説明

原位置封じ込め工法

【課題】遮水壁内側領域からの汚染地下水の外側領域への流出や拡散を防止することができると共に遮水壁外側領域からの内側領域への地下水流入を防止することができる原位置封じ込め工法を提供する。
【解決手段】地表1から所定深さに不透水層又は難透水層3が存在し、その上側に帯水層2が存在する。遮水壁6によって該汚染土壌4を含む内側領域を周囲の外側領域5から離隔して封じ込める。遮水壁6の内側領域の中央付近に揚水井10が設けられている。この揚水井10内の下部に揚水用ポンプ11が配置されており、配管12を介して浄化手段13の下部へ地下水を送水可能としている。浄化手段13からの浄水流出用配管14の末端のレベルは、外側領域の最高地下水位Wよりも高位置に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染土壌を周囲から離隔して封じ込める原位置封じ込め工法に係り、特に汚染地区を囲むように遮水壁を設ける原位置封じ込め工法に関する。さらに詳しくは、この遮水壁内側から周囲へ流出する地下水を浄化処理するようにした原位置封じ込め工法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚染土を原位置において封じ込めることにより、当該汚染土壌から有害物質が溶出して区域外の地下水を汚染することを防止することが土壌汚染対策法に基づく技術的手法の解説(下記非特許文献1)に記載されている。同解説の第111ページには、「具体的には、汚染土壌の範囲及び当該範囲内における土壌汚染の深さをボーリング調査により確認し、土壌汚染の範囲を囲むようにして、汚染土壌の下の最初の不透水層まで鋼製矢板等の遮水壁を打ち込み、土壌汚染が当該範囲外に拡がるのを防ぐ。さらに当該範囲内に降雨等の浸透による封じ込め内部の地下水位への影響が生じないように、遮水機能を保有する材料で封じ込め上面を覆う。上面は舗装措置と同様に厚さが10cm以上のコンクリートの層、又は厚さが3cm以上のアスファルトの層により覆うものとし、さらに必要に応じて土による覆いの措置を行うこととなる。」「封じ込め内部に異常な水位の上昇を確認した場合は、揚水による水位の低下や、遮水構造の補強等、適切な対策を講じる必要がある。」と記載されている。
【0003】
特開2003−181436では汚染地区を囲むように遮水壁を設け、この汚染地区の中央部で地下水を汲み上げて遮水壁内壁面近傍に戻すと共に、この遮水壁と該中央部との間に設けた浄化手段で地下水を浄化する原位置封じ込め工法が記載されている。
【0004】
この特開2003−181436では、遮水壁で囲んだ汚染地区内で水位が異常に上昇すると、遮水壁を溢流して汚染地下水が周囲に拡散するおそれがある。
【0005】
特開2006−305543には、遮水壁の上縁に、遮水壁内側領域から地下水を溢出させる溢出用流出部を設けると共に、この溢出用流出部に地下水浄化手段を設けることが記載されている。
【特許文献1】特開2003−181436
【特許文献2】特開2006−305543
【非特許文献1】土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説 平成15年9月初版発行 監修:環境省 編・発行:社団法人土壌環境センター
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、降雨の有無、海水潮位の変動、季節的な要因、その他人為的な揚水や注水により地下水位が変動する。
【0007】
上記特開2003−181436では、遮水壁の内側領域の地下水位が外側領域よりも上昇した場合、内側領域の汚染地下水が外側領域へ流出するおそれがある。また、遮水壁内外の地下水位差によって内側領域の汚染地下水の一部が不透水層又は難透水層を透過して周囲に拡散するおそれがある。
【0008】
上記特開2006−305543では、遮水壁外側領域からの地下水の内側領域への逆流を防止するために、遮水壁外側領域の地下水位の変動を考慮して、溢出用流出部を予想される最高地下水位よりも高位に設ける必要がある。そのため、遮水壁内側領域の地下水位が該流出部近くまで上昇してきた場合において外側領域の地下水位が低いときには、遮水壁内外の地下水位差によって内側領域の汚染地下水の一部が不透水層又は難透水層を透過して周囲に拡散するおそれがある。
【0009】
なお、この溢出用流出部のレベルを低くしたときには、遮水壁外側領域の地下水位が該流出部以上になると、遮水壁外側領域の地下水が内側領域に流入してくることになる。この流入してきた地下水は浄化処理材の阻害性物質(例えば塩分)を含んでいることがある。例えば、浄化材として吸着材を用いる場合、一般に塩類濃度が大きくなるほど吸着量が低下する。実験によれば、塩類の種類にもよるが、電気伝導率がおよそ100mS/mを超えると、吸着材の吸着容量が顕著に低下する。なお、電気伝導率の高い地下水は、臨海部の地域に多く存在する。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決し、遮水壁内側領域からの汚染地下水の外側領域への流出や拡散を防止することができる原位置封じ込め工法を提供することを第1の目的とする。
【0011】
また、本発明は、遮水壁外側領域からの内側領域への地下水流入を防止することができる原位置封じ込め工法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明(請求項1)の原位置封じ込め工法は、汚水地区を取り囲むように不透水層又は難透水層に達する遮水壁を構築して汚染土壌を汚染地区内に封じ込める原位置封じ込め工法において、該遮水壁の内側領域の地下水が通水される地下水浄化手段を設けると共に、該遮水壁の内側領域の地下水位が遮水壁の外側領域の地下水位以下となるように該浄化手段からの浄水を遮水壁の外側領域に流出させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の原位置封じ込め工法は、請求項1において、前記内側領域の地下水位が外側領域の最低地下水位以下となるように前記浄化手段からの浄水を前記外側領域に流出させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の原位置封じ込め工法は、請求項1又は2において、前記内側領域に揚水井を設け、該揚水井内の地下水を揚水して前記浄化手段に通水することを特徴とするものである。
【0015】
請求項4の原位置封じ込め工法は、請求項1又は2において、前記浄化手段に揚水井を設け、該揚水井内の地下水位が前記内側領域の地下水位以下となるように該揚水井内の浄水を前記外側領域に流出させることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5の原位置封じ込め工法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記浄化手段からの浄水を、前記外側領域のうち最高地下水位以上の深さの部位に流出させることを特徴とするものである。
【0017】
請求項6の原位置封じ込め工法は、汚水地区を取り囲むように不透水層又は難透水層に達する遮水壁を構築して汚染土壌を汚染地区内に封じ込める原位置封じ込め工法において、該遮水壁の内側領域の地下水が通水される地下水浄化手段と、該浄化手段からの浄水を該遮水壁の外側領域に流出させる流路とを設けると共に、該外側領域の地下水位が該内側領域の地下水位以上となったときに、該流路を閉止する閉止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項7の原位置封じ込め工法は、請求項6において、該閉止手段は逆止弁であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項8の原位置封じ込め工法は、請求項6又は7において、前記浄化手段からの浄水を、前記外側領域のうち最高地下水位と最低地下水位との間の深さの部位に流出させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1〜5の原位置封じ込め工法にあっては、遮水壁内側領域の地下水を浄化手段で浄化し、遮水壁内側領域の地下水位が遮水壁外側領域の地下水位以下となるように、浄化手段からの浄水を遮水壁外側領域へ流出させるので、遮水壁内側領域の汚染地下水が、不透水層又は難透水層を透過して遮水壁外側領域へ拡散することが防止される。
【0021】
特に、請求項2のように、遮水壁内側領域の地下水位を外側領域の最低地下水位以下とすることにより、汚染地下水の拡散が十分に防止される。
【0022】
請求項3によれば、遮水壁内側領域に揚水井を設けるので、この揚水井から該内側領域の地下水サンプルを容易に採取して水質を監視することができる。
【0023】
請求項4によれば、浄化手段に設けた揚水井から浄水のサンプルを容易に採取して水質を監視することができる。
【0024】
請求項5によれば、遮水壁外側領域の地下水位が上昇しても、外側領域の地下水が浄水流出流路を介して内側領域に逆流することが防止される。
【0025】
請求項6の原位置封じ込め工法にあっては、浄水を遮水壁外側領域へ流出させるための流路に閉止手段を設けており、外側領域の地下水位が内側領域の地下水位以上となったときにこの閉止手段によって流路を閉止することができる。これにより、この流路を介して外側領域から内側領域へ地下水が逆流することが防止される。
【0026】
この閉止手段として、請求項7のように逆止弁を用いると、構成がシンプルなものとなる。
【0027】
請求項8によると、遮水壁内側領域の地下水位が外側領域よりも高くなると、該内側領域の地下水が外側領域に流出するので、内側領域の地下水位が過度に上昇することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図〜第3図は、それぞれ本発明の実施の形態に係る原位置封じ込め工法が適用された地域を示す断面図である。
【0029】
〔第1図の実施の形態〕
図示の通り、地表1から所定深さに不透水層又は難透水層3が存在し、その上側に帯水層2が存在する。
【0030】
この地域の一部に、土壌汚染対策法で規定される第一種特定有害物質、第二種特定有害物質、第三種特定有害物質や、ダイオキシン類、残留性有機汚染物質(環境ホルモン)などで汚染された汚染土壌4が存在している。遮水壁6によって該汚染土壌4を含む内側領域を周囲の外側領域5から隔離して封じ込める。
【0031】
この遮水壁6は、下端が不透水層又は難透水層3内に達し、上端は地下水の最高水位より上位の地表近くに位置している。なお、遮水壁6の上端は地表1に達してもよい。
【0032】
この遮水壁6は、地中に多数のボーリング穿孔を連続列状に施してコンクリートを流し込むことにより構築することができるが、遮水用鋼矢板を打ち込むことにより形成されてもよい。
【0033】
外側領域5には、地下水位を観測するための観測井7が設けられている。
【0034】
この遮水壁6の内側領域の中央付近に揚水井10が設けられている。この揚水井10内の下部に揚水用ポンプ11が配置されており、配管12を介して浄化手段13の下部へ地下水を送水可能としている。
【0035】
この浄化手段13は、汚染物質の除去ないし分解等による浄化作用を奏する処理剤よりなる。必要に応じ、砂、砕石などの透水性材料が混合される。なお、処理剤としては、第一種特定有害物質の分解材として鉄粉、吸着材として活性炭が例示される。第二種特定有害物質の吸着材としては鉄粉、マグネシウム系化合物、ハイドルタルサイト、ヒドロキシアパタイト、イオン交換樹脂などが例示される。還元材としては鉄粉が例示される。第三種特定有害物質、ダイオキシン類、残留性有機汚染物質の吸着材としては活性炭が例示される。
【0036】
通常、この処理剤等よりなる浄化手段は、容器内に収容されて地中に埋設される。なお、鋼矢板などよりなる板材(図示略)又は防水コンクリート壁によって該容器を構成してもよい。
【0037】
該容器の底面には、流入口付きの底蓋部が設けられ、この流入口に配管12が接続されるのが好ましい。
【0038】
該容器の下端は、外側領域5の最低地下水位Wよりも好ましくは30cm以上例えば30〜500cm特に100〜500cm程度下位に位置している。
【0039】
該容器の上端は、外側領域5の最高地下水位Wよりも上位に位置している。容器の上面は土壌に対し開放していてもよいが、天蓋で覆われているのが好ましい。この容器の上部に浄水流出用の配管14の基端が接続されている。この配管14は、遮水壁6を貫通して外側領域5にまで延在している。この配管14は好ましくは若干の下り勾配(流水勾配)を有するように引き回されている。配管14の末端のレベルは、外側領域の最高地下水位Wよりも好ましくは0〜200cm特に10〜100cm高位置に位置している。
【0040】
このように構成された封じ込め構造において、観測井7によって遮水壁6の外側領域5の地下水位を観測し、内側領域の地下水位Wが外側領域5の地下水位よりも0〜100cm特に1〜50cm低くなるようにポンプ11によって揚水を行う。ポンプ11からの地下水は、浄化手段13で浄化された後、配管14から外側領域5へ流出する。なお、長期にわたって外側領域5の地下水位を観測井7で観測し、外側領域5の地下水位の最高位Wと最低位Wとを求めておき、内側領域の地下水位WがWよりも常に0〜100cm特に1〜50cm低くなるようにポンプ11を作動させてもよい。
【0041】
このように、この実施の形態では、内側領域の地下水位Wを常に外側領域5の地下水位以下としているので、内側領域の地下水の一部が不透水層又は難透水層3を透過して周囲に拡散することが防止される。また、配管14の末端を外側領域5の最高地下水位Wと同位かそれよりも高位としているので、配管14を介して外側領域5から内側領域へ地下水が逆流しない。
【0042】
この実施の形態では、揚水井10を設けているので、内側領域の地下水サンプルを容易に採取することができる。
【0043】
〔第2図の実施の形態〕
第2図では、浄化手段13に揚水井16を設け、この揚水井16の下部に揚水用ポンプ17を設け、このポンプ17の吐出口に配管14の基端を接続している。この場合、浄化手段13を収容した容器の底面は全体又は一部が開放している。天面は開放していても閉じていてもよい。
【0044】
この実施の形態では、揚水井10、揚水ポンプ11及び配管12は設けられていない。
【0045】
第2図のその他の構成は第1図と同様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0046】
この第2図においては、遮水壁6の内側領域の地下水位Wが外側領域5の地下水位よりも0〜100cm特に1〜50cm程度低くなるように(又は外側領域5の最低地下水位Wよりも0〜100cm特に1〜50cm程度低くなるように)揚水ポンプ17を作動させる。これにより、遮水壁内側領域の地下水の一部が不透水層又は難透水層3を透過して周囲に拡散することが防止される。また、配管14が外側領域最高地下水位Wと同位又はそれよりも高位であるので、外側領域5から該配管14を介して内側領域へ地下水が逆流しない。
【0047】
この実施の形態では、浄化手段13に揚水井16を設けているので、この揚水井16を介して浄化処理水のサンプルを容易に採取することができる。
【0048】
〔第3図の実施の形態〕
第3図では、浄化手段13を収容した容器の上部に配管14が接続されると共に、この配管14に弁19が設けられている。この第3図の場合、該容器の底面は開放している。天面は開放していても閉じていてもよい。
【0049】
この実施の形態では、揚水井10、揚水ポンプ11及び配管12は設けられていない。また、浄化手段13にも揚水井16及びポンプ17は設けられていない。
【0050】
この第3図では、図示は省略するが、観測井7の水位を検出する水位計と、この水位計の検出水位が配管14の末端のレベル以上となったときに弁19を閉弁させる弁駆動装置が設けられている。弁19としては電磁弁、電動弁などが好適である。
【0051】
配管14の末端は、外側領域5の最低地下水位Wと最高地下水位Wとの間に位置しており、配管14の末端と最低地下水位Wとの差は(W−W)の10〜80%特に20〜60%とりわけ30〜50%程度が好ましい。
【0052】
第3図のその他の構成は第1,2図と同様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0053】
この第3図の構造では、遮水壁6の内側領域の地下水位Wが配管14の末端のレベルよりも高くなると、配管14を介して浄水が外側領域5へ流出する。内側領域の地下水位Wが配管14の末端レベルよりも低くなると、浄水の流出は停止する。このように、地下水位Wが配管14の末端レベルよりも過度に高くならないので、遮水壁内側領域の地下水が不透水層又は難透水層3を透過して周囲に拡散することがない。
【0054】
また、外側領域5の水位が配管14の末端のレベル以上になると、弁19が閉弁するので、配管14を介して外側領域5から内側領域へ地下水が逆流しない。
【0055】
第3図では、観測井7内の水位に応じて弁19を開閉制御しているが、弁19の代わりに内側領域から外側領域5に向う方向への流れを許容し、それとは逆方向の流れを阻止する逆止弁を設けてもよい。このようにすれば、弁制御装置及び水位計が不要となり、構成がシンプルとなる。
【0056】
〔外側領域の地下水の水位、水質〕
本発明は、外側領域5の地下水位の最高値と最低値との差W−Wが大きい場合、具体的には50cm以上例えば50〜200cmとりわけ100〜200cm程度である場合に適用するのに好適である。また、外側領域5の地下水の電気伝導率が100mS/m以上例えば100〜1000mS/m程度である場合に適用するのに好適である。
【0057】
〔その他の実施の形態〕
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0058】
上記実施の形態では、配管14の末端から浄水を遮水壁外側領域5に流出させているが、この外側領域は下水道であってもよい。下水道以外の外側領域5の土壌中に浄水を流出させる場合、配管14の末端付近に砕石等の透水域を設けてもよい。また、配管14に多孔管を接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施の形態に係る原位置封じ込め工法が適用された地域を示す断面図である。
【図2】実施の形態に係る原位置封じ込め工法が適用された地域を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係る原位置封じ込め工法が適用された地域を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 地表
2 帯水層
3 不透水層又は難透水層
4 汚染土壌
5 外側領域
6 遮水壁
7 観測井
10 揚水井
13 浄化手段
19 弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水地区を取り囲むように不透水層又は難透水層に達する遮水壁を構築して汚染土壌を汚染地区内に封じ込める原位置封じ込め工法において、
該遮水壁の内側領域の地下水が通水される地下水浄化手段を設けると共に、
該遮水壁の内側領域の地下水位が遮水壁の外側領域の地下水位以下となるように該浄化手段からの浄水を遮水壁の外側領域に流出させることを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項2】
請求項1において、前記内側領域の地下水位が外側領域の最低地下水位以下となるように前記浄化手段からの浄水を前記外側領域に流出させることを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記内側領域に揚水井を設け、該揚水井内の地下水を揚水して前記浄化手段に通水することを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項4】
請求項1又は2において、前記浄化手段に揚水井を設け、該揚水井内の地下水位が前記内側領域の地下水位以下となるように該揚水井内の浄水を前記外側領域に流出させることを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記浄化手段からの浄水を、前記外側領域のうち最高地下水位以上の深さの部位に流出させることを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項6】
汚水地区を取り囲むように不透水層又は難透水層に達する遮水壁を構築して汚染土壌を汚染地区内に封じ込める原位置封じ込め工法において、
該遮水壁の内側領域の地下水が通水される地下水浄化手段と、該浄化手段からの浄水を該遮水壁の外側領域に流出させる流路とを設けると共に、
該外側領域の地下水位が該内側領域の地下水位以上となったときに、該流路を閉止する閉止手段を設けたことを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項7】
請求項6において、該閉止手段は逆止弁であることを特徴とする原位置封じ込め工法。
【請求項8】
請求項6又は7において、前記浄化手段からの浄水を、前記外側領域のうち最高地下水位と最低地下水位との間の深さの部位に流出させることを特徴とする原位置封じ込め工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−29769(P2010−29769A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193627(P2008−193627)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】