説明

収納ケース

【課題】持ち運びが便利で、側枠の脱着なしに、紙類を収納ケースから簡単な操作で取り出すことができる収納ケースを提供する。
【解決手段】収容ケースは、上下が開放した収納ケース本体と、収納ケース本体の下端に回動可能に取付けた支え手段と、支え手段を回動させる回動手段と、を有する。また、回動手段は、上下動可能なプレートと、プレートの側方に配置されてプレートに連結され、かつ支え手段にそれぞれ連結された円盤とを有し、プレートが上方に移動させられたとき、支え手段を下方に回動させる。支え手段を上方の回動位置に付勢するばね手段をさらに有する。または、収納ケースは上部が開放され、下部に紙類を保持するフラップを有する収納ケース本体と、フラップが紙類を保持する紙類保持位置とフラップが紙類を排出できる紙類排出位置との間で開閉可能なフラップ開閉手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ケースに関し、特に、新聞紙、紙、パンフレット、雑誌等の紙類を収容し、他の場所に移した後、取り出すのに適した収容ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
実開平6−35121号公報は、収納ケースに溜まった新聞紙を紐で容易に束ねることができるように、底板を取り囲むように取り外し可能な側枠を設けることを開示している。
【特許文献1】実開平6−35121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実開平6−35121号公報に開示してある収納ケースは、新聞紙を外に取り出すために、一旦収納ケースを下に置き、底板から側枠を取り外すために、側枠を持ち上げる必要があり、その後、新聞紙を収容箱に再度収容するために、底板に側枠を取付ける必要がある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、持ち運びが便利で、側枠の脱着なしに、紙類を収納ケース本体から簡単な操作で取り出すことができる収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の収納ケースは、上下が開放した収納ケース本体と、該収納ケース本体の下端に回動可能に取付けた支え手段棒と、該支え手段を回動させる回動手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
前記回動手段は、上下動可能なプレートと、該プレートの側方に配置されて該プレートに連結され、かつ前記支え手段にそれぞれ連結された円盤とを有し、前記プレートが上方に移動させられたとき、前記支え手段を下方に回動させることが好ましい。
【0007】
また、前記回動手段は、上下動可能なプレートと、該プレートの側部に固定された第1のラックと、前記収納ケース本体に回転可能に取付けられ、前記第1のラックに係合するピニオンと、該ピニオンに係合し、垂直方に案内されるように前記収納ケース本体に取り付けられ、かつ前記支え手段に連結された第2のラックと、を有し、前記プレートが上方に移動させられたとき、前記支え手段を下方に回動させることが好ましい。
【0008】
さらにまた、前記回動手段は、上下動可能なプレートと、変形可能な4本のロッドからなる組立体と、ロッドの上下の連結部分の各々をそれそれ上方および下方に案内するように前記収納ケース本体に形成された2つのスロットおよびロッドの横方向の連結部分の各々をそれぞれ水平方向に案内するように前記収納ケース本体に形成された2つのスロットと、を有し、前記プレートは上方に移動させられるロッドの延長部分に連結されており、前記支え手段は下方に移動させられるロッドの延長部分に連結されており、前記プレートが上方に移動させられたとき、前記支え手段を下方に回動させることが好ましい。
【0009】
また、前記支え手段を上方の回動位置に付勢するばね手段をさらに有することが好ましい。さらにまた、収納ケース本体に回動可能に取付けられたレバーと、前記支え手段の先端下面をフックし、またはフック解除を行うように前記レバーに設けられたフックと、をさらに有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、側枠の脱着なしに、紙類を収納ケース本体から簡単な操作で取り出すことができる収納ケースが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の収納ケースは、上下が開放した収納ケース本体と、該収納ケース本体の下端に回動可能に取付けた支え手段と、該支え手段を回動させる回動手段と、を有する。
【実施例】
【0012】
(実施例1)
次に、図面を参照して本発明を説明する、図1は、収納ケースを示す図であり、図1aはその正面図であり、図1bはその側面図であり、図1cはその底面図であり、図1dはその斜視図である。図2は収納ケースに備えられた回動手段を説明するための図であり、図2aはプレートが下方の位置(収容位置)にある状態を示す概略正面図であり、図2bはプレートが下方の位置(紙類収容位置)にある状態のときの概略側面図であり、図2cはプレートが下方の位置(紙類開放位置)にある状態を示す概略正面図である。
【0013】
図1に示すように、収納ケース10は、例えば、上下が開放されたほぼ直方体の収納ケース本体12を有する。収納ケース本体12には、持ち運びが便利なように把手17が取付けられていてもよい。収納ケース本体12の側部には、フラップ16を支えるように、または紙類を直接支えるように2つの支え手段14を構成する例えば、ロッドまたはパネルが回動可能に取付けられている。支え手段14を回動させるための回動手段20(図2を参照して後述する)が支え手段の上方に設けられている。この回動手段は、収納ケース本体12の両側部に設けられるのが好ましいが、一方の側部でもよい。
【0014】
図2に示すように、プレート22が設けられており、このプレート22には、指で把持する把持部分22aが上端に設けられ、また、収納ケース本体12に形成されたスロット12aに沿って上下動させるための段差のあるガイド部材22bが設けられている。ガイド部材22bには引っ張りばね26の上端がかけられており、引っ張りばねの他方の下端は収納ケース本体12に固定されている。このため、プレート22は常時下方に付勢されている。
【0015】
プレート22の両側方で、円盤24が収納ケース本体12に回転可能に取付けられている。この円盤24とプレート22は所定個所でロッド30によって連結されている。ロッド30の一端は円盤24に対して回動可能に、またロッドの他端はプレート22に対して回動可能に連結されている。また円盤24と支え手段14は所定個所でロッド32によって連結されている。ロッド32の一端は円盤24に対して回動可能に、またロッドの他端は支え手段14に対して回動可能に連結されている。2つの円盤24同士は下端で引っ張りばね28によって連結されている。なお、この引っ張りばね28は省略してもよい。
【0016】
今、図2aの状態において、プレート22に指を掛けて矢印Aに示すように上方に持ち上げると、円盤24は矢印Eに示す方向に回転し、ロッド32を下方にもたらし、その結果、支え手段14は、支点14aを中心にして矢印Cに示すように回動する。図2cはこの状態を示す。このため、支え手段14で支えられていたフラップ16(図1参照)を支えなくなり、フラップ16に蓄積されていた紙類が下方に排出されることになる。
【0017】
図2cの状態から指をプレート22から離すと、引っ張りばね26によって、矢印Bの下方にプレート22が移動され、この結果、支え手段14も支点14aを中心として矢印Dの方向に回動し、自動的に元の状態(位置)に戻ることになる。このとき、円盤24も引っ張りばね28のために元の状態(位置)に戻る。
(実施例2)
図3は実施例2の回動手段を示す図である。図3において、プレート22の両側には、ラック40が固定されている(図3においては、一方のラック40だけを示す)。ラック40と係合するように、収納ケース本体12(図1参照)に回転可能に取付けられたピニオン42が配置されている。他のラック44がラック40の係合個所とは反対側でピニオン42に係合し、矢印Bに示すように斜め下方に移動するように配置されている。支え手段14は、支え手段14に形成された案内溝14cとラック44の下端に設けられた、この案内溝14cに沿って案内されるピン14bによってラック44に対して回動するように、ラック44の下端のピン14bに連結されている。
【0018】
プレート22を矢印Aに示すように上方に移動させると、ラック40、ピニオン42を介して、ラック44は矢印Bに示すように、斜め下方に移動し、この結果、支え手段14は矢印Cで示すように、回動し、ほぼ垂直位置になる。
(実施例3)
図4は実施例3の回動手段を示す図である。図4において、4本のロッド51〜54で変形可能に連結されて構成されたパンタグラフ(組立体)が収納ケース本体12(図1参照)に配置されている。ロッド51、52の連結部分は収納ケース本体12に形成された垂直方向のスロット55に沿って案内され、ロッド51、53の連結部分は収納ケース本体12に形成された水平方向のスロット57に沿って案内され、ロッド53、54の連結部分は収納ケース本体12に形成された垂直方向のスロット56に沿って案内され、ロッド54、52の連結部分はケース12に形成された水平方向のスロット58に沿って案内されるように構成されている。ロッド52の延長部分52aはプレート22と回動可能に連結され、ロッド54の延長部分54aは支え手段14と回動可能に連結されている。
【0019】
プレート22を上方に移動させると、ロッド52の延長部分52aを介してパンタグラフを構成するロッドの連結部分は、それぞれ、矢印B、Eに示すように上下に移動し、矢印C、Dに示すように、内側に移動する。この結果、ロッド54の延長部分54aは下方に移動し、支え手段14は矢印Fで示すように、回動し、ほぼ垂直位置になる。
(実施例4)
図5は、実施例4のフック手段を示す図であり、図5aは正面図であり、図5bは支え手段がフックされている状態を説明するための側面図であり、図5cは支え手段がフック解除されている状態を説明するための側面図である。実施例4のフック手段は、収納ケース本体12に紙類を収納するときに、紙類の重みで支え手段14が下方に回動するのを防止するためのものである。もちろん、このフック手段は省略できる。
【0020】
図5において、プレート22の上面には、レバー60が支点60aを中心に回動可能に取付けられている。プレート22とレバー60の下側部分との間には、引っ張りばね64が取付けられており、通常はレバー60の下側部分とプレート22を当接する方向に付勢している。レバーの下側部分の上面には例えばL字形状のフック62が設けられている。これらのレバー60、フック62等でフック手段を構成している。
【0021】
図5bに示すように、収納ケース本体12に紙類を収納しているときには、フック62が支え手段14の先端の下面をフックしている。今、紙類を収納ケース本体の下側から排出しようとする場合、プレート22を持ち上げる前に、引っ張りばね64の力に抗して、レバー60の上側部分をプレートに向かって押すと、図5cに示すように、フック62の下端部分が支え手段14から外れる。その後、実施例1〜3で説明したように、プレート22を上方に移動して、支え手段を下方に回動させる。
【0022】
前述の説明では、フック62がレバー60と別体として説明しているが、フック62はレバー60を延長させて形成してもよい。このフックの形状は任意の適当な形状であればよい。
(実施例5)
図6は実施例5を説明するための収納ケース本体だけを示す図であり、図6aは収納ケース本体のフラップが紙類保持位置(閉位置)にある状態を示す概略斜視図であり、図6bは図6aの状態のときの底面図であり、図6cは収納ケース本体のフラップが紙類排出位置(開位置)にある状態を示す概略斜視図であり、図6dは図6cの状態のときの底面図である。図7は実施例5の収納ケース本体とともにフラップの開閉を示す図であり、図7aは収納ケース本体のフラップが紙類保持位置(閉位置)にある状態を示す正面図であり、図7bは収納ケース本体のフラップが紙類保持位置(閉位置)にある状態を示す側面図であり、図7cは収納ケース本体のフラップが紙類排出位置(開位置)にある状態を示す側面図である。
【0023】
図6に示すように、この実施例5では、把手(図示せず)が設けられるのが好ましい収納ケース本体72は下端に、例えば、台形状の4つのフラップ72a〜72dを有している。これらのフラップ72a〜72dは後述するフラップ開閉手段によって図6aに示すフラップが紙類をほぼ水平に保持する紙類保持位置(閉位置)と図6cに示すフラップが下方に回動し紙類を排出できる紙類排出位置(開位置)にもたらされる。
【0024】
今、図7a、図7bに示すように、フラップ72a〜72dは収納ケース本体72に蝶番74aで回動可能に設けられた4つのフラップ開閉レバー(以下、単に開閉レバーという)74によって紙類保持位置(閉位置)に水平に保持されている。開閉レバー74と収納ケース本体72の側壁との間が開閉レバー駆動突起(以下、単に駆動突起という)76が配置されており、この駆動突起76は収納ケース本体72の周囲に設けられた駆動突起移動部材78に連結されており、上方に移動されるようになっている。
【0025】
説明の便宜上、フラップ72a、72cについてだけ説明すると、駆動突起移動部材78を上方に持ち上げると、図7cに示すように、駆動突起76が上方に持ち上げられ、これによって開閉レバー74が外方に回動され、フラップ72a、72cから離れる。この結果、フラップ72a、72cは下方に回動し、紙類排出位置にもたらされる。ここで、開閉レバー74、駆動突起76および駆動突起移動部材78はフラップ開閉手段を構成している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】収納ケースを示す図であり、図1aはその正面図であり、図1bはその側面図であり、図1cはその底面図であり、図1dはその斜視図である。
【図2】収納ケースに備えられた回動手段を説明するための図であり、図2aはプレートが下方の位置(収容位置)にある状態を示す概略正面図であり、図2bはプレートが下方の位置(紙類収容位置)にある状態のときの概略側面図であり、図2cはプレートが下方の位置(紙類開放位置)にある状態を示す概略正面図である。
【図3】実施例2の回動手段を示す図である。
【図4】実施例3の回動手段を示す図である。
【図5】実施例4のフック手段を示す図であり、図5aは正面図であり、図5bは支え手段がフックされている状態を説明するための側面図であり、図5cは支え手段がフック解除されている状態を説明するための側面図である。
【図6】実施例5を説明するための収納ケース本体だけを示す図であり、図6aは収納ケース本体のフラップが紙類保持位置(閉位置)にある状態を示す概略斜視図であり、図6bは図6aの状態のときの底面図であり、図6cは収納ケース本体のフラップが紙類排出位置(開位置)にある状態を示す概略斜視図であり、図6dは図6cの状態のときの底面図である。
【図7】実施例5の収納ケース本体とともにフラップの開閉を示す図であり、図7aは収納ケース本体のフラップが紙類保持位置(閉位置)にある状態を示す正面図であり、図7bは収納ケース本体のフラップが紙類保持位置(閉位置)にある状態を示す側面図であり、図7cは収納ケース本体のフラップが紙類排出位置(開位置)にある状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0027】
10 収納ケース
12 収納ケース本体
14 支え棒
16 フラップ
20 回動手段
22 プレート
24 円盤
26 引っ張りばね
28 引っ張りばね
40 ラック
42 ピニオン
44 ラック
51〜54 ロッド
56〜58 スロット
60 レバー
62 フック
70 収納ケース
72 収納ケース本体
72a フラップ
72b フラップ
72c フラップ
72d フラップ
74 フラップ開閉レバー
74a 蝶番
76 フラップ開閉レバー駆動突起
78 フラップ開閉レバー駆動突起移動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下が開放した収納ケース本体と、該収納ケース本体の下端に回動可能に取付けた支え手段と、該支え手段を回動させる回動手段と、を有することを特徴とする収納ケース。
【請求項2】
請求項1記載の収納ケースにおいて、前記回動手段は、上下動可能なプレートと、該プレートの側部に配置されて該プレートに連結され、かつ前記支え手段に連結された円盤とを有し、前記プレートが上方に移動させられたとき、支え手段を下方に回動させることを特徴とする収納ケース。
【請求項3】
請求項1記載の収納ケースにおいて、前記回動手段は、上下動可能なプレートと、該プレートの側部に固定された第1のラックと、前記収納ケース本体に回転可能に取付けられ、前記第1のラックに係合するピニオンと、該ピニオンに係合し、垂直方に案内されるように前記収納ケース本体に取り付けられ、かつ前記支え手段に連結された第2のラックと、を有し、前記プレートが上方に移動させられたとき、前記支え手段を下方に回動させることを特徴とする収納ケース。
【請求項4】
請求項1記載の収納ケースにおいて、前記回動手段は、上下動可能なプレートと、変形可能な4本のロッドからなる組立体と、ロッドの上下の連結部分の各々をそれそれ上方および下方に案内するように前記収納ケース本体に形成された2つのスロットおよびロッドの横方向の連結部分の各々をそれぞれ水平方向に案内するように前記収納ケース本体に形成された2つのスロットと、を有し、前記プレートは上方に移動させられるロッドの延長部分に連結されており、前記支え手段は下方に移動させられるロッドの延長部分に連結されており、前記プレートが上方に移動させられたとき、前記支え手段を下方に回動させることを特徴とする収納ケース。
【請求項5】
請求項1記載の収納ケースにおいて、前記支え手段を上方の回動位置に付勢するばね手段をさらに有することを特徴とする収納ケース。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の収納ケースにおいて、収納ケース本体に回動可能に取付けられたレバーと、前記支え手段の先端下面をフックし、またはフック解除を行うように前記レバーに設けられたフックと、をさらに有することを特徴とする収納ケース。
【請求項7】
上部が開放され、下部に紙類を保持するフラップを有する収納ケース本体と、前記フラップが紙類を保持する紙類保持位置と前記フラップが紙類を排出できる紙類排出位置との間で開閉可能なフラップ開閉手段と、を有することを特徴とする収納ケース。
【請求項8】
請求項7記載の収納ケースにおいて、前記フラップ開閉手段は、フラップの下面を保持する位置とフラップを開放する位置との間で回動可能に収納ケース本体に取り付けられたフラップ開閉レバーと、前記開閉レバーと収納ケース本体の間に配置された駆動突起と、前記駆動突起を上方に移動するための駆動突起移動部材とからなることを特徴とする収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−132409(P2009−132409A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309605(P2007−309605)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(507272728)
【Fターム(参考)】