説明

印字式記録カード読書装置

【課題】印字機能を持つ場合であっても、記録ヘッドにより行われる記録カードのデータ処理精度を確保することができる印字式記録カード読書装置を提供する。
【解決手段】印字式磁気カードリーダライタ6は、磁気カードのカード搬送経路11に沿って磁気ヘッド25と印字ヘッド29とを持つ。また、印字式磁気カードリーダライタ6は、カード搬送経路11の途中に印字ヘッド29が位置する関係上、搬送経路11が印字ヘッド29の前後で分断されることから、上流カード搬送部12と下流カード搬送部13とを持つ。本例は、磁気ヘッド25のヘッド部25aと下流カード搬送部13のカード巻込口35との間隔を、印字ヘッド29が磁気カードのデータ読み取りを完了する前に磁気カードの先端が下流カード搬送部13のカード巻込口35に至らない長さに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録カードに書き込まれた各種データを読み取りつつ、新たなデータを記録カードに書き込み可能で、しかもこの記録カードに文字や記号等を印字可能な印字式記録カード読書装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、路線バスやワンマン鉄道等の車両には、運賃の投入先として運賃箱が設置されている。この種の運賃箱は、硬貨や紙幣などの実金銭を受け付けて運賃精算を行うものだけでなく、例えばプリペイドカードでの運賃支払いも可能となっている機種が広く普及している。なお、プリペイドカードとは、一定金額の価値を持つカード型の金券のことをいい、残金等の記録データを磁気によって保持する磁気カードが今日においては広く使用されている。
【0003】
この種の運賃箱には、磁気カードの記録データを読み取りつつ新たなデータを磁気カードに書き込む装置として磁気カードリーダライタが搭載されている。磁気カードリーダライタは、磁気カードが挿し込まれると、内部の搬送ベルトで下流に磁気カードを搬送するとともに、磁気カードに書き込まれた残金を磁気ヘッドで読み取りつつ、カード挿し込み前の残金から運賃を差し引いた後に残る金額を磁気ヘッドにより磁気カードに新たに書き込む。そして、磁気カードの端に残金に対応したパンチ孔を開けて、磁気カードを装置外部に排出する。
【0004】
この種の磁気カードリーダライタでは、装置サイズの小型化が要望されている。小型化した磁気カードリーダライタの一例は、例えば特許文献1に開示されている。図8にこのような小型型磁気カードリーダライタ79を図示すると、この磁気カードリーダライタ79は、搬送ベルト80の下流側を上方に持ち上げることにより、装置長さ方向においてベルト部材に必要となる配置スペースが省略されるので、磁気カードリーダライタ79を装置長さ方向において小型化することが可能となる。
【0005】
ところで、この種の磁気カードリーダライタには、磁気カードに残金や使用日付等の文字や数字を印刷する印字式のものもある。この種の印字式磁気カードリーダライタの一例は、例えば特許文献2に開示されている。このような印字式磁気カードリーダライタは、装置内部に印字ヘッドを備え、磁気カードのカード処理時に、この印字ヘッドによって磁気カードに残金や使用日時などが印刷する。よって、磁気カードの印字を見れば今までの磁気カードの使用履歴を確認することが可能となるので、残金や使用履歴を直ぐに確認したいというユーザのニーズを満たすことができ、この利点から今日においては広く普及している。
【0006】
図9にこの種の印字式磁気カードリーダライタ81を図示すると、印字式磁気カードリーダライタ81には、外部から挿し込まれた磁気カード82を装置内部に引き込んで下流に流す搬送ベルト83が搬送モータ84を駆動源に回動可能に架設されている。この搬送ベルト83のカード搬送経路の途中には、装置内部に引き込んだ磁気カード82に対してデータ読み書きを行う磁気ヘッド85が配設されている。また、カード搬送経路の途中において磁気ヘッド85の下流側には、各種文字を磁気カード82に印字可能な印字ヘッド86が配設されている。
【0007】
ここで、印字ヘッド86(関連部品も含む)は、図10に示すように、磁気カード82の裏面のカード幅略全域を印刷領域として印刷するものであることから、磁気カード82のカード幅のほぼ全域に亘る部品サイズをとっている。このため、印字式磁気カードリーダライタ81では、磁気カード82の搬送経路途中に印字ヘッド86を配置させる関係上、印字ヘッド86の上流と下流とで搬送ベルト83を分断する必要がでてくる。よって、印字式磁気カードリーダライタ81は、磁気カード82の搬送方向においてその上流側に位置する上流側搬送ベルト83aと、その下流側に位置する下流側搬送ベルト83bとを持つことになる。
【特許文献1】特開2006−65652号公報
【特許文献2】実公平06−024924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この種の印字式磁気カードリーダライタ81において、磁気カードリーダライタ81を装置長さ方向(図9の矢印A1方向)において小型化する場合、例えば図11に示すように、下流側搬送ベルト83bの下流側を上方に持ち上げて、下流側搬送ベルト83bを上流側搬送ベルト83aに対して立たせた配置状態にする構造を持たせることが想定される。このように、下流側搬送ベルト83bを立たせた配置向きとすれば、その分だけ装置長さ方向においてベルト部材に必要となる配置スペースが省略されるので、磁気カードリーダライタ81を装置長さ方向において小型化することが可能となる。
【0009】
ところが、印字式磁気カードリーダの場合、搬送ベルト83が印字ヘッド86の上流と下流とで分断されるため、磁気カード82は印字ヘッド86を通過する際、この通過領域には搬送ベルト83が存在しないので、搬送ベルト83でカード長さ方向の全てが押さえ付けられた状態をとらず、一時的とは言え不安定な状態をとる。よって、図11に示すように下流側搬送ベルト83bを立たせた配置向きとした場合、印字ヘッド86を通過した後の磁気カード82は、図12に示すように、この不安定状態を以て、下流側搬送ベルト83bのカード入口87、つまりこの入口87に位置する搬送ベルト83及びそのローラ88に衝突する搬送過程を経ることになる。
【0010】
このため、磁気カード82は不安定な状態を以てカード入口87で下流側搬送ベルト83bに接触することになるので、この衝突時に発生する衝撃がそのまま磁気カード82に伝達される。よって、磁気カード82がこの衝撃で位置が動く(揺れる)ことから、例えば磁気ヘッド85が磁気カード82の磁気データを読んでいる最中にこの現象が発生すると、磁気ヘッド85に対する磁気カード82の位置がずれて、磁気ヘッド85が磁気カード82のデータ読み取りを正常に行うことができない懸念に繋がる。
【0011】
特に、例えば印字式磁気カードリーダライタ81を装置長さ方向(図9の矢印A1方向)において小型化すると、この場合は磁気ヘッド85と下流側搬送ベルト83bとの間の間隔Wh(図11参照)が短くなる傾向となるので、磁気ヘッド85及び下流側搬送ベルト83bを互いの位置関係に注意を払わずに配置してしまうと、磁気ヘッド85のデータ読み取り最中に磁気カード82の先端が下流側搬送ベルト83bのカード入口87まで至る現象が発生してしまう。よって、磁気カードリーダライタ81の小型化を満たす上でも、何らかの対処策が必要とされていた。なお、この問題は磁気カード82に磁気データを書き込むときも同様に言える。
【0012】
本発明の目的は、印字機能を持つ場合であっても、記録ヘッドにより行われる記録カードのデータ処理精度を確保することができる印字式記録カード読書装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記問題点を解決するために、本発明では、装置内部に取り込んだ記録カードの当該内部でのカード搬送経路上に、前記記録カードに対して記録データの読み書きのうち少なくとも一方を実行可能な記録ヘッドと、前記記録カードに対して印刷が可能な印字ヘッドとをカード順送り方向に並べて設け、前記印字ヘッドを挟んで前記カード搬送経路の上流側に位置する上流側搬送手段と、その下流側に位置する下流側搬送手段とにより、前記装置内部に取り込んだ前記記録カードを搬送して、前記記録ヘッドによるデータ処理と、前記印字ヘッドによる印字とを実行しつつ、前記下流側搬送手段が前記上流側搬送手段に対して起き上がった配置状態をとる印字式カード読書装置において、前記記録ヘッドと前記下流側搬送手段との間の間隔を、前記記録ヘッドが前記記録カードのデータ処理を完了する前に前記記録カードのエッジが前記下流側搬送手段のカード入口に至らない長さに設定したことを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、例えば記録カード読書装置に印字ヘッドを設けた場合、この種の印字ヘッドはカード幅ほぼ全域に亘るサイズを持つとともにカード搬送経路の途中に配置しなければならない関係上、記録カード読書装置の内部において磁気カードを搬送する搬送手段を、印字ヘッドの前後で分断させる必要がでてくる。こうなると、記録カードが上流側搬送手段から下流側搬送手段に流れ出る際、搬送手段が分断される地点では、記録カードは搬送手段により全体が支えられた状態をとらないので、記録カードは不安定な状態のまま下流側搬送手段のカード入口に突入する。
【0015】
ところで、上流側搬送手段から流れ出た記録カードが下流側搬送手段のカード入口に入り込む際には、上流側搬送手段に対して起き上がった配置位置をとる下流側搬送手段に記録カードが入り込むタイミングで、磁気カードが下流側搬送手段のカード入口に衝突する状態をとってしまうので、このときの衝突の衝撃で記録カードが大きく動く(揺れる)ことになる。このとき、もし仮に記録ヘッドが記録カードの記録データを読み取っている最中であったとすると、この衝撃によって記録カードが記録ヘッドに対して位置ずれし、記録ヘッドが記録カードの記録データを正常に読み取ることができないという問題が発生する。なお、この問題は、記録ヘッドが記録カードにデータ書き込みを行うときも同様にいえる。
【0016】
しかし、本構成では、記録ヘッドと下流側搬送手段との間の間隔を、記録ヘッドがデータ処理(データ読み取り又はデータ書き込み)を完了する前に記録カードの先端が下流側搬送手段のカード入口に至らない長さに設定したので、記録カードは記録ヘッドによるデータ処理が完了してから、下流側搬送手段のカード入口に入り込む動きをとる。よって、もし仮に記録ヘッドがデータ読み取りを行っている際に、記録カードの先端がカード入口の壁等に衝突して記録カードに衝撃が加わっても、このときにはデータ読み取りは終了しているので、この衝突がデータ読み取りに影響を与えない。このため、記録カード読取装置が印字機能を持つ場合であっても、記録カードのデータ読み取り精度を確保することが可能となる。
【0017】
本発明では、前記搬送手段は、モータを駆動源に回動する回動部材の回動力で前記記録カードを引き込むことにより当該記録カードの搬送を行いつつ、しかも前記モータの回動力をベルト部材によって前記回動部材に伝達することにより当該回動部材を回動させるベルト伝達式であることを要旨とする。
【0018】
この構成によれば、装置内において記録カードの搬送を行う本構成の搬送手段は、回動部材の回動により記録カードを引き込むことでカード搬送を行うものであって、しかも回動部材の回動に必要となるモータの回動力がベルト部材によって回動部材に伝達されるベルト伝達式をとっている。このため、この種の伝達機構としてギアを使用した場合の懸念事項であるバックラッシュの問題が発生しないので、記録カードの搬送時に記録カードを所定位置で停止させる場合、高い位置合わせ精度を確保することが可能となる。
【0019】
本発明では、前記搬送手段は、前記記録カードを表裏から一対の回動部材で挟み込みつつこれら当該回動部材の回動により前記記録カードの搬送を行いつつ、しかも前記一対の回動部材がともにモータを駆動源として自ら回る自転式であることを要旨とする。
【0020】
この構成によれば、装置内において記録カードの搬送を行う本構成の搬送手段は、モータの回動力が全ての回動部材に伝達されて、全ての回動部材が自ら回る自転式をとっている。よって、全ての回動部材が高いトルクで回動することになるので、記録カードの引込力を高くとることが可能となる。このため、記録カードを搬送手段で搬送する際に、回動部材による引込力が足らずに記録カードが搬送経路の途中で詰まってしまう状況を発生し難くすることが可能となる。
【0021】
本発明では、前記下流側搬送手段は、モータを駆動源として回動して前記記録カードを引き込む回動部材を前記記録カードの表側に備え、当該回動部材によって前記記録カードを上方に引き上げることにより、前記記録カードを下流側に搬送することを要旨とする。
【0022】
この構成によれば、上流側搬送手段から流れてきた記録カードが下流側搬送手段のカード入口に入り込んだ際、記録カードの表側に位置する下流側搬送手段の回動部材により、記録カードはカード入口に入り込み後に直ちに上方に引き上げられる。このため、下流側搬送手段のカード入口に記録カードが入り込んだ際に、この入口周囲の壁等に勢いよく衝突する状況を生じ難くすることが可能となるので、記録ヘッドのデータ読み取り精度向上を一層図ることが可能となる。
【0023】
本発明では、前記下流側搬送手段には、モータを駆動源として自転可能であるとともに、前記カード入口に入り込んだ当該カードの下流側への引き込みを補助する樹脂製ローラが設けられていることを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、上流側搬送手段から流れてきた記録カードが下流側搬送手段のカード入口に入り込んだ際には、この入口近辺に配置された樹脂製ローラにより、上方へより積極的に引き上げられる。このため、下流側搬送手段のカード入口に記録カードが入り込んだ際に、この入口周囲の壁等に記録カードが勢いを持って衝突する状況をより一層生じ難くすることが可能となるので、記録ヘッドのデータ読み取り精度向上を一層図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、印字機能を持つ場合であっても、記録ヘッドにより行われる記録カードのデータ処理精度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した印字式記録カード読書装置の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、路線バスやワンマン運行式鉄道等の車内には、運賃を収受する集金機器として運賃箱1が設置されている。運賃箱1の上面には、運賃としての硬貨2を投入する投入先として運賃投入口3が設けられている。運賃箱1は、運賃投入口3に投入された硬貨2を識別、計数、保管等するとともに、乗車場所を証明する整理券4が硬貨2と一緒に運賃投入口3に投入された場合、この整理券4を硬貨2から分離し、分離後の整理券4を箱内において硬貨2とは別の箇所に保管する。
【0027】
運賃箱1には、プリペイドカードとしての磁気カード5で運賃支払いが可能となるように磁気カードリーダライタ6が搭載されている。磁気カード5とは、初期設定金額から必要金額(運賃)を運賃精算時に順次差し引いていきつつ、残金やそれに関係する日付等の各種データを磁気によって保持する金券のことをいう。磁気カードリーダライタ6は、装置本体7の手前面に設けられたカード挿込口8から磁気カード5が挿入された際、その磁気カード5を装置本体7の内部に取り込んで、磁気データ(記録データ)により登録されたカード残金を磁気カード5から読み取る。そして、磁気カードリーダライタ6は、そのときに必要になった運賃をカード残金から差し引いて運賃精算しつつ、精算後のカード残金を磁気データで磁気カード5に新たに書き込み、残金データ書き込み後の磁気カード5を、装置本体7の上面奥寄りのカード排出口9から装置外部に排出する。なお、磁気カード5が記録カードに相当し、印字式磁気カードリーダライタ6が印字式カード読書装置に相当する。
【0028】
図3〜図5に示すように、装置本体7には、カード挿込口8から装置本体7に取り込んだ磁気カード5を、カード挿込口8とカード排出口9との間で搬送するカード搬送機構10が設けられている。本例のカード搬送機構10には、カード搬送経路11(図5参照)の上流側でカード搬送を行う上流カード搬送部12と、カード搬送経路11の下流側でカード搬送を行う下流カード搬送部13とが設けられている。よって、磁気カードリーダライタ6に挿し込まれた磁気カード5は、最初は上流カード搬送部12によって下流側に送られ、その途中で今度は下流カード搬送部13によって搬送されて、カード排出口9から装置外部に排出される。なお、本例のカード搬送経路11は、上流カード搬送部12の搬送経路である上流カード搬送経路11aと、下流カード搬送部13の搬送経路である下流カード搬送経路11bとからなる。また、上流カード搬送部12が上流側搬送手段に相当し、下流カード搬送部13が下流側搬送手段に相当する。
【0029】
まず、上流カード搬送部12を説明すると、装置本体7のフレーム14においてカード挿込口8寄りの位置には、第1搬送ローラR1が軸支されている。また、フレーム14の中央寄りの位置には、装置本体7の略水平方向において第1搬送ローラR1と並ぶ位置に第2搬送ローラR2(図5参照)が軸支されている。これら搬送ローラR1,R2には、搬送ローラR1,R2と連れ回りする搬送ベルトV1が複数(本例は3つ)のプーリ15…により張設された状態で取り付けられている。本例の搬送ベルトV1は、カード搬送経路11の上流側に配置されるとともに、上流カード搬送経路11aを挟んで装置下側に位置するベルトであって、本例ではこれを第1上流搬送ベルトV1と記すことにする。
【0030】
フレーム14において第2搬送ローラR2の上方には、第3搬送ローラR3が搬送ローラR1,R2と平行に並ぶ向きで軸支されている。この第3搬送ローラR3には、搬送ローラR3と連れ回りする搬送ベルトV2が複数(本例は5つ)のプーリ16…により張設された状態で取り付けられている。また、この搬送ベルトV2は、第1上流搬送ベルトV1に対して上流カード搬送経路11aを挟み装置上側に位置するベルトであることから、本例ではこれを第2上流搬送ベルトV2と記すことにする。上流カード搬送部12に挿し込まれた磁気カード5は、これら搬送ベルトV1,V2によって挟まれて引っ張られることにより、上流カード搬送経路11aに沿って搬送される。また、上流カード搬送経路11aは、カード挿込口8側である手前側から奥に向かうに従って高さが連続的に低くなる傾斜状態をとっている。
【0031】
また、下流カード搬送部13を説明すると、フレーム14においてカード搬送経路11の下流側の位置には、一対の第4搬送ローラR4が搬送ローラR1〜R3と平行に並ぶ向きで軸支されている。この第4搬送ローラR4には、搬送ローラR4と連れ回りする搬送ベルトV3が複数(本例は2つ)のプーリ17…により張設された状態で取り付けられている。この搬送ベルトV3は、カード搬送経路11の下流側に配置されることから、本例では下流搬送ベルトV3と記すことにする。下流搬送ベルトV3の対向位置には、搬送ベルトV3によって連れ回りする複数の従動ローラRa…(図5参照)が回動可能に取り付けられている。なお、搬送ベルトV1〜V3が回動部材に相当する。
【0032】
下流搬送ベルトV3と向き合う位置には、この下流搬送ベルトV3とともに下流カード搬送経路11bを形成する下側フレーム部18が設けられている。この下側フレーム部18は、湾曲形状をなす平板からなり、上端がフレーム14に固着されている。また、下流搬送ベルトV3の両側には、下流搬送ベルトV3及び下側フレーム部18とともに下流カード搬送経路11bを形成する一対の上側フレーム部19,19が設けられている。この上側フレーム部19,19も、下側フレーム部18と同じく湾曲形状をなした平板からなり、上端がフレーム14に固着されている。
【0033】
また、本例の場合、上流カード搬送部12のカード搬送経路11aが装置長さ方向(図5の矢印A方向)に沿う向きをとるのに対し、下流カード搬送部13のカード搬送経路11bが装置高さ方向(図5の矢印B方向)に沿う向きをとっている。これにより、下流カード搬送部13は、上流カード搬送部12に対して起き上がった配置状態をとっている。また、下流カード搬送経路11bは、中央から上部に向かうに従って経路がカード挿込口8側に曲がる湾曲経路をとっている。下流カード搬送部13の従動ローラRa…は、下流カード搬送経路11bにおいて湾曲部分の背面位置に配置されている。
【0034】
さらに、第4搬送ローラR4の軸方向中央寄りの位置には、下流カード搬送部13に流れ込んだ磁気カード5を上側に引き上げることを補助する樹脂製ローラ20が第4搬送ローラR4と一体回動可能に取り付けられている。この第4搬送ローラR4の対向位置には、第4搬送ローラR4とで磁気カード5を挟んで引き上げ可能な従動ローラ21(図5参照)が回動可能に取り付けられている。下流カード搬送部13に入り込んだ磁気カード5は、カード表面が樹脂製ローラ20及び下流搬送ベルトV3によって引き上げられることにより、下流カード搬送経路11bに取り込まれる。
【0035】
装置本体7には、カード搬送機構10の駆動源、即ち搬送ベルトV1〜V3を回動させる際の駆動源として搬送モータ22が設けられている。搬送モータ22は、例えばステッピングモータが使用されている。本例のカード搬送機構10は、搬送モータ22の駆動力をベルト部材によって各搬送ベルトV1〜V3に伝えるベルト伝達式をとっている。また、本例のカード搬送機構10は、搬送モータ22の回動力を搬送ベルトV1〜V3の全てに伝えて、搬送ベルトV1〜V3を全て自転させる自転式をとっている。なお、搬送モータ22がモータに相当する。
【0036】
本例のカード搬送機構10では、搬送モータ22のモータ軸22aは、第1伝達ベルトT1を介して第1搬送ローラR1に連結されている。また、この第1搬送ローラR1に第1上流搬送ベルトV1を通じて繋がる第2搬送ローラR2は、第2伝達ベルトT2を介して第4搬送ローラR4に連結されている。この第2伝達ベルトT2は、フレーム14に回動可能に取り付けられた複数(本例は2つ)のプーリ23…によって回動が許容された状態で張設されている。また、第4搬送ローラR4は、第3伝達ベルトT3を介して第3搬送ローラR3に連結されている。この第3伝達ベルトT3は、フレーム14に回動可能に取り付けられた複数(本例は2つ)のプーリ24…によって回動が許容された状態で張設されている。なお、伝達ベルトT1〜T3がベルト部材に相当する。
【0037】
搬送モータ22が回動した際、そのモータ回動力が第1伝達ベルトT1によって第1搬送ローラR1に伝わって第1搬送ローラR1が回動し、第2搬送ローラR2及びそのプーリ群の連れ回りを伴って第1上流搬送ベルトV1が回動する。第2搬送ローラR2が回動した際、この回動力は第2伝達ベルトT2を介して第4搬送ローラR4に伝わり、これら搬送ローラR4が回動することにより、下流搬送ベルトV3が回動する。第4搬送ローラR4が回動した際、この回動力は第3伝達ベルトT3を介して第3搬送ローラR3に伝わって第3搬送ローラR3が回動し、これにより第3伝達ベルトT3を支持するプーリ群の連れ回りを伴って第2上流搬送ベルトV2が回動する。
【0038】
図5に示すように、装置本体7において上流カード搬送経路11aの中央寄りの位置には、磁気カード5に対してデータ読書を行う磁気ヘッド25が設けられている。磁気ヘッド25は、磁気カード5に書き込まれた磁気データ(「0」又は「1」からなるデジタルデータ)の読み取りや、磁気カード5への磁気データ書き込みの両方を行うことが可能な電磁石からなる電子部品である。本例の磁気ヘッド25は、磁気カード5に裏面側からデータ読み書きを行うべく、ヘッド部25aが上を向く状態でカード搬送経路11の下側に配置されている。磁気カード5に書き込まれる磁気データには、例えばカード種類、残金、カード使用日付、印字回数等がある。また、磁気ヘッド25の対向位置には、磁気ヘッド25に向き合う位置をとった磁気カード5を上から押さえ付ける押し付けローラ26が取り付けられている。なお、磁気ヘッド25が記録ヘッドに相当する。
【0039】
また。装置本体7において磁気ヘッド25のカード搬送上流側隣位置には、磁気カード5にカード残金に応じたパンチ孔を開けるパンチング部品27が設けられている。パンチング部品27は、磁気カード5の側端部に、カード残金の目安となるパンチ孔を開けるべく、装置幅方向(図5の矢印A方向)においてその一方向端部28(図3の一点鎖線円内に図示)寄りの位置に配置されている。パンチング部品27は、例えばソレノイド(図示略)により上下方向に進退する穿孔ピン(図示略)を持ち、この穿孔ピンを飛び出させることによって磁気カード5にパンチ孔を開ける。
【0040】
さらに、装置本体7において上流カード搬送経路11aの終点位置付近には、磁気カード5に各種文字や記号を印字する印字ヘッド29が設けられている。印字ヘッド29は、印字に際して熱を利用するサーマルヘッドからなる。本例の印字ヘッド29は、磁気カード5の裏面に印字を行うべく、印字部29aが上を向く状態でカード搬送経路11の下側に配置されている。また、印字ヘッド29の対向位置には、磁気カード5に印字を行うときの支えとしてプラテン30が設けられている。印字ヘッド29は、磁気カード5が自身に向き合う位置に搬送されてくると、所定量だけ浮き上がって磁気カード5をプラテン30とで挟み込み、この状態で磁気カード5へ文字や記号等を印字する。また、磁気ヘッド25と印字ヘッド29は、磁気カード5の順送り方向に沿って磁気ヘッド25→印字ヘッド29の順に並び配置されている。
【0041】
図5に示すように、装置本体7の内部においてカード挿込口8の近傍には、カード挿込口8への磁気カード5の挿入有無を検出する入口スイッチ31が設けられている。入口スイッチ31は、例えば接点スイッチが使用され、例えば磁気カード5によって可動接点が押されて固定接点に接触すると、磁気カード5がカード挿込口8に挿し込まれたことを検出し、磁気カード5が可動接点を押す状態をとらずに可動接点が固定接点から離れた状態をとると、磁気カード5がカード挿込口8に挿し込まれていないことを検出する。
【0042】
また、カード搬送経路11上には、カード搬送経路11の上流から下流に向かうに方向に沿って、第1センサS1、第2センサS2、第3センサS3、第4センサS4、第5センサS5及び第6センサS6の6つのセンサがこの並び順に設けられている。これらセンサS1〜S6は、例えばフォトインタラプタが使用され、投光部からの光が磁気カード5によって遮光されて受光部まで至らない際、磁気カード5がその位置に存在することを検出し、投光部の光が受光部で受け取れている際、磁気カード5がその位置に存在していないことを検出する。カード搬送経路11を流れる磁気カード5は、これらセンサS1〜S6によって搬送位置が監視される。
【0043】
第1センサS1は、上流カード搬送経路11aの最上流位置付近に配置されている。第2センサS2は、第1センサS1に対して少量だけカード搬送経路11aの下流側にオフセットした位置に配置されている。第3センサS3は、上流カード搬送経路11aにおいて磁気ヘッド25の経路上流側隣位置に配置されている。第4センサS4は、上流カード搬送経路11aにおいて磁気ヘッド25の経路下流側隣位置に配置されている。第5センサS5は、下流カード搬送経路11bの略中央位置に配置されている。第6センサS6は、下流カード搬送経路11bの最下流位置付近に配置されている。また、これらセンサS1〜S6は、装置幅方向においてその他方向端部32(図3の一点鎖線円内に図示)に全て配置されている。
【0044】
また、装置本体7においてカード搬送経路11aの下流側位置には、磁気カード5に開けたパンチ孔の位置を検出するパンチ孔検出センサ33(図2参照)が設けられている。パンチ孔検出センサ33は、例えばフォトインタラプタからなり、投光部の光がパンチ孔を通り過ぎて受光部で光を受光することにより、パンチ孔の位置を検出する。パンチ孔検出センサ33は、装置幅方向においてパンチング部品27と同じ側に配置され、本例では装置本体幅方向の一方向端部28に配置されている。即ち、センサS1〜S6が装置本体幅方向の他方向端部32に配置されているのに対し、パンチ孔検出センサ33のみだけが装置本体幅方向の一方向端部28に配置されている。
【0045】
図6に示すように、下流カード搬送部13において印字ヘッド29と向き合う位置には、上流カード搬送部12から送られてきた磁気カード5の導入口としてカード通路孔34が形成されている。このカード通路孔34は、下流カード搬送部13において磁気カード5を出し入れするための開口であって、下流搬送ベルトV3、下側フレーム部18及び上側フレーム部19,19によって囲まれる箇所により形成される。また、このカード通路孔34付近は、下側フレーム部18が単純に下流搬送ベルトV3に沿う開口をとるのではなく、下側フレーム部18をこの下流搬送ベルトV3に沿うライン(図5の破線)よりも深く掘り下げることにより、開口が広めに形成されている。また、第4搬送ローラR4とその従動ローラ21との摺動箇所は、下流カード搬送部13のカード通路孔34に入り込んだ磁気カード5を引き込むカード巻込口35となっている。
【0046】
さらに、磁気ヘッド25のヘッド部25aと下流カード搬送部13のカード巻込口35との間隔Lは、磁気ヘッド25が磁気カード5のデータ読み取りを完了する前に磁気カード5の先端が下流カード搬送部13の入口部位Px(図6参照)に至らない長さに設定されている。即ち、磁気ヘッド25が磁気カード5のデータ読み取りを行っている最中に、磁気カード5の先端が下流搬送ベルトV3、カード巻込口35、下側フレーム部18等に衝突してしまわないように、磁気ヘッド25と下流カード搬送部13との間隔Lが予め決められた間隔に設定されている。本例の間隔Lは、磁気カード1枚分(長さ方向のカード長)を許容できる長さに設定されている。なお、ここでいう入口部位Pxは、下流搬送ベルトV3、カード巻込口35、下側フレーム部18に限らず、実際に衝突が起こる部分は下側フレーム部18(正確には、上流カード搬送経路11aのラインと下側フレーム部18が交差する部分)であるが、広義にはこれら周囲の部品のことも含む。また、入口部位Pxがカード入口に相当する。
【0047】
図2に示すように、磁気カードリーダライタ6には、同装置を統括制御する制御装置36が設けられている。この制御装置36には、入力側に入口スイッチ31、センサS1〜S6及びパンチ孔検出センサ33が接続されるとともに、出力側に搬送モータ22、磁気ヘッド25、パンチング部品27及び印字ヘッド29が接続されている。制御装置36は、入口スイッチ31、センサS1〜S6及びパンチ孔検出センサ33から入力する検出信号を基に、搬送モータ22、磁気ヘッド25、パンチング部品27及び印字ヘッド29を動作させて、磁気カード5の搬送、磁気カード5のデータ読み書き、パンチ孔の孔開け等の一連動作を実行する。
【0048】
次に、本例の印字式磁気カードリーダライタ6の動作を説明する。
図7(a)に示すように、制御装置36は、入口スイッチ31で磁気カード5の挿入を検出すると、搬送モータ22を一方向(本例は正転)に回転させて、搬送ベルトV1〜V3を一方向に回転させる。なお、このときは、第1上流搬送ベルトV1及び下流搬送ベルトV3が搬送モータ22と同一回動方向に回り、第2上流搬送ベルトV2が搬送モータ22と逆回動方向に回る動作をとる。これにより、カード挿込口8に挿し込まれた磁気カード5は、上下一対の上流搬送ベルトV1,V2によって装置内部に引き込まれ、上流カード搬送部12のカード搬送経路11aを流れ始める。
【0049】
図7(b)に示すように、制御装置36は、それまで磁気カード5を検出していた第1センサS1で磁気カード5の後端(カード挿込口8側のエッジ)を検出しなくなると、磁気カードリーダライタ6にデータ読み取り動作(データリード)を開始させる。なお、データ読み取り動作とは、磁気カード5に書き込まれた磁気データを磁気ヘッド25に読み取らせる動作のことをいう。このとき、制御装置36は、搬送モータ22の正転による磁気カード5の正送りを継続しつつ、磁気ヘッド25にデータ読み取り開始指令を出力して、磁気ヘッド25にデータ読み取り処理を実行させる。
【0050】
ところで、磁気カード5には、磁気データの書き込み先であるデータ書き込み領域のエリアが予め決まっており、図7(c)に示すように、このデータ書き込み領域が磁気ヘッド25を通り過ぎると、印字ヘッド29はデータ読み取り処理を実質終了するが、制御装置36は磁気カード5を暫く下流に流す動作をとる。なお、磁気カード5は、最初は上流カード搬送経路11aを流れているが、印字ヘッド29の配置箇所を通過する際には、カード先端が印字ヘッド29を跨いで上流カード搬送経路11aから下流カード搬送部13に流れ込む動きをとる。
【0051】
図7(d)に示すように、制御装置36は、それまで磁気カード5を検出していた第4センサS4で磁気カード5の後端を検出すると、磁気カードリーダライタ6にデータ読み取り動作を終了させる。このとき、制御装置36は、磁気ヘッド25にデータ読み取り終了指令を出力して、磁気ヘッド25によるデータ読み取り処理を終了させつつ、搬送モータ22に停止指令を出力して、搬送モータ22を一旦停止させる。このとき、磁気カード5は、図7(e)に示すように、第4センサS4の位置で停止するのではなく、搬送モータ22の惰性回転により、第4センサS4から奥にオーバーランした後に、所定位置で停止する。
【0052】
制御装置36は、このようにデータ読み取り動作を終了すると、今度は磁気カードリーダライタ6にデータ書き込み動作(データライト)を開始させる。なお、データ書き込み動作とは、磁気カード5に新たな磁気データを書き込む動作のことをいう。このとき、制御装置36は、まず搬送モータ22を他方向(本例は逆転)に回転させ、磁気カード5を背走させる。そして、制御装置36は、図7(f)に示すように、それまで磁気カード5を検出していなかった第4センサS4で磁気カード5の後端を検出すると、磁気ヘッド25にデータ書き込み指令を出力して、磁気ヘッド25にデータ書き込み処理を実行させる。このとき、磁気ヘッド25は、磁気データを読み取ったデータ書き込み領域に新たなデータを上書きする。
【0053】
図7(g)に示すように、制御装置36は、それまで磁気カード5を検出していた第3センサS3で磁気カード5の先端(カード排出口9側のエッジ)を検出しなくなると、磁気カードリーダライタ6にデータ書き込み動作を終了させる。このとき、制御装置36は、磁気ヘッド25にデータ書き込み終了指令を出力して、磁気ヘッド25によるデータ書き込み処理を終了させつつ、搬送モータ22に停止指令を出力して、搬送モータ22を一旦停止させる。
【0054】
制御装置36は、このようにデータ書き込み動作を完了すると、続いては図7(h)に示すように、磁気カードリーダライタ6にデータベリファイを開始させる。なお、データベリファイとは、磁気カード5に磁気データが正常に書き込まれたか否かを確認するために、磁気カード5の書き込みデータを改めて読み取る動作のことをいう。このデータベリファイは、データ読み取り動作と同じ動作となっているので、詳細は省略する。制御装置36は、このデータベリファイで磁気データが正確に磁気カード5に書き込まれていないことを確認すると、再度、磁気データの読み取り及び書き込みを行ない、再度ベリファイを行う。複数回のデータベリファイを行っても、ベリファイエラーとなる場合、使用不能な磁気カードと判定して、その磁気カード5を強制的に装置外に排出する。
【0055】
制御装置36は、このデータベリファイを完了すると、今度は磁気カードリーダライタ6にパンチ孔開け動作を開始させる。なお、パンチ孔開け動作とは、磁気カード5の端縁に、磁気カード5の残り金額の目安を表すパンチ孔を開ける動作である。このとき、制御装置36は、まず搬送モータ22を他方向に回転させることにより磁気カード5を背走させて、磁気カード5をカード挿込口8側に戻すカード戻し動作に入る。制御装置36は、図7(i)に示すように、それまで磁気カード5を検出していなかった第2センサS2で磁気カード5の後端を検出すると、駆動中の搬送モータ22を停止に切り換える。なお、このときの磁気カード5は、図7(j)に示すように、搬送モータ22の惰性回転により、パンチ孔検出センサ33の位置から奥にオーバーランした後に、所定位置で停止する。
【0056】
続いて、制御装置36は、オーバーランした磁気カード5をパンチ孔開け基準位置に位置合わせするパンチ基準位置合わせ動作に入る。このとき、制御装置36は、パンチ孔開け動作時におけるカード戻し動作のときよりも低速で搬送モータ22を正転させてカード位置合わせを行い、図7(k)に示すように、それまで磁気カード5の後端を検出していたパンチ孔検出センサ33が磁気カード5を検出しくなったタイミングで搬送モータ22を停止させることにより、磁気カード5をパンチ孔開け基準位置で停止させる。なお、この位置合わせのときに搬送モータ22を低速で回転させて磁気カード5をゆっくり搬送するのは、磁気カード5をより精度良くパンチ孔開け基準位置に停止させるためである。
【0057】
ところで、制御装置36は、磁気カード5の磁気データを読み取って運賃精算後の残金を割り出した際、その演算した残金を基に、磁気カード5に開けるべきパンチ孔の位置を確認する。よって、制御装置36は、図7(l)に示すように、このパンチ基準位置合わせ動作の後、磁気カード5が持つ残金に応じて決まるパンチ位置に磁気カード5を位置合わせするパンチ位置合わせ動作を行う。パンチ位置合わせ動作は、カード搬送時における搬送モータ22のステップ数をカウントし、パンチ位置に応じて決まる目標値にカウント数が到達したことを確認すると、搬送モータ22の回転を停止することにより、パンチング部品27の穿孔ピンを磁気カード5の孔開け位置に向き合わせる動作である。このとき、例えば孔開け位置が磁気カード5の後端寄りの場合には、搬送モータ22を逆転させて磁気カード5をカード挿込口8側に戻し、一方で孔開け位置が磁気カード5の先端寄りの場合には、搬送モータ22を正転させて磁気カード5をカード排出口9側に正送りする。制御装置36は、磁気カード5を孔開け位置に配置した後、パンチング部品27を動作させて、磁気カード5の孔開け位置にパンチ孔を開ける。
【0058】
制御装置36は、パンチ孔開け動作を完了すると、続いては磁気カードリーダライタ6にパンチ孔ベリファイを開始させる。なお、パンチ孔ベリファイとは、磁気カード5に開けられたパンチ孔が正しい位置に存在しているか否かを見る動作のことをいう。制御装置36は、図7(m)に示すように、例えばパンチ孔を開けた後に搬送モータ22を正転させて磁気カード5を搬送した際、搬送モータ22のステップ数が何カウントとるときにパンチ孔を検出するか否かを見ることで、磁気カード5に開けたパンチ孔が正しいか否かを確認する。制御装置36は、このパンチ孔ベリファイでパンチ孔が正確に開けられていないことを確認すると、再度、パンチ孔ベリファイを行なう。複数回のパンチ孔ベリファイを行っても、ベリファイエラーとなる場合、使用不能な磁気カード5と判定して、その磁気カード5を強制的に装置外に排出する。
【0059】
制御装置36は、パンチ孔が正確に開けられていることを確認すると、続いては磁気カードリーダライタ6に印字動作を開始させる。印字動作とは、磁気カード5の裏面に、残金や日時等の各種文字を印字ヘッド29で印刷する動作である。制御装置36は、パンチ孔ベリファイでパンチ孔が正確に開けられていることを確認すると、そのときのカード送り動作を継続し、磁気カード5を印字ヘッド29よりも更に奥に搬送するカード送り動作を行う。そして、制御装置36は、図7(n)に示すように、それまで磁気カード5を検出していなかった第5センサS5で磁気カード5の先端を検出すると、正転中の搬送モータ22を停止させる。このときの磁気カード5は、図7(o)に示すように、搬送モータ22の惰性回転により、第5センサS5の位置から奥にオーバーランした後に、所定位置で停止する。
【0060】
続いて、制御装置36は、オーバーランした磁気カード5を印字開始基準位置に位置合わせする印字基準位置合わせ動作に入る。このとき、制御装置36は、印字動作時におけるカード送り動作のときよりも低速で搬送モータ22を逆転させてカード位置合わせを行い、図7(p)に示すように、それまで磁気カード5の先端を検出していた第5センサS5が磁気カード5を検出しなくなったタイミングで搬送モータ22を停止させることにより、磁気カード5を印字開始基準位置で停止させる。なお、この位置合わせのときに搬送モータ22を搬送モータ22を低速で回転させて磁気カード5をゆっくり搬送するのは、磁気カード5をより精度良く印字開始基準位置に停止させるためである。
【0061】
制御装置36は、印字基準位置への位置合わせの後、図7(q)に示すように、磁気カード5が持つ残金に応じて決まる印字位置に磁気カード5を位置合わせする印字開始位置合わせ動作を行う。ところで、制御装置36は、磁気カード5の磁気データを読み取って運賃精算後の残金を割り出した際、その演算した残金やそれまでの印字回数を基に、磁気カード5の印字位置を確認する。そして、例えば印字位置が磁気カード5の先端寄りの場合には、搬送モータ22を逆転させて磁気カード5をカード挿込口8側に戻し、一方で印字位置が磁気カード5の後端寄りの場合には、搬送モータ22を正転させて磁気カード5をカード排出口9側に正送りする。なお、このときの磁気カード5の位置合わせは、パンチ位置合わせのときと同様に、搬送モータ22のステップ数を見る方式により実行される。そして、制御装置36は、磁気カード5を印字開始位置に位置させた後、印字ヘッド29を動作させて、磁気カード5の裏面所定位置に各種文字を印刷する。
【0062】
制御装置36は、磁気カード5の裏面に文字を書き切って印字動作を完了すると、磁気カードリーダライタ6にカード排出動作を開始させる。このとき、制御装置36は、搬送モータ22を正転させて磁気カード5をカード排出口9に向かわせ、それまで磁気カード5を検出していなかった第6センサS6で磁気カード5の先端を検出すると、その時点から搬送モータ22を所定ステップだけ正転させた後、搬送モータ22を停止させる。これにより、図7(r)に示すように、カード排出口9から磁気カード5が所定量だけ飛び出た状態をとる。そして、制御装置36は、この第6センサS6で磁気カード5が検出できなくなると、乗客により磁気カード5が磁気カードリーダライタ6から抜き取られたと認識し、磁気カード5に対する磁気データの読み書きを終了する。
【0063】
さて、本例においては、磁気ヘッド25のヘッド部25aと下流カード搬送部13の入口部位Pxとの間隔Lを、印字ヘッド29が磁気カード5のデータ読み取りを完了する前に磁気カード5の先端がカード巻込口35に至らない長さに設定している。このため、磁気ヘッド25が磁気カード5のデータ読み取りを行っている最中に、磁気カード5の先端が下流カード搬送部13のカード巻込口35に衝突する状況が生じ難くなる。よって、磁気カード5が下流カード搬送部13のカード通路孔34に入り込んだ際、磁気カード5がカード巻込口35に衝突することによって同カード5に衝撃が付与されても、この衝撃が磁気ヘッド25のデータ読み取りに影響を与え難くなるので、磁気ヘッド25のデータ読み取り精度を高いものとすることが可能となる。
【0064】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)印字ヘッド29を持つ印字式磁気カードリーダライタ6において、磁気ヘッド25のヘッド部25aと下流カード搬送部13の入口部位Pxとの間隔Lを、印字ヘッド29が磁気カード5のデータ読み取りを完了する前に磁気カード5の先端がカード巻込口35に至らない長さに設定した。このため、磁気カード5が下流カード搬送部13のカード通路孔34に入り込んだ際、この磁気カード5がカード巻込口35に引き込まれるときには、磁気ヘッド25によるデータ読み取りは既に終了する状態をとる。よって、磁気カード5がカード巻込口35に引き込まれる際の衝撃が磁気ヘッド25のデータ読み取りに影響を与えにくくなるので、磁気ヘッド25のデータ読み取りの精度を高いものとすることができる。
【0065】
(2)カード搬送機構10は、磁気カード5のカード搬送部品として働く搬送ローラR1〜R4や搬送ベルトV1〜V3の回動に必要となる搬送モータ22の回動力を、伝達ベルトT1〜T3によってこれら搬送ローラR1〜R4や搬送ベルトV1〜V3に伝達するベルト伝達式をとる。このため、この種の伝達機構としてギアを使用した場合の懸念事項であるバックラッシュの問題を考えずに済むので、磁気カード5の搬送時において磁気カード5を各々の停止位置で停止させる際に、高い位置合わせ精度を確保することができる。
【0066】
(3)カード搬送機構10は、全ての搬送ベルトV1〜V3(搬送ローラR1〜R4)が搬送モータ22を駆動源として自ら回る自転式をとっている。よって、全ての搬送ベルトV1〜V3が高いトルクで回動することになるので、磁気カード5を装置内で搬送するときの引込力が高くなる。このため、磁気カード5を本例のように搬送ベルトV1〜V3で搬送する際に、搬送ベルトV1〜V3の引込力が足らずに磁気カード5がカード搬送経路11の途中で詰まってしまう状況を発生し難くすることができる。
【0067】
(4)下流カード搬送部13は、自身のカード搬送経路11bが上流カード搬送部12の上流カード搬送経路11aに対して直交向きをとることにより、上流カード搬送部12に対して略90度起き上がった配置状態をとる。このため、下流カード搬送部13のカード搬送方向長さを、装置高さ方向に逃がすことが可能となるので、磁気カードリーダライタ6において装置長さ方向の装置サイズの小型化を図ることができる。
【0068】
(5)下流カード搬送部13のカード送り部品である下流搬送ベルトV3及び樹脂製ローラ20を磁気カード5の表側に設け、下流カード搬送部13に磁気カード5が流れ込んできた際には、カード通路孔34に入り込み後、直ぐに下流搬送ベルトV3及び樹脂製ローラ20で磁気カード5を上方に引き上げる。このため、カード通路孔34に入り込んだ磁気カード5が、勢いよく孔内の壁等に衝突する状況を生じ難くすることが可能となる。よって、磁気カード5が下流カード搬送部13のカード通路孔34に突入した際に、壁衝突による衝撃を磁気カード5に発生し難くすることが可能となるので、磁気ヘッド25のデータ読み取り精度の更なる向上化に効果が高くなる。
【0069】
(6)第4搬送ローラR4に、下流カード搬送部13に入り込んだ磁気カード5を、積極的に上方に引き上げる樹脂製ローラ20を設けた。このため、下流カード搬送部13に入り込んだ磁気カード5がカード通路孔34の孔内の周囲の壁等に衝突する状況を一層生得する状況を生じ難くすることが可能となるので、磁気ヘッド25のデータ読み取り精度の更なる向上化に効果が高い。
【0070】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 間隔Lは、必ずしも磁気カード1枚分の長さを持つ間隔に限定されない。要は、磁気ヘッド25の実質的なデータ読み取り動作が終了する前に、磁気カード5の先端が下流カード搬送部13の入口部位Pxで衝突してしまわない長さに設定されていればよい。
【0071】
・ 磁気カード5のデータ読み書き動作、パンチ孔開け動作、磁気カード5への印字動作は、この記載順に実行されることに限定されず、例えばパンチ孔開け動作と印字動作とを前後入れ換えてもよい。
【0072】
・ パンチ孔開け動作は、必ずしも上流側から下流側にカード搬送するときに行うことに限定されず、逆の搬送向きをとるときに実行してもよい。
・ 印字ヘッド29は、浮上ヘッドと固定ヘッドとのどちらを採用してもよい。
【0073】
・ 上流カード搬送部12及び下流カード搬送部13は、上流カード搬送部12が装置略水平方向を向き、下流カード搬送部13が装置高さ方向を向く配置状態をとることに限定されず、この向きを変更してもよい。
【0074】
・ 下流カード搬送部13は、上流カード搬送部12に対して略90度起き上がった配置位置をとることに限定されない。例えば、下流カード搬送部13の上部を磁気カードリーダライタ6の手前側(カード挿込口8側)に倒すことにより、下流カード搬送部13を装置手前側、つまり磁気カード5を磁気カードリーダライタ6に挿し込んだユーザ側に向かせるようにしてもよい。この場合、磁気カードリーダライタ6から排出される磁気カード5がユーザ側に吐き出されるので、データ読み書き後の磁気カード5を磁気カードリーダライタ6から取り易くすることができる。
【0075】
・ 搬送ベルトV1〜V3や搬送ローラR1〜R4の位置や向きは、必ずしも実施形態のものに限定されず、自由に変更可能である。
・ 回動部材は、必ずしも搬送ベルトV1〜V3に限らず、ローラ部品自体で磁気カード5を引き込むものでもよい。
【0076】
・ 下流カード搬送部13は、磁気カード5の表側に搬送ベルトV3(樹脂製ローラ20)を持つ構造をとることに限定されず、これが磁気カード5の裏側に位置する構造をとるものでもよい。
【0077】
・ 樹脂製ローラ20は、部品全体が樹脂からできていることに限らず、表面のみが樹脂からなっていればよい。また、樹脂製ローラ20は、表面全てが樹脂からなることに限らず、樹脂が部分的に存在していればよい。
【0078】
・ カード搬送機構10の回動力伝達形式は、必ずしもベルト伝達式に限らず、ギアにより動力伝達を行うギア式でもよい。
・ 第2上流搬送ベルトV2は、必ずしも自転式をとることに限定されず、第1上流搬送ベルトV1の回動力によって連れ回りする単なる従動ベルトでもよい。
【0079】
・ モータは、必ずしもステッピングモータに限らず、他の種類のモータを採用してもよい。
・ 上流カード搬送部12は、必ずしも水平でなく若干傾斜を設けてもよい。上流カード搬送部12を傾斜させれば、磁気データの読み取り及び書き込み時に必要なカード搬送距離を限られた外形寸法内に収めることが可能となるので、磁気カードリーダライタの更なる小型化を図ることができる。
【0080】
・ 記録データ読書装置は、必ずしも記録カードに対してデータ読み書きの両方を行うものに限定されず、少なくとも一方の機能を満たすものであれば足りる。
・ 記録カード読書装置は、記録ヘッドとして磁気ヘッド25を使用した磁気カードリーダライタ6に限定されず、他の種類の記録ヘッドを使用したカード読書装置を採用してもよい。
【0081】
・ 磁気カードリーダライタ6は、必ずしも運賃箱1に搭載されることに限定されず、その搭載先は自由に変更可能である。
・ 磁気カードリーダライタ6は、必ずしも印字ヘッド29(印字機構)を持つ印字式であることに限定されず、この種の印字機構を持たないものでもよい。ところで、磁気カードリーダライタ6を装置長さ方向に小型化した場合には、短い搬送距離で確実に磁気カード5を所定位置に搬送(停止)させる必要が発生する。そこで、これを満たすためには、本例のようにモータ22の回動力を上下両方の搬送ベルトV1,V2に伝達して、両ベルトV1,V2をともに回すことにより、磁気カード5の搬送力(グリップ力)を確保することが有効である。ここで、上下の搬送ベルトV1,V2をともに回動させる技術例は、例えば特開2006−65652号公報に開示されている。しかし、同文献では、モータ22の回動力をこれら両ベルトV1,V2に伝える伝達機構としてギアを使用しているので、バックラッシュの懸念がどうしても発生してしまう。
【0082】
ところが、この種のギアを使用せずに本例のようにベルト部材(伝達ベルトT1〜T3)によりモータ22の回動力を上側の搬送ベルトV2に伝達する(モータ22→伝達ベルトT1→搬送ベルトV1→搬送ローラR2→伝達ベルトT2→搬送ローラR4→伝達ベルトT3→搬送ローラR3→搬送ベルトV2)ようにすれば、搬送ベルトV1,V2を両方とも自転させることができ、しかもバックラッシュの懸念を考えずに済む。よって、この思想のみでも極めて有効な作用効果が得られることから、同技術は必ずしも印字式磁気カードリーダライタに適用することに限らず、印字機構を持たない磁気カードリーダライタ6に適用してもよい。
【0083】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜5のいずれかにおいて、前記下流側搬送手段は、前記上流側搬送手段に対して起き上がった配置状態をとるとともに、前記下流側搬送手段は、自身のカード出口が前記カード搬送方向において前記カード入口よりも前記印字ヘッド側に傾いた配置状態をとっている。この構成によれば、印字式記録カード読書装置からデータ処理後に排出される記録カードを取り易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】一実施形態における運賃箱の外観を示す斜視図。
【図2】磁気カードリーダライタの電気構成を示すブロック図。
【図3】磁気カードリーダライタの内部を一方向から見た斜視図。
【図4】磁気カードリーダライタの内部を他方向から見た斜視図。
【図5】磁気カードリーダライタの内部構造を示す縦断面図。
【図6】下流カード搬送部周辺の構造を示す一部拡大縦断面図。
【図7】(a)〜(r)は磁気カードリーダライタの動作の流れを示す状態遷移図。
【図8】従来における磁気カードリーダライタの概略構成を示す模式図。
【図9】同じく印字式磁気カードリーダライタの概略構成を示す模式図。
【図10】磁気カードと印字ヘッドとの大きさ関係を示す概念図。
【図11】下流側搬送ベルトが起き上がった磁気カードリーダライタの模式図。
【図12】磁気カードが下流側搬送ベルトに衝突する状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0085】
5…記録カードとしての磁気カード、6…印字式カード読書装置としての印字式磁気カードリーダライタ、11(11a,11b)…カード搬送経路、12…上流側搬送手段としての上流カード搬送部、13…下流側搬送手段としての下流カード搬送部、20…樹脂製ローラ、22…モータとしての搬送モータ、25…記録ヘッドとしての磁気ヘッド、29…印字ヘッド、Px…カード入口としての入口部位、L…間隔、V1〜V3…回動部材としての搬送ベルト、T1〜T3…ベルト部材としての伝達ベルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内部に取り込んだ記録カードの当該内部でのカード搬送経路上に、前記記録カードに対して記録データの読み書きのうち少なくとも一方を実行可能な記録ヘッドと、前記記録カードに対して印刷が可能な印字ヘッドとをカード順送り方向に並べて設け、前記印字ヘッドを挟んで前記カード搬送経路の上流側に位置する上流側搬送手段と、その下流側に位置する下流側搬送手段とにより、前記装置内部に取り込んだ前記記録カードを搬送して、前記記録ヘッドによるデータ処理と、前記印字ヘッドによる印字とを実行しつつ、前記下流側搬送手段が前記上流側搬送手段に対して起き上がった配置状態をとる印字式カード読書装置において、
前記記録ヘッドと前記下流側搬送手段との間の間隔を、前記記録ヘッドが前記記録カードのデータ処理を完了する前に前記記録カードのエッジが前記下流側搬送手段のカード入口に至らない長さに設定したことを特徴とする印字式記録カード読書装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、モータを駆動源に回動する回動部材の回動力で前記記録カードを引き込むことにより当該記録カードの搬送を行いつつ、しかも前記モータの回動力をベルト部材によって前記回動部材に伝達することにより当該回動部材を回動させるベルト伝達式であることを特徴とする請求項1に記載の印字式記録カード読書装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記記録カードを表裏から一対の回動部材で挟み込みつつこれら当該回動部材の回動により前記記録カードの搬送を行いつつ、しかも前記一対の回動部材がともにモータを駆動源として自ら回る自転式であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印字式記録カード読書装置。
【請求項4】
前記下流側搬送手段は、モータを駆動源として回動して前記記録カードを引き込む回動部材を前記記録カードの表側に備え、当該回動部材によって前記記録カードを上方に引き上げることにより、前記記録カードを下流側に搬送することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の印字式記録カード読書装置。
【請求項5】
前記下流側搬送手段には、モータを駆動源として自転可能であるとともに、前記カード入口に入り込んだ当該カードの下流側への引き込みを補助する樹脂製ローラが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の印字式記録カード読書装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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