説明

危険度可視化装置、危険度可視化方法、及びプログラム

【課題】生活環境における頭部傷害の危険度を効率的に算出し、算出した頭部傷害の危険度を生活環境を表わす空間情報内にマッピングする危険度可視化装置を提供する。
【解決手段】危険度可視化装置は、生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離高さ算出部108と、距離高さ算出部108により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、頭部傷害の危険度を算出する頭部傷害危険度算出部112と、頭部傷害危険度算出部112により算出された頭部傷害の危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピング部114とを有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険度可視化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、直立した歩行者が転倒したり、障害物の後ろに隠れたり、逆光など光の影響を受けたりして、途中で見つからなくなった場合でも、その歩行者に車両が衝突する危険度を判断することができる衝突危険度判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−21269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、生活環境における危険度を効率的に算出し、算出した危険度を生活環境を表わす空間情報内にマッピングする危険度可視化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の危険度可視化装置は、生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離高さ算出部と、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、危険度を算出する危険度算出部と、前記危険度算出部により算出された危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピング部とを有する。
【0006】
好適には、前記距離高さ算出部は、前記配置した点から複数の方向にある衝突面までの距離及び高さを算出し、前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から複数の方向にある衝突面までの距離及び高さに基づいて、前記各点における各方向に対する頭部の危険度を算出し、前記マッピング部は、前記危険度算出部により算出された前記各点における各方向に対する頭部の危険度の平均値又は最大値を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングする。
好適には、前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに衝突面の硬さとに基づき、頭部傷害の危険度を算出する。
好適には、前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに衝突面の形状とに基づき、頭部傷害の危険度を算出する。
好適には、前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに人の行動パターンとに基づき、頭部傷害の危険度を算出する。
【0007】
また、本発明のプログラムは、生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離及び高さ算出機能と、前記距離及び高さ算出機能により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、危険度を算出する危険度算出機能と、前記危険度算出機能により算出された危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピング機能とをコンピュータに実現させる。
また、本発明の危険度可視化方法は、生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離及び高さ算出ステップと、前記距離及び高さ算出ステップにより算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、危険度を算出する危険度算出ステップと、前記危険度算出ステップにより算出された危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピングステップとを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生活環境における危険度を効率的に算出し、算出した危険度を生活環境を表わす空間情報内にマッピングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】頭部傷害危険度可視化プログラム100の機能構成を例示する図である。
【図2】頭部傷害危険度DB110を例示する図である。
【図3】頭部傷害危険度算出処理S10のフローチャートである。
【図4】マッピング処理S20のフローチャートである。
【図5】表示部116により表示される頭部傷害危険度を関連付けられた空間情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
図1は、頭部傷害危険度可視化プログラム100の機能構成を例示する図である。
図1に例示するように、頭部傷害危険度可視化プログラム100は、入力部102と、空間情報取得部104と、距離高さ算出部108と、頭部傷害危険度算出部112と、マッピング部114と、表示部116とを有する。また、頭部傷害危険度可視化プログラム100は、空間情報データベース(空間情報DB)106、頭部傷害危険度データベース(頭部傷害危険度DB)110の読み書きを行う。なお、頭部傷害危険度可視化プログラム100の一部又は全部は、ASIC等のハードウェアにより実現されてもよい。また、空間情報DB106及び頭部傷害危険度DB110は、頭部傷害危険度可視化プログラム100をインストールされるコンピュータに搭載若しくは外付けされた記憶媒体、又は通信ネットワークを介して接続されるストレージなどに格納されればよい。
以下、本図に示される各構成について説明する。
【0011】
入力部102は、キーボード、マウス、又はタッチパネルなどの各種入力手段を介して、ユーザの入力を受け付ける。
【0012】
空間情報取得部104は、入力部102により受け付けたユーザの入力に応じて、空間情報DB106から生活環境を表わす空間情報を取得する。生活環境を表わす空間情報は、例えば、テーブル及び椅子などの家具を配置した部屋、又は滑り台、鉄棒、及びブランコなどの遊具を配置した公園などの、屋内及び屋外を問わず人が生活する環境を、少なくとも距離と高さを有する3次元座標内において表わしたものである。より具体的には、空間情報は、例えば、さまざまな物を3次元に表わすことができるCADデータなどである。
【0013】
空間情報DB106は、生活環境を表わす空間情報を格納する。
空間情報DB106に格納される空間情報は、例えば、長テーブル、食卓テーブル、椅子、ローテーブル、ソファ、及びテレビボードが配置された部屋を表わす。
【0014】
距離高さ算出部108は、生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する。なお、格子状に配置される点は、頭部傷害危険度を可視化する領域の詳細度(大きさ)に対応させた任意間隔で配置されればよい。
本例では、距離高さ算出部108は、生活環境を表わす空間情報を垂直上方から見たときに見える面に、一定間隔の格子状に点を配置する。距離高さ算出部108は、任意の身長及び頭部などを有する人体モデルを用いて、配置した各点において人体モデルが前後左右の4方向に転倒した場合に、配置した各点から人体モデルの頭部が衝突する面までの距離及び高さを各方向ごとに算出する。そして、距離高さ算出部108は、算出した各方向ごとの距離及び高さを、配置した各点の座標に関連付けて頭部傷害危険度DB110に格納する。
なお、人体モデルには、有限要素モデル及びマルチボディモデルなどがあるが、本例では、人体モデルとして、条件変更が容易でかつ高速計算が可能なマルチボディモデルを採用している。また、人体モデルを、配置した各点から転倒させる方向は、特に限定するものではなく、斜め方向も含む8方向などであってもよい。
【0015】
本例における、上述のマルチボディモデルは、17の体節とその間を繋ぐ16の関節とで構成され、各体節を楕円体により近似されている。また、各体節は、モデルとなる人(例えば、3歳児、子供、大人、又は老人など)の平均的な寸法データをもとに、楕円体の半径、中心位置、及び関節位置を導出されたものである。
【0016】
頭部傷害危険度DB110は、図2に例示するように、データ項目として、座標と、距離と、高さと、頭部傷害危険度とを有する。
座標は、生活環境を表わす空間情報におけるX軸、Y軸、及びZ軸の座標を表わす。
本例では、座標は、距離高さ算出部108により配置された各点の座標を表わす。
距離は、生活環境を表わす空間情報における2地点間の距離を表わす。
本例では、距離は、距離高さ算出部108により配置された各点から衝突面までの距離を表わす。
高さは、生活環境を表わす空間情報における任意地点の高さを表わす。
本例では、高さは、距離高さ算出部108により配置された各点から衝突面までの高さを表わす。
頭部傷害危険度は、衝突による頭部への傷害の危険度の大きさを表わす。
本例では、頭部傷害危険度は、後述するHIC値(Head Injury Criterion)により表わされる。
【0017】
頭部傷害危険度算出部112は、距離高さ算出部108により算出された各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、頭部傷害危険度を算出する。
本例では、頭部傷害危険度算出部112は、頭部傷害危険度DB110に格納されている各点に対する距離及び高さに基づき、各点における人体モデルの転倒をシミュレーションし、人体モデルの頭部が衝突面に衝突したときのHIC値を、頭部傷害危険度として算出する。HIC値は、頭部加速度をもとに算出される値であり、以下の数式を用いて算出される。
【0018】
【数1】

【0019】
上記数式により算出されたHIC値は、例えば、3歳児をモデルとした場合、900を超えると、頭蓋骨骨折若しくは脳震盪が発生するとされ、この値の大きさにより頭部傷害の危険度を表わす。
なお、人体モデルの転倒をシミュレーションするには、既知となっているソフトウェアを用いればよく、例えば、衝突解析ソフトウェアMADYMO(登録商標)などを用いればよい。
また、人体モデルの転倒をシミュレーションする際、人体モデルの姿勢により、HIC値が異なるため、人体モデルの姿勢が考慮されることが好ましい。例えば、人体モデルは、直立姿勢の場合に後方に転倒すると、足部と腰部を中心とした回転運動が生じて、頭部が他の体節よりも先に衝突面に衝突するため、HIC値が高くなる。また、例えば、人体モデルは、歩行姿勢又は走行姿勢の場合に後方に転倒すると、足部と腰部を中心とした回転運動が生じるが、直立姿勢の場合の異なり、真後ろに転倒することはなく、やや側方に転倒するため、頭部が衝突面に衝突する前に腕部、手部、及び肩部が衝突面に衝突する。このため、歩行姿勢又は走行姿勢の場合のHIC値は、直立姿勢の場合に比べ、低くなる。
【0020】
そして、頭部傷害危険度算出部112は、頭部傷害危険度として算出したHIC値を、各点の座標に関連付けて頭部傷害危険度DB110に格納する。
【0021】
マッピング部114は、頭部傷害危険度算出部112により算出された頭部傷害危険度を、各点の座標に基づき、空間情報内にマッピングする。
本例では、マッピング部114は、まず、入力部102により受け付けたユーザの入力に応じて、頭部傷害危険度DB110から各点の座標と頭部傷害危険度とを取得する。次に、マッピング部114は、空間情報DB106から空間情報を取得する。次に、マッピング部114は、取得した頭部傷害危険度を、空間情報における各点の座標に関連付ける。このとき、マッピング部114は、同一座標点から複数の方向への頭部傷害危険度を取得した場合は、各方向に対する頭部傷害危険度の平均値又は最大値を、空間情報における各点の座標に関連付ける。最後に、マッピング部114は、頭部傷害危険度を関連付けた空間情報を表示するための指示を表示部116に行う。
【0022】
表示部116は、マッピング部114の指示に従って、マッピング部114により頭部傷害危険度を関連付けられた空間情報を表示する。
本例では、表示部116は、空間情報における各点の頭部傷害危険度の大きさを、第1の色から第2の色(第1の色と異なる)へのグラデーションにより表わす。
なお、空間情報における各点の頭部傷害危険度の大きさは、上記のような色以外にも、例えば、数値、文字(例えば、大、中、及び小など)、又は記号などにより表わされてもよい。
【0023】
以上説明した構成を有する頭部傷害危険度可視化プログラム100をインストール又はASIC等のハードウェアにより実装されたコンピュータは、頭部傷害危険度可視化装置として動作する。
この頭部傷害危険度可視化装置は、頭部傷害危険度可視化プログラム100により実現される機能により、主に、生活環境を表わす空間情報の各地点における頭部傷害危険度を算出し、算出した頭部傷害危険度を空間情報の各地点に関連付けて表示する。
【0024】
図3は、頭部傷害危険度算出処理S10のフローチャートである。
図3に例示するように、ステップ100(S100)において、空間情報取得部104は、入力部102を介してユーザの入力を受け付けたか否かを判定する。頭部傷害危険度可視化プログラム100は、ユーザの入力を受け付けた場合、S102へ移行し、ユーザの入力を受け付けていない場合、S100を繰り返す。
【0025】
ステップ102(S102)において、空間情報取得部104は、S100で受け付けたユーザの入力に応じて、空間情報DB106から生活環境を表わす空間情報を取得する。
【0026】
ステップ104(S104)において、距離高さ算出部108は、生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する。
【0027】
ステップ106(S106)において、距離高さ算出部108は、S104で算出した配置した各点から衝突面までの距離及び高さを、配置した各点の座標に関連付けて頭部傷害危険度DB110に格納する。
【0028】
ステップ108(S108)において、頭部傷害危険度算出部112は、頭部傷害危険度DB110に格納されている各点に対する距離及び高さに基づき、各点における人体モデルの転倒をシミュレーションし、人体モデルの頭部が衝突面に衝突したときのHIC値を、頭部傷害危険度として算出する。
【0029】
ステップ110(S110)において、頭部傷害危険度算出部112は、S108で頭部傷害危険度として算出したHIC値を、各点の座標に関連付けて頭部傷害危険度DB110に格納する。
【0030】
図4は、マッピング処理S20のフローチャートである。
図4に例示するように、ステップ200(S200)において、マッピング部114は、入力部102を介してユーザの入力を受け付けたか否かを判定する。頭部傷害危険度可視化プログラム100は、ユーザの入力を受け付けた場合、S202へ移行し、ユーザの入力を受け付けていない場合、S200を繰り返す。
【0031】
ステップ202(S202)において、マッピング部114は、S200で受け付けたユーザの入力に応じて、頭部傷害危険度DB110から各点の座標と頭部傷害危険度とを取得する。
【0032】
ステップ204(S204)において、マッピング部114は、空間情報DB106から空間情報を取得する。
【0033】
ステップ206(S206)において、マッピング部114は、S202で取得した頭部傷害危険度を、S204で取得した空間情報における各点の座標に関連付ける。
【0034】
ステップ208(S208)において、表示部116は、S206で頭部傷害危険度を関連付けられた空間情報を表示する。
【0035】
図5は、表示部116により表示される頭部傷害危険度を関連付けられた空間情報を例示する図である。
図5に例示するように、頭部傷害危険度を関連付けられた空間情報300は、長テーブル310、食卓テーブル320、椅子330、ローテーブル340、ソファ350、及びテレビボード360が配置された部屋を表わしている。この空間情報300に、青から赤へのグラデーションにより表わされる頭部傷害危険度が関連付けられている。なお、本図は、3歳児をモデルとして頭部傷害危険度を算出した例である。また、本図では、青から赤に近づくほど頭部傷害危険度が大きいことを表わしている。
本図に示される空間情報300から、転倒した場合、頭部を直接打つ可能性の高い場所である、長テーブル310の角及び中央部、食卓テーブル320の角及び中央部、椅子330の端、ローテーブル340の角及び中央部、ソファ350の端、及びテレビボード360の角における頭部傷害危険度が大きいことが分かる。
【0036】
以上説明した構成及び動作によれば、頭部傷害危険度可視化装置は、空間情報内でのあらゆる場所及び転倒パターンでの頭部傷害危険度を算出するのではなく、一定間隔の格子状に配置した点での頭部傷害危険度を、人体モデルを用いて算出するので、計算範囲が限定され、生活環境における頭部傷害危険度を効率的に算出することができる。なお、空間情報において格子状に配置される点の間隔は、ユーザが必要とする頭部傷害危険度のマッピングの詳細度に応じて変更されればよい。
また、頭部傷害危険度可視化装置は、あらかじめ作成した頭部傷害危険度DB110に基づき、頭部傷害危険度を関連付けた空間情報を素早く表示することができる。
【0037】
[変形例1]
上記実施例では、頭部傷害危険度算出部112は、距離高さ算出部108により算出された各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに衝突面の硬さとに基づいて、頭部傷害危険度を算出してもよい。
この場合、頭部傷害危険度算出部112は、各点から衝突面までの距離及び高さに基づき、人体モデルを用いたシミュレーションにより算出されたHIC値を、衝突面の硬さに応じた数値で乗ずればよい。なお、衝突面の硬さに応じた数値は、衝突面が硬いほど、頭部傷害の危険度が増すので、大きく設定されればよい。
【0038】
[変形例2]
上記実施例では、頭部傷害危険度算出部112は、距離高さ算出部108により算出された各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに衝突面の形状とに基づいて、頭部傷害危険度を算出してもよい。
この場合、頭部傷害危険度算出部112は、各点から衝突面までの距離及び高さに基づき、人体モデルを用いたシミュレーションにより算出されたHIC値を、衝突面の面積の大きさに応じた数値で乗ずればよい。なお、衝突面の面積の大きさに応じた数値は、衝突面の面積が小さいほど、衝撃が集中し、頭部傷害の危険度が増すので、大きく設定されればよい。
【0039】
[変形例3]
上記実施例では、頭部傷害危険度算出部112は、距離高さ算出部108により算出された各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに人の行動パターンとに基づいて、頭部傷害危険度を算出してもよい。
この場合、頭部傷害危険度算出部112は、各点から衝突面までの距離及び高さに基づき、人体モデルを用いたシミュレーションにより算出されたHIC値を、人の行動パターンにより転倒が起こりうる確率に応じた数値で乗ずればよい。なお、人の行動パターンにより転倒が起こりうる確率に応じた数値は、転倒が起こりうる確率が大きいほど、大きく設定されればよい。
【符号の説明】
【0040】
100 頭部傷害危険度可視化プログラム
102 入力部
104 空間情報取得部
106 空間情報DB
108 距離高さ算出部
110 頭部傷害危険度DB
112 頭部傷害危険度算出部
114 マッピング部
116 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離高さ算出部と、
前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、危険度を算出する危険度算出部と、
前記危険度算出部により算出された危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピング部と
を有する危険度可視化装置。
【請求項2】
前記距離高さ算出部は、前記配置した点から複数の方向にある衝突面までの距離及び高さを算出し、
前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から複数の方向にある衝突面までの距離及び高さに基づいて、前記各点における各方向に対する頭部の危険度を算出し、
前記マッピング部は、前記危険度算出部により算出された前記各点における各方向に対する頭部の危険度の平均値又は最大値を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングする
請求項1に記載の危険度可視化装置。
【請求項3】
前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに衝突面の硬さとに基づき、頭部傷害の危険度を算出する
請求項1に記載の危険度可視化装置。
【請求項4】
前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに衝突面の形状とに基づき、頭部傷害の危険度を算出する
請求項1に記載の危険度可視化装置。
【請求項5】
前記危険度算出部は、前記距離高さ算出部により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さと、さらに人の行動パターンとに基づき、頭部傷害の危険度を算出する
請求項1に記載の危険度可視化装置。
【請求項6】
生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離及び高さ算出機能と、
前記距離及び高さ算出機能により算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、危険度を算出する危険度算出機能と、
前記危険度算出機能により算出された危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピング機能と
をコンピュータに実現させるプログラム。
【請求項7】
生活環境を表わす空間情報内に一定間隔の格子状に点を配置し、配置した点から衝突面までの距離及び高さを算出する距離及び高さ算出ステップと、
前記距離及び高さ算出ステップにより算出された前記各点から衝突面までの距離及び高さに基づいて、危険度を算出する危険度算出ステップと、
前記危険度算出ステップにより算出された危険度を、前記各点の座標に基づき、前記空間情報内にマッピングするマッピングステップと
を有する危険度可視化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−253388(P2011−253388A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127299(P2010−127299)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年12月2日 社団法人日本機械学会発行の「ジョイント・シンポジウム2009 スポーツ工学シンポジウム シンポジウム:ヒューマン・ダイナミクス 講演論文集」に発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度 独立行政法人産業技術総合研究所 中小企業支援調査(安全知識循環型社会構築事業)に関する委託研究 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504160781)国立大学法人金沢大学 (282)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】