説明

印刷機の運転パラメータを決める方法

【課題】分散ワニスのニス引きユニットと熱による乾燥機とを備える印刷機の動作の信頼性を高める。
【解決手段】被印刷体の乾燥の度合いを決める量が求められて乾燥工程の最適化に利用される、少なくとも1つの制御装置と、複数の印刷ユニット8と、少なくとも1つのニス引きユニット9と、少なくとも1つの乾燥ユニットと、を備える印刷機で、印刷機の、少なくとも乾燥ユニットを含んでいる領域B1での、乾燥工程に影響を与える主要な物質の流れを求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷体の乾燥の度合いを決める量を求めて乾燥工程を最適化するのに利用する、印刷機の運転パラメータを決める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニス引きユニットと乾燥ユニットを備える枚葉紙輪転印刷機、特に枚葉紙オフセット印刷機では、良好な印刷結果を実現し、かつ、損紙をできるだけ少なくするために、運転中に多くのパラメータを最適化する必要がある。特にワニスの塗布量が多い場合、排紙された枚葉紙が後でパイルにおいて互いにくっつかないようにするために枚葉紙を乾燥させるのに困難を伴う。それと同時に、不具合のない、非常に光沢のあるワニス層が望まれるが、これは、乾燥が不十分で不完全な場合にも得られないが、乾燥が急速すぎる場合、または乾燥機での温度が高すぎる場合にもなおさら得られない。これに加えて、できるだけ短時間の間にできるだけ大量の生産をするために、本刷りでは最高の速度で作業が行われるのが望ましい。こうした背景の下では、必要な全ての印刷パラメータまたは機械設定を概観して最適に作業するのは、印刷工場の操作員にとって困難である。それぞれの印刷工は、ニス引きと乾燥の工程について独自の理解をしており、その理解に基づいて印刷機や乾燥機の設定を行う。このとき、根本的に誤った設定が行われる場合もある。印刷工は、自分が個々の設定の最善の所で作業していないのか、最善の所で作業しているのか、最善に近い所で作業しているのかも推定できないことが多い。そして、損紙が生じた時、印刷工は、影響パラメータが複雑であるために、不具合の起こった過程を再現することがほとんどできない。
【特許文献1】欧州特許第1142711号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0025878号明細書
【特許文献3】独国特許第19616692号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
確かに、現代の枚葉紙印刷機の制御部は、連続して行われるジョブのためのパラメータを記憶するようになっている。この方策は、当然ながら、実際に印刷が、連続したジョブとして行われる場合にしか役立たないということを度外視しても、環境条件は、同じジョブでも必ずしも同一ではない。すなわち、印刷所内の空気の温度や湿度は変動することがあり、給紙パイル内の、印刷すべき紙の水分も変化するなどのことがある。
【0004】
例えば、機械速度に応じた必要な乾燥力がプロットされた特性曲線を、乾燥機に用いることも知られている。しかし、これは、印刷工にとって部分的にしか、すなわち、当該特性曲線によって互いに関係づけられる両方のパラメータを設定する時にしか役に立たない。
【0005】
印刷機の内外の温度、および印刷速度を測定するセンサによって枚葉紙印刷機の乾燥機を制御し、その際に、印刷画像に左右される場合があるインキまたはワニスの調量を考慮することも、例えば特許文献1に既に提案されている。しかし、このような方法では、冒頭に述べた問題を排除できないため、特許文献1で請求されている制御はこれまで普及していない。
【0006】
特許文献2には、エネルギーの投入量と、定着胴上での枚葉紙の滞留時間とが、色濃度、インキの種類、および周囲の湿度を考慮する制御部によって調整されるインクジェット印刷機が記載されている。この場合、周囲の湿度のセンサを用いて、乾燥機の部位に送入する前に枚葉紙を定着胴上に留めるべき時間が制御されている。
【0007】
特許文献3には、印刷されるインキの水分含有量に応じて動作する、印刷機のマイクロ波乾燥機の制御が記載されている。
【0008】
公知の方法および装置は、冒頭に述べた問題を解決するのには適していない。特に、分散ワニスが塗布されて熱風または赤外線によって乾かされるニス引きユニットを備える枚葉紙オフセット印刷機の場合、公知の方法はあまり役に立たない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、分散ワニスのニス引きユニットと熱による乾燥機とを備える印刷機の動作の信頼性を高めることができる、冒頭に述べた種類の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1または請求項18に記載された方策によって達成される。この方法を実行するのに適した印刷機が、請求項19および請求項34に記載されている。
【0011】
本発明によれば、乾燥工程を最適化するために、印刷機の乾燥ユニットの領域内での、乾燥工程に影響を与える主な物質の流れが求められる。この物質の流れとは、まず第1に、乾燥ユニットの流入空気の水分および流出空気の水分、および、被印刷体によって運ばれてくる水分、すなわち、主として、塗布されたワニスの水分である。これらの量から、乾燥機を通して運ばれる、被印刷体の水分の収支を、したがって乾燥の度合いを求めることができ、この際、印刷、またはニス引きと乾燥の前後での被印刷体自体の材料の水分も求めれば、この方法の信頼性をいっそう高めることができる。求められた物質の流れの主要な特性データをスクリーン上に視覚的に表示するのが、印刷機の操作員にとって特に好ましく有益である。このことは、そのままの数値の表示によってだけでなく、これに対応する、棒グラフの形態でのグラフィックによる評価および表示によっても行うことができ、それによって、どの個所で、またはどの物質の流れに介入することができるか、介入することができる場合、どちらの方向に介入するのか、物質の流れが実際にその都度の最適状態から離れているかどうか、どの程度離れているかを知らせることができる。この場合、代わりに、与えられた、または予め与えられた、あるいは印刷工自身が設定した標準値または目標値に対する、表示された値の変化を表示することもできる。例えば、運び出される水分の量、ワニスの量、および/または印刷枚葉紙の温度について、限界値内であれば工程が安定して進行することになる限界値を決めておくのも好ましい。
【0012】
この方法を実行するのに適した印刷機は、乾燥工程に影響を与える主要な物質の流れを測定するセンサと、測定値の評価または二次処理を行い、および/または物質の流れの水分収支を求めることができる計算ユニットと、を有している。ただし、例えば乾燥機の流入空気と流出空気の相対的な湿度を測定するだけでなく、流入空気によって実際に運び込まれる水分、および流出空気によって実際に運び出される水分、すなわち水分量を求めることが重要なので、流入空気と流出空気の温度と体積流量も測定し、そのようにして、相対湿度と結び付けて、運ばれる水蒸気の量を求めるのが好都合である。この水蒸気の量に、印刷枚葉紙の材料内、すなわち紙内に浸透した水分部分を加えたものが、ワニス層が良く乾いた状態で被印刷体が乾燥機から送り出されている場合、ニス引きによって取り込まれた水分量にほぼ一致する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、印刷されていない用紙のパイル、すなわち給紙パイル3が位置する給紙装置2と、4つの基本色用、および場合によっては、他の2つの特色用の、6つの印刷ユニット8aから8fと、第1のニス引きユニット9aと、その後に続く2つの乾燥ユニット10aおよび10bと、第2のニス引きユニット9bと、枚葉紙の排紙パイル6を備える排紙装置5とを備えるタンデム型でオフセット式の印刷機1を示している。排紙装置5のチェーン案内部の領域には、他の4つの乾燥ユニット11aから11dが枚葉紙搬送方向に前後に並んで配置されている。このような種類の印刷機は、例えば、ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト社によりSpeedmaster XL 105-6-LYYLX3の名称で販売されている。符号50が付されている領域において、内側または外側に向けられた矢印によって、印刷機1の、印刷工程中に水分が取り込まれ、または水分が運び出される個所が模式的に示されている。
【0015】
矢印4は水分を模式的に示しており、この水分は、給紙装置2において積み重ねられた被印刷体枚葉紙に既に含まれている。ここでの水分とは紙の材料水分、すなわち、単位量あたりの紙に結合している水の量を意味している。したがって、給紙パイルの材料水分が8%であるということは、100グラムの枚葉紙が8グラムの水を含んでいることを意味している。用紙のパイルが印刷工場の周囲空気に順応して周囲空気と「平衡状態」にある場合、この平衡した水分を、印刷工場内の空気の相対湿度と温度の情報と共に、紙の収着等温線を用いて求めることができる。しかし、給紙装置内の用紙のパイルのこのような順応は、全く行われないことが多い。というのは、用紙のパイルが倉庫から印刷機1へ突然運ばれ、紙の材料水分がまだ倉庫室内の空気の状態に相応しているということがあるからである。したがって、材料水分を求めるには、紙の水分を直接検出する測定方法を用いるほうが好ましい。そのために、高周波吸収測定、マイクロ波吸収測定、または赤外吸収測定に基づいた方法が知られている。
【0016】
印刷ユニット8はウェットオフセット用の印刷ユニットであり、すなわち湿し装置を有しており、この湿し装置によって版が着肉前に湿らされ、この湿し水の一部が、印刷ユニットのブランケット胴を介して、印刷すべき枚葉紙に達する。このような水分の取り込みが矢印18によって模式的に示されている。
【0017】
矢印13は、枚葉紙に印刷されるインキ自体によってもたらされる水分部分を示している。この水分部分は、当然ながら、油をベースとするオフセット印刷インキではわずかである。矢印12は、インキと湿し水で湿らされた印刷ユニット、および印刷された枚葉紙が、印刷機1の周囲の空気よりも湿気が多いので、印刷枚葉紙が機械を通して搬送されている間に、ある程度の気化が起こることを考慮したものである。
【0018】
しかし、水分の、最も大きな流れは、ニス引きユニット19aおよび19bにおいて印刷枚葉紙に塗布されるワニス層によって、少なくとも、紫外線硬化型のワニスでなく、例えば分散ワニスのような、水をベースとするワニスである場合に、生じさせられる。これが、矢印19aおよび19bによって模式的に示されている。
【0019】
さらに非常に大きな他の水分交換が、乾燥ユニット10aと10bおよび11aから11dで行われる。これらの乾燥ユニットには、印刷工場において支配的な約50%の相対湿度の、周囲からの流入空気(矢印20および21)が供給され、その後、この流入空気は、(熱風乾燥機の場合)乾燥ユニット10a,10b,11aから11dに入った時に加熱され、または、赤外線乾燥機の場合には乾燥室へ入ったときに加熱される。そして、ワニスの塗布量の一部、またはワニスの水分の一部が印刷枚葉紙の紙材料内へ浸透した(Wegshlagen)後、ニス引きされた枚葉紙がパイルにくっつかないようにするために、流出空気(矢印30および31)によって、ワニス層に含まれる水分を蒸気の形態で乾燥ユニット10および11からできるだけ放出させるのが望ましい。さらに先へ搬送される印刷枚葉紙のこのような材料水分が矢印7によって模式的に示されている。その他、印刷機1の排紙装置5におけるパウダーの流れ(矢印15)や、発生する漏れ空気(矢印16)を通じて、わずかな量ではあるが水分が印刷機1に取り込まれ、または印刷機1から運び出される。
【0020】
冒頭に述べた種類の印刷機1では、すなわち、水を含んだワニスを塗布するニス引きユニット9a,9bと、1つまたは複数の、熱による乾燥ユニット10,11、すなわち熱風乾燥機または赤外線乾燥機とを備えるオフセット式の印刷機1では、ワニスの塗布と、乾燥ユニット10a,10bの流入空気20および流出空気30によって、印刷機1へ最も多く水分が取り込まれ、また印刷機1から水分が運び出され、すなわち、これは、通過していく印刷枚葉紙の水分が変化することができる、符号B1によって示された収支空間における、水分の、最も大きな流れである。この際、紙の繊維や印刷インキに含まれる水分を、いずれにしても、乾燥ユニット10a,10bによって印刷枚葉紙から追い出すことはできないということを前提とする。ここに示しているような2重のニス引きユニットを備える印刷機1では、第2のワニス層がニス引きユニット9bによって塗布される前に、第1のワニス層が、乾燥ユニット10a,10bによって、第2のニス引きユニット9bで付け加えられるワニス層が問題なく第1のワニス層上に載る程度に乾燥させられる。例えば、第2のワニスを、まだ湿っている水性ワニスと反応させるべきではない、または反応させる必要がない紫外線硬化型ワニスとすることができる。しかし、第2のニス引きユニットでも同様に水性の分散ワニスを扱う場合、例えば全体として特に厚いワニス層を形成するための第2のワニス層を問題なく塗布できるようにするために、第1のワニス層は既に固まっていなくてはならない。
【0021】
ワニスの塗布量は印刷機1において調整可能である。選択された量のワニスが塗布された枚葉紙を最適に乾燥させるために、主要な運転パラメータ、特に乾燥ユニット10aおよび10bおよび機械速度のパラメータを知ることによって、最適な結果を容易に得ることができる。しかし、そのためには、水分収支における主要な特性量を知る必要がある。
【0022】
そのために、印刷機1の、符号B1によって示された領域に、このような量を測定することができる一連のセンサが設けられている。これについて、以下に、図3を参照して説明する。流入空気流20の相対湿度rFL1と温度TL1を測定するために、乾燥ユニット10aおよび10bのための空気取り入れ通路121の近傍に、湿度センサ120aと温度センサ120bが配置されている。
【0023】
ここでは印刷所内の周囲空気の相対湿度が測定されるので、1つの湿度センサと1つの温度センサで十分であり得る。
【0024】
さらに、乾燥ユニット10aと乾燥ユニット10bの空気送り出し通路131には、相応の湿度センサ130cと温度センサ130d、および圧力センサ130aと流量センサ130bが配置されている。これらのセンサによって、印刷機1から運び出される水分の流れの単位時間当たりの量を、印刷機に流れ込む空気の水分と、機械から再び流れ出ていく空気の水分との差として一義的に求めることができる。特に、両方の乾燥ユニット10aと10bの空気送り出し通路131がまとめられていれば、流出空気については、前述した4つのセンサ130a〜130dだけで済ませることも可能である。空気の相対湿度、露点、または絶対湿度の測定をするのには、例えば容量式センサ、吸気乾湿球湿度計、または水分帯への赤外線の吸収を通じて湿度を測定するセンサを用いることができる。
【0025】
さらに、測定精度を高めるために、空気の相対湿度を測定するセンサを、流出空気流から分岐させられて冷却された測定空気流内に配置してもよい。というのは、測定空気流内の水分の凝縮が起こらないと仮定すると、空気流が冷却されると相対湿度が上昇し、その結果、湿度測定値が、測定の不正確さが小さい領域に移行するからである。測定空気流内の水分の凝縮を防止する適切な測定セルについては、図7を参照して明細書の最後で説明する。
【0026】
ワニスの塗布によって取り込まれる水の量は、印刷機1のワニス供給装置の供給路と戻り路内の流量センサ119によって測定される。この代わりに、チャンバドクタ機構の場合には、ワニス供給ポンプとワニス吸出ポンプの搬送出力の差から、ワニス量、またはその水分の量を求めることもできる。ワニスの種類、または、分散ワニスの場合に通常60%程度である水分含有率を考慮して、この個所で取り込まれる水の量が容易に算出される。消費されるワニス量を測定する可能な他の方法は、ワニス貯留容器の重量または重量の減少を、重量測定セルによって求めることである。
【0027】
方法を改善するために、ニス引きユニットに入ってくる枚葉紙14に既に含まれている水分の量をより正確に測定することができる他のセンサが任意構成として設けられる。その働きをするのが、6つの印刷ユニット8a〜8fにおける、湿し水の消費量から湿し水取込量18を求めるセンサ118である。さらに、ニス引きユニットに入ってくる枚葉紙の温度、および乾燥機110bから出ていく枚葉紙の温度を求める2つの温度センサ114および117が設けられている。これらの温度センサ114,117は、枚葉紙の、入る時の温度と出る時の温度を測定する働きをする。水分の収支に基づいて、材料の流れが受ける温度差を補足して、乾燥工程でのエネルギーの収支を導き出すことができる。そのために、例えば、枚葉紙から放出される赤外線を通じて枚葉紙の温度を非接触で測定するセンサを用いることができる。最後に、給紙パイル3または排紙パイル6で材料の水分を測定するために、可動式の電子測定装置、例えばマイクロ波吸収の原理または検湿用の電解質の導電率の原理に基づいて動作する、例えばナイフ型または載置型の検知器103を用いることができる。
【0028】
各センサの信号は、上述の各センサが相応のインターフェースアダプタを介して接続された計算ユニット、すなわちコンピュータ301(図5)、例えば市販の測定用PCで処理される。コンピュータ301の記憶装置302には、乾燥工程に関連する特性量と換算係数、例えば、その幾つかを挙げると、ワニスの水分含有率や、図4のモリエ線図に示されているような、空気の相対湿度φを絶対湿度へ換算するための数学的な関係が保存されている。
【0029】
符号303によってコンピュータ301のキーボードが示されており、符号304によってスクリーンが示されている。このスクリーン304には、印刷工が設定を行うのに役立つものとして、進行中のニス引き・乾燥工程の主要な特性データが、グラフィックで評価されて視覚的に表示される。そのようにして、棒グラフ220によって、流入空気20により乾燥機10内に流れ込む水分量が示されており、一方、棒グラフ230によって、流出空気により運び出される水分量が示されている。この両者は、乾燥機を通る空気流Fに比例しているが、棒グラフ230は、温度Tの上昇、または熱風乾燥機の熱出力によっても、あるいは赤外乾燥機の熱放射量の上昇によっても、一定の限度内で大きくなることがある。
【0030】
まだ残されている可能性がある「乾燥機の余力」、すなわち、温度の上昇または赤外放射の増加によって、あるいは空気流量の増加によって、流出空気の含有水分が高められる可能性が、符号240が付された他の棒グラフ部分として表示器、すなわちスクリーン304に表示される。
【0031】
その隣の棒グラフ219は、枚葉紙に取り込まれて浸透した水分量を差し引いた後で、塗布されたワニス層にまだ含まれている水の量を示している。経験上、この量は、ニス引きによって枚葉紙上に塗布される全水分量の約50から60%である。
【0032】
棒グラフ219の上端が棒グラフ230の上端を上回っていない時、またはほとんど上回っていない時に、ワニス層が乾燥した枚葉紙が得られる。乾燥ユニット10bから出てくる枚葉紙のワニス層の残留水分が、差として他の棒グラフ200に示されている。この残留水分を、一方で、ワニスの塗布量を減らすことによって、または機械速度を下げることによって減らすことができる。このことは、利用者による調節に役立つものとして、下向きの矢印のついている相応の記号−Lおよび−Vの形態で示されている。他方で、残留水分200を、乾燥機温度の上昇+Tまたは空気送入量の増加+Fによっても減らすことができ、このことも、同様に棒グラフ230の所の相応の記号によって示されている。
【0033】
さらに、ポップアップメニュー306が、マウスポインタ309を棒グラフに近づけた時に、乾燥機の流入空気路または流出空気路における正確な測定値を表示する働きをする。
【0034】
ニス引きユニット19aでのワニスの塗布による水の塗布量(100%)が、乾燥機で蒸気として運び出される水分量(50から60%)と、紙内の、ワニス層よりも下へ浸透する水分量(40から50%)との合計にほぼ相当するときに、枚葉紙の良好な乾燥結果が得られる。冒頭に述べた印刷機Speedmaster XL 105を、枚葉紙版型が105cm×75cmで、最大の本刷り速度が、1時間あたり枚葉紙18000枚で、3.5μmの通常の湿式のワニスを塗布して運転した場合、これは、水分取込量FH2Oが29l/hであるのに相当しており、そのうち経験的に50%が紙に浸透し、したがって、50%がワニスに残る。乾燥機から出た後で、または排紙パイルにおいて枚葉紙の紙の水分を測定すれば、この経験値をより厳密に評価し、または検証することができる。したがって、第1のワニス層による、矢印19aによって模式的に示された水分取込量の50%が、両方の乾燥ユニット10aおよび10bにおいて、蒸気の形態で十分に運び出されるように乾燥ユニット10aおよび10bを運転するのが好都合である。
【0035】
このような状況が、図4のモリエ線図に示されている。印刷所内の空気は、周囲温度が摂氏25度の時、51%の相対湿度を有している。これは、乾燥空気1キログラムにつき水が10グラムであるのに相当している(点A)。
【0036】
熱風乾燥機10aまたは10bにおいて、この流入空気が摂氏80度まで加熱され、この時点でまだ3.4%の相対湿度を有している(点B)。しかし、乾燥空気1キログラムにつき水が10グラムであることには変わりはない。
【0037】
加熱された流入空気が、ニス引きされて湿った枚葉紙と接触した後、乾燥ユニット10aおよび10bから吸い出される流出空気は、摂氏58度の温度と12.7%の相対湿度を有している。これは、乾燥空気1キログラムにつき水が14.5グラムであるのに相当している(点C)。摂氏35度の冷却された流出空気バイパスでも、相対湿度を測定することができる。この部位では、乾燥空気はφ=0.4の相対湿度を有しているが、乾燥空気1kgにつき水が14.5グラムであるのに変わりはない(点D)。
【0038】
1時間あたり枚葉紙18000枚の本刷り速度vでの運転中、乾燥ユニット10aおよび10bの送風機によって、1時間あたりV=3000立方メートルの体積流量の空気が、すなわち、1時間あたり3300キログラムの(乾燥した)空気が、乾燥ユニットを通して吹き出される。すなわち、このようにして、既に流入空気に含まれている水、すなわち水分の流れとの差として求められる、1時間あたり15キログラムの水蒸気が、乾燥ユニット10aおよび10bの領域において印刷機1から出ていく。
【0039】
図5には、乾燥ユニット10bから出た枚葉紙の残留水分が、加熱出力の上昇、または、流出空気を通じて運び出される水や水蒸気の量によってばかりでなく、一連の他の量によっても影響を受けることが具体的に示されている。例えば、ワニスの塗布量の低下、または機械速度の低下のような旧来の方策のほか、予め乾燥させた空気を用いることによって、または、ニス引きユニットに入ってくる枚葉紙の水分を減らすことによっても、乾燥結果に対して再現可能な影響を与えることができる。
【0040】
センサの測定結果を目に見えるようにする他の可能な方法が図6に示されている。この図では、印刷機の、乾燥ユニット110aと110bおよびニス引きユニット9aを含む部分が示されており、センサの測定値が数値として表示に挿入されており、相対湿度rF、温度T、圧力p、およびワニスの流量FLについての、センサの測定個所と、表示されている測定値とが矢印によって直接結ばれている。この表示では、温度、湿度、およびワニスの量について、現在値の表示から、設定された、または、例えば以前のジョブから求められて記憶されている目標値との差の表示へと切り換えを行うことができる。さらに、許容範囲が超過された時に、エラーメッセージをスクリーン304に表示することができる。
【0041】
印刷機1の第2のニス引きユニット9bおよび乾燥ユニット11aから11dについての収支空間B2も、印刷機1の第1のニス引きユニット9aによるニス引きと乾燥の収支空間についてと同じように構成して表示することができる。第2の収支空間をスクリーン304(図5)にグラフィックで表示するために、コンピュータ301のキーボード303を介した相応の入力によって、スクリーン表示を相応に切り換えて、流入空気21または流出空気31内に配置されたセンサや、ワニスの流れ19bを測定するセンサへ切り換えることもできる。
【0042】
さらに、コンピュータ301は、コンピュータ301を印刷機1の機械制御部とつなぐデータ回線307を備えている。このようにして、乾燥機の加熱出力または空気の体積流量、ワニスの塗布量、および機械速度の、スクリーン304において対話式に行われる変更を、印刷機1の制御部へ直接送信することができ、印刷機1の制御部で別個に行わなくても済む。
【0043】
図7には、乾燥ユニット10a/10bの流出空気の相対湿度を正確に測定するための測定セルが示されている。この測定セルは、カップ状または箱状のハウジング401を有しており、ハウジング401は基部側に空気取り込み管402を備え、また、これに対してずれて位置する、カップ状または箱状のハウジング401の壁に対してほぼ中央にある空気送り出し管403を有している。測定セル内の圧力レベルが、変動せず、測定流が分岐している、乾燥機の流出空気の主要な流れにおける圧力にほぼ相当するようにするために、空気取り込み管402は空気送り出し管403よりもはるかに大きい断面積を有している。
【0044】
空気取り込み管402内の、目の粗い格子404によって、測定セルへの異物の侵入が防止される。これよりも目の細かい埃フィルタ405によって、空気取り込み管402と空気送り出し管403との間で測定セルが分けられている。埃フィルタ405は、測定セルに対応する大きな直径を有しているので、さほどの流抵抗を生じない。埃フィルタ405によって、測定セルの体積は、空気がまだ流出空気の主要な流れの温度と湿度を有している入口領域415と、空気が以下に説明するようにして冷却され、温度および空気の相対湿度について測定が行われる測定体積部416とに分けられている。
【0045】
測定セルの蓋によってリング418が形成されており、このリング418内にペルチエ素子410が収容されている。ペルチエ素子410は両側に冷却体を備えており、冷却体414によってペルチエ素子の「高温」側が周囲温度に保たれ、これは送風機413によって確保される。ペルチエ素子410、冷却体414、および送風機413は、例えば電子デバイスを冷却するのに用いられるような市販の構造ユニットとなっている。このような構造ユニットは比較的安価で入手できる。
【0046】
中間のリング418は、ペルチエ素子410の両側の間の熱的な短絡を防ぐために、断熱性の材料でできている。
【0047】
ペルチエ素子410の「低温」側にある冷却体407上には、金属でできた格子406が載っている。格子406は比較的目が粗く、測定体積部416とその下にあるセンサ領域との間で空気が通過できるようになっている。格子406は冷却体407と熱的に接触しており、したがって、これと同じ温度になっている。冷却体407および格子406の表面積が非常に広いことによって、測定体積部416から格子406を通り抜けてセンサ408へ達する空気は、冷却体407と同じ温度になっている。センサの領域で空気の水分が凝縮するのを防ぐために、この温度は約35℃に保たれる。
【0048】
センサ408は、例えばSensirion Inc.社(米国カリフォルニア州、ウエストレーク・ヴィレッジ所在)により型式名称SHT751で販売されているような、空気の相対湿度と温度を測定するための安価な市販のセンサである。空気の相対湿度の値と温度の測定値との両方の値は、他の図を参照して説明したように、乾燥ユニット10a/10bの流出空気の絶対湿度を求めるのに用いられる。それと同時に、センサ408の温度測定素子は、測定セル内の温度を、水蒸気の凝縮の恐れがない約25℃から40℃の間の値に、ペルチエ素子410によって調節するのにも用いられる。相対湿度の測定信号も考慮することによって、凝縮のさらなる防止を図ることができる。例えば、rF>80%を超えた時に、ペルチエ素子41を電流方向の切換により加熱に用いることによって、測定体積部418の温度を上昇させることができる。この場合、センサが、蒸気の凝縮の危険性はないが、湿度測定の測定精度に関して最善である空気状態の領域で常に作動するように、センサ408の湿度信号と温度信号を用いてペルチエ素子410を制御・調節することができる。
【0049】
分散ワニスを使った場合、物質の主要な流れは水を含んでいるので、本実施形態では、生じる水分収支に基づいて本発明を説明した。その他、例えば(有機)溶剤をベースとするワニスを用いる場合には、溶剤、例えばIPA(イソプロパノール)の取り込みと運び出しの収支を、印刷工による最適化のために、視覚的に提供することも同様に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】物質の主要な流れが矢印によって模式的に示された、タンデム型の枚葉紙オフセット印刷機を示す模式的な図である。
【図2】図1の印刷機の、乾燥ユニットが配置されている領域の部分図である。
【図3】センサの配置が簡略的に示されている、図1と図2の印刷機の、簡略化した図である。
【図4】図1の乾燥ユニット10aを通り抜ける空気についてのモリエH,X線図である。
【図5】図1の物質の流れを求めるのに用いられるセンサ群と計算ユニットを示すブロック図である。
【図6】図2の印刷機の領域B1における物質の流れの特性量のスクリーン表示の、別の例を示す図である。
【図7】空気の相対湿度を正確に測定するための測定セルを示す簡略化した図である。
【符号の説明】
【0051】
1 オフセット式の印刷機
2 給紙装置
3 印刷されていない用紙のパイル
4 矢印(給紙装置の紙の水分)
5 排紙装置
6 排紙パイル
7 矢印(排紙装置の紙の水分)
8a〜8f 印刷ユニット
9a 第1のニス引きユニット
9b 第2のニス引きユニット
10a,10b 乾燥ユニット
11a〜11d 乾燥ユニット
12 矢印(気化)
13 矢印(湿し水の取込)
14 矢印(枚葉紙)
15 矢印(パウダーの流れ)
16 矢印(運び出される湿った空気)
17 矢印(枚葉紙の水分)
18 矢印(湿し水の取込)
19a,19b 矢印(ワニスの量)
20,21 矢印(流入空気)
30,31 矢印(流出空気)
103 可動式の電子測定装置
114,117 温度センサ
118 センサ
119 流量センサ
120a 湿度センサ
120b 温度センサ
121 空気取り入れ通路
130a 圧力センサ
130b 流量センサ
130c 湿度センサ
130d 温度センサ
131 空気送り出し通路
219 棒グラフ(ワニス層の水分量)
220 棒グラフ(流出空気の水分量)
230 棒グラフ(流入空気の水分量)
240 棒グラフ部分
301 計算ユニット
302 記憶装置
303 計算ユニットのキーボード
304 スクリーン
306 ポップアップメニュー
307 データ回線
308 マウス
309 マウスポインタ
401 測定セル
402 空気取り込み管
403 空気送り出し管
404 格子
405 埃フィルタ
406 格子
407 冷却体
408 センサ
410 ペルチエ素子
413 送風機
414 冷却体
415 入口領域
416 測定体積部
418 リング
B1,B2 収支空間
V 空気の体積流量
T 温度
rF 相対湿度
p 空気の圧力
F 流量(ワニス/水)
v 印刷速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの制御装置と、複数の印刷ユニット(8a〜8f)と、少なくとも1つのニス引きユニット(9a,9b)と、少なくとも1つの乾燥ユニット(10,11)と、を備える印刷機(1)、特に枚葉紙オフセット印刷機の運転パラメータを決める方法であって、被印刷体の乾燥度を決める量(V,T,rF,p)が求められて乾燥工程の最適化に利用される方法において、
前記印刷機(1)の、少なくとも前記乾燥ユニット(10,11)を含んでいる領域(B1,B2)での、乾燥工程に影響を与える主要な物質の流れが求められることを特徴とする、印刷機の運転パラメータを決める方法。
【請求項2】
求められた前記物質の流れ(19,20,30)の主要な複数の特性データが視覚的に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも、前記乾燥ユニット(10a,10b)の流入空気(20)の水分含有量と流出空気(30)の水分含有量が求められる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記被印刷体によって運ばれてくる水分(14,18)、特に塗布されたワニスの水分が付加的に求められる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記乾燥ユニット(10b)または前記印刷機から出ていく前記被印刷体の水分(17)が付加的に求められる、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記乾燥ユニット(10a,10b)へ単位時間あたりに運び込まれる水分量、および/または単位時間あたりに運び出される水分量が求められる、請求3に記載の方法。
【請求項7】
前記水分量を求めるために、流入空気(20)および流出空気(30)の体積流量、および/または塗布されたワニスの量(19)が測定される、請求6に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥ユニット(10a,10b)の流入空気(20)の温度(T)および流出空気(30)の温度が付加的に測定される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記乾燥ユニット(10a,10b)を通過する前および/または後における前記被印刷体の温度(T)が付加的に求められる、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
求められた前記物質の流れ(14,17,19,20,30)の主要なパラメータが、乾燥力および/または機械速度(v)の制御に用いられる、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記物質の流れから、前記印刷機の、1つまたは複数の領域(B1,B2)での水分収支が求められる、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記物質の流れの表示(304)が、大きさが変化する記号(219,220,230)によって行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記物質の流れの特性データを表示する時に、前記特性データの測定値と測定場所が表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記特性データを表示する時に、少なくとも部分的に、目標値との差が表示される、請求項2から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記印刷機は複数の前記乾燥ユニット(10a,b;11a〜11b)を有しており、様々な前記乾燥ユニットについて部分的な前記物質の流れ(30,31)が求められる、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記特性データを表示する時に、限界値内では乾燥工程が安定して進行することになる限界値が表示に挿入される、請求項2から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記物質の流れの、測定された特性データの推移が記録される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
制御装置と、複数の印刷ユニット(8a〜8f)と、分散ワニス用の少なくとも1つのニス引きユニット(9a,9b)と、熱による乾燥ユニット(10,11)と、を備える印刷機(1)、特に枚葉紙オフセット印刷機の運転パラメータを決める方法において、
前記乾燥ユニットの流出空気の湿度が測定されて表示されることを特徴とする、印刷機の運転パラメータを決める方法。
【請求項19】
付属する少なくとも1つの制御装置と、複数の印刷ユニット(8a〜8d)と、少なくとも1つのニス引きユニット(9a,9b)と、少なくとも1つの乾燥ユニット(10a,10b;11a〜11d)と、被印刷体の乾燥工程を規定する量を測定するための複数のセンサ(117,118,119,120,130,106,103)と、を備える印刷機、特に枚葉紙オフセット印刷機(1)において、
前記乾燥ユニット(10a,10b)には、乾燥工程に影響を与える物質の流れの水分を測定するためのセンサ(117,118,119,120,130,106,103)が付属しており、その測定値を処理可能な計算ユニット(301)が設けられていることを特徴とする印刷機。
【請求項20】
前記計算ユニット(301)と接続された表示装置(304)を有しており、該表示装置に、求められた前記物質の流れの特性データを視覚的に表示可能である、請求項19に記載の印刷機。
【請求項21】
前記乾燥ユニット(10a,10b)の流入空気(20)と流出空気(30)の水分含有量を求めるための複数のセンサ(120a,130a)が設けられている、請求項19または20に記載の印刷機。
【請求項22】
単位時間あたりに塗布されるワニスの量を測定する少なくとも1つのセンサ(118)がさらに設けられている、請求項19から21のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項23】
前記乾燥ユニットに運び込まれる前記被印刷体および/または前記乾燥ユニットから出ていく前記被印刷体の水分を測定する少なくとも1つのセンサ(103,118,106)を有している、請求項19から22のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項24】
前記乾燥ユニット(9a,9b)へ供給される水分量および前記乾燥ユニット(9a,9b)から排出される水分量を求めるための、前記コンピュータ(301)の計算プログラムを有している、請求項19から23のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項25】
1つまたは複数の前記乾燥ユニットの流入空気または流出空気の体積流量を求めるための少なくとも1つのセンサ(130b)を有している、請求項19から24のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項26】
1つまたは複数の前記乾燥ユニットの流入空気流または流出空気流の温度を求めるための温度センサ(120b,130d)を有している、請求項19から25のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項27】
1つまたは複数の前記乾燥ユニットを通過する前後における前記被印刷体の温度を求めるための温度センサ(114,117)を有している、請求項19から26のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項28】
前記計算ユニット(301)と前記印刷機の前記制御装置との間がデータ接続(307)されている、請求項19から27のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項29】
前記計算ユニットは前記印刷機の前記制御装置の一部である、請求項19から27のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項30】
前記表示装置は前記印刷機の操作盤の一部である、請求項20から29のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項31】
前記印刷機は複数の前記乾燥ユニット(10a,10b;11a〜11d)を有しており、個々の前記乾燥ユニット(10a,10b)に、流出空気の水分を測定するための別個のセンサが付属している、請求項19から30のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項32】
各々の前記乾燥ユニット(10,11)に別個の温度センサが付属している、請求項31に記載の印刷機。
【請求項33】
制御装置と、複数の印刷ユニット(8a〜8d)と、分散ワニス用の少なくとも1つのニス引きユニット(9a,9b)と、熱による乾燥ユニット(10a,10b,11a〜11d)と、乾燥工程に影響を与える量を測定するための複数のセンサと、を備える印刷機、特に枚葉紙オフセット印刷機において、
前記乾燥ユニット(10,11)の流出空気通路内に、流出空気の湿度を測定する少なくとも1つのセンサが配置されており、前記湿度、または前記流出空気によって運び出される水分量を表示する表示装置(304)が設けられていることを特徴とする印刷機。
【請求項34】
流出空気流の湿度を測定する前記センサ(130c,130d)が、冷却された測定空気流内に配置されている、請求項21または33に記載の印刷機。
【請求項35】
主要な流れから分岐させられた測定空気流を冷却するためのペルチエ素子(410)を備える測定セル(401)を有しており、前記湿度を測定するセンサ(408)は温度センサと共に前記測定セル(401)内に配置されている、請求項34に記載の印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−331393(P2007−331393A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153844(P2007−153844)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(390009232)ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト (347)
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60, Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】