説明

収納家具

【課題】 オフィスルームに良くマッチした斬新なスタイルを創出することができる収納家具を提供すること。
【解決手段】 引出し32を出入れ自在に収容する金属製収納家具の筐体10が、その筐体10の上面壁14と左右側面壁15,16を形成する正面から見て略門型状をなす一枚の金属板による筐体外面10を備え、該筐体外面10は、その前端部17が、前記金属板を略U字状に折重ねた折重ね前縁に形成されていると共に、該折重ね前縁に連続して前記上面壁14と左右側面壁15,16の前縁内面の全周にわたってリブ18を形成したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等で使用されるワゴン、キャビネット、ロッカー等の収納家具、より詳しくは、収納家具の筐体、並びに、引出しに特長を持たせた収納家具に関する。
【背景技術】
【0002】
収納家具、例えばサイドワゴンは、引出しとそれらを出入れ自在に引出しを収容する筐体とを備えている。引出しを備えない収納家具には、固定又は可動式の棚板を筐体内に備え、その筐体に開き扉や引戸を装着したものや、筐体に扉や引戸等を装着したものなどがある。これらの収容家具における筐体は、鉄板を曲げ加工して各部材をつくり、それらをスポット溶接することで筐体に組立ている(例えば特許文献1を参照)。従って、筐体の前面、つまり引出しが挿入される前面外周は、引出しの左右及び上下に当たる箇所にボックス状の縁を備え、スライドレールがこれらのボックス状の縁に隠れて側面内部に固定された構造となっている。
【特許文献1】特許公開第2002−95538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の収納家具は、前述のように、前面の縁がかなり幅広いものしかないため、使用者の嗜好にマッチした前面縁が細いものの選択ができない。また、従来の周の家具は、その前面に現れる縁の形態ゆえに、今様のモダンな感性でデザインされたオフィスルームに配置すると、鈍重な感じを与える場合が多い。
【0004】
本発明は、上記のような事情に鑑み、オフィスルームに良くマッチした斬新なスタイルを創出することができる収納家具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決することを目的としてなされた本発明収納家具の構成は、引出しを出入れ自在に収容する金属製収納家具の筐体が、その筐体の上面壁と左右側面壁を形成する正面から見て略門型状をなす一枚の金属板による筐体外面を備え、該筐体外面は、その前端部が、前記金属板を略U字状に折重ねた折重ね前縁に形成されていると共に、該折重ね前縁に連続して前記上面壁と左右側面壁の前縁内面の全周にわたってリブを形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明収納家具は、引出しを出入れ自在に収容する金属製収納家具の筐体が、その筐体の上面壁と左右側面壁を形成する正面から見て略門型状をなす一枚の金属板による筐体外面を備え、該筐体外面は、その前端部が、前記金属板を略U字状に折重ねた折重ね前縁に形成されていると共に、該折重ね前縁に連続して前記上面壁と左右側面壁の前縁内面の全周にわたってリブを形成してあるため、オフィスルームに良くマッチした家具外周の前縁が極めて薄く見える斬新なスタイルを創出することができる。しかも、筐体外面部材の前縁に連続したリブを筐体上面壁と筐体両側面壁の前縁内面の全周にわたって形成してあるため、いいかえれば、前縁を二重に折曲げて、前縁を薄く見せると共に、前後方向の曲げ強度を高め、また、内面に直角方向に凸出したリブを形成して、左右方向での曲げ強さも高めているため、一枚の金属板で形成した筐体外面部材でありながらも機械的強度は十分である。更に、筐体上面壁と筐体両側面壁とが一枚の金属板で一つの筐体外面部材に形成されているため、部品点数及び接合箇所が少なくなり、金属製収納家具の製造手間、製造コストを大幅に削減することができる。
【0007】
また、本発明収納家具では、収納家具の筐体に出入れ自在に収容された引出しが、一枚の金属板からなる平坦な鏡板と、該鏡板の背面に配置されて前端面がその鏡板に固定された金属板からなる引出し本体と、一本の金属棒を曲げ加工して手掛かり部となる部位を前記鏡板の前面に貫通させると共に他の部位を当該鏡板の背面と前記引出し本体に固定させた取手部材から形成したので、引出し自体も斬新な形態に形成できるのみならず、その組立ても簡単にかつ短時間で行なうことができる。
【0008】
更に、本発明収納家具は、引出しを出入れ自在に収容する金属製収納家具の筐体が、その筐体の上面壁と左右側面壁を形成する正面から見て略門型状をなす一枚の金属板による筐体外面を備え、該筐体外面は、その前端部が、前記金属板を略U字状に折重ねた折重ね前縁に形成されていると共に、該折重ね前縁に連続して前記上面壁と左右側面壁の前縁内面の全周にわたってリブを形成する一方、前記筐体に出入れ自在に収容された引出しが、一枚の金属板からなる平坦な鏡板と、該鏡板の背面に配置され前面がその鏡板に固定された金属板からなる引出し本体と、一本の金属棒を曲げ加工した手掛かり部となる部位を前記鏡板の前面に貫通させると共に他の部位を当該鏡板の背面及び引出し本体に固定させるようにした取手部材から構成したことにより、オフィスルームに良くマッチする斬新なスタイルが簡単な構造で具現できる一方、構造簡単であっても、機械的強度は高く、また、簡単な構造ゆえに組立ても容易に行なえる収納家具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明収納家具の一実施例を説明する。添付図において、図1は本発明による収納家具の一実施例を示す正面図、図2は図1に示す収納家具の平面図、図3は図1に示す収納家具の側面図、図4は図1に示す収納家具の背面図、図5は図3のA−A線に沿う一部を破断した拡大断面図、図6は図1のB−B線に沿う拡大断面図、図7は図6のC−C線に沿う一側の断面図、図8は図1に示す収納家具における引出しの背面側から見た斜視図、図9は図8に示す引出しの平面図、図10は図8に示す引出しの正面図、図11は図8に示す引出しの側面図である。
【0010】
実施例として説明する収納家具は、オフィスで使用するデスクの傍らに置くサイドワゴンである。
【0011】
このサイドワゴンは、図1〜図4に示すように、筐体10及びこれに収容された二つの引出し30,30aを備えている。
【0012】
筐体10は筐体外面11、筐体背面12及び筐体底面13からなっている。
【0013】
筐体外面11は、図4に示すように、薄鋼板等の一枚の金属板を正面から見て略門形状にプレス成形したもので、筐体上面壁14及び筐体左右側面壁15,16を備えている。筐体上面壁14及び筐体左右側面壁15,16の前縁は、上記各壁14と15,16の曲げ方向と直交する方向に平面から見て薄いU字状をなすように内側に向かって折重ねて前端部17を形成したあと、該前端部17に連続して内側に向かって突出するように折曲げた平面から見て略L字状断面をもつリブ18が形成されている。リブ18は、後述するように、引出し30,30aのスライドレールの前端保持部を形成している。筐体上面壁14及び筐体左右側面壁15,16の後縁は内側に向かってU字状に折重ねて曲げることによって後端部19に形成されている。
【0014】
筐体背面壁12は、一枚の金属板をプレス加工した浅い箱形形態のもので、前記の側面壁15,16と同じ側に曲げた側面には、内側に向かって突出するように山形に折曲げたリブ21を形成している。リブ21は、リブ18と同じ高さを有しているが、形状は後方斜面を有する平面から見て略台形状断面で、後述するスライドレールの後端保持部を形成している。
【0015】
筐体底面壁13は、図6に示すように、横断面が浅い皿状に形成された下部底面壁23と、この底面壁23の下部空間の前後の上面に配置された略チャネル状断面をもつ補強体24,24と、この補強体24と24の間の上面に被せたカバー底面壁25とからなっている。カバー底面壁25の前縁は、筐体外面11の前端部17と同じ断面形状で、後方に向かって薄い横向きのU字状に折曲げた前端部25に形成されている。補強体24,24は、開口を上方に向け、かつ長手方向を左右方向に向けて下部底面壁23の底面に配置されていると共に、水平方向の固定片22が底面壁23と25にスポット溶接されている。各補強体24,24の底面の左右端付近にはキャスターCaを装着するためのねじ座27が溶接固定されている。
【0016】
筐体10の組み立ては、例えば、筐体外面11に筐体背面12を嵌め込みスポット溶接し、この組立体に筐体底面13を嵌め込みスポット溶接し、ねじ座27にキャスター26を螺合することで組み立てられる。このとき、筐体外面11は、略門形状に曲げられているため、前後方向の機械的強度が高いばかりか、各面にリブ18があって開かず、横方向の機械的強度も高い。しかも、前後端部17,19が薄い略U字状に曲げられている、つまり、丸められているため、サイズが大きくても怪我等の虞のない安全なものであり、荷扱いを容易に行える。しかも、筐体背面12は箱状に形成され、筐体底面13は底面壁23,25が前後の補強体24,24と相俟って箱状断面形状に形成されているため機械的強度が高く、筐体外面11がその構造によってそれ自体の形態を安定に維持できることと相俟って精密な組み立てを行うことができる。そして、本発明収納家具の筐体10全体は三つの構造要素からなるシンプルな構造であるから、接合箇所が少なく、従って、少ない組立工数で製造することができる。
【0017】
次に、本発明収納家具の引出し30,30aについて説明する。
図2及び図6に示すように、引出し30,30aは、筐体10に前端部17,26によって四角形に形成された前面開口から出入れ可能に嵌め込まれている。このサイドワゴンにおいて、引出し30,30aは、筐体10の外観に対応して斬新な構成となっているので、以下に述べる。
【0018】
上段の引出し30は、図8〜図11に示すように、前面板となる鏡板31、上面が開放された引出し本体32と、取手部材33からなる。
【0019】
鏡板31は、筐体10の前端部17,25によって形成される前面開口のほぼ1/3を閉塞するサイズに一枚の金属板をレーザー加工により形成したもので、上縁に取手部材33が通る半円乃至弓形状などの取手を挿入する切欠きによる開口34を形成されている。なお、開口34は窓孔によって形成してもよい。
【0020】
引出し本体32は、一枚の金属板をプレス成形加工したもので、左右の側面壁35,36と背壁37と底壁38とからなる前方及び上方が開放された箱形の形状をなし、側壁35,36には、外方に向かって突出する帯状のリブ41,42が前後方向に形成されている。
【0021】
側壁35,36および背壁37の上縁には、取手保持部としても機能する下向きに開放された略角形断面部44が設けられている。この引出し30において、上記角形断面部44による取手保持部43は、図6に示すように、側壁35,36および背壁37によって構成された引出し本体32の壁ユニットに結合された別部材から形成されているが、各壁の構成部材の上縁を折曲げて形成してもよい。
【0022】
別部材で構成される取手保持部43は、一枚の金属板をプレス成形し、下方が開放された略角形の断面部44を備えている。取手保持部部43における角形断面部44の内壁は外壁よりも大きく下方に延びている。一方、引出し本体32の側壁35,36及び背壁37の上縁には、図6に示すように、取手保持部43を構成する金属板の厚みに対応する深さをもつ段部39が形成され、前記取手保持部43の内壁が段部39に嵌め込まれかつスポット溶接されている。
【0023】
次に、取手部材33は、図8に示すように、金属棒を曲げ加工したもので、半円あるいは弓状に形成された手掛かり部45を備えている。手掛かり部45の両端側は鏡板31の裏面(背面)において左右方向に水平に延びる第一抜出し阻止部47と、該第一抜出し阻止部47から下方に垂直に延びる第二抜出し阻止部48と、第二抜出し阻止部48から後方に直角に曲がり水平に延びる固定部49とを有している。
【0024】
引出し30の組み立ては、引出し本体32をその前端開放面を鏡板31の背面に向けて配置し、引出し本体32における側壁35,36と底壁38の前縁から各壁の外側に直角に曲げて形成された各舌片51の穴を、鏡板31の背面に立設したボルト52に入れ、このボルト52にナットを締結することにより、引出し本体32に鏡板31を固定してなされている。取手部材33は、鏡板31の開口34から手掛かり部45を突出させ、第二抜出し阻止部48と固定部49とを引出し本体32の角形断面部44に下面側から押し込むことによって引出し本体32に装着される。ここで、取手部材33は、押え具53を第二の抜出し阻止部48に被せ、ボルト54を鏡板31の背面に設けたねじ座にねじ込み、押え具53を鏡板31に結合することにより固定されている。
【0025】
下段の引出し30aは、図6に示すように、高さが上段の引出し30のほぼ二倍のサイズを有する点で異なるだけで、他の構成は上段の引出し30と同じである。即ち、引出し本体32aは、上段の引出し本体32と同一構成である。取手保持部43aも上段の引出し本体32の取手保持部43と同じに構成され、上部本体の段部に嵌められかつスポット溶接されている。取手部材33aは、第二抜出し阻止部48aが上段の引出し30の取手部材33の第二の抜出し阻止部48よりも長いことのみが異なっているだけで、他の構成は同一である。組み立ては、上段の引出し30と同様にしてなされている。
【0026】
上記のように、各引出し30,30aは、鏡板31,31a、引出し本体32,32aおよび取手部材33,33aからなるので、部品点数が少なく、従って、組み立て工数も少くて済むから、低コストで組み立てることができる。また、組み上げた引出し30,30aは、夫々の引出し本体32,32aが、側壁、背壁及び底壁を一枚の金属板で一体に形成した構造であるため、必要な機械的強度も得やすい。
【0027】
更に、取手部材33,33aが一本の金属棒を曲げ加工して鏡板31,31aと引出し本体32,32aに取付ける形態であるため、形態を斬新にできるのみならず、手掛かり部45を開口34,34aから突出させ、引出し本体32,32aの取手保持材43に嵌め込むことによって位置を固定される構造であるから、取手を位置決めしつつ手で支えてねじ止めしなければならない従来のこの種の取手の取付けに比べ、装着を簡単に行うことができる一方、第一抜出し阻止部47,47aと第二抜出し阻止部48,48aとが互いに直交して配置されかつ鏡板31の背面に当接して支持されるため、手掛かり部45を人が引き、引出し30,30aを引出しても、取手部材33,33aが外れることはなく、従って引出し30,30aに対する取手部材33,33aの高い取付け強度が得られる上に、第二抜出し阻止部48,48aが押具53,53aによって鏡板31に固定されているため、引出し30,30aに対する取手部材33,33aの取付け強度を極めて高くすることができる。
【0028】
筐体10に対する引出し30,30aの組み付けは、引出し30,30aを筐体10の前面開口から嵌め込み、筐体10から出入れ可能に、ここではダブルサスペンションタイプのスライドレールによって保持されている。
【0029】
二つの引出し30,30aのスライドレールは、図6及び図7に示すように、引出し側スライドレール56,56aと筐体側スライドレール57,57aとからなっている。
【0030】
引出し側スライドレール56,56aは、図に表れないが、チャネル断面状部材からなり、垂直壁が引出し30,30aの引出し本体32,32aの側壁外面に設けたリブ41,42、同41a,42aに固定されている。筐体側スライドレール57,57aは、前端縁から突出するL字状の舌片61,61aを、筐体10の筐体外面11の内面に形成されたリブ18に設けられたスリット62,62aに、また後端付近に切り起こしたL字状の舌片63,63aを、筐体背面12のリブ21に設けられたスリット64に嵌め込むことにより筐体10に固定されていると共に、抜出しが阻止されている。
【0031】
なお、二つの引出し30,30aにおけるそれぞれの引出し側スライドレール56,56aと筐体側スライドレール57,57aとの間には、図に表れないスライダがローラなどを介して配置されており、引出し30,30aを円滑に引き出すことができるようにしている。そして、引出し30,30aは、引出し側スライドレール56,56a及び筐体側スライドレール57,57aに固定された各ストッパー65,66、65a,66aによって手前に一杯に引き出されたとき抜出すのが阻止されている。
【0032】
以上の説明は、本発明収納家具を図示したサイドワゴンの例について説明したものであるが、本発明収納家具は、上記に説明した筐体10を、引出し30,30aを備えない、例えば棚板を有するキャビネットや棚板を有しないロッカーなどの収容家具に適用することができる。
【0033】
また、上記で説明した本発明収納家具における引出し30,30aも、従来手法で形成された収納家具の筐体に、その引出しとして用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、サイドワゴンを一例とする本発明収納家具は、筐体における引出しや扉の周囲を囲む縁が薄い、つまり額縁が目立たない、斬新なイメージを備えるため、モダンなスタイルのオフィスルームやデスク等の調度品に良くマッチしたものとなり、オフィスなどにおける収納家具の選択の幅を拡大することができるという有用性がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による収納家具の一実施例を示す正面図。
【図2】図1に示す収納家具の平面図。
【図3】図1に示す収納家具の側面図。
【図4】図1に示す収納家具の背面図。
【図5】図3のA−A線に沿う一部を破断した拡大断面図。
【図6】図1のB−B線に沿う拡大断面図。
【図7】図6のC−C線に沿う一側の断面図。
【図8】図1に示す収納家具における引出しの背面側から見た斜視図。
【図9】図8に示す引出しの平面図。
【図10】図8に示す引出しの正面図。
【図11】図8に示す引出しの側面図。
【符号の説明】
【0036】
10 筐体
11 筐体外面
12 筐体背面壁
13 筐体底面壁
14 筐体上面壁
15 筐体側面壁
16 筐体側面壁
17 前端部
18,21 リブ
19 後端部
22 固定片
23 底面本体
24 底面補強体
25 前端部
26 キャスター
27 ねじ座
30 引出し
31 鏡板
32 引出し本体
33 取手部材
34 取手を挿入する開口
35,36 引出し本体の側壁
37 引出し本体の背壁
38 引出し本体の底壁
39 引出し本体の段部
41,42 リブ
43 取手保持材
44 取手保持材の挟持部
45 取手部材の手掛かり部
47 取手保持材の第一抜出し阻止部
48 取手保持材の第二抜出し阻止部
49 取手保持材の固定部
51 引出し本体の舌片
52 ボルト
53 押さえ具
54 ボルト
56 引出し側スライドレール
57 筐体側スライドレール
61,63 筐体側スライドレールの舌片
62,64 リブにあるスリット
65,66 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出しを出入れ自在に収容する金属製収納家具の筐体が、その筐体の上面壁と左右側面壁を形成する正面から見て略門型状をなす一枚の金属板による筐体外面を備え、該筐体外面は、その前端部が、前記金属板を略U字状に折重ねた折重ね前縁に形成されていると共に、該折重ね前縁に連続して前記上面壁と左右側面壁の前縁内面の全周にわたってリブを形成したことを特徴とする収納家具。
【請求項2】
収納家具の筐体に出入れ自在に収容された引出しが、一枚の金属板からなる平坦な鏡板と、該鏡板の背面に配置されて前端面がその鏡板に固定された金属板からなる引出し本体と、一本の金属棒を曲げ加工して手掛かり部となる部位を前記鏡板の前面に貫通させると共に他の部位を当該鏡板の背面と前記引出し本体に固定させた取手部材からなることを特徴とする収納家具。
【請求項3】
引出しを出入れ自在に収容する金属製収納家具の筐体が、その筐体の上面壁と左右側面壁を形成する正面から見て略門型状をなす一枚の金属板による筐体外面を備え、該筐体外面は、その前端部が、前記金属板を略U字状に折重ねた折重ね前縁に形成されていると共に、該折重ね前縁に連続して前記上面壁と左右側面壁の前縁内面の全周にわたってリブを形成する一方、前記筐体に出入れ自在に収容された引出しが、一枚の金属板からなる平坦な鏡板と、該鏡板の背面に配置され前面がその鏡板に固定された金属板からなる引出し本体と、一本の金属棒を曲げ加工した手掛かり部となる部位を前記鏡板の前面に貫通させると共に他の部位を当該鏡板の背面及び引出し本体に固定させるようにした取手部材からなることを特徴とする収納家具
【請求項4】
前記鏡板が上縁部近傍に切欠部又は開口部を備えると共に、引出し本体がその左右側壁に下方が開いた角溝形断面の取手部材保持部を備え、
前記取手部材が、前記切欠部又は開口部から外部に突出する略半円乃至略弓形等をなす手掛かり部と、手掛かり部の両端から鏡板背面の上縁に沿って延びた横向きの第一抜出し阻止部、該第一抜出し阻止部の両端から前記取手部材保持部に向かって下方へ延びた縦向きの第二抜出し阻止部、及び該第二の抜出し阻止部から後方へ曲がって前記取手保持部に嵌り込む固定部を有し、前記第二抜出し阻止部が押さえ具によって鏡板背面に固定されている請求項2又は3に記載の収納家具。
【請求項5】
前記引出し本体が、左右側壁、背壁および底壁からなり前方及び上方が開放された箱型形状をなし、前記左右側壁に前方開口から背壁方向に延びるリブが形成され、かつ、前記左右側壁と底壁の前縁から外側に曲り前記鏡板に結合される舌片を有すると共に、前記リブの部位においてスライドレールを介して出入れ可能に前記筐体に収納され、
前記スライドレールの筐体側スライドレールが前記筐体外面における左右側壁内面のリブに取付けられていると共に、引出し側スライドレールが引出し本体のリブに支持され、
前記取手部材保持部が、下方が開いた角形断面を有し少なくとも引出し本体の両側壁に形成された請求項2〜4のいずれかに記載の収納家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−254987(P2006−254987A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73417(P2005−73417)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000149491)株式会社大東製作所 (8)
【Fターム(参考)】