説明

印刷方法およびインクジェット吐出装置

【課題】簡易な工程で高画質の転写画像を得ることが可能な印刷方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る印刷方法は、ラテックスインクを転写媒体10上に塗布してインク塗布面を形成する塗布工程と、前記転写媒体10を加熱して、前記ラテックスインクの粘度を上げる加熱工程と、前記転写媒体10上の前記ラテックスインクを印刷対象物15に接触させることで該印刷対象物15上に転写する転写工程と、前記印刷対象物15上の前記ラテックスインクを乾燥させる乾燥工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法およびインクジェット吐出装置に関し、さらに詳細には、転写による印刷方法、および当該印刷方法に用いられるインクジェット吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種製品表面に直接に絵柄や文字等を印刷する方法の一つとして、フィルムシート等の媒体表面にあらかじめ印刷しておいた絵柄を製品表面に転写する転写印刷方法がある。
【0003】
ここで、転写印刷方法の従来例として、UVインクを使用したインクジェットにより平面原板にUVインキ画像を印刷する第1工程と、UVインク画像を印刷しながら、または印刷直後にUVまたは電子ビームによる照射を行いUVインク画像を半乾燥状態とする第2工程と、該半乾燥状態のUVインク画像を弾性ブランケット表面に写しとる第3工程と、該弾性ブランケットに写しとった前記UVインク画像を被印刷体にオフセット印刷する第4工程と、オフセット印刷されたUVインキ画像を乾燥定着する工程とを有する印刷方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−130725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者が鋭意研究した結果、特許文献1に例示される技術はマルチパスによって印刷する場合、プリントする順番が先の印刷部位の方がUV光の照射光量が多くなる。そのため、パス毎にプリントされるUVインクの硬化度が異なり、インクの転写特性のばらつきが大きくなる。よって、安定、且つ、高画質の印刷結果が得られないことを突き止めた。
【0006】
さらに、特許文献1に例示される技術は、原版から弾性ブランケットへの転写と、弾性ブランケットから印刷媒体への転写の二回の転写工程が必要であった。この場合、工程が多いのは勿論のこと、転写ごとに版の清掃を行う必要があり、煩雑であるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な工程で高画質の転写画像を得ることが可能な印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態として、以下に開示するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0009】
開示の印刷方法は、ラテックスインクを転写媒体上に塗布してインク塗布面を形成する塗布工程と、前記転写媒体を加熱して、前記ラテックスインクの粘度を上げる加熱工程と、前記転写媒体上の前記ラテックスインクを印刷対象物に接触させることで該印刷対象物上に転写する転写工程と、前記印刷対象物上の前記ラテックスインクを乾燥させる乾燥工程と、を備えることを特徴とする。これによれば、ラテックスインクを用いることで、転写媒体上にインク受容層を形成することなく、当該転写媒体上に転写用の画像を形成することができる。したがって、転写工程は転写媒体から印刷対象物への一回だけで良いため、工程の簡素化が可能となる。また、ラテックスインクを用いて転写媒体上に画像を形成することで、UVインクのような硬化度合いのばらつきが発生することがなく、且つ、インクの滲みがない高画質な転写用の画像を形成することができる。しかも、当該転写用の画像は、半乾燥となって転写性能が良好な状態で転写媒体から印刷対象物へ転写することが可能である。
【0010】
また、本発明において、前記ラテックスインクは、前記加熱工程を実施した後の状態において熱可塑性を有し、前記転写工程は、前記転写媒体を加熱しながら該転写媒体上の前記ラテックスインクを印刷対象物に接触させることで該印刷対象物上に転写することが好ましい。これによれば、転写媒体、すなわち転写媒体上のラテックスインクを加熱しながら転写を実施することによって、安定した転写性能を得ることができる。
【0011】
また、本発明において、前記塗布工程と前記加熱工程とは、前記転写媒体を加熱しながら該転写媒体上に前記ラテックスインクを塗布することによって同時に実施されることが好ましい。これによれば、転写媒体が加熱されていることで、着弾時にただちにラテックスインクが加熱され、溶剤や水分が蒸発してラテックスインクが増粘するため、着弾したインク同士が滲む前に半乾燥させることができる。
【0012】
また、本発明において、前記加熱工程によって増粘した前記ラテックスインクの粘度が25℃において100mPa・sec〜200000mPa・secであることが好ましい。これによれば、ラテックスインクの粘度を当該範囲内まで上げることで、転写時のラテックスインクの滲みがなく高画質の画像を得ることができ、半乾燥となっているため良好な転写性能を得ることができる。
【0013】
また、本発明において、前記転写工程は、前記インク塗布面を前記印刷対象物に向けて配置した前記転写媒体を該インク塗布面とは逆側から押圧部材で押圧することによって、該インク塗布面を前記印刷対象物に密着させることで、該転写媒体上の前記ラテックスインクを該印刷対象物上に転写することが好ましい。これによれば、転写媒体のラテックスインクが塗布された面とは逆側から押圧部材を用いて当該転写媒体を印刷対象物に押し付けることにより、印刷対象物が立体であったとしても転写媒体が印刷対象物に沿って変形し、印刷対象物に密着することで良好な転写画像を得ることができる。
【0014】
また、本発明において、前記転写工程は、前記転写媒体を外壁部として取り付け可能もしくは外壁部の内側に取り付け可能であると共に内容積の変化に応じて該外壁部が変形もしくは移動可能であり、且つ該転写媒体が取り付けられた状態で気密保持が可能な筺体を準備し、前記筺体の内部に、前記印刷対象物を格納し、前記転写媒体を、前記インク塗布面を前記印刷対象物に向けて前記筺体の外壁部としてもしくは外壁部の内側に取り付けて、前記筺体の内部を減圧することによって、該筺体の内容積が減少するように前記外壁部を該筺体の内方へ変形もしくは移動させて、前記転写媒体のインク塗布面を前記印刷対象物に密着させることで、該転写媒体上の前記ラテックスインクを該印刷対象物上に転写することが好ましい。これによれば、押圧部材で押し付ける場合と同様、印刷対象物が立体であったとしても転写媒体が印刷対象物に沿って変形し印刷対象物に密着することで、転写媒体上の画像を印刷対象物に転写することができる。パッドで押し付ける場合には印刷対象物の一部分にしか転写することができないが、筺体内を真空引きすることで印刷対象物の全体に転写することができる。
【0015】
開示のインクジェット吐出装置は、前記の印刷方法に用いられるインクジェット吐出装置であって、前記ラテックスインクをインクジェット液滴として前記転写媒体上に噴射するインクジェットヘッドと、該転写媒体を加熱するヒータと、該ヒータの温度を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。これによれば、ラテックスインクをインクジェット液滴としてインクジェット噴射する印刷によって、インク塗布面を高速に形成すること、すなわち、塗布工程の高速化が可能となる。また、ヒータの温度を制御して、ラテックスインクを所望の硬化状態(仮硬化状態もしくは本硬化状態)とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
開示の印刷方法によれば、簡易な工程で高画質の転写画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット吐出装置の例を示す平面図(概略図)である。
【図2】図1のインクジェット吐出装置の側面図(概略図)である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る印刷方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る印刷方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0019】
本実施形態に係る印刷方法は、ラテックスインクを転写媒体上に転写したい図柄で(すなわち転写したい領域に)塗布してインク塗布面(インクが塗布された面)を形成する塗布工程と、転写媒体を加熱して、ラテックスインクの粘度を上げる加熱工程と、転写媒体上のラテックスインクを印刷対象物に接触させることで当該印刷対象物上に転写する転写工程と、印刷対象物上のラテックスインクを乾燥させる乾燥工程と、を含む。
【0020】
本実施形態に係るインクには、水と溶剤に熱可塑性樹脂と必要に応じて添加した色材を分散したエマルション(乳濁液)もしくはサスペンション(懸濁液)型インク(以下、これらを総称して「ラテックスインク」という)を用いる。なお、必要に応じて界面活性剤、サイズ剤、防腐剤等の添加物を加えてもよい。
より具体的に、ラテックスインクの種類としては、例えば、アクリル系エマルション型ラテックス、ウレタン系エマルション型ラテックス、SBR(Styrene Butadiene Rubber)ラテックス等が挙げられる。また、色材としては、例えば、染料、顔料、または水や溶剤に懸濁もしくは溶解する微粒子等が挙げられる。
【0021】
一方、溶剤の例としては、グリコールエーテル類を主成分とする有機溶媒が挙げられる。より詳しくは、当該グリコールエーテル類として、例えば、ジまたはトリエチレングリコールのモノブチルエーテル;プロピレングリコールのモノブチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、もしくはモノメチルエーテル;ジプロピレングリコールのモノブチルエーテル;ジエチレングリコールのモノヘキシルエーテル等のエーテル等、およびそれらの混合物等、好ましくはジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびトリエチレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
さらに、必要に応じて他の有機溶媒、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール−モノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、ラクトン溶剤等を併用することができる。なお、ラクトン溶剤は、エステル結合による環状構造を持つ化合物であり、5員環構造のγ−ラクトン、6員環構造のδ−ラクトン、7員環構造のε−ラクトン等があり、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトンおよびそれらの混合物を使用することができる。
【0022】
上記ラテックスインクは、後述の加熱工程において水と溶剤を蒸発させることによって、粘度を上昇させることができる。
【0023】
ここで、ラテックスインクを転写媒体上に塗布してインク塗布面を形成する塗布工程には、インクジェット吐出装置を用いることができる。
【0024】
本実施形態に係るインクジェット吐出装置1の平面図(概略図)を図1に示し、その側面図(概略図)を図2に示す。
このインクジェット吐出装置1は、ラテックスインクが塗布される転写媒体(ここでは転写シート)10を支持するプラテン(支持体)2と、X方向に移動しがなら転写シート10の表面にインクを複数の吐出口から噴射してインクジェット液滴を着弾させるインクジェットヘッド12と、各部の動作を制御する制御部(不図示)とを備えている。
【0025】
ここで、インクジェットヘッド12は、その下面に並んで配されたノズル(不図示)からピエゾ方式等によりインクジェット液滴を噴射させる構造を有しており、ユニット架台4に固定され、走行手段(不図示)により、ガイドレール3上をX方向に走行可能となっている。なお、走行手段は、電動モータおよび電子回路等から構成されている。ただし、上記の構成に限定されるものではない。
【0026】
また、インクジェット吐出装置1は、転写シート10を加熱して、当該転写シート10上に噴射されたインクジェット液滴を加熱する加熱手段としてのヒータを備える。
【0027】
ここで、当該ヒータについて具体的に説明する。図中の符号19は、転写シート10の表面に着弾されたインクジェット液滴を転写シート10の表面側から加熱する上部ヒータである。これによって、インクジェット液滴を硬化(後述の仮硬化)することができる。一例として、上部ヒータ19には、赤外線ヒータ、温風ヒータ等の加熱装置が用いられる。
また、図中の符号13は、転写シート10の表面に着弾されたインクジェット液滴を転写シート10の裏面側から加熱する下部ヒータである。これによって、インクジェット液滴を硬化(後述の仮硬化)することができる。一例として、下部ヒータ13には、電熱式ヒータ、赤外線ヒータ、電磁誘導(IH)ヒータ等の加熱装置が用いられ、転写シート10の裏面側となるプラテン2の内部に配置される。
【0028】
本実施形態においては、ヒータとして、上部ヒータ19および下部ヒータ13の両方を備える場合を例に挙げているが、いずれか一方のみを備える構成とすることもできる。
【0029】
インクジェット吐出装置1の動作例として、転写シート10は、ホルダ14に装着された状態でプラテン2により支持されて固定され、インクジェットヘッド13がインクジェット液滴(ラテックスインク)を噴射しながら転写シート10のX方向の一端から他端まで走行する。
【0030】
このとき、制御部は、転写シート10上のラテックスインクが所望の硬化状態(後述の仮硬化状態もしくは本硬化状態)なるようにヒータの温度を制御する。
【0031】
以上のように、本実施形態に係るインクジェット吐出装置1によれば、ラテックスインクをインクジェット液滴としてインクジェット噴射する印刷によって、転写シート10上にインク塗布面を形成することが可能となる。すなわち、先ず、プラテン(支持体)2上に支持された転写シート10の表面に、インクジェット液滴(ラテックスインク)をインクジェットヘッド12から噴射する。次に、転写シート10表面に着弾したインクジェット液滴(ラテックスインク)を、上部ヒータ19および下部ヒータ13(あるいは、いずれか一方)によって加熱して、当該インクジェット液滴を所望の硬化状態とすることができる。このようにして、所望の転写したい図柄でインクが塗布された面(以下、「インク塗布面」という)が形成された転写シート10を準備することができる。このインクジェット吐出装置1の使用によって、インク塗布面を高速に形成すること、すなわち、塗布工程の高速化が可能となる。
【0032】
ここで、ラテックスインクの粘度としては、目的に応じた粘度のものを使用すればよいが、塗布工程では(すなわち、加熱工程を行なう前の状態では)、25[℃]において3[mPa・sec]〜20[mPa・sec]であるものが好適である。当該粘度範囲であれば、インクジェットヘッド12からの吐出を容易に行うことができるためである。
【0033】
一方、加熱工程では、ラテックスインクを加熱して、ラテックスインク中に含まれる水と溶剤を蒸散させること等により増粘させる。一例として、本実施形態においては、ラテックスインクの全量に対する水と溶剤の含有量は、加熱前の状態において20[重量%]〜95[重量%]である。当該ラテックスインクを加熱して、水と溶剤を所定量蒸発させることにより所望の粘度まで増粘している。
【0034】
より具体的には、ラテックスインクを加熱することによって、25[℃]において100[mPa・sec]〜200000[mPa・sec]の粘度までに増粘することが好適である。当該粘度範囲であれば、ラテックスインクが滲まない程度に高粘度な液状もしくはペースト状であって転写に好適な粘着性を有するからである。
【0035】
次に、本実施形態における転写媒体(ここでは、転写シート)10について説明する。転写シート10は、目的に応じて様々なものを利用できるが、印刷対象物15が平面ではなく、曲面等の場合に転写を容易にするために弾性を有する物であることが好適であり、印刷対象物15の印刷対象面の形状に沿って変形して当該印刷対象物15に密着できるような素材がより好ましい。さらに、耐熱性があり、インクジェット印刷が可能であればよい。
【0036】
より具体的には、転写シート10の材質の例として、シリコンゴムが好適に用いられる。また、シリコンゴム以外にも、フッ素ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ネオプレン、EPDM等のゴム、エラストラマー樹脂の単体、もしくはこれらを組み合わせた複合材料等を用いることができ、これらの中から目的に応じて選択すればよい。このような転写シート10であれば、当該転写シート10のインク塗布面を印刷対象物15に、直接、押さえつけて密着させることにより転写することができるため、転写工程を容易に実行することができる。
【0037】
また、転写シート10を使い捨てにする場合には、ゴムのように圧力を取り除いたときに原形に復帰する物でなく、形状が復帰しない物であってもよい。形状が復帰しない物としては、例えば、軟質のウレタン、ポリエステルやポリエチレン等の室温での伸縮あるいは加熱による熱可塑性により変形可能な薄い樹脂フィルム等が挙げられる。
【0038】
なお、転写シート10の硬度および厚みは印刷対象物15の形状により適宜変更してもよい。例えば、印刷対象物15の形状が複雑であればあるほど、硬度が低く、膜厚が薄いものを採用することが好ましい。また、印刷対象物15が平板の場合には、転写シート10は、ゴム板状のものであってもよい。
【0039】
(第一の実施形態に係る印刷方法)
次に、本発明の第一の実施形態に係る印刷方法について説明する。図3は本実施の形態に係る印刷方法を模式的に示す図である。
【0040】
先ず、塗布工程について説明する。図3(a)に示すように、平板上のシリコンゴム等からなる転写シート10上にインクジェットヘッド12を用いてラテックスインクを塗布する。これによって、転写シート10上に当該ラテックスインクが塗布されたインク塗布面が形成される。なお、転写シート10は形状を平面状に保ち、且つ、操作性を改善するために、ホルダ14に装着されている。
【0041】
次いで、ヒータを用いて転写シート10上のラテックスインクを加熱して水と溶剤とを蒸発させることにより乾燥させる加熱工程を実施する。このとき、ラテックスインクが滲まず、且つ、転写が可能な程度の粘着性を維持できる程度に水と溶剤とを蒸発させて粘度を調整する。これにより転写シート10上に仮硬化プリント画像11が形成される。なお、水と溶剤とが蒸発してラテックスインクの粘度が高くなった状態であって且つ後述の「本硬化」にまで至っていない状態を「仮硬化」という(「半乾燥」と表現する場合もある)。
【0042】
前述の通り、本実施形態においてはヒータとして上部ヒータ19もしくは下部ヒータ13、またはその両方が用いられる(図3(a)中ではヒータ13のみ図示している)。ここで、ヒータによる加熱は、例えば、温度30[℃]〜70[℃]で、時間5[sec]〜5[min]加熱することが好適であり、より好ましくは1[min]以下である。
【0043】
ラテックスインクの粘度は、塗布工程においてインクジェットヘッド12からの吐出を容易にするという観点から、本実施形態では25[℃]において3[mPa・sec]〜20[mPa・sec]に設定することが好適である。そして、ヒータを用いた加熱工程によって、例えば、25[℃]において100[mPa・sec]〜200000[mPa・sec]に増粘するとよい。当該粘度範囲であれば、ラテックスインクは滲みの無い程度に高粘度な液状またはペースト状であり、転写に好適な粘着性を有している。したがって、当該粘度範囲となるように、顔料の添加比率、ラテックス粒子のサイズや添加比率、溶剤の沸点や添加比率、水の添加比率等を決定すればよい。
【0044】
なお、本実施形態においては、塗布工程と加熱工程とを、転写シート10を加熱しながら当該転写シート10上にラテックスインクを塗布することによって同時に実施することが好適である。これによれば、転写シート10が加熱されていることで、着弾時にただちにインクが加熱され、溶剤や水分が蒸発してインクが増粘するため、インク同士が滲む前に半乾燥(すなわち仮硬化)させることができる。また、適度に高粘度化することにより、次の転写時にインクが広がり滲みや膜厚の減少による低濃度化する現象を回避できる。
【0045】
次いで、図3(b)に示すように転写シート10を印刷対象物15と押圧部材としてのパッド16との間に移動させる。説明の便宜上、印刷対象物15は簡単な球状としているが、これに限定されるものではなく、様々な形状の印刷対象物に対して印刷することが可能である。
【0046】
次いで、転写工程を実施する。より具体的には、図3(c)に示すようにパッド16を矢印Aの方向に押して、転写シート10の仮硬化プリント画像11のある面(すなわちインク塗布面)を印刷対象物15の印刷面に接触させて押さえつける。これにより、仮硬化プリント画像11が印刷対象物15上に転写される。
【0047】
このとき、転写工程の前の加熱工程において、ラテックスインクは表面から乾燥していくため粘度の勾配が生じている。つまり、ラテックスインクは、インク塗布面側よりも、転写シート10に接触する側の方が粘度が高くなっている。このため、ラテックスインクが転写シートに好適に転写される。
【0048】
なお、転写時の圧力によって、まだ軟らかいラテックスインクが平坦化するため、高光沢の画像が得られる。一方、マット感を逆に残したい時は、転写シート10の表面をマット状にすればよい。
【0049】
ここで、パッド16の材質としては、弾性のあるものが好ましく、押さえつける対象物(転写シート10、印刷対象物15)に圧力を均一に与えるものであることがより好ましい。例えば、軟らかいゴム、硬いゴム、スポンジ、袋に液体、粉体、気体を入れた物等を用いることが考えられる。また、転写シート10、印刷対象物15の形状、材質等に応じて、金属、木材、フエルト等を用いることも考えられる。
【0050】
なお、転写工程は、室温でも実施できるが、転写条件をより安定にするために、転写を行なう環境が一定温度になるように加熱しながら実施してもよい。これによれば、仮硬化した状態において熱可塑性を有するラテックスインクを使用することを要件として、転写工程において転写シート10を加熱しながら当該転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)を印刷対象物15に接触させることによって、印刷対象物15への転写を安定して行うことができる。
その際、ラテックスインク自体の熱可塑性が不足する場合には、該インクの樹脂成分のうち15[重量%]以上を熱可塑性樹脂で構成することが好適である。
【0051】
次いで、乾燥工程を実施する。より具体的には、図3(d)に示すように印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11に対して、加熱手段17を用いて矢印Cの方向に加熱しながら、当該加熱手段17を矢印Bの方向に動かす。これにより、印刷対象物15上に転写されたラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)全体が乾燥して硬化する。なお、この乾燥工程による硬化を、加熱工程による粘度の上昇と区別するために「本硬化」という。
【0052】
加熱手段17としては、様々な加熱手段を用いることができ、例えば、セラミックヒータ、タングステンヒータ、シーズ線ヒータ、遠赤外線ヒータ、IHヒータ、温風ヒータ、およびこれらを組み合わせたものが挙げられる。
【0053】
引き続き印刷を行なう場合には、図3(e)に示すように、クリーニングシート18を用いて転写シート10上をクリーニングする。例えば、パッド16を矢印Aの方向に押し付けながらクリーニングシート18をスライドさせて転写シート10を拭き取ることにより、転写シート10に残留したインクおよび付着したゴミ等を拭き取ってクリーニングする。また、アルコール等を用いて転写シート10およびパッド16を洗浄してもよい。
【0054】
本実施形態に係る印刷方法によれば、印刷用の版の製作が不要であり、少量多品種の曲面印刷を短時間且つ低コストで行なうことができる。また、従来のパッド印刷のように二回の転写を行なって、転写シートから印刷対象物への転写が間接的となっていた印刷方法に比べて、一回の転写でよいため、転写による画像のずれおよび転写による滲みを少なくすることができる。したがって、簡易な工程で高画質の転写画像を得ることができる。さらに、パッドはラテックスインクに触れないために汚れることがなく、繰り返しそのまま使えるという利点もある。
【0055】
なお、本実施形態に係る印刷方法の変形例として、加熱工程において、転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)が本硬化の状態となるまで加熱する方法も考えられる。
その場合には、本硬化した状態において熱可塑性を有するラテックスインクを使用することを要件として、転写工程において転写シート10を加熱しながら当該転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)を印刷対象物15に接触させることによって、印刷対象物15への転写を安定して行うことができる。
この変形例によれば、加熱工程において、転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)を仮硬化の状態とすることが難しい場合であっても、安定した転写性能が得られるという利点がある。
【0056】
(第二の実施形態に係る印刷方法)
次に、本発明の第二の実施形態に係る印刷方法について説明する。
第二の実施形態に係る印刷方法は、前述の第一の実施形態に係る印刷方法と基本的な構成は同様であるが、特に転写工程において相違点を有する。以下、当該相違点を中心に本実施形態について説明する。
【0057】
本実施形態に係る印刷方法は、まず、図4(a)に示すように、ホルダ14で平面状に固定された転写シート10上にインクジェットヘッド12を用いてラテックスインクを塗布する塗布工程を実施する。
【0058】
次いで、ヒータで転写シート10上のラテックスインクを加熱して水と溶剤とを蒸発させることにより乾燥させる加熱工程を実施する。これにより転写シート10上に仮硬化プリント画像11が形成される。なお、当該ヒータとして上部ヒータ19もしくは下部ヒータ13、またはその両方が用いられる(図4(a)中ではヒータ13のみ図示している)。
【0059】
次いで、本実施形態に特徴的な転写工程について説明する。先ず、図4(b)に示すように筺体(ここでは、気密保持可能な真空チャンバ)21中に印刷対象物15を格納する。また、仮硬化プリント画像11が真空チャンバ21内に位置するように転写シート10の向きを調整した上で、真空チャンバ21の開口部を転写シート10で覆う。具体的にはホルダ14を開口部の端にセットする。つまり、転写シート10を真空チャンバ21の外壁部として当該真空チャンバ21に取り付けるのである。これにより真空チャンバ21を密閉する。なお、真空チャンバ21は排気口22を備えている。
【0060】
次に、図4(c)に示すように、排気口22から真空チャンバ21内の空気を抜いて、真空チャンバ21内を減圧する。これにより、転写シート10は真空チャンバ21内に向かって撓む。一方、印刷対象物15は、矢印Aの方向に動き、転写シート10に密着する。これにより印刷対象物15上に仮硬化プリント画像11が転写される。なお、印刷対象物15を動かさずに固定しておく方法も考えられる。
【0061】
このとき、転写シート10をより軟らかくして印刷対象物15の形により添わせ易くするために、当該転写ゴムシート10および印刷対象物15を加熱しておくことが好適である。
【0062】
上記以外にも、図示しないが、筺体(真空チャンバ)21の構造に関しては、外壁部の内側に転写シート10の取り付けが可能であると共に内容積の変化に応じて外壁部が変形もしくは移動可能であり、且つ転写シート10が取り付けられた状態で気密保持が可能な構造とする変形例が考えられる。この構成によれば、排気口22から真空チャンバ21内の空気を抜いて、真空チャンバ21内を減圧した際に、外壁部が真空チャンバ21の内方へ変形もしくは移動するため、転写シート10が転写シート10は真空チャンバ21内に向かって撓む。一方、印刷対象物15は、矢印Aの方向に動き、転写シート10に密着する。これにより印刷対象物15上に仮硬化プリント画像11が転写される。なお、印刷対象物15を動かさずに固定しておく方法も考えられる。
【0063】
次いで、乾燥工程を実施する。より具体的には、図4(d)に示すように印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11に対して、加熱手段17を用いて矢印Cの方向に加熱しながら、当該加熱手段17を矢印Bの方向に動かす。これにより、印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11全体が乾燥して硬化(本硬化)する。
【0064】
引き続き印刷を行なう場合には、図4(e)に示すように、クリーニングシート18を用いて転写シート10上をクリーニングする。
【0065】
本実施形態に係る印刷方法によれば、パッド16を用いずに、転写シート10から直接、印刷対象物15に転写することができる。さらに、大面積、凹凸の大きい印刷対象物への転写を容易に行なうことができる。これは、大気圧の利用により圧力が均一にかかり易くなるためである。さらに、転写シート10の形状、材質を調整することによって、球状等の立体形状を有する印刷対象物15のほぼ全周面に渡るような転写も行い得る。
【0066】
本実施形態に係る印刷方法によって得られるその他の作用効果は、前述の第一の実施形態に係る印刷方法によって得られる作用効果と基本的に同様であり、繰り返しの説明を省略する。
【0067】
なお、第二の実施形態に関しても、前述の第一の実施形態における変形例と同様の変形例が考えられる。すなわち、加熱工程において、転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)が本硬化の状態となるまで加熱する方法が考えられる。
その場合には、本硬化した状態において熱可塑性を有するラテックスインクを使用することを要件として、転写工程において転写シート10を加熱しながら当該転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)を印刷対象物15に接触させることによって、印刷対象物15への転写を安定して行うことができる。
この変形例によれば、加熱工程において、転写シート10上のラテックスインク(すなわち仮硬化プリント画像11)を仮硬化の状態とすることが難しい場合であっても、安定した転写性能が得られるという利点がある。
【0068】
以上説明した通り、開示の印刷方法によれば、従来の印刷方法と比べて簡易な工程で高画質の転写画像を得ることが可能となる。
【0069】
また、特に、本実施形態によって以下の特徴的な作用効果が奏される。
【0070】
この印刷方法は、ラテックスインクを転写シート10上に塗布してインク塗布面を形成する塗布工程と、転写シート10を加熱して、ラテックスインクの粘度を上げる加熱工程と、転写シート10上のラテックスインクを印刷対象物15に接触させることで印刷対象物15上に転写する転写工程と、印刷対象物15上のラテックスインクを乾燥させる乾燥工程と、を備えることを特徴とする。これによれば、ラテックスインクを用いることで、転写シート10上にインク受容層を形成することなく、転写シート10上に転写用の画像を形成することができる。したがって、転写工程は転写シート10から印刷対象物15への一回だけで良いため、工程の簡素化が可能となる。また、ラテックスインクを用いて転写シート10上に画像を形成することで、UVインクのような硬化度合いのばらつきが発生することがなく、且つ、インクの滲みがない高画質な転写用の画像を形成することができる。しかも、当該転写用の画像は、半乾燥となって転写性能が良好な状態で転写シート10から印刷対象物15へ転写することが可能である。
【0071】
また、ラテックスインクは、加熱工程を実施した後の状態において熱可塑性を有し、転写工程は、転写シート10を加熱しながら当該転写シート10上のラテックスインクを印刷対象物15に接触させることで当該印刷対象物15上に転写することが好ましい。これによれば、転写シート10、すなわち転写シート10上のラテックスインクを加熱しながら転写を実施することによって、安定した転写性能を得ることができる。
【0072】
また、塗布工程と加熱工程とは、転写シート10を加熱しながら転写シート10上にラテックスインクを塗布することによって同時に実施されることが好ましい。これによれば、転写シート10が加熱されていることで、着弾時にただちにラテックスインクが加熱され、溶剤や水分が蒸発してラテックスインクが増粘するため、着弾したインク同士が滲む前に半乾燥させることができる。
【0073】
また、加熱工程によって増粘したラテックスインクの粘度が25℃において100mPa・sec〜200000mPa・secであることが好ましい。これによれば、ラテックスインクの粘度を当該範囲内まで上げることで、転写時のラテックスインクの滲みがなく高画質の画像を得ることができ、半乾燥となっているため良好な転写性能を得ることができる。
【0074】
また、転写工程は、インク塗布面を印刷対象物15に向けて配置した転写シート10を当該インク塗布面とは逆側からパッド16で押圧することによって、インク塗布面を印刷対象物15に密着させることで、転写シート10上のラテックスインクを印刷対象物15上に転写することが好ましい。これによれば、転写シート10のラテックスインクが塗布された面とは逆側からパッド16を用いて転写シート10を印刷対象物15に押し付けることにより、印刷対象物15が立体であったとしても転写シート10が印刷対象物15に沿って変形し、印刷対象物15に密着することで良好な転写画像を得ることができる。
【0075】
また、転写工程は、転写シート10を外壁部として取り付け可能もしくは外壁部の内側に取り付け可能であると共に内容積の変化に応じて当該外壁部が変形もしくは移動可能であり、且つ転写シート10が取り付けられた状態で気密保持が可能な真空チャンバ21を準備し、真空チャンバ21の内部に、印刷対象物15を格納し、転写媒体を、前記インク塗布面を前記印刷対象物に向けて前記筺体の外壁部としてもしくは外壁部の内側に取り付けて、真空チャンバ21の内部を減圧することによって、真空チャンバ21の内容積が減少するように外壁部を真空チャンバ21の内方へ変形もしくは移動させて、転写シート10のインク塗布面を印刷対象物15に密着させることで、転写シート10上のラテックスインクを印刷対象物15上に転写することが好ましい。これによれば、パッド16で押し付ける場合と同様、印刷対象物15が立体であったとしても転写シート10が印刷対象物15に沿って変形し印刷対象物15に密着することで、転写シート10上の画像を印刷対象物15に転写することができる。パッドで押し付ける場合には印刷対象物15の一部分にしか転写することができないが、真空チャンバ21で真空引きすることで印刷対象物15の全体に転写することができる。
【0076】
このインクジェット吐出装置1は、前記の印刷方法に用いられるインクジェット吐出装置であって、ラテックスインクをインクジェット液滴として転写シート10上に噴射するインクジェットヘッド12と、転写シート10を加熱するヒータと、当該ヒータの温度を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。これによれば、ラテックスインクをインクジェット液滴としてインクジェット噴射する印刷によって、インク塗布面を高速に形成すること、すなわち、塗布工程の高速化が可能となる。また、ヒータの温度を制御して、ラテックスインクを所望の硬化状態(仮硬化状態もしくは本硬化状態)とすることができる。
【0077】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0078】
1 インクジェット吐出装置
2 プラテン
3 ガイドレール
4 ユニット架台
10 転写媒体(転写シート)
11 仮硬化プリント画像
12 インクジェットヘッド
13 下部ヒータ
14 ホルダ
15 印刷対象物
16 押圧部材(パッド)
17 加熱手段
18 クリーニングシート
19 上部ヒータ
21 筺体(真空チャンバ)
22 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテックスインクを転写媒体上に塗布してインク塗布面を形成する塗布工程と、
前記転写媒体を加熱して、前記ラテックスインクの粘度を上げる加熱工程と、
前記転写媒体上の前記ラテックスインクを印刷対象物に接触させることで該印刷対象物上に転写する転写工程と、
前記印刷対象物上の前記ラテックスインクを乾燥させる乾燥工程と、を備えること
を特徴とする印刷方法。
【請求項2】
前記ラテックスインクは、前記加熱工程を実施した後の状態において熱可塑性を有し、
前記転写工程は、前記転写媒体を加熱しながら該転写媒体上の前記ラテックスインクを印刷対象物に接触させることで該印刷対象物上に転写すること
を特徴とする請求項1記載の印刷方法。
【請求項3】
前記塗布工程と前記加熱工程とは、前記転写媒体を加熱しながら該転写媒体上に前記ラテックスインクを塗布することによって同時に実施されること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の印刷方法。
【請求項4】
前記加熱工程によって増粘した前記ラテックスインクの粘度が25℃において100mPa・sec〜200000mPa・secであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項5】
前記転写工程は、前記インク塗布面を前記印刷対象物に向けて配置した前記転写媒体を該インク塗布面とは逆側から押圧部材で押圧することによって、該インク塗布面を前記印刷対象物に密着させることで、該転写媒体上の前記ラテックスインクを該印刷対象物上に転写すること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項6】
前記転写工程は、前記転写媒体を外壁部として取り付け可能もしくは外壁部の内側に取り付け可能であると共に内容積の変化に応じて該外壁部が変形もしくは移動可能であり、且つ該転写媒体が取り付けられた状態で気密保持が可能な筺体を準備し、
前記筺体の内部に、前記印刷対象物を格納し、
前記転写媒体を、前記インク塗布面を前記印刷対象物に向けて前記筺体の外壁部としてもしくは外壁部の内側に取り付けて、
前記筺体の内部を減圧することによって、該筺体の内容積が減少するように前記外壁部を該筺体の内方へ変形もしくは移動させて、前記転写媒体のインク塗布面を前記印刷対象物に密着させることで、該転写媒体上の前記ラテックスインクを該印刷対象物上に転写すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の印刷方法に用いられるインクジェット吐出装置であって、
前記ラテックスインクをインクジェット液滴として前記転写媒体上に噴射するインクジェットヘッドと、該転写媒体を加熱するヒータと、該ヒータの温度を制御する制御部と、を備えること
を特徴とするインクジェット吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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