説明

印刷装置、記録部材、及び印刷方法

【課題】 点字を用いて多様でリアルタイム性のある情報を提供すること。
【解決手段】 点字とURL情報を印刷した点字印刷物を媒介として、視覚障害を持つユーザに音声などによる情報提供を行う。点字印刷物には、ID画像20を背景として点字列21が打刻されている。ユーザがこれを携帯電話で撮影すると、点字列21と共に周囲のID画像20も撮影される。携帯電話は、その撮影画像データをURLサーバに送信する。URLサーバは、ID画像20をフーリエ変換してIDパターンを得る。URLサーバは、IDパターンとURLを対応づけて記憶しており、フーリエ変換したIDパターンに対応づけられているURLを携帯電話に送信する。携帯電話は、URLサーバからURLを受信し、これを用いて音声サーバに接続する。音声サーバは携帯電話に音声データを送信し、携帯電話は、この音声データを再生してユーザに音声による情報提供を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、記録部材、及び印刷方法に関し、例えば、周波数領域でID情報を埋め込んだ画像を背景として点字を刻印するものに関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者にとって点字は重要な情報源である。日々のニュースを点字により印刷した点字新聞や点字により記された点字書籍などが広く利用されている。また、電車の切符の自動販売機などに点字を打刻したシールを貼り付け、視覚障害者が切符の購入を容易に行うことができるような試みも行われている。
【0003】
点字では、点(ドット)を縦3個、横2個に矩形状に配置し、その配置パターンにより点字コードが定義されており、各点字コードには、「あ」、「い」、「う」、・・・などの文字が対応づけられている。
点字は点字プリンタなどの特殊な印刷装置を用いて印刷用紙や樹脂、あるいは金属などの記録部材上に凸状の突起点として刻印して印刷される。
【0004】
視覚障害者は、用紙に刻印された点字コードを指先の触覚により読み取り、これに文字を対応させて内容を読み取っている。
このように印刷媒体に点字を印刷する技術として次の文献がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−233531公報
【0006】
この技術は、点字印刷と墨字印刷を用紙の両面に同時に行うことができるものである。
点字は、用紙上で1文字が占有する面積が大きいため、両面印刷を行うことにより記録密度を向上させることができる。また、墨字印刷も行うことにより、健常者や弱視者に墨字による情報を提供することができる。
また、視覚障害者に音声による情報提供を行う技術として次の2次元コード音声化装置がある。
【0007】
【特許文献2】特開2002−297173公報
【0008】
この技術は、2次元コード化されたテキスト文書を音声出力するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、情報を点字に点訳する作業は仕事量が膨大であり、また、作業者も限られているためボランティアなどに頼ることも多い。
そのため、点字で利用できる情報は、他のメディアで利用できる情報に比べて極めて少なく、また、リアルタイム性に欠けるという問題があった。
また、2次元コードを音声化する場合も、リアルタイム性に欠けると共に、提供できる情報の情報量に限りがある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、点字を用いて多様でリアルタイム性のある情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、周波数領域にてID情報を規定したID画像情報を取得するID画像取得手段と、点字を形成するための点字情報を取得する点字情報取得手段と、前記取得したID画像情報を用いてID画像を記録部材の所定領域に印刷するID画像印刷手段と、前記所定領域の一部の領域に前記取得した点字情報を用いて点字を形成する点字形成手段と、を具備したことを特徴とする印刷装置を提供する(第1の構成)。
第1の構成において、前記取得したID画像情報と、前記取得した点字情報との組を、識別情報を付与して記憶する記憶手段と、識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記取得した識別情報に対応付けられているID画像情報と点字情報の組を前記記憶手段から取得する組取得手段と、を具備し、前記ID画像印刷手段は、前記取得した組のID画像情報を用いてID画像を印刷し、前記点字形成手段は、前記取得した組の点字情報を用いて点字を形成するように構成することもできる(第2の構成)。
また、本発明は、前記目的を達成するために、周波数領域にてID情報を規定したID画像が印刷された所定領域と、前記所定領域の一部に形成された点字と、を有する記録部材を提供する(第3の構成)。
第3の構成において、前記ID画像の位置を触覚によって示すID画像位置指示手段を具備するように構成することもできる(第4の構成)。
第4の構成において、前記ID画像位置指示手段は、前記形成された点字のうちの少なくとも一部であるように構成することもできる(第5の構成)。
更に、本発明は、前記目的を達成するために、ID画像取得手段と、点字情報取得手段と、ID画像印刷手段と、点字形成手段と、を備えた印刷装置において、前記ID画像取得手段によって、周波数領域にてID情報を規定したID画像情報を取得するID画像取得ステップと、前記点字情報取得手段によって、点字を形成するための点字情報を取得する点字情報取得ステップと、前記ID画像印刷手段によって、前記取得したID画像情報を用いてID画像を記録部材の所定領域に印刷するID画像印刷ステップと、前記点字形成手段によって、前記所定領域の一部の領域に前記取得した点字情報を用いて点字を形成する点字形成ステップと、から構成されたことを特徴とする印刷方法を提供する(第6の構成)。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、点字を用いて多様でリアルタイム性のある情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(1)実施の形態の概要
本実施の形態は、点字とURL情報を印刷した点字印刷物を媒介として、視覚障害を持つユーザ(以下、ユーザ)にサーバ経由で音声などによる情報提供を行うものである。以下に図2と図4(a)を用いて本実施の形態の概要について説明する。
【0014】
図4(a)は、ユーザに提供される点字印刷物の一例を示したものである。点字印刷物4にはID画像20を背景として点字列21が打刻されている。
点字列21では、点字列21を携帯電話で撮影するように指示する内容などが記されている。
【0015】
図2は、本実施の形態の情報提供システム1のシステム構成を示している。
ユーザは、点字列21を指先の触覚を用いて認識し、記されている内容を理解する。そして、点字列21の指示に従って、これを図2に示した携帯電話5で撮影すると、点字列21と共に周囲のID画像20も撮影される。そして、携帯電話5は、その撮影画像データをURLサーバ2に送信する。
【0016】
URLサーバ2は、撮影画像データに含まれるID画像20をフーリエ変換する。すると、後述するように、予め定義しておいたIDパターンが得られる。
URLサーバ2は、IDパターンと各種サーバのURL(Uniform Resource Locators)を対応づけて記憶しており、フーリエ変換したIDパターンに対応づけられているURLを携帯電話5に送信する。本実施の形態では、このURLは音声サーバ6のURLとなっている。
【0017】
携帯電話5は、URLサーバ2からURLを受信し、これを用いて音声サーバ6に接続する。
すると、音声サーバ6は携帯電話5に音声データを送信し、携帯電話5は、この音声データを再生してユーザに音声による情報提供を行う。
【0018】
このように、ID画像20上に点字列21が打刻されているため、ユーザは点字列21を撮影すると、ID画像20を撮影することができる。そして、点字列21に対応する音声サービスを利用することができる。
即ち、ユーザは、点字列21の指示に従って携帯電話5で点字列21を撮影するだけで、携帯電話5から音声による情報提供を受けることができる。
【0019】
(2)実施の形態詳細
まず、点字列の背景として印刷されるID画像の生成方法や利用方法について説明する。
本実施の形態では、IDパターンを周波数領域にて定義し、これを逆フーリエ変換してID画像を生成する。IDパターンとID画像は1対1に対応しており、ID画像をフーリエ変換するとIDパターンが得られる。
本実施の形態では、ID画像がプリンタでの印刷に適するように、逆フーリエ変換して得られたID画像を2値化し、更に濃淡を調節して印刷する。
【0020】
図1を用いて以上の手順について説明する。
IDパターン10は、周波数領域にて定義されたID情報であり、内周円と外周円の周上に点で構成されたIDパターン成分16を分散させて構成されている。
垂直方向の軸と水平方向の軸の原点が低周波数側で、原点から離れるほど高周波数側となっている。
【0021】
IDパターン10を逆フーリエ変換すると実空間でのID画像11が得られる。ID画像11は、画像全体に模様が拡散したものとなる。
IDパターン10とID画像11は、1対1の関係にあり、ID画像11をフーリエ変換するとIDパターン10が復元される。
【0022】
一般にIDパターンを定義する場合、このように逆フーリエ変換後の画像が画像全体に分散するようなものを選択するのが望ましい。即ち、IDパターンを復元するための情報が画像全体に拡散するため、その一部が失われても残りの部分からIDパターンを復元できるからである。
【0023】
実験では、ID画像が50%程度まで失われてもIDパターンが復元できることが確認されている。即ち、印刷状態や印刷面の状態に読取精度があまり依存しない。
そのため、点字の打刻、圧縮、切り取りなどによって、ID画像の一部が失われたり、ゆがめられたりしてもIDパターンが復元でき、加工に対して耐性が生じる。
【0024】
ID画像11をそのまま背景画像として点字列を打刻することもでるが、小規模な印刷装置にも対応できるようにするために、ID画像11を2値化してID画像12を生成し、更にID画像12の濃淡を調節してID画像20を生成する。
ID画像20の上に点字列21を打刻すると点字印刷物4(図4(a))が得られる。
【0025】
カメラで点字印刷物4を撮影した撮影画像をフーリエ変換すると、IDパターン15が得られる。
IDパターン15では、IDパターン成分16が復元されるほか、点字列21などによる周波数成分17が形成される。
点字列21の周波数成分17は、低周波側に偏って分布する傾向があるため、周波数成分17からIDパターン成分16を識別して抽出することができる。
【0026】
IDパターン成分16とURLをデータベースで対応づけておけば、復元したIDパターン成分16からURLが得られる。
このように、点字印刷物4では、URL情報(ID画像20)と点字列21が対応づけて印刷されており、視覚障害を持つユーザであっても点字列21を介してURL情報を利用することができる。
【0027】
図2は、本実施の形態の情報提供システム1の構成を示したブロック図である。
情報提供システム1は、URLサーバ2、点字プリンタ3、点字印刷物4、携帯電話5、音声サーバ6などにより構成されている。
また、図2では、点字プリンタ3と携帯電話5を1台のみ示してあるが、点字プリンタ3は各プリンタユーザごとに、携帯電話5は各携帯電話ユーザことに存在している。
【0028】
URLサーバ2は、IDパターンとURLを対応づけたIDデータベースを備えており、これを用いて点字プリンタ3へID画像データを提供したり、携帯電話5へURLを提供したりするサーバ装置である。なお、ID画像データとは、ID画像を形成(表示、印刷など)するためのデジタルデータであり、ID画像を形成するための
ID画像情報を構成している。
【0029】
図3にIDデータベースの論理的な構成の一例を示す。
IDデータベース19は、「ID登録番号」、「IDパターン」、「URL」などの項目から構成されている。
「ID登録番号」は、IDパターンやURLを管理するための管理番号であり、IDパターンとURLの各組に一意に付与されている。
【0030】
「IDパターン」には、IDパターンを定義した画像データ(図1のIDパターン10に対応)が格納されている。
「URL」には、所定のウェブサイトへ接続するための接続情報であるURLが格納されている。
【0031】
IDデータベース19では、IDパターンとURLが対応づけられて記憶されており、IDパターンを特定するとこれに対応するURLが得られるようになっている。
【0032】
URLサーバ2と点字プリンタ3は、例えば、インターネットなどのネットワークを介して接続可能に配設されている。
そして、URLサーバ2は、IDパターンを逆フーリエ変換してID画像生成し、2値化、及び濃淡調整を行って点字プリンタ3に送信するID画像データを生成する。URLサーバ2は、生成したID画像データを点字プリンタ3に送信する。
【0033】
本実施の形態では、URLサーバ2がID画像データを生成するように構成したが、これに限定するものではなく、点字プリンタ3がURLサーバ2からIDパターン画像データを受信してこれを逆フーリエ変換するよう構成することもできる。
【0034】
また、逆フーリエ変換をURLサーバ2で行い、2値化や濃淡調整を点字プリンタ3で行うように構成することもできる。なお、2値化してから点字プリンタ3に送信すると、URLサーバ2から点字プリンタ3に送信されるデータのデータ量を少なくすることができる。
【0035】
次に、点字印刷物4について説明する。点字印刷物4は、ID画像と点字を印刷する記録部材を構成している。
図4(a)に、点字印刷物4の外観の一例を示す。点字印刷物4には、ID画像20と視覚情報23がインクなどにより印刷され(以下、墨字印刷)、ID画像20の上には点字列21が打刻されている(以下、点字印刷)。
【0036】
点字印刷物4には、点字列21のほかに視覚情報23が印刷されているため、弱視者、及び健常者は、視覚情報23から情報を得ることができる。
なお、図4(a)の例では、伊豆温泉旅館が12月中に半額キャンペーンを行う旨が墨字印刷、及び点字印刷にて印刷してある。また、点字列21では、携帯電話5で撮影すると音声による詳細な説明が受けられる旨が記載されている。
【0037】
ユーザが、点字列21を指先の触覚を使って読んで、内容に興味を持った場合は、ID画像20を携帯電話5で撮影して音声サーバ6から詳細な情報を得ることができる。
また、点字列21のうち、左端の点字パターンは、ユーザに携帯電話5で撮影する部位を指示するための撮影位置指示点字22が打刻されている。撮影位置指示点字22は、ID画像位置指示手段を構成している。
【0038】
例えば、ユーザは左手の指先で撮影位置指示点字22を押さえ、指先の位置から撮影位置、即ちID画像20の位置を認識し、これを右手に保持した携帯電話5で撮影する。
ID画像20の一部は撮影位置指示点字22を抑える指先の陰となって撮影されないが、陰となっていない部分からIDパターンを復元することができる。
【0039】
なお、点字印刷物4では、点字列21の内の左端の点字が撮影位置を指定しているが、この他に、ID画像20が指先の陰とならないように撮影位置指示点字22をID画像20の左端の外側に打刻したり、あるいは次に示すように点字印刷物4の一端に切り欠きを形成するなど、各種の方法で形成することができる。
【0040】
図4(b)は、点字印刷物4の一端に形成された切り欠き部分の一例を示した図である。
この例では、点字印刷物4の用紙の、点字列21の左端に位置するに部分に矩形状の切り欠き22aが形成されている。
例えば、ユーザは左手の人差し指で切り欠き22を認識しながら右手で保持した携帯電話5で点字列21を撮影する。これによって点字列21と共にID画像20が撮影される。
【0041】
このように、切り欠き22aを設けた場合、撮影位置指示点字22を刻印する必要はない。
図示した切り欠き22aは一例であって、形状、形成位置などを限定するものではない。
形状としては、例えば、三角形状、半円形状、半楕円形状など各種のものが可能である。また、形成位置としては、点字列21の上側、右側などの点字列21の近辺が望ましい。また、切り欠き22aと点字列21の撮影位置の関係は、予めユーザに通知されているものとする。
【0042】
次に、URLサーバ2(図2)が有する携帯電話5へのURL提供機能について説明する。
URLサーバ2は、インターネットなどのネットワークを介して携帯電話5からID画像20を撮影した撮影画像データを受信する。
【0043】
URLサーバ2は、携帯電話5から撮影画像データを受信してこれをフーリエ変換し、IDパターンを復元する。
そして、URLサーバ2は、復元したIDパターンをIDデータベース19に記憶してあるIDパターンと照合する。
URLサーバ2は、このようにして照合されたIDパターンに対応づけられているURLを携帯電話5に送信する。
【0044】
なお、本実施の形態では、音声サーバ6で撮影画像データのフーリエ変換を行ったが、これは、携帯電話5で行うように構成することもできる。この場合、URLサーバ2は、フーリエ変換後のIDパターンを携帯電話5から受信し、これをIDデータベース19で照合する。
【0045】
URLサーバ2でIDパターンの抽出を行う場合は、携帯電話5にIDパターン抽出のための画像処理機能を備える必要がなく、携帯電話5の負荷を低減することができる。
一方、携帯電話5でIDパターンの抽出を行う場合は、携帯電話5での撮影ミスによる撮影画像データの送信を受けずに済み、また、URLサーバ2で画像処理を行う必要がないため、URLサーバ2の負荷を低減することができる。
【0046】
次に、点字プリンタ3(図2)について説明する。点字プリンタ3は、点字ヘッドと墨字ヘッドを備えており、記録部材(ここでは、印刷用紙)に点字と墨字を印刷することができる。なお、墨字印刷の概念は、文字・数字・記号などの印刷のほか、画像の印刷も含むものとする。
【0047】
図5は、点字プリンタ3の機能的な構成の一例を示したブロック図である。
点字プリンタ3は、ID画像データ受信部25、ID・点字データ記憶部26、組識別番号選択部27、印刷打刻情報生成部28、墨字印刷部29、点字打刻部30、点字情報入力部31、視覚情報入力部32などから構成されている。
【0048】
ID画像データ受信部25は、URLサーバ2への接続情報(URLなど)を有しており、ネットワークを介してURLサーバ2に接続してURLサーバ2からID画像データを受信する。ID画像データ受信部25は、ID画像取得手段を構成している。
【0049】
なお、点字プリンタ3には、ID画像データと共に当該ID画像データと対応づけられているURLも点字プリンタ3に通知され、点字プリンタ3で作業者がID画像データとURLの対応、及びURLで指定されるウェブサイトを確認できるようになっている。
また、URLサーバ2から点字プリンタ3に送信されるID画像データの選択は、点字プリンタ3側で行ってもよいし、URLサーバ2側で行ってもよい。
【0050】
ID・点字データ記憶部26は、例えば、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶媒体を用いて構成されており、ID画像データ受信部25がURLサーバ2から受信したID画像データを複数記憶することができる。
ID・点字データ記憶部26に記憶されたID画像は、後ほど入力される点字情報と対応づけられて記憶され、組識別番号により識別できるようになっている。ID・点字データ記憶部26は、ID画像データと点字情報を組として記憶する記憶手段を構成している。
【0051】
点字情報入力部31は、点字列21の内容を規定する点字情報を生成する機能部である。
点字情報入力部31は、キーボードやテンキーなどの入力手段を備えており、例えば、作業者が「ふじさん」と文字情報を入力すると、入力された文字情報、即ち「ふじさん」に対応する点字列を打刻するための点字情報を生成する。点字情報入力部31は、点字情報取得手段を構成している。
【0052】
更に、点字情報入力部31は、生成した点字情報と組にするID画像データを作業者が指定できるようになっている。
点字情報入力部31で生成された点字情報は、作業者が指定したID画像データと組にしてID・点字データ記憶部26に記憶される。
【0053】
図6にID・点字データ記憶部26で記憶されているID・点字データベースの論理的な構成の一例を示す。
ID・点字データベース18では、ID画像データと点字情報が組として対応づけられて記憶されている。そして、各組にはこれら組を識別するための組識別番号が付与されている。
組識別番号を指定すると、この組識別番号が付与されているID画像データと点字情報をID・点字データ記憶部26から読み出すことができる。
【0054】
図5に戻り、組識別番号選択部27は、ID・点字データベース18の組識別番号の指定を作業者などから受け付ける機能部である。
組識別番号選択部27は、作業者などから組識別番号を受け付けると、この組識別番号に対応づけられているID画像データと点字情報をID・点字データ記憶部26から検索して取得する。組識別番号選択部27は、識別情報取得手段と組取得手段を構成している。
【0055】
視覚情報入力部32は、点字印刷物4の視覚情報23に印刷する文字や画像を入力・編集する機能部である。
視覚情報入力部32は、キーボード、テンキー、スキャナなどのデバイスから作業者が入力した視覚情報を直接受け付けるほか、光ディスクなどの記録部材に記録された視覚情報を読み込むこともできる。
【0056】
印刷打刻情報生成部28は、組識別番号選択部27からID画像データと点字情報を取得し、視覚情報入力部32から印刷情報を取得し、これらを用いて印刷打刻情報を生成する。
【0057】
印刷打刻情報は、ID画像の印刷位置、大きさ、濃淡などを制御する情報、打刻する点字列、点字列の打刻位置、点字パターンのサイズなどを制御する情報、及び視覚情報の印刷位置、大きさ、濃淡などを制御する情報などから構成されている。
【0058】
また、印刷打刻情報生成部28は、作業者がID画像、点字列、墨字印刷部分のレイアウトなどを編集する編集機能も備えており、編集された場合は、編集結果に応じて印刷打刻情報を更新する。
なお、ID画像は点字の打刻により、面積で50%程度まで失われてもIDパターンが復元可能であるので、印刷打刻情報生成部28は、点字列が打刻される所定領域の面積がID画像の50%以下になるように編集内容を制限することもできる。
【0059】
墨字印刷部29は、印刷ヘッドを備えており、印刷打刻情報に従って印刷用紙にID画像と視覚情報を印刷する。墨字印刷部29は、ID画像印刷手段を構成している。
墨字印刷部29が行う印刷方式としては、インパクト方式、及びノンインパクト方式のものを各種利用することができる。
【0060】
インパクト方式のものとしては、例えば、印刷ヘッドのピンを記録部材に打ち付けることによりインク・リボンのインクを転写するものがある。
この方式では、印刷情報に従って記録部材上にインクのドットを分布させることによりID画像と視覚内容を印刷する。
【0061】
また、ノンインパクト方式のものとしては、例えば、熱転写方式がある。これは、記録部材に含まれる感熱紙インクをサーマルヘッドの通電により発生したジュール熱で発色させるものである。
この他のノンインパクト方式のものとしては、インクジェットを用いたものやレーザを用いたものなどがある。
【0062】
また、画像の濃淡度を調節する方式として印刷単位である面素(セル)内の濃度を変化させる濃度階調方式と、面素内のドット面積比率を変化させる面積階調方式がある。これらの方式の何れを用いてもよい。
一般にデジタル方式で面積階調を行う場合は、画素を2値ドットで形成することが一般に行われているが、これによってID画像を階調することができる。
【0063】
点字打刻部30は、印刷用紙に凸状の点を打刻する点字ヘッドを備えており、印刷打刻情報に従って点字列を打刻する。点字打刻部30は、点字形成手段を構成している。
このように本実施の形態では、点字列を打刻することにより形成したが、この他に、樹脂やインクなどを印刷用紙上に凸上に形成することにより点字列を形成することもできる。
なお、打刻された点字列の上にID画像を墨字印刷すると、印刷用紙に凹凸があるため墨字印刷が良好に行えない場合があるので、本実施の形態では、墨字印刷を行ってから点字印刷を行うように構成した。
【0064】
図7は、点字プリンタ3のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
点字プリンタ3は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、入力部54、表示部55、墨字印刷部29、通信制御部57、記憶部58、記憶媒体駆動部59、点字打刻部30などの各機能部がバスライン50で接続されて構成されている。
【0065】
CPU51は、所定のプログラムに従って、各種の演算処理、及び情報処理や点字プリンタ3を構成する各構成要素の制御を行ったりする中央処理装置である。
CPU51は、例えば、URLサーバ2からID画像データを受信して、点字情報と組にしてID・点字データベース18に蓄積したり、ID画像や視覚情報を墨字印刷したり点字列を打刻する際の制御を行ったりする。
【0066】
ROM53は、点字プリンタ3を動作させるための基本的なプログラムやデータなどを記憶した読み出し専用のメモリである。
RAM52は、CPU51が動作するためのワーキングエリアを提供する読み書き可能なメモリである。
【0067】
入力部54は、点字情報入力部31や視覚情報入力部32などに入力手段を提供するハードウェアであって、キーボード、テンキー、機能キー、スキャナ、その他の入力装置を備えている。
【0068】
表示部55は、文字情報や画像情報を表示する表示装置を備えており、作業者が点字情報や視覚情報を作成したり、印刷内容のレイアウトを編集したりする際に必要な情報を表示する。
表示部55は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、その他のディスプレイ装置で構成されている。
【0069】
通信制御部57は、点字プリンタ3をインターネットに接続する機能部である。点字プリンタ3は、通信制御部57を介して、URLサーバ2やその他のサーバ装置と通信を行うことができる。
【0070】
墨字印刷部29は、印刷ヘッドを備えており、記録部材上にID画像と視覚情報による内容を墨字印刷する。
点字打刻部30は、点字ヘッドを備えており、記録部材上に点字列を打刻する。
【0071】
記憶媒体駆動部59は、装着された着脱可能な記憶媒体を駆動し、データの読み書きを行う機能部である。
読み書き可能な記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、半導体記憶装置、磁気テープ、紙テープがある。
また、読み取り専用の記憶媒体としては、例えば、CD−ROMなどの光ディスク類がある。
【0072】
点字プリンタ3は、記憶媒体駆動部59に装着した記憶媒体からプログラムのインストールなどを行うことができるほか、記憶媒体に記憶されたID画像データを読み込んでID・点字データ記憶部26に蓄積したり、視覚情報を読み込んだりすることができる。
【0073】
記憶部58は、例えば、ハードディスクなどで構成された大容量で読み書き可能な記憶装置である。
記憶部58には、プログラム類を格納したプログラム格納部61とデータ類を記憶したデータ格納部62が形成されている。
【0074】
プログラム格納部61には、OS(Operating System)、通信プログラム、印刷プログラム、・・・などの各種プログラムがCPU51で実行可能に記憶されている。
【0075】
OSは、ファイル入出力の管理や各種機能部を制御するなど、点字プリンタ3を運営する基本的な機能をCPU51に発揮させるためのプログラムである。
通信プログラムは、通信制御部57を制御し、インターネットを介した通信を行うための機能をCPU51に発揮させるためのプログラムである。
【0076】
印刷プログラムは、ID・点字データベース18の管理、点字情報の作成支援、視覚情報の作成支援、墨字印刷部29と点字打刻部30の制御などを行うプログラムである。
CPU51で印刷プログラムを実行することにより、ID画像データ受信部25〜印刷打刻情報生成部28(図5)がソフトウェア的に構成され、印刷用紙に点字印刷と墨字印刷を行うことができる。
【0077】
データ格納部62には、URLサーバ2からダウンロードしたID画像データや印刷情報などが格納されている。
【0078】
図8は、点字プリンタ3が墨字印刷と点字印刷を行う手順を説明するためのフローチャートである。
なお、点字情報は既に作成されており、ID画像データと共にID・点字データベース18に格納されているものとする。
【0079】
まず、視覚情報入力部32(図5)が視覚情報の入力を受け付ける(ステップ5)。
次に、組識別番号選択部27が、作業者から組識別番号の指定を受け付け(ステップ10)、この組識別番号に対応づけられているID画像データと点字情報の組をID・点字データベース18から検索して取得する(ステップ15)。
なお、ステップ10、15を行ってからステップ5を行ってもよい。
【0080】
次に、印刷打刻情報生成部28が、組識別番号選択部27よりID画像データと点字情報を取得し、更に、印刷打刻情報生成部28から視覚情報23の入力を受け付けて印刷打刻情報を生成する(ステップ20)。
【0081】
次に、墨印刷部29が印刷打刻情報を用いて印刷用紙に墨字印刷を行う(ステップ22)。これにより、ID画像と視覚情報が印刷用紙に印刷される。
次に、点字打刻部30が印刷打刻情報を用いてID画像上に点字列を打刻する(ステップ25)。
以上のようにして点字プリンタ3は、印刷用紙上に、URLが関連づけられたID画像を背景として点字列を打刻することができ、点字印刷物4が完成する。
【0082】
次に、携帯電話5(図2)について説明する。携帯電話5は、カメラ機能とインターネット接続機能を備えた携帯電話である。図9に、携帯電話5の外観の一例を示す。
携帯電話5は、カメラ77、表示部72、操作キー78、入力キー74、スピーカ(図示せず)などを備えている。
【0083】
また、図示しないが、携帯電話5の内部には、CPU、ROM、RAMなどから構成される情報処理部と、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)で構成され、各種プログラムやデータを記憶する読み書き可能な記憶媒体を内蔵している。
【0084】
携帯電話5のCPUは、ROMやその他の記憶媒体に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を行う。
RAMは、例えば、CPUがID画像の撮影画像データを取得したり、取得した撮影画像データをURLサーバ2に送信したり、更にURLサーバ2からURLを受信して音声サーバ6に接続したりする際のワーキングメモリを提供する。
【0085】
記憶媒体には、URLサーバ2や音声サーバ6が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。
CPUは、このアプリケーションプログラムを実行することにより、URLサーバ2に接続してID画像の撮影画像データを送信する機能、送信した撮影画像データに応じてURLサーバ2が送信してくるURLを受信する機能、受信したURLを用いて当該URLで指定されるウェブサイトに接続する機能、を実現することができる。
また、記憶媒体にはブラウザプログラムも記憶されており、CPUはこのブラウザプログラムを用いてブラウザ機能を発揮することもできる。
【0086】
カメラ77は、レンズなどからなる光学系と、光学系により投影された被写体の画像をデジタルデータに変換するCCD(Charge Coupled Device)を備えている。顧客が、カメラ77でID画像を撮影すると、ID画像の撮影画像データがCPUにより生成される。
【0087】
表示部72は、例えば液晶ディスプレイなどにより構成されており、電話番号など、通話に関する情報を表示するほか、インターネットを介してウェブサイトから送信されてきた各種の画面をブラウザによって表示することができる。
【0088】
操作キー78は、例えば、表示部72に表示されたアイコンを選択したり、あるいはリンクを選択したりなど、表示部72に表示された画面で顧客が各種の画面操作を行うためのキーである。
入力キー74は、数字、文字、記号などを携帯電話5に入力するためのキーである。
【0089】
また、図示しないスピーカは、視覚障害者のユーザに対して音声にて操作案内を出力するほか、音声サーバ6が送信してきた音声情報を出力する。なお、このスピーカは通話の際に耳に当てて使用するものでもよいし、あるいは、通話用のスピーカとは別の大音量(耳に当てなくても音声が聞き取れる程度)のものでもよい。または、携帯電話5の接続端子に接続した外部スピーカでもよい。
【0090】
ユーザは、以上のように構成された携帯電話5によって、点字印刷物4を撮影するとID画像で指定されるウェブサイトに自動的にアクセスすることができる。
【0091】
なお、撮影画像データのフーリエ変換を携帯電話5で行うように構成する場合、アプリケーションプログラムには、撮影画像データをフーリエ変換するための処理と、フーリエ変換後のデータをURLサーバ2に送信するための処理をCPUで行うための情報が記述されている。
【0092】
次に、図10を用いて携帯電話5の表示部72に表示される画面について説明する。
まず、ユーザは、点字印刷物4(図4(a))の点字列21を指先でなぞって読み取り、この点字印刷物4が音声サーバ6による音声サービスに対応していることを知る。そしてユーザは、携帯電話5にてアプリケーションを起動する。
【0093】
図10(a)は、携帯電話5でアプリケーションを起動した際に表示部72に表示される画面の一例を示している。
図10(a)の例では、表示部72に「点字を撮影してください」などと、ユーザにID画像の撮影を促す表示がなされている。それと同時に音声にて「点字を撮影してください」といった案内が出力される。
【0094】
ユーザは、この指示に従って、点字印刷物4に打刻された撮影位置指示点字22を指先の触覚で認識し、これを用いて撮影位置を認識する。そして、携帯電話5のカメラ77で点字列21を撮影すると、その背景であるID画像20が撮影される。
【0095】
図10(b)は、携帯電話5を音声サーバ6で運営されるウェブサイトに接続した際に表示部72に表示される画面の一例を示している。
ユーザが点字印刷物4を撮影すると自動的に図10(b)の画面が表示部72に表示されると共に音声が出力される。
【0096】
図10(b)の画面では、「伊豆温泉旅館からのお知らせ」などと案内が表示されているが、これと共に「伊豆温泉旅館からのお知らせです。12月は3泊以上お泊まりのお客様に限り、半額でご利用できます。」といったように表示内容と同等の音声案内がスピーカより出力される。
【0097】
このように、情報提供システム1では、画面の表示だけではなく、音声による案内も行うため、視覚障害者であっても音声サーバ6から提供される最新の情報を知ることができる。
【0098】
次に、音声サーバ6(図2)について説明する。音声サーバ6は、ウェブサーバであり、URLによって指定されるウェブサイトを運営している。
ウェブサイトの運営者は、当該ウェブサイト上で、文字、静止画、動画、音声、リンク情報などを端末装置に提供することができる。
【0099】
図11は、携帯電話5が音声サーバ6に接続する手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザは、点字印刷物4を何らかの方法により入手する。そして、携帯電話5のアプリケーションを起動して、携帯電話5にて点字印刷物4のID画像を撮影する。
【0100】
これによって、携帯電話5は、ID画像の撮影画像データを取得する(ステップ30)。
そして、携帯電話5は、URLサーバ2に接続し、取得した撮影画像データをURLサーバ2に送信する(ステップ35)。
【0101】
URLサーバ2は、携帯電話5から撮影画像データを受信する(ステップ40)。
そして、URLサーバ2は、撮影画像データをフーリエ変換し、フーリエ変換後のデータからIDパターンを抽出する(ステップ45)。
【0102】
更に、URLサーバ2は、抽出したIDパターンと、予めIDデータベースに登録してあるIDパターンを照合することにより検索し、撮影画像データに含まれていたIDパターンを特定する(ステップ50)。
【0103】
URLサーバ2は、IDパターンを特定すると、IDデータベースにおいて当該IDパターンと対応づけられているURLを取得し、携帯電話5に送信する(ステップ55)。
【0104】
携帯電話5は、URLサーバ2よりURLを受信し(ステップ60)、これを用いて音声サーバ6に接続する(ステップ65)。
音声サーバ6は、携帯電話5からの接続を受け付けて、画面データと音声データを携帯電話5に送信し、引き続き携帯電話5にサービスを提供する(ステップ70)。
【0105】
以上に説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)周波数領域にてIDパターンを規定し、これを背景として点字列を印刷することができる。
(2)点字列にウェブサイトを連携させることにより、点字を介して多様な最新情報をリアルタイムに提供することができる。
(3)点字列は、手の感覚にて読み込みを行う不便さがあるが、ウェブサイトと連携させることにより音声で情報を提供することができる。
【0106】
(4)IDパターンは周波数領域で定義してあるため、ID画像が印刷精度などの関係により劣化したとしても、IDパターンを照合可能な程度に復元することができる。そのため、印刷精度の低い、小型・軽量で簡易な印刷装置にて印刷することができる。
【0107】
(5)ID画像に点字列を上書きするため、印刷用紙の印刷面を節約することができ、印刷用紙が小さな紙片であっても適切にIDパターンを持たせることができる。
(6)携帯電話は、ID画像を撮影することにより、IDパターンに対応づけられたウェブサイトに自動接続することができる。
(7)自動接続したウェブサイトからは音声による情報提供を受けることができるため、視覚障害者であってもサービスを受けることができる。
【0108】
以上に説明した本実施の形態は一例であって各種の変形が可能である。
例えば、本実施の形態では、印刷用紙にID画像と点字列を印刷したが、これらの情報を記録する記録部材は印刷用紙に限定せず、プラスチック、金属などを用いることも可能である。また、雑誌、新聞、ポスターなどの各種点字印刷物に適用することもできる。
更に、本実施の形態では、ID画像の上に点字列を上書きしたが、ID画像に近接して、ID画像の外部に点字列の少なくとも一部を打刻することもできる。
【0109】
また、本実施の形態では、周波数領域を用いたIDパターンの埋め込みとして、フーリエ変換を採用したが、これは一例であって、この他の変換としては、例えばDCT(離散コサイン変換:Discrete Cosine Transform)やウェーブレット変換などがある。
【0110】
加えて、ユーザの端末は携帯電話5に限定せず、カメラと当該アプリケーションを実装したPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、ゲーム機、パーソナルコンピュータなどの端末で構成することもできる。
【0111】
音声サーバ6が提供する情報としては、上記の案内のほかに各種のものが考えられる。
例えば、名所の案内板にID画像データと点字列を貼付しておき、音声による名所案内を行ったり、博物館で展示品にID画像と展示列を添えておき、展示品の案内を行うことができる。
【0112】
更に、道順を順次ガイドするように音声データを提供することもできる。例えば、目的地までの道順を案内する場合、案内板にID画像と点字列を貼付しておく。ユーザがID画像を撮影すると、音声による道案内サービスが開始される。まず、「右に10メートル進んでください」などと案内音声が提供される。ユーザが右に10メートル進んだ地点で次の音声情報を要求すると「まっすぐ20メートル進んでください。」と次の音声案内が提供される。このようにユーザが目的地に到着するまで音声案内を逐次提供する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】ID画像の生成方法や利用方法について説明するための図である。
【図2】本実施の形態の情報提供システムの構成を示したブロック図である。
【図3】IDデータベースの論理的な構成の一例を示した図である。
【図4】点字印刷物の外観の一例を示した図である。
【図5】点字プリンタの機能的な構成の一例を示したブロック図である。
【図6】ID・点字データベースの論理的な構成の一例を示した図である。
【図7】点字プリンタのハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図8】点字プリンタが墨字印刷と点字印刷を行う手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】携帯電話の外観の一例を示した図である。
【図10】携帯電話に表示される画面の一例を説明するための図である。
【図11】携帯電話が音声サーバに接続する手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
1 情報提供システム
2 URLサーバ
3 点字プリンタ
4 点字印刷物
5 携帯電話
6 音声サーバ
18 ID・点字データベース
19 IDデータベース
20 ID画像
21 点字列
22 撮影位置指示点字
23 視覚情報
25 ID画像データ受信部
26 ID・点字データ記憶部
27 組識別番号選択部
28 印刷打刻情報生成部
29 墨字印刷部
30 点字打刻部
31 点字情報入力部
32 視覚情報入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数領域にてID情報を規定したID画像情報を取得するID画像取得手段と、
点字を形成するための点字情報を取得する点字情報取得手段と、
前記取得したID画像情報を用いてID画像を記録部材の所定領域に印刷するID画像印刷手段と、
前記所定領域の一部の領域に前記取得した点字情報を用いて点字を形成する点字形成手段と、
を具備したことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記取得したID画像情報と、前記取得した点字情報との組を、識別情報を付与して記憶する記憶手段と、
識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記取得した識別情報に対応付けられているID画像情報と点字情報の組を前記記憶手段から取得する組取得手段と、
を具備し、
前記ID画像印刷手段は、前記取得した組のID画像情報を用いてID画像を印刷し、前記点字形成手段は、前記取得した組の点字情報を用いて点字を形成することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
周波数領域にてID情報を規定したID画像が印刷された所定領域と、
前記所定領域の一部に形成された点字と、
を有する記録部材。
【請求項4】
前記ID画像の位置を触覚によって示すID画像位置指示手段を具備したことを特徴とする請求項3に記載の記録部材。
【請求項5】
前記ID画像位置指示手段は、前記形成された点字のうちの少なくとも一部であることを特徴とする請求項4に記載の記録部材。
【請求項6】
ID画像取得手段と、点字情報取得手段と、ID画像印刷手段と、点字形成手段と、を備えた印刷装置において、
前記ID画像取得手段によって、周波数領域にてID情報を規定したID画像情報を取得するID画像取得ステップと、
前記点字情報取得手段によって、点字を形成するための点字情報を取得する点字情報取得ステップと、
前記ID画像印刷手段によって、前記取得したID画像情報を用いてID画像を記録部材の所定領域に印刷するID画像印刷ステップと、
前記点字形成手段によって、前記所定領域の一部の領域に前記取得した点字情報を用いて点字を形成する点字形成ステップと、
から構成されたことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−181990(P2006−181990A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381304(P2004−381304)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】