図4に示すように、印刷文書6の更新情報を通知することができるユーザまたはグループを登録手段3で登録してもよい。これにより、セキュリティが向上する。
【0035】
登録した通知先は、印刷指示に伴い、通知先を印刷装置2に送信する際に、印刷画像等とともに送信するために使うことから、たとえば情報処理装置1内で一時的に記憶しておくようにする。また、当該印刷文書6を再印刷指示する用途が予定されていたり、当該印刷文書6が他のユーザにより印刷指示された場合にも登録した通知先に通知するように設定する用途がある場合には、当該印刷文書6の属性情報として、文書属性情報のテーブル内に通知先が登録できるようにしても良い。
【0036】
文書属性情報抽出手段4は、印刷文書6から属性情報を抽出する。図5は、文書属性情報のテーブルの一例を示す図である。印刷文書6の属性情報には、ファイル名、文書名、改訂に関する情報として例えば改訂のバージョンや更新時期、印刷者名、メールアドレス(または、IPアドレスおよびデスクトップユーザ名)等が含まれる。属性情報のテーブルは、例えば、256byteの固定長のテーブルで構成される。
【0037】
文書名は、当該文書6のファイル名そのものか、あるいは当該文書6のファイル名から抽出することが可能である。また、改訂に関する情報がバージョンである場合には、バージョンを、ファイル名から一定の規則で抽出するようにしてもよい。例えば、ファイル名がXXXXN.N.N.docの場合には、XXXXを文書名とし、N.N.Nをバージョンとする。また、ファイル名がXXXXVerNNN.docの場合には、XXXXを文書名とし、NNNをバージョンとする。印刷者名、メールアドレスは、登録手段3で登録した通知先情報である。
【0038】
また、文書の改訂に関する情報を、文書の更新時期により判断してもよく、その場合には属性情報に含まれる更新時期によって、特定のルールによって番号を割り当てるようにしても良い。例えば、更新時期によって、昇順の番号を割り当てたり、更新の日時等の情報をそのまま割り当てたりすることにより、割り当てることが可能である。
【0039】
図1に示すプリンタドライバ5は、印刷文書6から印刷イメージを生成する。印刷イメージは、送信手段7へ送られる。送信手段7は、印刷イメージと通知先と属性情報とを印刷ジョブとして印刷装置2に送信する。その際、印刷文書の属性情報のうち、必要な属性情報だけを送信するようにしてもいいし、全属性情報を一律に送信するようにしてもよい。また、印刷イメージと通知先と属性情報をひとつのファイル形式にて送信してもいいし、それぞれ別々のファイルとして送信してもよい。
【0040】
(印刷装置の構成)
受信手段8は、印刷ジョブを受信する。履歴登録手段9は、印刷文書6の更新情報の通知先がNULLでない場合に、すなわち、印刷文書6の更新情報を通知すべき印刷ジョブである場合に、属性情報をテーブルに履歴登録する。属性情報のテーブルは、記憶手段10に記憶されている。
【0041】
印刷文書6の更新情報を通知する人は、指示手段11を用いて通知を指示する。図6は、指示手段の一例を示す図である。指示手段11は、印刷装置2の操作画面19に表示される。指示手段11は、古いバージョンの文書を印刷した人を検索するための検索キー(文書名、バージョン)を入力する入力ボックス20,21と、印刷文書6の更新情報のメッセージを入力する入力ボックス22とで構成される。
【0042】
検索手段12は、指示手段11で入力された検索キーを用いて、記憶手段10に記憶された文書属性情報のテーブルを検索する。この際、指示手段11で指示されたバージョンよりも古いバージョンの文書の属性情報を全て検索することができる。これにより、指示手段11で指示されたバージョンよりも古いバージョンの文書を印刷した人全員に対して、更新情報を通知することができる。
【0043】
古いバージョンの文書を印刷した人が存在する場合には、通知手段13は、指示手段11で指示された更新情報のメッセージを当該印刷者へ通知する。更新情報のメッセージは、印刷者のメールアドレス宛にメールで送信されるか、もしくは、情報処理装置1のIPアドレスおよびデスクトップユーザ名を用いて、メッセージウィンドウで表示される。メッセージウィンドウを用いる場合には、印刷文書6の更新情報がリアルタイムに通知される。
【0044】
(印刷システムの動作:更新情報を受け取る人)
以下、印刷システムの動作について説明する。図7は、印刷文書の更新情報を受け取る人側の印刷システムのフローチャートである。まず、更新情報を受け取る人は、情報処理装置1で文書の印刷を指示する(ステップS1)。この際、更新情報を受け取るための通知先(メールアドレス、または、IPアドレスおよびデスクトップユーザ名)が、登録手段3で登録される。
【0045】
文書の属性情報は、文書属性情報抽出手段4によって抽出され(ステップS2)、文書の印刷イメージが、プリンタドライバ5によって作成される(ステップS3)。印刷イメージと属性情報は、印刷ジョブとして送信手段7によって送信される(ステップS4)。
【0046】
印刷ジョブは、印刷装置2の受信手段8によって受信される(ステップS5)。文書属性情報を登録すべき印刷ジョブか否か、すなわち、印刷文書6の更新情報を通知すべき印刷ジョブか否かを判断するため、履歴登録手段9は、更新情報の通知先がNULLでないかを判断する(ステップS6)。
【0047】
更新情報の通知先がNULLでない場合には(ステップS6のYES)、履歴登録手段9は、記憶手段10に文書属性情報を履歴登録する(ステップS7)。また、印刷ジョブを印刷する(ステップS8)。更新情報の通知先がNULLである場合には(ステップS6のNO)、文書属性情報を登録せずに、印刷ジョブを印刷する(ステップS8)。
【0048】
(印刷システムの動作:更新情報を通知する人)
図8は、印刷文書の更新情報を通知する人側の印刷システムのフローチャートである。更新情報を通知する人は、印刷装置2の指示手段11で検索キー(文書名とバージョン)と更新情報のメッセージを指示する(ステップS10)。検索手段12は、検索キーを用いて、文書属性情報のテーブルを1行ずつ検索する(ステップS11)。文書属性が検索キーと同一である場合には(ステップS12のYES)、通知手段13によって更新情報のメッセージが印刷者に通知される(ステップS13)。
【0049】
文書属性情報のテーブルを全て検索し終えていない場合には(ステップS14のNO)、次の行の文書属性情報を検索する(ステップS11)。検索終了した場合には(ステップS14のYES)、更新情報の通知が完了した旨を通知する(ステップS15)。
【0050】
(第1の実施形態の優位性)
第1の実施形態によれば、文書を印刷した人に対して、その文書の更新に関する情報を通知することができる。
【0051】
2.第2の実施形態
以下、第1の実施形態の変形例について、図1を参照して説明する。第1の実施形態では、印刷装置2の指示手段11を用いて、更新情報のメッセージが通知される。第2の実施形態では、情報処理装置1の登録手段3を用いて、更新情報のメッセージが通知される。なお、第1の実施形態と同様の内容については、説明を省略する。
【0052】
(印刷システムの動作:更新情報を通知する人)
以下、印刷システムの動作について説明する。更新情報を通知する人は、情報処理装置1で新しいバージョンの文書の印刷を指示する。この際、更新情報のメッセージが、登録手段3で登録される。図9は、登録手段の一例を示す図である。図9に示すように、更新情報のメッセージは、印刷設定ウィンドウ14内の入力ボックス20に入力される。また、チェックボックス19により、メッセージを通知するか否かを選択することができる。
【0053】
文書の属性情報は、文書属性情報抽出手段4によって抽出され、文書の印刷イメージが、プリンタドライバ5によって作成される。印刷イメージと属性情報は、印刷ジョブとして送信手段7で送信される。
【0054】
印刷ジョブは、印刷装置2の受信手段8によって受信される。文書の更新情報を通知すべき印刷ジョブか否かを判断するため、履歴登録手段9は、更新情報のメッセージが含まれているか否かを判断する。
【0055】
印刷ジョブに更新情報のメッセージが含まれている場合には、新しいバージョンの文書の印刷イメージが、履歴登録手段9によって記憶手段10に登録される。また、検索手段12は、文書名と新しいバージョンを検索キーとして、新しいバージョンよりも古いバージョンの文書を印刷した人全員を文書属性情報のテーブルから検索する。
【0056】
なお、文書のバージョンを、文書の改訂時期によって判断するようにした場合には、検索キーとして日時情報を入力して検索を実行し、属性情報に含まれる改訂時期に関する情報と、検索キーである日時情報を比較することによって、検索キーより古い、あるいは新しい文書を検索することが可能となる。
【0057】
古いバージョンの文書を印刷した人がいる場合には、更新情報のメッセージが通知手段13によって通知される。更新情報を受け取った人は、印刷装置2で新しいバージョンの文書を印刷することができる。なお、セキュリティを向上するため、更新情報のメッセージには、新しいバージョンの文書を印刷装置2で印刷するためのパスワードが含まれていることが好ましい。
【0058】
また、更新情報のメッセージのメールに、新しいバージョンの文書を添付してもよい。さらに、更新情報のメッセージのメールもしくはメッセージウィンドウ内に、新しいバージョンの文書を印刷装置2で印刷するための操作手段を設けてもよい。
【0059】
(第2の実施形態の優位性)
第2の実施形態によれば、情報処理装置1の登録手段3を用いて、文書の更新情報を通知することができる。このため、印刷装置2の設置場所まで移動して更新情報を通知する手間がなくなるとともに、印刷装置2の指示手段11が不要になる。
【0060】
3.第3の実施形態
以下、第2の実施形態の変形例について、図1を参照して説明する。第2の実施形態では、文書名と新しいバージョンを検索キーとして、古いバージョンの文書を印刷した人全員を検索する。第3の実施形態では、新しいバージョンの替わりに、新しいバージョンの印刷イメージ(または、そのハッシュ値)を検索キーとして、古いバーションの文書を印刷した人全員を検索する。なお、第2の実施形態と同様の内容については、説明を省略する。
【0061】
(印刷システムの動作:更新情報を受け取る人)
以下、印刷システムの動作について説明する。更新情報を受け取る人は、情報処理装置1で文書の印刷を指示する。この際、更新情報の通知先が、登録手段3で登録される。
【0062】
文書の属性情報は、文書属性情報抽出手段4によって抽出され、文書の印刷イメージが、プリンタドライバ5によって作成される。印刷イメージと属性情報は、印刷ジョブとして送信手段7によって送信される。
【0063】
印刷ジョブは、印刷装置2の受信手段8によって受信される。文書の更新情報を通知すべき印刷ジョブか否かを判断するため、履歴登録手段9は、更新情報の通知先がNULLでないかを判断する。
【0064】
更新情報の通知先がNULLでない場合には、印刷イメージと文書属性情報が、履歴登録手段9によって関連づけられて、記憶手段10に登録される。なお、履歴登録手段9は、特定のハッシュ関数を用いて印刷イメージのハッシュ値を生成し、ハッシュ値と文書属性情報を記憶手段10に登録してもよい。
【0065】
(印刷システムの動作:更新情報を通知する人)
更新情報を通知する人は、情報処理装置1で新しいバージョンの文書の印刷を指示する。この際、更新情報のメッセージが、登録手段3で登録される。
【0066】
文書の属性情報は、文書属性情報抽出手段4によって抽出され、文書の印刷イメージが、プリンタドライバ5によって作成される。印刷イメージと属性情報は、印刷ジョブとして送信手段7で送信される。
【0067】
印刷ジョブは、印刷装置2の受信手段8によって受信される。文書の更新情報を通知すべき印刷ジョブか否かを判断するため、履歴登録手段9は、更新情報のメッセージが含まれているか否かを判断する。
【0068】
印刷ジョブに更新情報のメッセージが含まれている場合には、新しいバージョンの文書の印刷イメージが、履歴登録手段9によって記憶手段10に登録される。また、検索手段12は、文書名と新しいバージョンの印刷イメージを検索キーとして、新しいバージョンよりも古いバージョンの文書を印刷した人全員を検索する。
【0069】
この際、文書属性情報のテーブル内で文書名が同一の行が検索され、さらに、この行に関連付けられた印刷イメージが新しいバージョンの印刷イメージと異なる行が検索される。これにより、古いバージョンの文書を印刷した人全員が検索される。印刷イメージの比較方法としては、残差法や相互相関法を用いることができる。
【0070】
なお、検索手段12は、新しいバージョンの印刷イメージのハッシュ値を生成し、文書属性情報のテーブル内で文書名が同一であり、ハッシュ値が新しいバージョンのハッシュ値と異なる行を検索してもよい。この場合、印刷イメージ同士を比較する方法と比べ、処理速度が向上するとともに、記憶手段10の記憶容量を抑えることができる。
【0071】
古いバージョンの文書を印刷した人がいる場合には、更新情報のメッセージが通知手段13によって通知される。更新情報を受け取った人は、印刷装置2で新しいバージョンの文書を印刷することができる。
【0072】
(第3の実施形態の優位性)
第3の実施形態によれば、新しいバージョンの替わりに、新しいバージョンの印刷イメージ、または、そのハッシュ値を検索キーとして、古いバーションの文書を印刷した人全員を検索することができる。このため、印刷文書6の更新情報を通知する人がバージョンを管理する必要がなくなる。
【0073】
4.第4の実施形態
以下、第3の実施形態の変形例について、図1を参照して説明する。第3の実施形態では、新しいバージョンの印刷イメージ(または、そのハッシュ値)を検索キーとした。第4の実施形態では、古いバージョンの印刷イメージ(または、そのハッシュ値)を検索キーとし、新しいバージョンの印刷イメージは印刷のみに用いられる。
【0074】
(印刷システムの動作:更新情報を通知する人)
以下、印刷システムの動作について説明する。更新情報を通知する人は、情報処理装置1で新しいバージョンの文書の印刷を指示する。この際、更新情報のメッセージと古いバージョンの文書が、登録手段3で登録される。これにより、特定の古いバージョンの文書を印刷した人に対して、更新情報を通知することができる。
【0075】
文書の属性情報は、文書属性情報抽出手段4によって抽出され、新しいバージョンと古いバージョンの文書の印刷イメージが、プリンタドライバ5によって作成される。新しいバージョンと古いバージョンの2種類の印刷イメージと属性情報は、印刷ジョブとして送信手段7で送信される。
【0076】
印刷ジョブは、印刷装置2の受信手段8によって受信される。文書の更新情報を通知すべき印刷ジョブか否かを判断するため、履歴登録手段9は、更新情報のメッセージが含まれているか否かを判断する。
【0077】
印刷ジョブに更新情報のメッセージが含まれている場合には、新しいバージョンの印刷イメージが、履歴登録手段9によって記憶手段10に登録される。また、検索手段12は、古いバージョンの印刷イメージのみを検索キーとして、古いバージョンの印刷イメージと同一の印刷イメージを記憶手段10から検索する。これにより、特定の古いバージョンの文書を印刷した人が検索される。
【0078】
なお、検索手段12は、古いバージョンの印刷イメージのハッシュ値を生成し、古いバージョンのハッシュ値と同一の古いバージョンのハッシュ値を記憶手段10から検索してもよい。
【0079】
特定の古いバージョンの文書を印刷した人がいる場合には、更新情報のメッセージが通知手段13によって通知される。更新情報を受け取った人は、印刷装置2で新しいバージョンの文書を印刷することができる。
【0080】
(第4の実施形態の優位性)
第4の実施形態によれば、新しいバージョンの印刷イメージの替わりに、特定の古いバージョンの印刷イメージを検索キーとして、特定の古いバージョンの文書を印刷した人を検索することができる。このため、特定の古いバージョンの文書を印刷した人にだけ、更新情報を通知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、情報処理装置および印刷装置で構成される印刷システムに用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
1…情報処理装置、2…印刷装置、3…登録手段、4…文書属性情報抽出手段(属性情報抽出手段)、5…プリンタドライバ(印刷画像生成手段)、6…印刷文書、7…送信手段、8…受信手段、9…履歴登録手段、10…記憶手段、11…指示手段、12…検索手段、13…通知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷文書の更新に関する情報の通知先を登録する登録手段と、
前記印刷文書に対する属性情報を抽出する属性情報抽出手段と、
前記印刷文書の印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像と前記通知先と前記印刷文書に対する属性情報とを印刷指示として送信する送信手段と、
前記送信手段から前記印刷指示を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した印刷指示に含まれる属性情報を記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷文書の更新に関する情報の通知先を検索するための検索情報と前記更新に関する情報とを指示する指示手段と、
前記指示手段で指示された前記検索情報を用いて、前記記憶手段に記憶された属性情報を検索する検索手段と、
前記検索手段で検索された属性情報の通知先に、前記指示手段で指示された更新に関する情報を通知する通知手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記通知先が、メールアドレス、IPアドレス、ユーザ名のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷文書に対する属性情報が、さらに文書名、文書の改訂に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記検索情報が、文書名または文書の改訂に関する情報のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記検索手段は、前記文書の改訂に関する情報に基づき、同一の文書を印刷した印刷者を検索することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記検索手段は、前記文書の改訂に関する情報に基づき、より古い文書を印刷した印刷者を検索することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記通知手段は、前記更新に関する情報を、メールまたは通知内容を表示することによって通知することを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記登録手段が、より新しい文書の印刷が指示された際に、前記文書の更新に関する情報を登録することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記記憶手段が、より新しい文書の印刷が指示された際に、前記より新しい文書の印刷画像を記憶することを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記検索情報として、前記より新しい文書の文書名または印刷画像または印刷画像のハッシュ値が用いられていることを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−218382(P2010−218382A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66204(P2009−66204)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】