説明

印刷データ生成装置、印刷データ生成方法およびプログラム

【課題】印刷を管理するサーバが用いられても、格納部内の情報と出力部からの情報とによって規定される帳票を印刷可能な印刷データ生成装置を提供する。
【解決手段】帳票の書式を規定する書式情報と書式情報が規定した書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と複数の文字の書体を示した書体情報を格納する格納部と、複数の文字のうち一部以外を示した記載情報を出力する出力部と、に接続される印刷データ生成装置は、出力部から記載情報を受信する受信手段と、格納部から書式情報とデータ情報と書体情報を取得する取得手段と、記載情報が受信されかつ書式情報とデータ情報と書体情報が取得されると、書式情報が規定する書式の帳票に記載情報が示す文字とデータ情報が示す文字が書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを印刷データとして生成する生成手段と、印刷データを出力する出力手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ生成装置、印刷データ生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票作成用の処理を行うホストコンピュータ(以下、単に「ホストコンピュータ」と称する)が知られている。ホストコンピュータは、ホストコンピュータに専用回線で接続されたホストコンピュータ専用プリンタ(以下「専用端末プリンタ」と称する)を用いて、オンライン帳票印刷を行っていた。
【0003】
一般的には、ホストコンピュータは、オンライントランザクションプログラムの実行に伴って出力されるキャラクタデータ(テキストデータ)と、あらかじめ定義された帳票書式を示す帳票書式定義情報と、に基づいて、帳票用の印刷データを生成し、その帳票用の印刷データを、専用端末プリンタへ送信していた。
【0004】
オンライントランザクションプログラムとしては、COBOL(COmmon Business Oriented Language)で記述されたプログラムが用いられることが多い。帳票書式定義情報は、罫線、データ配置位置、色、および、フォント・サイズなどの、帳票に関する装飾系の情報である。なお、キャラクタデータと帳票書式定義情報とに基づいて印刷データを生成する処理は、帳票編集とも呼ばれる。
【0005】
帳票用の印刷データは、専用端末プリンタ用の制御コードを含んでいる。このため、帳票用の印刷データが、専用端末プリンタ以外の市販のプリンタ(以下「汎用プリンタ」と称する)へ直接出力されると、汎用プリンタは、帳票用の印刷データにて規定された印刷を正確に行えない。
【0006】
また、近年、マルチプラットフォームによる分散システム構成が一般的となっている。さらに、業務システムを分散して配置する構成(ホストコンピュータとオープンサーバへ業務を分散して配置する構成)に加え、印刷業務を1つのオープンサーバ(以下「印刷サーバ」と称する)に集約する構成が広まりつつある。なお、オープンサーバは、Windows(登録商標)またはUnix(登録商標)などの多くの使用者にて使用されるOS(Operating System)を搭載したサーバである。
【0007】
このため、印刷サーバに接続される汎用プリンタに、ホストコンピュータが生成した帳票用の印刷データ(オンライン帳票)に従った印刷を行わせたい、というニーズが広まっている。
【0008】
汎用プリンタに、ホストコンピュータからの帳票用の印刷データに従った帳票を印刷させる一般的手法としては、オープンサーバ上で、帳票編集を行う手法があげられる。例えば、ウィングアーク社のSVF(Super Visual Formade)を用いることによって、オープンサーバ上で帳票編集を行うことが可能になる。
【0009】
なお、オープンサーバ上で帳票編集を行う場合、帳票編集の事前準備として、ホストコンピュータ内の帳票書式定義情報を、オープンサーバ上の印刷プログラムで利用できる形式にコンバートしておく必要がある。以下、コンバート処理を行うことによって、オープンサーバ上で帳票編集を行う手法を「書式コンバート手法」と称する。
【0010】
図9は、書式コンバート手法を行う印刷システムを示したブロック図である。
【0011】
図9において、印刷システムは、ホストコンピュータA1と、オープンサーバA2と、汎用プリンタA3と、を含む。
【0012】
オープンサーバA2内の帳票書式コンバートツールA21は、帳票編集の事前準備として、ホストコンピュータA1内の帳票書式定義情報(ホスト形式)A11を、オープンサーバA2上の印刷プログラム実行部(以下「帳票編集機能部」とも称する)A22が利用できる形式(オープン形式)の帳票書式定義情報A23にコンバートする。
【0013】
帳票書式コンバートツールA21は、帳票書式定義情報A23を、帳票編集機能部A22内の帳票書式定義解析部A24に出力する。帳票書式定義解析部A24は、帳票書式定義情報A23を受け付けると、帳票書式定義情報A23を解析し、その解析の結果を、帳票編集部A29に出力する。
【0014】
また、オープンサーバA2に接続される汎用プリンタA3が、ホストコンピュータA1が規定するフォント(字形および字体等の書体)を利用できない場合、オープンサーバA2内のフォントコンバートツールA25は、帳票編集の事前準備として、ホストコンピュータA1が規定するフォント(ホスト標準フォント情報A12およびユーザ定義フォント(外字)情報A13)を、オープンサーバ形式のフォント(一般的にはTrueTypeフォント)を表すフォント情報A26にコンバートする。フォントコンバートツールA25は、フォント情報A26を、プリンタ出力部A27に出力する。
【0015】
オープンサーバA2上で帳票編集を行う場合、印刷要求発生時に、ホストコンピュータA1内のオンライントランザクションプログラム実行部14は、帳票出力要求として、出力データ(テキストデータを含む)を、オープンサーバA2上のトランザクションデータ受信部A28に転送する。
【0016】
トランザクションデータ受信部A28は、帳票出力要求である出力データを受信すると、その出力データを帳票編集部A29に出力する。
【0017】
帳票編集部A29は、出力データを受け付けると、帳票書式定義解析部A24の解析結果にて規定された書式の帳票に、出力データ(テキストデータ)をオーバレイ(Overlay)して印刷データを生成する。帳票編集部A29は、印刷データを生成すると、その印刷データをプリンタ出力部A27に出力する。
【0018】
プリンタ出力部A27は、印刷データを受け付けると、印刷データ内のテキストデータをフォント情報A26に示されたフォントの文字で表す帳票印刷データを生成し、その帳票印刷データを汎用プリンタA3に出力して、汎用プリンタA3に帳票A4を印刷させる。
【0019】
ここで、参考例として、ホストコンピュータA1が専用端末プリンタA5を用いてオンライン帳票印刷を行う印刷システムを説明する。
【0020】
図10は、ホストコンピュータA1が専用端末プリンタA5を用いてオンライン帳票印刷を行う印刷システムを示したブロック図である。なお、図10において、図9に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0021】
図10において、ホストコンピュータA1が専用端末プリンタA5を用いてオンライン帳票印刷を行う場合、ホストコンピュータA1内の帳票編集機能部A17(具体的には、帳票編集部A171)が印刷データを生成するために必要な情報は、帳票書式定義情報A11と、オンライントランザクションプログラム実行部A14からの出力データ(帳票出力要求)と、印刷処理時に動的に帳票に埋め込まれる情報(システム情報A15とユーザ定義関数実行部A16の実行結果)である。
【0022】
帳票編集部A171は、トランザクションデータ受信部A172を介して、オンライントランザクションプログラム実行部A14からの出力データを受け付ける。帳票編集部A171は、帳票書式定義解析部A173を介して、帳票書式定義情報A11を受け付ける。帳票編集部A171は、システム情報取得部A174を介して、システム情報A15を受け付ける。帳票編集部A171は、ユーザ定義関数呼び出し部A175を介して、ユーザ定義関数実行部A16を呼び出し、ユーザ定義関数の実行結果を受け付ける。
【0023】
帳票編集部A171は、帳票書式定義情報A11であらかじめ定義された帳票デザイン上に、オンライントランザクションプログラム実行部A14からの出力データにて示された情報、システム情報、および、ユーザ定義関数の実行結果を埋め込むことで、コードにて規定された印刷データを合成する。なお、この印刷データは、専用端末プリンタA5の制御コードを含んでいる。
【0024】
図9に示した書式コンバート手法が実施される場合、オープンサーバA2が、ホストコンピュータA1にて管理されている情報へアクセスすることが困難であるため、ホストコンピュータA1側で印刷データに動的に埋め込む情報(システム情報A15およびユーザ定義関数実行部A16で実行されるユーザ定義関数)を移行対象外とすることが多い。
【0025】
また、書式コンバート手法以外の解決手法としては、汎用プリンタにホストコンピュータ用のプリンタ制御ドライバを搭載することによって、汎用プリンタを直接ホストコンピュータへ接続する方法が考えられる。
【0026】
また、その他の解決手法が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の手法は、専用端末プリンタの制御情報を含む印刷データを端末側(ホストコンピュータの外部の端末)が処理し、端末側が専用端末プリンタの制御情報の除去を行うという手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開2001−134678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
書式コンバート手法には、以下のような問題点が存在する。
【0029】
1つめの問題点は、印刷時に動的に埋め込む情報(システム情報およびユーザ定義関数)を移行対象外としている点である。
【0030】
これは、帳票印刷に利用すべきデータを一部利用しないことを意味する。このため、汎用プリンタA3での印刷結果が、専用端末プリンタA5での印刷結果とは異なるという結果が生じる。
【0031】
2つめの問題点は、コンバート後の帳票書式が、ホストコンピュータA1で規定された帳票書式と、完全一致しないという点である。
【0032】
これは、帳票書式には統一規格が存在せず、コンバート後の帳票書式が、オープンサーバA2の印刷プログラム実行部(帳票編集機能部)A22が利用できる形式(オープン形式)となるためである。よって、コンバート後の帳票書式は、オープンサーバA2の印刷プログラムに依存する。これにより、コンバート後の帳票書式がコンバート前の帳票書式と部分的にしか対応していない、あるいは、コンバート前の帳票書式と類似する帳票書式がコンバート後の帳票書式として用いられる、という状況が発生する。このため、オープンサーバA2の印刷プログラムごとに、汎用プリンタA3での印刷結果が異なるという結果が生じる。
【0033】
3つめの問題点は、帳票の出力結果がオープンサーバA2の印刷プログラムの帳票編集機能に依存する点である。印刷プログラムごとに帳票編集機能は異なるので、印刷プログラムごとに、汎用プリンタA3での印刷結果が異なるという結果が生じる。
【0034】
4つめの問題点は、印刷に利用する帳票書式定義情報およびフォント情報を、事前にコンバートする必要があるという点である。このため、適用手順が煩雑となり、非効率であるとともに、コンバート時に作業ミスの発生する危険性(書式のコンバート漏れ、または、フォント字形の対応づけ誤りなどの作業ミス)が生じうる。
【0035】
上述した4つの問題点により、書式コンバート手法による印刷物は、専用端末プリンタA5での印刷結果とは異なる、という課題が存在する。
【0036】
また、汎用プリンタを直接ホストコンピュータへ接続する手法では、プリンタ製造メーカ各社から販売される各種プリンタごとに、ホストコンピュータ向けのプリンタ制御ドライバを準備する必要があり、容易には実現できない。
【0037】
また、特許文献1に記載の手法では、ホストコンピュータ側で付与した制御情報を、ホストコンピュータに接続されたすべての端末側で削除するという処理が必要であり、非効率であるとともに、印刷結果が、専用端末プリンタA5での印刷結果と異なるという課題を解決することができない。
【0038】
本発明の目的は、上記課題を解決可能な印刷データ生成装置、印刷データ生成方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明の印刷データ生成装置は、帳票の書式を規定する書式情報と、前記書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と、前記複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する格納部と、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を示した記載情報を出力する出力部と、に接続される印刷データ生成装置であって、前記出力部から前記記載情報を受信する受信手段と、前記格納部から前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報を取得する取得手段と、前記受信手段にて前記記載情報が受信され、かつ、前記取得手段にて前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報が取得されると、前記書式情報が規定する書式の帳票に前記記載情報が示す文字と前記データ情報が示す文字とが前記書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷データとして生成する生成手段と、前記生成手段にて生成された印刷データを出力する出力手段と、を含む。
【0040】
本発明の印刷データ生成方法は、帳票の書式を規定する書式情報と、前記書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と、前記複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する格納部と、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を示した記載情報を出力する出力部と、に接続される印刷データ生成装置での印刷データ生成方法であって、前記出力部から前記記載情報を受信する受信ステップと、前記格納部から前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報を取得する取得ステップと、前記記載情報が受信され、かつ、前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報が取得されると、前記書式情報が規定する書式の帳票に前記記載情報が示す文字と前記データ情報が示す文字とが前記書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷データとして生成する生成ステップと、前記印刷データを出力する出力ステップと、を含む。
【0041】
本発明のプログラムは、帳票の書式を規定する書式情報と、前記書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と、前記複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する格納部と、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を示した記載情報を出力する出力部と、に接続されるコンピュータに、前記出力部から前記記載情報を受信する受信手順と、前記格納部から前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報を取得する取得手順と、前記記載情報が受信され、かつ、前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報が取得されると、前記書式情報が規定する書式の帳票に前記記載情報が示す文字と前記データ情報が示す文字とが前記書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷データとして生成する生成手順と、前記印刷データを出力する出力手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、印刷を管理するサーバを介して帳票の印刷処理を実行しても、格納部内の情報と出力部からの情報によって規定される帳票を容易に印刷することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態を示した図である。
【図2】帳票デザイン定義部にて定義されたデザインを示した図である。
【図3】埋め込み情報定義部を示した図である。
【図4】合成器16と帳票編集部A17とが共存する構成を示した図である。
【図5】合成部166の処理手順を示した流れ図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示した図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示した図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示した図である。
【図9】書式コンバート手法を行う印刷システムを示した図である。
【図10】ホストコンピュータA1が専用端末プリンタA5を用いてオンライン帳票印刷を行う印刷システムを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0045】
(第1実施形態)
図1は、印刷システムを示したブロック図である。
【0046】
図1において、印刷システムは、ホストコンピュータ1と、オープンサーバ2と、プリンタ3(3a〜3c)と、を含む。
【0047】
ホストコンピュータ1は、格納部11と、ユーザ定義関数実行部12(以下「実行部12」と称する)と、印刷イメージ出力形式選択部13(以下「選択部13」と称する)と、オンライントランザクションプログラム実行部14(以下「実行部14」と称する)と、印刷機能選択部15(以下「選択部15」と称する)と、印刷イメージ合成器16(以下「合成器16」と称する)と、を含む。
【0048】
実行部14と選択部15とは、出力部1Aに含まれる。
【0049】
合成器16は、トランザクションデータ受信部161(以下「受信部161」と称する)と、帳票書式定義解析部162(以下「解析部162」と称する)と、システム情報取得部163(以下「取得部163」と称する)と、ユーザ定義関数呼び出し部164(以下「呼出部164」と称する)と、フォント取得部165(以下「取得部165」と称する)と、印刷イメージ合成部166(以下「合成部166」と称する)と、印刷イメージデータ送信部167(以下「送信部167」と称する)と、印刷イメージファイル出力部168(以下「出力部168」と称する)と、を含む。
【0050】
解析部162と取得部163と取得部165とは、情報取得部1Bに含まれる。送信部167と出力部168とは、印刷データ出力部1Cに含まれる。
【0051】
オープンサーバ2は、印刷プログラム実行部21(以下「実行部21」と称する)と、プリンタ出力部22(以下「出力部22」と称する)と、を含む。
【0052】
格納部11は、帳票書式定義情報111と、システム情報112と、ホスト標準フォント情報113と、ユーザ定義フォント(外字)情報114と、を格納する。
【0053】
帳票書式定義情報111は、一般的に、帳票の書式を規定する書式情報と呼ぶことができる。帳票書式定義情報111は、帳票の出力形式(書式)を制御する情報を含む定義ファイルである。本実施形態では、帳票書式定義情報111は、帳票書式名ごとに設けられている。帳票書式定義情報111は、帳票デザイン定義部と、埋め込み情報定義部と、を有する。
【0054】
帳票デザイン定義部は、帳票の出力フォーマットのデザインを定義する。
【0055】
図2は、帳票デザイン定義部にて定義されたデザインを示した図である。以下、図2を参照して、帳票デザイン定義部にて定義された構成要素とその内容を説明する。
【0056】
図2において、罫線情報1111は、帳票上の罫線(表形式を表現する縦棒、横棒および下線)を示す情報である。罫線の組合せにより、ユーザ定義関数情報埋め込み領域1113、トランザクションデータ埋め込み領域1114、および、システム情報埋め込み領域1115が、帳票デザイン上に確保される。固定値出力情報1112は、固定的なテキストデータの出力内容を定義した情報である。
【0057】
なお、図2では帳票デザインが画像イメージとして表現されているが、帳票デザイン定義部では、帳票を構成する要素の座標、位置および出力内容が定義できればよいため、帳票デザイン定義部による帳票デザインは、論理的な定義であっても構わない。
【0058】
埋め込み情報定義部は、帳票中に埋め込む情報を定義する。
【0059】
図3は、埋め込み情報定義部にて定義された情報を示した図である。以下、図3を参照して、埋め込み情報定義部にて定義された情報を説明する。
【0060】
図3において、フィールド名1121は、埋め込み情報(フィールド)の識別名を定義する。
【0061】
フィールド形式1122は、フィールドの形式を定める情報であり、「トランザクションデータ」、「システム情報」および「ユーザ定義関数」のいずれかを指定することができる。なお、トランザクションデータは、実行部14の出力データである。
【0062】
フィールド形式1122が「トランザクションデータ」を示す場合は、トランザクションデータ中に存在する埋め込み情報(文字)を決定するためのオフセット1123およびサイズ1124が定義される。なお、オフセット1123は、埋め込み情報の開始位置を、トランザクションデータの先頭位置からの距離として示した情報である。サイズ1124は、埋め込み情報のサイズを示した情報である。
【0063】
フィールド形式1122が「システム情報」を示す場合は、システム情報種別1125により、システム(ホストコンピュータ1)が管理する情報が、埋め込み情報として指定される。システムの管理する情報は、システム情報112に示されている。システム情報112は、日付、時刻、帳票シーケンス番号、端末名およびユーザ名などの情報を示す。このため、システム情報種別1125により、日付、時刻、帳票シーケンス番号、端末名およびユーザ名などの情報を選択的に指定することができる。
【0064】
フィールド形式1122が「ユーザ定義関数」を示す場合は、実行ファイル名1126により、呼び出すべき実行ファイル(ユーザ定義関数)が指定される。
【0065】
埋め込み情報定義部は、さらに、埋め込み情報を紙面に表現するために使用される印字文字の修飾に関する情報として、以下の印字属性を示す。
【0066】
印字属性である位置座標1127は、埋め込み情報(文字)の印字位置を座標として指定する。位置座標1127は、例えば、紙面の左上を原点として定義される座標として「(10px,20px)」を指定する。
【0067】
印字属性であるサイズ1128は、埋め込み情報(文字)の印字サイズを指定する。サイズ1128は、例えば「10pt」と指定できる。
【0068】
印字属性であるフォント1129は、埋め込み情報(文字)に利用するフォントを指定する。フォント1129は、ホスト標準フォントと、ユーザにてカスタマイズされたフォント(外字)と、のいずれかを指定できる。
【0069】
印字属性である色1130は、埋め込み情報(文字)の色を指定する。
【0070】
図3に示した例では、フィールド「F1」は、トランザクションデータ中の、オフセット10を開始位置とするサイズ20のデータを、(10px,20px)の位置に10ptの大きさで、ホスト標準フォントの字形(書体)を用いて緑色で埋め込むことを示している。
【0071】
図1において、ホスト標準フォント情報113、および、ユーザ定義フォント(外字)情報114は、印刷に利用されるフォント(書体)を示す書体情報である。
【0072】
実行部12は、一般的に出力部と呼ぶことができる。実行部12は、ユーザが記述した関数(ユーザ定義関数)を実行する。実行部12は、印刷処理実行時に、合成器16からの要求により、ユーザ定義関数を実行する。ユーザ定義関数は、帳票に記載される文字(本実施形態では、図2に示したユーザ定義関数情報埋め込み領域1113に埋め込まれる文字)を決定するための処理を規定するプログラムである。ユーザ定義関数は、帳票名およびフィールド名と対応づけられて記憶されている。
【0073】
実行部12は、図10に示した、帳票編集機能部A17からの要求により実行される既存プログラム(ユーザ定義関数)を、そのまま利用することが可能である。ユーザ定義関数は、印刷内容を動的に変更する目的で利用される。
【0074】
ユーザ定義関数を呼び出す際は、帳票名およびフィールド名の2項目の情報が入力として実行部12に渡される。ユーザ定義関数実行部12の出力としては、テキストデータ(記載情報)が返却される。
【0075】
ユーザ定義関数の内容は任意であり、ユーザ定義関数の内容は、例えば、ホストコンピュータ1上に存在するファイルから情報を収集し、収集結果を示したテキストデータを返却するという処理内容でもよい。
【0076】
選択部13は、合成部166が生成する帳票の印刷イメージデータの出力形式をあらかじめ定めておくために使用される。選択部13は、印刷イメージデータの出力形式として、イメージデータ送信、あるいは、イメージファイルを選択できる。
【0077】
実行部14は、オンライントランザクションプログラムを実行する。オンライントランザクションプログラムは、帳票に記載される文字を決定するための処理を規定する帳票用トランザクションプログラムである。さらに言えば、オンライントランザクションプログラムは、オンライン業務を規定したプログラムであり、COBOLなどで記述される。実行部14は、オンライントランザクションプログラムを実行することによって、トランザクションの出力データ(記載情報)を、帳票出力要求として選択部15に出力する。帳票出力要求は、「帳票書式名」と「出力テキストデータ」と、を含んでいる。
【0078】
選択部15は、あらかじめ定められたルールにより、印刷機能を選択する。選択部15は、例えば、帳票出力要求内の帳票書式名に従って、印刷機能を選択する。選択部15による印刷機能の選択対象は、合成器16と図10で示した帳票編集機能部A17とである。
【0079】
なお、図1では、印刷機能の選択対象として、合成器16のみを用いた例を図示している。
【0080】
一方、図4では、印刷機能の選択対象として、合成器16と帳票編集機能部A17とが共存する構成(共存構成)を図示している。図4についての詳細は後述する。なお、図4において、図1または図10に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0081】
合成器16が選択された場合、選択部15は、実行部14からの帳票出力要求を、そのまま、合成器16内の受信部161へ通知する。
【0082】
合成器16は、選択部15からの帳票出力要求と、格納部11内の情報と、ユーザ定義関数実行部12からの出力と、に基づいて、帳票の印刷イメージデータを作成する。なお、帳票の印刷イメージデータは、画像データである。
【0083】
受信部161は、選択部15からの帳票出力要求を受信し、帳票出力要求を合成部166に出力する。
【0084】
解析部162は、格納部11内の帳票書式定義情報111を読み出し、帳票書式定義情報111を解析する。解析部162は、帳票書式定義情報111の解析結果(帳票書式定義情報111にて定義された情報)を、合成部166に出力する。
【0085】
取得部163は、格納部11内のシステム情報112を読み出し、システム情報112を、合成部166に出力する。
【0086】
呼出部164は、実行部12を呼び出し、実行部12にユーザ定義関数を実行させ、その実行結果を受信する。呼出部164は、その実行結果を合成部166に出力する。
【0087】
取得部165は、格納部11内のホスト標準フォント情報113およびユーザ定義フォント(外字)情報114を読み出し、ホスト標準フォント情報113およびユーザ定義フォント(外字)情報114を合成部166に出力する。
【0088】
合成部166は、図5に示す流れ図に従い、受信部161、解析部162、取得部163、呼出部164、および、取得部165を利用して、帳票の印刷イメージデータを合成する。
【0089】
合成部166は、帳票書式定義情報111の帳票デザイン定義部であらかじめ定義された帳票デザイン上に、帳票出力要求内の「帳票書式名」および「出力テキストデータ」、システム情報、および、ユーザ定義関数の実行結果のそれぞれから取得できるテキスト情報(文字)を、帳票書式定義情報111の埋め込み情報定義部であらかじめ定義された情報に基づいて埋め込むことで、印刷イメージデータを合成する。
【0090】
合成部116は、印刷イメージデータを合成すると、印刷イメージデータを、送信部167および出力部168に出力する。
【0091】
送信部167は、選択部13にて印刷イメージデータの出力形式としてイメージデータ送信が選択された場合、オープンサーバ2に印刷イメージデータを送信する。
【0092】
オープンサーバ2では、実行部21は、印刷イメージデータを受信すると、その印刷イメージデータを、プリンタ出力部22に渡す。プリンタ出力部22は、印刷イメージデータを受け付けると、その印刷イメージデータが示す帳票画像の印刷を、各社製のプリンタ3a〜3cのいずれかに実行させ、オンライン帳票を出力する。
【0093】
出力部168は、選択部13にて印刷イメージデータの出力形式としてイメージデータファイルが選択された場合、印刷イメージデータを、印刷イメージファイル4として出力する。
【0094】
本実施形態では、印刷イメージファイル4の形式として、ビットマップイメージのように画像として帳票を表す形式が用いられてもよいし、あるいは、PostScript(ポストスクリプト)のように論理的構造で帳票を表す形式が用いられてもよい。
【0095】
なお、合成器16は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、コンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行することによって、受信部161、解析部162、取得部163、呼出部164、取得部165、合成部166、送信部167、および、出力部168として機能する。記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。
【0096】
ここで、図4に示した共存構成を説明する。
【0097】
選択部15は、あらかじめ定められたルールにより、合成器16と帳票編集機能部A17のいずれかを選択する。
【0098】
合成器16は、帳票編集機能部A17で利用されていた各種情報(帳票書式定義情報111、システム情報112、ユーザ定義関数、および、フォント情報113および114)を、印刷イメージデータを合成するための入力情報として、そのまま利用することができるため、既存のオンライン印刷環境への適用が容易である。
【0099】
なお、図1および図4において、合成器16は、一般的に、印刷データ生成装置と呼ぶことができる。合成部16は、格納部11と出力部1Aと実行部12とに接続される。
【0100】
格納部11は、帳票の書式を規定する書式情報と、書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報(システム情報)と、書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する。
【0101】
出力部1Aおよび実行部12は、書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字のうち、データ情報で示された文字以外の文字を示した記載情報を出力する。
【0102】
本実施形態では、格納部11と出力部1Aと実行部12は、ホストコンピュータ1に内蔵される。
【0103】
受信部161は、一般的に受信手段と呼ぶことができる。受信部161は、出力部1Aから記載情報を受信する。呼出部164は、一般的に受信手段と呼ぶことができる。呼出部164は、実行部12から記載情報を受信する。情報取得部1Bは、一般的に取得手段と呼ぶことができる。情報取得部1Bは、格納部11内の書式情報と、格納部11内のデータ情報と、格納部11内の書体情報を取得する。
【0104】
合成部166は、一般的に生成手段と呼ぶことができる。合成部166は、受信部161にて記載情報が受信され、かつ、情報取得部1Bにて書式情報とデータ情報と書体情報が取得されると、書式情報が規定する書式の帳票に記載情報が示す文字とデータ情報が示す文字とが書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷イメージデータ(印刷データ)として生成する。
【0105】
印刷データ出力部1Cは、一般的に出力手段と呼ぶことができる。印刷データ出力部1Cは、合成部166にて生成された印刷イメージデータ(印刷データ)を出力する。
【0106】
次に、動作を説明する。
【0107】
図5は、合成部166の処理手順を示した流れ図である。以下の説明では、図3も参照して説明する。
【0108】
合成部166は、入力パラメータとして、実行部14からの出力データ(帳票出力要求)を受け取る。なお、図5では、出力データ(帳票出力要求)を「トランザクションデータ」として示している。トランザクションデータは、帳票書式名(P5−1)と、出力テキストデータ(P5−2)と、を含む。
【0109】
合成部166は、トランザクションデータを受け付けると、帳票書式名(P5−1)にて指示された帳票書式定義情報111を、解析部162を経由して読み込む(S5−1)。
【0110】
合成部166は、帳票書式定義情報111を読み込むと、帳票書式定義情報111の帳票デザイン定義部にて定義されたデザインに従い、帳票デザイン(罫線などの枠)を帳票イメージ(帳票画像)として、合成部166内のメモリ上に展開する(S5−2)。
【0111】
合成部166は、帳票イメージを展開すると、帳票書式定義情報111の埋め込み情報定義部にて定義された情報に従い、埋め込み項目(フィールド)ごとに、以下の処理を行う(S5−3〜S5−9間の処理を繰り返す)。
【0112】
合成部166は、フィールド形式1122(図3参照)に従い、埋め込むべきテキストデータを抽出する処理を分岐する(S5−4)。
【0113】
フィールド形式1122が「トランザクションデータ」を示す場合、合成部166は、埋め込み情報定義部にて定義されたオフセット1123およびサイズ1124に基づき、出力テキストデータ(P5−2)から、テキストデータを抽出する(S5−5)。
【0114】
具体的には、合成部166は、出力テキストデータ(P5−2)の先頭からオフセット1123で示された値だけ後の位置を開始位置とし、その開始位置からサイズ1124で示されたサイズだけ後の位置を終了位置とするテキストを抽出する。換言すると、合成部166は、出力テキストデータ(P5−2)から、開始位置から終了位置までのテキストデータを抽出する。
【0115】
フィールド形式が「システム情報」を示す場合、合成部166は、埋め込み情報定義部にて定義されたシステム情報種別1125(図3参照)に従い、取得部163を利用して、システム情報112から、システム情報種別1125にて指定されたテキストデータを取得する(S5−6)。
【0116】
フィールド形式が「ユーザ定義関数」を示す場合、合成部166は、埋め込み情報定義部にて定義された実行ファイル名1126が示すユーザ定義関数(図3参照)を、呼出部164を利用して呼び出すことで、実行部12にそのユーザ定義関数を実行させ、その実行結果であるテキストデータを取得する(S5−7)。
【0117】
合成部166は、各フィールド形式に基づいて取得したテキストデータを、フィールド属性1127、1128、1129および1130に従ったフォントの文字で表し、その文字を、メモリ上の帳票イメージのうち、埋め込み情報定義部にて定義された領域に埋め込む(S5−8)。
【0118】
合成部166が、埋め込み情報定義部に示された全フィールドについて、上記の埋め込み処理を行うことで、帳票イメージ(帳票画像)の合成処理は完了となる(S5−9)。
【0119】
合成部166は、最後に、帳票イメージを、印刷イメージデータとして出力する(S5−10)。
【0120】
印刷イメージデータは、選択部13による選択に従い、送信部167を経由して、オープンサーバ2に接続されたプリンタ3へ出力されるか、出力部168を経由して、印刷イメージファイル4として出力される。
【0121】
本実施形態では、合成部166は、受信部161にて記載情報が受信され、かつ、情報取得部1Bにて書式情報とデータ情報と書体情報が取得されると、書式情報が規定する書式の帳票に記載情報が示す文字とデータ情報が示す文字とが書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷イメージデータ(印刷データ)として生成する。
【0122】
このため、以下の効果を奏する。
【0123】
オープンサーバ上の印刷プログラムへ印刷データを送出する前に、帳票イメージ(画像データ)の合成を完了し、印刷データ(画像データ)として帳票の形態を固定化することができるため、オープンサーバの印刷プログラムの印刷機能の差異に影響されずに、同じイメージの帳票印刷を行うことができる。
【0124】
プリンタメーカ各社から販売されるさまざまなプリンタについて、ホストコンピュータ向けのプリンタドライバを準備することなく、ホストコンピュータのオンライン帳票を印刷することができる。
【0125】
帳票イメージとして合成するために必要な情報は、すべてホストコンピュータに存在する従来の情報を利用できるため、帳票形式・文字形式・出力情報を含め、従来の印刷物と同じイメージの印刷物を生成することができる。
【0126】
帳票イメージとして合成するために必要な情報は、すべてホストコンピュータに存在する従来の情報を利用できるため、既存のオンライン印刷環境への適用が容易である。
【0127】
帳票イメージとして合成するために必要な情報は、すべてホストコンピュータに存在する従来の情報を利用できるため、事前に帳票定義をコンバートする作業が不要となる。
【0128】
印刷イメージをファイルとして取り出すことができるため、印刷用途に限らずに、副次的な利用が可能となる。
【0129】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、合成部16をオープンサーバに適用したものである。図6は、第2実施形態を示した図である。
【0130】
合成器16内の解析部162、取得部163、呼出部164および取得部165のそれぞれは、以下の機能が追加されている。
【0131】
解析部162には、ホストコンピュータ1上の帳票書式定義情報111を、ネットワーク(不図示)を経由して取得する機能が追加されている。
【0132】
取得部163には、ホストコンピュータ上のシステム情報112を、ネットワーク(不図示)を経由して取得する機能が追加されている。
【0133】
呼出部164には、ホストコンピュータ上の実行部12を、ネットワーク(不図示)を経由して呼び出す機能が追加されている。
【0134】
取得部165には、ホストコンピュータ上のフォント情報113および114を、ネットワークを(不図示)経由して取得する機能が追加されている。
【0135】
本実施形態によれば、従来、ホストコンピュータ1上で帳票編集して専用端末プリンタに出力していた印刷物と同じイメージの印刷データをオープンサーバ2上で合成することが可能になる。
【0136】
また、本実施形態は、本発明の実施形態の合成器16の搭載位置がホストコンピュータ1に限定されないことを意味する。
【0137】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、合成部16をオープンサーバに適用した他の形態である。図7は、第3実施形態を示した図である。
【0138】
第2実施形態との差は、第3実施形態では、システム情報として、ホストコンピュータ1上のシステム情報112ではなく、オープンサーバ2上のシステム情報23を利用すること、および、ユーザ定義関数を、オープンサーバ2上で実行する形態をとることである。
【0139】
オープンサーバ2にホスト関数実行環境(エミュレータ)24が導入され、エミュレータ24が、ホストコンピュータ上のバイナリファイルをそのまま実行可能なので、ホストコンピュータ1上のユーザ定義関数をそのままコピーして利用することができる。
【0140】
帳票出力要求保留機構25は、帳票出力要求を一時保留することができる機構である。
【0141】
第3実施形態によれば、ホストコンピュータ上で帳票編集出力して専用端末プリンタに出力していた印刷物と同じイメージの印刷データをオープンサーバ2上で合成することが可能になる。
【0142】
また、この構成の場合は、埋め込み情報にオープンサーバ2上のシステム情報を利用することができ、埋め込み情報の取得タイミングを「帳票を紙に印刷する時点」とすることができる。
【0143】
帳票出力要求保留機構25が、一時的に帳票出力要求を保留する場合、印刷要求時(トランザクションからの要求時点)の情報よりも、「帳票を紙に印刷する時点」での情報を重視するような帳票印刷に有効な構成である。
【0144】
例えば、印刷日時を埋め込む帳票などに効果がある。
【0145】
(第4実施形態)
最後に、部分的オープン移行環境の適用例を図8に示す。
【0146】
本実施形態では、実行部14がオープンサーバ2に配置される。本実施形態は、帳票印刷をホストプログラムに要求する構成に適用可能である。オープンサーバ環境への移行(マイグレーション)の過程で、印刷環境は、ホストコンピュータに残すという形態を実現することができる。本実施形態は、システムの順次移行時に効果がある。
【0147】
なお、上記各実施形態は、ホストコンピュータ上のオンライントランザクションプログラムの実行に伴って帳票印刷を行うシステム、特に、マルチプラットフォーム構成(ホストコンピュータ、および、複数のオープンサーバからなる構成)で業務システムを構築し、印刷業務を特定のオープンサーバ(印刷サーバ)に集約する構成を持つシステムへ適用することができる。
【0148】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0149】
1 ホストコンピュータ
11 格納部
12 ユーザ定義関数実行部
13 印刷イメージ出力形式選択部
14 オンライントランザクションプログラム実行部
15 印刷機能選択部
16 印刷イメージ合成器
161 トランザクションデータ受信部
162 帳票書式定義解析部
163 システム情報取得部
164 ユーザ定義関数呼び出し部
165 フォント取得部
166 印刷イメージ合成部
167 印刷イメージデータ送信部
168 印刷イメージファイル出力部
2 オープンサーバ
21 印刷プログラム実行部
22 プリンタ出力部
3 プリンタ
A17 帳票編集機能部
24 エミュレータ
25 帳票出力要求保留機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票の書式を規定する書式情報と、前記書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と、前記複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する格納部と、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を示した記載情報を出力する出力部と、に接続される印刷データ生成装置であって、
前記出力部から前記記載情報を受信する受信手段と、
前記格納部から前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報を取得する取得手段と、
前記受信手段にて前記記載情報が受信され、かつ、前記取得手段にて前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報が取得されると、前記書式情報が規定する書式の帳票に前記記載情報が示す文字と前記データ情報が示す文字とが前記書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷データとして生成する生成手段と、
前記生成手段にて生成された印刷データを出力する出力手段と、を含む印刷データ生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷データ生成装置において、
前記出力部は、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を決定するための処理を規定するプログラムを実行し、当該プログラムの実行結果を、前記記載情報として出力するものである、印刷データ生成装置。
【請求項3】
帳票の書式を規定する書式情報と、前記書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と、前記複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する格納部と、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を示した記載情報を出力する出力部と、に接続される印刷データ生成装置での印刷データ生成方法であって、
前記出力部から前記記載情報を受信する受信ステップと、
前記格納部から前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報を取得する取得ステップと、
前記記載情報が受信され、かつ、前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報が取得されると、前記書式情報が規定する書式の帳票に前記記載情報が示す文字と前記データ情報が示す文字とが前記書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷データとして生成する生成ステップと、
前記印刷データを出力する出力ステップと、を含む印刷データ生成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷データ生成方法において、
前記出力部は、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を決定するための処理を規定するプログラムを実行し、当該プログラムの実行結果を、前記記載情報として出力するものである、印刷データ生成方法。
【請求項5】
帳票の書式を規定する書式情報と、前記書式情報で規定された書式の帳票に記載される複数の文字の一部を示したデータ情報と、前記複数の文字の書体を示した書体情報と、を格納する格納部と、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を示した記載情報を出力する出力部と、に接続されるコンピュータに、
前記出力部から前記記載情報を受信する受信手順と、
前記格納部から前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報を取得する取得手順と、
前記記載情報が受信され、かつ、前記書式情報と前記データ情報と前記書体情報が取得されると、前記書式情報が規定する書式の帳票に前記記載情報が示す文字と前記データ情報が示す文字とが前記書体情報が示す書体で記載された出力用帳票を表す画像データを、印刷データとして生成する生成手順と、
前記印刷データを出力する出力手順と、を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記出力部は、前記複数の文字のうち前記一部以外の文字を決定するための処理を規定するプログラムを実行し、当該プログラムの実行結果を、前記記載情報として出力するものである、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−170670(P2011−170670A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34614(P2010−34614)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】