原子力発電所装置。
【課題】 原子力発電所の装置。
【解決手段】 地震、津波、送電遮断、所内停電の一つまたは複合発生により、放射性物質の所外放出に至るのを防止する、各々複数の手段を備えたことを特徴とする、原子力発電装置。
【解決手段】 地震、津波、送電遮断、所内停電の一つまたは複合発生により、放射性物質の所外放出に至るのを防止する、各々複数の手段を備えたことを特徴とする、原子力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震、津波、送電遮断、所内停電に対し、放射性物質の所外放出を防止する装置の信頼性を向上させる手段に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の天災や故障が原因で放射性物質の所外放出を招けば、大きな被害を及ぼすので、「一つの故障が原因で大事故に至る、シングル・フェーラー・ポイント(以後SFPと呼ぶ)の排除」が求められる。同種事例に対し、旅客機では人命に拘る結果につながるフェーラー・モードに付いては3重安全に、自動車は2重安全の冗長設計となっている。
【0003】
一方、世界規模では、大津波を伴う大地震は、しばしば発生して居るが、特定の地域に取っては、その発生サイクル、(信頼性工学上 mean time between failureと呼ばれ、以後上MTBFと云う)は、人の寿命より長いことが知られている。従って大地震や津波に、現場の緊張感で対応することは困難であり、フォーゲッティーでの安全確保が必要である。第二次大戦直後に軍事技術の転用として出願された自動車用エアーバッグは半世紀以上鋭意研究の結果、大多数の車で廃車まで使われる事がなく、ユーザーにはフォーゲッティーで、緊急時には、全自動で、極めて高い信頼性で作動する技術が確立された。
【0004】
しかし現行原発には、多数のSFPが存在し、その結果、福島で莫大な被害を伴う放射性物質の所外放出事故が発生し、残る稼動中原発のSFP除去が急務である。ちなみに、日航ジャンボ機事故では、3重安全設計の筈の配管が一気に破壊された。従って3重システムが芋蔓式に故障するケースを含めてそれはSFPとされる。今回の原発事故ではその種のSFPも伺われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第2957835号(図1)
【0006】
特開昭64−28592(図1)
【0007】
特願2011−109866
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
原子力発電装置は、地震や嵐、単純疲労などで、鉄塔や送電線が破損するような外部要因に依る突然の負荷遮断や、地震、津波に依る内部からの故障に対し、直ちに出力を絞り、クールダウンを図るが、電気負荷のように、瞬間的には発熱を落せず、更に2%程度まで落とした後も、冷温停止まで、更に長い時間が掛り、その間適正な冷却措置が取られなければ、炉心溶融などの重大事故を招く恐れがあるため、廃熱の処理に冗長性が求められている。
【0009】
具体的には、負荷遮断時、炉心のクールダウンまでの間、蒸気をタービンを介さず、直接復水器へ送り込むので、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。この対策として、炉心に大量の水を注入する事が必要とされるが、それまで大電力を得ていた炉の惰性から生ずる熱エネルギーを注入水で吸収しようとするには無理があり、大量の高圧水を緊急ジーゼルエンジンの出力のみで送り込むには無理があり、放射能流出事故へのマージンが少ない。
【0010】
更今回、大地震により一番重要な時期に、蒸気を直接復水器へ送り込む機能の制御電源が失われ、その後、津波で更に機能回復が遅れ、燃料棒が露出して溶融を始め、遂に大量の蒸気を大気に放出させる羽目に成った。その上、放射性物質、特に半減期の長い放射性セシュームを除去するフィルターが作動せず、フィルター故障時の冗長設備がなく、SFP状態で有った為、直接大気に放出し、所外に計り知れない被害を招いた。更に当初建屋内に放出すると云う姑息な手段を取ったために、建屋上部の水素爆発と云う結果を招き、放射能の流出を拡大させた。残りの原発について、早急な対策が必要と成っている。
【0011】
更に原発の容器は堅牢で、高温、高圧、地震の荷重に耐えても、周辺機器が津波シェルターに格納されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。
【0012】
地震や津波に依る周辺機器の小さな事故でも、それに依り原子炉建屋周辺がが汚染されれば、緊急対応はロボットに任せるしか無いが、その為の専用ロボットが存在せず、当然建屋も、周辺機器もロボットの作業性を考慮した設計が成されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。
【0013】
更に森林火災時に使用される現地のヘリコプターは、津波来襲までに一機も離陸できず、津波に依り全滅した。そして後日ヘリを調達した時点では既に上空の線量が強く成っていたにも拘らず、有人ヘリしか調達出来なかった為に、上空から前進中の散水しか出来なかったため、極めて命中率が低く、実効が得られなかった。つまり平均寿命より長いMTBFに対し、精神力で瞬発力を保証するのは困難である。
【0014】
しかし、地震国日本には、既に稼動中の原発が多数有り、今後同じ事故の発生を恐れてそれらを止めれば、国民生活にも産業にも重大な被害が及ぶので、作り直さず、現有機の手直しで、出来れば稼動状態のまま、安全性を高める手段を中心とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の手段は、負荷遮断時、炉心のクールダウンまでの間、蒸気をタービンを介さず、直接復水器へ送り込む従来の方法では、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。この対策手段として、炉心に大量の水を注入する事が必要とされるが、それまで大電力を得ていた炉の惰性から生ずる熱エネルギーを注入水で吸収しようとするには無理があり、大量の高圧水を緊急ジーゼルエンジンの出力のみで送り込むには無理があり、放射能流出事故へのマージンが少ない。その対策手段として、負荷遮断の際、原子炉は直ちに停止するが、タービンへの蒸気の供給は続ける。そして原子炉の惰性の発熱で発電された電力は専用の器械または電気抵抗器で熱に替え、その熱は海水に吸収させる。その制御は自動電動を優先させるが、停電の際は、容易に手動操作可能とする。
【0016】
この対策として原子炉の外側の圧力抑制プールの外周に、緊急時に海水を導入する常圧のプールを設ける発明がなされた。特許第2957835号(図1)では、海水と自然循環させる事で電力を要しない事を特徴としたが、海水の水位は干潮、満潮、大潮、低気圧、波浪に依り変化するので、安定した性能が望めず、最終取得時点ではモーターを使ったポンプを主体とする事に訂正されたので、停電では作動しなくなる。更に特開昭64−28592(図1)のように、山の上の池から水を引く案、建屋の屋上にプールを設ける案も出願されて居るが、地理的条件に関わり、現行原発への適用は困難である。更に数百年先かもしれない大地震に対し、プールの水を常時付勢に保ち続けることは、非現実的な労力を必要とする上、海水と違い、大量の熱エネルギーを吸収するだけの容量を設けることは困難である。本発明では海水を注入する手段の複数化により、SFPを防止した。
【0017】
海水の注入は、屋上の他、ベランダからも可能とする。屋上からの水は主としてヘリからのもので、プールへの切り替え弁は、建屋外からも可能とし、ベランダへの放水も、隣接する津波シェルターから避難した自動車の動力を使った放水、地上の消防車から、又津波からも給水可能とし、各時点での建屋外からの注水の冗長性を保っている。
【0018】
更に今回、大地震により、蒸気を直接復水器へ送り込む機能の制御電源が不条理に切られ、その後、津波で更に機能回復が遅れ、燃料棒が露出して溶融を始め、遂に大量の蒸気を大気に放出させる羽目に成った。その上、放射性物質、特に半減期の長い放射性セシュームを除去するフィルターが作動せず、フィルター故障時の冗長設備がなく、SFP状態で有った為、直接大気に放出し、所外に計り知れない被害を招いた。更に当初建屋内に放出すると云う姑息な手段を取ったために、建屋上部の水素爆発と云う結果を招き、放射能の流出を更に拡大させた。本発明は代替除染装置の外部接続を可能にして、SFPを防止する。
【0019】
更に原発の容器は堅牢で、高温、高圧、地震の荷重に耐えても、周辺機器が津波シェルターに格納されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。この対策として本体建屋と周辺補器の双方を津波シェルターに収容する。その方法は、津波の高さは特定出来ないが、ピーク高さの持続時間は短い事が知られている為、防潮堤のみに頼らず、短期的に津波に水没しても支障のないシェルター方式をとる。特に津波と防波堤との出会いは、近寄り速度を持ったウオーターハンマーの可能性があり、衝突工学上エネルギー吸収ストロークの導入が重要であるが、伸びに弱い鉄筋コンクリートの頼らず、船舶のように、鉄製とし、なるべく全溶接を避けて、スティックスリップに依る減衰効果のある、ボルトやリベット組み立てとする。外販も変形しても破断しない薄板とし、前段バリヤは、パンチメタルやエクスパンドメタルを使用して一部の海水の通過を認め、乱流に依る衝突エネルギーの消耗を図るる場合もある。鉄筋に与圧力を与える、テンションコンクリートと云う手段も有るが、防波堤は平面図上でくの字に折れ曲がろうとする曲げモーメントも有り、施工困難である。
【0020】
地震や津波に依る周辺機器の小さな事故でも、それに依り原子炉建屋周辺がが汚染されれば、緊急対応はロボットに任せるしか無いが、その為の専用ロボットが存在せず、当然建屋も、周辺機器もロボットの作業性を考慮した設計が成されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。
【0021】
本体の原発建屋内で、高度な制御器を使っても、ブラックボックスに成っていれば、それはSFPです。多数のセンサーやアクチエーターを従えていれば、更に故障の要因が増え、信頼性は低下する。特にクールダウンの工程は時間との勝負ですから、ブラックボックスの故障箇所を追求し、修理している時間はない。従ってNASAの制御室の様に、ブラックボックスごと交換する方法も有るが、多数の配管を擁する原発では、それは困難ですから、本実施例の如く、飛散防止に必須の回線、配管は、外部に取り出して処理出来るようにする。同時に外部からロボットが操作し易い構造とする。
【0022】
更に森林火災時に使用される現地のヘリコプターは、津波来襲までに一機も離陸できず、津波に依り全滅した。そして後日ヘリを調達した時点では既に上空の線量が強く成っていたにも拘らず、当初有人ヘリしか調達出来なかった為に、高空から、しかも前進飛行中の散水しか出来なかったため、極めて命中率が低く、実効が得られなかった。つまり平均寿命より長いMTBFに対し、精神力で瞬発力を保証するのは困難である。しかし新幹線は地震予知信号で当該路線の全線自動停止に成功したので、この信号を転用して無人ヘリを自動離陸させる。
【0023】
更に本発明の具体的手段を示せば、送電先の事故で、ブレーカー開き、タービンが無負荷となり、オーバーランするのを防止するため、蒸気を直接復水器に戻す。同時に原発の出力も閉じるが、原発は慣性が有って、急には全閉出来ないので、炉心のクールダウンまでの間、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。
【0024】
その対策として図1〜図3にも示すように、特にクールダウンの初期には、正規のタービンやクールダウン専用のタービンに、電熱器や水車の負荷を掛け、海水にエネルギーを消費させる。制御系が生きていれば、電流のデューティー比をコントロールしてクールダウンの進展に合わせた負荷調整を行うが、一般の高圧受電装置と同様、豪雨の屋外でも人力でスイッチング可能とする。 更にクールダウンが進んだ場合はピストン式蒸気エンジンを使用して負荷を掛ける場合もある。
【0025】
一方、出来れば復水器内のドレン水を、直接ポンプで循環させる事が望ましい。しかし炉の全力運転時にも使用するポンプやモーターは大型で、緊急用発電機で駆動する事が難しい。またその様な大型の内燃機関を常時整備するにも、不要の労力を要し、整備後のエンジンの全開試運転も難しいので、不調のまま放置される可能性があり、現に事例も発生し、信頼性に欠ける。従って本案では、炉の緊急停止過程、クールダウン専用の小型復水ポンプを設け、乗用車から大型トラックまで一般車の駆動力を利用した発電機、又は直接駆動で作動させる。一般車は車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性を保持している。原発に隣接する津波シェルターの駐車場に安い駐車料金で日常多数保持し、更に津波警報で避難して来る車を収容すれば、極めて冗長性の高い動力源と燃料源として利用する事が出来る。日常防災以外の用途に使用中の多数の機器を流用する事に依り、高い信頼性が得られる。燃料タンクも空から満タンまで分布して居れば、平均50%は期待出来、乗用車でも8台有ればドラム缶一本分の燃料を積んでいる。
【0026】
一方、図4に示すように、自動車用エアーバッグは、常時付勢では無いが、大衆商品として極めて高い発進の信頼性が得られ、格納時の信頼性を監視するシステムを含めた専用マイコンも市販されて居るので、是のガス発生量のみを大型化したものを、複数個利用して、特にクールダウンの初期に、炉に送り込む高圧水を得る。スプリンクラーは常時10気圧程度の加圧水を提供しており、法的な整備規制も有るため、是を炉への給水時のみ増圧して流用する場合もある。但し高圧を掛けると、スプリンクラーのヘッドが誤作動する恐れが有るので、給水コックを炉側へ切り替えた場合のみ火薬への点火を可能とする。基本は送電遮断と連動する自動制御が望ましいが、全てダウンしても、手押し発破器でも起動できる。
【0027】
従来、緊急時専用の大型内燃機関を起動し、緊急用発電機を回し、モーターと高圧ポンプを介して炉28cへ注水するには様々なリスク、フェーラーポイントガ有る。例えは燃焼室は火炎に曝されるので、時々馴らし運転をしなければ、シリンダーが錆びてくる。定期的に分解整備も必要になる。これらを千年に一度とも云われる津波に備えて、緊張感を持って点検整備を続けさせる事は人事管理上も極めて困難で、不経済である。内燃機関も爆発から出力を得て居るので、推薬で直接水を押し出す本実施例では、稼動メカ部が全く無く、ガス発生器は複数待機させられるので、低いメンテナンスコストで極めて高い信頼性が得られる。ヘリからの注水が重要な初期に於いて、図8のプール7への水は貴重であるため、原子炉格納容器の外周をネジ状に、北半球では反時計廻りに流れ下るようにし、初期の水を有効に利用する。一方、プールの水位が高く成った段階では、プール内に北半球では反時計方向の回流を発生させ、原子炉格納容器3の外周に付着した粟を除去して伝熱効率を向上させる場合もある。
【0028】
一方、過って炉内の気体を緊急放出することに成った際、建屋内のフィルター回路が故障していたため、フィルター無しで放出した。更にそれを外部に漏らさぬよう、建屋内に滞留させたが、既に燃料棒の一部がオーバーヒートで破壊されて居たため、建屋の上部に水素ガスが溜まって爆発事故となり、放射能物質を広範囲の畑や河川、引いては水道水まで汚染させる結果と成った。是はSFPで有るから、必要な排気管は、直接建屋の外にも出し、外付けの除染機器に繋げるようにする必要がある。
【0029】
そして排出された放射性蒸気は機械式フィルターを通した後、横置き風洞に通し、上からほう酸水を噴射して、放射性の塵を除去する。これは、デパートの様な人の集るところで、内気を循環させる際、客の出す埃を除去したりする際に、又外気を導入する際に外の砂埃を除去する際にも、同様のものが既に使用されている。緊急時にはビニールハウスの中にシャワーを設ける手段もある。排出される蒸気を、海水に漬けた熱交換器に通し、冷えた気体を風船に収容し、コンテナーに詰めてとりあえず、現場から排除する選択肢もある。
【0030】
同様に、炉の中腹の燃料棒が露出しない限界の水位の位置からも、建屋外壁まで、計測用細管を設置し、水位計の信頼性を立証させる絶対検量にも使用する。
【0031】
以上主として大地震に依る、主として周辺機器の故障から来る放射能拡散の危険を、主として手動で除去する手段を示したが、大地震の後には大津波が来る。遠隔地の大地震で津波だけが来る場合もあるので、その対策が無ければ、放射能の拡散防止は完結しない。更にその手段は、既に存在する多数の原発に適用可能でなければ、現実的でない。
【0032】
津波は速度エネルギーを持って居るので、衝突工学的対応が必要である。自動車の衝突では、双方の吸収ストロークが大切で、ストロークがゼロなら、衝突荷重は無限大になる。水は非圧縮流体であるから、平板の防潮堤で立ち向かえばウオーターハンマーが発生する事は水力学の基礎であり、是を避ける為に船舶は流線型に成っている。更に鉄筋コンクリートと云うものは、安価を目的とした手段で、膨張係数は同じだが、鉄筋は数%も延びなければ最大荷重が出せないが、セメントは伸びに弱いので、曲げモーメントに依り、自重に依る予圧力を超える伸び荷重が繰り返し加われば瓦解するので、防潮堤には馴染まない。現に超高層ビルはすべて鉄骨構造であり、船舶も鉄製である。
【0033】
そして津波の高さは自然現象であるから、特定し難く、更に防潮堤に当たれば、速度エネルギーが位置エネルギーに成って加算されるので、更に特定し難く、是を防潮堤の高さのみで阻止するのでは、信頼性は保証されない。船舶は甲板が波に洗われても客室に影響は無く、コンテナ船も甲板に積み上げているが、積荷に浸水はない。従って原発建屋も補器の保護も、流線型シェルターが基本で有り、既成の原発建屋に対しては、衝突対策を前面に出し、原発建屋は、後方で静圧と成った水圧に対して、水密対策を施す必要がある。
【0034】
図13にも示すように、衝突対応は、津波、引き波の方向に、船首の船底に相当する流線型カバーを設ける。支持部材は鉄骨が望ましい。船舶も全溶接船より、スティック・スリップで衝撃エネルギーを吸収するリベット船の方が強靱な事が実証されており、本例もボルト付けが望ましい。ボルト穴を長穴にする発明も公知である。表面板は鉄板とし、小穴を多数空けたり、エクスパンドメタルにして、水流を一部通過させ、乱流として速度エネルギーを消耗させる場合もある。その後方の建屋は主として静水圧を対象とする水密工事を行う。
【0035】
データーに依れば、大津波の基本波の持続時間は約20分である。是に対し、プレートの沈み込み部に堆積した土が連動して飛び上がる、分岐断層による津波の重畳波は、高さ3メーターレベルの持続時間が約5分、6メーターレベルの持続時間が約2分半と云うピーキーな波形である。従って衝突用流線型堤防と建屋との間に落とし穴を設けて、ピーキーな波形部の水をキャパシターとして貯水させ、引き波の間に、小穴より放水させる場合もある。放水穴には一方弁を設ける場合もある。
【0036】
現有の原発で、本体建屋の外に配置されている機器を、津波シェルターに収容る手段の実施例は、 特願2011−109866「津波用シェルター」の図9に示すように、2階を気密にして津波シェルターとするのが有利である。それは上記のように、津波の水位が2階の床面より高く成り、シェルターが孤立する時間は数分程度と極く僅かだからである。更に前記のように、大津波のMTBFは千年とも云われ、非常に長いため、シェルターの気密はフォーゲッティーで保証される必要が有るため、シェルターへの出入りは、日常も緊急時も、1階から車はスロープで、人は階段、エスカレーター、2階で行き止まりのエレベーターを利用して出入りする手段とする。シェルター内に日常駐車したり、津波警報で避難して来る一般車は、車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性が確認済みで、更に台数が多い分、冪乗の信頼性を持っている。従って上記先願の図9の実施例に加え、図15に示すように、その車輌を複数台、原発のプールの注水に転用したり、放水銃で図8のベランダに放水させたり、図8の地下トンネルから配管でプールに直接給水する場合もある。津波の水位がベランダを越える期間は、津波の海水も直接給水に使われるようにする選択肢もある。
【0037】
上記のように、津波の基本波は20分程度に渡って2メーター程度の厚さの水を送り込んで来るので、海岸線に丈夫なビルが並んで居れば、海岸から奥地に向う道路に、水かさを増して集中的に流れる。いわゆるリアス式市街地となる。従って従来の例でも、原発本体建屋を高層にすれば、周囲の補器がより高い津波に襲われる傾向が有った。今後、海岸線に高層ビルが増えると予想されるので、その分、津波が通れる部分の水かさが増す事が予想される。従って、津波を阻止する部分と、シェルターの上を通過させる部分とのすみわけ、即ち海上から海岸線を見た場合の各高度当たりの空間デューティー比を考慮した街づくりが必要になり、特に原発付近では、原発の保護を優先させたレイアウトとする。
【0038】
上記車輌は、ボンネットを開き、ラジエーターキャップを外して、桶の水と繋ぐ場合もある。この際は、エンジン内で沸騰した蒸気はエンジンのポンプに依りラジエーターの上部タンクに送られるので、桶から放出され、替わりに桶の水が補充される。
【0039】
防火シャッターは、自重で閉じるよう、重力を利用した常時付勢構造に成っており、火災時の熱でヒューズメタルが溶断すれば、人間が挟まらぬよう、ガバナー機能に依り静かに閉まる。新型の原発も、制御棒が炉の下部にあり、送電遮断時、燃料棒を落下させて、燃焼を止める常時付勢構造になっている。従って上記の様に送電遮断時、急速に炉の水位が下がっても、燃料棒も下がるので、空焚きのリスクが小さい。又、若し空焚きでメルトダウンが起こっても、炉の底は密閉されて居るので、炉の底が破壊されるリスクが小さい。しかし最近福島で事故を起こして放射性物質の所外大量放出を招いた炉を含め、現在稼動中の炉の古い炉は、燃料棒は動かさず、制御棒を重力に逆らって持ち上げて燃焼を止める形式に成っている。従って水位が少し下がっても、空焚きが起こり、メルトダウンへのマージンが少ない。しかも高圧が掛った炉の底に穴を開け、棒を通して制御棒を通す構造には機械工学的に無理があり、空焚きでメルトダウンが起れば溶けた燃料が炉の底に溜まり、制御棒の支持部を溶かす危険があり、そうなれば、制御棒が落下して炉が全開になり、加速度的にメルトダウンが起きる危険が大きい。そうすれば、炉の底の穴から炉内の放射性の水が高圧で噴射される可能性が高く、更に洩れた高濃度の汚染水を受ける圧力抑制プールも複雑な溶接構造であるため、地震の影響で亀裂が生じ、鉄筋コンクリート製の地下室に高濃度の汚染水が溜まっている。更に。鉄筋コンクリートは伸び荷重に弱いため、地震に対し、水密性能は保証出来ず、結果として所外の海中に高濃度の汚染水が流出した。その影響は海流に乗って世界に拡散するため、被害は極めて大きい。
【0040】
従って未だ事故を起こしていない沸騰水型原発の安全対策も必要である。若し炉内の水位が不足して空焚きとなって、燃料棒が溶融し、炉の底部に落下した場合には、細かい格子状になっている緊急用制御棒で細分化して受け止めて、再臨界を防止し、炉の底に接して冷却させる。其処も突破されたら原子炉格納容器の底にも緊急用制御棒を設け、更にその下の建屋にも設け、三段構えて、SFPを排除する。
【0041】
上記メルトダウン以前にも格納容器にはリング状部品167が溶接されて居るなど、構造が複雑なため、大地震の荷重により、亀裂が生じ、高濃度の汚染水が中に漏れ出し、更に建屋の亀裂から海中に放出される事故が起きている。この対策として、格納容器の外側にステンレス製の水槽を増設して漏水を防ぐ。更に炉に補給した水が漏れて増設した水槽の水位が燃料棒の正規位置より高くなる様にして、炉を完全に水没させる。更にその外周に図8の7に示すプールを設け、海水を供給して炉を冷やす。温まった海水を海に戻す際に、海水中の不純物が、高濃度の汚染水で汚染されない様に、プールの外壁は鉛で囲う。
【発明の効果】
【0042】
本発明の原子力発電設備は、上述の如く構成されたため、大地震、大津波、送電遮断、所内停電の一つまたは複数の要因に対し、所外への放射性物質の飛散と云う重大な損害の発生を防止することが出来る。且つ現有の原発に対し、定期点検時の追加工事で、一部は稼動中の修理で対応出来る。更にそのコストは福島原発の事故時の所外の被害額に比して極めて僅かで、当該原発の建設費に比しても充分に安価なものである。従って、福島原発の被害を踏まえて安全対策の追加工事が必須と成っている現状を踏まえ、社会的ニーズ、効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】 第1の手段についての実施例を示す。
【図2】 抵抗器部分の他の実施例を示す。
【図3】 他の実施例を示す。
【図4】 他の実施例として推薬を使って緊急注水する例を示す。
【図5】 図4のガス発生器の詳細詳細を示す。
【図6】 封版部の詳細を示す。
【図7】 封版部の破断時の状態を示す。
【図8】 第2の手段についての実施例を示す。
【図9】 図8の切り替え弁15の詳細を示す。
【図10】 図8の切り替え弁15の操作部を示す。
【図11】 外部機器取り付け口の一実施例の詳細を示す。
【図12】 図11の外部装着側コックの詳細を示す。
【図13】 津波対策の実施例として本体建屋用シェルターの実施例を示す。
【図14】 図13の他の実施例を示す。
【図15】 周辺補器用津波シェルターの実施例を示す。
【図16】 図15の放水銃部の詳細を示す。
【図17】 沸騰水型原発の安全対策の実施例を示す。
【図18】 緊急用制御棒の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は第1の手段についての実施例を示し、28は蒸気発生器、29は高圧タービン、30は低圧タービンで、発電機32の電力はブレーカー34を介して送電線35に出力される。若し送電先の事故で、ブレーカー34が開くと、32が無負荷となり、タービンがオーバーランするので、コック36を閉じ、37を開いて蒸気を直接復水器31に戻す。同時に原発の出力も閉じるが、原発は慣性が有って、急には全閉出来ないので、炉心のクールダウンまでの間、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。従って直ちにはコック37を開かず、制御器38が32の電力を、優先的に、図示されない復水ポンプに回し、余った分を公知の双方向コンバーターを介して直流に変換し、コンデンサー39に蓄え、更に余った分を、海水に浸かった抵抗器52のホット側電極40に流す。発電機のアース側は多重ケース41につなぐ、41は蒸発した海水が補充される程度の多数の小穴を有する、ステンレス製のパンチメタル、エクスパンドメタル、金網などで作られており、海水中への漏電を防いでいる。例え熱湯や微量の漏電が有って、近くの魚が死亡しても、放射能汚染に比して、被害は軽い。
【0045】
制御器38は、炉心のクールダウンまでの各時点での炉心の発熱を最大限消化するよう、電極40への電流のデューティー比をコントロールする。38の電源には32の出力を直接供給し、停電のリスクを防ぐが、若し故障の場合は、手動スイッチ42を介して、直接32に負荷が与えられる。抵抗器52は投込み式湯沸かし器の構造とする場合もある。更に手動スイッチを使用する場合は43を介して複数の負荷を使い分けて、負荷調整を行う場合もある。
【0046】
クールダウンが進み、正規のタービンが機能しなくなった場合には、コック44を開いて、超低圧タービン45を作動させる。46は45で駆動され、下向きに海水を噴出させる水車で、47はそれに対抗するステーターで、38に依って制御される、図示されないモーターに依って駆動されるネジ48により、ギャップ49を調節して、タービン45の負荷を調節する。若し停電の場合は、ハンドル50により、手動でも制御出来るようにする。
【0047】
更にクールダウンが進んだ場合は、コック51を開き、図示されないピストン式蒸気エンジンを使用して、水車46を駆動する場合もある。
【0048】
図2は抵抗器52の他の実施例で、32aは発電機、38aは制御器、52aは抵抗器のケース、40a、41aは電極である。Iビーム53は碍子54、55を介して建屋の天井56に結合されている。57は無動力の横行トロリーで、固定長のケーブル58を介して、バケット59の右端に結合されている。59の右端にはケーブル60の下端が結合され、60の上端は、トロリー61上のプーリー62を介して、Iビームの左端63に結合されている。一方、ケーブル64の左端はトロリー61に結合され、右側は碍子65を介して電動ウインチ66に結合されている。66を巻き取って、バケットが59aの位置にある時に、図示されないポンプに依り、パイプ67から海水を注入する。
【0049】
バケットが一杯に成ったら、ウインチを逆転させれば、バケットは自重で59の位置に戻り、海水は漏斗68を介して52aに注入され、52aの底に溜まるので、電極板69、70間に通電され、海水は沸騰して排気管71より外気に放出される。
【0050】
それとは別に、電極40a、41a間には、抵抗72を設ける場合もある。その際、若し注水が間に合わなければ、抵抗がメルトダウンする場合も有り得るが、炉心溶融と違い、放射能の拡散はない。抵抗72は複数設けてスイッチで切り替える場合もある。図では抵抗72は、電極板69、70の上に設けられているが、逆の場合や、其々単独に使用する場合もある。排気管71内の蒸気は帯電の可能性が考えられるので、碍子73、絶縁蛇腹管74を挿入し、ケース52aも、碍子75で浮かせてある。
【0051】
ウインチ66は電動で有るが、停電の場合は図示されない機構で、手動に切り替える。その際、空のバケットを59の位置から59aまで移動させるのは人力でも容易で有り、満杯のバケットを59の位置に移動させるには、ウインチに付けたブレーキを緩めたり、ラッチを外して、羽根車式ガバナー機構でゆっくり戻すなどの公知の手法に依れば、人力のみで、往復操作が可能である。U字管76は蒸気の逆流を防いている。
【0052】
図3は他の実施例で、28bは蒸気発生器、30bはタービンで、送電遮断時は発電機32bの電力は、制御器38bを介して、圧力容器52bに挿入された投込み式電熱器77に供給されている。
【0053】
この際52b内に予め緊急用水78が蓄えられている場合は、77の発熱により沸騰し、内圧が28bを超えれば、高圧高温水として給水される。温度、内圧、流量は図示されないメーターで計測し、38bで制御するる。熱源が28b内の原子力である以上、77の発熱エネルギーが給水エネルギーを上回ることはない筈であり、外部動力を必要とせず、空焚きを防止できる。
【0054】
若し78内に水が無かったり、使い切った場合には、コック80を開いた後、コック81を開いて、約10気圧程度に加圧されているスプリンクラー82の水を流用する。それが尽きたら、屋上の上水、中水タンクの水を水位による水圧で送り込む。更に水道水や消防用水を送り込む場合もある。万策尽きた場合は廃炉を前提として、コック83を開き、海水84を送り込む場合もあるる。その際、海水面の方が低かった場合には、津波シェルター内の自動車の駆動力を使ってポンプを回して送り込む場合もある。
【0055】
一方、出来れば復水器31b内のドレン水を、直接ポンプ85を利用して循環させる事が望ましい。しかし炉の全力運転時にも使用する85や、その駆動モーターは大型で、緊急用発電機で駆動する事が難しい。またその様な大型の内燃機関を常時整備するにも、不要の労力を要し、整備後のエンジンの全開試運転も難しいので、不調のまま放置される可能性があり、現に事例も発生し、信頼性に欠ける。従って本案では、炉の緊急停止過程、クールダウン専用の小型復水ポンプ86を設け、乗用車から大型トラックまで一般車の駆動力を利用した発電機、又は直接駆動で作動させる。一般車は車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性を保持している。原発に隣接する津波シェルターの駐車場に安い駐車料金で日常多数保持し、更に津波警報で避難して来る車を収容すれば、極めて冗長性の高い動力源と燃料源として利用する事が出来る。日常防災以外の用途に使用中の多数の機器を流用する事に依り、高い信頼性が得られる。燃料タンクも空から満タンまで分布して居れば、平均50%は期待出来、乗用車でも8台有ればドラム缶一本分の燃料を積んでいる。
【0056】
一方、タービン30b、発電機32bは、通常営業発電に使用中の機器を使用せず、クールダウン途上の炉の発熱に合わせた仕様の物を使う場合もある。更にピストンタイプの蒸気エンジンを使用する場合もある。更に発電機32b、電熱器77を使用せず、直接復水ポンプ86を駆動する場合もある。
【0057】
一方86に期待せず、78の水を使い切った場合、コック80を開いて52b内の圧力を復水器31bより低くした後、コック87を開き、一方弁88を介して復水器31b内のドレン水を52b内に供給して後、再び77で加熱する場合もある。但しその場合は、52b内が汚染されるので、次回ドレン水を注入する場合には、コック89を開いて、フィルター90を介して外気に放出させる。
【0058】
この様にすれば、何時必要になるか判らない炉心急停止に対して、予め準備する事無く、手動操作のみで、安全なクールダウンが図れる。
【0059】
図4は炉に緊急注水する為の他の実施例で、28cは蒸気発生器、91はアキュムレーターで、92は耐熱ゴム製のペローズで、下側に水93、上に窒素ガス94が封入されている。95は、自動車用エアーバッグに、構造的に類似したガス発生器で、複数埋め込まれている。そして96、97、98の3系統の起爆回線を持っている。炉を緊急停止し、炉内の水位が下がって空焚きの危険が生じた際には、制御器38cが判断して96を介して95に窒素を主成分とするガスを発生させて、アキュムレーター内の圧力を上げる。炉28c内の正常圧力はタイプに依って異なるが、70〜160気圧であるため、アキュムレーター内の圧力は200〜400気圧程度とする。その時点でコック99を開けば、一方弁100を介して炉28cに注水される。その圧力推移はデジタル圧力計101、102を介して38cで監視し、制御され、若し102の方が101より低くなった場合には、他のガス発生器95を作動させて追い炊きを行う。ペローズ92は無くても大きな問題はない。
【0060】
ガス発生器95は、96を通じた起動電流が、95内部の電気雷管109の電熱線(通称スクイブ)に供給されることに依り行われる。スクイブには、常時38cより微小電流を流してスクイブの断線を監視している。しかし起動電流を流した瞬間に断線する場合も有り得るため、スクイブは並列に2回路設けられている。これらの回路は既にエアーバッグ専用に市販されているマイコンを流用する。レティネス・インジケーター部などは、共通に利用出来るが、エアーバッグの場合は数ミリ秒で起動させるため、見切り発車を行うので、その点は本例の方が余裕があり、より信頼性を向上出来る。
【0061】
制御系の故障や停電の際は、市販の手動起爆装置103のレバー104を押し下げる事で、98を介して起動させる。
【0062】
97はTLX(Thin laminated explosivsと云い、細い透明チューブの内壁に、火薬を薄く塗ったもので、一端に着火すると、マッハ11程度で火炎を伝える高速導火線て、戦闘機やスペースシャトルの脱出用に使われる。)で、制御器38cとの距離が離れていたり、発電装置からの誘導電流がある場合には使用する場合もある。105はTLXの起動装置で、電流に依る熱起動の他、撃鉄に依る器械起動の場合もある。
【0063】
水93を使い切った場合は、コック106を開いて94の内圧を下げ、コック107を介して注水し、91上に設けられた他のガス発生器95を使うか、又は使用済みのガス発生器を外して交換する。
【0064】
図5はガス発生器の詳細で、ガス発生器95は、アキュムレーター91に、銅パッキン108を介してねじ込まれており、その上に電気雷管109がねじ込まれている。110は推薬で、爆発的に燃焼せず、しかも燃焼熱を利用して窒素を主成分とする比較的低温の気体を放出する様になっている。111はフィルターである。下部の詳細は図6に示し、95はガス発生器のケースで、底板112が結合され、その下に密着して封板114が設けられている。封板114の外周はケース95にはんだ付けされている。112には、ガスを排出するための多数の小穴113が設けられている。更に95の下端にはブリッジ板115が結合されている。116はそれと直交するブリッジ板で、その尖端部117は、ナイフの様に尖らせてある。今他のガス発生器が作動して、この発生器が待ち受け状態にある時は、封板114には下から最大400気圧が掛るが、小穴113の開口部面積では封板は破裂しない様になっている。しかし本器が作動した時は、封板には95の内径面積に対し、外圧の数倍の圧力が加わるので、封版の中央は下側に膨らみ、刃先117に押し付けられるので、図7の118の様に、花びら状に開くので、ガスの放出の障害にならず、且つ破片が飛散する恐れがない。本図ではブリッジ板が直交しているので、花びらの先は90度と成るが、ブリッジ板を3枚以上にして、60度以下にさせる場合もある。
【0065】
アキュムレーター91の内圧を、最大400気圧としたのは、気体をそれ以上圧縮すると分子の大きさの影響で、体積の減少に対して圧力が急上昇するためで、窒素ガスのマザーボンベも400気圧で市販されており、市販の燃料電池車の水素タンクも350から400気圧を利用しているからである。しかし本例ではMTBFが極めて長く、その間内部が腐食し、緊急時に400気圧を掛けた途端に爆発する危険がある。その為には腐食し難い金属で製作する必要が有るが、高圧気体用ボンベが爆発すると、「鯵の開き」の様に成る事が知られている。その際その反力でボンベ自体が飛翔し、周囲の機器を破壊したり、複数配置した筈のアキュムレーターの誘爆を招き、SFPになる危険も想定されるため、燃料電池車の様に、ボンベの外周を「高抗張力レーヨン」の様な、大荷重を負担しながら伸びる材料で補強する。そうすれば、例え金属にひびが入ったり、銃で撃っても、気体が洩れるだけで、爆発はしない。燃料電池車の場合は洩れた水素で車庫が爆発する危険が有るが、本アキュムレーターの場合は、不活性ガスを使用している。93側の水は非圧縮性流体のため、破裂しても危険は少ない。
【0066】
従来、緊急時専用の大型内燃機関を起動し、緊急用発電機を回し、モーターと高圧ポンプを介して炉28cへ注水するには、様々なリスク、フェーラーポイントガ有る。例えば燃焼室は火炎に曝されるので、時々馴らし運転をしなければ、シリンダーが錆びてくる。定期的に分解整備も必要になる。これらを千年に一度とも云われる津波に備えて、緊張感を持って点検整備を続けさせる事は人事管理上も極めて困難で、不経済である。内燃機関も爆発から出力を得て居るので、推薬で直接水を押し出す本実施例では、稼動メカ部が全く無く、ガス発生器は複数待機させられるので、特に初動装置として、低いメンテナンスコストで極めて高い信頼性が得られる、
【0067】
図8は他の実施例を示す。図で原子炉2内は、大容量の発電の為に高温高圧になって居るので、炉を停止した後のクールダウン工程では100度を沸点とする常圧の冷却水でも賄える筈てすから、初期に空焚き防止のため、2内に注水する必要は有っても、燃料の惰性による予熱自体は大気圧下の外周プールで処理する方が動力が節約でき、それだけ信頼性が高い。図で1は炉心、2は原子力圧力容器、3は原子炉格納容器、4はドライウエル、5はベント管、6は圧力抑制プール、7は外周プールで、8は原子炉建屋、9はその屋上である。
【0068】
11は無人ヘリコプターで、その地区の新幹線の地震予知に依る減速指令に連動して自動離陸し、原子炉の停止完了信号を受けて、ケーブル12で吊り下げた袋13の海水を屋上9に投下する。本震やそれに続く連発余震、更にそれに続く津波か屋上に達する危険もあるため、海水の汲み上げ、屋上への投下は何れもホバリング中に行う。原子炉停止が必要となる巨大地震のMTBFは非常に長いので、その間ヘリの乗員を24時間365日待機させる経費は高価のため、無人ヘリは必須である。日常は、屋上に降った雨は雨水取り入れ口14に集められ、切り替え弁15により、雨水管16へ導かれるが、緊急時は17を通ってプール7に入る。27はその際の7内の空気を抜くための通気管である。若し弁15が緊急時用に切り替わっていなければ、ヘリより投下した水が、18より放出されるので、建屋の外から容易に監視出来るように成っている。
【0069】
19はベランダで、隣接する津波シェルターの放水銃の水が届く位置に設けられている。地上の消防車の屋根に取り付けられた放水銃で直接狙う事も可能にする。津波の水位がベランダに達する場合には、それも利用する。そのためフィルター20が設けられている。地下には隣接する津波シェルターに通じるトンネル26を設け、送水管22に依って送水する場合もある。その際には、途中の要所に、金属製蛇腹送水管23、24、25を設けて地震による地殻変動を吸収させる。この様な金属製蛇腹は、スペース・シャトルの噴射口が、ジンバルの周りに揺動する際に、燃料タンクからの配管を繋ぐ際に用いられ、高い信頼性が実証されている。
【0070】
ヘリからの注水が重要な初期に於いて、プール7への水は貴重であるため、17を下る水は、原子炉格納容器3の外周をネジ状に、北半球では反時計廻りに流れ下る樋121に注がれる。初期の6の水温は100度を大きく越えているため、121を流れ下る水は、下まで着かない内に、蒸発し尽すので、初期の水を有効に利用出来る。
【0071】
一方、7の水位が122の如く充分な高さに成った段階では、管の出口は123のように、プールの底に設け、その出口は北半球では反時計方向に向けることに依り、プール内に北半球では反時計方向の回流を発生させ、原子炉格納容器3の外周に付着した泡を除去して伝熱効率を向上させる。
【0072】
図9は、切り替え弁15の詳細を示す。図で9は建屋の屋上で、通常雨水は14より弁15に入り、弁板124に依り、排水管16に流れる。緊急時は軸125を回して126の状態にし、ヘリの投下した水を17を介して図8のプール7に入れる。図10は建屋の外観図を示し、軸125はレバー127により、建屋の外から、手動で容易に切り替え出来るように成っている。梯子129は作業者の他、梯子とレバーとの位置関係を教えた、図示されないロボットでも、容易に操作出来るように成っている。即ち、放射能拡散事故を防ぐ手段は、建屋の外から容易に制御できる他、制御の結果も屋外から容易に確認でき、ロボットでも単純な動きで操作可能で、ロボットの操作行動も屋外から容易に確認できるようにしてある。図はスライド扉128を開けた状態を示し、待ち受け時は津波やテロの攻撃から守れるように閉じておく。
【0073】
一方、過って図4の120から炉内の気体を緊急放出することに成った際、建屋内のフィルター回路が故障していたため、フィルター無しで放出した。更にそれを外部に漏らさぬよう、建屋内に滞留させたが、既に燃料棒の一部がオーバーヒートで破壊されて居たため、建屋の上部に水素ガスが溜まって爆発事故となり、放射能物質を広範囲の畑や河川、引いては水道水まで汚染させる結果と成った。是はSFPで有るから、120の排気に限らず、必要な配管は、直接建屋の外に出し、外付けの除染機器に繋げるようにする必要がある。
【0074】
図11はその一例であり、図4の120の蒸気は、建屋8dの外の口金120dにつながり、キャップボルト130で銅製リング131を締め付けて気密を保っている。蒸気を放出させる場合は、図12の様に、金具132の6角レンチ133がボルトの頭に嵌るようにはめ込み、周上4本設けられたボルト135で銅製リング139を締め付けてから、ハンドル134を緩めると、穴140から、高圧蒸気が120eに排出される。ゴム製Oリング136はハンドル側への蒸気の洩れを防ぐ。ハンドルを更に回して、銅製Oリング137が138にあたって押し潰されれば、更に確実にハンドル側への蒸気の洩れを防ぐ。
【0075】
120eに排出された蒸気は機械式フィルターを通した後、横置き風洞に通し、上からほう酸水を噴射して、放射性の塵を除去する。これは、デパートの様な人の集るところで、内気を循環させる際、客の出す埃を除去したりする際に、又外気を導入する際に外の砂埃を除去する際にも、同様のものが既に使用されている。除塵が不完全の恐れがある場合には、120eから排出される蒸気を、海水に漬けた熱交換器に通し、冷えた気体を風船に収容し、コンテナーに詰めてとりあえず、現場から排除する手段もある。
【0076】
原発建屋内で、高度な制御器を使っても、ブラックボックスに成っていれば、それはSFPです。多数のセンサーやアクチエーターを従えていれば、更に故障の要因が増え、信頼性は低下する。特にクールダウンの工程は時間との勝負ですから、ブラックボックスの故障箇所を追求し、修理している時間はない。従ってNASAの制御室の様に、ブラックボックスごと交換する方法も有るが、多数の配管を擁する原発では、それは困難ですから、本実施例の如く、必須の回線、配管は、外部に取り出して処理出来るようにするのが正解である。
【0077】
従って11、12図の手段は、炉の中腹の燃料棒が露出しない限界の水位の位置からも取り出し、水位計の信頼性を立証させる絶対検量にも使用する。
【0078】
以上主として大地震に依る、主として周辺機器の故障から来る放射能拡散の危険を、主として手動で除去する手段を示したが、大地震の後には大津波が来る。遠隔地の大地震で津波だけが来る場合もあるので、その対策が無ければ、放射能の拡散防止は完結しない。更にその手段は、既に存在する多数の原発に適用可能でなければ、現実的でない。
【0079】
以上に加えて、放射能の拡散防止には津波対策も必要である。津波は速度エネルギーを持って居るので、衝突工学的対応が必要である。自動車の衝突では、双方の吸収ストロークが大切で、ストロークがゼロなら、衝突荷重は無限大になる。水は非圧縮流体であるから、平板の防潮堤で立ち向かえばウオーターハンマーが発生する事は水力学の基礎である。気体ですら、鉄道のレールと車輪の間で、逃げ場の無く成った空気が噴出する際のゴーッと云うハンマーリング音は有名である。自動車のタイヤも溝を設けてハンマーリング音を防止する。是を避ける為に船舶は流線型に成っている。更に鉄筋コンクリートと云うものは、安価を目的とした手段で、膨張係数は同じだが、鉄筋は数%も延びなければ最大荷重が出せないが、セメントは伸びに弱いので、曲げモーメントに依り、自重に依る予圧力を超える伸び荷重が繰り返し加われば瓦解するので、防潮堤には馴染まない。現に超高層ビルはすべて鉄骨構造であり、船舶も鉄製である。
【0080】
そして津波の高さは自然現象であるから、特定し難く、更に防潮堤に当たれば、速度エネルギーが位置エネルギーに成って加算されるので、更に特定し難く、是を防潮堤の高さのみで阻止するのでは、信頼性は保証されない。従って原発建屋も補器の保護も、流線型シェルターが基本で有り、既成の原発建屋に対しては、衝突対策を前面に出し、原発建屋は、後方で静圧と成った水圧に対して、水密対策を施す必要がある。
【0081】
図13はその実施例で、現有の原発本体の建屋を津波シェルターにする場合を示す。図で8fは原子炉建屋であり、その前面、津波の来る方向に、船首の船底に相当するカバー141を設ける。反対側の引き波方向にも設ける場合もある。本例は海岸の先端にある原発の建屋を守る事が主眼で、後方や左右の家屋を守る機能は薄い。支持部材は鉄骨が望ましい。船舶も全溶接船より、スティック・スリップで衝撃エネルギーを吸収するリベット船の方が強靱な事が実証されており、本例もボルト付けが望ましい。ボルト穴を長穴にする発明も公知である。表面板は鉄板とし、小穴を多数空けたり、エクスパンドメタルにして、水流を一部通過させ、乱流として速度エネルギーを消耗させる場合もある。
【0082】
図14は津波を押し留めようとする場合である。過去のデーターから、海底でプレートが沈み込む際のスティックスリップから起きる最大の津波の高さは約2メートルであり、その来襲速度を上方に転換させて、位置エネルギーに替えた場合の水位は約2メーターであり、合計4メーターに成る。従って正面板142の高さは4メーター以上とする。
【0083】
しかし上記基本波の持続時間は約20分である。是に対し、沈み込み部に堆積した土が連動して飛び上がる、分岐断層による津波の重畳波は、3メーターレベルの持続時間が約5分、6メーターレベルの持続時間が約2分半と云うピーキーな波形である。従って142の上縁と建屋8gとの間に落とし穴144を設けて、ピーキーな波形部の水をキャパシターとして貯水させ、引き波の間に、小穴145より放水させる。145には、流出の場合のみに開く一方弁を設ける場合もある。143は側方の建屋に水が流れない様にするセパレーターである。
【0084】
現有の原発で、本体建屋の外に配置されている機器を、津波シェルターに収容る手段の実施例は、特願2011−109866「津波用シェルター」の図9に示すように、2階を気密にして津波シェルターとするのが有利である。それは上記のように、津波の水位が2階の床面より高く成り、シェルターが孤立する時間は数分程度と極く僅かだからである。更に前記のように、大津波のMTBFは千年とも云われ、非常に長いため、シェルターの気密はフォーゲッティーで保証される必要が有るため、シェルターへの出入りは、日常も緊急時も、1階から車はスロープで、人は階段、エスカレーター、2階で行き止まりのエレベーターを利用して出入りする。シェルター内に日常駐車したり、津波警報で避難して来る一般車は、車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性が確認済みで、更に台数が多い分、冪乗の信頼性を持っている。従って上記先願の図9の実施例に加え、図15はその車輌を複数台、原発のプールの注水に転用する場合を示し、5kは2階のシェルター、3kは1階部で、階段8kなどで2階に上がる。71kは車輌で、その駆動輪73kをダブルローラー74k上に乗せて駆動力を得る。その駆動力は図示されないメカに依って地下水槽146内の海水84kに浸かっているポンプ147を駆動し、シェルターの2階壁面1kに設けられた放水銃148から、図8のベランダ19に放水する。他の車輌を他の74k上に乗せ、他のポンプ147を使って、図8の地下トンネル26から配管22を介してプール7に供給する場合もある。ポンプ147の替わりに、2階にポンプを置き、吸水管を海面に下ろす場合もある。更に他の車輌を他の74k上に載せて発電を行わせ、その電力で水中投込み式ポンプを海水中に下ろす場合、その電力を原発の制御用に供給する場合もある。
【0085】
車輌71kはボンネット149を開き、ラジエーターキャップを外して、パイプ150を繋ぎ、桶151の海水と繋ぐ場合もある。この際は、エンジン内で沸騰した蒸気はエンジンのポンプに依りラジエーターの上部タンクに送られるので、桶151から放出され、替わりに海水が補充される。152は送風機である。車輌のヘッドライトを点けず、その分送風機で、高速道路走行時相当の風が与えられればボンネットを開ける必要は無いが、実験の結果、若干不足する場合もあるため、151の水も必要である。図16は放水銃部の詳細を示し、1kは原発のベランダに対峙する壁面、148kは放水銃、153はその噴出口で、尖端にボール154が結合され、1kに結合されたブラケットに回動自在に支持され、ターンバックル156に依り、予めベランダに命中するよう調節されている。従って噴出口153の地上高さをベランダより高くすれば、津波の水位がベランダに達するまで、常に放水が可能であり、津波の水位がベランダを越えれば、津波からベランダに給水される。
その際、Oリング157はシェルター内に津波が侵入するのを防止するし、噴出口153は建屋の壁面より若干引っ込める事で、津波に含まれる瓦礫に依る損傷を防いでいる。
【0086】
新型の加圧水型原発は、制御棒が炉の下部に固定され、送電遮断時、燃料棒を自重で落下させて、燃焼を止める、常時付勢のフェールセーフ構造になっている。従って送電遮断時、急速に炉の水位が下がっても、燃料棒も下がるので、空焚きのリスクが小さい。又、若し空焚きでメルトダウンが起こっても、炉の底は密閉されて居るので、炉の底が破壊されるリスクが小さい。しかし福島で事故を起こして放射性物質の所外大量放出を招いた炉を含め、現在稼動中の古い炉、沸騰水型原発は、燃料棒は動かさず、制御棒を重力に逆らって持ち上げて燃焼を止める形式に成っている。従って水位が下がる空焚きへのマージンが少ない。しかも高圧が掛った炉の底に穴を開け、棒を通して制御棒を上下させる構造には無理があり、空焚きでメルトダウンが起れば、溶けた燃料が炉の底に溜まり、制御棒の支持部を溶かす危険があり、そうなれば、制御棒が落下して炉が全開になり、加速度的にメルトダウンが起きる危険もある。そうすれば、炉の底の穴から炉内の放射性の水が高圧で噴出される可能性があり、更に洩れた高濃度の汚染水を受ける圧力抑制プールも複雑な溶接構造であるため、地震の影響で亀裂が生じ、鉄筋コンクリート製の地下室に高濃度の汚染水が溜る危険がある。更に、鉄筋コンクリートは伸び荷重に弱いため、地震に対し、水密性能は保証出来ず、結果として所外の海中に高濃度の汚染水が流出する事故が発生し、その影響は海流に乗って世界に拡散するため、影響は極めて大きい。
【0087】
従って図17は未だ事故を起こしていない沸騰水型原発の安全対策の実施例を示す。図で2mは原子炉、3mは原子炉格納容器、158は燃料棒、159は制御棒である。
160、161、162は緊急用制御棒である。若し炉内の水位が不足して空焚きとなって、燃料棒が溶融て落下した場合には、160上に落下する。図18は160の緊急用制御棒の詳細を示す。緊急用制御棒160mは細かい格子状になっており、その上端部163は尖らせてあり、落下した液体化した燃料棒は164のように細分化されて、再臨界を防止し、原子炉の底部165に接して、格納容器3m内の水166で冷却される。若し制御棒を通している穴などから、原子炉の底板165も溶融して落下した場合には、161が、更に格納容器3mの底も溶融した場合には162が受け止める、三段構えとしてSFPを排除している。
【0088】
上記メルトダウン以前にも格納容器にはリング状部品167が溶接されて居るなど、構造が複雑なため、大地震の荷重により、亀裂が生じ、高濃度の汚染水が168内に漏れ出し、更に建屋169の亀裂から海中に放出される事故が起きている。この対策として、ステンレス製の水槽170を増設して漏水を防ぐ。更にコック171を開いて冷却水を補給すれば、2m、3mの漏水部を通って168に供給され、水位が172に達したら、コック173を開いて除染器174を通して回流させる。7mは図8の7に示すプールで、海水を供給して炉を冷やす。温まった海水を海に戻す際に、海水中の不純物が、高濃度の汚染水で汚染されない様に、プールの外壁175は鉛で囲う。
【符号の説明】
【0089】
1…炉心、2、2m…原子炉、3、3m…原子炉格納容器、6・・・圧力抑制プール、7・・・外周プール、8・・・原子炉建屋、9・・・屋上 11・・・ヘリコプター、19・・・ベランダ、28、28b、28c、28・・・蒸気発生器 29・・・高圧タービン、30・・・低圧タービン、31・・・復水器 32、32a、32b・・・発電機、39・・・コンデンサー、40、69、70・・・電極 45・・・超低圧タービン、46・・・水車 47・・・ステーター、52・・・海水 54、55、65、75、・・・碍子、66・・・ウインチ、72・・・抵抗器 79、88、100・・・一方弁、77・・・投込み式電熱器、86・・・小型複水ポンプ 91・・・アキュムレーター 95・・・ガス発生器、103・・・手動起爆装置、109・・・電気雷管、110・・・推薬 114、118・・・封板、127・・・レバー、131、137、139・・・銅製Oリング 136、157・・・ゴム製Oリング、71k・・・車輌、、151・・・桶、152・・・送風機 74k・・・ダブルローラー、147・・・ポンプ、148・・・放水銃、158・・・燃料棒 159・・・制御棒、160、161、162・・・緊急用制御棒、175・・・鉛製プール外壁 8、8f、8g・・・原子炉建屋、141・・・カバー、142・・・正面板 143・・・セパレーター、144・・・落とし穴、145・・・小穴、144・・・落とし穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震、津波、送電遮断、所内停電に対し、放射性物質の所外放出を防止する装置の信頼性を向上させる手段に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の天災や故障が原因で放射性物質の所外放出を招けば、大きな被害を及ぼすので、「一つの故障が原因で大事故に至る、シングル・フェーラー・ポイント(以後SFPと呼ぶ)の排除」が求められる。同種事例に対し、旅客機では人命に拘る結果につながるフェーラー・モードに付いては3重安全に、自動車は2重安全の冗長設計となっている。
【0003】
一方、世界規模では、大津波を伴う大地震は、しばしば発生して居るが、特定の地域に取っては、その発生サイクル、(信頼性工学上 mean time between failureと呼ばれ、以後上MTBFと云う)は、人の寿命より長いことが知られている。従って大地震や津波に、現場の緊張感で対応することは困難であり、フォーゲッティーでの安全確保が必要である。第二次大戦直後に軍事技術の転用として出願された自動車用エアーバッグは半世紀以上鋭意研究の結果、大多数の車で廃車まで使われる事がなく、ユーザーにはフォーゲッティーで、緊急時には、全自動で、極めて高い信頼性で作動する技術が確立された。
【0004】
しかし現行原発には、多数のSFPが存在し、その結果、福島で莫大な被害を伴う放射性物質の所外放出事故が発生し、残る稼動中原発のSFP除去が急務である。ちなみに、日航ジャンボ機事故では、3重安全設計の筈の配管が一気に破壊された。従って3重システムが芋蔓式に故障するケースを含めてそれはSFPとされる。今回の原発事故ではその種のSFPも伺われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第2957835号(図1)
【0006】
特開昭64−28592(図1)
【0007】
特願2011−109866
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
原子力発電装置は、地震や嵐、単純疲労などで、鉄塔や送電線が破損するような外部要因に依る突然の負荷遮断や、地震、津波に依る内部からの故障に対し、直ちに出力を絞り、クールダウンを図るが、電気負荷のように、瞬間的には発熱を落せず、更に2%程度まで落とした後も、冷温停止まで、更に長い時間が掛り、その間適正な冷却措置が取られなければ、炉心溶融などの重大事故を招く恐れがあるため、廃熱の処理に冗長性が求められている。
【0009】
具体的には、負荷遮断時、炉心のクールダウンまでの間、蒸気をタービンを介さず、直接復水器へ送り込むので、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。この対策として、炉心に大量の水を注入する事が必要とされるが、それまで大電力を得ていた炉の惰性から生ずる熱エネルギーを注入水で吸収しようとするには無理があり、大量の高圧水を緊急ジーゼルエンジンの出力のみで送り込むには無理があり、放射能流出事故へのマージンが少ない。
【0010】
更今回、大地震により一番重要な時期に、蒸気を直接復水器へ送り込む機能の制御電源が失われ、その後、津波で更に機能回復が遅れ、燃料棒が露出して溶融を始め、遂に大量の蒸気を大気に放出させる羽目に成った。その上、放射性物質、特に半減期の長い放射性セシュームを除去するフィルターが作動せず、フィルター故障時の冗長設備がなく、SFP状態で有った為、直接大気に放出し、所外に計り知れない被害を招いた。更に当初建屋内に放出すると云う姑息な手段を取ったために、建屋上部の水素爆発と云う結果を招き、放射能の流出を拡大させた。残りの原発について、早急な対策が必要と成っている。
【0011】
更に原発の容器は堅牢で、高温、高圧、地震の荷重に耐えても、周辺機器が津波シェルターに格納されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。
【0012】
地震や津波に依る周辺機器の小さな事故でも、それに依り原子炉建屋周辺がが汚染されれば、緊急対応はロボットに任せるしか無いが、その為の専用ロボットが存在せず、当然建屋も、周辺機器もロボットの作業性を考慮した設計が成されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。
【0013】
更に森林火災時に使用される現地のヘリコプターは、津波来襲までに一機も離陸できず、津波に依り全滅した。そして後日ヘリを調達した時点では既に上空の線量が強く成っていたにも拘らず、有人ヘリしか調達出来なかった為に、上空から前進中の散水しか出来なかったため、極めて命中率が低く、実効が得られなかった。つまり平均寿命より長いMTBFに対し、精神力で瞬発力を保証するのは困難である。
【0014】
しかし、地震国日本には、既に稼動中の原発が多数有り、今後同じ事故の発生を恐れてそれらを止めれば、国民生活にも産業にも重大な被害が及ぶので、作り直さず、現有機の手直しで、出来れば稼動状態のまま、安全性を高める手段を中心とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の手段は、負荷遮断時、炉心のクールダウンまでの間、蒸気をタービンを介さず、直接復水器へ送り込む従来の方法では、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。この対策手段として、炉心に大量の水を注入する事が必要とされるが、それまで大電力を得ていた炉の惰性から生ずる熱エネルギーを注入水で吸収しようとするには無理があり、大量の高圧水を緊急ジーゼルエンジンの出力のみで送り込むには無理があり、放射能流出事故へのマージンが少ない。その対策手段として、負荷遮断の際、原子炉は直ちに停止するが、タービンへの蒸気の供給は続ける。そして原子炉の惰性の発熱で発電された電力は専用の器械または電気抵抗器で熱に替え、その熱は海水に吸収させる。その制御は自動電動を優先させるが、停電の際は、容易に手動操作可能とする。
【0016】
この対策として原子炉の外側の圧力抑制プールの外周に、緊急時に海水を導入する常圧のプールを設ける発明がなされた。特許第2957835号(図1)では、海水と自然循環させる事で電力を要しない事を特徴としたが、海水の水位は干潮、満潮、大潮、低気圧、波浪に依り変化するので、安定した性能が望めず、最終取得時点ではモーターを使ったポンプを主体とする事に訂正されたので、停電では作動しなくなる。更に特開昭64−28592(図1)のように、山の上の池から水を引く案、建屋の屋上にプールを設ける案も出願されて居るが、地理的条件に関わり、現行原発への適用は困難である。更に数百年先かもしれない大地震に対し、プールの水を常時付勢に保ち続けることは、非現実的な労力を必要とする上、海水と違い、大量の熱エネルギーを吸収するだけの容量を設けることは困難である。本発明では海水を注入する手段の複数化により、SFPを防止した。
【0017】
海水の注入は、屋上の他、ベランダからも可能とする。屋上からの水は主としてヘリからのもので、プールへの切り替え弁は、建屋外からも可能とし、ベランダへの放水も、隣接する津波シェルターから避難した自動車の動力を使った放水、地上の消防車から、又津波からも給水可能とし、各時点での建屋外からの注水の冗長性を保っている。
【0018】
更に今回、大地震により、蒸気を直接復水器へ送り込む機能の制御電源が不条理に切られ、その後、津波で更に機能回復が遅れ、燃料棒が露出して溶融を始め、遂に大量の蒸気を大気に放出させる羽目に成った。その上、放射性物質、特に半減期の長い放射性セシュームを除去するフィルターが作動せず、フィルター故障時の冗長設備がなく、SFP状態で有った為、直接大気に放出し、所外に計り知れない被害を招いた。更に当初建屋内に放出すると云う姑息な手段を取ったために、建屋上部の水素爆発と云う結果を招き、放射能の流出を更に拡大させた。本発明は代替除染装置の外部接続を可能にして、SFPを防止する。
【0019】
更に原発の容器は堅牢で、高温、高圧、地震の荷重に耐えても、周辺機器が津波シェルターに格納されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。この対策として本体建屋と周辺補器の双方を津波シェルターに収容する。その方法は、津波の高さは特定出来ないが、ピーク高さの持続時間は短い事が知られている為、防潮堤のみに頼らず、短期的に津波に水没しても支障のないシェルター方式をとる。特に津波と防波堤との出会いは、近寄り速度を持ったウオーターハンマーの可能性があり、衝突工学上エネルギー吸収ストロークの導入が重要であるが、伸びに弱い鉄筋コンクリートの頼らず、船舶のように、鉄製とし、なるべく全溶接を避けて、スティックスリップに依る減衰効果のある、ボルトやリベット組み立てとする。外販も変形しても破断しない薄板とし、前段バリヤは、パンチメタルやエクスパンドメタルを使用して一部の海水の通過を認め、乱流に依る衝突エネルギーの消耗を図るる場合もある。鉄筋に与圧力を与える、テンションコンクリートと云う手段も有るが、防波堤は平面図上でくの字に折れ曲がろうとする曲げモーメントも有り、施工困難である。
【0020】
地震や津波に依る周辺機器の小さな事故でも、それに依り原子炉建屋周辺がが汚染されれば、緊急対応はロボットに任せるしか無いが、その為の専用ロボットが存在せず、当然建屋も、周辺機器もロボットの作業性を考慮した設計が成されて居らず、それが結果として、大量の放射性物質の所外飛散を招いた。
【0021】
本体の原発建屋内で、高度な制御器を使っても、ブラックボックスに成っていれば、それはSFPです。多数のセンサーやアクチエーターを従えていれば、更に故障の要因が増え、信頼性は低下する。特にクールダウンの工程は時間との勝負ですから、ブラックボックスの故障箇所を追求し、修理している時間はない。従ってNASAの制御室の様に、ブラックボックスごと交換する方法も有るが、多数の配管を擁する原発では、それは困難ですから、本実施例の如く、飛散防止に必須の回線、配管は、外部に取り出して処理出来るようにする。同時に外部からロボットが操作し易い構造とする。
【0022】
更に森林火災時に使用される現地のヘリコプターは、津波来襲までに一機も離陸できず、津波に依り全滅した。そして後日ヘリを調達した時点では既に上空の線量が強く成っていたにも拘らず、当初有人ヘリしか調達出来なかった為に、高空から、しかも前進飛行中の散水しか出来なかったため、極めて命中率が低く、実効が得られなかった。つまり平均寿命より長いMTBFに対し、精神力で瞬発力を保証するのは困難である。しかし新幹線は地震予知信号で当該路線の全線自動停止に成功したので、この信号を転用して無人ヘリを自動離陸させる。
【0023】
更に本発明の具体的手段を示せば、送電先の事故で、ブレーカー開き、タービンが無負荷となり、オーバーランするのを防止するため、蒸気を直接復水器に戻す。同時に原発の出力も閉じるが、原発は慣性が有って、急には全閉出来ないので、炉心のクールダウンまでの間、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。
【0024】
その対策として図1〜図3にも示すように、特にクールダウンの初期には、正規のタービンやクールダウン専用のタービンに、電熱器や水車の負荷を掛け、海水にエネルギーを消費させる。制御系が生きていれば、電流のデューティー比をコントロールしてクールダウンの進展に合わせた負荷調整を行うが、一般の高圧受電装置と同様、豪雨の屋外でも人力でスイッチング可能とする。 更にクールダウンが進んだ場合はピストン式蒸気エンジンを使用して負荷を掛ける場合もある。
【0025】
一方、出来れば復水器内のドレン水を、直接ポンプで循環させる事が望ましい。しかし炉の全力運転時にも使用するポンプやモーターは大型で、緊急用発電機で駆動する事が難しい。またその様な大型の内燃機関を常時整備するにも、不要の労力を要し、整備後のエンジンの全開試運転も難しいので、不調のまま放置される可能性があり、現に事例も発生し、信頼性に欠ける。従って本案では、炉の緊急停止過程、クールダウン専用の小型復水ポンプを設け、乗用車から大型トラックまで一般車の駆動力を利用した発電機、又は直接駆動で作動させる。一般車は車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性を保持している。原発に隣接する津波シェルターの駐車場に安い駐車料金で日常多数保持し、更に津波警報で避難して来る車を収容すれば、極めて冗長性の高い動力源と燃料源として利用する事が出来る。日常防災以外の用途に使用中の多数の機器を流用する事に依り、高い信頼性が得られる。燃料タンクも空から満タンまで分布して居れば、平均50%は期待出来、乗用車でも8台有ればドラム缶一本分の燃料を積んでいる。
【0026】
一方、図4に示すように、自動車用エアーバッグは、常時付勢では無いが、大衆商品として極めて高い発進の信頼性が得られ、格納時の信頼性を監視するシステムを含めた専用マイコンも市販されて居るので、是のガス発生量のみを大型化したものを、複数個利用して、特にクールダウンの初期に、炉に送り込む高圧水を得る。スプリンクラーは常時10気圧程度の加圧水を提供しており、法的な整備規制も有るため、是を炉への給水時のみ増圧して流用する場合もある。但し高圧を掛けると、スプリンクラーのヘッドが誤作動する恐れが有るので、給水コックを炉側へ切り替えた場合のみ火薬への点火を可能とする。基本は送電遮断と連動する自動制御が望ましいが、全てダウンしても、手押し発破器でも起動できる。
【0027】
従来、緊急時専用の大型内燃機関を起動し、緊急用発電機を回し、モーターと高圧ポンプを介して炉28cへ注水するには様々なリスク、フェーラーポイントガ有る。例えは燃焼室は火炎に曝されるので、時々馴らし運転をしなければ、シリンダーが錆びてくる。定期的に分解整備も必要になる。これらを千年に一度とも云われる津波に備えて、緊張感を持って点検整備を続けさせる事は人事管理上も極めて困難で、不経済である。内燃機関も爆発から出力を得て居るので、推薬で直接水を押し出す本実施例では、稼動メカ部が全く無く、ガス発生器は複数待機させられるので、低いメンテナンスコストで極めて高い信頼性が得られる。ヘリからの注水が重要な初期に於いて、図8のプール7への水は貴重であるため、原子炉格納容器の外周をネジ状に、北半球では反時計廻りに流れ下るようにし、初期の水を有効に利用する。一方、プールの水位が高く成った段階では、プール内に北半球では反時計方向の回流を発生させ、原子炉格納容器3の外周に付着した粟を除去して伝熱効率を向上させる場合もある。
【0028】
一方、過って炉内の気体を緊急放出することに成った際、建屋内のフィルター回路が故障していたため、フィルター無しで放出した。更にそれを外部に漏らさぬよう、建屋内に滞留させたが、既に燃料棒の一部がオーバーヒートで破壊されて居たため、建屋の上部に水素ガスが溜まって爆発事故となり、放射能物質を広範囲の畑や河川、引いては水道水まで汚染させる結果と成った。是はSFPで有るから、必要な排気管は、直接建屋の外にも出し、外付けの除染機器に繋げるようにする必要がある。
【0029】
そして排出された放射性蒸気は機械式フィルターを通した後、横置き風洞に通し、上からほう酸水を噴射して、放射性の塵を除去する。これは、デパートの様な人の集るところで、内気を循環させる際、客の出す埃を除去したりする際に、又外気を導入する際に外の砂埃を除去する際にも、同様のものが既に使用されている。緊急時にはビニールハウスの中にシャワーを設ける手段もある。排出される蒸気を、海水に漬けた熱交換器に通し、冷えた気体を風船に収容し、コンテナーに詰めてとりあえず、現場から排除する選択肢もある。
【0030】
同様に、炉の中腹の燃料棒が露出しない限界の水位の位置からも、建屋外壁まで、計測用細管を設置し、水位計の信頼性を立証させる絶対検量にも使用する。
【0031】
以上主として大地震に依る、主として周辺機器の故障から来る放射能拡散の危険を、主として手動で除去する手段を示したが、大地震の後には大津波が来る。遠隔地の大地震で津波だけが来る場合もあるので、その対策が無ければ、放射能の拡散防止は完結しない。更にその手段は、既に存在する多数の原発に適用可能でなければ、現実的でない。
【0032】
津波は速度エネルギーを持って居るので、衝突工学的対応が必要である。自動車の衝突では、双方の吸収ストロークが大切で、ストロークがゼロなら、衝突荷重は無限大になる。水は非圧縮流体であるから、平板の防潮堤で立ち向かえばウオーターハンマーが発生する事は水力学の基礎であり、是を避ける為に船舶は流線型に成っている。更に鉄筋コンクリートと云うものは、安価を目的とした手段で、膨張係数は同じだが、鉄筋は数%も延びなければ最大荷重が出せないが、セメントは伸びに弱いので、曲げモーメントに依り、自重に依る予圧力を超える伸び荷重が繰り返し加われば瓦解するので、防潮堤には馴染まない。現に超高層ビルはすべて鉄骨構造であり、船舶も鉄製である。
【0033】
そして津波の高さは自然現象であるから、特定し難く、更に防潮堤に当たれば、速度エネルギーが位置エネルギーに成って加算されるので、更に特定し難く、是を防潮堤の高さのみで阻止するのでは、信頼性は保証されない。船舶は甲板が波に洗われても客室に影響は無く、コンテナ船も甲板に積み上げているが、積荷に浸水はない。従って原発建屋も補器の保護も、流線型シェルターが基本で有り、既成の原発建屋に対しては、衝突対策を前面に出し、原発建屋は、後方で静圧と成った水圧に対して、水密対策を施す必要がある。
【0034】
図13にも示すように、衝突対応は、津波、引き波の方向に、船首の船底に相当する流線型カバーを設ける。支持部材は鉄骨が望ましい。船舶も全溶接船より、スティック・スリップで衝撃エネルギーを吸収するリベット船の方が強靱な事が実証されており、本例もボルト付けが望ましい。ボルト穴を長穴にする発明も公知である。表面板は鉄板とし、小穴を多数空けたり、エクスパンドメタルにして、水流を一部通過させ、乱流として速度エネルギーを消耗させる場合もある。その後方の建屋は主として静水圧を対象とする水密工事を行う。
【0035】
データーに依れば、大津波の基本波の持続時間は約20分である。是に対し、プレートの沈み込み部に堆積した土が連動して飛び上がる、分岐断層による津波の重畳波は、高さ3メーターレベルの持続時間が約5分、6メーターレベルの持続時間が約2分半と云うピーキーな波形である。従って衝突用流線型堤防と建屋との間に落とし穴を設けて、ピーキーな波形部の水をキャパシターとして貯水させ、引き波の間に、小穴より放水させる場合もある。放水穴には一方弁を設ける場合もある。
【0036】
現有の原発で、本体建屋の外に配置されている機器を、津波シェルターに収容る手段の実施例は、 特願2011−109866「津波用シェルター」の図9に示すように、2階を気密にして津波シェルターとするのが有利である。それは上記のように、津波の水位が2階の床面より高く成り、シェルターが孤立する時間は数分程度と極く僅かだからである。更に前記のように、大津波のMTBFは千年とも云われ、非常に長いため、シェルターの気密はフォーゲッティーで保証される必要が有るため、シェルターへの出入りは、日常も緊急時も、1階から車はスロープで、人は階段、エスカレーター、2階で行き止まりのエレベーターを利用して出入りする手段とする。シェルター内に日常駐車したり、津波警報で避難して来る一般車は、車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性が確認済みで、更に台数が多い分、冪乗の信頼性を持っている。従って上記先願の図9の実施例に加え、図15に示すように、その車輌を複数台、原発のプールの注水に転用したり、放水銃で図8のベランダに放水させたり、図8の地下トンネルから配管でプールに直接給水する場合もある。津波の水位がベランダを越える期間は、津波の海水も直接給水に使われるようにする選択肢もある。
【0037】
上記のように、津波の基本波は20分程度に渡って2メーター程度の厚さの水を送り込んで来るので、海岸線に丈夫なビルが並んで居れば、海岸から奥地に向う道路に、水かさを増して集中的に流れる。いわゆるリアス式市街地となる。従って従来の例でも、原発本体建屋を高層にすれば、周囲の補器がより高い津波に襲われる傾向が有った。今後、海岸線に高層ビルが増えると予想されるので、その分、津波が通れる部分の水かさが増す事が予想される。従って、津波を阻止する部分と、シェルターの上を通過させる部分とのすみわけ、即ち海上から海岸線を見た場合の各高度当たりの空間デューティー比を考慮した街づくりが必要になり、特に原発付近では、原発の保護を優先させたレイアウトとする。
【0038】
上記車輌は、ボンネットを開き、ラジエーターキャップを外して、桶の水と繋ぐ場合もある。この際は、エンジン内で沸騰した蒸気はエンジンのポンプに依りラジエーターの上部タンクに送られるので、桶から放出され、替わりに桶の水が補充される。
【0039】
防火シャッターは、自重で閉じるよう、重力を利用した常時付勢構造に成っており、火災時の熱でヒューズメタルが溶断すれば、人間が挟まらぬよう、ガバナー機能に依り静かに閉まる。新型の原発も、制御棒が炉の下部にあり、送電遮断時、燃料棒を落下させて、燃焼を止める常時付勢構造になっている。従って上記の様に送電遮断時、急速に炉の水位が下がっても、燃料棒も下がるので、空焚きのリスクが小さい。又、若し空焚きでメルトダウンが起こっても、炉の底は密閉されて居るので、炉の底が破壊されるリスクが小さい。しかし最近福島で事故を起こして放射性物質の所外大量放出を招いた炉を含め、現在稼動中の炉の古い炉は、燃料棒は動かさず、制御棒を重力に逆らって持ち上げて燃焼を止める形式に成っている。従って水位が少し下がっても、空焚きが起こり、メルトダウンへのマージンが少ない。しかも高圧が掛った炉の底に穴を開け、棒を通して制御棒を通す構造には機械工学的に無理があり、空焚きでメルトダウンが起れば溶けた燃料が炉の底に溜まり、制御棒の支持部を溶かす危険があり、そうなれば、制御棒が落下して炉が全開になり、加速度的にメルトダウンが起きる危険が大きい。そうすれば、炉の底の穴から炉内の放射性の水が高圧で噴射される可能性が高く、更に洩れた高濃度の汚染水を受ける圧力抑制プールも複雑な溶接構造であるため、地震の影響で亀裂が生じ、鉄筋コンクリート製の地下室に高濃度の汚染水が溜まっている。更に。鉄筋コンクリートは伸び荷重に弱いため、地震に対し、水密性能は保証出来ず、結果として所外の海中に高濃度の汚染水が流出した。その影響は海流に乗って世界に拡散するため、被害は極めて大きい。
【0040】
従って未だ事故を起こしていない沸騰水型原発の安全対策も必要である。若し炉内の水位が不足して空焚きとなって、燃料棒が溶融し、炉の底部に落下した場合には、細かい格子状になっている緊急用制御棒で細分化して受け止めて、再臨界を防止し、炉の底に接して冷却させる。其処も突破されたら原子炉格納容器の底にも緊急用制御棒を設け、更にその下の建屋にも設け、三段構えて、SFPを排除する。
【0041】
上記メルトダウン以前にも格納容器にはリング状部品167が溶接されて居るなど、構造が複雑なため、大地震の荷重により、亀裂が生じ、高濃度の汚染水が中に漏れ出し、更に建屋の亀裂から海中に放出される事故が起きている。この対策として、格納容器の外側にステンレス製の水槽を増設して漏水を防ぐ。更に炉に補給した水が漏れて増設した水槽の水位が燃料棒の正規位置より高くなる様にして、炉を完全に水没させる。更にその外周に図8の7に示すプールを設け、海水を供給して炉を冷やす。温まった海水を海に戻す際に、海水中の不純物が、高濃度の汚染水で汚染されない様に、プールの外壁は鉛で囲う。
【発明の効果】
【0042】
本発明の原子力発電設備は、上述の如く構成されたため、大地震、大津波、送電遮断、所内停電の一つまたは複数の要因に対し、所外への放射性物質の飛散と云う重大な損害の発生を防止することが出来る。且つ現有の原発に対し、定期点検時の追加工事で、一部は稼動中の修理で対応出来る。更にそのコストは福島原発の事故時の所外の被害額に比して極めて僅かで、当該原発の建設費に比しても充分に安価なものである。従って、福島原発の被害を踏まえて安全対策の追加工事が必須と成っている現状を踏まえ、社会的ニーズ、効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】 第1の手段についての実施例を示す。
【図2】 抵抗器部分の他の実施例を示す。
【図3】 他の実施例を示す。
【図4】 他の実施例として推薬を使って緊急注水する例を示す。
【図5】 図4のガス発生器の詳細詳細を示す。
【図6】 封版部の詳細を示す。
【図7】 封版部の破断時の状態を示す。
【図8】 第2の手段についての実施例を示す。
【図9】 図8の切り替え弁15の詳細を示す。
【図10】 図8の切り替え弁15の操作部を示す。
【図11】 外部機器取り付け口の一実施例の詳細を示す。
【図12】 図11の外部装着側コックの詳細を示す。
【図13】 津波対策の実施例として本体建屋用シェルターの実施例を示す。
【図14】 図13の他の実施例を示す。
【図15】 周辺補器用津波シェルターの実施例を示す。
【図16】 図15の放水銃部の詳細を示す。
【図17】 沸騰水型原発の安全対策の実施例を示す。
【図18】 緊急用制御棒の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は第1の手段についての実施例を示し、28は蒸気発生器、29は高圧タービン、30は低圧タービンで、発電機32の電力はブレーカー34を介して送電線35に出力される。若し送電先の事故で、ブレーカー34が開くと、32が無負荷となり、タービンがオーバーランするので、コック36を閉じ、37を開いて蒸気を直接復水器31に戻す。同時に原発の出力も閉じるが、原発は慣性が有って、急には全閉出来ないので、炉心のクールダウンまでの間、蒸気発生器内の圧力が急激に下がり、大量の蒸気が発生し、水位が一時的に降下し、燃料棒が露出して溶融を始めると云うフェーラー・モードが有る。従って直ちにはコック37を開かず、制御器38が32の電力を、優先的に、図示されない復水ポンプに回し、余った分を公知の双方向コンバーターを介して直流に変換し、コンデンサー39に蓄え、更に余った分を、海水に浸かった抵抗器52のホット側電極40に流す。発電機のアース側は多重ケース41につなぐ、41は蒸発した海水が補充される程度の多数の小穴を有する、ステンレス製のパンチメタル、エクスパンドメタル、金網などで作られており、海水中への漏電を防いでいる。例え熱湯や微量の漏電が有って、近くの魚が死亡しても、放射能汚染に比して、被害は軽い。
【0045】
制御器38は、炉心のクールダウンまでの各時点での炉心の発熱を最大限消化するよう、電極40への電流のデューティー比をコントロールする。38の電源には32の出力を直接供給し、停電のリスクを防ぐが、若し故障の場合は、手動スイッチ42を介して、直接32に負荷が与えられる。抵抗器52は投込み式湯沸かし器の構造とする場合もある。更に手動スイッチを使用する場合は43を介して複数の負荷を使い分けて、負荷調整を行う場合もある。
【0046】
クールダウンが進み、正規のタービンが機能しなくなった場合には、コック44を開いて、超低圧タービン45を作動させる。46は45で駆動され、下向きに海水を噴出させる水車で、47はそれに対抗するステーターで、38に依って制御される、図示されないモーターに依って駆動されるネジ48により、ギャップ49を調節して、タービン45の負荷を調節する。若し停電の場合は、ハンドル50により、手動でも制御出来るようにする。
【0047】
更にクールダウンが進んだ場合は、コック51を開き、図示されないピストン式蒸気エンジンを使用して、水車46を駆動する場合もある。
【0048】
図2は抵抗器52の他の実施例で、32aは発電機、38aは制御器、52aは抵抗器のケース、40a、41aは電極である。Iビーム53は碍子54、55を介して建屋の天井56に結合されている。57は無動力の横行トロリーで、固定長のケーブル58を介して、バケット59の右端に結合されている。59の右端にはケーブル60の下端が結合され、60の上端は、トロリー61上のプーリー62を介して、Iビームの左端63に結合されている。一方、ケーブル64の左端はトロリー61に結合され、右側は碍子65を介して電動ウインチ66に結合されている。66を巻き取って、バケットが59aの位置にある時に、図示されないポンプに依り、パイプ67から海水を注入する。
【0049】
バケットが一杯に成ったら、ウインチを逆転させれば、バケットは自重で59の位置に戻り、海水は漏斗68を介して52aに注入され、52aの底に溜まるので、電極板69、70間に通電され、海水は沸騰して排気管71より外気に放出される。
【0050】
それとは別に、電極40a、41a間には、抵抗72を設ける場合もある。その際、若し注水が間に合わなければ、抵抗がメルトダウンする場合も有り得るが、炉心溶融と違い、放射能の拡散はない。抵抗72は複数設けてスイッチで切り替える場合もある。図では抵抗72は、電極板69、70の上に設けられているが、逆の場合や、其々単独に使用する場合もある。排気管71内の蒸気は帯電の可能性が考えられるので、碍子73、絶縁蛇腹管74を挿入し、ケース52aも、碍子75で浮かせてある。
【0051】
ウインチ66は電動で有るが、停電の場合は図示されない機構で、手動に切り替える。その際、空のバケットを59の位置から59aまで移動させるのは人力でも容易で有り、満杯のバケットを59の位置に移動させるには、ウインチに付けたブレーキを緩めたり、ラッチを外して、羽根車式ガバナー機構でゆっくり戻すなどの公知の手法に依れば、人力のみで、往復操作が可能である。U字管76は蒸気の逆流を防いている。
【0052】
図3は他の実施例で、28bは蒸気発生器、30bはタービンで、送電遮断時は発電機32bの電力は、制御器38bを介して、圧力容器52bに挿入された投込み式電熱器77に供給されている。
【0053】
この際52b内に予め緊急用水78が蓄えられている場合は、77の発熱により沸騰し、内圧が28bを超えれば、高圧高温水として給水される。温度、内圧、流量は図示されないメーターで計測し、38bで制御するる。熱源が28b内の原子力である以上、77の発熱エネルギーが給水エネルギーを上回ることはない筈であり、外部動力を必要とせず、空焚きを防止できる。
【0054】
若し78内に水が無かったり、使い切った場合には、コック80を開いた後、コック81を開いて、約10気圧程度に加圧されているスプリンクラー82の水を流用する。それが尽きたら、屋上の上水、中水タンクの水を水位による水圧で送り込む。更に水道水や消防用水を送り込む場合もある。万策尽きた場合は廃炉を前提として、コック83を開き、海水84を送り込む場合もあるる。その際、海水面の方が低かった場合には、津波シェルター内の自動車の駆動力を使ってポンプを回して送り込む場合もある。
【0055】
一方、出来れば復水器31b内のドレン水を、直接ポンプ85を利用して循環させる事が望ましい。しかし炉の全力運転時にも使用する85や、その駆動モーターは大型で、緊急用発電機で駆動する事が難しい。またその様な大型の内燃機関を常時整備するにも、不要の労力を要し、整備後のエンジンの全開試運転も難しいので、不調のまま放置される可能性があり、現に事例も発生し、信頼性に欠ける。従って本案では、炉の緊急停止過程、クールダウン専用の小型復水ポンプ86を設け、乗用車から大型トラックまで一般車の駆動力を利用した発電機、又は直接駆動で作動させる。一般車は車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性を保持している。原発に隣接する津波シェルターの駐車場に安い駐車料金で日常多数保持し、更に津波警報で避難して来る車を収容すれば、極めて冗長性の高い動力源と燃料源として利用する事が出来る。日常防災以外の用途に使用中の多数の機器を流用する事に依り、高い信頼性が得られる。燃料タンクも空から満タンまで分布して居れば、平均50%は期待出来、乗用車でも8台有ればドラム缶一本分の燃料を積んでいる。
【0056】
一方、タービン30b、発電機32bは、通常営業発電に使用中の機器を使用せず、クールダウン途上の炉の発熱に合わせた仕様の物を使う場合もある。更にピストンタイプの蒸気エンジンを使用する場合もある。更に発電機32b、電熱器77を使用せず、直接復水ポンプ86を駆動する場合もある。
【0057】
一方86に期待せず、78の水を使い切った場合、コック80を開いて52b内の圧力を復水器31bより低くした後、コック87を開き、一方弁88を介して復水器31b内のドレン水を52b内に供給して後、再び77で加熱する場合もある。但しその場合は、52b内が汚染されるので、次回ドレン水を注入する場合には、コック89を開いて、フィルター90を介して外気に放出させる。
【0058】
この様にすれば、何時必要になるか判らない炉心急停止に対して、予め準備する事無く、手動操作のみで、安全なクールダウンが図れる。
【0059】
図4は炉に緊急注水する為の他の実施例で、28cは蒸気発生器、91はアキュムレーターで、92は耐熱ゴム製のペローズで、下側に水93、上に窒素ガス94が封入されている。95は、自動車用エアーバッグに、構造的に類似したガス発生器で、複数埋め込まれている。そして96、97、98の3系統の起爆回線を持っている。炉を緊急停止し、炉内の水位が下がって空焚きの危険が生じた際には、制御器38cが判断して96を介して95に窒素を主成分とするガスを発生させて、アキュムレーター内の圧力を上げる。炉28c内の正常圧力はタイプに依って異なるが、70〜160気圧であるため、アキュムレーター内の圧力は200〜400気圧程度とする。その時点でコック99を開けば、一方弁100を介して炉28cに注水される。その圧力推移はデジタル圧力計101、102を介して38cで監視し、制御され、若し102の方が101より低くなった場合には、他のガス発生器95を作動させて追い炊きを行う。ペローズ92は無くても大きな問題はない。
【0060】
ガス発生器95は、96を通じた起動電流が、95内部の電気雷管109の電熱線(通称スクイブ)に供給されることに依り行われる。スクイブには、常時38cより微小電流を流してスクイブの断線を監視している。しかし起動電流を流した瞬間に断線する場合も有り得るため、スクイブは並列に2回路設けられている。これらの回路は既にエアーバッグ専用に市販されているマイコンを流用する。レティネス・インジケーター部などは、共通に利用出来るが、エアーバッグの場合は数ミリ秒で起動させるため、見切り発車を行うので、その点は本例の方が余裕があり、より信頼性を向上出来る。
【0061】
制御系の故障や停電の際は、市販の手動起爆装置103のレバー104を押し下げる事で、98を介して起動させる。
【0062】
97はTLX(Thin laminated explosivsと云い、細い透明チューブの内壁に、火薬を薄く塗ったもので、一端に着火すると、マッハ11程度で火炎を伝える高速導火線て、戦闘機やスペースシャトルの脱出用に使われる。)で、制御器38cとの距離が離れていたり、発電装置からの誘導電流がある場合には使用する場合もある。105はTLXの起動装置で、電流に依る熱起動の他、撃鉄に依る器械起動の場合もある。
【0063】
水93を使い切った場合は、コック106を開いて94の内圧を下げ、コック107を介して注水し、91上に設けられた他のガス発生器95を使うか、又は使用済みのガス発生器を外して交換する。
【0064】
図5はガス発生器の詳細で、ガス発生器95は、アキュムレーター91に、銅パッキン108を介してねじ込まれており、その上に電気雷管109がねじ込まれている。110は推薬で、爆発的に燃焼せず、しかも燃焼熱を利用して窒素を主成分とする比較的低温の気体を放出する様になっている。111はフィルターである。下部の詳細は図6に示し、95はガス発生器のケースで、底板112が結合され、その下に密着して封板114が設けられている。封板114の外周はケース95にはんだ付けされている。112には、ガスを排出するための多数の小穴113が設けられている。更に95の下端にはブリッジ板115が結合されている。116はそれと直交するブリッジ板で、その尖端部117は、ナイフの様に尖らせてある。今他のガス発生器が作動して、この発生器が待ち受け状態にある時は、封板114には下から最大400気圧が掛るが、小穴113の開口部面積では封板は破裂しない様になっている。しかし本器が作動した時は、封板には95の内径面積に対し、外圧の数倍の圧力が加わるので、封版の中央は下側に膨らみ、刃先117に押し付けられるので、図7の118の様に、花びら状に開くので、ガスの放出の障害にならず、且つ破片が飛散する恐れがない。本図ではブリッジ板が直交しているので、花びらの先は90度と成るが、ブリッジ板を3枚以上にして、60度以下にさせる場合もある。
【0065】
アキュムレーター91の内圧を、最大400気圧としたのは、気体をそれ以上圧縮すると分子の大きさの影響で、体積の減少に対して圧力が急上昇するためで、窒素ガスのマザーボンベも400気圧で市販されており、市販の燃料電池車の水素タンクも350から400気圧を利用しているからである。しかし本例ではMTBFが極めて長く、その間内部が腐食し、緊急時に400気圧を掛けた途端に爆発する危険がある。その為には腐食し難い金属で製作する必要が有るが、高圧気体用ボンベが爆発すると、「鯵の開き」の様に成る事が知られている。その際その反力でボンベ自体が飛翔し、周囲の機器を破壊したり、複数配置した筈のアキュムレーターの誘爆を招き、SFPになる危険も想定されるため、燃料電池車の様に、ボンベの外周を「高抗張力レーヨン」の様な、大荷重を負担しながら伸びる材料で補強する。そうすれば、例え金属にひびが入ったり、銃で撃っても、気体が洩れるだけで、爆発はしない。燃料電池車の場合は洩れた水素で車庫が爆発する危険が有るが、本アキュムレーターの場合は、不活性ガスを使用している。93側の水は非圧縮性流体のため、破裂しても危険は少ない。
【0066】
従来、緊急時専用の大型内燃機関を起動し、緊急用発電機を回し、モーターと高圧ポンプを介して炉28cへ注水するには、様々なリスク、フェーラーポイントガ有る。例えば燃焼室は火炎に曝されるので、時々馴らし運転をしなければ、シリンダーが錆びてくる。定期的に分解整備も必要になる。これらを千年に一度とも云われる津波に備えて、緊張感を持って点検整備を続けさせる事は人事管理上も極めて困難で、不経済である。内燃機関も爆発から出力を得て居るので、推薬で直接水を押し出す本実施例では、稼動メカ部が全く無く、ガス発生器は複数待機させられるので、特に初動装置として、低いメンテナンスコストで極めて高い信頼性が得られる、
【0067】
図8は他の実施例を示す。図で原子炉2内は、大容量の発電の為に高温高圧になって居るので、炉を停止した後のクールダウン工程では100度を沸点とする常圧の冷却水でも賄える筈てすから、初期に空焚き防止のため、2内に注水する必要は有っても、燃料の惰性による予熱自体は大気圧下の外周プールで処理する方が動力が節約でき、それだけ信頼性が高い。図で1は炉心、2は原子力圧力容器、3は原子炉格納容器、4はドライウエル、5はベント管、6は圧力抑制プール、7は外周プールで、8は原子炉建屋、9はその屋上である。
【0068】
11は無人ヘリコプターで、その地区の新幹線の地震予知に依る減速指令に連動して自動離陸し、原子炉の停止完了信号を受けて、ケーブル12で吊り下げた袋13の海水を屋上9に投下する。本震やそれに続く連発余震、更にそれに続く津波か屋上に達する危険もあるため、海水の汲み上げ、屋上への投下は何れもホバリング中に行う。原子炉停止が必要となる巨大地震のMTBFは非常に長いので、その間ヘリの乗員を24時間365日待機させる経費は高価のため、無人ヘリは必須である。日常は、屋上に降った雨は雨水取り入れ口14に集められ、切り替え弁15により、雨水管16へ導かれるが、緊急時は17を通ってプール7に入る。27はその際の7内の空気を抜くための通気管である。若し弁15が緊急時用に切り替わっていなければ、ヘリより投下した水が、18より放出されるので、建屋の外から容易に監視出来るように成っている。
【0069】
19はベランダで、隣接する津波シェルターの放水銃の水が届く位置に設けられている。地上の消防車の屋根に取り付けられた放水銃で直接狙う事も可能にする。津波の水位がベランダに達する場合には、それも利用する。そのためフィルター20が設けられている。地下には隣接する津波シェルターに通じるトンネル26を設け、送水管22に依って送水する場合もある。その際には、途中の要所に、金属製蛇腹送水管23、24、25を設けて地震による地殻変動を吸収させる。この様な金属製蛇腹は、スペース・シャトルの噴射口が、ジンバルの周りに揺動する際に、燃料タンクからの配管を繋ぐ際に用いられ、高い信頼性が実証されている。
【0070】
ヘリからの注水が重要な初期に於いて、プール7への水は貴重であるため、17を下る水は、原子炉格納容器3の外周をネジ状に、北半球では反時計廻りに流れ下る樋121に注がれる。初期の6の水温は100度を大きく越えているため、121を流れ下る水は、下まで着かない内に、蒸発し尽すので、初期の水を有効に利用出来る。
【0071】
一方、7の水位が122の如く充分な高さに成った段階では、管の出口は123のように、プールの底に設け、その出口は北半球では反時計方向に向けることに依り、プール内に北半球では反時計方向の回流を発生させ、原子炉格納容器3の外周に付着した泡を除去して伝熱効率を向上させる。
【0072】
図9は、切り替え弁15の詳細を示す。図で9は建屋の屋上で、通常雨水は14より弁15に入り、弁板124に依り、排水管16に流れる。緊急時は軸125を回して126の状態にし、ヘリの投下した水を17を介して図8のプール7に入れる。図10は建屋の外観図を示し、軸125はレバー127により、建屋の外から、手動で容易に切り替え出来るように成っている。梯子129は作業者の他、梯子とレバーとの位置関係を教えた、図示されないロボットでも、容易に操作出来るように成っている。即ち、放射能拡散事故を防ぐ手段は、建屋の外から容易に制御できる他、制御の結果も屋外から容易に確認でき、ロボットでも単純な動きで操作可能で、ロボットの操作行動も屋外から容易に確認できるようにしてある。図はスライド扉128を開けた状態を示し、待ち受け時は津波やテロの攻撃から守れるように閉じておく。
【0073】
一方、過って図4の120から炉内の気体を緊急放出することに成った際、建屋内のフィルター回路が故障していたため、フィルター無しで放出した。更にそれを外部に漏らさぬよう、建屋内に滞留させたが、既に燃料棒の一部がオーバーヒートで破壊されて居たため、建屋の上部に水素ガスが溜まって爆発事故となり、放射能物質を広範囲の畑や河川、引いては水道水まで汚染させる結果と成った。是はSFPで有るから、120の排気に限らず、必要な配管は、直接建屋の外に出し、外付けの除染機器に繋げるようにする必要がある。
【0074】
図11はその一例であり、図4の120の蒸気は、建屋8dの外の口金120dにつながり、キャップボルト130で銅製リング131を締め付けて気密を保っている。蒸気を放出させる場合は、図12の様に、金具132の6角レンチ133がボルトの頭に嵌るようにはめ込み、周上4本設けられたボルト135で銅製リング139を締め付けてから、ハンドル134を緩めると、穴140から、高圧蒸気が120eに排出される。ゴム製Oリング136はハンドル側への蒸気の洩れを防ぐ。ハンドルを更に回して、銅製Oリング137が138にあたって押し潰されれば、更に確実にハンドル側への蒸気の洩れを防ぐ。
【0075】
120eに排出された蒸気は機械式フィルターを通した後、横置き風洞に通し、上からほう酸水を噴射して、放射性の塵を除去する。これは、デパートの様な人の集るところで、内気を循環させる際、客の出す埃を除去したりする際に、又外気を導入する際に外の砂埃を除去する際にも、同様のものが既に使用されている。除塵が不完全の恐れがある場合には、120eから排出される蒸気を、海水に漬けた熱交換器に通し、冷えた気体を風船に収容し、コンテナーに詰めてとりあえず、現場から排除する手段もある。
【0076】
原発建屋内で、高度な制御器を使っても、ブラックボックスに成っていれば、それはSFPです。多数のセンサーやアクチエーターを従えていれば、更に故障の要因が増え、信頼性は低下する。特にクールダウンの工程は時間との勝負ですから、ブラックボックスの故障箇所を追求し、修理している時間はない。従ってNASAの制御室の様に、ブラックボックスごと交換する方法も有るが、多数の配管を擁する原発では、それは困難ですから、本実施例の如く、必須の回線、配管は、外部に取り出して処理出来るようにするのが正解である。
【0077】
従って11、12図の手段は、炉の中腹の燃料棒が露出しない限界の水位の位置からも取り出し、水位計の信頼性を立証させる絶対検量にも使用する。
【0078】
以上主として大地震に依る、主として周辺機器の故障から来る放射能拡散の危険を、主として手動で除去する手段を示したが、大地震の後には大津波が来る。遠隔地の大地震で津波だけが来る場合もあるので、その対策が無ければ、放射能の拡散防止は完結しない。更にその手段は、既に存在する多数の原発に適用可能でなければ、現実的でない。
【0079】
以上に加えて、放射能の拡散防止には津波対策も必要である。津波は速度エネルギーを持って居るので、衝突工学的対応が必要である。自動車の衝突では、双方の吸収ストロークが大切で、ストロークがゼロなら、衝突荷重は無限大になる。水は非圧縮流体であるから、平板の防潮堤で立ち向かえばウオーターハンマーが発生する事は水力学の基礎である。気体ですら、鉄道のレールと車輪の間で、逃げ場の無く成った空気が噴出する際のゴーッと云うハンマーリング音は有名である。自動車のタイヤも溝を設けてハンマーリング音を防止する。是を避ける為に船舶は流線型に成っている。更に鉄筋コンクリートと云うものは、安価を目的とした手段で、膨張係数は同じだが、鉄筋は数%も延びなければ最大荷重が出せないが、セメントは伸びに弱いので、曲げモーメントに依り、自重に依る予圧力を超える伸び荷重が繰り返し加われば瓦解するので、防潮堤には馴染まない。現に超高層ビルはすべて鉄骨構造であり、船舶も鉄製である。
【0080】
そして津波の高さは自然現象であるから、特定し難く、更に防潮堤に当たれば、速度エネルギーが位置エネルギーに成って加算されるので、更に特定し難く、是を防潮堤の高さのみで阻止するのでは、信頼性は保証されない。従って原発建屋も補器の保護も、流線型シェルターが基本で有り、既成の原発建屋に対しては、衝突対策を前面に出し、原発建屋は、後方で静圧と成った水圧に対して、水密対策を施す必要がある。
【0081】
図13はその実施例で、現有の原発本体の建屋を津波シェルターにする場合を示す。図で8fは原子炉建屋であり、その前面、津波の来る方向に、船首の船底に相当するカバー141を設ける。反対側の引き波方向にも設ける場合もある。本例は海岸の先端にある原発の建屋を守る事が主眼で、後方や左右の家屋を守る機能は薄い。支持部材は鉄骨が望ましい。船舶も全溶接船より、スティック・スリップで衝撃エネルギーを吸収するリベット船の方が強靱な事が実証されており、本例もボルト付けが望ましい。ボルト穴を長穴にする発明も公知である。表面板は鉄板とし、小穴を多数空けたり、エクスパンドメタルにして、水流を一部通過させ、乱流として速度エネルギーを消耗させる場合もある。
【0082】
図14は津波を押し留めようとする場合である。過去のデーターから、海底でプレートが沈み込む際のスティックスリップから起きる最大の津波の高さは約2メートルであり、その来襲速度を上方に転換させて、位置エネルギーに替えた場合の水位は約2メーターであり、合計4メーターに成る。従って正面板142の高さは4メーター以上とする。
【0083】
しかし上記基本波の持続時間は約20分である。是に対し、沈み込み部に堆積した土が連動して飛び上がる、分岐断層による津波の重畳波は、3メーターレベルの持続時間が約5分、6メーターレベルの持続時間が約2分半と云うピーキーな波形である。従って142の上縁と建屋8gとの間に落とし穴144を設けて、ピーキーな波形部の水をキャパシターとして貯水させ、引き波の間に、小穴145より放水させる。145には、流出の場合のみに開く一方弁を設ける場合もある。143は側方の建屋に水が流れない様にするセパレーターである。
【0084】
現有の原発で、本体建屋の外に配置されている機器を、津波シェルターに収容る手段の実施例は、特願2011−109866「津波用シェルター」の図9に示すように、2階を気密にして津波シェルターとするのが有利である。それは上記のように、津波の水位が2階の床面より高く成り、シェルターが孤立する時間は数分程度と極く僅かだからである。更に前記のように、大津波のMTBFは千年とも云われ、非常に長いため、シェルターの気密はフォーゲッティーで保証される必要が有るため、シェルターへの出入りは、日常も緊急時も、1階から車はスロープで、人は階段、エスカレーター、2階で行き止まりのエレベーターを利用して出入りする。シェルター内に日常駐車したり、津波警報で避難して来る一般車は、車検制度もあり、高速道路の長時間走行に対し、日常極めて高い信頼性が確認済みで、更に台数が多い分、冪乗の信頼性を持っている。従って上記先願の図9の実施例に加え、図15はその車輌を複数台、原発のプールの注水に転用する場合を示し、5kは2階のシェルター、3kは1階部で、階段8kなどで2階に上がる。71kは車輌で、その駆動輪73kをダブルローラー74k上に乗せて駆動力を得る。その駆動力は図示されないメカに依って地下水槽146内の海水84kに浸かっているポンプ147を駆動し、シェルターの2階壁面1kに設けられた放水銃148から、図8のベランダ19に放水する。他の車輌を他の74k上に乗せ、他のポンプ147を使って、図8の地下トンネル26から配管22を介してプール7に供給する場合もある。ポンプ147の替わりに、2階にポンプを置き、吸水管を海面に下ろす場合もある。更に他の車輌を他の74k上に載せて発電を行わせ、その電力で水中投込み式ポンプを海水中に下ろす場合、その電力を原発の制御用に供給する場合もある。
【0085】
車輌71kはボンネット149を開き、ラジエーターキャップを外して、パイプ150を繋ぎ、桶151の海水と繋ぐ場合もある。この際は、エンジン内で沸騰した蒸気はエンジンのポンプに依りラジエーターの上部タンクに送られるので、桶151から放出され、替わりに海水が補充される。152は送風機である。車輌のヘッドライトを点けず、その分送風機で、高速道路走行時相当の風が与えられればボンネットを開ける必要は無いが、実験の結果、若干不足する場合もあるため、151の水も必要である。図16は放水銃部の詳細を示し、1kは原発のベランダに対峙する壁面、148kは放水銃、153はその噴出口で、尖端にボール154が結合され、1kに結合されたブラケットに回動自在に支持され、ターンバックル156に依り、予めベランダに命中するよう調節されている。従って噴出口153の地上高さをベランダより高くすれば、津波の水位がベランダに達するまで、常に放水が可能であり、津波の水位がベランダを越えれば、津波からベランダに給水される。
その際、Oリング157はシェルター内に津波が侵入するのを防止するし、噴出口153は建屋の壁面より若干引っ込める事で、津波に含まれる瓦礫に依る損傷を防いでいる。
【0086】
新型の加圧水型原発は、制御棒が炉の下部に固定され、送電遮断時、燃料棒を自重で落下させて、燃焼を止める、常時付勢のフェールセーフ構造になっている。従って送電遮断時、急速に炉の水位が下がっても、燃料棒も下がるので、空焚きのリスクが小さい。又、若し空焚きでメルトダウンが起こっても、炉の底は密閉されて居るので、炉の底が破壊されるリスクが小さい。しかし福島で事故を起こして放射性物質の所外大量放出を招いた炉を含め、現在稼動中の古い炉、沸騰水型原発は、燃料棒は動かさず、制御棒を重力に逆らって持ち上げて燃焼を止める形式に成っている。従って水位が下がる空焚きへのマージンが少ない。しかも高圧が掛った炉の底に穴を開け、棒を通して制御棒を上下させる構造には無理があり、空焚きでメルトダウンが起れば、溶けた燃料が炉の底に溜まり、制御棒の支持部を溶かす危険があり、そうなれば、制御棒が落下して炉が全開になり、加速度的にメルトダウンが起きる危険もある。そうすれば、炉の底の穴から炉内の放射性の水が高圧で噴出される可能性があり、更に洩れた高濃度の汚染水を受ける圧力抑制プールも複雑な溶接構造であるため、地震の影響で亀裂が生じ、鉄筋コンクリート製の地下室に高濃度の汚染水が溜る危険がある。更に、鉄筋コンクリートは伸び荷重に弱いため、地震に対し、水密性能は保証出来ず、結果として所外の海中に高濃度の汚染水が流出する事故が発生し、その影響は海流に乗って世界に拡散するため、影響は極めて大きい。
【0087】
従って図17は未だ事故を起こしていない沸騰水型原発の安全対策の実施例を示す。図で2mは原子炉、3mは原子炉格納容器、158は燃料棒、159は制御棒である。
160、161、162は緊急用制御棒である。若し炉内の水位が不足して空焚きとなって、燃料棒が溶融て落下した場合には、160上に落下する。図18は160の緊急用制御棒の詳細を示す。緊急用制御棒160mは細かい格子状になっており、その上端部163は尖らせてあり、落下した液体化した燃料棒は164のように細分化されて、再臨界を防止し、原子炉の底部165に接して、格納容器3m内の水166で冷却される。若し制御棒を通している穴などから、原子炉の底板165も溶融して落下した場合には、161が、更に格納容器3mの底も溶融した場合には162が受け止める、三段構えとしてSFPを排除している。
【0088】
上記メルトダウン以前にも格納容器にはリング状部品167が溶接されて居るなど、構造が複雑なため、大地震の荷重により、亀裂が生じ、高濃度の汚染水が168内に漏れ出し、更に建屋169の亀裂から海中に放出される事故が起きている。この対策として、ステンレス製の水槽170を増設して漏水を防ぐ。更にコック171を開いて冷却水を補給すれば、2m、3mの漏水部を通って168に供給され、水位が172に達したら、コック173を開いて除染器174を通して回流させる。7mは図8の7に示すプールで、海水を供給して炉を冷やす。温まった海水を海に戻す際に、海水中の不純物が、高濃度の汚染水で汚染されない様に、プールの外壁175は鉛で囲う。
【符号の説明】
【0089】
1…炉心、2、2m…原子炉、3、3m…原子炉格納容器、6・・・圧力抑制プール、7・・・外周プール、8・・・原子炉建屋、9・・・屋上 11・・・ヘリコプター、19・・・ベランダ、28、28b、28c、28・・・蒸気発生器 29・・・高圧タービン、30・・・低圧タービン、31・・・復水器 32、32a、32b・・・発電機、39・・・コンデンサー、40、69、70・・・電極 45・・・超低圧タービン、46・・・水車 47・・・ステーター、52・・・海水 54、55、65、75、・・・碍子、66・・・ウインチ、72・・・抵抗器 79、88、100・・・一方弁、77・・・投込み式電熱器、86・・・小型複水ポンプ 91・・・アキュムレーター 95・・・ガス発生器、103・・・手動起爆装置、109・・・電気雷管、110・・・推薬 114、118・・・封板、127・・・レバー、131、137、139・・・銅製Oリング 136、157・・・ゴム製Oリング、71k・・・車輌、、151・・・桶、152・・・送風機 74k・・・ダブルローラー、147・・・ポンプ、148・・・放水銃、158・・・燃料棒 159・・・制御棒、160、161、162・・・緊急用制御棒、175・・・鉛製プール外壁 8、8f、8g・・・原子炉建屋、141・・・カバー、142・・・正面板 143・・・セパレーター、144・・・落とし穴、145・・・小穴、144・・・落とし穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震、津波、送電遮断、所内停電の一つまたは複合発生により、放射性物質の所外放出に至るのを防止する、各々複数の手段を備えたことを特徴とする、原子力発電装置。
【請求項2】
各モードの対策の一つは手動操作である、請求項1の装置。
【請求項3】
津波との衝突荷重の軽減と、水没に耐える水密機能とを持つ、請求項1の装置。
【請求項4】
水素ガスや放射性物質を所外に放出する事態に至った際、外部の除染装置を安全で容易に接続出来るようにした請求項1の装置。
【請求項1】
地震、津波、送電遮断、所内停電の一つまたは複合発生により、放射性物質の所外放出に至るのを防止する、各々複数の手段を備えたことを特徴とする、原子力発電装置。
【請求項2】
各モードの対策の一つは手動操作である、請求項1の装置。
【請求項3】
津波との衝突荷重の軽減と、水没に耐える水密機能とを持つ、請求項1の装置。
【請求項4】
水素ガスや放射性物質を所外に放出する事態に至った際、外部の除染装置を安全で容易に接続出来るようにした請求項1の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図13】
【図14】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図13】
【図14】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−242375(P2012−242375A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127718(P2011−127718)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(393000294)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(393000294)
【Fターム(参考)】
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