説明

印刷装置及び印刷方法

【課題】シリアルプリンタ式の印刷装置において、印刷媒体の搬送方向に直交する横幅方向の大きさを小さくすることが可能な印刷装置及び印刷方法を提供する。
【解決手段】レーベルプリンタ40は、キャリッジ50に搭載されたインクジェットヘッド51が往復移動して、メディアトレイ43により前後方向に搬送されるメディアMのレーベル面に対して印刷処理を行う装置であって、インクジェットヘッド51の往復移動方向が、水平面内方向で、メディアMの搬送方向に対して所定角度θだけ傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ヘッドが往復移動して、搬送される印刷媒体の被印刷面に対して印刷処理を行う印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷ヘッドが往復移動して印刷媒体に印刷処理を行うシリアルプリンタ式の印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。
一般に、インクジェットプリンタは、往復移動可能なキャリッジに搭載された印刷ヘッドが複数のノズルからインク液滴を印刷媒体の所望の位置に吐出することによって印刷を行うものである。そして、インクジェットプリンタに設けられたキャリッジは、搬送される用紙や円板状のメディア等の印刷媒体に対して、その搬送方向に直交する方向(横幅方向)に往復移動しながら印刷処理を行うように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−356036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているような従来のシリアルプリンタ式の印刷装置では、装置の奥行きに相当する媒体搬送方向の長さを小さくしているが、印刷ヘッドの待機位置は印刷可能範囲外に設けられるため、印刷ヘッドを搭載したキャリッジの往復移動範囲が媒体搬送方向に直交する横幅方向に大きく設けられ、装置の横幅が媒体の横幅よりも大幅に大きくなっている。このような印刷装置を設置するためには、奥行きが狭くても横方向に幅広なスペースが要求されることとなる。
【0005】
しかしながら、印刷装置を設置するためのスペースには様々な制約があることが考えられる他、印刷装置を他の情報機器に内蔵するような場合には、印刷装置の幅方向の大きさを小さく抑えることが望まれることもある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、シリアルプリンタ式の印刷装置において、印刷媒体の搬送方向に直交する横幅方向の大きさを小さくすることが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することのできる本発明に係る印刷装置は、印刷ヘッドが往復移動して、搬送される印刷媒体の被印刷面に対して印刷処理を行う印刷装置であって、前記印刷ヘッドの往復移動方向が、前記被印刷面と平行な平面内方向で、前記印刷媒体の搬送方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0008】
この構成の印刷装置によれば、印刷ヘッドの往復移動方向(走査方向)が、従来の印刷装置とは異なり印刷媒体の搬送方向に対して傾斜しているため、印刷媒体の幅方向における印刷ヘッドの往復移動範囲を狭くすることができる。それに伴って、印刷装置の横幅を従来と比較して小さくすることが可能であり、幅の狭いスペースへの設置が行ないやすくなり、他の情報機器等への内蔵も容易となる。
【0009】
本発明に係る印刷装置において、前記搬送方向と前記往復移動方向のなす角度が45°以下であることが好ましい。
この構成の印刷装置によれば、印刷ヘッドの往復移動方向が、印刷媒体の幅方向よりも印刷媒体の搬送方向に沿った配置となる。そのため、印刷可能範囲外に設けられる印刷ヘッドの待機位置等のスペースを、印刷媒体の幅方向において小さくすることができる。したがって、印刷装置の横幅をさらに小さくすることができる。
【0010】
本発明に係る印刷装置において、前記印刷ヘッドがインクジェットヘッドであることが好ましい。
印刷ヘッドがインクジェットヘッドである場合、印刷ヘッドの待機位置にはヘッドメンテナンス装置等を設けることになるため、待機位置のスペースが大型化しやすいが、本発明のように印刷ヘッドの往復移動方向を傾斜させることにより、印刷媒体の幅方向に必要なスペースを小さくすることができる。
【0011】
本発明に係る印刷装置において、前記印刷媒体が円板状のメディアであり、前記メディアを保持した状態で前記搬送方向に沿って移動するメディアトレイを備え、前記印刷ヘッドの往復移動範囲が、前記搬送方向と直交する方向において前記メディアトレイの幅と同等であることが好ましい。
この構成の印刷装置によれば、メディアを保持して搬送するメディアトレイと同等の幅に印刷ヘッドの往復移動範囲が収められているため、印刷装置の横幅をメディアトレイの横幅と同等程度まで小さくすることができる。
【0012】
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る印刷方法は、印刷ヘッドを往復移動させて、搬送する印刷媒体の被印刷面に対して印刷処理を行う印刷方法であって、前記印刷ヘッドを、前記被印刷面と平行な平面内方向で前記印刷媒体の搬送方向に対して傾斜した方向に往復移動させて、印刷処理を行うことを特徴とする。
【0013】
この構成の印刷方法によれば、印刷処理を行う際に、印刷ヘッドを印刷媒体の搬送方向に対して傾斜した方向に往復移動させるため、印刷媒体の幅方向における印刷ヘッドの往復移動範囲を狭くすることができる。それに伴って、印刷装置の横幅を従来と比較して小さくすることが可能であり、幅の狭いスペースへの設置が行ないやすくなり、他の情報機器等への内蔵も容易となる。
【0014】
本発明に係る印刷方法において、前記搬送方向と前記往復移動方向のなす角度が45°以下であることが好ましい。
この構成の印刷方法によれば、印刷ヘッドの往復移動方向が、印刷媒体の幅方向よりも印刷媒体の搬送方向に沿った配置となる。そのため、印刷可能範囲外に設けられる印刷ヘッドの待機位置等のスペースを、印刷媒体の幅方向において小さくすることができる。したがって、印刷装置の横幅をさらに小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る印刷装置及び印刷方法の実施形態の例について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、印刷装置としてインクジェットプリンタを例示し、印刷媒体としてCDあるいはDVD等の円板状のメディアを例示して説明する。
【0016】
図1は本実施形態のインクジェットプリンタを内蔵したメディア処理装置のケースを外した状態の斜視図である。
メディア処理装置10は、例えばCDあるいはDVD等の円板状のメディアへのデータの書き込みやメディアのレーベル面への印刷を行うメディア処理装置であり、使用時にはほぼ直方体形状のケース(図示省略)により覆われている。
【0017】
図1に示すように、メディア処理装置10は、装置の底板であるベース部12と、このベース部12に垂直に立設された支持フレーム14とを備えている。装置前方側におけるベース部12の上面には、円盤状のターンテーブル16が回転可能に設置され、さらにターンテーブル16上には3つのメディア収容部18,20,22が固定されて設けられている。
【0018】
メディア収容部18,20,22は、それぞれ円弧状の枠板を備えており、これにより、メディアMを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収容可能とされている。3つのディスク収容部18,20,22のうち、一つはブランクメディアを収容するものであり、もう一つは印刷処理やデータ書き込み等が行われた作成済みのメディアを装置外から取り出すためのものであり、残りの一つはデータ書き込み失敗などにより使用に供されない不良メディアを収容するためのものである。
【0019】
ターンテーブル16は、ターンテーブル16の真下でベース部12との間に設けられた無端ベルトを介して、ベース部12上に設けられたステッピングモータ(あるいはサーボモータ)19により回転制御される。ステッピングモータ19は、制御部15からの指令に応じてターンテーブル16を3つの回転停止位置の何れかに配置させることができる。また、ターンテーブル16にはその円周上の1箇所に切り欠き部17が形成され、光学式センサ(図示省略)等により回転方向の基準位置を検出することができる。
【0020】
メディア処理装置10内でメディアMを各部に搬送するためのメディア搬送機構24は、ベース部12上に垂直に立設されたガイド軸26によりベース部12に設置されている。メディア搬送機構24は、ガイド部29を介してガイド軸26に沿って上下に移動可能な搬送アーム28を備えている。搬送アーム28は、支持フレーム14に沿って上下に架け渡された無端ベルト25にベルト固定部27を介して接続されており、制御部15からの指令に応じて無端ベルト25を駆動するステッピングモータ(あるいはサーボモータ)により移動される。搬送アーム28は、ターンテーブル16に近接した下限位置からメディア処理装置10の上端近傍に位置するガイド軸26の上端位置に相当する上限位置までの間を垂直方向に移動可能である。なお、搬送アーム28の上限位置は、待機位置となっている。また、支持フレーム14の上端近傍位置には、搬送アーム28が待機位置にあるか否かを検出する光学式センサ23が設けられている。
【0021】
メディア処理装置10における中段位置には、上下に積層された複数(本実施形態では4つ)のメディアドライブ30が配置されている。メディアドライブ30は、メディアMへのデータ書き込みを行なうものであり、メディアMへのデータ書き込み位置と、メディア搬送機構24によるメディアMの受け取りまたは受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能な、メディアトレイ31をそれぞれ有している。また、複数設けられたメディアドライブ30のうち何れかを、メディアMに書き込まれたデータの良否を判定するための判定用ドライブとしても良い。
【0022】
各メディアトレイ31のメディア受け渡し位置は、垂直方向で同軸位置であり、メディア収容部18,20,22における回転停止位置の一つとも同軸位置である。また、後述するレーベルプリンタ40のメディアトレイ43のメディア受け渡し位置とも同軸位置である。すなわち、メディア搬送機構24の搬送アーム28は、その昇降動作により、メディア収容部18,20,22の何れかと、メディアトレイ31、メディアトレイ43の間でメディアMを搬送して受け渡しを行うことができる。
【0023】
メディア処理装置10における上段位置には、メディアMの被印刷面であるレーベル面に印刷処理を行うためのレーベルプリンタ40が設置されている。レーベルプリンタ40は、メディア処理装置10の前後方向を長辺とする略直方体形状のフレーム42によって覆われたインクジェットプリンタである。フレーム42の前面には、メディアトレイ43をメディア受け渡し位置に移動させる際のスペースとなる開口部41が形成されている。
【0024】
図2に、レーベルプリンタ40の内部の概略構成を示す。図2は、レーベルプリンタ40の上視概略断面図である。
図2に示すように、レーベルプリンタ40は印刷ヘッドであるインクジェットヘッド51を有するキャリッジ50を備えており、このキャリッジ50は、平面視(水平面内方向)においてメディアトレイ43の搬送方向(図2では上下方向)に対して傾斜して設けられたキャリッジガイド軸54,55に沿って、水平方向に往復移動可能に支持されている。キャリッジガイド軸54,55は、相互に平行である。そして、このキャリッジ50は、キャリッジガイド軸54,55に沿って水平に架け渡したキャリッジベルト56と、これを駆動するためのキャリッジモータ52とを備えている。キャリッジモータ52は、キャリッジガイド軸54,55と平行に配設された支持フレーム53に固定されている。なお、キャリッジベルト56も、支持フレーム53に支持されたプーリ(図示省略)に架け渡されて支持されている。また、レーベルプリンタ40のキャリッジ50には、メディア処理装置10内に設けられたインク供給機構(図示省略)と接続された可撓性を有するインク供給チューブ(図示省略)が接続されている。
【0025】
キャリッジ50に搭載されているインクジェットヘッド51は、そのノズル面が下向きとされており、インクジェットヘッド51の下側位置を、レーベルプリンタ40の前後方向に沿って水平にメディアトレイ43が往復移動可能となっている。メディアトレイ43は、その左側の端に複数設けられた軸受部45が、前後方向に水平に延びて設けられたガイド軸46によって支持され、その右側の端が、スライド可能な状態で、前後方向に水平に延びるガイドレール48によって支持されている。このメディアトレイ43の駆動機構は、前後方向に水平に架け渡したトレイベルト(図示省略)と、これを駆動するためのトレイモータ(図示省略)とを備えた構成となっている。
【0026】
メディアトレイ43は、矩形の板の上面に、メディアMの外周端面と当接してメディアMの平面方向の移動を規制する円形のメディア載置部44が設けられている。また、このメディア載置部44の中心部には、同心円上において120度間隔に配置された3本の垂直爪(図示省略)を備えている。3本の垂直爪は、半径方向に一体となって移動可能であり、メディアトレイ43がメディア受け渡し位置に移動するとカム機構(図示省略)により半径方向内側に移動する構造となっている。
【0027】
メディア受け渡し位置において、メディアMを、そのレーベル面を上向きにして、上からメディア載置部44内に落とすと、メディアMのセンターホールに3本の垂直爪が差し込まれた状態になる。この後に、前記トレイモータを駆動して、メディアトレイ43をガイド軸46に沿って後側(図2の上側)に移動させると、前記カムの作用により3本の垂直爪が半径方向の外方に僅かに移動し、これら3本の垂直爪がメディアMのセンターホールの内周面に内側から押し付けられた状態になる。これにより、メディアMがメディアトレイ43に保持される。メディアトレイ43をインクジェットヘッド51の印刷領域内まで移動させれば、インクジェットヘッド51によって、メディアMのレーベル面に所定の印刷処理を施すことができる。
【0028】
また、図2に示したインクジェットヘッド51の位置は、ヘッド待機位置であり、その下側にヘッドメンテナンス装置(図示省略)が設けられている。このヘッド待機位置より装置手前側(図2の下側)に印刷可能範囲が形成され、その範囲内においてメディアMに対する印刷処理が行われる。一方、メディアトレイ43は、実線で示した装置前方位置(図2の最下部)が前方側の移動限界位置であるメディア受け渡し位置であり、破線で示した装置奥側(図2の上側)の位置が奥側の移動限界位置である。
【0029】
また、本実施形態においては、キャリッジガイド軸54,55が平面視においてメディアトレイ43の搬送方向(すなわちガイド軸46)に対して所定の角度θで傾斜して設けられているため、インクジェットヘッド51の往復移動方向も、平面視においてメディアMの搬送方向に対して所定の角度θで傾斜している。そのため、インクジェットヘッドの往復移動方向が印刷媒体の搬送方向と直交している(すなわち装置横幅方向である)従来の印刷装置と比較して、レーベルプリンタ40の横幅方向におけるインクジェットヘッド51の往復移動範囲を狭くすることができる。それに伴って、レーベルプリンタ40の横幅を従来と比較して小さくすることができる。
【0030】
また、本実施形態では、メディアMの搬送方向に対するインクジェットヘッド51の往復移動方向の傾斜角度θを、30°程度としている。傾斜角度θが45°以下であると、インクジェットヘッド51の往復移動方向が、レーベルプリンタ40の横幅方向よりも奥行き方向(メディアMの搬送方向)に沿った配置となる。そのため、印刷可能範囲外に設けられるインクジェットヘッド51の待機位置等のスペースを、奥行き方向に配置することができる。したがって、印刷可能範囲から横幅方向へ突出する領域が小さくなりやすく、レーベルプリンタ40の横幅をさらに小さくすることができる。
【0031】
特に、レーベルプリンタ40は印刷ヘッドとしてインクジェットヘッド51を用いているインクジェットプリンタであるため、印刷ヘッドの待機位置にはヘッドメンテナンス装置等を設けることになり、待機位置周辺に要するスペースが大型化しやすいが、インクジェットヘッド51の往復移動方向が傾斜していることにより、印刷装置の横幅方向に必要なスペースを小さくすることができる。
【0032】
このような構成により、レーベルプリンタ40の横幅方向におけるインクジェットヘッド51の往復移動範囲は、メディアトレイ43の幅Wと同等となっている。そのため、レーベルプリンタ40の横幅をメディアトレイ43の横幅Wと同等程度まで小さくすることができる。
【0033】
次に、レーベルプリンタ40による印刷処理について、図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、メディアトレイ43を開口部41より前方のメディア受け渡し位置(二点鎖線で示す)に配置して、メディア搬送機構24によりメディアMを搬送してきてメディアトレイ43上に載置する。そして、メディアトレイ43をレーベルプリンタ40のフレーム42内に収まるように後退させ、印刷可能範囲RとメディアMが重なる位置まで移動させる。そして、メディアMの上でキャリッジ50を往復移動させて、インクジェットヘッド51からメディアMのレーベル面に対してインク滴を吐出して印刷する。これにより、レーベル面には図3(a)に示す印刷済み領域PAが形成される。
【0034】
続いて、図3(b)に示すように、メディアトレイ43を適当な距離だけ後退させ、その位置のメディアMの上でキャリッジ50を往復移動させて、インクジェットヘッド51からメディアMのレーベル面に対してインク滴を吐出して印刷する。これにより、レーベル面には図3(b)に示す印刷済み領域PAが形成される。
【0035】
さらに、必要に応じてメディアトレイ43を適当な距離づつ後退させ、レーベル面に対する印刷を繰り返し行っていき、最終的には図3(c)に示すようにメディアトレイ43をレーベルプリンタ40の後端寄りの位置まで移動させ、印刷を行う。これにより、図3(c)に示すようにレーベル面の全域に亘って印刷済み領域PAが形成される。印刷が終了したら、図3(a)に破線で示したメディア受け渡し位置までメディアトレイ43を移動させ、メディアトレイ43上の印刷済みメディアMをメディア搬送機構24によりピックアップし、適宜メディア収容部20等へ搬送する。
【0036】
なお、図3に示した形態では、メディアトレイ43をレーベルプリンタ40の前端寄りの位置から後方へ向けて移動させつつ印刷を行うようにしているが、これとは逆に、一旦メディアトレイ43をレーベルプリンタ40の後端寄りの位置まで移動させ、そこから印刷を開始してメディアトレイ43を前方へ向けて移動させつつ印刷を行うようにしても良い。
【0037】
このように、本実施形態の印刷方法は、インクジェットヘッド51をメディアMの搬送方向に対して傾斜した方向に往復移動させて、印刷処理を行うため、レーベルプリンタ40の横幅方向におけるインクジェットヘッド51の往復移動範囲を狭くすることができる。それに伴って、レーベルプリンタ40の横幅を従来と比較して小さくすることが可能である。
【0038】
以上説明したように、上記実施形態のレーベルプリンタ40及びレーベルプリンタ40の印刷方法によれば、レーベルプリンタ40の横幅を従来と比較して小さくすることができるため、レーベルプリンタ40を幅の狭いスペースへ設置することが可能であり、幅の狭いメディア処理装置10内に設置することも容易である。
【0039】
なお、上記レーベルプリンタ40は、円板状のメディアMに印刷を行うインクジェットプリンタであるが、印刷ヘッドを印刷媒体搬送方向に対して傾斜させる本発明に係る構成は、単票紙や連続紙に印刷を行うプリンタにも適用可能である。また、インクジェットプリンタ以外でも、ドットインパクトプリンタ等にも適用可能である。
また、上記メディア処理装置10の構成は適宜変更でき、例えば、レーベルプリンタ40とメディアドライブ30の位置関係を上下逆にしても良い。
また、上記レーベルプリンタ40を、上記メディア処理装置10以外の情報機器(パーソナルコンピュータ等)に内蔵することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る実施形態の例としてのインクジェットプリンタを内蔵したメディア処理装置のケースを外した状態の斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリンタの上視概略断面図である。
【図3】本発明に係る印刷方法の実施形態の例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0041】
10…メディア処理装置、40…レーベルプリンタ(印刷装置)、43…メディアトレイ、50…キャリッジ、51…インクジェットヘッド(印刷ヘッド)、M…メディア(印刷媒体)、PA…印刷済み領域、R…印刷可能範囲、θ…傾斜角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドが往復移動して、搬送される印刷媒体の被印刷面に対して印刷処理を行う印刷装置であって、
前記印刷ヘッドの往復移動方向が、前記被印刷面と平行な平面内方向で、前記印刷媒体の搬送方向に対して傾斜していることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記搬送方向と前記往復移動方向のなす角度が45°以下であることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷装置であって、
前記印刷ヘッドがインクジェットヘッドであることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の印刷装置であって、
前記印刷媒体が円板状のメディアであり、
前記メディアを保持した状態で前記搬送方向に沿って移動するメディアトレイを備え、
前記印刷ヘッドの往復移動範囲が、前記搬送方向と直交する方向において前記メディアトレイの幅と同等であることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
印刷ヘッドを往復移動させて、搬送する印刷媒体の被印刷面に対して印刷処理を行う印刷方法であって、
前記印刷ヘッドを、前記被印刷面と平行な平面内方向で前記印刷媒体の搬送方向に対して傾斜した方向に往復移動させて、印刷処理を行うことを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷方法であって、
前記搬送方向と前記往復移動方向のなす角度が45°以下であることを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−221797(P2008−221797A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67583(P2007−67583)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】