説明

印刷物

【課題】より優れた偽造防止効果を実現する。
【解決手段】 本発明の印刷物10は、被印刷物11と、前記被印刷物11上に形成され、隙間G1が設けられた第1印刷パターンP1とを具備し、前記第1印刷パターンP1とその隙間G1とからなる第1領域R1に対する前記隙間G1のうち前記第1印刷パターンP1からの距離が0.1mm以下である第1部分の面積比は10%以上であり、前記第1領域R1に対する前記第1印刷パターンP1の面積比は85%乃至90%の範囲内にあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷物の偽造が増加している。そのため、これを抑止すべく、種々の偽造防止技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、偽造防止技術を適用した印刷物の多くには、その適用が観察者によって比較的悟られ易いという問題がある。偽造防止技術の適用が悟られると、印刷物が不正に複製又は変造される可能性が高くなる。即ち、優れた偽造防止効果を達成できない。
【特許文献1】特開2005−88276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、より優れた偽造防止効果を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によると、被印刷物と、前記被印刷物上に形成され、隙間が設けられた第1印刷パターンとを具備し、前記第1印刷パターンとその隙間とからなる第1領域に対する前記隙間のうち前記第1印刷パターンからの距離が0.1mm以下である第1部分の面積比は10%以上であり、前記第1領域に対する前記第1印刷パターンの面積比は85%乃至90%の範囲内にあることを特徴とする印刷物が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、より優れた偽造防止効果を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
図1は、本発明の一態様に係る印刷物を概略的に示す拡大平面図である。図2は、図1に示す印刷物の一変形例を概略的に示す拡大平面図である。図3は、図1又は図2に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図である。
【0009】
印刷物10は、被印刷物11と、その上に形成された第1印刷パターンP1とを含んでいる。
【0010】
被印刷物11の種類には、特に制限はない。被印刷物11としては、例えば、紙を使用することができる。この紙としては、例えば、アート紙、コート紙若しくは上質紙等の洋紙、コートボール、コートマニラ若しくは両面カード等の板紙又は特殊証券用紙を使用することができる。或いは、被印刷物11は、プラスチックからなるカード等であってもよい。被印刷物11は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0011】
被印刷物11は、明るい色であることが望ましい。ここでは、一例として、被印刷物11は、白色であるとする。
【0012】
第1印刷パターンP1は、インクを用いて形成する。このインクの種類及び色等には、特に制限はない。但し、典型的には、後述する偽造防止効果を顕著にすべく、黒色又は彩度が比較的低い濁色のインクを使用する。
【0013】
第1印刷パターンP1には、隙間G1が設けられている。第1印刷パターンP1とその隙間G1とは、第1領域R1を形成している。隙間G1のうち第1印刷パターンP1からの距離が0.1mm以下である第1部分の第1領域R1に対する面積比は、10%以上である。また、第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比は、85%乃至90%の範囲内にある。
【0014】
第1印刷パターンP1は、入れ子状に配置された複数のサブパターンを含んでいる。これら複数のサブパターンの各々は、図1では円環であり、図2では部分的に欠落した円環である。なお、図1及び図2には、第1印刷パターンP1を拡大して描いているため、サブパターンを互いから識別できるが、実際には、サブパターン間の隙間は狭いため、肉眼でそれらを互いから識別することは困難である。
【0015】
これら複数のサブパターンの各々は、楕円環又は部分的に欠落した楕円環であってもよい。或いは、これら複数のサブパターンの各々は、閉じた多辺形又は部分的に欠落した多辺形であってもよい。
【0016】
或いは、第1印刷パターンP1は、格子状に形成されてもよい。例えば、第1印刷パターンP1は、正方格子状であってもよく、矩形格子状であってもよく、三角格子状であってもよく、六角格子状であってもよい。第1印刷パターンP1を構成している格子は、直線により形成されていてもよく、曲線により形成されていてもよい。また、これら直線又は曲線は、部分的に欠落していてもよい。
【0017】
なお、第1印刷パターンP1の一部が部分的に欠落している場合には、この欠落部分内の任意の点から第1印刷パターンP1への最短距離は、例えば0.1mm以下とし、典型的には0.05mm以下とする。
【0018】
第1印刷パターンP1は、肉眼で観察すると、隙間が設けられていない印刷パターンと比較してより明るい印刷パターンとして知覚される。即ち、第1印刷パターンP1は、肉眼で観察すると、典型的には、隙間が設けられていない暗灰色の印刷パターンと区別がつかない。そのため、印刷物10に偽造防止技術が適用されていることが悟られ難く、優れた偽造防止効果を達成できる。
【0019】
図1又は図2に示す印刷物10を電子写真技術又はインクジェット印刷技術により複写すると、図3に示す複写物20が得られる。複写物20は、ブランク媒体21と、ブランク媒体21上に形成され且つ第1印刷パターンP1に対応した第1複写パターンC1とを含んでいる。ブランク媒体21は、複写すべき情報が記録されていない媒体であり、典型的には、紙である。ここでは、一例として、ブランク媒体21は、白色の紙であるとする。
【0020】
第1複写パターンC1の形状は、第1印刷パターンP1の形状と一致しない。第1複写パターンC1の形状は、典型的には、第1印刷パターンP1と第1部分とが占める領域に対応した形状となる。即ち、複写時の位置ずれ及びトナー又はインクの滲み等により、第1印刷パターンP1に設けられていた隙間が消失するか、又は、その隙間の面積が極めて小さくなる。
【0021】
それゆえ、第1複写パターンC1は、第1印刷パターンP1と比較してより暗いパターンとして知覚される。したがって、複写前後の各パターンの明るさを比較することにより、真正品である印刷物10と非真正品である複写物20とを互いに識別することができる。即ち、優れた偽造防止効果を達成できる。
【0022】
第1印刷パターンP1とその隙間G1とからなる第1領域R1の反射率と、第1複写パターンC1又は第1複写パターンC1とその隙間とからなる領域の反射率との差は、第1領域R1に対する第1部分の面積比に依存する。この面積比は、上述した通り、10%以上とする。より好ましくは、この面積比は、15%以上とする。この面積比が小さいと、第1印刷パターンP1と第1複写パターンC1との明るさの差異を知覚することが困難となる場合がある。
【0023】
また、第1領域R1の反射率又は明るさは、第1領域R1に占める第1印刷パターンP1の面積比に依存する。この面積比は、上述した通り、85%乃至90%の範囲内とする。この面積比が大きいと、第1印刷パターンP1と第1複写パターンC1とが共に暗いパターンとして知覚され、両者の明るさの差異を知覚することが困難となる場合がある。この面積比が小さいと、第1印刷パターンP1と第1複写パターンC1とが共に明るいパターンとして知覚され、両者の明るさの差異を知覚することが困難となる場合がある。
【0024】
なお、第1印刷パターンP1として、図2に示すような欠落部分を有するパターンを使用した場合、欠落部分を有しないパターンを使用した場合と比較して、より明るい表示が可能となる。したがって、この場合、第1印刷パターンP1と第1複写パターンC1との識別が更に容易となり得る。
【0025】
図1及び図2には、印刷物10が第1印刷パターンP1を1つだけ備えている場合を描いているが、印刷物10は、複数の第1印刷パターンP1を備えていてもよい。例えば、印刷物10は、規則的に配列された複数の第1印刷パターンP1を備えていてもよい。この場合、真正品である印刷物10と非真正品である複写物20との識別がより容易となる。
【0026】
図4は、本発明の他の態様に係る印刷物を概略的に示す拡大平面図である。図5は、図4に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図である。
【0027】
図4に示す印刷物10は、被印刷物11上に形成された第2印刷パターンP2を更に備えていること以外は、図1を参照しながら説明した印刷物10と同様の構成を有している。
【0028】
第2印刷パターンP2は、典型的には、第1印刷パターンP1と同色のインク等を用いて形成する。
【0029】
図4に示す印刷物10では、第2印刷パターンP2は、隙間を有していない。したがって、第2印刷パターンP2は、第1印刷パターンP1と比較して、より暗いパターンとして知覚される。即ち、この印刷物10では、第1印刷パターンP1と第2印刷パターンP2とを互いに判別することができる。
【0030】
この印刷物10を電子写真技術又はインクジェット印刷技術により複写して得られる複写物20は、第1印刷パターンP1に対応した第1複写パターンC1と、第2印刷パターンP2に対応した第2複写パターンC2とを含んでいる。第1複写パターンC1は、上述した通り、隙間を有さないか又は隙間の大きさが極めて小さい。そのため、第1複写パターンC1は、暗いパターンとして知覚される。また、第2複写パターンC2は、第2印刷パターンP2と同様に、隙間を有さない。そのため、第2複写パターンC2も、暗いパターンとして知覚される。したがって、第1複写パターンC1と第2複写パターンC2とを互いに判別することは、不可能であるか又は極めて困難である。
【0031】
以上の通り、真正品である印刷物10と、非真正品である複写物20とは、互いに異なるパターンを表示する。したがって、両者は、互いに識別可能である。即ち、印刷物10は、優れた偽造防止効果を有している。
【0032】
なお、この場合、印刷物10が第2印刷パターンP2を含んでいない場合と比較して、以下の利点がある。即ち、この場合、印刷パターンP1及びP2を、又は、複写パターンC1及びC2を、単一の印刷物中で直接的に対比することができる。そのため、印刷物の真正さを、真正品の第1印刷パターンP1との比較をすることなしに確認することができる。したがって、真正品である印刷物10と非真正品である複写物20との識別がより容易となる。即ち、更に優れた偽造防止効果を達成できる。
【0033】
図6は、図4に示す印刷物の一変形例を概略的に示す拡大平面図である。図7は、図6に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図である。
【0034】
図6に示す印刷物10は、第2印刷パターンP2が隙間を有していること以外は、図4に示す印刷物10と同様の構成を有している。
【0035】
この例では、第2印刷パターンP2とその隙間G2とからなる第2領域R2に対する第2印刷パターンP2の面積比は、第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比と比較してより大きい。即ち、第2印刷パターンP2は、第1印刷パターンP1と比較してより暗いパターンとして知覚される。そのため、印刷物10において、第1印刷パターンP1と第2印刷パターンP2とを、互いに異なるパターンとして知覚できる。
【0036】
また、第2印刷パターンP2の隙間G2のうち第2印刷パターンP2からの距離が0.1mm以下である第2部分以外の部分の第2領域R2に対する面積比は、第1印刷パターンP1の隙間G1のうち第1部分以外の部分の第1領域R1に対する面積比と等しいか又はより小さい。そのため、第2複写パターンC2は、第1複写パターンC1と明るさが等しいか又はより暗いパターンとして知覚される。そして、上述したように、第1複写パターンC1は、暗いパターンとして知覚される。即ち、第1複写パターンC1と第2複写パターンC2とは、共に暗いパターンとして知覚される。したがって、第1複写パターンC1と第2複写パターンC2とを判別することは、不可能であるか又は極めて困難である。
【0037】
以上の通り、図6に示す印刷物10では、第1印刷パターンP1と第2印刷パターンP2との明るさの差を直接的に対比することにより、両パターンを判別することができる。これに対し、複写物20では、第1複写パターンC1と第2複写パターンC2とを互いに判別することは、不可能であるか又は極めて困難である。したがって、真正品である印刷物10と非真正品である複写物20とを互いに識別することができる。
【0038】
図4乃至図7を参照しながら説明した印刷物10では、第1印刷パターンP1と第1部分とからなる領域の面積と、第2印刷パターンP2と第2部分とからなる領域の面積とを互いに等しくしてもよい。この場合、第1複写パターンC1の面積と第2複写パターンC2の面積とが略同一となるため、これら複写パターンの明るさの差異がより小さくなる。そのため、両者の判別が更に困難となり、より優れた偽造防止効果が達成できる。
【0039】
なお、図4及び図6を参照しながら説明した第1印刷パターンP1と、図4を参照しながら説明した第2印刷パターンP2と、図6を参照しながら説明した第2印刷パターンP2とは、互いに明るさが異なる。そのため、これら印刷パターンは、互いに判別可能である。即ち、これらパターンを組み合わせれば、印刷物10において、3階調からなる表示をすることができる。
【0040】
図8は、図4又は図6に示す構成を利用して得られる印刷物の一例を概略的に示す平面図である。図9は、図8に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図である。
【0041】
この印刷物10は、複数の第1印刷パターンP1及び複数の第2印刷パターンP2を備えている。これら印刷パターンP1及びP2の各々としては、先に図1乃至図7を参照しながら説明した各印刷パターンを使用する。
【0042】
これらパターンは、典型的には、規則的に配列されている。そして、複数の第1印刷パターンP1の配列又は複数の第2印刷パターンP2の配列は、典型的には、印刷物10が有する情報の少なくとも一部を表示する。即ち、比較的明るい複数の第1印刷パターンP1と比較的暗い複数の第2印刷パターンP2との対比により、文字及び図形等の情報を表示することができる。図8には、一例として、複数の第2印刷パターンP2の配列が、文字「A」を表す情報を表示している場合を描いている。
【0043】
図8に示す印刷物10では、大部分の第1印刷パターンP1は、入れ子状に配置された複数の円環を備えたパターンである。一方、大部分の第2印刷パターンP2は、内部に隙間を有さない円からなるパターンである。そして、これら第1印刷パターンP1の外周を形成している円環の直径と、これら第2印刷パターンP2を構成する円の直径とは、互いに等しい。
【0044】
また、図8に示す印刷物10は、これら第1印刷パターンP1の配列と第2印刷パターンP2の配列との境界において、一部が第1印刷パターンP1からなり、残部が第2印刷パターンP2からなるパターンを含んでいる。このパターンの外周を形成している円の半径は、上述した印刷パターンP1及びP2における円環又は円の半径と等しい。
【0045】
この印刷物10を電子写真技術又はインクジェット印刷技術により複写すると、図9に示すような複写物20が得られる。この複写物20は、複写パターンC1及びC2からなる。上述した通り、複写パターンC1及びC2は、互いに判別することが不可能であるか又は極めて困難である。したがって、印刷物10を複写すると、印刷物10において印刷パターンP1とP2との対比により表示されていた情報は、消失するか又は知覚することが極めて困難となる。そのため、この情報の表示の有無又はその視認性の差異を調べることにより、真正品である印刷物10と非真正品である複写物20とを互いに識別することができる。
【0046】
図10は、図8に示す印刷物の一変形例を概略的に示す平面図である。図11は、図10に示す印刷物の一部を拡大して示す平面図である。図12は、図11に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図である。
【0047】
図10及び図11に示す印刷物10は、図8を参照しながら説明した第1印刷パターンP1及び第2印刷パターンP2に加えて、被印刷物11上に形成され、各々が網点含んだ第3印刷パターンP3及び第4印刷パターンP4を更に備えている。図10及び図11に示す印刷物10では、複数の第2印刷パターンP2の配列は、図8に示す印刷物10と同様に、文字「A」を表す情報を表示している。また、この印刷物10では、第3印刷パターンP3は、図12に示すように、印刷物10の電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写物20において文字「B」を表す情報を表示する潜像を形成している。これについて、以下に詳細に説明する。
【0048】
各網点の形状には、特に制限はない。典型的には、各網点は、一定の半径を有した円形状とする。
【0049】
これら印刷パターンP3及びP4は、単位領域に占める網点の面積比が互いに等しく且つ15%乃至20%の範囲内となるように形成する。そのため、この印刷物10のうち第3印刷パターンP3を形成した領域R3と第4印刷パターンP4を形成した領域R4とは、明るさが等しく、互いに判別することが不可能であるか又は極めて困難である。
【0050】
また、第3印刷パターンP3と第4印刷パターンP4とでは、網点の寸法が異なっている。具体的には、第3印刷パターンP3を構成している網点の寸法は、第4印刷パターンP4を構成している網点の寸法と比較してより大きい。第3印刷パターンP3は、網点の寸法が比較的大きいため、電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写によって再現され易い。第4印刷パターンP4は、網点の寸法が比較的小さいため、電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写によって再現され難い。したがって、これら印刷パターンP3及びP4を電子写真技術又はインクジェット印刷技術により複写すると、図12に示すように、複写物20には、領域R3に対応した領域R3’と、領域R4に対応した領域R4’とが互いに判別可能に形成される。即ち、反射率が異なる領域R3’及び領域R4’が得られる。
【0051】
このように、図10及び図11に示す印刷物10は、複数の印刷パターンP2の配列によって、情報「A」を表示している。そして、この印刷物10を複写すると、図12に示すように、複数の第2印刷パターンP2の配列により表示されていた文字情報「A」は消失し、第3印刷パターンP3による潜像としての文字情報「B」が可視化する。したがって、この印刷物10を真正品とすると、真正品と非真正品との識別を極めて容易に行うことが可能となる。
【0052】
第4印刷パターンP4を構成している網点の1ドット当りの面積に対する第3印刷パターンP3を構成している網点の1ドット当りの面積の比は、例えば、5乃至7の範囲内とする。この値が小さいと、領域R3’と領域R4’とが互いに判別され難くなる場合がある。この値が大きいと、領域R3と領域R4とが互いに判別され易くなる場合がある。
【0053】
印刷パターンP3及びP4は、典型的には、印刷パターンP1及びP2と重なるように形成されている。この場合、印刷パターンP3及びP4が印刷パターンP1及びP2と重ならないように形成されている場合と比較して、印刷パターンP3とP4とを判別することがより困難となる。それゆえ、印刷パターンP3及びP4の一方が潜像を形成している場合、その潜像の存在がより悟られ難い。
【0054】
印刷パターンP1及びP2間には、印刷パターンP3及びP4を視認可能とすべく隙間を設ける。印刷パターンP1及びP2間の最短距離は、典型的には、0.1mm乃至0.2mmの範囲内とする。この距離が小さいと、複写パターンC3及びC4の対比により表示される像を知覚することが困難となる場合がある。一方、この距離が大きいと、潜像を形成している印刷パターンP3及びP4の存在が悟られ易くなる場合がある。また、印刷パターンP1又はP2の配列により情報を表示することが困難となる場合がある。
【0055】
なお、印刷パターンP3及び/又はP4は、網点の代わりに、万線により形成されていてもよい。万線を構成する線は、直線であってもよく、曲線であってもよい。印刷パターンP3及びP4の双方が万線を含んでいる場合、両パターンでは、例えば、万線の線幅が異なっている。
【0056】
図13は、本発明の他の態様に係る印刷物を概略的に示す拡大平面図である。図14は、図13に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図である。
【0057】
図13に示す印刷物10は、被印刷物11と、その上に形成された第1印刷パターンP1及び第2印刷パターンP2とを備えている。なお、第2印刷パターンP2には、隙間G2が設けられている。
【0058】
第2印刷パターンP2とその隙間G2とは、第2領域R2を形成している。この第2領域R2に対する第2印刷パターンP2の面積比は、第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比と等しい。即ち、この印刷物10を肉眼で観察した場合、両者の明るさは互いに等しい。したがって、印刷パターンP1とP2とを互いに判別することは、不可能であるか又は極めて困難である。
【0059】
第2印刷パターンP2の隙間G2は、第2印刷パターンP2からの最短距離が0.1mmを超える部分を含んでいる。また、隙間G2のうち第2印刷パターンP2からの距離が0.1mm以下である第2部分の隙間G2に対する面積比は、上記第1部分の隙間G1に対する面積比と比較してより小さい。
【0060】
この場合、第2印刷パターンP2を複写してなる第2複写パターンC2は、第1印刷パターンP1を複写してなる第1複写パターンC1と比較してより明るい。そのため、複写パターンC1とC2とを互いに判別することができる。即ち、真正品である印刷物10では、印刷パターンP1及びP2を互いに判別することが不可能であるか又は極めて困難であるのに対し、非真正品である複写物20では、複写パターンC1及びC2を互いに判別することが可能である。したがって、真正品と非真正品との識別を容易に行うことができる。
【0061】
図15は、図13に示す構成を利用して得られる印刷物の一例を概略的に示す平面図である。図16は、図15に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図である。
【0062】
図15に示す印刷物10は、印刷パターンP1及びP2の各々を複数備えていること以外は、図13に示した印刷物10と同様の構成を有している。
【0063】
印刷パターンP1又はP2の配列は、典型的には、印刷物10の電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写物20において情報の少なくとも一部を表示する潜像を構成している。図16には、一例として、この潜像が文字「T」を表す情報を表示する場合を示している。
【0064】
真正品である印刷物10においては、印刷パターンP1及びP2を互いに判別することが不可能であるか又は極めて困難であるため、これらパターンの配列は、視認可能な像を構成しない。一方、非真正品である複写物20においては、複写パターンC1及びC2を互いに判別することが可能であるため、複写パターンC1又はC2の配列は、視認可能な像を形成する。即ち、印刷物10を複写することにより、印刷パターンP1又はP2の配列が形成していた潜像が可視化する。これにより、真正品と非真正品とを容易に識別することが可能となる。
【0065】
図17は、図15に示す印刷物の一変形例を概略的に示す平面図である。図18は、図17に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図である。
【0066】
この印刷物10は、図15を参照しながら説明した印刷パターンP1及びP2に加えて、上述した印刷パターンP3及びP4を更に含んでいる。印刷パターンP3及びP4の一方は、典型的には、印刷物10の電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写物20において情報の少なくとも他の一部を表示する潜像を構成している。図18では、一例として、この潜像が文字「P」を表す情報を表示する場合を描いている。
【0067】
この場合、真正品である印刷物10においては、印刷パターンP1とP2とを互いに判別することは、不可能であるか又は極めて困難である。また、上述した通り、領域R3と領域R4とを互いに判別することも、不可能であるか又は極めて困難である。一方、非真正品である複写物20においては、複写パターンC1とC2とを互いに判別することが可能である。更には、領域R3’と領域R4’とを互いに判別することも可能である。
【0068】
したがって、図18に示すように、非真正品である複写物20において、2種類の潜像を同時に可視化することができる。そのため、真正品と非真正品との識別が更に容易となる。
【実施例】
【0069】
<例1:サンプルAの製造>
印刷物10の一例として、図8を参照しながら説明した印刷物10を製造した。各印刷パターンP1及びP2は、黒色のインクにより形成した。第1印刷パターンP1の各々は、入れ子状に配置された複数の円環からなるパターンとした。第2印刷パターンP2の各々は、ベタ状の円とした。そして、第1印刷パターンP1の最外周を構成している円環の半径及び第2印刷パターンP2を構成している円の半径は、共に2.5mmとした。なお、各パターン間の最短距離は、0.15mmとした。即ち、各パターンの縦及び横方向の配列についての送りピッチは、共に2.65mmとした。また、第1印刷パターンP1の各々が含んでいる円環の本数は、7本とした。
【0070】
ここで、各円環の半径方向の幅L1と各円環に挟まれた隙間の半径方向の幅L2との比L1/L2は、第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比が95%となるように定めた。以下、このようにして得られた印刷物を「サンプルA」と呼ぶ。なお、この場合、第1領域R1に対する第1部分の面積比は、5%であった。
【0071】
<例2:サンプルBの製造>
比L1/L2を第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比が90%となるように定めたこと以外は、サンプルAについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルB」と呼ぶ。なお、この場合、第1領域R1に対する第1部分の面積比は、10%であった。
【0072】
<例3:サンプルCの製造>
比L1/L2を第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比が85%となるように定めたこと以外は、サンプルAについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルC」と呼ぶ。なお、この場合、第1領域R1に対する第1部分の面積比は、15%であった。
【0073】
<例4:サンプルDの製造>
比L1/L2を第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比が80%となるように定めたこと以外は、サンプルAについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルD」と呼ぶ。なお、この場合、第1領域R1に対する第1部分の面積比は、20%であった。
【0074】
<例5:サンプルEの製造>
比L1/L2を第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比が75%となるように定めたこと以外は、サンプルAについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルE」と呼ぶ。なお、この場合、第1領域R1に対する第1部分の面積比は、25%であった。
【0075】
<例6:サンプルFの製造>
比L1/L2を第1領域R1に対する第1印刷パターンP1の面積比が70%となるように定めたこと以外は、サンプルAについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルF」と呼ぶ。なお、この場合、第1領域R1に対する第1部分の面積比は、30%であった。
【0076】
<印刷物と複写物との識別性>
まず、サンプルA乃至Fが表示している情報の視認性を調べた。具体的には、20人の被験者にサンプルA乃至Fの各々を観察させ、文字「A」の表示の知覚し易さを評価させた。
【0077】
次に、サンプルA乃至Fの各々を、カラーコピー機を用いて複写した。そして、各サンプルに対応した複写物について、文字「A」の表示の知覚し難さを評価させた。
【0078】
これらの結果を表1に示す。
【表1】

【0079】
表1から分かるように、サンプルB乃至Fでは、文字「A」の表示が明確に知覚できた。一方、サンプルAでは、印刷パターンP1とP2との濃度差が小さく、両者が共に暗いパターンとして認識され、当該表示を知覚することは困難であった。
【0080】
また、サンプルA乃至Cの複写物では、文字「A」の表示を明確に知覚することができなくなった。一方、サンプルD乃至Fの複写物では、第1印刷パターンP1に対応した第1複写パターンC1が明るいパターンとして、第2印刷パターンP2に対応した第2複写パターンC2が暗いパターンとして視認され、当該表示を知覚することが可能であった。
【0081】
以上の通り、サンプルB及びCでは、複写により、文字「A」の表示を消滅させることができた。即ち、これらサンプルでは、優れた偽造防止効果を達成することができた。
【0082】
なお、表1から分かるように、サンプルA乃至Fの各々で、文字「A」の表示の視認性が異なっている。このことから、上記の比L1/L2等を変化させることにより、異なる明るさの表示を行うことができることが分かる。したがって、比L1/L2等を互いに異ならしめた印刷パターンを併用することにより、図13を参照しながら説明した印刷物10を製造することが可能である。
【0083】
<例7:サンプルGの製造>
印刷物10の他の例として、図11を参照しながら説明した印刷物10を製造した。印刷パターンP1及びP2は、サンプルCについて説明したのと同様の構成とした。印刷パターンP3及びP4の各々は、網点により構成した。印刷パターンP3及びP4は、第3印刷パターンP3が複写物において文字「B」なる情報を表示できるように形成した。
【0084】
単位領域に占める網点の面積比は、両パターン共に、15%とした。第4印刷パターンP4を構成している網点の1ドット当りの面積S4に対する第3印刷パターンP3を構成している網点の1ドット当りの面積S3の比S3/S4は、5.14とした。
【0085】
<例8:サンプルHの製造>
単位領域に占める網点の面積比を18%としたこと以外は、サンプルGについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルH」と呼ぶ。
【0086】
<例9:サンプルIの製造>
単位領域に占める網点の面積比を20%としたこと以外は、サンプルGについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルI」と呼ぶ。
【0087】
<例10:サンプルJの製造>
単位領域に占める網点の面積比を25%としたこと以外は、サンプルGについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルJ」と呼ぶ。
【0088】
<例11:サンプルKの製造>
単位領域に占める網点の面積比を30%としたこと以外は、サンプルGについて述べたのと同様にして、印刷物を製造した。以下、この印刷物を「サンプルK」と呼ぶ。
【0089】
<印刷物と複写物との識別性>
まず、サンプルG乃至Kにおける印刷パターンP3の視認性を調べた。具体的には、20人の被験者にサンプルG乃至Kの各々を観察させ、文字「B」の表示が知覚可能であるかを評価させた。
【0090】
次に、サンプルG乃至Kの各々を、カラーコピー機を用いて複写した。そして、各サンプルに対応した複写物について、文字「B」の表示の知覚し易さを評価させた。
【0091】
これらの結果を表2に示す。
【表2】

【0092】
表2から分かるように、サンプルG乃至Kでは、文字「B」の表示を知覚することは、不可能であるか又は極めて困難であった。特に、サンプルG乃至Iでは、サンプルJ及びKと比較して、文字「B」の表示を知覚することがより困難であった。
【0093】
また、サンプルG乃至Kの複写物では、文字「B」の表示を知覚することができた。特に、サンプルG乃至Iの複写物では、サンプルJ及びKの複写物と比較して、文字「B」の表示が遥かに明瞭であった。即ち、これら複写物においては、第3印刷パターンP3により構成された潜像を、明瞭に可視化することができた。
【0094】
以上の通り、サンプルG乃至Kでは、複写により、第3印刷パターンP3が形成している潜像を可視化させることが可能であった。即ち、これらサンプルでは、優れた偽造防止効果を達成することができた。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一態様に係る印刷物を概略的に示す拡大平面図。
【図2】図1に示す印刷物の一変形例を概略的に示す拡大平面図。
【図3】図1又は図2に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図。
【図4】本発明の他の態様に係る印刷物を概略的に示す拡大平面図。
【図5】図4に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図。
【図6】図4に示す印刷物の一変形例を概略的に示す拡大平面図。
【図7】図6に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図。
【図8】図4又は図6に示す構成を利用して得られる印刷物の一例を概略的に示す平面図。
【図9】図8に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図。
【図10】図8に示す印刷物の一変形例を概略的に示す平面図。
【図11】図10に示す印刷物の一部を拡大して示す平面図。
【図12】図11に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図。
【図13】本発明の他の態様に係る印刷物を概略的に示す拡大平面図。
【図14】図13に示す印刷物の複写物を概略的に示す拡大平面図。
【図15】図13に示す構成を利用して得られる印刷物の一例を概略的に示す平面図。
【図16】図15に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図。
【図17】図15に示す印刷物の一変形例を概略的に示す平面図。
【図18】図17に示す印刷物の複写物を概略的に示す平面図。
【符号の説明】
【0096】
10…印刷物、11…被印刷物、20…複写物、21…ブランク媒体、P1…第1印刷パターン、P2…第2印刷パターン、G1…隙間、G2…隙間、R1…第1領域、R2…第2領域、C1…第1複写パターン、C2…第2複写パターン、R3…領域、R3’…領域、R4…領域、R4’…領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物と、前記被印刷物上に形成され、隙間が設けられた第1印刷パターンとを具備し、前記第1印刷パターンとその隙間とからなる第1領域に対する前記隙間のうち前記第1印刷パターンからの距離が0.1mm以下である第1部分の面積比は10%以上であり、前記第1領域に対する前記第1印刷パターンの面積比は85%乃至90%の範囲内にあることを特徴とする印刷物。
【請求項2】
前記被印刷物上に形成され、隙間が設けられていない第2印刷パターンを更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
【請求項3】
前記被印刷物上に形成され、隙間が設けられた第2印刷パターンを更に具備し、前記第2印刷パターンとその隙間とからなる第2領域に対する前記第2印刷パターンの面積比は、前記第1領域に対する前記第1印刷パターンの面積比と比較してより大きく、前記第2印刷パターンの隙間のうち前記第2印刷パターンからの距離が0.1mm以下である第2部分以外の部分の前記第2領域に対する面積比は、前記第1印刷パターンの隙間のうち前記第1部分以外の部分の前記第1領域に対する面積比と等しいか又はより小さいことを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
【請求項4】
前記第1印刷パターンと前記第1部分とが占める領域は、前記第2印刷パターン又は前記第2印刷パターンと前記第2部分とが占める領域と面積が等しいことを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷物。
【請求項5】
前記第1及び第2印刷パターンの各々を複数具備し、肉眼で観察した場合に、前記複数の第1印刷パターンの配列又は前記複数の第2印刷パターンの配列は情報の少なくとも一部を表示することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の印刷物。
【請求項6】
前記被印刷物上に形成され、各々が網点又は万線を含んだ第3及び第4印刷パターンを更に具備し、前記第3及び第4印刷パターンは、単位領域に占める前記網点又は万線の面積比が互いに等しく且つ15%乃至20%の範囲内にあり、前記網点の寸法が異なっているか又は前記万線の線幅が異なっていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の印刷物。
【請求項7】
前記第3及び第4印刷パターンの一方は、前記印刷物の電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写物において情報の少なくとも一部を表示する潜像を構成していることを特徴とする請求項6に記載の印刷物。
【請求項8】
前記被印刷物上に形成され、隙間が設けられた第2印刷パターンを更に具備し、前記第2印刷パターンとその隙間とが占める第2領域に対する前記第2印刷パターンの面積比は、前記第1領域に対する前記第1印刷パターンの面積比と等しく、前記第2印刷パターンの隙間は前記第2印刷パターンからの最短距離が0.1mmを超える部分を含み、前記第2印刷パターンの隙間のうち前記第2印刷パターンからの距離が0.1mm以下である第2部分の前記第2印刷パターンの隙間に対する面積比は、前記前記第1部分の第1印刷パターンの隙間に対する面積比と比較してより小さいことを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
【請求項9】
前記第1及び第2印刷パターンの各々を複数具備し、前記複数の第1印刷パターンの配列又は前記複数の第2印刷パターンの配列は、前記印刷物の電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写物において情報の少なくとも一部を表示する潜像を構成していることを特徴とする請求項8に記載の印刷物。
【請求項10】
前記被印刷物上に形成され、各々が網点又は万線を含んだ第3及び第4印刷パターンを更に具備し、前記第3及び第4印刷パターンは、単位領域に占める前記網点又は万線の面積比が互いに等しく且つ15%乃至20%の範囲内にあり、前記網点の寸法が異なっているか又は前記万線の線幅若しくは方位が異なっていることを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷物。
【請求項11】
前記第3及び第4印刷パターンの一方は、前記印刷物の電子写真技術又はインクジェット印刷技術による複写物において情報の少なくとも一部を表示する潜像を構成していることを特徴とする請求項10に記載の印刷物。
【請求項12】
前記第2印刷パターンの形状又は前記第2印刷パターンとその隙間とが占める第2領域の形状は、前記第1領域の形状と等しいことを特徴とする請求項2乃至11の何れか1項に記載の印刷物。
【請求項13】
前記第1印刷パターンは入れ子状に配置された複数のサブパターンを含んでいることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の印刷物。
【請求項14】
前記複数のサブパターンの各々は円環又は部分的に欠落した円環であることを特徴とする請求項13に記載の印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−42590(P2010−42590A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207949(P2008−207949)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】