説明

収納体

【課題】収納体の限られた収納スペースを有効的に活用し、収納性が高く、また、使い勝手の良い収納体、例えば、洗濯機周りの雑多で収納し難い洗濯用具をすっきりと収納でき、洗濯をする、洗濯物を干すといった一連の洗濯作業を効率的に行うことができる利便性が高く、実用性に優れた収納体を提供することを目的とする。
【解決手段】天板1または棚板2の下方にハンガー3を懸吊する棒状懸吊部4を奥行き方向が長さ方向となるように設けて、天板1または棚板2の下方にハンガー3を懸吊状態で且つ奥行き方向に縦列状態に収納するハンガー収納部5を設け、このハンガー収納部5に懸吊したハンガー3のハンガー肩部3aの上方にして天板1または棚板2の下方となるハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部6を設けた収納体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納物を整理して収納することができる収納体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、洗濯機の周りには、ハンガーやピンチハンガーなどの収納し難い形状のものや、洗濯バサミや石鹸、ゴム手袋などの細々したものなどが多くあり、この洗濯機周りは収納に困ってしまう場所のひとつである。
【0003】
特に、衣服を掛けていない未使用状態のハンガーを収納しておく際、このハンガーを収納箱や収納袋に収納した場合、ハンガー同士が絡まりあって使用時に取り出し難くなることがあり、また、このような絡まったハンガーを取り出すのにイライラ感を生じることもある。また、収納体内部にハンガー掛けを設けてハンガーをこれに掛けた状態で収納した場合、ハンガーは絡まることなくすっきりとした状態で収納しておくことができるが、その分、収納体の収納スペースが狭くなってしまう問題があった。
【0004】
そこで、従来、このような洗濯機周りの雑多な収納物を収納する手段として、特許文献1や特許文献2に示されるような様々な収納体が提案されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3805124号公報
【特許文献2】実用新案登録第3159934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す収納キャビネットは、前面側で洗濯物の出し入れを行うドラム式洗濯機においては利便性が高いが、洗濯機の上部側で洗濯物の出し入れを行う従来型のパルセータ式(攪拌式)洗濯機には適用し難いものであり、また、特許文献2に示す収納棚は、洗濯バサミや石鹸などの小物類を収納すると、無駄なスペースが生じたり、単に載置するだけなので、ばらけて煩雑になってしまうこともあり、作業に必要なものを直ぐに取り出せないという問題が生じることもあった。
【0007】
そこで、本発明は、収納体の限られた収納スペースを有効的に活用し、収納性が高く、また、使い勝手の良い収納体、例えば、洗濯機周りのハンガーやボトル状の液体洗剤、あるいは洗濯バサミや石鹸など雑多で収納し難い洗濯用具をすっきりと収納でき、洗濯をする、洗濯物を干すといった一連の洗濯作業を効率的に行うことができる利便性が高く、実用性に優れた収納体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
天板1または棚板2の下方にハンガー3を懸吊する棒状懸吊部4を奥行き方向が長さ方向となるように設けて、前記天板1または棚板2の下方に前記ハンガー3を懸吊状態で且つ奥行き方向に縦列状態に収納するハンガー収納部5を設け、このハンガー収納部5に懸吊した前記ハンガー3のハンガー肩部3aの上方にして前記天板1または棚板2の下方となるハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部6を設けたことを特徴とする収納体に係るものである。
【0010】
また、洗濯機の上方に取り付けられ、前記ハンガー3や洗剤、ゴム手袋などの洗濯用具を収納する収納体であって、前記洗濯機から取り出した洗濯物を干す際に使用する前記ハンガー3を収納する前記ハンガー収納部5と、その他の前記洗濯用具を収納する前記ハンガー肩部上方収納部6と、前記ハンガー収納部5の上方若しくは下方に設けられる横型収納部7と、この横型収納部7又は前記ハンガー肩部上方収納部6の側方に設けられる縦型収納部8とから成る洗濯用具整理収納部9と、前記ハンガー収納部5から取り出した前記ハンガー3に洗濯物を掛けこの洗濯物を掛けた前記ハンガー3を懸吊することができる横長の物干し部10とで構成したことを特徴とする請求項1記載の収納体に係るものである。
【0011】
また、洗濯機の上方に取り付けられ、前記ハンガー3や洗剤、ゴム手袋などの洗濯用具を収納する収納体であって、前記洗濯機から取り出した洗濯物を干す際に使用する前記ハンガー3を収納する前記ハンガー収納部5と、その他の前記洗濯用具を収納する引き出し式収納部11とスライドガイド部12とからなり、この引き出し式収納部11を前記奥行き方向となる前後方向に引き出しスライド自在に設けた構成とした前記ハンガー肩部上方収納部6と、前記ハンガー収納部5の上方若しくは下方に設けられ前記ハンガー3の横方向長さよりも横幅を広く設定した横型収納部7と、この横型収納部7又は前記ハンガー肩部上方収納部6の側方に設けられ横幅よりも高さ方向の長さを長くしボトル状の液体洗剤を収納し得る縦長方形状に形成した縦型収納部8とから成る洗濯用具整理収納部9と、前記ハンガー収納部5から取り出した前記ハンガー3に洗濯物を掛けこの洗濯物を掛けた前記ハンガー3を懸吊することができる横長の物干し部10とで構成したことを特徴とする請求項1記載の収納体に係るものである。
【0012】
また、前記洗濯用具整理収納部9は、前記洗濯機の上方に取り付ける取付ベース部13に昇降自在に設けた構成としたことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載の収納体に係るものである。
【0013】
また、前記ハンガー収納部5の棒状懸吊部4を前記奥行き方向となる前後方向にスライド自在若しくは伸縮自在に構成して、前記天板1または棚板2の前面よりも突出するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納体に係るものである。
【0014】
また、前記ハンガー肩部上方収納部6は、前記ハンガー収納部5の左右両側に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の収納体に係るものである。
【0015】
また、前記引き出し式収納部11は、前方に引き出した際に、先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態を保持する傾斜状態保持機構を設けたことを特徴とする請求項3記載の収納体に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、ハンガー同士が絡まることなくすっきりと縦列状態で収納することができ、しかも、ハンガーを収納体の奥行き方向に縦列状態に収納することで、このハンガーのハンガー肩部上方の奥行き方向に空きスペースとなるハンガー肩部上方スペースができ、このハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部を設けたことで、収納スペースを無駄無く有効的に活用し、従来、ハンガー肩部上方収納部のような収納部を設置するスペースを他の収納部の収納スペースとして活用でき収納力も向上し利便性の高い画期的な収納体となる。
【0017】
また、請求項2,3記載の発明においては、洗濯機の上方に空いているスペースを有効的に活用し、洗濯をする際に必要な洗濯用具と洗濯を干す際に必要な洗濯用具とを分別して収納することができ、洗濯機の前から移動することなく一連の洗濯作業ができ、特に、請求項3記載の発明においては、収納部を引き出し式にしたので、奥行き方向の収納スペースを有効的に活用することができ、また、例えば引き出し式収納部に仕切り板を設けることで石鹸や洗濯バサミなどの散らかりがちな雑多な小物の洗濯用具を種類別に区分けして整理された状態で収納することができ、必要な洗濯用具を直ぐに取り出せて一々洗濯用具を探すといったイライラすることもなく、効率よく作業することができる実用性に優れた収納体となる。
【0018】
また、請求項4記載の発明においては、洗濯作業を行う際には洗濯用具整理収納部を下降させ洗濯用具を出し入れし易い位置に調整して洗濯作業を楽な姿勢で行うことができ、洗濯作業が終了したら洗濯用具整理収納部を上昇させて取付ベース部内に収納することで洗濯機周りがスッキリし見栄えも良い実用性に優れた収納体となる。
【0019】
また、請求項5記載の発明においては、ハンガーの出し入れ作業を容易に行うことができる作業性に優れた収納体となる。
【0020】
また、請求項6記載の発明においては、より一層ハンガー肩部上方スペースを有効的に活用することができ、また、収納力も一層向上する実用性に優れた収納体となる。
【0021】
また、請求項7記載の発明においては、引き出し式収納部を引き出した際に、この引き出し式収納部内が見易く、所望の洗濯用具を容易に探し出すことができ、且つ、奥側に収納されているものも取り出し易くなる実用性に優れた収納体となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施例の試用状態を示す説明斜視図である。
【図2】本実施例の洗濯用具整理収納部を示す説明斜視図である。
【図3】本実施例の洗濯用具整理収納部を示す説明正面図である。
【図4】本実施例のハンガー収納部を示す説明断面図である。
【図5】本実施例のハンガー収納部及びハンガー肩部上方収納部を説明正面図である。
【図6】本実施例の引き出し式収納部を示す斜視図である。
【図7】本実施例の引き出し式収納部を前方に引き出して下がり傾斜状態にした場合を示す説明断面図である。
【図8】本実施例の引き出し式収納部を洗濯用具整理収納部と物干し部との間に配置した状態を示す断面図である。
【図9】本実施例の昇降機構を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
本発明は、収納体の天板1若しくは棚板2にハンガー収納部5を構成する棒状懸吊部4を、この棒状懸吊部4の長さ方向を奥行き方向に向けて設けたので、この棒状懸吊部4にハンガー3を懸吊した際は、ハンガー3が正面に向いた状態で懸吊されることとなり、この正面を向いた状態で懸吊されたハンガー3のハンガー肩部3aの上方と天板1若しくは棚板2との間には空間が形成される。
【0025】
従来は、このハンガー肩部3aの上方と天板1若しくは棚板2との間に形成されるハンガー肩部上方スペースはデッドスペースとして扱われ、収納体において無駄なスペースであったが、本発明は、このハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部6を設けたので、収納体の収納スペースを有効に活用することができ、本来、このハンガー肩部上方収納部6を設けるためのスペースが他の収納スペースとして活用できるので、収納体自体の収納力も向上し、利便性の高い画期的な収納体となる。
【0026】
また、例えば、本発明を洗濯機の上方に取り付け、ハンガー3や洗剤、ゴム手袋などの洗濯用具を収納する収納体とし、洗濯機から取り出した洗濯物を干す際に使用するハンガー3を収納するハンガー収納部5と、その他の洗濯用具を収納する引き出し式収納部11とスライドガイド部12とからなり、この引き出し式収納部11を奥行き方向となる前後方向に引き出しスライド自在に設けた構成としたハンガー肩部上方収納部6と、ハンガー収納部5の上方若しくは下方に設けられハンガー3の横方向長さよりも横幅を広く設定した横型収納部7と、この横型収納部7又はハンガー肩部上方収納部6の側方に設けられ横幅よりも高さ方向の長さを長くしボトル状の液体洗剤を収納し得る縦長方形状に形成した縦型収納部8とから成る洗濯用具整理収納部9と、ハンガー収納部5から取り出したハンガー3に洗濯物を掛けこの洗濯物を掛けたハンガー3を懸吊することができる横長の物干し部10とで構成した場合は、洗濯機周りに収納しておくと便利であるハンガーやピンチハンガー、洗剤やタオル類などは、夫々の形状や大きさにあった収納部に整理して収納することができ、また、石鹸や洗濯バサミなどの散らかりがちな雑多な小物も、引き出し式収納部11に構成したハンガー肩部上方収納部6に収納することで散らかることなく収納することができ、例えば、この引き出し式収納部11内を仕切り板で仕切った状態で収納すれば、種類別に区分けして整理された状態で収納することができるので、洗濯作業を行う際は、作業に必要なものを一々探し出さなくとも直ぐに取り出すことができ、また、洗濯が終了し洗濯物を洗濯機から取り出しハンガー3に掛ける際も、ハンガー3がハンガー収納部5の棒状懸吊部4に懸吊状態で収納されているので、ハンガー3同士が絡まって取り難いといった不具合も生じず、イライラすることなく快適に楽しく洗濯作業をすることができる実用性に優れた画期的な洗濯用具収納用の収納体となる。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、洗濯機の上方に取り付けられ、ハンガー3や洗剤、ゴム手袋などの洗濯用具を収納する収納体であり、洗濯機の上方の壁面に取り付け固定される取付ベース部13と、この取付ベース部13に昇降自在に設けた洗濯用具整理収納部9と、ハンガー3を懸吊し得る横長の物干し部10とから成る収納体である。
【0029】
具体的には、図1に示すように、取付ベース部13は、下方側に開口部を形成した方形状の箱体に形成し、この下方側開口部から洗濯用具整理収納部9を昇降自在に設けた構成としている。
【0030】
また、洗濯用具整理収納部9は、図2,図3に示すように、洗濯機から取り出した洗濯物を干す際に使用するハンガー3を収納するハンガー収納部5と、その他の洗濯用具を収納するハンガー肩部上方収納部6と、ハンガー収納部5の上方若しくは下方に設けられる横型収納部7と、この横型収納部7又はハンガー肩部上方収納部6の側方に設けられる縦型収納部8とで構成している。
【0031】
具体的には、洗濯用具整理収納部9は、天板1、底板14、左右側板15a,15b、及び背面板16からなり、前面を開口した方形状の箱体に構成しており、また、左右側板15a,15b間に垂直方向に立直した垂直仕切り板17を設けて左右に二分割した構成としている。
【0032】
より具体的には、垂直仕切り板17は、幅方向中央よりも左右いずれかの側板寄りに配置し、左右いずれか一方側を幅広収納部、他方側を幅狭収納部に構成している。尚、本実施例では、垂直仕切り板17を右側板15b寄りに配置し、左側板15aと垂直仕切り板17とで形成する正面視左側の幅広収納部、右側板15bと垂直仕切り板17とで形成する正面視右側の幅狭収納部とを設けた構成としている。
【0033】
更に具体的に説明すると、幅広収納部には、ハンガー収納部5、ハンガー肩部上方収納部6、及び横型収納部7を設け、幅狭収納部は縦型収納部8とし、この縦型収納部8は、横幅よりも高さ方向の長さを長くしボトル状の液体洗剤を収納し得る縦長方形状に形成した構成としている。
【0034】
また、左右側板15a,15b及び垂直仕切り板17は、左側板15aと垂直仕切り板17との間に架設する棚板2と、右側板15bと垂直仕切り板17との間に架設する幅狭仕切り板18の夫々を支持する支持具19を係止する支持具係止部20を設けており、この支持具係止部20は、左右側板15a,15b及び垂直仕切り板17の前面側及び背面側に高さ方向に複数並設し、支持具19の係止位置を調整自在にして、この支持具19に支持される棚板2及び幅狭仕切り板18を高さ調整自在に設けた構成としている。
【0035】
また、本実施例では、縦型収納部8に設ける幅狭仕切り板18を、周壁部を有するトレー状に形成し、例えば、載置した液体洗剤から洗剤がこぼれても、外部に漏れ難くなり、また、容易に取り外して清掃できる構成としている。
【0036】
また、幅広収納部に設けたハンガー収納部5は、左側板15aと垂直仕切り板17との間に架設する棚板2の下方にハンガー3を懸吊する棒状懸吊部4を奥行き方向が長さ方向となるように設けて、棚板2の下方にハンガー3を懸吊状態で且つ奥行き方向に縦列状態に収納し得る構成とし、この棒状懸吊部4はハンガー3を収納した状態では棚板2の前面よりも奥側に収納された状態にあり、ハンガー3を使用するために棒状懸吊部4から取り外す際や、この棒状懸吊部4にハンガー3を懸吊する際には、この棒状懸吊部4を引き出して、棚板2の前面よりも突出するようにスライド自在に構成している。
【0037】
具体的には、このハンガー収納部5は、図4に示すように、スライダー部21に棒状懸吊部4を片持ち状態で設けた構成とし、このスライダー部21を、後述するハンガー肩部上方収納部6を構成するスライドガイド部12に設けたスライドレール部22にスライド自在に設け、棒状懸吊部4を奥行き方向、言い換えると収納体の前後方向にスライド自在に設けて、この棒状懸吊部4にハンガー3を懸吊したままの状態で棚板2の前面よりも突出状態に引き出せる構成としている。
【0038】
尚、本実施例では棒状懸吊部4をスライダー部21に突設状態に設けて、このスライダー部21がスライドレール部22に沿ってスライドすることで、棒状懸吊部4をスライド自在に設けた構成としているが、例えば、棒状懸吊部4を二重構造のパイプ状に構成し、外側を内側に対してスライド自在に構成し、この棒状懸吊部4を伸縮自在な構成としても良い。
【0039】
また、このように棚板2に設けたハンガー収納部5の棒状懸吊部4にハンガー3を懸吊状態に収納すると、懸吊状態のハンガー3のハンガー肩部3aの上方と棚板2の下面との間に空間が形成され、この空間は従来、デッドスペースとして扱われ、収納体にとって無駄なスペースとなっていたが、本実施例では、図3に示すように、このハンガー肩部3aの上方と棚板2の下面との間のハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部6を設けた構成としている。
【0040】
具体的には、このハンガー肩部上方収納部6は、引き出し式収納部11とスライドガイド部12とで構成し、この引き出し式収納部11を収納体の奥行き方向となる前後方向に引き出しスライド自在に設けた構成としている。
【0041】
より詳しく説明すると、図5に示すように、スライドガイド部12は板材をコ字状に形成し、このコ字状の開口部を上側に向けて棚板2の下面に設け、このコ字状に形成したスライドガイド部12に引き出し式収納部11を引き出しスライド自在に設けた構成とし、本実施例では、このように構成したハンガー肩部上方収納部6を棒状懸吊部4に懸吊したハンガー3の左右両側のハンガー肩部3a上方、言い換えると、ハンガー収納部5を挟んで左右両側に設けた構成としている。
【0042】
また、このハンガー収納部5を挟んで左右両側に設けたハンガー肩部上方収納部6の対向する側面部に夫々前述した棒状懸吊部4をスライドさせるスライダー部21のガイドレールとなる帯板状のスライドレール部22を、長さ方向をスライドガイド部12の奥行き方向に沿って水平方向に突設した構成としている。
【0043】
具体的には、コ字状に形成したスライドガイド部12の左右側端部を外方に折曲し鍔部を設け、内側(ハンガー収納部5側)に設けた鍔部を前記スライドレール部22とし、外側(ハンガー収納部5と反対側)の鍔部よりも稍低い位置に設けている。
【0044】
このように構成したスライドガイド部12の外側(ハンガー収納部5と反対側)の鍔部を棚板2の下面に係止し、内側(ハンガー収納部5側)の鍔部、即ちスライドレール部22を、スライドガイド支持部23を介して棚板2に係止し、このスライドガイド部12、即ちハンガー肩部上方収納部6を棚板2に垂設状態に設けてハンガー3のハンガー肩部3aと棚板2との間に配した構成としている。
【0045】
また、このスライドガイド部12に引き出しスライド自在に設けられる引き出し式収納部11は、図6に示すように、上部が開口した長方形状の箱型に形成し、左右側面の内面側には凹条溝部24を複数設けた構成とし、この凹条溝部24に引き出し仕切り板25を挿入し、引き出し式収納部11内部を複数の小収納部に仕切れるように構成している。
【0046】
また更に、この引き出し式収納部11は、引き出した際に先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態を保持する傾斜状態保持機構を設けている。
【0047】
この傾斜状態保持機構は、引き出し式収納部11の底面部に設けた凹状係止部26と、後端上縁部に設けた当接係止部27とで構成している。
【0048】
具体的には、図7に示すように、凹状係止部26は、引き出し式収納部11の奥行き方向の中央より後方側の底面部外面に凹部を形成した構成とし、引き出し式収納部11を前方に引き出した際に、この凹部がスライドガイド部12の底面前端部に落ち込み、この引き出し式収納部11の先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態となるように構成している。
【0049】
また、当接係止部27は帯板状に形成し、この帯板状の当接係止部27の幅方向一端側を引き出し式収納部11の後端上縁部に沿設し、幅方向他端側(先端側)を稍下方に向けた下がり傾斜状態に突設した構成とし、引き出し式収納部11を前方に引き出し、上述した凹状係止部26がスライドガイド部12の底面前端部に落ち込み、この引き出し式収納部11の先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態となった際に、この当接係止部27が水平状態となり、この当接係止部27の上面が棚板2の下面に当接し、この引き出し式収納部11の下がり傾斜状態を安定保持するように構成している。
【0050】
尚、本実施例では、上述したように棚板2は高さ調整自在な構成としており、この高さ調整自在に設けた棚板2にハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6を設けた構成とすることで、このハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6を高さ調整自在に設けた構成している。
【0051】
また、この高さ調整自在に設けたハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6の上方若しくは下方、または、上方及び下方の両方の空間を横型収納部7としている。
【0052】
即ち、この横型収納部7は、ハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6の配置によって構成が変わり、ハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6を幅広収納部の上端側、若しくは、天板1に設けた場合、ハンガー収納部5の下方側空間の全てが横型収納部7となり、ハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6を下方側に設けた場合、このハンガー収納部5の下方側にスペースはなくなるが、代わりにこのハンガー収納部5の上方、即ち、棚板2を底面とする横型収納部7が形成されることとなる。
【0053】
また、ハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6を幅広収納部高さ方向の中間位置付近に配置することでこのハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6の上方と下方との両側に横型収納部7を形成することができる。
【0054】
即ち、横型収納部7は、収納したい収納物の大きさや形状に合わせて、ハンガー収納部5及びハンガー肩部上方収納部6の高さ方向の配置を調整することで、所望の位置、所望の高さの横型収納部7を形成し得る構成としている。
【0055】
また、図2に示すように、洗濯用具整理収納部9の底板16には、横長の棒状に形成した物干し部10を垂設した構成とし、具体的には、この物干し部10は、洗濯用具整理収納部9の底板の左右対向状態に垂設した物干し支持部28間に架設し、ハンガー収納部5から取り出したハンガー3に洗濯物を掛けこの洗濯物を掛けたハンガー3を懸吊することができる構成としている。
【0056】
また、この物干し部10は、洗濯用具整理収納部9の前面側に配置し、この洗濯用具整理収納部9を昇降移動させる際のハンドル部として併用する構成としている。
【0057】
また、この物干し部10と洗濯用具整理収納部9の底板16との間隔を、引き出し式収納部11を配設し得る間隔に構成し、スライドガイド部12から引き出し式収納部11を取り外し、図8に示すように、この取り外した引き出し式収納部11の凹状係止部26を物干し部10に嵌合係止し、上述したハンガー肩部上方収納部6同様に先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態に設け得る構成としており、この際、当接係止部27が洗濯用具整理収納部9の底板19に当接してこの引き出し式収納部11の下がり傾斜状態を安定保持するように構成している。
【0058】
また、この洗濯用具整理収納部9は上述したように取付ベース部13に昇降自在に設けた構成としており、未使用時はこの洗濯用具整理収納部9を上昇させて洗濯用具整理収納部9に収納している洗濯用具などの収納物が露出しない状態で取付ベース部13内に収納し、洗濯用具整理収納部9に収納している収納物を使用する際、具体的には、例えば、洗濯作業を行う際に、取付ベース部13から下降させ洗濯用具整理収納部9を露出状態にして使用する構成としている。
【0059】
具体的には、図9に示すように、この洗濯用具整理収納部9の昇降操作は、物干し部10としてのハンドル部を掴みながら、この洗濯用具整理収納部9に設けたストッパー操作部29を操作しストッパー30を取付ベース部13に設けたストッパー係止部31に嵌合係止させて、所望の位置(高さ)に固定し得る構成としている。
【0060】
具体的には、ストッパー係止部31は、凹部と凸部を交互に連続形成した構成とし、この凹部に洗濯用具整理収納部9に設けた棒状のストッパー30が凹部に嵌合し、洗濯用具整理収納部9の昇降移動を不能にし、所望の位置で固定できる構成としている。
【0061】
また、このストッパー30は、ストッパー操作部29を手前に引き寄せることでストッパー係止部31の凹部から離脱し、ストッパー操作部29を奥側に移動させることでストッパー係止部31の凹部に嵌合する構成としている。
【0062】
また、本実施例では、ストッパー操作部29を手で手前側に引き寄せた状態から、手を離して開放すると自動的に元の位置に戻る戻り付勢機構を設けた構成とし、また、ストッパー操作部29を物干し部10に近接状態に設け、物干し部10としてのハンドル部を握持するとともにこのストッパー操作部29を一緒に握持することでストッパー30がストッパー係止部31から離脱して昇降自在状態となり、ストッパー操作部29の握持をやめ開放すると自動的に元の位置に戻り、ストッパー30がストッパー係止部31の凹部に嵌合係止する構成としている。
【0063】
また、取付ベース部13の天板32の内面に弾性体33を設け、この弾性体33を洗濯用具整理収納部9の天板1に連結し、洗濯用具整理収納部9を上昇させる際、この弾性体33の収縮力、即ち戻り付勢によって容易に上昇させることができるように構成している。
【0064】
また、この弾性体33は、この弾性体33のみで洗濯用具整理収納部9を吊下した際に、ゆっくりと上昇し得る程度の弾性力を有するものを採用することが好ましい。
【0065】
本実施例は、上述のように構成したので、以下のような作用、効果を奏する。
【0066】
本実施例の洗濯用具整理収納部9は、取付ベース部13に昇降自在に設けた構成としたので、未使用時はこの洗濯用具整理収納部9を上昇させ取付ベース部13内に収納しておくことで、洗濯用具整理収納部9に収納している洗濯用具などの収納物が露出しないので、見た目が良いものとなり、また、使用時は、使用者の所望の高さに引き降ろして使用できるので、楽な姿勢で洗濯作業を行うことができる。
【0067】
また、この洗濯用具整理収納部9内に棒状の棒状懸吊部4を有するハンガー収納部5を設けたので、ハンガー3を棒状懸吊部4に懸吊状態で収納でき、ハンガー3同士が絡まり合うことがなく、ハンガー3を取り出す際も容易に取り出すことができる。即ち、絡まりあったハンガー3を一々ばらしながら取り出すことも無いので、イライラすることなく気持ち良く作業を行うことができる。
【0068】
しかも、このハンガー収納部5の棒状懸吊部4は、前方にスライドし、棚板2前面よりも突出する突出スライド自在な構成としたので、ハンガー3を使用する際は、この棒状懸吊部4をハンガー収納部5から引き出して使用することで、ハンガー3を棒状懸吊部4から取り出す作業、或いは、逆にハンガー3を棒状懸吊部4に懸吊する作業が極めて容易に行うことができる。
【0069】
また、このハンガー収納部5にハンガー3を懸吊した際は、ハンガー3が正面に向いた状態で奥行き方向(前後方向)に縦列状態で懸吊されることとなり、この正面を向き縦列状態で懸吊されたハンガー3のハンガー肩部3aの上方と棚板2との間には空間が形成され、この空間は、従来、デッドスペースとして扱われ、収納体において無駄なスペースであったが、本実施例では、このハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部6を設けたので、収納体の収納スペースが有効に活用され、本来、このハンガー肩部上方収納部6を設けるためのスペースが他の収納スペースとして活用でき、収納体自体の収納力が向上した利便性の高い収納体となる。
【0070】
更に、このハンガー肩部上方収納部6を引き出し式収納部11とし、この引き出し式収納部11に引き出し仕切り板25を設けて引き出し式収納部11内を小分けに仕切ることで細々した小物、例えば、洗濯バサミや石鹸、ゴム手袋なども種類毎に区分けして整理して収納できるので、使用する際もバラバラな状態から一々探し出さなくても良く、効率よく作業することができる。
【0071】
しかも、この引き出し式収納部11は、引き出した際に、先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態を保持する傾斜状態保持機構を設けたので、作業時にこの引き出し式収納部11を引き出して下がり傾斜状態とすることで中身が見え易くなり、引き出し式収納部11内に収納している細々した小物の何がどこにあるかが一目で分かり、また、取り出す際も、特に奥側に収納しているものも容易に取り出すことができる。
【0072】
また更に、この引き出し式収納部11はスライドガイド部12から取り外して、洗濯用具整理収納部9と物干し部10との間のスペースのハンガー肩部上方収納部6と同じように下がり傾斜状態で設置することも可能なので、より一層引き出し式収納部11内部が見易く且つ取り出し易くなり、作業性も一層向上することとなる。
【0073】
また、幅広なものを収納し得る横型収納部7と、高さのあるものを収納し得る縦型収納部8を設けたので、例えば、通常、収納し難いピンチハンガーなどの大きめのものも横型収納部7に収納することができ、高さのあるボトル状の液体洗剤も縦型収納部8に収納することができ、洗濯機周りにこれらを放置しておくことが無いので、従来、煩雑になりがちだった洗濯機周りがすっきりし、見た目も良くなる。
【0074】
しかも、横型収納部7はハンガー収納部5,ハンガー肩部上方収納部6を設けた棚板2の位置を高さ調整自在に設けた構成としたので、この棚板2の位置を変えることで、横型収納部7の位置や収納スペースを所望の状態に変更することができ、また、縦型収納部8に設ける幅狭仕切り板20を周壁部を有するトレー状に形成したので、例えば、載置した液体洗剤から洗剤がこぼれても、外部に漏れ難くなり、また、容易に取り外して清掃することもできる実用性に優れた画期的な収納体となる。
【0075】
また、洗濯用具整理収納部9を昇降する際に掴むハンドル部を物干し部10としたので、例えば、洗濯物を外に干せない場合でも、この物干し部10に洗濯物を干すことができ、洗濯機周りで、全ての洗濯作業を行うことができる作業性が良く、実用性に優れた画期的な収納体となる。
【0076】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0077】
1 天板
2 棚板
3 ハンガー
3a ハンガー肩部
4 棒状懸吊部
5 ハンガー収納部
6 ハンガー肩部上方収納部
7 横型収納部
8 縦型収納部
9 洗濯用具整理収納部
10 物干し部
11 引き出し式収納部
12 スライドガイド部
13 取付ベース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板または棚板の下方にハンガーを懸吊する棒状懸吊部を奥行き方向が長さ方向となるように設けて、前記天板または棚板の下方に前記ハンガーを懸吊状態で且つ奥行き方向に縦列状態に収納するハンガー収納部を設け、このハンガー収納部に懸吊した前記ハンガーのハンガー肩部の上方にして前記天板または棚板の下方となるハンガー肩部上方スペースにハンガー肩部上方収納部を設けたことを特徴とする収納体。
【請求項2】
洗濯機の上方に取り付けられ、前記ハンガーや洗剤、ゴム手袋などの洗濯用具を収納する収納体であって、前記洗濯機から取り出した洗濯物を干す際に使用する前記ハンガーを収納する前記ハンガー収納部と、その他の前記洗濯用具を収納する前記ハンガー肩部上方収納部と、前記ハンガー収納部の上方若しくは下方に設けられる横型収納部と、この横型収納部又は前記ハンガー肩部上方収納部の側方に設けられる縦型収納部とから成る洗濯用具整理収納部と、前記ハンガー収納部から取り出した前記ハンガーに洗濯物を掛けこの洗濯物を掛けた前記ハンガーを懸吊することができる横長の物干し部とで構成したことを特徴とする請求項1記載の収納体。
【請求項3】
洗濯機の上方に取り付けられ、前記ハンガーや洗剤、ゴム手袋などの洗濯用具を収納する収納体であって、前記洗濯機から取り出した洗濯物を干す際に使用する前記ハンガーを収納する前記ハンガー収納部と、その他の前記洗濯用具を収納する引き出し式収納部とスライドガイド部とからなり、この引き出し式収納部を前記奥行き方向となる前後方向に引き出しスライド自在に設けた構成とした前記ハンガー肩部上方収納部と、前記ハンガー収納部の上方若しくは下方に設けられ前記ハンガーの横方向長さよりも横幅を広く設定した横型収納部と、この横型収納部又は前記ハンガー肩部上方収納部の側方に設けられ横幅よりも高さ方向の長さを長くしボトル状の液体洗剤を収納し得る縦長方形状に形成した縦型収納部とから成る洗濯用具整理収納部と、前記ハンガー収納部から取り出した前記ハンガーに洗濯物を掛けこの洗濯物を掛けた前記ハンガーを懸吊することができる横長の物干し部とで構成したことを特徴とする請求項1記載の収納体。
【請求項4】
前記洗濯用具整理収納部は、前記洗濯機の上方に取り付ける取付ベース部に昇降自在に設けた構成としたことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載の収納体。
【請求項5】
前記ハンガー収納部の棒状懸吊部を前記奥行き方向となる前後方向にスライド自在若しくは伸縮自在に構成して、前記天板または棚板の前面よりも突出するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納体。
【請求項6】
前記ハンガー肩部上方収納部は、前記ハンガー収納部の左右両側に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の収納体。
【請求項7】
前記引き出し式収納部は、前方に引き出した際に、先端側が下方に向って傾斜状態となる下がり傾斜状態を保持する傾斜状態保持機構を設けたことを特徴とする請求項3記載の収納体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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