説明

厨房キャビネット

【課題】 縦断面L字状の覆い部材を使用しないで、キャビネット本体の強度を高める。
【解決手段】 厨房キャビネット1のキャビネット本体3の背板6は、その後方に配管スペース15を形成するようにして、且つ、水槽9及び加熱調理機器12と衝突・干渉しないように背板6の上端と水槽9の下部及び加熱調理機器12の下部との間に間隙16を形成するようにして、左右の側板4に取り付けられ、前記水槽9と加熱調理機器12との間に位置するようにしてキャビネット本体3に引き出し収納空間18が形成され、引き出し収納空間18に引き出し19が前後動自在に設けられており、前記引き出し収納空間18に臨むようにして、左右一対の仕切り板21がキャビネット本体3に設けられ、仕切り板21の後端がキャビネット本体3の左右の側板4の後端を含む仮想鉛直面22に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は厨房キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の厨房キャビネットとして以下の如きものが知られている。
左右の側板、底板及び背板を有するキャビネット本体と水槽と加熱調理機器とを有する厨房キャビネットにおいて、背板は、その後方に配管スペースを形成するようにして、且つ、水槽及び加熱調理機器と衝突・干渉しないように背板の上端と水槽の下部及び加熱調理機器の下部との間に間隙を形成するようにして、左右の側板に取り付けられ、前記背板の上端と天板(キャビネット本体の上部に設けられている)とを縦断面L字状の覆い部材(背板の上端と天板との空間を覆う)で繋ぐようにしたものが知られている。覆い部材は背板を補強する作用を有している。
【特許文献1】特開平11−42,131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の厨房キャビネットには、縦断面L字状の覆い部材を使用する分だけコスト高であるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。
(1)請求項1の発明は、左右の側板、底板及び背板を有するキャビネット本体、キャビネット本体の上部に設けられた水槽及び同加熱調理機器を有する厨房キャビネットにおいて、背板は、背板の後方に配管スペースを形成するようにして、且つ、水槽及び加熱調理機器と衝突・干渉しないように背板の上端と水槽の下部及び加熱調理機器の下部との間に間隙を形成するようにして、左右の側板に取り付けられ、前記水槽と加熱調理機器との間に位置するようにしてキャビネット本体に引き出し収納空間が形成され、引き出し収納空間に引き出しが前後動自在に設けられており、前記引き出し収納空間に臨むようにして、左右一対の仕切り板がキャビネット本体に設けられ、仕切り板の後端が左右の側板の後端を含む仮想鉛直面に位置しているものである。
(2)請求項2の発明は、前記仕切り板の上側部の後端が左右の側板の後端を含む仮想鉛直面に位置しており、同下側部の後端が背板に固定されている請求項1記載のものである。
(3)請求項3の発明は、前記仕切り板間に位置するようにして、仕切り板に補強部材が渡し止められている請求項1又は2記載のものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は前記した如き構成によって以下の如き効果を奏する。
(1)請求項1の発明によれば、引き出し収納空間に臨むようにして設けられた左右一対の仕切り板の後端がキャビネット本体の左右の側板の後端を含む仮想鉛直面に位置しているものであるから、左右一対の仕切り板の後端を設置場所の建物の側壁に、当接させたり又は連結具により固定することにより、背板、ひいてはキャビネット本体の補強を行うことが出来る。即ち、コスト高の、縦断面L字状の覆い部材を使用することなく、左右一対の仕切り板を利用してキャビネット本体の強度を高めることが出来る。
(2)請求項2の発明によれば、仕切り板の下側部の後端が背板に固定されているので、仕切り板により背板の補強を行うことが出来る。
(3)請求項3の発明によれば、補強部材により仕切り板の補強を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
なお、この説明において、前とは図1紙面表側を、後とは同裏側をいい、左とは図1左側を、右とは同図右側をいう。
【0007】
厨房キャビネット1のキャビネット本体3は、所定間隔をあけて配された左右の側板4と、左右の側板4の下部に渡し止められた底板5(図4参照)と、左右の側板4の後部に渡し止められた、後で詳述する背板6とを有している。
【0008】
前記キャビネット本体1の上部には天板8が公知の手段により取り付けられている。
天板8の右側に形成された上下方向に貫通する開口(図示略)の縁に水槽9が取り付けられ、天板8の左側の上方及び前方に開放する開口を有する収納空間11にガス調理器等の周知の加熱調理機器12が収納・載置されている(図5参照)。
【0009】
前記背板6は、その後方に配管スペース15を形成するようにして、且つ、水槽9及び加熱調理機器12と衝突・干渉しないように背板6の上端と水槽9の下部及び加熱調理機器12の下部との間に間隙16(図4、図5参照)を形成するようにして、左右の側板4に取り付けられている。このようにすることにより、配管スペース15の前後間隔を大きくすることが出来る。
【0010】
前記水槽9と加熱調理機器12との間に位置するようにしてキャビネット本体3に引き出し収納空間18が形成され、この引き出し収納空間18に少なくとも1つ、本実施の形態では上下2つの引き出し19が周知のガイド機構(図示略)を介して後述の仕切り板21に沿って前後動自在に設けられている。引き出し収納空間18はキャビネット本体3の、左右方向の中央部に位置することになる。
【0011】
前記引き出し収納空間18に臨むようにして、左右一対の仕切り板21がキャビネット本体3に設けられている。仕切り板21は上側部21aと下側部21bとから構成されている。そして、仕切り板21の前端はキャビネット本体3の支柱23に固定され(図3参照)、上側部21aの後端は左右の側板4の後端を含む仮想鉛直面22に位置しており、下側部21bの後端は背板6に固定されている。仕切り板21は、キャビネット本体3の、左右方向の中央部近傍に位置することになる。仕切り板21間に位置するようにして、仕切り板21に補強部材24(背板6と同様の前後厚さを有する)が渡し止められている(図2参照)。
【0012】
前記加熱調理機器12の左方にも引き出し収納空間18が形成され、この引き出し収納空間18にも引き出し19が周知のガイド機構(図示略)を介して前後動自在に設けられている。
【0013】
前記キャビネット本体3の物品収納空間25(水槽9の下方の物品収納空間25、引き出し19の下方の物品収納空間25及び加熱調理機器12の下方の物品収納空間25)の前部開口は扉26によって開閉自在となされている。
【0014】
以下に変形例等について説明を加える。
(1)背板6に、前後方向に開放する公知の点検口を設けて、この点検口を取り外し自在な閉塞板で開閉自在に閉塞するようにしてもよい。
(2)水槽9が左側で、加熱調理機器12が右側であってもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す背面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 厨房キャビネット
3 キャビネット本体
4 側板
8 天板
9 水槽
12 加熱調理機器
15 配管スペース
16 間隙
18 引き出し収納空間
19 引き出し
21 仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の側板、底板及び背板を有するキャビネット本体、キャビネット本体の上部に設けられた水槽及び同加熱調理機器を有する厨房キャビネットにおいて、背板は、背板の後方に配管スペースを形成するようにして、且つ、水槽及び加熱調理機器と衝突・干渉しないように背板の上端と水槽の下部及び加熱調理機器の下部との間に間隙を形成するようにして、左右の側板に取り付けられ、前記水槽と加熱調理機器との間に位置するようにしてキャビネット本体に引き出し収納空間が形成され、引き出し収納空間に引き出しが前後動自在に設けられており、前記引き出し収納空間に臨むようにして、左右一対の仕切り板がキャビネット本体に設けられ、仕切り板の後端が左右の側板の後端を含む仮想鉛直面に位置している厨房キャビネット。
【請求項2】
前記仕切り板の上側部の後端が左右の側板の後端を含む仮想鉛直面に位置しており、同下側部の後端が背板に固定されている請求項1記載の厨房キャビネット。
【請求項3】
前記仕切り板間に位置するようにして、仕切り板に補強部材が渡し止められている請求項1又は2記載の厨房キャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−167127(P2006−167127A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363486(P2004−363486)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】