説明

反応装置

【課題】複数の試料を同時に反応させるにあたって、複数の試料を略均一に反応させることができる反応装置を提供することを目的としている。
【解決手段】マイクロ波を発振するマイクロ波発振手段と、人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器24と、前記各保持容器24を夫々載置可能なマイクロ波照射容器20と、前記保持容器24に保持されている試料又は前記マイクロ波照射容器20内の温度を検知する温度センサ23と、前記温度センサ23にて検知した温度に基づいて前記マイクロ波発振手段にて発振されるマイクロ波を可変させてなるマイクロ波制御手段とを有し、前記マイクロ波照射容器20は、前記マイクロ波発振手段にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器20内に導入するマイクロ波導入口22と、該マイクロ波導入口22から導入されたマイクロ波を前記各保持容器24夫々に照射するリング状パターン21fとを有してなることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養など試料を反応させる反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化学反応や生化学反応などの分野では、人体等から採取した試料を用いて微量の化学合成、分解反応、DNA分析などを行う際、マイクロ波を利用した化学反応装置が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−154138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の化学反応装置は、一つの試料しか反応させることができず、複数の試料を反応させたい場合、一つ一つ反応させなければならないため、極めて非効率的であるという問題があった。
【0005】
さらには、複数の試料を同時に反応させるには、各試料に照射されるマイクロ波を調節して、上記各試料を略均一に反応させなければならないため、複数の試料を同時に反応させるには技術的な困難性が伴うという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、上記事情に鑑み、複数の試料を同時に反応させるにあたって、複数の試料を略均一に反応させることができる反応装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
本発明の請求項1に係る反応装置は、マイクロ波を発振するマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)と、人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器(24,52)と、前記各保持容器(24,52)を夫々載置可能なマイクロ波照射容器(20)と、前記保持容器(24,52)に保持されている試料又は前記マイクロ波照射容器(20)内の温度を検知する温度センサ(23)と、前記温度センサ(23)にて検知した温度に基づいて前記マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されるマイクロ波を可変させてなるマイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)とを有し、前記マイクロ波照射容器(20)は、前記マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器(20)内に導入するマイクロ波導入口(22)と、該マイクロ波導入口(22)から導入されたマイクロ波を前記各保持容器(24,52)夫々に照射するマイクロ波照射手段(リング状パターン21f,矩形状のパッチアンテナ51e)とを有してなることを特徴としている。
【0009】
一方、請求項2に係る反応装置は、マイクロ波を発振するマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)と、人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器(125)と、前記各保持容器(125)を夫々載置可能なマイクロ波照射容器(120,210)と、前記保持容器(125)に保持されている試料又は前記マイクロ波照射容器(120,210)内の温度を検知する温度センサ(126)と、前記温度センサ(126)にて検知した温度に基づいて前記マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されるマイクロ波を可変させてなるマイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)とを有し、前記マイクロ波照射容器(120,210)は、前記マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器(120,210)内に導入するマイクロ波導入口(122,212)と、該マイクロ波導入口(122,212)から導入されたマイクロ波を前記これら保持容器(125)に照射するマイクロ波照射手段(同軸型中心導体123,213)とを有し、前記これら保持容器(125)は、前記マイクロ波照射手段(同軸型中心導体123,213)の周囲を取り囲むように載置されてなることを特徴としている。
【0010】
そして、請求項3の発明は、上記請求項1又は2に記載の反応装置において、前記マイクロ波導入口(22,122,212)よりマイクロ波の反射波を受信し、その受信した反射波が所定値以上であるか否かを計測する電力モニタ手段(電力モニタ部30c)をさらに有し、前記電力モニタ手段(電力モニタ部30c)にて前記受信した反射波が所定値以上であることを計測すると、前記マイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)にて、前記マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されるマイクロ波を停止させてなることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応装置において、前記マイクロ波照射容器(20,120,210)は、恒温槽(4)内に載置されてなることを特徴としている。
【0012】
一方、請求項5の発明に係る反応装置は、人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器(52)と、前記各保持容器(52)を夫々載置可能なマイクロ波照射容器(20)と、所定のマイクロ波を所定時間毎に発振するマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部300a)とを有し、前記マイクロ波照射容器(20)は、前記マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部300a)にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器(20)内に導入するマイクロ波導入口(22)と、該マイクロ波導入口(22)から導入されたマイクロ波を前記各保持容器(52)夫々に照射するマイクロ波照射手段(矩形状のパッチアンテナ51e)とを有してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず請求項1の発明にかかる反応装置では、マイクロ波照射容器(20)に、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器(24,52)をそれぞれ載置し、当該保持容器(24,52)に保持されている試料の温度又はマイクロ波照射容器(20)内の温度を温度センサ(23)によって検知している。そして、その検知した温度は、マイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)に出力され、そのマイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)は上記温度に基づいてマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されるマイクロ波を可変させ、その可変させたマイクロ波がマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)を介して、マイクロ波照射容器(20)内に当該マイクロ波を導入するマイクロ波導入口(22)に出力される。そしてさらに、マイクロ波導入口(22)から導入されたマイクロ波が、上記各保持容器(24,52)それぞれにマイクロ波照射手段(リング状パターン21f,矩形状のパッチアンテナ51e)によって照射される。これにより、複数の試料に略均一なマイクロ波を照射することができるため、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0014】
一方、請求項2の発明にかかる反応装置では、マイクロ波照射容器(120,210)に、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器(125)をそれぞれ載置し、当該保持容器(125)に保持されている試料の温度又はマイクロ波照射容器(120,210)内の温度を温度センサ(126)によって検知している。そして、その検知した温度は、マイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)に出力され、そのマイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)は上記温度に基づいてマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されるマイクロ波を可変させ、その可変させたマイクロ波がマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)を介して、マイクロ波照射容器(120,210)内に当該マイクロ波を導入するマイクロ波導入口(122,212)に出力する。そしてさらに、マイクロ波導入口(122,212)から導入されたマイクロ波が、上記これら保持容器(125)にマイクロ波照射手段(同軸型中心導体123,213)によって照射される。そして、このマイクロ波照射手段(同軸型中心導体123,213)の周囲を取り囲むようにこれら保持容器(125)が載置されているから、複数の試料に略均一なマイクロ波を照射することができる。それゆえ、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0015】
そしてまた、請求項3の発明によれば、電力モニタ手段(電力モニタ部30c)は、マイクロ波導入口(22,122,212)よりマイクロ波の反射波を受信し、その受信した反射波が所定値以上であるか否かを計測する。そして、その電力モニタ手段(電力モニタ部30c)が、当該受信した反射波が所定値以上であることを計測すると、上記マイクロ波制御手段(マイクロ波制御部31a)にて、マイクロ波発振手段(マイクロ波発振部30a)にて発振されるマイクロ波を停止させる。これにより、マイクロ波発振手段にて異常な値のマイクロ波を発振させないように制御できるため、マイクロ波発振手段の破損を低減することができる。
【0016】
さらに、請求項4の発明によれば、恒温槽(4)内にマイクロ波照射容器(20,120,210)を載置することにより、保持容器(24,52,125)内に保持されている人体等から採取した試料の反応をより良くすることができる。
【0017】
一方、請求項5の発明にかかる反応装置では、マイクロ波照射容器(20)には、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器(52)をそれぞれ載置しており、そして、所定時間後毎に所定のマイクロ波がマイクロ波発振手段(マイクロ波発振部300a)を介して、マイクロ波照射容器(20)内に導入される。そしてさらに、マイクロ波導入口(22)から導入されたマイクロ波が、上記各保持容器(52)それぞれにマイクロ波照射手段(矩形状のパッチアンテナ51e)によって照射される。これにより、複数の試料に略均一なマイクロ波を照射することができるため、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る反応装置の平面図を示し、そのうち当該反応装置に係るアプリケータは横断面図を示した図である。
【図2】同実施形態に係るアプリケータの正面図である。
【図3】同実施形態に係るマイクロ波発振制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る反応装置の平面図を示し、そのうち当該反応装置に係るアプリケータは横断面図を示している図である。
【図5】同実施形態に係るアプリケータの正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る反応装置の正面図を示し、そのうち当該反応装置に係るアプリケータは縦断面図を示した図である。
【図7】(a)は同実施形態に係るアプリケータの蓋体の平面図、(b)は図6のX−X線断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る反応装置の正面図を示し、そのうち当該反応装置に係るアプリケータは縦断面図を示した図である。
【図9】(a)は同実施形態に係るアプリケータの蓋体の平面図、(b)は図8のY−Y線断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る反応装置の平面図を示し、そのうち当該反応装置に係るアプリケータは横断面図を示した図である。
【図11】同実施形態に係るアプリケータの正面図である。
【図12】同実施形態に係るマイクロ波発振制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
【0020】
本実施形態に係る反応装置は、図1に示すように、アプリケータ1と、そのアプリケータ1にマイクロ波を供給するマイクロ波発振制御装置3と、槽内部の温度を一定に保つことができる恒温槽4とで構成されている。アプリケータ1は、図1及び図2に示すように、アルミ等で形成される蓋体10と、上方が開放され内部が空洞に形成されると共に、周縁が若干厚肉状に形成された直方体状のマイクロ波照射容器20とで構成されている。そして、このように構成されるアプリケータ1は、図1に示すように、恒温槽4内に載置されている。
【0021】
蓋体10は、図2に示すように、正面視コ字状の蓋体本体11と、その蓋体本体11の上部に溶接等によって固定された把持部12とで構成されている。より詳しく説明すると、蓋体本体11は、図1及び図2に示すように、上記マイクロ波照射容器20の上方を閉止すると共に、当該マイクロ波照射容器20の周枠を取り囲むように形成されている。そして、把持部12によって、上記蓋体本体11が上記マイクロ波照射容器20より分離できるように移動させることができ、これにより、上記マイクロ波照射容器20の上方を自由に開放したり閉止したりできるようになっている。なお、本実施形態においては、蓋体10とマイクロ波照射容器20とが分離できる例を示したが、蝶番等を用いて蓋体10とマイクロ波照射容器20とを一体形成しても良い。
【0022】
一方、マイクロ波照射容器20は、アルミ等で形成され、図1及び図2に示すように、内部に矩形状のプリント基板21がビス等(図示せず)によって止着固定され、側面略中央部にビス22aによって止着固定されたSMA型同軸コネクタからなるマイクロ波導入口22が設けられ、さらに、側面端部側にビス23aによって止着固定された接触式温度センサ23が設けられている。なお、このマイクロ波導入口22より、上記マイクロ波発振制御装置3より出力されるマイクロ波が、上記マイクロ波照射容器20内に供給される。なお、本実施形態においては、マイクロ波導入口22としてSMA型同軸コネクタを例示したが、勿論、N型の同軸コネクタでも良い。
【0023】
プリント基板21には、上記マイクロ波導入口22と導通されるように形成されたマイクロ波導入路21aがパターン形成され、そのパターン形成されたマイクロ波導入路21aが分配器21bによって2分配され、さらに、その2分配されたマイクロ波導入路21aが分配器21c,21dによって4分配されている。なお、分配器21b,21c,21dは、プリント基板21上にパターン形成されており、このような、分配器を用いることにより、マイクロ波の反射波を低減させることができる。
【0024】
また、上記のように4分配されたマイクロ波導入路21aは、インピーダンス整合をとるための整合器21eをそれぞれ介して、リング状パターン21fにそれぞれ接続されている。なお、これら整合器21e及びこれらリング状パターン21fも、プリント基板21上にパターン形成されている。
【0025】
他方、上記リング状パターン21f上には、それぞれ人体等から採取した試料を保持するシャーレからなる保持容器24が載置され、そして、図1に示すように、リング状パターン21fの外径は、上記保持容器24より若干径大に形成されている。このように、リング状パターン21fの外径を、上記保持容器24より若干径大に形成することにより、保持容器24に対し、効率的にマイクロ波を照射することができる。すなわち、リング状パターン21fの外径を保持容器24の中心付近にすると、周辺部分が照射されず、さらには、リング状パターン21fを保持容器24の外径を取り囲むようにすると、リング状パターン21fと保持容器24自体に接触部分が無くなるため、非常に効率の悪い照射となるためである。なお、プリント基板21上には、上記リング状パターン21f上に上記保持容器24を位置決め固定するために、図1及び図2に示すように、上記リング状パターン21fの周枠所要箇所(図示では3個)に円柱状の保持部材25が配設されている。
【0026】
また、温度センサ23には、図1に示すようにマイクロ波照射容器20の内部側に、シース熱電対線23bが取り付けられており、そのシース熱電対線23bの先端が1個の保持容器24内に導入され、当該保持容器24内に保持されている試料の温度を検知している。そして、その検知した温度を、シース熱電対線23bを介して温度センサ23より、図1に示すようにマイクロ波発振制御装置3に出力している。なお、上記シース熱電対線23bの先端が1個の保持容器24内に導入されているのは、当該保持容器24と他の保持容器24(図示では3個)に対し、上記説明したように、同条件のマイクロ波を照射しているため、1個の保持容器24内に上記シース熱電対線23bの先端を導入すれば、上記各保持容器24内にそれぞれ保持されている試料の温度を全て管理することができるためである。
【0027】
一方、上記マイクロ波発振制御装置3は、図3に示すように、マイクロ波生成部30と制御表示部31とで構成されている。マイクロ波生成部30は、マイクロ波発振部30aと、マイクロ波増幅部30bと、電力モニタ部30cとで構成されている。マイクロ波発振部30aは、上記制御表示部31からの指令に基づき、マイクロ波を発振させたり、その発振を停止させたりすることが可能である。一方、このようにマイクロ波発振部30aによって発振されたマイクロ波は、マイクロ波増幅部30bによって増幅され電力モニタ部30cに出力される。そして、その出力を受信した電力モニタ部30cは、上記増幅されたマイクロ波をマイクロ波導入口22に出力し、さらに、そのマイクロ波導入口22から出力される反射波を受信し、その受信した反射波が所定値以上の反射波であれば、マイクロ波の発振を停止させる命令を制御表示部31に出力する。これにより、マイクロ波発振部30a及びマイクロ波増幅部30bに異常な値のマイクロ波を発振させることがないよう制御できるため、マイクロ波発振部30a及びマイクロ波増幅部30bの破損を低減することができる。
【0028】
また、制御表示部31は、マイクロ波制御部31aと表示部31bとで構成され、マイクロ波制御部31aは、温度センサ23によって検知された保持容器24内に保持されている試料の温度を受信し、当該試料の温度を一定に保つために、マイクロ波を略連続的に可変させて、時間的に連続したマイクロ波(時間的に断続的でないマイクロ波(出力が0となる時間が連続しないマイクロ波))を発振する命令をマイクロ波発振部30aに出力する。これにより、マイクロ波発振部30aは、その命令に基づくマイクロ波を発振する。
【0029】
さらに、マイクロ波制御部31aは、上記電力モニタ部30cから出力されたマイクロ波の発振を停止させる命令を受信すると、マイクロ波の発振を停止させる命令をマイクロ波発振部30aに出力する。これにより、マイクロ波発振部30aは、マイクロ波の発振を停止させる。なお、表示部31bは、液晶等からなるもので、マイクロ波制御部31aを介して温度センサ23にて検知した温度を表示したり、又は、マイクロ波の停止信号を表示したりすることが可能である。
【0030】
上記のように、アプリケータ1に導入されるマイクロ波は、上記マイクロ波発振制御装置3により制御されている。それゆえ、当該アプリケータ1を槽内部の温度を一定に保つことができる恒温槽4内に載置することで、保持容器24内に保持されている人体等から採取した試料の反応をより良くすることができる。すなわち、恒温槽4内の温度を例えば37℃に設定すると、保持容器24内に保持されている試料の温度は、マイクロ波の照射との関係から一定温度とはならず、37℃付近の温度に変化することとなる。そのため、マイクロ波制御部31aは、温度センサ23によって検知された当該温度を一定に保つようにマイクロ波を略連続的に可変させて、時間的に連続したマイクロ波を発振する命令をマイクロ波発振部30aに出力し続けることとなる。それゆえ、マイクロ波発振部30aは、その命令に基づくマイクロ波を発振し続けることとなり、マイクロ波発振制御装置3を用いてアプリケータ1に導入されるマイクロ波が途切れることなく、保持容器24に照射されることとなる。それがために、当該保持容器24内に保持されている試料の反応をより良くすることができる。
【0031】
しかして、本実施形態によれば、マイクロ波照射容器20に、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器24をそれぞれ載置し、当該保持容器24に保持されている試料の温度を温度センサ23によって検知している。そして、その検知した温度は、マイクロ波制御部31aに出力され、そのマイクロ波制御部31aは上記温度に基づいてマイクロ波発振部30aにて発振されるマイクロ波を可変させ、その可変させたマイクロ波がマイクロ波発振部30aを介して、マイクロ波照射容器20内に当該マイクロ波を導入するマイクロ波導入口22に出力される。そしてさらに、マイクロ波導入口22から導入されたマイクロ波が、上記各保持容器24それぞれにリング状パターン21fによって照射される。これにより、複数の試料に略均一なマイクロ波が照射されることとなるため、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0032】
なお、本実施形態においては、保持容器としては、シャーレを用いた方が好ましく、当該保持容器内に保持される試料の使用例としては、細胞培養等に用いることができる。
【0033】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について、図4及び図5を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0034】
本実施形態に係る反応装置は、図4に示すように、アプリケータ50と、そのアプリケータ50にマイクロ波を供給するマイクロ波発振制御装置3と、槽内部の温度を一定に保つことができる恒温槽4とで構成されている。アプリケータ50は、図4及び図5に示すように、蓋体10と、マイクロ波照射容器20とで構成され、このように構成されるアプリケータ50は、図4に示すように、恒温槽4内に載置されている。そして、マイクロ波照射容器20は、図4及び図5に示すように、内部に矩形状のプリント基板51がビス等(図示せず)によって止着固定され、側面略中央部にビス22aによって止着固定されたSMA型同軸コネクタからなるマイクロ波導入口22が設けられ、さらに、側面端部側にビス23aによって止着固定された接触式温度センサ23が設けられている。なお、このマイクロ波導入口22より、上記マイクロ波照射容器20内に上記マイクロ波発振制御装置3より出力されるマイクロ波が供給される。
【0035】
プリント基板51には、上記マイクロ波導入口22と導通されるように形成されたマイクロ波導入路51aがパターン形成され、そのパターン形成されたマイクロ波導入路51aが分配器51bによって2分配され、さらに、その2分配されたマイクロ波導入路51aが分配器51c,51dによって4分配されている。なお、分配器51b,51c,51dは、プリント基板51上にパターン形成されており、このような分配器を用いることにより、マイクロ波の反射波を低減させることができる。
【0036】
また、上記のように4分配されたマイクロ波導入路51aは、矩形状のパッチアンテナ51eに夫々接続されている。なお、これら矩形状のパッチアンテナ51eも、プリント基板51上にパターン形成されている。
【0037】
一方、上記矩形状のパッチアンテナ51e上には、夫々、当該パッチアンテナ51eの幅方向より若干小径な人体等から採取した試料を保持するプレパラートからなる保持容器52が配設され、これにより、各保持容器52それぞれに、マイクロ波が上記パッチアンテナ51eより照射されることとなる。なお、プリント基板51上には、上記矩形状のパッチアンテナ51e上に上記保持容器52を位置決め固定するために、図4及び図5に示すように、上記各矩形状のパッチアンテナ51eの左右両側には一対の略直方体状の保持部材53がそれぞれ配設され、その各保持部材53上に上記保持容器52がそれぞれ載置されている。そして、その各保持部材53は、図4に示すようにビス53aによってプリント基板51上に止着固定されている。
【0038】
他方、温度センサ23は、第1実施形態と異なり、マイクロ波照射容器20内の温度を検知し、その検知した温度を、図4に示すようにマイクロ波発振制御装置3に出力している。これは、プレパラートからなる保持容器52が保持できる試料が極少量であることから、マイクロ波照射容器20内の温度と上記保持容器52が保持している試料の温度とにそれほど差が生じないためである。
【0039】
しかして、本実施形態によれば、マイクロ波照射容器20に、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器52をそれぞれ載置し、マイクロ波照射容器20内の温度を温度センサ23によって検知している。そして、その検知した温度は、マイクロ波制御部31aに出力され、そのマイクロ波制御部31aは上記温度に基づいてマイクロ波発振部30aにて発振されるマイクロ波を可変させ、その可変させたマイクロ波がマイクロ波発振部30aを介して、マイクロ波照射容器20内に当該マイクロ波を導入するマイクロ波導入口22に出力される。そしてさらに、マイクロ波導入口22から導入されたマイクロ波が、上記各保持容器52それぞれに矩形状のパッチアンテナ51eによって照射される。これにより、複数の試料に略均一なマイクロ波が照射されるため、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、保持容器としては、プレパラートを用いた方が好ましく、当該保持容器内に保持される試料の使用例としては、蛍光抗体法等に用いることができる。
【0041】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る第3実施形態について、図6及び図7を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0042】
本実施形態に係る反応装置は、図6に示すように、アプリケータ100と、そのアプリケータ100にマイクロ波を供給するマイクロ波発振制御装置3と、槽内部の温度を一定に保つことができる恒温槽4とで構成されている。アプリケータ100は、図6に示すように、アルミ等で形成される蓋体110と、上方及び下方が開放された略筒型のマイクロ波照射容器120とで構成されている。そして、このように構成されるアプリケータ100は、図6に示すように、恒温槽4内に載置されている。
【0043】
蓋体110は、図7(a)に示すように、平面視略円形状に形成され、図6に示すように、厚板状に形成されている。そして、蓋体110の径は、図6に示すように、上記マイクロ波照射容器120の上方を閉止できるように形成され、蓋体110は、マイクロ波照射容器120より自由に分離できるようになっている。
【0044】
また、蓋体110は、図6及び図7(a)に示すように、一端部側に後述する熱電対からなる温度センサ126をマイクロ波照射容器120内に導入するための略楕円形状からなる長孔111が形成され、そして、所要箇所(図示では4箇所(図7(a)参照))には、マイクロ波照射容器120内に発生する蒸気を外部に放出するための蒸気孔112が貫設されている。なお、本実施形態においては、蓋体110とマイクロ波照射容器120とが分離できる例を示したが、蝶番等を用いて蓋体110とマイクロ波照射容器120とを一体形成しても良い。
【0045】
一方、マイクロ波照射容器120は、アルミ等からなり、図6に示すように、上方及び下方が開放された略筒型に形成され、そして、下方側には、ドーナツ型の設置台121が一体的に突設されている。この設置台121の下面には、図6に示すように、当該設置台121の下面にビス122aによって止着固定されたN型同軸コネクタからなるマイクロ波導入口122が設けられ、そのマイクロ波導入口122の一端側(設置台121の上面側)には、上記マイクロ波発振制御装置3より出力されるマイクロ波が照射される同軸型中心導体123が取り付けられている。
【0046】
また、マイクロ波照射容器120内及び設置台121の上面側には、マイクロ波の透過率が高いテフロン(登録商標)等からなる保持容器収納台124が、上記同軸型中心導体123内の周囲を取り囲むように配設されている。そして、その保持容器収納台124には、図6及び図7(b)に示すように、上方がキャップ125aによって閉止された試験管からなる人体等から採取した試料を保持する保持容器125を収納可能な略半楕円形状からなる収納孔124aが、上記同軸型中心導体123の周囲を取り囲むように所定間隔置きに穿設されている。
【0047】
このように、保持容器収納台124に穿設された各収納孔124aに、それぞれ、人体等から採取した試料を保持する保持容器125が収納され、このように収納されたこれら保持容器125は、同軸型中心導体123を取り囲むように収納されている。それゆえ、同軸型中心導体123から照射されたマイクロ波がこれら保持容器125に略均一に照射されることとなる。なお、保持容器収納台124は、マイクロ波照射容器120内から自由に分離できるようになっており、保持容器125も保持容器収納台124より自由に分離できるように収納されている。
【0048】
一方、上記これら保持容器125のうち1個の保持容器125内には、蓋体110の長孔111から導入された熱電対からなる温度センサ126が導入され、当該保持容器125内に保持されている試料の温度を検知している。そして、その検知した温度を、図6に示すようにマイクロ波発振制御装置3に出力している。なお、上記温度センサ126が1個の保持容器125内に導入されているのは、当該保持容器125と他の保持容器125(図示では4個)に対し、上記説明したように、同条件のマイクロ波を照射しているため、1個の保持容器125内に温度センサ126を導入すれば、上記各保持容器125内にそれぞれ保持されている試料の温度を全て管理することができるためである。なお本実施形態においては、保持容器125に保持されている試料の温度を、温度センサ126を用いて検知するようにしたが、マイクロ波照射容器120内の温度を検知するようにしても良い。しかしながら、精度を高めるため、保持容器125に保持されている試料の温度を検知するようにした方が好ましい。
【0049】
しかして、本実施形態によれば、マイクロ波照射容器120に、複数の試料を夫々保持している保持容器125をそれぞれ載置し、当該保持容器125に保持されている試料の温度を温度センサ126によって検知している。そして、その検知した温度は、マイクロ波制御部31aに出力され、そのマイクロ波制御部31aは上記温度に基づいてマイクロ波発振部30aにて発振されるマイクロ波を可変させ、その可変させたマイクロ波がマイクロ波発振部30aを介して、マイクロ波照射容器120内に当該マイクロ波を導入するマイクロ波導入口122に出力される。そしてさらに、マイクロ波導入口122から導入されたマイクロ波が、上記これら保持容器125に同軸型中心導体123によって照射される。そして、この同軸型中心導体123の周囲を取り囲むようにこれら保持容器125が載置されているから、複数の試料に略均一なマイクロ波を照射することができる。それゆえ、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0050】
なお、本実施形態においては、保持容器としては、試験管を用いた方が好ましいが、プレパラート等を用いても良い。その際、保持容器収納台124に穿設された各収納孔124aは、プレパラート等の形状に合わせた孔形状に穿設すればよい。なおまた、当該保持容器内に保持される試料の使用例としては、無機、有機反応、細胞培養等に用いることができる。
【0051】
<第4実施形態>
次に、本発明に係る第4実施形態について、図8及び図9を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態及び第3実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0052】
本実施形態に係る反応装置は、図8に示すように、アプリケータ200と、そのアプリケータ200にマイクロ波を供給するマイクロ波発振制御装置3と、槽内部の温度を一定に保つことができる恒温槽4とで構成されている。アプリケータ200は、図8に示すように、アルミ等で形成される蓋体110と、上方及び下方が開放された略筒型のマイクロ波照射容器210とで構成されている。そして、このように構成されるアプリケータ200は、図8に示すように、恒温槽4内に載置されている。
【0053】
マイクロ波照射容器210は、熱伝導率の良いアルミ等からなり、図8に示すように、上方及び下方が開放された略筒型に形成され、そして、その中間側から上方側に向かって保持容器収納台211が一体的に突設されている。このように突設された保持容器収納台211の内周縁は、図9(b)に示すように、上方がキャップ125aによって閉止された試験管からなる人体等から採取した試料を保持する保持容器125(図8参照)を円周上に収納できるように、所定間隔を置きに円弧が形成されている。そして、上記保持容器収納台211の下面には、図8に示すように、当該保持容器収納台211の下面にビス212aによって止着固定された直角に折り曲げ形成されたN型同軸コネクタからなるマイクロ波導入口212が設けられ、そのマイクロ波導入口212の一端側(マイクロ波照射容器210の上方側)には、上記マイクロ波発振制御装置3より出力されるマイクロ波が照射される同軸型中心導体213が取り付けられている。これにより、同軸型中心導体213の周囲を取り囲むように、これら保持容器125が収納されることとなる。なお、マイクロ波照射容器210の下部には、上記マイクロ波導入口212をマイクロ波照射容器210内に挿通するための挿通孔214が設けられている。また、保持容器125は、保持容器収納台211より自由に分離できるように収納されている。
【0054】
しかして、本実施形態によれば、マイクロ波照射容器210に、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器125をそれぞれ載置し、当該保持容器125に保持されている試料の温度を温度センサ126によって検知している。そして、その検知した温度は、マイクロ波制御部31aに出力され、そのマイクロ波制御部31aは上記温度に基づいてマイクロ波発振部30aにて発振されるマイクロ波を可変させ、その可変させたマイクロ波がマイクロ波発振部30aを介して、マイクロ波照射容器120内に当該マイクロ波を導入するマイクロ波導入口212に出力される。そしてさらに、マイクロ波導入口212から導入されたマイクロ波が、上記これら保持容器125に同軸型中心導体213によって照射される。そして、この同軸型中心導体213の周囲を取り囲むようにこれら保持容器125が載置されているから、複数の試料に略均一なマイクロ波を照射することができる。それゆえ、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0055】
なお、本実施形態においては、保持容器としては、試験管を用いた方が好ましい。そして、本実施形態においては、第3実施形態と異なり、テフロン(登録商標)を用いていないが、これは、熱伝導率が良いアルミ等を用いて、保持容器を効率的に冷却するためである。そのため、当該保持容器内に保持される試料の使用例としては、細胞凍結保存用に用いた方が好ましい。
【0056】
<第5実施形態>
次に、本発明に係る第5実施形態について、図10〜図12を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0057】
本実施形態に係る反応装置は、図10に示すように、アプリケータ500と、そのアプリケータ500にマイクロ波を供給するマイクロ波発振制御装置300と、槽内部の温度を一定に保つことができる恒温槽4とで構成されている。アプリケータ500は、図10及び図11に示すように、蓋体10と、マイクロ波照射容器20とで構成され、このように構成されるアプリケータ500は、図10に示すように、恒温槽4内に載置されている。そして、マイクロ波照射容器20は、図10及び図11に示すように、内部に矩形状のプリント基板51がビス等(図示せず)によって止着固定され、側面略中央部にビス22aによって止着固定されたSMA型同軸コネクタからなるマイクロ波導入口22が設けられ、さらに、側面端部側にビス230aによって止着固定された接触式温度センサ230が設けられている。なお、このマイクロ波導入口22より、上記マイクロ波照射容器20内に上記マイクロ波発振制御装置300より出力されるマイクロ波が供給される。また、当該温度センサ230は、第1実施形態及び第2実施形態と異なり、単に、マイクロ波照射容器20内の温度を検知しているだけで、マイクロ波発振制御装置300には何ら関与していない。
【0058】
一方、上記マイクロ波発振制御装置300は、図12に示すように、マイクロ波発振部300aと、マイクロ波増幅部300bと構成されている。マイクロ波発振部300aは、所定時間毎に所定のマイクロ波を発振させるもので、このようにマイクロ波発振部300aによって発振されたマイクロ波は、マイクロ波増幅部300bによって増幅されマイクロ波導入口22に出力される。これにより、マイクロ波照射容器20内に、所定時間毎に所定のマイクロ波が供給されることとなる。
【0059】
しかして、本実施形態によれば、マイクロ波照射容器20には、複数の試料をそれぞれ保持している保持容器52をそれぞれ載置しており、そして、所定時間毎に所定のマイクロ波がマイクロ波発振部300aを介して、マイクロ波照射容器20内に導入される。そしてさらに、マイクロ波導入口22から導入されたマイクロ波が、上記各保持容器52それぞれに矩形状のパッチアンテナ51eによって照射される。これにより、複数の試料に略均一なマイクロ波が照射されるため、これら試料の反応を略均一に保つことができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、保持容器としては、プレパラートを用いた方が好ましく、当該保持容器内に保持される試料の使用例としては、蛍光抗体法等に用いることができる。
【符号の説明】
【0061】
1,50,100,200,500 アプリケータ
3,300 マイクロ波発振制御装置
4 恒温槽
20,120,210 マイクロ波照射容器
21b,21c,21d 分配器
21f リング状パターン(マイクロ波照射手段)
22,122,212 マイクロ波導入口
23,126 温度センサ
24,52,125 保持容器
30a マイクロ波発振部(マイクロ波発振手段)
30c 電力モニタ部(電力モニタ手段)
31a マイクロ波制御部(マイクロ波制御手段)
51b,51c,51d 分配器
51e 矩形状のパッチアンテナ(マイクロ波照射手段)
123,213 同軸型中心導体(マイクロ波照射手段)
300a マイクロ波発振部(マイクロ波発振手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を発振するマイクロ波発振手段と、
人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器と、
前記各保持容器を夫々載置可能なマイクロ波照射容器と、
前記保持容器に保持されている試料又は前記マイクロ波照射容器内の温度を検知する温度センサと、
前記温度センサにて検知した温度に基づいて前記マイクロ波発振手段にて発振されるマイクロ波を可変させてなるマイクロ波制御手段とを有し、
前記マイクロ波照射容器は、前記マイクロ波発振手段にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器内に導入するマイクロ波導入口と、該マイクロ波導入口から導入されたマイクロ波を前記各保持容器夫々に照射するマイクロ波照射手段とを有してなることを特徴とする反応装置。
【請求項2】
マイクロ波を発振するマイクロ波発振手段と、
人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器と、
前記各保持容器を夫々載置可能なマイクロ波照射容器と、
前記保持容器に保持されている試料又は前記マイクロ波照射容器内の温度を検知する温度センサと、
前記温度センサにて検知した温度に基づいて前記マイクロ波発振手段にて発振されるマイクロ波を可変させてなるマイクロ波制御手段とを有し、
前記マイクロ波照射容器は、前記マイクロ波発振手段にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器内に導入するマイクロ波導入口と、該マイクロ波導入口から導入されたマイクロ波を前記これら保持容器に照射するマイクロ波照射手段とを有し、
前記これら保持容器は、前記マイクロ波照射手段の周囲を取り囲むように載置されてなることを特徴とする反応装置。
【請求項3】
前記マイクロ波導入口よりマイクロ波の反射波を受信し、その受信した反射波が所定値以上であるか否かを計測する電力モニタ手段をさらに有し、
前記電力モニタ手段にて前記受信した反射波が所定値以上であることを計測すると、前記マイクロ波制御手段にて、前記マイクロ波発振手段にて発振されるマイクロ波を停止させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応装置。
【請求項4】
前記マイクロ波照射容器は、恒温槽内に載置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応装置。
【請求項5】
人体等から採取した複数の試料を夫々保持する保持容器と、
前記各保持容器を夫々載置可能なマイクロ波照射容器と、
所定のマイクロ波を所定時間毎に発振するマイクロ波発振手段とを有し、
前記マイクロ波照射容器は、前記マイクロ波発振手段にて発振されたマイクロ波を当該マイクロ波照射容器内に導入するマイクロ波導入口と、該マイクロ波導入口から導入されたマイクロ波を前記各保持容器夫々に照射するマイクロ波照射手段とを有してなることを特徴とする反応装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−53886(P2013−53886A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191207(P2011−191207)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(595081770)
【出願人】(501429427)株式会社サニーエンヂニアリング (5)