説明

印刷装置

【課題】種々の大きさの基板を下方から支持して搬送する場合でも、テーブル部の所定位置に載置して安定した状態で処理可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】保持面140aで基材1を保持するテーブル部140を有し、テーブル部で保持した基材に対して印刷に関する所定の処理を行う処理装置と、テーブル部の保持面に対して出没自在、且つ保持面に沿う方向に間隔をあけて設けられ、それぞれが基材の下面を吸着する複数の吸着部161と、複数の吸着部を一括的に昇降させる昇降装置163と、吸着部の昇降に応じて吸着部の吸着を制御する制御部CONTと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化型インクを用いて記録媒体に画像またはパターンを形成する液滴吐出装置が注目されている。紫外線硬化型インクは、紫外線を照射するまでは硬化が非常に遅く、紫外線を照射すると急速に硬化するという、印刷インクとして好ましい特性を有する。また、硬化にあたって溶剤を揮発させることがないので、環境負荷が小さいという利点もある。
【0003】
さらに、紫外線硬化型インクは、ビヒクルの組成により種々の記録媒体に高い付着性を発揮する。また、硬化した後は化学的に安定で、接着性、耐薬剤性、耐候性、耐摩擦性等が高く、屋外環境にも耐える等、優れた特性を有する。このため、紙、樹脂フィルム、金属箔等の薄いシート状の記録媒体の他、記録媒体のレーベル面、テキスタイル製品等、ある程度立体的な表面形状を有するものに対しても画像を形成できる。
【0004】
上記の紫外線硬化型インクを液滴吐出方式で、基板上のICに製造番号や製造会社等の属性情報を印刷する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。上記の基板に対して印刷処理等の処理を実施する際には、基板搬送装置によって液滴吐出装置、前処理装置等、印刷に関連する各種の処理装置に基板が順次搬送され、テーブル部に吸着保持された状態で所定の処理が行われる。上記の基板搬送装置としては、例えば基板を下方から支持しつつ基板の周囲を保持する装置(例えば、特許文献2)が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−080687号公報
【特許文献2】特開2010−186850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
搬送装置の支持部により基板を下方から支持した状態でテーブル部の表面に載置する場合には、支持部がテーブル部の表面と接触して基板の載置に不都合が生じてしまう。そこで、支持部と対向するテーブル部の表面に、支持部と対応する大きさ及び深さで溝部を形成することが考えられる。ところが基板の大きさが変動し、且つ基板の中心位置が支持部に対して変位する場合、当該基板中心位置をテーブル部の中心位置に合わせて載置することが困難になる。また、溝部の大きさを支持部の大きさに対して十分に大きくとることも考えられるが、この場合、テーブル部における支持面が大幅に小さくなり、基板を安定して支持できなくなるため現実的ではない。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、種々の大きさの基板を下方から支持して搬送する場合でも、テーブル部の所定位置に載置して安定した状態で処理可能な印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の印刷装置は、保持面で基材を保持するテーブル部を有し、前記テーブル部で保持した前記基材に対して印刷に関する所定の処理を行う処理装置と、前記テーブル部の前記保持面に対して出没自在、且つ前記保持面に沿う方向に間隔をあけて設けられ、それぞれが前記基材の下面を吸着する複数の吸着部と、前記複数の吸着部を一括的に昇降させる昇降装置と、前記吸着部の昇降に応じて前記吸着部の吸着を制御する制御部と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
従って、本発明の印刷装置では、保持面の上方に隙間をあけて搬送した基材に対して、吸着部を上昇させて搬送装置の支持部に支持されていない基材の裏面を吸着させることで、支持部から吸着部に基材を受け渡すことができる。そして、基材から支持部を離脱させた後に吸着部を下降させることにより、基材を保持面に吸着保持させることができる。
【0010】
上記の吸着部としては、可撓性材料で形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、基材に反り等が生じていた場合でも、吸着部が反りに応じて撓むことにより、基材の吸着を維持することができる。
【0011】
また、本発明では、前記基材を下方から互いに間隔をあけて支持する複数の支持部を有し、前記基材を前記テーブル部に搬送する搬送装置を備える構成においては、前記複数の吸着部が、前記複数の支持部の配置間隔と略同一の間隔をあけて配置される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、支持部と吸着部との位置関係が重ならないようにずらせた際に、全ての支持部と吸着部とについて接触させないことが可能になる。
【0012】
前記所定の処理としては、前記基材に対して活性光線で硬化する液体の液滴を吐出する吐出処理を含む構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、円滑にテーブル部に保持された基材に対して活性光線を照射することで、迅速且つ小さな環境負荷で印刷処理を実行することができる。
【0013】
また、本発明では、前記吐出処理で前記基材の表面に設けられた半導体装置に前記液滴を塗布する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、円滑にテーブル部に保持された基材における半導体装置の属性情報等を示す印刷パターンを成膜・印刷することができる。
なお、本明細書における、相対移動方向や直交する方向については、製造・組立による誤差等によってずれる範囲も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は半導体基板を示す模式平面図、(b)は液滴吐出装置を示す模式平面図。
【図2】供給部を示す模式図。
【図3】(a)は、塗布部の構成を示す概略斜視図、(b)は、キャリッジを示す模式側面図。
【図4】(a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図、(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図。
【図5】収納部を示す模式図。
【図6】搬送部の構成を示す図。
【図7】検出装置から半導体基板1に検知光が投光されている図。
【図8】基板吸着機構の構成・動作を示す図。
【図9】制御系を示すブロック図。
【図10】印刷方法を示すためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の搬送装置及び印刷装置の実施の形態を、図1乃至図10を参照して説明する。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0016】
(半導体基板)
まず、印刷装置を用いて描画(印刷)する対象の一例である半導体基板について説明する。
図1(a)は半導体基板を示す模式平面図である。図1(a)に示すように、基材としての半導体基板1は基板2及び半導体装置3を備えている。基板2は耐熱性があり半導体装置3を実装可能であれば良く、基板2にはガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板等を用いることができる。被記録媒体としての半導体装置3は、パッケージ基材であってもよいし、半導体基材であってもよい。
【0017】
基板2上には半導体装置3が実装されている。そして、半導体装置3上には会社名マーク4、機種コード5、製造番号6等のマーク(印刷パターン、所定パターン)が描画されている。これらのマークが後述する印刷装置によって描画される。
【0018】
(印刷装置)
図1(b)は印刷装置を示す模式平面図である。
図1(b)に示すように、印刷装置7は主に供給部8、前処理部9、塗布部(印刷部)10、冷却部11、収納部12、搬送部13、後処理部14及び制御部CONT(図8参照)の各種印刷に関連する処理を行う複数の処理装置から構成されている。なお、供給部8、収納部12が並ぶ方向、及び前処理部9、冷却部11、後処理部14が並ぶ方向をX方向とする。X方向と直交する方向をY方向とし、Y方向には塗布部10、冷却部11、搬送部13が並んで配置されている。そして、鉛直方向をZ方向とする。
【0019】
供給部8は、複数の半導体基板1が収納された収納容器を備えている。そして、供給部8は中継場所8aを備え、収納容器から中継場所8aへ半導体基板1を供給する。中継場所8aには、X方向に延びる一対のレール8bが、収納容器から送り出される半導体基板1の高さと略同一の高さに設けられている。
【0020】
前処理部9は、半導体装置3の表面を加熱しながら改質する機能を有する。前処理部9により半導体装置3は吐出された液滴の広がり具合及び印刷するマークの密着性が調整される。前処理部9は第1中継場所9a及び第2中継場所9bを備え、処理前の半導体基板1を第1中継場所9aまたは第2中継場所9bから取り込んで表面の改質を行う。その後、前処理部9は処理後の半導体基板1を第1中継場所9aまたは第2中継場所9bに移動して、半導体基板1を待機させる。第1中継場所9a及び第2中継場所9bを合わせて中継場所9cとする。そして、前処理部9の内部で前処理が行われる場所を処理場所9dとする。
【0021】
冷却部11は、塗布部10の中継場所に配置されており、前処理部9で加熱及び表面改質が行われた半導体基板1を冷却する機能を有している。冷却部11は、それぞれが半導体基板1を保持して冷却する処理場所11a、11bを有している。処理場所11a、11bは、適宜、処理場所11cと総称するものとする。
【0022】
塗布部10は、半導体装置3に液滴を吐出してマークを描画(印刷)するとともに、描画されたマークを固化または硬化する機能を有する。塗布部10は中継場所としての冷却部11から描画前の半導体基板1を移動させて描画処理及び硬化処理を行う。その後、塗布部10は描画後の半導体基板1を冷却部11に移動させて、半導体基板1を待機させる。
【0023】
後処理部14は、塗布部10で描画処理が施された後、冷却部11に載置された半導体基板1に対して後処理として再加熱処理を行うものである。後処理部14は、第1中継場所14a及び第2中継場所14bを備えている。第1中継場所14a及び第2中継場所14bを合わせて中継場所14cとする。
【0024】
収納部12は、半導体基板1を複数収納可能な収納容器を備えている。そして、収納部12は中継場所12aを備え、中継場所12aから収納容器へ半導体基板1を収納する。中継場所12aには、X方向に延びる一対のレール12bが、半導体基板1を収容する収納容器と略同一の高さに設けられている。操作者は半導体基板1が収納された収納容器を印刷装置7から搬出する。
【0025】
印刷装置7の中央の場所には、搬送部13が配置されている。搬送部13は2つの腕部13bを備えたスカラー型ロボットが用いられている。そして、腕部13bの先端には半導体基板1を裏面(下面)から支持しつつ、側縁を片持ちで把持する把持部13aが設置されている。中継場所8a,9c,11、14c、12aは把持部13aの移動範囲内に位置している。従って、把持部13aは中継場所8a,9c,11、14c、12a間で半導体基板1を移動することができる。制御部CONTは、印刷装置7の全体の動作を制御する装置であり、印刷装置7の各部の動作状況を管理する。そして、搬送部13に半導体基板1を移動する指示信号を出力する。これにより、半導体基板1は各部を順次通過して描画されるようになっている。
【0026】
以下、各部の詳細について説明する。
(供給部)
図2(a)は供給部を示す模式正面図であり、図2(b)及び図2(c)は供給部を示す模式側面図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、供給部8は基台15を備えている。基台15の内部には昇降装置16が設置されている。昇降装置16はZ方向に動作する直動機構を備えている。この直動機構はボールネジと回転モーターとの組合せや油圧シリンダーとオイルポンプの組合せ等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、ボールネジとステップモーターとによる機構を採用している。基台15の上側には昇降板17が昇降装置16と接続して設置されている。そして、昇降板17は昇降装置16により所定の移動量だけ昇降可能になっている。
【0027】
昇降板17の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には複数の半導体基板1が収納されている。収納容器18はX方向の両面に開口部18aが形成され、開口部18aから半導体基板1が出し入れ可能となっている。収納容器18のY方向の両側に位置する側面18bの内側には凸状のレール18cが形成され、レール18cはX方向に延在して配置されている。レール18cはZ方向に複数等間隔に配列されている。このレール18cに沿って半導体基板1をX方向からまたは−X方向から挿入することにより、半導体基板1がZ方向に配列して収納される。
【0028】
基台15のX方向側には支持部材21及び支持台22を介して、押出装置23が設置されている。押出装置23には、昇降装置16と同様の直動機構によりX方向に突出して半導体基板1をレール8bに向けて押し出す押出ピン23aが設けられている。従って、押出ピン23aは、レール8bと略同一の高さに設置されている。
【0029】
図2(c)に示すように、押出装置23における押出ピン23aが+X方向に突出することにより、レール18cよりも僅かに+Z側の高さに位置する半導体基板1が収納容器18から押し出されて、レール8b上に移動して支持される。
【0030】
半導体基板1がレール8b上に移動した後に、押出ピン23aは、図2(b)に示す待機位置に戻る。次に、昇降装置16が収納容器18を降下させて、次に処理される半導体基板1を押出ピン23aと対向する高さに移動させる。この後、上記と同様にして、押出ピン23aを突出させて半導体基板1をレール8b上に移動させる。
このようにして供給部8は順次半導体基板1を収納容器18からレール8b上に移動する。収納容器18内の半導体基板1を総て中継台23上に移動した後、操作者は空になった収納容器18と半導体基板1が収納されている収納容器18とを置き換える。これにより、供給部8に半導体基板1を供給することができる。
【0031】
(前処理部)
前処理部9は、中継場所9a、9bに搬送された半導体基板1に対して、処理場所9dにおいて前処理を行う。前処理としては、加熱した状態で、例えば、低圧水銀ランプ、水素バーナー、エキシマレーザー、プラズマ放電部、コロナ放電部等による活性光線の照射を例示できる。水銀ランプを用いる場合、半導体基板1に紫外線を照射することにより、半導体基板1の表面の撥液性を改質することができる。水素バーナーを用いる場合、半導体基板1の酸化した表面を一部還元することで表面を粗面化することができ、エキシマレーザーを用いる場合、半導体基板1の表面を一部溶融固化することで粗面化することができ、プラズマ放電或いはコロナ放電を用いる場合、半導体基板1の表面を機械的に削ることで粗面化することができる。本実施形態では、例えば、水銀ランプを採用している。
前処理が終了した後、前処理部9は半導体基板1を中継場所9cに移動する。続いて、搬送部13が中継場所9cから半導体基板1を除材する。
【0032】
(冷却部)
冷却部11は、各処理場所11a、11bにそれぞれ設けられ、上面が半導体装置1の吸着保持面とされたヒートシンク等の冷却板110a、110bを有している。
処理場所11a、11b(冷却板110a、110b)は、把持部13aの動作範囲内に位置しており、処理場所11a、11bにおいて冷却板110a、110bは露出する。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を冷却板110a、110bに載置することができる。半導体基板1に冷却処理が行われた後、半導体基板1は、処理場所11aに位置する冷却板110a上または処理場所11bに位置する冷却板110a上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動させることができる。
【0033】
(塗布部)
次に、半導体基板1に液滴を吐出してマークを形成する塗布部10について図3乃至図6に従って説明する。液滴を吐出する装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
【0034】
図3(a)は、塗布部の構成を示す概略斜視図である。塗布部10により半導体基板1に液滴が吐出される。図3(a)に示すように、塗布部10には、直方体形状に形成された基台37を備えている。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とを相対移動する方向である。本実施形態ではY方向(第2方向)を主走査方向とし、X方向(第1方向)を副走査方向とする。
【0035】
基台37の上面37aには、X方向に延在する一対の案内レール38がX方向全幅にわたり凸設されている。その基台37の上側には、一対の案内レール38に対応する図示しない直動機構を備えたステージ(テーブル部)39が取付けられている。そのステージ39の直動機構は、リニアモーターやネジ式直動機構等を用いることができる。本実施形態では、例えば、リニアモーターを採用している。そして、ステージ39は、X方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台37の上面37aには、案内レール38と平行に副走査位置検出装置40が配置され、副走査位置検出装置40によりステージ39の位置が検出される。
【0036】
そのステージ39の上面には載置面(保持面)41が形成され、その載置面41には後述する吸引式の基板吸着機構142が設けられている。載置面41上に半導体基板1が載置された後、半導体基板1は基板吸着機構142により載置面41に固定される。
【0037】
ステージ39が、例えば、+X側に位置するときの載置面41の場所が半導体基板1のロード位置またはアンロード位置の中継場所となっている。この載置面41は把持部13aの動作範囲内に露出するように設置されている。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を載置面41に載置することができる。半導体基板1に塗布(マーク描画)が行われた後、半導体基板1は中継場所である載置面41上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動することができる。
【0038】
基台37のY方向両側には一対の支持台42が立設され、その一対の支持台42にはY方向に延びる案内部材43が架設されている。案内部材43の下側にはY方向に延びる案内レール44がX方向全幅にわたり凸設されている。案内レール44に沿って移動可能に取り付けられるキャリッジ(移動手段)45は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ45は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ39が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、キャリッジ45がY方向に沿って走査移動する。案内部材43とキャリッジ45との間には主走査位置検出装置46が配置され、キャリッジ45の位置が計測される。キャリッジ45の下側にはヘッドユニット47が設置され、ヘッドユニット47のステージ39側の面には図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。
【0039】
図3(b)は、キャリッジを示す模式側面図である。図3(b)に示すようにキャリッジ45の半導体基板1側にはヘッドユニット47と一対の照射部としての硬化ユニット48が、Y方向に関してキャリッジ45の中心からそれぞれ等間隔で配置されている。ヘッドユニット47の半導体基板1側には液滴を吐出する液滴吐出ヘッド(吐出ヘッド)49が凸設されている。
【0040】
キャリッジ45の図中上側には収容タンク50が配置され、収容タンク50には機能液が収容されている。液滴吐出ヘッド49と収容タンク50とは図示しないチューブにより接続され、収容タンク50内の機能液がチューブを介して液滴吐出ヘッド49に供給される。
【0041】
機能液は樹脂材料、硬化剤としての光重合開始剤、溶媒または分散媒を主材料とする。この主材料に顔料または染料等の色素や、親液性または撥液性等の表面改質材料等の機能性材料を添加することにより固有の機能を有する機能液を形成することができる。本実施形態では、例えば、白色の顔料を添加している。機能液の樹脂材料は樹脂膜を形成する材料である。樹脂材料としては、常温で液状であり、重合させることによりポリマーとなる材料であれば特に限定されない。さらに、粘性の小さい樹脂材料が好ましく、オリゴマーの形態であるのが好ましい。モノマーの形態であればさらに好ましい。光重合開始剤はポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させる添加剤であり、例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール等を用いることができる。溶媒または分散媒は樹脂材料の粘度を調整するものである。機能液を液滴吐出ヘッドから吐出し易い粘度にすることにより、液滴吐出ヘッドは安定して機能液を吐出することができるようになる。
【0042】
図4(a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図である。図4(a)に示すように、ヘッドユニット47には、2つの液滴吐出ヘッド49が副走査方向(X方向)に間隔をあけて配置され、各液滴吐出ヘッド49の表面にはノズルプレート51(図4(b)参照)がそれぞれ配置されている。各ノズルプレート51には複数のノズル52が配列して形成されている。本実施形態においては、各ノズルプレート51に、15個のノズル52が副走査方向に沿って配置されたノズル列60B〜60EがY方向に間隔をあけて配置されていえる。また、2つの液滴吐出ヘッド49における各ノズル列60B〜60Eは、X方向に沿って直線上に配置されている。ノズル列60B、60Eは、Y方向に関してキャリッジ45の中心から等間隔で配置されている。同様に、ノズル列60C、60Dは、Y方向に関してキャリッジ45の中心から等間隔で配置されている。従って、+Y側の硬化ユニット48とノズル列60Bとの距離と、−Y側の硬化ユニット48とノズル列60Eとの距離とは同一となる。また、+Y側の硬化ユニット48とノズル列60Cとの距離と、−Y側の硬化ユニット48とノズル列60Dとの距離とは同一となる。
【0043】
図4(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。図4(b)に示すように、液滴吐出ヘッド49はノズルプレート51を備え、ノズルプレート51にはノズル52が形成されている。ノズルプレート51の上側であってノズル52と相対する位置にはノズル52と連通するキャビティ53が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド49のキャビティ53には機能液(液体)54が供給される。
【0044】
キャビティ53の上側には上下方向に振動してキャビティ53内の容積を拡大縮小する振動板55が設置されている。振動板55の上側でキャビティ53と対向する場所には上下方向に伸縮して振動板55を振動させる圧電素子56が配設されている。圧電素子56が上下方向に伸縮して振動板55を加圧して振動し、振動板55がキャビティ53内の容積を拡大縮小してキャビティ53を加圧する。それにより、キャビティ53内の圧力が変動し、キャビティ53内に供給された機能液54はノズル52を通って吐出される。
【0045】
硬化ユニット48は、図3(b)及び図4(a)に示すように、主走査方向(相対移動方向)においてヘッドユニット47を挟んだ両側の位置に配置されている。硬化ユニット48の内部には吐出された液滴を硬化させる紫外線を照射する照射装置が配置されている。照射装置は発光ユニットと放熱板等から構成されている。発光ユニットには多数のLED(Light Emitting Diode)素子が配列して設置されている。このLED素子は、電力の供給を受けて紫外線の光である紫外光を発光する素子である。硬化ユニット48の下面には、照射口48aが形成されている。そして、照射装置が発光する紫外光が照射口48aから半導体基板1に向けて照射される。
【0046】
液滴吐出ヘッド49が圧電素子56を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子56が伸張して、振動板55がキャビティ53内の容積を縮小する。その結果、液滴吐出ヘッド49のノズル52から縮小した容積分の機能液54が液滴57となって吐出される。機能液54が塗布された半導体基板1に対しては、照射口48aから紫外光が照射され、硬化剤を含んだ機能液54を固化または硬化させるようになっている。
【0047】
(収納部)
図5(a)は収納部を示す模式正面図であり、図5(b)及び図5(c)は収納部を示す模式側面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、収納部12は基台74を備えている。基台74の内部には昇降装置75が設置されている。昇降装置75は供給部8に設置された昇降装置16と同様の装置を用いることができる。基台74の上側には昇降板76が昇降装置75と接続して設置されている。そして、昇降板76は昇降装置75により昇降させられる。昇降板76の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には半導体基板1が収納されている。収納容器18は供給部8に設置された収納容器18と同じ容器が用いられている。
【0048】
搬送部13によって中継場所としてのレール12bに載置された半導体基板1は、当該搬送部13によってレール12bから収納容器18に移動する。または、搬送部13によってレール12bから収納容器18への中途まで移動した後に、例えば、図5(c)に示すように、レール12bの下方で、Y方向ではレール12b、12b間に位置し、上記押出装置23と同様の構成を有し、図示しない昇降装置により上記の中途位置にある半導体基板1と対向する位置まで上昇可能な押出装置80を設け、搬送部13が半導体基板1をレール12bに載置する際には押出装置80をレール12bの下方で待機させ、搬送部13がレール12bから退避した際には、押出装置80を上昇させて半導体基板1の側面と対向させ、押出ピン23aを+X方向に突出することにより、半導体基板1を収納容器18に移動させる構成としてもよい。
【0049】
上記のように、半導体基板1の収納容器18への収納と、昇降装置75による収納容器18のZ方向への移動とを繰り返して、収納容器18内に所定の枚数の半導体基板1が収納された後、操作者は半導体基板1が収納された収納容器18と空の収納容器18とを置き換える。これにより、操作者は複数の半導体基板1をまとめて次の工程に持ち運ぶことができる。
【0050】
(搬送部)
次に、半導体基板1を搬送する搬送部13について図1、図6乃び図7に従って説明する。
搬送部13は、装置内の天部に設けられた支持体83を備えており、支持体83の内部にはモーター、角度検出器、減速機等から構成される回転機構が設置されている。そして、モーターの出力軸は減速機と接続され、減速機の出力軸は支持体83の下側に配置された第1腕部84と接続されている。また、モーターの出力軸と連結して角度検出器が設置され、角度検出器がモーターの出力軸のZ方向(第3方向)と平行な軸線周りの回転角度を検出する。これにより、回転機構は第1腕部84の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。
【0051】
第1腕部84上において支持体83と反対側の端には回転機構85が設置されている。回転機構85はモーター、角度検出器、減速機等により構成され、支持体83の内部に設置された回転機構と同様の機能を備えている。そして、回転機構85の出力軸は第2腕部86と接続されている。これにより、回転機構85は第2腕部86の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。
【0052】
第2腕部86上において回転機構85と反対側の端には昇降装置87及び回転機構(駆動部)88が配置されている。昇降装置87は直動機構を備え、直動機構を駆動することによりZ方向に伸縮することで把持部13aを第2腕部86に対して昇降させることができる。この直動機構は、例えば、供給部8の昇降装置16と同様の機構を用いることができる。回転機構88は、上記回転機構85と同様の構成を有しており、第2腕部86に対して把持部13aをZ方向と平行な軸線13c(図6(c)参照)周りに回転させる。
【0053】
図6(a)は、腕部13bの−Z側に把持部13aが設けられた正面図、図6(b)は平面図(ただし、腕部13bは図示せず)、図6(c)は左側面図である。
なお、把持部13aは、回転機構88によって腕部13bに対してθZ方向(Z軸回りの回転方向)に回転移動可能に設けられ、XY平面における位置が変動するため、以下の説明では便宜上、XY平面と平行な一方向をx方向、XY平面と平行でx方向と直交する方向をy方向として説明する(Z方向は共通)。
【0054】
把持部13aは、腕部13bに対してθZ方向には回転可能、且つ半導体基板1の把持の際に固定状態で用いられる固定部100と、固定部100に対してZ方向に移動自在に設けられた移動部110とを備えている。
【0055】
固定部100は、Z軸部材101、懸架部材102、連結部材103、連結板104、挟持板(第1把持部)105、フォーク部(支持部)106を主体として構成されている。Z軸部材101は、Z方向に延在し腕部13bにZ軸回りに回転可能に設けられている。懸架部材102は、x方向に延在する板状に形成されており、x方向の中央部においてZ軸部材101の下端に固定されている。連結板104は、懸架部材102と平行に互いに隙間をあけて配置され、当該懸架部材104とx方向両端側で連結部材103によって連結されている。挟持板105は、x方向に延在する板状に形成されており、図6(c)に示すように、+Z側の表面における+y側の端縁で連結板104の下端に固定されている。そして、挟持板105における+Z側の表面のうち、−y側の端縁側が半導体基板1を挟持する際の挟持面105aとなっている。
【0056】
フォーク部106は、挟持面105aで挟持された半導体基板1の下面(−Z側の面)を下方から支持するものであって、挟持板105の−y側の側面からy方向に延出させ、且つ、図6(b)に示すように、x方向に間隔L3をあけて複数(ここでは4本)設けられている。フォーク部106の配置間隔及び本数は、半導体基板1の長さが機種等に応じて変動した場合でも、少なくとも長さ方向で1箇所、好ましくは2箇所以上で支持可能に設定される。
【0057】
移動部110は、昇降部111、把持板(第2把持部)112を主体として構成されている。昇降部111は、エアシリンダ機構等で構成されており、Z軸部材101に沿って昇降する。把持板112は、昇降部111と一体的に昇降可能に設けられており、連結部材103、103間のx方向の隙間長よりも短く、懸架部材102と連結板104との間の隙間よりも小さな幅を有し、これら連結部材103、103間の隙間及び懸架部材102と連結板104との間の隙間にZ方向に移動可能に挿入された挿入部112aと、挿入部112aよりも下方に位置し、懸架部材102よりも下方で挟持板105とほぼ同じ長さでx方向に延在する挟持板112bとが一体的に形成されてなるものである。
【0058】
上記挿入部112a及び挟持板112bとからなる把持板112は、昇降部111の昇降に応じて一体的にZ方向に移動する。把持板112が下降した際には、挟持板105との間で半導体基板1の一端縁を挟持して把持可能であり、把持板112が上昇した際には、挟持板105から離間することで半導体基板1に対する把持が解除される。
【0059】
半導体基板1を把持可能なこれら挟持板105及び把持板112は、対向する隙間に当該挟持板105及び把持板112に亘る長さでx方向に連続的に延在する把持領域13dを形成する。図6(b)に示すように、挟持板105及び把持板112並びに把持領域13dの長さL1は、上記フォーク部106の長さL2よりも大きく形成されている。
【0060】
また、本実施形態では、回転機構88により把持部13aが回転する際の回転中心軸線(軸線)13cは、フォーク部106の長さ方向であるy方向に関しては、図6(c)に示されるように、フォーク部106が配置される領域に位置するように設定される。また、回転中心軸線13cは、挟持板105及び把持板112の長さ方向であるx方向に関しては、図6(a)に示すように、把持領域13dの略中央に配置されている。
【0061】
上記の搬送部13で半導体基板1を搬送する際には、フォーク部106が半導体基板1を下方から支持しているため、搬送された半導体基板1が表面に載置される前処理部9の第1、第2中継場所9a、9b、冷却部11の処理場所11a、11b、塗布部10のステージ39、後処理部14の第1、第2中継場所14a、14b(以下、載置部(テーブル部)140と総称する)には、図7(a)、(b)に示すように、搬送部13との間で半導体基板1を受け渡すとともに、載置部140に対して半導体基板1を吸着保持させる基板吸着機構142が設けられている。
【0062】
基板吸着機構142は、図8(a)に示すように、複数の吸着部161と、複数の吸着部161を一括して支持する支持部162と、支持部162を介して複数の吸着部161を一括的に昇降させる昇降装置163と、吸着部161及び支持部162に跨って設けられた吸引路161aを負圧吸引する吸引装置164とを備えている。昇降装置163及び吸引装置164の駆動は、制御部CONTにより制御される(図9参照)。
【0063】
吸着部161は、載置部140にZ方向に貫通して形成された孔部141に挿通して設けられており、内部に上方に開口する吸引路161aが形成されている。また、吸着部161の上端部は、上方に向かうに従って漸次拡径して形成されており、吸引装置の吸引動作と協働することにより、当該上端部において半導体基板1の裏面に当接して吸着する。これら吸着部161は、図7(b)に示すように、半導体基板1の搬送時に下方から支持するフォーク部106の長さ方向及び配列方向に沿ってそれぞれ複数設けられているが、フォーク部106の配列方向における間隔L3は、図7(b)及び図8(a)に示すように、複数のフォーク部106が配列される間隔L3と略同一に設定されている。
【0064】
そして、搬送部13に配置された検出器の出力を入力して把持部13aの位置と姿勢とを検出し、回転機構85等を駆動して把持部13aを所定の位置に移動させることにより、把持部13aで把持する半導体基板1を所定の処理部における載置部140に搬送することができる。
【0065】
図9は、印刷装置7に係る制御系のブロック図である。
図9に示すように、上述した供給部8、前処理部9、塗布部10、後処理部14、収納部12、搬送部13、昇降装置163、吸引装置164の動作は制御部CONTにより統括的に制御される。
【0066】
(印刷方法)
次に上述した印刷装置7を用いた印刷方法について図10にて説明する。図10は、印刷方法を示すためのフローチャートである。
図10のフローチャートに示されるように、印刷方法は、半導体基板1を収納容器18から搬入する搬入工程S1、搬入された半導体基板1の表面に対して前処理を施す前処理工程S2、前処理工程S2で温度上昇した半導体基板1を冷却する冷却工程S3、冷却された半導体基板1に対して各種マークを描画印刷する印刷工程S4、各種マークが印刷された半導体基板1に対して後処理を施す後処理工程S5、後処理が施された半導体基板1を収納容器18に収納する収納工程S6を主体に構成される。
【0067】
上記の各工程で半導体基板1を処理する際には、まず、搬送部13における把持部13aで半導体基板1の一側縁を挟持しつつ、フォーク部106で下方から支持することで半導体基板1を把持する。具体的には、図6(c)に示すように、昇降部111によって把持板112を挟持板105に対して離間させた状態で挟持板105及びフォーク部106上に半導体基板1を載置させた後に、図7(a)に示すように、昇降部111によって把持板112を下降させて挟持105との間で半導体基板1の側縁を挟持して把持させる。
【0068】
このとき、把持領域13dの長さは、フォーク部106の長さよりも大きく、また半導体基板1の長辺よりも大きいため、例えば前処理時の加熱で半導体基板1に反りが生じていた場合でも、半導体基板1の一側縁を一括的に挟持することで反りを矯正した状態で安定して把持することができる。
【0069】
そして、昇降装置87により把持部13aを所定高さに移動させた後に、回転機構85、88等の回転角度を制御して駆動することにより、把持部13aに把持された半導体基板1を所定の載置部140と対向する位置にXY平面に沿って移動させる。
【0070】
このとき、把持部13aは回転機構88の作動により回転中心軸線13cを中心として回転するが、y方向に関しては、回転中心軸線13cがフォーク部106が配置される領域に位置しているため、すなわち、半導体基板1が支持されている領域に位置しているため、例えば回転中心軸線13cが把持板112及び挟持板105により形成される把持領域13dに位置する場合と比較して、回転中心軸線13cから半導体基板1の外縁部までの距離が短くなる。つまり、半導体基板1が回転移動する際の回転半径が小さくなり、結果として半導体基板1に作用する遠心力が小さくなる。
【0071】
同様に、回転中心軸線13cを中心とする把持部13aの回転時、x方向に関しては回転中心軸線13cが把持領域13dの略中央に配置されているため、回転中心軸線13cから半導体基板1の外縁部までの距離が短くなり、半導体基板1が回転移動する際の回転半径が小さくなり、結果として半導体基板1に作用する遠心力が小さくなる。
つまり、把持部13a及び半導体基板1の回転に伴って、半導体基板1との干渉を避けるために周辺機器の離間距離を小さくすることで、装置の大型化を避けることができるとともに、遠心力により把持部13aに対して半導体基板1がずれることを防止でき、安定した搬送を実施することが可能になる。また、半導体基板1に対する把持力(挟持力)を小さくすることができるため、昇降部111の駆動力も小さくすることができ、一層の小型化を図ることができる。
【0072】
搬送部13が、載置部140の保持面140aとフォーク部106が接触しない高さで、所定の載置部140と対向する位置まで半導体基板1を搬送すると、制御部CONTは、図8(a)に示すように、昇降装置163を制御して支持部162及び吸着部161を上昇させて支持部162の上端部を載置部140の保持面140aから、半導体基板1の裏面に吸着する高さまで突出させるとともに、吸引装置164による吸引動作を実行させる。これにより吸着部161は半導体基板1の裏面を吸着保持する。
【0073】
このとき、搬送部13は、フォーク部106が吸着部161と当接せず、且つ半導体基板1の中心が載置部140の中心と略一致する位置に半導体基板1を搬送するために、予めフォーク部106の配列方向(図7(b)における上下方向、図8(a)における左右方向)で半導体基板1の位置を調整しておく。ここで、吸着部161の配列間隔L3がフォーク部106の配列間隔と同一であるため、一つのフォーク部106について吸着部161との接触を回避させる位置に移動させることで、全てのフォーク部106について吸着部161との接触を回避することができる。
【0074】
このように、半導体基板1が吸着部161に保持されると、制御装置CONTは搬送部13を制御して載置部140と対向する位置から後退させる。これにより、半導体基板1は搬送部13から吸着部161に受け渡される。
【0075】
フォーク部106が載置部140と対向する位置から退避すると、制御部CONTは半導体基板1への吸着を保持した状態で、図8(b)に示すように、昇降装置163を介して吸着部161を下降させる。このとき、半導体基板1が載置部140へ高速で接触することを避けるために、半導体基板1が載置部140の保持面140aに接触する直前までを高速で下降させ、その後は低速で半導体基板1を下降させ、図8(c)に示すように、半導体基板1を保持面140aに載置させる。吸着部161は保持面140aから孔部141に僅かに没入した状態で吸引装置164による吸引動作を継続することで、半導体基板1を保持面140aに吸着保持できる。
【0076】
載置部140の保持面140aに受け渡されて保持された半導体基板1は、基板吸着機構142によって載置部140の表面に吸着保持された状態で所定の処理(例えば、冷却処理)が施されるか、塗布処理や前処理が行われる。
【0077】
上述した搬送部13で搬送された半導体基板1は、前処理工程S2で半導体基板1の前処理(加熱した状態で表面の改質処理)が施され、冷却工程S3で冷却された後に、印刷工程S4で半導体装置3上に各種マークの印刷処理が行われる。各種マークの印刷処理が行われた半導体基板1は、後処理工程S5で後処理が施された後に収納工程S6で収納容器18に収納され、収納容器18を介して搬出される。
【0078】
以上説明したように、本実施形態では、吸着部161が上昇して半導体基板1を吸着保持して受け取るため、載置部140にはフォーク部106との接触を回避するための溝部を形成する必要がなくなり、半導体基板1を安定して保持することが可能になる。また、本実施形態では、吸着部161が間隔をあけて設けられているため、半導体基板1の中心位置を載置部140の中心位置に合わせる際にも調整代が確保されており、載置部140の所定位置に容易に載置することが可能である。
【0079】
加えて、本実施形態では、複数の吸着部161の配列間隔を複数のフォーク部106の配列間隔と同一としているため、各フォーク部106毎に吸着部161との接触を確認する必要がなく、迅速に半導体基板1を載置部140に載置することが可能になる。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0081】
例えば、上記実施形態では、吸着部161における上端部を可撓性材料で蛇腹状に形成する構成としてもよい。このような構成とすることで、例えば半導体基板1に反りが生じている場合でも、吸着部161が反りに応じて撓むことにより、半導体基板1の吸着を確実に維持することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、UVインクとして紫外線硬化型インクを用いたが、本発明はこれに限定されず、可視光線、赤外線を硬化光として使用することができる種々の活性光線硬化型インクを用いることができる。
また、光源も同様に、可視光等の活性光を射出する種々の活性光光源を用いること、つまり活性光線照射部を用いることができる。
【0083】
ここで、本発明において「活性光線」とは、その照射によりインク中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、活性光線硬化型インクとしては、本実施形態のように、紫外線を照射することにより硬化可能な紫外線硬化型インクを用いることが好ましい。
【0084】
上記実施形態では、基材としての半導体基板1は、半導体装置3が実装された基板2であったが、シリコンなどの半導体で形成された基板であってもよい。被記録媒体としての半導体装置3は、樹脂でモールドした半導体装置であってもよいし、半導体装置そのものであってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…半導体基板(基材)、 3…半導体装置、 7…印刷装置、 9…前処理部、 10…塗布部(印刷部、吐出装置、処理装置)、 39…ステージ(テーブル部)、 49…液滴吐出ヘッド(吐出ヘッド)、 57…液滴、 106…フォーク部(支持部)、 140…載置部(テーブル部)、 161…吸着部、 CONT…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持面で基材を保持するテーブル部を有し、前記テーブル部で保持した前記基材に対して印刷に関する所定の処理を行う処理装置と、
前記テーブル部の前記保持面に対して出没自在、且つ前記保持面に沿う方向に間隔をあけて設けられ、それぞれが前記基材の下面を吸着する複数の吸着部と、
前記複数の吸着部を一括的に昇降させる昇降装置と、
前記吸着部の昇降に応じて前記吸着部の吸着を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置において、
前記吸着部は、可撓性材料で形成されることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の印刷装置において、
前記基材を下方から互いに間隔をあけて支持する複数の支持部を有し、前記基材を前記テーブル部に搬送する搬送装置を備え、
前記複数の吸着部は、前記複数の支持部の配置間隔と略同一の間隔をあけて配置されることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記所定の処理は、前記基材に対して活性光線で硬化する液体の液滴を吐出する吐出処理を含むことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4記載の印刷装置において、
前記吐出処理では、前記基材の表面に設けられた半導体装置に前記液滴を塗布することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−206476(P2012−206476A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75813(P2011−75813)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)