説明

原子炉出力監視装置

【課題】放射線検出器の感度が劣化した場合でも、高分解能で原子炉出力の監視をおこなうことができる高信頼性の原子炉出力監視装置を提供する。
【解決手段】原子炉内の中性子束を測定する複数の放射線検出器と、各放射線検出器からの電流信号を複数の抵抗器2−1〜2−nを介して電圧信号に変換する増幅器1と、前記各抵抗器に設けられゲイン演算部8により制御されるスイッチ3−1〜3−nと、アナログ/ディジタル変換器10と、ゲイン/校正電流変換部14と、原子炉の局所出力又は平均出力を演算する演算部11とを有する原子炉出力監視装置であって、前記ゲイン演算部8は、前記ゲイン/校正電流変換部14で演算されたゲイン値6に基づいて前記複数の抵抗器2−1〜2−nから使用する抵抗器を選択し各スイッチ3−1〜3−nにオンオフ信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉の出力を監視するための原子炉出力監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の原子炉出力監視装置を図4により説明する。原子炉内には原子炉の出力を監視するために複数の局所出力領域モニタからなる放射線検出器(LPRM; Local Power Range Monitor)が設置されている。この原子炉出力監視装置は、原子炉内の中性子束を測定する各LPRMからの電流信号を、抵抗器2−1〜2−3を介して電圧信号に変換する増幅器1、入出力回路を電気的に絶縁する絶縁アンプ4、LPRMに高圧電圧を供給するための高圧電源5、電流−電圧に変換された各チャンネルの信号を選択するための入力切替部9、選択された信号をアナログ/ディジタル変換するアナログ/ディジタル変換器10、ディジタル値にLPRMのゲイン値6を乗算して校正する演算部11、ゲイン値6が入力される信号入力部12、絶縁部7、ゲイン切替部16、等で構成されている。
【0003】
このように構成された原子炉出力監視装置では、原子炉内の中性子照射による集積線量によって時間の経過とともにLPRMの感度が劣化するため、定期的に個々の検出器の感度調整をおこなっている。その際、例えば100%の原子炉出力時の個々のLPRMの電流出力値に基づいて抵抗器を切替え、ゲイン値6で校正された信号を基に、局所出力を演算し、各局所出力から平均出力を演算したり、トリップ信号を出力している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−269287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の原子炉出力監視装置では、LPRM信号の大きさにより増幅率の異なるレンジを設け、アナログ/ディジタル変換後にゲイン値を乗算するため、各レンジのフルスケールのところでは分解能を同じに精度よくできるが、各レンジ内ではゲイン値が大きくなるにつれてLPRM出力の分解能が悪くなってしまう。
【0006】
例えば、図4において、抵抗器2−1〜2−3をそれぞれ3.3kΩ、12.5kΩ、50kΩとした場合、原子炉出力125%時に検出器電流が801μA〜3000μAであれば3.3kΩが選択され、原子炉出力125%時に検出器電流が201μA〜800μAであれば12.5kΩが選択され、原子炉出力125%時に検出器電流が75μA〜200μAであれば50kΩが選択される。
【0007】
例えば、検出器電流が原子炉出力125%時3000μAであれば、電流―電圧変換により0〜3000μAが0〜9.9Vに変換され、例えば0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器により0〜4054ビットに変換され、演算部で0〜4054ビットから原子炉出力0〜125%の変換をおこなう。
【0008】
同様に、原子炉出力125%時800μAであれば、電流―電圧変換により0〜800μAが0〜10Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器により0〜4095ビットに変換され、演算部で0〜4095ビットから原子炉出力0〜125%の変換をおこなう。
【0009】
また、原子炉出力125%時200μAであれば、電流―電圧変換により0〜200μAが0〜10Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器により0〜4095ビットに変換され、演算部で0〜4095ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0010】
しかしながら、原子炉出力125%時75μAの場合は、電流―電圧変換により0〜75μAが0〜3.75Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器により0〜1536ビットに変換され、演算部でゲイン値2.67で乗算され、0〜4095ビットからなる原子炉出力0〜125%に変換される。
【0011】
したがって、原子炉出力125%時200μAに比べ、原子炉出力125%時75μAのときは分解能が2.67倍になってしまう。すなわち、各レンジの最大値と最小値の比だけ分解能が悪くなってしまう。
また、アナログ/ディジタル変換後にゲイン値を乗算するため、原子炉出力の値から、その時点での検出器電流値を想定することが困難となっている。
【0012】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、放射線検出器の感度が劣化した場合でも、高分解能で原子炉出力の監視をおこなうことができるとともに、原子炉%出力の値から検出器電流値を容易に想定することができる高信頼性の原子炉出力監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の原子炉出力監視装置は、原子炉内の中性子束を測定する複数の放射線検出器と、各放射線検出器からの電流信号を複数の抵抗器を介して電圧信号に変換する増幅器と、前記各抵抗器に設けられゲイン演算部により制御されるスイッチと、前記増幅器からの信号が入力切替部を介して入力されるアナログ/ディジタル変換器と、前記放射線検出器の校正時の校正電流値に基づいてゲイン値を演算するゲイン/校正電流変換部と、前記アナログ/ディジタル変換器からの出力とゲイン/校正電流変換部で演算されたゲイン値により原子炉の局所出力又は平均出力を演算する演算部と、を有する原子炉出力監視装置であって、前記ゲイン演算部は、前記ゲイン/校正電流変換部で演算されたゲイン値に基づいて前記複数の抵抗器から使用する抵抗器を選択し各スイッチにオンオフ信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、放射線検出器の感度が劣化した場合でも、高分解能で原子炉出力の監視をおこなうことができる高信頼性の原子炉出力監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原子炉出力監視装置の全体構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る原子炉出力監視装置の全体構成図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る原子炉出力監視装置の全体構成図。
【図4】従来の原子炉出力監視装置の全体構成図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の原子炉出力監視装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を、図1を用いて説明する。
【0017】
第1の実施形態の原子炉出力監視装置は、中性子を測定する複数チャンネルの局所出力領域モニタ(LPRM)と、各LPRMからの電流信号を抵抗器2−1〜2−nを介して電圧信号に変換する増幅器1と、入出力を電気的に絶縁する絶縁アンプ4と、LPRMに高圧電圧を供給するための高圧電源5と、電気的に絶縁され電圧信号に変換された各チャンネルの信号を選択するための入力切替部9と、選択された信号をディジタル値に変換するアナログ/ディジタル変換器10と、各LPRMのゲイン値6が入力される信号入力部12と、ディジタル変換された検出器電流値とゲイン値6から局所出力等を演算する演算部11と、校正電流値(Ical)15からゲイン値6を演算するゲイン/校正電流変換部14と、ゲイン値から求められた増幅率に基づいて複数の抵抗器から使用する抵抗器を選択するとともに各抵抗器2に設けられたスイッチ3−1〜3−nにオンオフ信号を出力するゲイン演算部8と、ゲイン演算部8と演算部11との間を電気的に絶縁する絶縁部7と、から構成される。
【0018】
このように構成された原子炉出力監視装置において、例えば、抵抗器2−1〜2−nをそれぞれ96kΩ、48kΩ、24kΩ、12kΩ、6kΩ、3kΩ、1.5kΩ、750Ω、375Ωの9基の抵抗器から構成した場合、検出器電流0〜3000μAで原子炉出力0〜125%ならば、校正電流値(Ical)2400μA(原子炉出力が100%)であり、ゲイン値は1で3kΩに並列のスイッチのみOFFで、他の抵抗に並列のスイッチはONになるようにゲイン演算部8から信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜3mAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0019】
次に、LPRMの出力範囲が使用当初0〜3000μAで、校正電流値(Ical)2400μA(原子炉出力が100%)あったものが、原子炉内の中性子照射による集積線量によって時間の経過とともに検出器感度が劣化して、原子炉出力100%における校正電流値(Ical)15が1200μAになったとすると、ゲイン/校正電流変換部14は2400μAを1200μAで除する演算をおこない、ゲイン値を2に設定し、放射線検出器の測定範囲は0〜1500μAになる。
【0020】
ゲイン値が2に設定されると、ゲイン演算部8は当該ゲイン値により定められた増幅率に基づいて使用する抵抗器2を選択する。本例では、ゲイン演算部は6kΩの抵抗器2を選択し、当該抵抗器2に並列に設けられたスイッチ3のみOFF信号を出力し、他の全スイッチ3にはON信号を出力する。そして、増幅器1における電流―電圧変換により0〜1500μAが0〜9Vに変換され、アナログ/ディジタル変換器10が0−10V/12ビットであれば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0021】
同様に、LPRMの寿命後期において、校正電流値(Ical)15が60μAで検出器電流の出力範囲が0〜75μAになったとすると、ゲイン/校正電流変換部14は当初の電流校正値である2400μAを60μAで除する演算をおこない、ゲイン値を40に設定する。ゲインが40に設定されると、ゲイン演算部8は96kΩの抵抗器2−1と24kΩの抵抗器2−3を選択し、当該抵抗器2−1,2−3のスイッチ3−1,3−3をOFFに他のスイッチ3−2,3−4・・・3−nをONになるように信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜75μAが0〜9Vに変換され、アナログ/ディジタル変換器10が0−10V/12ビットであれば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0022】
表1にゲインに対するスイッチの設定例を示す。
【表1】

【0023】
表1は、抵抗器として96KΩ〜375Ωの9基の抵抗器を用いた例において、種々のゲイン値に対応して選択された抵抗器の一覧表であり、スイッチ3−1・・・3−9が「OFF」の抵抗器がゲイン調整に用いられていることを示している。
【0024】
このように、局所出力演算部11は、LPRMの使用当初の校正電流値(Ical)と所定期間経過後の校正時に求めた各LPRMの校正電流値(Ical)の比を求めて、その値をゲイン値とし、ゲイン演算部8は当該ゲイン値が得られるように複数の抵抗器から所定の抵抗値が得られるように1つ又は複数の抵抗器を演算により選択する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば、LPRMの感度が劣化した場合でも、高分解能で原子炉出力の監視をおこなうことができる高信頼性の原子炉出力監視装置を提供することができる。また、原子炉%出力の値からLPRMの電流値を容易に想定することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図2を用いて説明する。なお第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0027】
本第2の実施形態は、入力したディジタル値によりゲインが設定できるプログラマブル・ゲイン・アンプ13と、絶縁されたゲインデータから増幅率を決定して、複数の抵抗器2−1〜2−nからどの抵抗器2を使用/使用しないを選択するスイッチ3−1〜3−n及びプログラマブル・ゲイン・アンプ13に信号を出力するゲイン演算部8から構成されている。
【0028】
例えば、抵抗器2−1,2−2,2−3,2−4をそれぞれ3kΩ、1.5kΩ、750Ω、375Ωの4基の抵抗器から構成し、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲイン(利得)を1倍、2倍、4倍、8倍、16倍、32倍に設定可能とした場合、検出器電流0〜3000μAで原子炉出力0〜125%ならば、ゲイン値は1であり、ゲイン演算部8は、3kΩに並列のスイッチ3−1のみOFFで、他の抵抗に並列のスイッチはONになるようにオンオフ信号を出力し、かつ、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲインは1倍となるように信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜3mAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0029】
このように構成された本実施形態において、LPRMの出力範囲が使用当初0〜3000μAであったものが、原子炉内の中性子照射による集積線量によって時間の経過とともに検出器感度が劣化して、校正電流(Ical)が1200μAになったとすると、ゲイン値を2に設定し、LPRMの測定範囲が0〜1500μAになる。ゲインが2に設定されると、ゲイン演算部8は、3kΩの抵抗器に並列のスイッチのみOFFで他のスイッチはONになるようにオンオフ信号を出力し、かつ、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲインは2倍となるように信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜1500μAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0030】
同様に、LPRMの寿命後期において、校正電流が60μAで、検出器電流の出力範囲が0〜75μAになったとすると、ゲイン値を40に設定する。ゲインが40に設定されると、ゲイン演算部8は、3kΩの抵抗器2−1と750Ωの抵抗器2−3に並列のスイッチ3−1,3−3がOFFで他のスイッチ3−2,3−4はONになるようにオンオフ信号を出力し、かつ、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲインは32倍となるように信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜75μAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0031】
表2にゲインに対するスイッチの設定例を示す。
【表2】

【0032】
本第2の実施形態によれば、プログラマブル・ゲイン・アンプを用いたことにより、抵抗器の基数を減らすことができるため、装置の簡素化、部品点数の削減を図ることができる。
【0033】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を、図3を用いて説明する。なお上記実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本第3の実施形態は、上記第2の実施形態において、抵抗器2−1〜2−nとスイッチ3−1〜3−nをそれぞれ直列に接続したことを特徴とする。
【0034】
例えば、抵抗器2−1〜2−nをそれぞれ3kΩ、3.75kΩ、4.5kΩ、5.25kΩの4基の抵抗器から構成し、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲイン(利得)を1倍、2倍、4倍、8倍、16倍、32倍に設定可能とした場合、検出器電流0〜3000μAで原子炉出力0〜125%ならば、ゲイン値は1で、ゲイン演算部8は3kΩに直列のスイッチ3−1のみONで、他の抵抗3−2,3−3,3−4に直列のスイッチはOFFになるようにオンオフ信号を出力し、かつ、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲインは1倍となるように信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜3mAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0035】
このように構成された本実施形態において、LPRMの出力範囲が使用当初0〜3000μAであったものが、原子炉内の中性子照射による集積線量によって時間の経過とともに検出器感度が劣化して、校正電流値(Ical)が1200μAになったとすると、ゲイン値を2に設定し、LPRMの測定範囲が0〜1500μAになる。
【0036】
ゲインが2に設定されると、ゲイン演算部8は、3kΩの抵抗器2−1に直列のスイッチ3−1のみONで他のスイッチ3−2〜3−4はOFFになるようにオンオフ信号を出力し、かつ、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲインは2倍となるように信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜1500μAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0037】
同様に、LPRMの寿命後期において、校正電流値(Ical)が60μAで、検出器電流の出力範囲が0〜75μAになったとすると、ゲイン値を40に設定する。ゲインが40に設定されると、ゲイン演算部8は3.75kΩの抵抗器に直列のスイッチがONで他のスイッチはOFFになるようにオンオフ信号を出力し、かつ、プログラマブル・ゲイン・アンプ13のゲインは32倍となるようにから信号を出力する。そして、電流―電圧変換により0〜75μAが0〜9Vに変換され、0−10V/12ビットのアナログ/ディジタル変換器10ならば0〜3685ビットに変換され、演算部11で0〜3685ビットから原子炉出力0〜125%の変換を行う。
【0038】
表3にゲインに対するスイッチの設定例を示す。
【表3】

本第3の実施形態によれば、抵抗器とスイッチを直列に接続可能とすることにより、原子炉出力監視装置の設計自由度を高めることができる。
【0039】
なお、上記実施形態では抵抗器として4基又は9基の抵抗器を用いた例を説明したが、これに限定されず、抵抗値の異なる抵抗器を適宜増減してもよい。また、プログラマブル・ゲイン・アンプのゲインも適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…増幅器、2−1〜2−n…抵抗器、3−1〜3−n…スイッチ、4…絶縁アンプ、5…高圧電源、6…ゲイン値、7…絶縁部、8…ゲイン演算部、9…入力切替部、10…アナログ/ディジタル変換器、11…演算部、12…信号入力部、13…プログラマブル・ゲイン・アンプ、14…ゲイン/校正電流変換部、15…校正電流値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉内の中性子束を測定する複数の放射線検出器と、各放射線検出器からの電流信号を複数の抵抗器を介して電圧信号に変換する増幅器と、前記各抵抗器に設けられゲイン演算部により制御されるスイッチと、前記増幅器からの信号が入力切替部を介して入力されるアナログ/ディジタル変換器と、前記放射線検出器の校正時の校正電流値に基づいてゲイン値を演算するゲイン/校正電流変換部と、前記アナログ/ディジタル変換器からの出力とゲイン/校正電流変換部で演算されたゲイン値により原子炉の局所出力又は平均出力を演算する演算部と、を有する原子炉出力監視装置であって、
前記ゲイン演算部は、前記ゲイン/校正電流変換部で演算されたゲイン値に基づいて前記複数の抵抗器から使用する抵抗器を選択し各スイッチにオンオフ信号を出力することを特徴とする原子炉出力監視装置。
【請求項2】
前記増幅器と前記アナログ/ディジタル変換器との間に絶縁アンプを配置するとともに、前記ゲイン演算部と前記演算部との間に絶縁部を配置したことを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
【請求項3】
前記ゲイン/校正電流変換部は、放射線検出器の使用開始時の校正電流値と校正時の校正電流値との比に基づいてゲイン値を演算することを特徴とする請求項1又は2記載の原子炉出力監視装置。
【請求項4】
前記増幅器の後段に複数のゲインが設定されたプログラマブル・ゲイン・アンプを設置し、前記ゲイン演算部は前記ゲイン値に基づき複数のゲインから一つのゲインを選択することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の原子炉出力監視装置。
【請求項5】
前記抵抗器に前記スイッチを直列又は並列に接続したことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の原子炉出力監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−237330(P2011−237330A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110239(P2010−110239)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】