説明

印刷制御システム、印刷制御装置、制御方法、プログラムならびに記憶媒体。

【課題】利用者に応じたプリント環境の構築を可能にするとともに、細かな権限付与をすることが可能な印刷システムを提供することを目的とする。
【解決手段】利用者の認証を受付ける認証受付手段と、装填された前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバをセットアップするセットアップ手段と、前記認証受付手段により認証を受けた利用者の、前記セットアップ手段によりセットアップされたプリンタドライバに対応した印刷装置への利用権限を、前記利用権限情報の内容に応じて設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して印刷する際、ユーザの印刷に対する権限を制御可能な印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、USB等の可搬型記憶媒体を用いた印刷システムが考えられている。その1つとして、特許文献1には、プリンタの利用にかかる利便性を向上させた「印刷システムおよび補助記憶装置およびプリンタ」が開示されている。これは、ホスト装置に無線機能付きのUSBメモリが接続されることによりプリンタドライバがインストールされ印刷環境を構築し、USBメモリが非接続となるとプリンタドライバが削除されるものである。プリンタドライバはUSBメモリと無線通信したプリンタに対応したものがインストールされる。
【0003】
また、特許文献2には、可搬型記憶媒体に保存された認証情報を用い、利用者の利便性を向上させる「管理端末、画像処理装置、制御システム及び制御プログラム並びに制御方法」が開示されている。これは、USBメモリに認証情報を登録しておき、認証情報が記憶されている場合には、認証ユーザとしてログインを許可すると共に、記憶されていない場合でもゲストユーザとしてログインを許可するものである。認証ユーザはゲストユーザより画像処理装置のより多くの機能を利用することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−217480
【特許文献2】特開2008−171113
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の「印刷システムおよび補助記憶装置およびプリンタ」においては、USBメモリと無線通信したプリンタに対応したプリンタドライバをインストールしている。よってプリンタと接続されるたびにプリンタドライバがインストールされることになり、無駄なインストールが行われてしまう可能性がある。
【0006】
また特許文献2に記載の「管理端末、画像処理装置、制御システム及び制御プログラム並びに制御方法」では、USBメモリに記憶された認証情報はシステムへのログイン認証に利用されているだけであり、印刷装置を利用する際の細かな権限付与に対して利便性にかける。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、利用者に応じたプリント環境の構築を可能にするとともに、細かな権限付与をすることが可能な印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
印刷装置のプリンタドライバおよび当該印刷装置に対する利用者の利用権限情報が記憶された可搬型記憶媒体の装填を受付ける可搬型記憶媒体装填手段と、印刷装置の利用者の認証を受付ける認証受付手段と、装填された前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバをセットアップするセットアップ手段と、認証受付手段により認証を受けた利用者の、前記セットアップ手段によりセットアップされたプリンタドライバに対応した印刷装置への利用権限を、前記利用権限情報の内容に応じて設定する利用権限設定手段とを有することを特徴とする。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者に応じたプリント環境の構築を可能とするとともに、細かな権限付与をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における印刷制御システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態における情報処理装置のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施形態における印刷制御システムのシステムブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における印刷制御システムにおける第1の制御フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における管理者アプリケーションでの環境構築画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における利用者権限の管理情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における認証情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における画像処理装置情報の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における可搬型記憶媒体内に記憶されるデータフォルダの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における利用者権限情報の一例を示す図である
【図11】本発明の実施形態における第2の制御フローを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態における画像処理装置の選択画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態における第3の制御フローを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態における第4の制御フローを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態における画像処理装置情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における印刷制御システムのシステム構成図である。
【0012】
印刷制御装置100、101は印刷を行う利用者が使用する利用者端末である。印刷制御装置は、通信ネットワーク500を介して、画像処理装置200〜202とデータの送受信が可能である。また印刷制御装置は、可搬型記憶媒体400を装填するためのインターフェイス部を備えており、可搬型記憶媒体が装填されることにより、利用者が印刷をするために画像処理装置に送信する画像データを生成する画像処理装置ドライバがインストールされる。
【0013】
画像処理装置200〜202は利用者毎の認証が可能な装置であることが好ましい。例えば、部門ごとにIDとパスワードを登録し、登録されたIDとパスワードを知っている利用者のみが印刷可能なデバイスであってもよいし、別途認証サーバを設けて認証されたユーザのみが利用可能なように構成してもよい。
【0014】
管理者用端末300は管理者が利用する管理者用端末である。管理者用端末300は、必ずしも通信ネットワーク500上に接続されている必要はない。管理者端末は、可搬型記憶媒体400を装填するためのインターフェイス部を備えており、画像処理装置ドライバインストーラや画像処理装置の利用者に対する利用権限などを可搬型記憶媒体400に記憶させることが可能である。
また、管理者用端末300は、管理対象の画像処理装置の設置場所やIPアドレスなどの管理情報である画像処理装置情報を記憶している。
可搬型記憶媒体400は、管理者が情報を記憶させ、利用者が印刷環境の構築および画像処理装置との認証に用いるためのものである。
【0015】
上述したように、印刷制御装置100、101と画像処理装置200〜202とは、ネットワーク500を介して相互に接続されている。利用者端末100、101は、ネットワーク上の画像処理装置200〜202に対して印刷処理を実行する。管理者は可搬型記憶媒体を用いて、利用者の印刷を制限する。
【0016】
図2は、本発明の実施形態における印刷制御装置100および管理者用端末300として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成図である。201はCPUで、プログラム用ROM203に記憶されたプログラムに基づいてシステムバス200に接続された各デバイスを制御し、情報処理装置全体を統括制御する。
また、データ用ROM204には各種データが記憶される。202はRAMで、CPU201の主メモリ,ワークエリア等として機能する。
【0017】
205はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)209や図示しない、例えばマウスなどのポインティングデバイスからの入力を制御する。206はディスプレイコントローラ(DC)で、ディスプレイ210の表示を制御する。なお、ディスプレイはCRTであってもLCD等のその他の形式の表示装置であってもよい。
207はメモリコントローラ(MC)で、ハードディスク(HD)211とのアクセスを制御する。
【0018】
208は周辺機器接続インタフェース(USB I/F)で、USBメモリ212等の可搬型記憶媒体や、図示しないその他の周辺機器とのアクセスを制御する。
220はネットワークインタフェース(NW I/F)で、ネットワーク500を介して画像処理装置200との通信を制御する。
図3は、本発明の実施形態における印刷制御システムのシステムブロック図である。
【0019】
図1で示したように印刷制御装置100と画像処理装置200が通信ネットワーク500を介して接続されている。利用者は、管理者端末300により印刷に必要な情報やプリンタドライバなどがセットされた可搬型記憶媒体400を利用し、印刷制御装置100から画像処理装置200に印刷することが可能となっている。
【0020】
例えば、大学などで学生がUSBメモリを購買部にもって行くとUSBメモリに印刷可能枚数情報をセットしてくれ、学生はそのUSBメモリ内の印刷可能枚数が0になるまでは印刷が可能なようにすることが可能となる。また、企業において本社のプリンタを使用したい本社へ出張中の支店の社員に、設定されたUSBメモリを貸与することで利用できるプリンタを限定するようなことも可能である。
【0021】
管理者用端末300には、管理者アプリケーション1200と画像処理装置情報800およびインストーラ一式として、画像処理装置ドライバインストーラ1300、印刷監視アプリケーションインストーラ1400が記憶されている。画像処理装置ドライバインストーラ1300は、画像処理装置の機種に対応したプリンタドライバのことであり、インストーラ形式になっているものでも、手動でセットアップするものでもよく、提供される形態は問わない。
【0022】
管理者アプリケーション1200は、装填された可搬型記憶媒体400に各種情報をセットアップするためのアプリケーションである。画像処理装置情報800は、印刷に利用される画像処理装置の管理情報である。画像処理装置情報の一例を図8に示す。
【0023】
図8は、本発明の実施形態における画像処理装置情報の一例を示す図である。本システムで利用可能な画像処理装置801、機種名802、機種名に対応したプリンタドライバ名830、プリンタドライバのバージョン804、および画像処理装置のIPアドレス/host名805が記憶されている。これら管理者用端末300に記憶されている内容が可搬型記憶媒体400に、管理者アプリケーション1200によってセットされる。
【0024】
可搬型記憶媒体400には、管理者用端末300からコピーされたインストーラ一式として、画像処理装置ドライバインストーラ1300および印刷監視アプリケーションインストーラ1400が記憶される。また、印刷監視アプリケーションインストーラ1400によってインストールされた印刷監視アプリケーションが利用する情報として、利用者権限情報2300および画像処理装置情報2400が記憶されている。利用者権限情報の一例を図10に示す。
【0025】
図10は、本発明の実施形態における利用者権限情報の一例を示す図である。利用するユーザ毎に、ユーザ名2301、ユーザレベル2302およびトータル残印刷可能枚数2303が記憶されている。ユーザレベル2302は、ユーザ毎に設定されているもので、例えば5段階などに分けてレベルを設定するものである。ユーザはレベルにより、印刷装置の機能を利用可能な権限が異なる。利用可能な権限および印刷可能枚数2303は、管理者用端末300で管理者アプリケーション1200によって設定されたものである。ここで、可搬型記憶媒体1つに対して、1のユーザを設定しておくこともできるし、複数のユーザを設定しておくこともできる。複数のユーザが設定されている場合、可搬型記憶媒体を複数人で共有して使うことが可能となる。
画像処理装置情報2400は、ユーザが利用可能な画像処理装置が設定されている。画像処理装置情報の一例を図15に示す。
【0026】
図15は、画像処理装置情報2400の一例を示す図である。記憶されている内容は、管理者用端末300に記憶されている画像処理装置情報800の項目に加え、残印刷可能枚数1106と印刷中枚数1107が追加されたものである。利用するユーザ用に作成される。ここでは、ユーザA用の画像処理装置として表示されているプリンタAとプリンタBが利用可能となっていることがわかる。また、ユーザAはレベル5となっており、ユーザはレベルに応じた機能を利用することができる。利用可能なプリンタは後述する管理者アプリケーションによって設定される。
【0027】
図3の説明に戻る。画像処理装置200には、認証情報2000が記憶されている。これは利用者が画像処理装置を利用するための認証情報である。印刷制御システムはこの情報を利用して認証を行うことが可能であるが、これ以外にも認証サーバなどにより画像処理装置の利用に関する認証を行うことも可能である。画像処理装置201、202についても同様である。
【0028】
印刷制御装置100には、印刷ポート3000、画像処理装置ドライバ1301、および印刷監視アプリケーションが記憶される。印刷ポート3000は、画像処理装置ドライバ1301がインストールされる際に可搬型記憶媒体400の画像処理装置情報2400を利用して作成される。
次に図4を用いて管理者端末300における管理者アプリケーションによる可搬型記憶媒体への情報設定方法について説明する。
図4は、本発明の実施形態における印刷制御システムにおける第1の制御フローを示すフローチャートである。
【0029】
管理者端末300は、ステップS401で不図示の管理者アプリケーションを起動する。ステップS402で可搬型記憶媒体400の装填を確認できたら、ステップS404で可搬型記憶媒体内400に本システムのデータフォルダが存在するかを確認する。一方、差し込みが無い場合ステップS403で不図示の差し込み要求画面を表示する。
【0030】
ステップS404で本システムのデータフォルダが存在した場合は、ステップS406に進み、可搬型記憶媒体400内に存在しなかった場合は、ステップS405でデータフォルダを作成する。図9に本システムのデータフォルダの一例を示す。
図9は、本発明の実施形態における可搬型記憶媒体内に記憶されるデータフォルダの一例を示す図である。
【0031】
RPS(リムーバブル・プリント・システム)フォルダをルートとして、印刷監視アプリケーションインストーラ1400が記憶されたPortMonitorフォルダ902、画像処理装置ドライバインストーラ1300が記憶されたDriversフォルダ903、利用者権限情報2300が記憶されたUserinfoフォルダ905および画像処理装置情報2400が記憶されたDeviceInfoフォルダ906が記憶されたSettingInfoフォルダ904から構成される。
【0032】
次にステップS406で、可搬型記憶媒体400内に、印刷監視アプリケーションインストーラ1400が存在するか確認する。存在しなければ、ステップS407にて印刷監視アプリケーションインストーラ1400を可搬型記憶媒体400に記憶させる。
【0033】
ステップS408にて管理者は管理者アプリケーション1200から提供される操作画面を介して、利用者に印刷の環境構築を許可する画像処理装置の選択を実施する。操作画面の一例を図5に示す。
【0034】
図5は、本発明の実施形態における管理者アプリケーションでの環境構築画面の一例を示す図である。トータル枚数欄501で、トータルの印刷可能枚数を設定する。利用を許可したいプリンタ名欄502のチェックボックスにチェックをし、印刷可能枚数欄503に枚数がトータル枚数となるように設定する。設定が終わったら登録ボタン504を押下することにより、可搬型記憶媒体400に記憶させることができる。ユーザ毎に設定することが可能となっている。
【0035】
ステップS409では可搬型記憶媒体内400に最新の画像処理装置ドライバインストーラ1300が存在するか確認する。存在しないまたは画像処理装置ドライバインストーラ1300のバージョンが古ければ最新の画像処理装置ドライバインストーラ1300を可搬型記憶媒体400に記憶させる。
【0036】
次にステップS411にて可搬型記憶媒体400に画像処理情報2400を管理する画像処理装置の情報ファイルが存在するか確認する。存在しなければステップS412で画像処理装置の情報ファイルを作成する。ステップS413では、ステップS408で選択した画像処理装置の情報があるかを確認し、存在しなければステップS414で不足している画像処理装置の情報を追加し、ステップS415にて画像処理装置情報2400を更新する。
【0037】
次にステップS416にて利用者権限情報2300を管理する利用者権限情報ファイルがあるかを確認し、可搬型記憶媒体になければ、図5の環境構築画面を表示し、利用者権限を設定する。
以上のフローにより、可搬型記憶媒体400には、図9に示す印刷システムの構成ファイルが作成される。
次に図11を用いて、利用者端末100に印刷環境を構築するフローを説明する。
図11は、本発明の実施形態における第2の制御フローを示すフローチャートである。
【0038】
利用者端末100は、ステップS1101にて可搬型記憶媒体400が装填されたことを認識すると、ステップS1102で可搬型記憶媒体400にアクセスする。ステップS1103で可搬型記憶媒体400内の印刷監視アプリケーションインストーラ1400が起動し、印刷監視アプリケーション1100を利用者端末100に対してインストールを行う。自動ではなく、インストーラを手動で起動することも可能である。
【0039】
ステップS1104にて、可搬型記憶媒体400内に画像処理装置情報2400内の印刷中枚数1107が0でないかを確認する。印刷中枚数が0でないということは、印刷フローの説明にて後述するが印刷中に可搬型記憶媒体400が利用者端末100から抜かれた等の不正な処理が行われた可能性が高い。よってステップS1105にて利用者権限情報2300内のトータル残印刷可能印刷枚数と画像処理装置情報2400内の残印刷可能枚数から印刷中枚数分を反映させ、不正な印刷を防止する。すなわち、印刷中枚数を0にし、残印刷可能枚数から減算する処理を行う。
【0040】
ステップS1106にて可搬型記憶媒体内の画像処理装置情報2400から利用可能な画像処理装置情報を取得し、ステップS1107にて利用する画像処理装置画面を介して利用する画像処理装置を選択する。図12に画像処理装置の選択画面の一例を示す。
図12は、本発明の実施形態における画像処理装置の選択画面の一例を示す図である。
【0041】
画面には、プリンタ名1201、モデル名1202、印刷可能枚数1203、設置場所1204、利用可能機能1205等が表示される。これらの情報は、画像処理装置情報2400から取得し表示することも可能であるし、別途管理されているものから表示することも可能である。また、インストールするプリンタドライバを図12のような画面から選択させるのではなく、ユーザが、図5に示す印刷環境設定画面から使用を許可されているプリンタのプリンタドライバのみをインストール対象として自動で選択することも可能である。
【0042】
ステップS1108で利用者端末100に既に最新の画像処理装置ドライバ1000がインストールされているか確認する。最新の画像処理装置ドライバ1000がインストールされていなければ、ステップS1110にて可搬型記憶媒体400内の画像処理装置ドライバインストーラ1300を起動し、利用者端末100に最新の画像処理装置ドライバ1000をインストールする。
【0043】
ステップS1111にて可搬型記憶媒体400内の画像処理装置情報2400を参照し、利用者端末100に印刷ポート3000を作成する。また、ステップS1112で可搬型記憶媒体400内の利用者権限情報2300を参照し、S1113で利用者権限に応じた機能利用制限を画像処理装置ドライバに設定する。本フローにて、利用者端末100に印刷環境が構築される。
図6に利用者権限に応じた機能利用制限情報の一例を示す。
図6は、本発明の実施形態における利用者権限の管理情報の一例を示す図である。
【0044】
レベル1〜5で設定されたユーザレベル601、モノクロ/カラー/両面/ステイプルなどのプリント機能602、FAX機能603から構成されている。ユーザレベル601は、可搬型記憶媒体400の利用者権限情報2300内に設定されているレベルである。そのレベルに応じて、プリント機能やFAX機能の利用制限が可能となっている。例えばレベル5のユーザは全部の機能を利用可能なように設定することもできる。
次に利用者が利用者端末100から、画像処理装置200に対し印刷要求を行った時のフローについて図13を用いて説明する。
図13は、本発明の実施形態における第3の制御フローを示すフローチャートである。
【0045】
ステップS1301にて利用者が、印刷要求を行うと印刷監視アプリケーション1100はステップS1302で可搬型記憶媒体400が利用者端末100に装填してあるか確認する。可搬型記憶媒体400が未装填の状態で印刷要求を行なう。次に印刷監視アプリケーション1100はステップS1305で不図示のエラー画面を表示し、印刷ポート3000を削除後、ステップS1306にて印刷監視アプリケーション1100自身をアンインストールする。
【0046】
一方、可搬型記憶媒体400が装填されていれば、ステップS1303で可搬型記憶媒体400にアクセスし、画像処理装置情報2400内の印刷要求対象となる画像処理装置の残印刷可能枚数と利用者権限情報2300内のトータル残印刷可能枚数と印刷要求枚数を確認する。印刷要求枚数が、残印刷可能枚数およびトータル残印刷可能枚数より多い場合はステップS1313で不図示のエラー画面を表示し、印刷要求を終了する。
【0047】
残印刷可能枚数およびトータル残印刷可能枚数が残っている場合は、印刷要求を画像処理装置200に転送する前に、ステップS1307で可搬型記憶媒体400に画像処理装置情報2400内の印刷中枚数をカウントアップする。画像処理装置200に印刷データを転送後に可搬型記憶媒体400が利用者端末100から抜かれた場合や、利用者端末100が電源断した場合は、次に可搬型記憶媒体400にアクセスしたときに、画像処理装置情報2400内の残印刷可能枚数および利用者権限情報2300内のトータル残印刷可能枚数をカウントダウンすることが可能になり不正な印刷を防止できる。
【0048】
ステップS1309にて印刷監視アプリケーション1100は、画像処理装置情報2400内の認証情報(ユーザIDとパスワード情報)を取得し、その情報を用いて印刷データを画像処理装置200に転送する。認証が失敗した場合、ステップS1313にてエラー画面を表示して終了する。認証情報の一例を図7に示す。
【0049】
図7は、本発明の実施形態における認証情報の一例を示す図である。認証情報はユーザID701とパスワード702からなり、画像処理装置への認証情報である。認証方法としては、このようにユーザ名とパスワードを利用する方法や、別途認証サーバを用いたアクティブディレクトリを使用する方法など、さまざまな認証方法を利用することができる。
【0050】
印刷監視アプリケーション1100は、正常に印刷が完了するまで印刷ジョブを追跡し、ステップS1312にて印刷ジョブのエラー終了を検知した場合はエラー画面を表示する。正常に印刷ジョブが終了したことを検知したらステップS1314にて画像処理装置情報2400内の印刷中枚数をクリアするとともに、その値を画像処理装置情報2400内の残印刷枚数情報および利用者権限情報2300内のトータル残印刷可能枚数からカウントダウンする。途中でエラーになった場合は印刷できた枚数分を反映し処理を終了する。
【0051】
図14は、本発明の実施形態における第4の制御フローを示すフローチャートである。可搬型記憶媒体400が利用者端末100から抜かれた場合のフローに対応する。
【0052】
ステップS1401にて印刷監視アプリケーション1100は可搬型記憶媒体400が利用者端末100から抜かれたことを検知すると、ステップS1402にて印刷ポート3000を利用者端末100から削除する。ステップS1403にて印刷監視アプリケーション1100自身もアンインストールする。本フローにより、可搬型記憶媒体400が利用者端末100から抜かれると、利用者端末100から印刷環境が削除され元の状態に戻すことが可能となる。
【0053】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0054】
また、本発明におけるプログラムは、本発明に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体はコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0055】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0056】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0057】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0058】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0059】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0060】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0061】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
201 CPU
202 RAM
203 プログラムROM
204 データROM
205 KBC
206 DC
207 MC
208 UBS I/F
209 NW I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して印刷装置に接続可能な印刷制御装置と、前記印刷制御装置に着脱可能な可搬型記憶媒体とからなる印刷制御システムにおいて、
前記可搬型記憶媒体には、
前記印刷装置のプリンタドライバおよび当該印刷装置に対する利用者の利用権限情報が記憶されており、
前記印刷制御装置は、
前記印刷装置の利用者の認証を受付ける認証受付手段と、
装填された前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバをセットアップするセットアップ手段と、
前記認証受付手段により認証を受けた利用者の、前記セットアップ手段によりセットアップされたプリンタドライバに対応した印刷装置への利用権限を、前記利用権限情報の内容に応じて設定する利用権限設定手段と、
を有することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
前記セットアップ手段は、前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバのうち、前記認証を受けた利用者のもつ利用権限に応じた印刷装置に対応したプリンタドライバをセットアップすることを特徴とする請求項1記載の印刷制御システム
【請求項3】
前記セットアップ手段は、前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバのうち、前記認証を受けた利用者のもつ利用権限に応じた印刷装置に対応したプリンタドライバを選択可能な状態で表示制御することを特徴とする請求項1記載の印刷制御システム
【請求項4】
前記利用権限情報には、前記印刷装置に対する前記利用者の印刷可能枚数および利用可能な機能が含まれることを特徴とする請求項1乃至3記載の印刷制御システム
【請求項5】
前記セットアップ手段は、前記印刷制御装置に装填された際に自動起動することを特徴とする請求項1乃至4記載の印刷システム。
【請求項6】
ネットワークを介して印刷装置に接続可能な印刷制御装置であって、
前記印刷装置のプリンタドライバおよび当該印刷装置に対する利用者の利用権限情報が記憶された可搬型記憶媒体の装填を受付ける可搬型記憶媒体装填手段と、
前記印刷装置の利用者の認証を受付ける認証受付手段と、
装填された前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバをセットアップするセットアップ手段と、
前記認証受付手段により認証を受けた利用者の、前記セットアップ手段によりセットアップされたプリンタドライバに対応した印刷装置への利用権限を、前記利用権限情報の内容に応じて設定する利用権限設定手段と、
を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項7】
ネットワークを介して印刷装置に接続可能な印刷制御装置の制御方法であって、
前記印刷装置のプリンタドライバおよび当該印刷装置に対する利用者の利用権限情報が記憶された可搬型記憶媒体の装填を受付ける可搬型記憶媒体装填ステップと、
前記印刷装置の利用者の認証を受付ける認証受付ステップと、
装填された前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバをセットアップするセットアップステップと、
前記認証受付ステップにより認証を受けた利用者の、前記セットアップステップによりセットアップされたプリンタドライバに対応した印刷装置への利用権限を、前記利用権限情報の内容に応じて設定する利用権限設定ステップと、
を有することを特徴とする印刷制御装置の制御方法。
【請求項8】
ネットワークを介して印刷装置に接続可能な印刷制御装置において実行可能なプログラムあって、
前記印刷装置のプリンタドライバおよび当該印刷装置に対する利用者の利用権限情報が記憶された可搬型記憶媒体の装填する可搬型記憶媒体装填手段と、
前記印刷装置の利用者の認証を受付ける認証受付手段と、
装填された前記可搬型記憶媒体に記憶されているプリンタドライバをセットアップするセットアップ手段と、
前記認証受付手段により認証を受けた利用者の、前記セットアップ手段によりセットアップされたプリンタドライバに対応した印刷装置への利用権限を、前記利用権限情報の内容に応じて設定する利用権限設定手段と、
して前記印刷制御装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−180785(P2011−180785A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43499(P2010−43499)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)