説明

即席麺およびその製造方法

【課題】 復元性が良く、従来にないほどの分厚い麺厚の麺であっても、熱湯注加によって復元可能で食味食感の良い即席麺を得ること。
【解決手段】 即席麺の製造工程において、麺帯の圧延工程で、圧延率60%以上の極めて強い圧延を1回以上行って製麺し、得られた生麺線に対して過熱蒸気を吹き付ける処理を行なった後、この麺に水分を供給し又は供給せずに、飽和蒸気又は過熱蒸気によって蒸煮するか、もしくは茹でてα化し、α化処理後乾燥する即席麺の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
復元性の改善された即席麺の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即席麺は、切り出された生麺線をα化処理した後、油揚げ、熱風乾燥、凍結乾燥等の方法によって乾燥させたもので、熱湯を注加して3〜5分程度放置するだけ、あるいは1〜3分程度炊いて調理するだけで簡単に喫食でき、極めて簡便性の高い即席食品である。
しかし、麺線が太い場合には戻りにくく、太い麺の場合、熱湯を注加して3〜5分程度放置するだけでは湯戻りせず、内部に芯が残ってしまうため、麺厚(太さ)を薄くする必要があった。従って、太いものであっても、復元後の麺厚はせいぜい1.4mm程度の平麺形状で、喉越し感が充分に感じられないという欠点があった。そこで、麺厚がより厚く、太い麺であっても湯戻し可能とする技術が求められていた。
【0003】
一方、麺線が太くない麺であっても、復元性を改善できれば、喫食までの待ち時間をより短縮することが可能となり、湯戻りを向上させる技術は、麺線の細い即席麺においても有意義である。このように、即席麺の復元性改善は、即席麺技術において極めて重要な課題であり、この課題を解決するための技術も、極めて多くのものが知られている。
【0004】
しかし、多数の先行技術があるにもかかわらず、実際には、熱湯注加で喫食する即席麺においては、太麺タイプの油揚げ麺の場合でも復元時の麺幅は5.0mm程度、麺厚は1.4mm程度で薄く、平麺的なものばかりである。このことは、これらいずれの先行技術でも効果が充分でないか、又は、復元性改善の効果は得られても食味、食感へ与える悪影響があり、これら先行技術では限界があることを示唆している。
【0005】
このような状況において、本発明者らは、従来になかった分厚い麺厚の即席麺であっても熱湯注加によって喫食でき、しかも麺質等に悪影響を与えない技術を開発すべく、鋭意検討した。その結果、製麺工程の麺帯の圧延工程で、極めて強い圧延を行って製麺し、得られた生麺線に過熱蒸気を吹き付ける処理を行なうことで、復元性が格段に向上することを知見して本発明とした。
【0006】
なお、即席麺の製造工程において、極めて強い圧延を行う先行技術としては特許文献1が、また、生麺線に過熱蒸気処理する即席麺の先行技術としては特許文献2〜5がある。
しかし、これら先行技術には、いずれも「復元性が良好」「湯戻し時間の短縮」等の効果の記載はあるものの、本発明が目的とするレベルの復元性改良効果には遠く及ばないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許文献1 特開2000−245377
特許文献2 特公昭56−37776
特許文献3 特公昭63−56787
特許文献4 特公平2−39228
特許文献5 特許3535145号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
復元性が良く、従来にないほどの分厚い麺厚の麺であっても、熱湯注加によって復元可能で食味食感の良い即席麺を得ること。すなわち、麺質や製麺性に悪影響を与えることなく、極めて太い麺であっても復元でき、即席麺では従来不可能であった重厚な喉越し感を実感できる即席麺とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のように本発明者らは、麺帯形成時に強圧延を行った生麺に過熱蒸気を吹き付け、その後当該麺線をα化後、乾燥させて即席麺とすることによって、従来不可能であった太い麺でも、熱湯注加3〜5分程度で充分に復元できる麺が得られること、しかも麺質や製麺性に悪影響を与えること無く製造できることを知見して、本発明とした。
【0010】
すなわち本発明は、即席麺の製造方法であって、
a)圧延率が60%以上のロール圧延を1回以上行って圧延した麺帯を、切出して生麺線とする製麺工程、
b)前記切出された生麺線に過熱蒸気を吹き付ける工程、
c)前記過熱蒸気を吹き付けた麺をα化する工程、
d)前記α化終了後の麺線を乾燥させる工程、
の(a)〜(d)の各工程を含むことを特徴とする即席麺の製造方法。である。
【0011】
なお、本発明において圧延率は次の様に規定する。
圧延率(%)=(圧延前の麺帯厚−圧延後の麺帯厚)/圧延前の麺帯厚
すなわち、圧延率60%以上とは、ある1回の圧延によってその圧延前の麺帯の厚みを100とすれば、その1回の圧延によって麺帯の厚みが40以下となるような非常に強い圧延である。本発明では、麺帯作成時に圧延率60%以上の強い圧延を1回以上行なうものである。この圧延率60%以上の圧延は、麺帯形成時の複数回の圧延において、いずれの時点で行っても良く、また複数回行っても良い。
【0012】
また、本発明において「過熱蒸気」とは、飽和蒸気を大気圧下で100℃以上に加熱したものをいい、「過熱蒸気を吹き付ける」とは、過熱蒸気を蒸気庫内の噴射孔から噴出させて、噴出させた過熱蒸気を麺線に当るように処理することをいう。
【0013】
本発明においては、前記(a)〜(d)の各工程を有することを必須とするが、前記工程(c)におけるα化工程としては、茹で又は飽和蒸気による蒸煮、もしくは、水分を供給しながら過熱蒸気や飽和蒸気で蒸煮する方法が可能である。このうち好ましい方法としては、工程(b)で生麺線に過熱蒸気を吹き付けた麺線に対し、水分を液体で供給して麺線の水分含量を上げ、該水分含量を上げた麺を過熱蒸気又は飽和蒸気で加熱してα化するのがよい。
【0014】
さらに好ましい方法としては、工程(b)で生麺線に過熱蒸気を吹き付けた麺線に対して、水分を液体で供給して麺線の水分含量を上げ、該水分含量を上げた麺を過熱蒸気で加熱し、以降、再び水分の供給と過熱蒸気での加熱処理を1回以上繰り返してα化するのがよい。このように、工程(c)において、液体での水分付与と過熱蒸気による加熱を複数回繰り返すことで、太い麺であっても、内部まで充分に熱と水を与えることができ、復元性がさらに向上する。
【0015】
この工程(c)において用いる過熱蒸気も、工程(b)と同様に、麺線に過熱蒸気を吹き付けて処理すれば、より高い熱量を負荷させることができ好ましい。また、工程(c)において水分供給と過熱蒸気による加熱を繰り返す場合、水分供給を過熱蒸気処理を中断して、中断中に浸漬やシャワーによって行なう方法と、過熱蒸気で連続的に処理しつつ、その処理中に断続的に行うシャワー等によって水分を供給する方法も可能であり、いずれでもよい。なお、工程(b)と(c)についても後者の方法で連続的に行なうこともでき、この場合、最初の水シャワーに至るまでの過熱蒸気の生麺線への吹き付けが工程(b)となる。
【0016】
また、(b)工程においては、生麺線に過熱蒸気を吹き付ける際、麺線に付与される熱量は高いことが望ましく、麺線表面がさらされる温度として125〜220℃であることが好ましい。ただし、生麺に過熱蒸気を吹き付けている間に、麺線表面が乾燥してしまうと、以降のα化の進行が不充分となり、また麺線が焼けた状態となるので、過熱蒸気を吹き付けたことによって一旦上昇した麺線水分(麺表面に付着している水分を含む)が、過熱蒸気の高い熱量によって乾燥し、生麺線時の水分以下にならないような時間、過熱蒸気の吹き付けを行なうのが好ましい。このような過熱蒸気を吹き付ける時間は概ね5〜50秒、特に好ましくは15〜45秒程度である。
【0017】
また、本発明は、前記工程(a)における麺帯が、リン酸塩及び又は炭酸塩を含有することが好ましい。リン酸塩を添加することで復元性の効果はさらに高まる。リン酸塩としては単リン酸塩、重合リン酸塩ともに使用でき、添加量としては、小麦粉、澱粉等の麺の粉体原料粉1kg当り2〜15g程度が好ましい。
【0018】
また、本発明の即席麺は上記本発明のいずれかの製造方法によって製造することで、熱湯注加によって、麺厚の厚い麺でも復元可能であり、復元直後の麺厚が1.5mmを越えるような、従来の即席麺ではありえなかった太さの麺も可能であり、麺質も優れた即席麺となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、復元性が良く、従来にないほど太い麺厚の麺であっても、熱湯注加によって中心部まで復元可能な即席麺を得ることができる。従って、従来の即席麺では達成できなかった重厚な喉越し感のある食感を味わうことができる。
しかも、このように極めて太い麺であっても、食味食感、製麺性等に悪影響を与えることがない。
【0020】
本発明における復元性の向上効果が、これほど高い復元性向上効果を実現できるのは、本発明者らは次のような相乗的な作用によるものではないかと推測している。
すなわち、生麺線に高温の過熱蒸気を吹き付けると、麺線表面は一旦濡れたような状態となり、それが極めて高い熱量によって沸騰した状態となる。この時、麺線表面は澱粉粒が崩壊し、水が浸透しやすい状態となる。飽和蒸気による蒸煮やボイルでは麺表面は100℃未満であり、このような表面の激しい沸騰状態は過熱蒸気特有のものである。
【0021】
また、同時に麺線は麺帯形成時に非常に強く圧延されているために、圧延時に麺生地内部の空気が押し出され、麺線内部は熱伝導の良い状態となっている。従って、過熱蒸気の吹き付け時、及びα化時において麺線中心部まで熱が伝わり易い。さらに、強い圧延によって麺帯を形成するために、グルテン構造の形成が不充分で水を通し易い。このような、強い圧延によって得られる構造と、生麺線への過熱蒸気の吹き付けによる構造が互いに相まって、麺線内部へ熱と水が中心部までより速く、より多く供給できる。このように過熱蒸気による作用と、強圧延による特殊な麺線構造が、互いに協調することによって格段に復元性が向上するものと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、製造工程に従って本発明を詳細に説明する。
生麺線を得るまでの工程は、常法による生麺の製麺方法に対して、麺帯の圧延方法として少なくとも1回、圧延率60%以上の強い圧延を行う点に特徴がある。
【0023】
まず、小麦粉、澱粉等の主原料に、好ましくはリン酸塩(単リン酸塩、重合リン酸塩)、及び又は炭酸塩を添加し、その他食塩、かんすい、増粘剤、グルテン、色素等副原料を必要に応じて添加し、練り水と共に混練する。なお、副原料は練り水と共に添加しても、主原料に粉体で添加しても良い。練り水の量は澱粉の添加量によってかなり異なるが、350ml〜450ml程度であり、多めに添加して多加水の麺生地としても良い。リン酸塩はリン酸1ナトリウム、リン酸3ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等各種のものが使用でき、添加する場合の添加量としては2〜15g程度が好ましい。
【0024】
このようにして得た麺生地を、圧延、成形して麺帯化し、続いて複数回のロール圧延を行なって最終的に薄い麺帯とする。本発明では、この複数回の圧延のうち、少なくとも1回の圧延で、圧延率60%以上となるよう強く圧延する。ロール圧延に関する従来の説では、強い圧延(急激な圧延)は麺線に形成されるグルテンの組織を痛めるため、好ましくないと言われていたが(「食品と化学」1987年増刊号51号参照)、本発明では、60%以上、好ましくは70〜85%程度で行なうのが良い。
【0025】
また圧延は、複数の麺帯を形成した後、これを複合圧延し、1枚の麺帯にする場合があるが、この場合、1枚の麺帯に成形してから圧延率60%以上の圧延を行なっても、個々の麺帯をそれぞれ60%以上の圧延率で圧延しておいて、これを重ね合わせてもよい。また、個々の麺帯と、重ね合わせた麺帯の両方において60%以上の圧延率で圧延してもよい。
【0026】
このようにして圧延した麺帯は、最終的に所定の厚さにした後、切り出しロールで麺線に切り出す。本発明においては、従来にない太い麺線でも、麺質を劣化させることなく復元できる。
【0027】
上記のような強圧延を行う製麺方法によって製造した生の麺線に、過熱蒸気を吹き付ける処理を行う。この工程は、麺線表面にできるだけ高い熱量を与えるため、麺線が触れる過熱蒸気の温度が125〜220℃程度、好ましくは140〜180℃程度となるように過熱蒸気を吹き付けるのが好ましい。このように、生麺線に過熱蒸気を吹き付けると、麺線表面は一旦濡れたような状態になり、それが沸騰した状態となる。
【0028】
しかし、過熱蒸気は100℃以上の高温であるので、そのまま長時間過熱蒸気を麺線に吹き付けると、麺線は乾燥してしまう。麺線表面の水分が蒸発してしまい乾燥状態になると、本発明の効果は達成できないので、好ましくは麺線の水分(麺表面に付着している水分を含む)が生麺時の水分を下回らないように、過熱蒸気の吹き付けを終了する。この時間は、過熱蒸気の温度、風量、麺線の太さによって一概に言えないが、概ね5〜50秒、好ましくは15〜45秒である。
【0029】
なお、過熱蒸気を麺線に吹き付ける際に、飽和蒸気を同時に使用することもできる。具体的には、飽和蒸気を充満させた庫内に、過熱蒸気噴射口を飽和蒸気の噴出口と別に設け、この過熱蒸気噴射口から麺線に過熱蒸気を吹き付けることで、飽和蒸気との同時使用が可能である。
【0030】
生麺線に過熱蒸気を吹き付けただけでは、麺線のα化は不充分で、よほど細い麺でもなければ、これを乾燥させても熱湯注加等によって復元可能な即席麺にはならない。そこで、麺線を充分にα化する工程が必要となる。細い麺の場合、そのまま飽和蒸気で蒸煮するかボイルすることもできるが、より復元性の向上を目指す、あるいは分厚い麺を対象とする場合には、生麺に過熱蒸気を吹き付けた麺に、水分を液体で吸収させて水分含量を上げ、続いて過熱蒸気又は飽和蒸気で蒸煮するのがよい。
【0031】
ここで行なわれる水分の供給工程は、前記の生麺に過熱蒸気を処理した麺に水シャワー又は水浸漬等によって水分を液体で供給する。ここで、水は、冷水でも温水でも熱湯でもかまわないが、温度が低いと、麺線の温度が下がり、熱効率が悪くなるため、温度は40℃以上、特に好ましくは50℃以上とするのが良い。また、水分の付与は、供給前の重量に対して、5〜30%程度重量が増すように行なうのがよく、用いる水は、少量の調味料や乳化剤、結着防止剤等を添加、溶解させておいても良い。
【0032】
ここで、水分の供給処理は、生麺線に過熱蒸気を吹き付けた麺線を、蒸気庫内から一旦系外へ出して、又は生麺線へ吹き付ける過熱蒸気の吹き付けを一旦中断して、水分供給すればよい。しかし、水分供給の後に行うα化処理に過熱蒸気を用いる場合には、生麺に過熱蒸気を吹き付けた蒸気庫内で、過熱蒸気を麺線に連続して吹き付けつつ、吹き付けを中断せずに水シャワー等によって水分供給することもできる。この方法の場合、当該水分供給後以降の処理が、本発明における、過熱蒸気の生麺線への吹き付け後に行なわれるα化工程となる。
【0033】
水分供給に次いで、麺線をα化するための蒸煮は、麺線が太くない場合には飽和蒸気でも良いが、太い場合や、より高い復元性向上効果を得たい場合には、過熱蒸気を用いるのが好ましい。しかし、過熱蒸気を用いると、麺線が次第に乾燥し、乾燥してしまうと復元性向上の効果が進行しないので、過熱蒸気を用いる場合は、断続的に液体で水分を供給することが必要である。すなわち、分厚い麺の場合には、生麺線に過熱蒸気を吹き付けた後、水付与と過熱蒸気処理を交互に繰り返して、この繰り返しを複数回、好ましくは2回以上行なうのがよい。
【0034】
この場合、過熱蒸気の条件は、生麺線に過熱蒸気を吹き付けた時と同条件でも良いし、温度を変えて行っても良い。ただし、時間については、麺線が乾燥しないように、具体的には、蒸煮中に麺線の水分(麺表面に付着している水分を含む)が、当初の生麺の水分含量を下回らないように、過熱蒸気による1回の蒸煮時間を5〜50秒程度、さらに好ましくは15〜45秒程度とするのがよい。なお、何回か過熱蒸気と水分供給を繰り返した後、飽和蒸気での蒸煮を行っても良いし、過熱蒸気と水分供給の繰り返しだけでα化を完了しても良い。また、蒸煮後に短時間の茹で処理を加えることもできる。なお、過熱蒸気を用いる場合は、生麺への過熱蒸気の吹き付け時と同様に飽和蒸気を併用することもできる。
【0035】
α化処理後の麺線の乾燥は、通常の即席麺で使用される乾燥方法をいずれも選択できる。具体的には、フライ(油揚げ)乾燥、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、凍結乾燥等いずれも使用でき、組み合わせて行っても良い。ただし、太い麺線でも復元できるという点については、フライ(油揚げ)乾燥が最も有利である。フライ乾燥の場合、130℃〜160℃程度で、1〜3分程度、熱風乾燥の場合、60℃〜120℃程度で20分〜3時間程度行なう。
【0036】
以上のようにして製造した本発明の即席麺は、熱湯注加によって3〜5分程度待つだけで喫食可能なカップ麺としても、1〜3分程度炊いて調理する袋入り即席麺としても適用できる。いずれの場合でも優れた復元性と、高い麺質を付与できる。また、太麺でも、細麺でも適用可能であるが、極めて復元性が良く、太い麺線に対して最も高い効果を発揮するため、太麺タイプの麺に対して特に有効であり、即席麺としては従来商品にない重厚な喉越し感を味わうことができる。
【実施例】
【0037】
[実験1]
実施例1<強圧延・過熱蒸気>
小麦粉750g澱粉250gからなる主原料粉1kgに、食塩20g、リン酸塩5g(単リン酸塩2:重合リン酸塩3)を溶解した練り水430mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。得られた麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした。
【0038】
これを1回目の圧延として圧延率79%でロール圧延機を用いて強く圧延した。続いてロール圧延機で4回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が1.3〜2.0mmになるように調整して圧延した。これを角刃9番の切刃ロールで切出して、生麺線を得た。
この生麺線をネットコンベアで搬送しつつトンネル型の蒸気庫内で、麺線に過熱蒸気を吹き付けた。過熱蒸気の条件は、蒸気流量160kg/h、温度は麺線表面に温度センサーを載置してモニターしたが、約140℃であった。
【0039】
蒸気庫内で30秒間過熱蒸気を吹き付けた後、直ぐに系外に排出して約60℃の2%食塩水を40秒間シャワーして水分を供給した。次いで、直ぐにトンネル型の蒸気庫内に搬送し、前記同様に蒸気流量160kg/h、温度約140℃で30秒間過熱蒸気を吹き付けて蒸煮し、さらに、蒸気庫外に出して、再び約60℃の2%食塩水を40秒間シャワーして水分を供給し直ぐにトンネル型の蒸気庫内に搬送し、再度、前記同様に蒸気流量160kg/h、温度約140℃で30秒間過熱蒸気を吹き付けて蒸煮し、α化した。
【0040】
この麺を90℃の茹で槽に5秒間浸漬し、続けてほぐし液に5秒間浸漬した後、麺線をカットして、1食分150gを容量380mlのリテーナに充填した。、温度約150℃のパーム油で2分間フライして乾燥した。このようにして製造した即席フライ麺を、冷却して保存し、実施例1のサンプルとした。
【0041】
比較例1<通常圧延・飽和蒸気>
実施例1の製造方法において圧延を次の一般的な方法に変更し、また、過熱蒸気を使用せずに飽和蒸気のみの処理とした。
【0042】
すなわち、実施例1と同様の配合で、ミキサーで混練して得られた麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした後、連続するロール圧延機で5回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が実施例1と同様の1.3〜2.0mmになるように調整した。これを角刃9番の切刃ロールで切出して、生麺線を得た。
【0043】
次いで、得られた通常圧延の生麺線をネットコンベアで搬送しつつ、飽和蒸気を庫内に噴射して充満させたトンネル型の蒸気庫内で蒸煮した。飽和蒸気の条件は、蒸気流量240kg/h、温度は麺線表面に温度センサーを載置してモニターしたが、約100℃で、120秒間蒸煮してα化した。
以降の工程は実施例1と同様とした。
【0044】
比較例2<強圧延・飽和蒸気>
実施例1の製造方法において圧延は強圧延のままで、過熱蒸気を用いずに比較例1同様に飽和蒸気だけを用いた。
【0045】
すなわち、実施例1同様にして製造した生麺線を、比較例1と同様に飽和蒸気を用いてα化した。具体的には、実施例1と同様に強圧延して製造した生麺線をネットコンベアで搬送しつつ、飽和蒸気を庫内に噴射して充満させたトンネル型の蒸気庫内で蒸煮した。飽和蒸気の条件は、蒸気流量240kg/h、温度は麺線表面に温度センサーを載置してモニターしたが、約100℃で120秒間蒸煮してα化した。
以降の工程は実施例1と同様とした。
【0046】
比較例3<通常圧延・過熱蒸気>
実施例1において圧延を比較例1の通常の圧延方法として、実施例1同様に過熱蒸気を用いた。
【0047】
すなわち、実施例1と同様の配合で、ミキサーで混練して得られた麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした後、圧延機で5回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が実施例1と同様に1.3〜2.0mmになるように、最終麺帯厚をそれぞれ調整して圧延した。これを角刃9番の切刃ロールで切出して、生麺線を得た。
この生麺線を実施例1同様に、過熱蒸気を吹き付けと水分供給を行なってα化した。
以降の工程も実施例1と同様とした。
【0048】
上記実施例1及び、比較例1〜3によって製造した即席フライ麺を、スチロール性のカップ容器に投入し、熱湯400mlを注加し、蓋をして5分間静置した後、良く掻き混ぜて喫食し、麺線の復元性について比較した。パネラーは熟練したパネラー5人で行い、最終的に下記のどの評価が適切であるかを多数決で決定した。
【0049】
最適 芯まで充分に復元していて丁度良い状態
適+ 芯まで充分に復元しているが、やや湯戻りが進みすぎ
適− 芯にやや硬さがあるが、復元している
不可 芯が戻っておらず、復元していない
【0050】
【表1】

【0051】
表1に示すように、通常(従来)の製造方法(比較例1)比べて、麺帯の圧延を強圧延で行なった場合(比較例2)は、復元性が改良するが格段に向上するレベルではない。一方、過熱蒸気での処理を行なったもの(比較例3)は、通常の方法(比較例1)に対してかなり画期的に復元性の改良効果が見られる。さらに、過熱蒸気処理とともに強圧延を組み合わせると(実施例1)格段に復元性が向上し、従来技術ではありえなかったレベルの麺厚のものも復元でき、しかも食味食感に何ら悪影響はなく、それどころか、比較例3の過熱蒸気での処理を行ったものにおいて見られた、ややふかついたように感じられる食感が改良されていた。なお、実施例1の方法においても、1.3〜1.6mmにおいては、熱湯注加後の復元時間を短くすれば、当然最適な湯戻り状態が期待できる。
【0052】
[実験2]
上記実験1の実施例1の復元後麺圧に関し、製麺工程で行なう強圧延の圧延率を変更して実験を行った。
【0053】
すなわち、実施例1と同様の配合で、ミキサーで混練して得られた麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした後、1回目のロール圧延による圧延率をそれぞれ、85%、80%、70%、60%、55%ととした。このように異なる圧延率で1回目の圧延を行った麺帯を、さらに4回のロール圧延で、復元後麺線厚が1.8mmとなるように、各回の圧延率が10〜50%になるように圧延した。
【0054】
例えば、最初の圧延で80%の圧延率で圧延したものは、以降ごく弱い圧延を4回繰り返して、復元後最終麺線厚が1.8となるように調製した。
以降の工程は実施例1と同様に、角刃9番で切出した生麺線に過熱蒸気を吹き付け、次いでシャワーによる水供給と過熱蒸気処理を2回繰り返してα化後、フライ乾燥してサンプルとした。
【0055】
1回目圧延率85、80、70、60、55%の各サンプルについて、実験1同様に熱湯400mlを注加し、5分間静置した後、熟練したパネラー5人で復元性について実験1同様に評価した。結果を表2に示した。
【0056】
【表2】

【0057】
[参考実験1]
圧延率の違いにより麺線のα化に影響があるか否かの試験を以下の方法によって行った。すなわち、実施例1と同じ配合の原料を、ミキサーで混練して得られた麺生地を成形し約12mm厚の麺帯形状とした。これをロール圧延機によって、圧延率86%で1回だけ圧延し、麺帯の厚みを復元後の麺線の厚みで1.8mmとなるように強圧延した。一方、同様に12mm厚の麺帯を、圧延率10〜50%程度の圧延を5回繰り返し、復元後の麺線の厚みが1.8mmとなるように調整した。
【0058】
このように圧延した麺帯を角刃9番の切出しロールで切出して麺線とした後、飽和蒸気で120秒間蒸煮した。この蒸煮麺線の水分値とα化度を測定した。α化度の測定方法はβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法(BAP法)を用いた。
【0059】
その結果、圧延率86%の強圧延を1回だけ行なったものは、水分含量は平均で36%、α化度は55%であった。一方、圧延率32%の圧延を5回繰り返して圧延したものは、水分含量は平均で37%、α化度は48%であった。
このことから、α化の度合いとしては、強圧延した方が促進されることが理解される。
【0060】
[実験3]
実験1の実施例1において、原料に添加するアルカリ剤の影響を検討するため、実施例1において添加したリン酸塩の配合を変更した。
【0061】
すなわち、小麦粉750g澱粉250gの計1kgを主原料とし、主原料に添加する練り水の配合において、実施例1で添加したリン酸塩5gに換えて次のものを添加した。リン酸塩を添加せず炭酸ナトリウム3gとしたもの、リン酸3ナトリウム3g(pH調整のため少量の酸性剤を併用)を添加したもの、ポリリン酸ナトリウムのみ3gを添加したもの、それぞれに対し、食塩20gとともに水に溶解して430mlの練り水として主原料に加えた。これを実施例1と同様に、ミキサーで良く混練して麺生地を得、得られた麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした。
【0062】
これを1回目の圧延として圧延率79%でロール圧延機を用いて強く圧延した。続いてロール圧延機で4回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が1.8mmになるように、最終麺帯厚を調整した。これを角刃9番の切刃ロールで切出して、生麺線を得た。以降、実施例1と同様にして、即席フライ麺のサンプルを作成し、各サンプルについて、実験1同様に熱湯400mlを注加し、5分間静置した後、熟練したパネラー5人で復元性について評価した。結果を表3に示した。
【0063】
【表3】

【0064】
[実施例2]<過熱蒸気吹き付け後飽和蒸気によるα化>
小麦粉750g澱粉250gからなる主原料粉1kgに、食塩20g、リン酸塩(単リン酸塩2:重合リン酸塩3)5gを溶解した練り水430mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。得られた麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした。
【0065】
これを1回目の圧延として圧延率79%でロール圧延機を用いて強く圧延した。続いてロール圧延機で4回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が1.8mmになるように、最終麺帯厚を調整した。これを角刃9番の切刃ロールで切出して、生麺線を得た。
【0066】
この生麺線をネットコンベアで搬送しつつトンネル型の蒸気庫内で、麺線に過熱蒸気を吹き付けた。過熱蒸気の条件は、蒸気流量160kg/h、温度は麺線表面に温度センサーを載置してモニターしたが、約140℃であった。蒸気庫内で30秒間過熱蒸気を吹き付けた後、直ぐに系外に排出して約60℃の2%食塩水に40秒間水シャワーし、水分を供給した。
【0067】
次いで、今度は、直ぐにトンネル型の飽和蒸気の蒸気庫内に搬送し、蒸気流量240kg/h、温度約100℃で30秒間蒸煮した。さらに、蒸気庫外に出して約60℃の2%食塩水をシャワーして水分を供給し、再び、直ぐにトンネル型の飽和蒸気庫内に搬送し、蒸気流量240kg/h、温度約100℃で30秒間蒸煮してα化した。
【0068】
この麺を90℃の茹で槽に5秒間浸漬し、続けてほぐし液に5秒間浸漬処理した後、麺線をカットして、1食分150gを容量380mlのリテーナに充填し、温度約150℃のパーム油で2分間フライして乾燥した。このようにして製造した即席フライ麺を、冷却して保存し、実施例2のサンプルとした。
【0069】
このサンプルをスチロール性のカップ容器に投入し、熱湯400mlを注加し、蓋をして5分間静置した後、良く掻き混ぜて喫食し、熟練した5人のパネラーによって復元性、食感等について評価した。パネラーは熟練したパネラー5人で行った。
その結果、実施例2の麺は、実施例1における1.8mmの麺のものより、やや硬めであるが復元しており、過熱蒸気吹き付け後のα化工程において、飽和蒸気を用いても高い復元性向上効果があることが明らかとなった。ただし、麺線の結着が若干見られ、ややほぐれが悪化する傾向が見られた。
【0070】
[実施例3]<乾燥を熱風乾燥としたもの>
小麦粉750g澱粉250g(アセチル化澱粉150g+酸化澱粉100g)からなる主原料粉1kgに、食塩20g、リン酸塩(単リン酸塩3:重合リン酸塩2)5gを溶解した練り水430mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした。
【0071】
次に、小麦粉750g澱粉250g(アセチル化澱粉250g)からなる主原料粉1kgに、食塩20g、リン酸塩(単リン酸塩3:重合リン酸塩2)5gを溶解した練り水430mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して約4.3mm厚の麺帯形状とした。
【0072】
前者の12mm厚の麺帯を内層麺帯とし、後者の4.3mm厚の麺帯を外層麺帯とし、外層、内層、外層に3枚の麺帯を合わせ、約13.5mmの複合麺帯とした。
この複合麺帯を1回目の圧延として圧延率79%でロール圧延機を用いて強く圧延した。続いてロール圧延機で4回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が1.9mmになるように、最終麺帯厚を調整した。これを角刃9番の切刃ロールで切出して、生麺線を得た。
【0073】
この生麺線をネットコンベアで搬送しつつトンネル型の蒸気庫内で、麺線に過熱蒸気を吹き付けた。過熱蒸気の条件は、蒸気流量160kg/h、温度は麺線表面に温度センサーを載置してモニターしたが、約140℃であった。蒸気庫内で30秒間過熱蒸気を吹き付けた後、直ぐに系外に排出して約60℃の2%食塩水に40秒間水シャワーし、水分を供給した。
【0074】
次いで、再び、直ぐにトンネル型の蒸気庫内に搬送し、蒸気流量160kg/h、温度約140℃で過熱蒸気を30秒間吹き付けた。さらに、蒸気庫外に出して約60℃の2%水溶液に40秒間水シャワーして水分を供給し、再び、直ぐにトンネル型の蒸気庫内に搬送し、蒸気流量160kg/h、温度約140℃で過熱蒸気を吹き付けてα化した。
【0075】
この麺を90℃の茹で槽に15秒間浸漬し、続けてほぐし液に5秒間浸漬した後、麺線をカットして、1食分150gを容量470mlのリテーナに充填し、熱風乾燥機で100℃で30分間、風速3m/minで乾燥した。このようにして製造した即席フライ麺を、冷却して保存し、実施例3のサンプルとした。
【0076】
このサンプルをスチロール性のカップ容器に投入し、熱湯400mlを注加し、蓋をして5分間静置した後、良く掻き混ぜて喫食し、熟練した5人のパネラーによって復元性、食感等について評価した。
その結果、1.9mmという太い麺線であるにもかかわらず復元しており、さらに、従来の熱風乾燥麺にあった特有の麺線表面の張りがなく、生麺的な食感を有する優れた麺であった。
【0077】
[実施例4]<過熱蒸気処理時に飽和蒸気を併用した例>
小麦粉880g澱粉120gからなる主原料粉1kgに、食塩20g、かんすい(炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=1:1)2gを溶解した練り水350mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して約12mm厚の麺帯形状とした。
【0078】
この麺帯を1回目の圧延として圧延率79%でロール圧延機を用いて強く圧延した。続いてロール圧延機で4回、それぞれの圧延率が10〜50%程度の範囲となるように圧延し、復元後の麺線厚が2.0mmになるように、最終麺帯厚を調整した。これを18番の丸刃ロールで切出して、生麺線を得た。
【0079】
この生麺線をネットコンベアで搬送しつつトンネル型の蒸気庫内で、麺線に過熱蒸気を吹き付けた。なお、この蒸気庫には飽和蒸気の噴出孔を有しており、蒸気庫内を飽和蒸気で満たした状態で、過熱蒸気を吹き付けた。過熱蒸気の条件は、蒸気流量110kg/h、温度は麺線表面に温度センサーを載置してモニターしたが、約130℃であった。飽和蒸気の流量は50kg/hであった。このように、蒸気庫内で飽和蒸気を充満させた状態で、30秒間過熱蒸気を吹き付けた後、直ぐに系外に排出して約60℃の湯を30秒間シャワーして水分を供給した。
【0080】
次いでもう一度、前記の飽和蒸気を充満させた蒸気庫内での過熱蒸気の吹き付けを同じ条件で行なった後、同様に30秒間お湯をシャワーした。
次いで、直ぐにトンネル型の飽和蒸気庫内に搬送し、蒸気流量240kg/h、温度約100℃で30秒間蒸煮した。
【0081】
この麺を薄い食塩水に5秒間浸漬して着味処理した後、麺線をカットして、1食分190gを容量400mlのリテーナに充填し、温度150℃のパーム油で2分間フライ乾燥した。このようにして製造した即席フライ麺を、冷却して保存し、実施例4のサンプルとした。一方、この実施例4に比して、圧延方法を強圧延を行わない通常の圧延方法で行った以外、実施例4と全く同一の製造方法で製造した即席フライ麺を製造して比較サンプルとした。
【0082】
この実施例4と比較サンプルを、それぞれスチロール性のカップ容器に投入し、熱湯470mlを注加し、静置し、復元性と3分後の食感について、熟練した5人のパネラーによって評価した。
その結果、比較サンプルよりも実施例4のサンプルの方が復元性が良好であった。また、食感もふかついた感じがなく、さらに好ましいものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
即席麺の製造方法であって、
(a)圧延率が60%以上のロール圧延を1回以上行って圧延した麺帯を、切出して生麺線とする製麺工程、
(b)前記切出された生麺線に過熱蒸気を吹き付ける工程、
(c)前記過熱蒸気を吹き付けた麺をα化する工程、
(d)前記α化処理後の麺線を乾燥させる工程、
の(a)〜(d)の各工程を含むことを特徴とする即席麺の製造方法。
【請求項2】
前記工程(c)におけるα化工程が、前記工程(b)で生麺線に過熱蒸気を吹き付けた麺線に対して、水分を液体で供給して麺線の水分含量を上げ、該水分含量を上げた麺を過熱蒸気又は飽和蒸気で加熱してα化する工程である請求項1に記載の即席麺の製造方法。
【請求項3】
前記工程(c)におけるα化工程が、前記工程(b)で生麺線に過熱蒸気を吹き付けた麺線に対して、水分を液体で供給して麺線の水分含量を上げ、該水分含量を上げた麺を過熱蒸気で加熱し、以降、再び水分を液体で供給して麺線の水分含量を上げて過熱蒸気で加熱する処理を1回以上繰り返してα化する工程である請求項1に記載の即席麺の製造方法。
【請求項4】
前記工程(b)における過熱蒸気の温度が、麺線表面がさらされる温度として125〜220℃であり、麺線に過熱蒸気を吹き付ける時間が5〜50秒であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の即席麺の製造方法。
【請求項5】
前記工程(a)における麺帯が、リン酸塩及び又は炭酸塩を含有する請求項1から4のいずれかに記載の即席麺の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の製造方法によって製造された即席麺であって、該即席麺が熱湯を注加して復元し、湯戻し後喫食する即席麺であることを特徴とする即席麺。

【公開番号】特開2011−130687(P2011−130687A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291330(P2009−291330)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【特許番号】特許第4654315号(P4654315)
【特許公報発行日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000226976)日清食品ホールディングス株式会社 (127)
【復代理人】
【識別番号】100115141
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 慎二
【Fターム(参考)】