原反ロール装填方法およびその装置
【課題】左右一対の支持部材に亘って原反ロールを両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装着方法において、原反ロールの装填支架を短時間で行うことができるようにする。
【解決手段】原反ロールをパレットに載置支架し、原反ロールを支架したパレットをコンベア上に移載し、パレットを所定位置に向けて載置移送し、搬入されたパレットの左右方向姿勢が適正か否かを判別し、所定姿勢でないことが判別されたパレットを所定姿勢に矯正し、所定姿勢のパレットを上昇させて左右の支持部材間に原反ロールを位置させ、左右の支持部材を原反ロールの芯軸に連結させ、連結支架された原反ロールに対してパレットを下降させる。
【解決手段】原反ロールをパレットに載置支架し、原反ロールを支架したパレットをコンベア上に移載し、パレットを所定位置に向けて載置移送し、搬入されたパレットの左右方向姿勢が適正か否かを判別し、所定姿勢でないことが判別されたパレットを所定姿勢に矯正し、所定姿勢のパレットを上昇させて左右の支持部材間に原反ロールを位置させ、左右の支持部材を原反ロールの芯軸に連結させ、連結支架された原反ロールに対してパレットを下降させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅広で重量の大きい各種シートまたはフィルムの原反ロールを、このシートなどを用いる各種処理装置に両持ち水平姿勢で装填支架する場合に利用する原反ロール装填方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
幅広で重量の大きい原反ロールを水平両持ち状に装填支架する手段としては、原反ロールを一旦、パレットに水平姿勢で仮置き支持し、このパレットを人手によってコンベア上に移載して、パレットを支架用の所定位置に載置移送する。パレットが所定位置に搬送されると上昇させて搬送方向に対して左右に配備された支持部材間に送り込み、左右一対の支持部材を進出移動させて原反ロールの芯軸に連結し、連結後にパレットを下降させる手段がある。
【0003】
また、特許文献1に記載の従来装置によれば、待機位置にある搬送用カート上の原反ロールの位置を検出し、必要に応じてその場所で原反ロールを持ち上げるなどして位置修正を行っている。この修正で原反ロールの中心軸線と回転支持チャックの中心位置とを一致させた後に、原反ロールを繰り出し位置に搬送する。
【特許文献1】特開2000−7198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記手段においては、原反ロールを支持したパレットをコンベア上に移載する際の姿勢によって、所定の位置に搬入されたパレットを持ち上げて左右の支持部材間に供給した状態で、原反ロールにおける芯軸の軸心が左右の支持部材の軸心とずれてしまうことがある。このような芯ずれが発生した場合には、パレットを一旦下降させて人手でパレットの姿勢を矯正した後、再度パレットを持ち上げて芯合わせをやり直すことになる。したがって、原反ロールの装填支架に時間がかかるといった不都合が生じている。
【0005】
本発明はこのような実情に着目してなされたものであって、原反ロールの装填を短時間で行うことができる原反ロール装填方法およびその装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填方法であって、
前記原反ロールをパレットの上に水平に載置支架する原反ロール供給工程と、
原反ロールを支架したパレットを移送手段上に移載するパレット移載工程と、
移送手段上のパレットを前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送するパレット搬入工程と、
所定位置に移送されたパレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別する姿勢判別工程と、
所定姿勢でないことが判別されたパレットを強制的に所定姿勢に自動矯正するパレット姿勢矯正工程と、
所定姿勢のパレットを上昇させて一対の支持部材の間に原反ロールを位置させるパレットリフト工程と、
前記両支持部材を進出移動させて原反ロールの芯軸に連結させる連結工程と、
前記両支持部材に亘って連結支架された原反ロールに対してパレットを下降させるパレット下降工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
(作用・効果) この方法によれば、先ず、原反ロールをパレットの上に水平に載置支架する。次に、原反ロールを支架したパレットを移送手段の上に移載して、パレットを前方に位置するロール装填支架用の所定位置に向けて搬送し、搬送先においてパレットの進行方向に対する左右方向姿勢が適正か否かが判別される。パレットが適正な所定姿勢にあるものと判断されると、パレットを所定量だけ上昇して、原反ロールを左右の支持部材の間に同心状に供給し、上昇供給された原反ロールに対して左右の支持部材を進出作動させ、芯軸の両端部に支持部材をそれぞれ連結する。その後、左右の支持部材に亘って水平支架された原反ロールに対してパレットを下降退避させる。以上で原反ロールの装填支架が完了する。
【0008】
姿勢判別工程においてパレットが適正な所定姿勢から外れて傾いているものと判断されると、パレットは強制的な姿勢矯正作用を受けて所定姿勢に矯正され(姿勢矯正工程)、その後は、上記したパレットリフト工程、連結支持工程、および、パレット下降工程に至る。
【0009】
したがって、作業者がセットし直す手間が不要となり、原反ロール供給工程から最後のパレット下降工程までを短時間で行うことができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記パレット姿勢矯正工程において、所定姿勢でないパレットを進行方向に対する左右方向からサイド案内部材で押圧してパレットを所定姿勢に矯正することを特徴とする。
【0011】
(作用・効果) この方法によれば、所定姿勢でないパレットはサイド案内部材で左右から押圧挟持されることで所定姿勢に矯正される。したがって、大重量の原反ロールを支持したパレットでも確実にその姿勢を矯正することができる。
【0012】
また、左右からパレットを押圧挟持するので、パレットの左右方向での位置決めを行うことができるので、移送手段へのパレット供給姿勢は大まかに決めればよく、作業性の向上に有効となる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記パレット姿勢矯正工程において、前記パレットを移送手段から浮上させてサイド案内部材を作動させることを特徴とする。
【0014】
(作用・効果) この方法によれば、サイド案内部材で左右から押圧挟持されて所定姿勢の矯正されるパレットは移送手段から浮上された状態で移動することになり、移送手段が大重量のパレットで擦られて損傷することが回避される。
【0015】
第4の発明は、芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填装置であって、
前記原反ロールを水平に載置支架するパレットを転動移動可能に載置する移載台と、 前記移載台から移載されたパレットを載置して前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送する移送手段と、
搬入された前記パレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別するパレット姿勢検知手段と、
所定姿勢でないパレットを左右からサイド案内部材で押圧して強制的に所定姿勢に矯正するパレット姿勢矯正機構と、
前記パレットを昇降するパレット昇降手段と、
前記両支持部材を軸芯方向に進退させる進退駆動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
(作用・効果) この構成によれば、上記第1の発明を好適に実行することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第4の発明において、
前記移送手段の搬送領域内に、パレットを載置して昇降するパレット昇降ステージを配備したことを特徴とする。
【0018】
(作用・効果) この構成によれば、パレット昇降ステージを少し上昇させて移送手段上にパレットを浮上させた状態でサイド案内部材を作動させることで、移送手段がパレットで擦られて損傷するようなことなく姿勢矯正を行うことができる。また、パレット昇降ステージを大きく上昇させることで、パレットに支持した原反ロールを左右の支持部材の間に供給セットすることができ、パレット昇降ステージをパレット姿勢矯正工程と、支持部材間への原反ロールの供給工程とで有効に活用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、重くて取扱いにくい原反ロールを短時間で所定の水平姿勢にして左右の支持部材間に装填支架することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
【0021】
図1は、本発明方法および原反ロール装填装置で使用される原反ロール1が示されている。この原反ロール1は、幅広のフィルムまたはシート2をシート幅より長い円筒状の芯軸3に巻回したものである。この原反ロール1は、図9に示すように、シート2を利用する処理装置のシート供給部4に備えられた左右の支持枠5にそれぞれ支持部材6,7が同芯状に対向配備され、これら支持部材6,7に亘って原反ロール1が両持ち水平姿勢に装填支架される。
【0022】
図2に示すように、支持部材6,7への装填処理において、原反ロール1はパレット8に載置支架されて取り扱われる。パレット8は中抜きの横長矩形枠状に構成され、その上面左右に立設したローラ付きの軸受け部9に芯軸3の両端突出部を載置して原反ロール1を水平に支架するようになっている。
【0023】
図3、図4に示すように、シート供給部4における原反ロール装填箇所の下方には、パレット8を載置して前後方向に搬送するコンベア10が配備されるとともに、コンベア10の手前には、パレット8への原反ロール1の積み込み、あるいは、使用済みの芯軸3をパレット8から回収搬出するための移載台11が配備されている。なお、コンベア10は、本発明の移送手段に相当する。
【0024】
移載台11は、その上面に多数の遊転ボール12を縦横に配置して構成されており、載置したパレット8を任意の方向に手押しで転動移動させることができるようになっている。
【0025】
コンベア10は、前後方向に縦回し巻回されて正逆転駆動される搬送チェーン13を左右一対並列して構成され、その搬送面が移載台11の転動搬送面と同レベルに設定されている、コンベア10の搬送領域内には平板状のパレット昇降ステージ14が備えられている。パレット昇降ステージ14は図示されていないサーボモータでねじ送り昇降されるようになっており、通常はコンベア10の搬送面より没入した待機位置にあり、必要に応じて搬送面より上昇される。なお、パレット昇降ステージ14およびその駆動機構は、本発明のパレット昇降手段に相当する。
【0026】
コンベア10の奥部には、支持部材6,7の直下の所定位置に搬入されてきたパレット8の前端辺を受け止めるゴムクッション付きのストッパ15が配備されるとともに、パレット8の左右方向姿勢が支持部材6,7の軸心pと平行な所定姿勢であるか否かを検知するパレット姿勢検知機構16が配備されている。パレット姿勢検知機構16は左右一対のリミットスイッチ17が利用されており、両リミットスイッチ17がパレット8の前端辺で共に押圧操作されることでパレット8が所定姿勢にあると判別するようになっている。
【0027】
コンベア10におけるパレット搬送径路の左右両脇には、パレット8の姿勢を強制的に矯正するパレット姿勢矯正機構18が配備されている。このパレット姿勢矯正機構18は、前後方向に向けて直線状に配置された縦板状のサイド案内部材19を、モータ駆動されるねじ送り機構などで左右方向に平行移動可能に配備して構成されている。なお、各サイド案内部材19の対向する表面には耐磨耗性および滑性に優れた樹脂材20が付設されている。なお、パレット姿勢検知機構16は、本発明のパレット姿勢検知手段に相当し、サイド案内部材19およびその駆動機構は、パレット姿勢矯正機構に相当する。
【0028】
次に、上記構成装置において、原反ロール1を両支持部材6,7に亘って装填支架する手順を、図5〜図10、および、図11の工程図に基づいて説明する。
【0029】
先ず、移載台11上において、図2に示すように、原反ロール1をパレット8に水平に載置支する(ステップS1)。
【0030】
次に、原反ロール1を支架したパレット8を手押移動させて、引き込み方向(前方)に駆動されているコンベア10の上に押し込む(ステップS2)。
【0031】
パレット8がある程度コンベア10に乗りかかると、図4に示すように、パレット8は前方に引き込み移送される(ステップS3)。
【0032】
パレット8がストッパ15に受け止められて、いずれかのリミットスイッチ17がパレット8の到着を感知し(ステップS4)、設定時間が経過するとコンベア10が停止される(ステップS5)。
【0033】
パレット姿勢検知機構16においては、図3中の仮想性で示すように、左右のリミットスイッチ17がパレット8の前端辺で押されて共にオンになればパレット8が適正な所定姿勢にあると判断する。また、図10aに示すように、いずれか一方のスイッチ17のみがオンにされている場合には、パレット8が所定姿勢から外れて傾いているものと判断する(ステップS6)。
【0034】
左右のリミットスイッチ17が共にオンされてパレット8が適正な所定姿勢にあるものと判断されると、図4、図7に示すように、パレット昇降ステージ14が所定のリフト量hだけ上昇作動し、原反ロール1の芯軸3が後退待機している左右の支持部材6,7の間に同心状に供給される。なお、この時のリフト量hは、芯軸3の径を制御装置に入力することで自動的に演算設定される(ステップS14)。
【0035】
次に左方の支持部材6が進退駆動手段に相当するサーボモータやエアシリンダなどの駆動機構によって軸心方向に進出作動され、芯軸3の左端に挿入され、その後、先端側に備えられたゴム製のチャック爪6aが拡径移動されて、芯軸3の内周に圧着固定され、これで、一方の支持部材6と芯軸3との連結が完了する(ステップS15)。
【0036】
次いで、右方の支持部材7が軸心方向に進出作動されて芯軸3の右端に挿入されて、テーパーコーン部7aを介して同心に内嵌固定される(ステップS16)。これによって、図8に示すように、原反ロール1が左右の支持部材6,7に亘って水平に装填支架される。
【0037】
原反ロール1の装填が完了すると、図9に示すように、パレット昇降ステージ14が元の待機位置まで下降して、空のパレット8はコンベア10上に載置される(ステップS17)。
【0038】
なお、図10aに示すように、左右のリミットスイッチ17の一方のみがオンされてパレット8が適正な所定姿勢から外れて傾いていると判断されると、図6に示すように、パレット昇降ステージ14が少量だけ上昇して、パレット8をコンベア10の搬送面より浮上させる(ステップS7)。
【0039】
次いで、図4および図10bに示すように、搬送径路の左右両脇に配備されているパレット姿勢矯正機構18のサイド案内部材19が進出作動してパレット8の左右端辺を押圧し、左右からの押圧挟持によってパレット8は傾きの内所定姿勢に矯正される(ステップS8)。
【0040】
パレット8の姿勢が矯正されると、サイド案内部材19が後退作動した後(ステップS9)、パレット昇降ステージ14が元の待機位置まで復帰下降して、パレット8がコンベア10に載置される(ステップS10)。次に、コンベア10が前方引き込み搬送作動を再開し(ステップS11)、左右のリミットスイッチ17が共にオンになると(ステップS12)、搬送が停止する(ステップS13)。その後、上記ステップS14〜17の工程に移行する。
【0041】
原反ロール1のシート2が消費されると、支持部材6,7の直下位置に置かれた空のパレット8を所定量hがけ上昇させて軸受け部9に芯軸3の両端部を受け入れた後、両支持部材6,7を後退作動させて芯軸3との連結を解除する。その後、パレット8を下降させてコンベア10に載置し、コンベア10を逆転作動させてパレット8を移載台11に返送する。
【0042】
次に、上記実施例装置を用いてサイド案内部材19の作動を有効にした場合と無効にした場合に原反ロール1を装置に装填したときの両比較結果を以下に示す。なお、本比較に際して、測定条件は次の通りである。
【0043】
パレット8の外形寸法を1500×650mm、芯軸の長さを1450mm、その直径に6インチのものを利用し、図12(a),(b)に示すように、図中左の支持部材6の軸心P1と芯軸3の軸心P2との距離a、および図中右の支持部材7の軸心P1と芯軸3の軸心P2との距離bのそれぞれを4回の装填作業で測定した。
【0044】
ここで、実施例では、パレット8の両端からサイド案内部材9を押し付けて原反ロール1の姿勢を矯正してからパレット8を上昇させ、両距離a,bを測定した。これに対して、比較例では、サイド案内部材19の機能を無効にして、従来装置と略同じ条件で装填作業を行って距離a,bを測定した。その結果が、表1に示される。
【0045】
【表1】
【0046】
なお、表1の平均時間とは、4回の装填作業を行い、各回でパレット8への原反ロール1の積み込みから原反ロール1を支持部材8に装填した後にパレット8が降下するのに要した時間の4回分の平均である。
【0047】
表1から明らかなように、実施例ではいずれの装填作業においても支持部材6,7の軸心P1に対する芯軸3の軸心P2のズレが一切ない。したがって、原反ロール1の位置修正なしに装填作業は終了し、最短所要時間の152secで完了する。
【0048】
これに対して、比較例は、サイド案内部材19によって原反ロール1の姿勢が矯正されない状態で、パレット8を上昇させている。それゆえに、表1に示されるように、4回の装填時の全てにおいて軸ズレが確認されている。具体的には、1回目および2回目の装填時には、図12(a)に示すように、図中左側でズレが生じ、3回目以降の装填時には、図12(b)に示すように、図中右側でズレが生じている。したがって、パレット8を一旦降下させて人手により原反ロール1の姿勢を矯正してから再び支持部材6,7に装填し直している。そのため、装填作業が終了するまでの平均時間が245secかかっている。すなわち、本実施例装置は、従来装置に対して約40%の作業時間を短縮できる。
【0049】
〔他の実施例〕
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0050】
(1)上記実施例では、パレット姿勢矯正機構18を構成するサイド案内部材19を縦板状に構成して、パレット8の左右側端辺を面接触で押圧挟持する構造としているが、サイド案内部材19に前後一対の案内突起や案内ローラを備え、パレット8の左右側端辺に前後2点接触状態で押圧する形態で実施することもできる。
【0051】
(2)パレット姿勢検知機構16に、透過型あるいは反射型の光センや、CCDカメラなどを利用して、非接触でパレット8の左右方向姿勢を検知することもできる。
【0052】
(3)パレット姿勢矯正機構18としては、ストッパ15から離れている側においてパレット8を前方に向けて強制的に移動させて左右のストッパ15に押し付けて姿勢矯正を行うことも可能である。この場合、パレット8の後端辺を係止して前方に押圧する左右一対のプッシャーを独立駆動可能に配備する手段や、左右のコンベア10を独立駆動可能に構成して、ストッパ15に到達していない側のコンベア10のみを引き込み搬送駆動して、傾いたパレット8の姿勢を矯正することも可能である。
【0053】
(4)正逆に旋回駆動可能、かつ、リフト可能なターンテーブルを左右のコンベア10の間に配備し、姿勢が外れているパレット8をターンテーブルに載置してコンベア上に浮上させて旋回することで姿勢矯正を行い、その後、ターンテーブルを下降してパレット8を再びコンベア10に載置して引き込み搬送し、ストッパ15で位置決めを行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】原反ロールとパレットの斜視図である。
【図2】パレットに支架した原反ロールの斜視図である。
【図3】シートを使用する処理装置のシート供給部を示す平面図である。
【図4】シート供給部の側面図である。
【図5】パレットの引き込み搬送状態を示す正面図である。
【図6】パレットの姿勢矯正処置状態を示す正面図である。
【図7】原反ロールをリフト供給した状態を示す正面図である。
【図8】芯軸連結状態を示す正面図である。
【図9】原反ロールを装填支架した状態を示す正面図である。
【図10】パレットの姿勢矯正作動を示す平面図である。
【図11】原反ロールの装填処理を示す工程図である。
【図12】原反ロール装填の比較動作を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 … 原反ロール
2 … シート
3 … 芯軸
6 … 支持部材
7 … 支持部材
8 … パレット
10 … コンベア
11 … 移載台
14 … パレット昇降ステージ
16 … パレット姿勢検知機構
18 … パレット姿勢矯正機構
19 … サイド案内部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅広で重量の大きい各種シートまたはフィルムの原反ロールを、このシートなどを用いる各種処理装置に両持ち水平姿勢で装填支架する場合に利用する原反ロール装填方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
幅広で重量の大きい原反ロールを水平両持ち状に装填支架する手段としては、原反ロールを一旦、パレットに水平姿勢で仮置き支持し、このパレットを人手によってコンベア上に移載して、パレットを支架用の所定位置に載置移送する。パレットが所定位置に搬送されると上昇させて搬送方向に対して左右に配備された支持部材間に送り込み、左右一対の支持部材を進出移動させて原反ロールの芯軸に連結し、連結後にパレットを下降させる手段がある。
【0003】
また、特許文献1に記載の従来装置によれば、待機位置にある搬送用カート上の原反ロールの位置を検出し、必要に応じてその場所で原反ロールを持ち上げるなどして位置修正を行っている。この修正で原反ロールの中心軸線と回転支持チャックの中心位置とを一致させた後に、原反ロールを繰り出し位置に搬送する。
【特許文献1】特開2000−7198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記手段においては、原反ロールを支持したパレットをコンベア上に移載する際の姿勢によって、所定の位置に搬入されたパレットを持ち上げて左右の支持部材間に供給した状態で、原反ロールにおける芯軸の軸心が左右の支持部材の軸心とずれてしまうことがある。このような芯ずれが発生した場合には、パレットを一旦下降させて人手でパレットの姿勢を矯正した後、再度パレットを持ち上げて芯合わせをやり直すことになる。したがって、原反ロールの装填支架に時間がかかるといった不都合が生じている。
【0005】
本発明はこのような実情に着目してなされたものであって、原反ロールの装填を短時間で行うことができる原反ロール装填方法およびその装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填方法であって、
前記原反ロールをパレットの上に水平に載置支架する原反ロール供給工程と、
原反ロールを支架したパレットを移送手段上に移載するパレット移載工程と、
移送手段上のパレットを前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送するパレット搬入工程と、
所定位置に移送されたパレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別する姿勢判別工程と、
所定姿勢でないことが判別されたパレットを強制的に所定姿勢に自動矯正するパレット姿勢矯正工程と、
所定姿勢のパレットを上昇させて一対の支持部材の間に原反ロールを位置させるパレットリフト工程と、
前記両支持部材を進出移動させて原反ロールの芯軸に連結させる連結工程と、
前記両支持部材に亘って連結支架された原反ロールに対してパレットを下降させるパレット下降工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
(作用・効果) この方法によれば、先ず、原反ロールをパレットの上に水平に載置支架する。次に、原反ロールを支架したパレットを移送手段の上に移載して、パレットを前方に位置するロール装填支架用の所定位置に向けて搬送し、搬送先においてパレットの進行方向に対する左右方向姿勢が適正か否かが判別される。パレットが適正な所定姿勢にあるものと判断されると、パレットを所定量だけ上昇して、原反ロールを左右の支持部材の間に同心状に供給し、上昇供給された原反ロールに対して左右の支持部材を進出作動させ、芯軸の両端部に支持部材をそれぞれ連結する。その後、左右の支持部材に亘って水平支架された原反ロールに対してパレットを下降退避させる。以上で原反ロールの装填支架が完了する。
【0008】
姿勢判別工程においてパレットが適正な所定姿勢から外れて傾いているものと判断されると、パレットは強制的な姿勢矯正作用を受けて所定姿勢に矯正され(姿勢矯正工程)、その後は、上記したパレットリフト工程、連結支持工程、および、パレット下降工程に至る。
【0009】
したがって、作業者がセットし直す手間が不要となり、原反ロール供給工程から最後のパレット下降工程までを短時間で行うことができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記パレット姿勢矯正工程において、所定姿勢でないパレットを進行方向に対する左右方向からサイド案内部材で押圧してパレットを所定姿勢に矯正することを特徴とする。
【0011】
(作用・効果) この方法によれば、所定姿勢でないパレットはサイド案内部材で左右から押圧挟持されることで所定姿勢に矯正される。したがって、大重量の原反ロールを支持したパレットでも確実にその姿勢を矯正することができる。
【0012】
また、左右からパレットを押圧挟持するので、パレットの左右方向での位置決めを行うことができるので、移送手段へのパレット供給姿勢は大まかに決めればよく、作業性の向上に有効となる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記パレット姿勢矯正工程において、前記パレットを移送手段から浮上させてサイド案内部材を作動させることを特徴とする。
【0014】
(作用・効果) この方法によれば、サイド案内部材で左右から押圧挟持されて所定姿勢の矯正されるパレットは移送手段から浮上された状態で移動することになり、移送手段が大重量のパレットで擦られて損傷することが回避される。
【0015】
第4の発明は、芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填装置であって、
前記原反ロールを水平に載置支架するパレットを転動移動可能に載置する移載台と、 前記移載台から移載されたパレットを載置して前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送する移送手段と、
搬入された前記パレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別するパレット姿勢検知手段と、
所定姿勢でないパレットを左右からサイド案内部材で押圧して強制的に所定姿勢に矯正するパレット姿勢矯正機構と、
前記パレットを昇降するパレット昇降手段と、
前記両支持部材を軸芯方向に進退させる進退駆動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
(作用・効果) この構成によれば、上記第1の発明を好適に実行することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第4の発明において、
前記移送手段の搬送領域内に、パレットを載置して昇降するパレット昇降ステージを配備したことを特徴とする。
【0018】
(作用・効果) この構成によれば、パレット昇降ステージを少し上昇させて移送手段上にパレットを浮上させた状態でサイド案内部材を作動させることで、移送手段がパレットで擦られて損傷するようなことなく姿勢矯正を行うことができる。また、パレット昇降ステージを大きく上昇させることで、パレットに支持した原反ロールを左右の支持部材の間に供給セットすることができ、パレット昇降ステージをパレット姿勢矯正工程と、支持部材間への原反ロールの供給工程とで有効に活用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、重くて取扱いにくい原反ロールを短時間で所定の水平姿勢にして左右の支持部材間に装填支架することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
【0021】
図1は、本発明方法および原反ロール装填装置で使用される原反ロール1が示されている。この原反ロール1は、幅広のフィルムまたはシート2をシート幅より長い円筒状の芯軸3に巻回したものである。この原反ロール1は、図9に示すように、シート2を利用する処理装置のシート供給部4に備えられた左右の支持枠5にそれぞれ支持部材6,7が同芯状に対向配備され、これら支持部材6,7に亘って原反ロール1が両持ち水平姿勢に装填支架される。
【0022】
図2に示すように、支持部材6,7への装填処理において、原反ロール1はパレット8に載置支架されて取り扱われる。パレット8は中抜きの横長矩形枠状に構成され、その上面左右に立設したローラ付きの軸受け部9に芯軸3の両端突出部を載置して原反ロール1を水平に支架するようになっている。
【0023】
図3、図4に示すように、シート供給部4における原反ロール装填箇所の下方には、パレット8を載置して前後方向に搬送するコンベア10が配備されるとともに、コンベア10の手前には、パレット8への原反ロール1の積み込み、あるいは、使用済みの芯軸3をパレット8から回収搬出するための移載台11が配備されている。なお、コンベア10は、本発明の移送手段に相当する。
【0024】
移載台11は、その上面に多数の遊転ボール12を縦横に配置して構成されており、載置したパレット8を任意の方向に手押しで転動移動させることができるようになっている。
【0025】
コンベア10は、前後方向に縦回し巻回されて正逆転駆動される搬送チェーン13を左右一対並列して構成され、その搬送面が移載台11の転動搬送面と同レベルに設定されている、コンベア10の搬送領域内には平板状のパレット昇降ステージ14が備えられている。パレット昇降ステージ14は図示されていないサーボモータでねじ送り昇降されるようになっており、通常はコンベア10の搬送面より没入した待機位置にあり、必要に応じて搬送面より上昇される。なお、パレット昇降ステージ14およびその駆動機構は、本発明のパレット昇降手段に相当する。
【0026】
コンベア10の奥部には、支持部材6,7の直下の所定位置に搬入されてきたパレット8の前端辺を受け止めるゴムクッション付きのストッパ15が配備されるとともに、パレット8の左右方向姿勢が支持部材6,7の軸心pと平行な所定姿勢であるか否かを検知するパレット姿勢検知機構16が配備されている。パレット姿勢検知機構16は左右一対のリミットスイッチ17が利用されており、両リミットスイッチ17がパレット8の前端辺で共に押圧操作されることでパレット8が所定姿勢にあると判別するようになっている。
【0027】
コンベア10におけるパレット搬送径路の左右両脇には、パレット8の姿勢を強制的に矯正するパレット姿勢矯正機構18が配備されている。このパレット姿勢矯正機構18は、前後方向に向けて直線状に配置された縦板状のサイド案内部材19を、モータ駆動されるねじ送り機構などで左右方向に平行移動可能に配備して構成されている。なお、各サイド案内部材19の対向する表面には耐磨耗性および滑性に優れた樹脂材20が付設されている。なお、パレット姿勢検知機構16は、本発明のパレット姿勢検知手段に相当し、サイド案内部材19およびその駆動機構は、パレット姿勢矯正機構に相当する。
【0028】
次に、上記構成装置において、原反ロール1を両支持部材6,7に亘って装填支架する手順を、図5〜図10、および、図11の工程図に基づいて説明する。
【0029】
先ず、移載台11上において、図2に示すように、原反ロール1をパレット8に水平に載置支する(ステップS1)。
【0030】
次に、原反ロール1を支架したパレット8を手押移動させて、引き込み方向(前方)に駆動されているコンベア10の上に押し込む(ステップS2)。
【0031】
パレット8がある程度コンベア10に乗りかかると、図4に示すように、パレット8は前方に引き込み移送される(ステップS3)。
【0032】
パレット8がストッパ15に受け止められて、いずれかのリミットスイッチ17がパレット8の到着を感知し(ステップS4)、設定時間が経過するとコンベア10が停止される(ステップS5)。
【0033】
パレット姿勢検知機構16においては、図3中の仮想性で示すように、左右のリミットスイッチ17がパレット8の前端辺で押されて共にオンになればパレット8が適正な所定姿勢にあると判断する。また、図10aに示すように、いずれか一方のスイッチ17のみがオンにされている場合には、パレット8が所定姿勢から外れて傾いているものと判断する(ステップS6)。
【0034】
左右のリミットスイッチ17が共にオンされてパレット8が適正な所定姿勢にあるものと判断されると、図4、図7に示すように、パレット昇降ステージ14が所定のリフト量hだけ上昇作動し、原反ロール1の芯軸3が後退待機している左右の支持部材6,7の間に同心状に供給される。なお、この時のリフト量hは、芯軸3の径を制御装置に入力することで自動的に演算設定される(ステップS14)。
【0035】
次に左方の支持部材6が進退駆動手段に相当するサーボモータやエアシリンダなどの駆動機構によって軸心方向に進出作動され、芯軸3の左端に挿入され、その後、先端側に備えられたゴム製のチャック爪6aが拡径移動されて、芯軸3の内周に圧着固定され、これで、一方の支持部材6と芯軸3との連結が完了する(ステップS15)。
【0036】
次いで、右方の支持部材7が軸心方向に進出作動されて芯軸3の右端に挿入されて、テーパーコーン部7aを介して同心に内嵌固定される(ステップS16)。これによって、図8に示すように、原反ロール1が左右の支持部材6,7に亘って水平に装填支架される。
【0037】
原反ロール1の装填が完了すると、図9に示すように、パレット昇降ステージ14が元の待機位置まで下降して、空のパレット8はコンベア10上に載置される(ステップS17)。
【0038】
なお、図10aに示すように、左右のリミットスイッチ17の一方のみがオンされてパレット8が適正な所定姿勢から外れて傾いていると判断されると、図6に示すように、パレット昇降ステージ14が少量だけ上昇して、パレット8をコンベア10の搬送面より浮上させる(ステップS7)。
【0039】
次いで、図4および図10bに示すように、搬送径路の左右両脇に配備されているパレット姿勢矯正機構18のサイド案内部材19が進出作動してパレット8の左右端辺を押圧し、左右からの押圧挟持によってパレット8は傾きの内所定姿勢に矯正される(ステップS8)。
【0040】
パレット8の姿勢が矯正されると、サイド案内部材19が後退作動した後(ステップS9)、パレット昇降ステージ14が元の待機位置まで復帰下降して、パレット8がコンベア10に載置される(ステップS10)。次に、コンベア10が前方引き込み搬送作動を再開し(ステップS11)、左右のリミットスイッチ17が共にオンになると(ステップS12)、搬送が停止する(ステップS13)。その後、上記ステップS14〜17の工程に移行する。
【0041】
原反ロール1のシート2が消費されると、支持部材6,7の直下位置に置かれた空のパレット8を所定量hがけ上昇させて軸受け部9に芯軸3の両端部を受け入れた後、両支持部材6,7を後退作動させて芯軸3との連結を解除する。その後、パレット8を下降させてコンベア10に載置し、コンベア10を逆転作動させてパレット8を移載台11に返送する。
【0042】
次に、上記実施例装置を用いてサイド案内部材19の作動を有効にした場合と無効にした場合に原反ロール1を装置に装填したときの両比較結果を以下に示す。なお、本比較に際して、測定条件は次の通りである。
【0043】
パレット8の外形寸法を1500×650mm、芯軸の長さを1450mm、その直径に6インチのものを利用し、図12(a),(b)に示すように、図中左の支持部材6の軸心P1と芯軸3の軸心P2との距離a、および図中右の支持部材7の軸心P1と芯軸3の軸心P2との距離bのそれぞれを4回の装填作業で測定した。
【0044】
ここで、実施例では、パレット8の両端からサイド案内部材9を押し付けて原反ロール1の姿勢を矯正してからパレット8を上昇させ、両距離a,bを測定した。これに対して、比較例では、サイド案内部材19の機能を無効にして、従来装置と略同じ条件で装填作業を行って距離a,bを測定した。その結果が、表1に示される。
【0045】
【表1】
【0046】
なお、表1の平均時間とは、4回の装填作業を行い、各回でパレット8への原反ロール1の積み込みから原反ロール1を支持部材8に装填した後にパレット8が降下するのに要した時間の4回分の平均である。
【0047】
表1から明らかなように、実施例ではいずれの装填作業においても支持部材6,7の軸心P1に対する芯軸3の軸心P2のズレが一切ない。したがって、原反ロール1の位置修正なしに装填作業は終了し、最短所要時間の152secで完了する。
【0048】
これに対して、比較例は、サイド案内部材19によって原反ロール1の姿勢が矯正されない状態で、パレット8を上昇させている。それゆえに、表1に示されるように、4回の装填時の全てにおいて軸ズレが確認されている。具体的には、1回目および2回目の装填時には、図12(a)に示すように、図中左側でズレが生じ、3回目以降の装填時には、図12(b)に示すように、図中右側でズレが生じている。したがって、パレット8を一旦降下させて人手により原反ロール1の姿勢を矯正してから再び支持部材6,7に装填し直している。そのため、装填作業が終了するまでの平均時間が245secかかっている。すなわち、本実施例装置は、従来装置に対して約40%の作業時間を短縮できる。
【0049】
〔他の実施例〕
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0050】
(1)上記実施例では、パレット姿勢矯正機構18を構成するサイド案内部材19を縦板状に構成して、パレット8の左右側端辺を面接触で押圧挟持する構造としているが、サイド案内部材19に前後一対の案内突起や案内ローラを備え、パレット8の左右側端辺に前後2点接触状態で押圧する形態で実施することもできる。
【0051】
(2)パレット姿勢検知機構16に、透過型あるいは反射型の光センや、CCDカメラなどを利用して、非接触でパレット8の左右方向姿勢を検知することもできる。
【0052】
(3)パレット姿勢矯正機構18としては、ストッパ15から離れている側においてパレット8を前方に向けて強制的に移動させて左右のストッパ15に押し付けて姿勢矯正を行うことも可能である。この場合、パレット8の後端辺を係止して前方に押圧する左右一対のプッシャーを独立駆動可能に配備する手段や、左右のコンベア10を独立駆動可能に構成して、ストッパ15に到達していない側のコンベア10のみを引き込み搬送駆動して、傾いたパレット8の姿勢を矯正することも可能である。
【0053】
(4)正逆に旋回駆動可能、かつ、リフト可能なターンテーブルを左右のコンベア10の間に配備し、姿勢が外れているパレット8をターンテーブルに載置してコンベア上に浮上させて旋回することで姿勢矯正を行い、その後、ターンテーブルを下降してパレット8を再びコンベア10に載置して引き込み搬送し、ストッパ15で位置決めを行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】原反ロールとパレットの斜視図である。
【図2】パレットに支架した原反ロールの斜視図である。
【図3】シートを使用する処理装置のシート供給部を示す平面図である。
【図4】シート供給部の側面図である。
【図5】パレットの引き込み搬送状態を示す正面図である。
【図6】パレットの姿勢矯正処置状態を示す正面図である。
【図7】原反ロールをリフト供給した状態を示す正面図である。
【図8】芯軸連結状態を示す正面図である。
【図9】原反ロールを装填支架した状態を示す正面図である。
【図10】パレットの姿勢矯正作動を示す平面図である。
【図11】原反ロールの装填処理を示す工程図である。
【図12】原反ロール装填の比較動作を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 … 原反ロール
2 … シート
3 … 芯軸
6 … 支持部材
7 … 支持部材
8 … パレット
10 … コンベア
11 … 移載台
14 … パレット昇降ステージ
16 … パレット姿勢検知機構
18 … パレット姿勢矯正機構
19 … サイド案内部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填方法であって、
前記原反ロールをパレットの上に水平に載置支架する原反ロール供給工程と、
原反ロールを支架したパレットを移送手段上に移載するパレット移載工程と、
移送手段上のパレットを前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送するパレット搬入工程と、
所定位置に移送されたパレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別する姿勢判別工程と、
所定姿勢でないことが判別されたパレットを強制的に所定姿勢に自動矯正するパレット姿勢矯正工程と、
所定姿勢のパレットを上昇させて一対の支持部材の間に原反ロールを位置させるパレットリフト工程と、
前記両支持部材を進出移動させて原反ロールの芯軸に連結させる連結工程と、
前記両支持部材に亘って連結支架された原反ロールに対してパレットを下降させるパレット下降工程と、
を含むことを特徴とする原反ロール装填方法。
【請求項2】
請求項1に記載の原反ロール装填方法において、
前記パレット姿勢矯正工程において、所定姿勢でないパレットを進行方向に対する左右方向からサイド案内部材で押圧してパレットを所定姿勢に矯正する
ことを特徴とする原反ロール装填方法。
【請求項3】
請求項2に記載の原反ロール装填方法において、
前記パレット姿勢矯正工程において、前記パレットを移送手段から浮上させてサイド案内部材を作動させる
ことを特徴とする原反ロール装填方法。
【請求項4】
芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填装置であって、
前記原反ロールを水平に載置支架するパレットを転動移動可能に載置する移載台と、 前記移載台から移載されたパレットを載置して前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送する移送手段と、
搬入された前記パレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別するパレット姿勢検知手段と、
所定姿勢でないパレットを左右からサイド案内部材で押圧して強制的に所定姿勢に矯正するパレット姿勢矯正機構と、
前記パレットを昇降するパレット昇降手段と、
前記両支持部材を軸芯方向に進退させる進退駆動手段と、
を備えたことを特徴とする原反ロール装填装置。
【請求項5】
請求項4に記載の原反ロール装填装置において、
前記移送手段の搬送領域内に、パレットを載置して昇降するパレット昇降ステージを配備した
ことを特徴とする原反ロール装填装置。
【請求項1】
芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填方法であって、
前記原反ロールをパレットの上に水平に載置支架する原反ロール供給工程と、
原反ロールを支架したパレットを移送手段上に移載するパレット移載工程と、
移送手段上のパレットを前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送するパレット搬入工程と、
所定位置に移送されたパレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別する姿勢判別工程と、
所定姿勢でないことが判別されたパレットを強制的に所定姿勢に自動矯正するパレット姿勢矯正工程と、
所定姿勢のパレットを上昇させて一対の支持部材の間に原反ロールを位置させるパレットリフト工程と、
前記両支持部材を進出移動させて原反ロールの芯軸に連結させる連結工程と、
前記両支持部材に亘って連結支架された原反ロールに対してパレットを下降させるパレット下降工程と、
を含むことを特徴とする原反ロール装填方法。
【請求項2】
請求項1に記載の原反ロール装填方法において、
前記パレット姿勢矯正工程において、所定姿勢でないパレットを進行方向に対する左右方向からサイド案内部材で押圧してパレットを所定姿勢に矯正する
ことを特徴とする原反ロール装填方法。
【請求項3】
請求項2に記載の原反ロール装填方法において、
前記パレット姿勢矯正工程において、前記パレットを移送手段から浮上させてサイド案内部材を作動させる
ことを特徴とする原反ロール装填方法。
【請求項4】
芯軸にシートまたはフィルムを巻回した原反ロールを、同芯状に対向配備された一対の支持部材に亘って両持ち水平姿勢で装填支架する原反ロール装填装置であって、
前記原反ロールを水平に載置支架するパレットを転動移動可能に載置する移載台と、 前記移載台から移載されたパレットを載置して前記支持部材間下方の所定位置に向けて載置移送する移送手段と、
搬入された前記パレットの進行方向に対する左右方向姿勢が所定姿勢であるか否かを判別するパレット姿勢検知手段と、
所定姿勢でないパレットを左右からサイド案内部材で押圧して強制的に所定姿勢に矯正するパレット姿勢矯正機構と、
前記パレットを昇降するパレット昇降手段と、
前記両支持部材を軸芯方向に進退させる進退駆動手段と、
を備えたことを特徴とする原反ロール装填装置。
【請求項5】
請求項4に記載の原反ロール装填装置において、
前記移送手段の搬送領域内に、パレットを載置して昇降するパレット昇降ステージを配備した
ことを特徴とする原反ロール装填装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−254866(P2008−254866A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98350(P2007−98350)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
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