収納容器
【課題】ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体の交換を容易にし、収納される包装体の気密性を保持する。
【解決手段】ウェットティッシュ130aの積層体130が内包され、このウェットティッシュ130aの取出口110が形成された包装体100を収納する収納容器1において、包装体100を収納する容器本体2と、容器本体2に回動可能に設けられた第1の蓋体10と、第1の蓋体10の裏面の取出開口部14の周囲に設けられた貼合部15と、第1の蓋体10の表面に回動可能に設けられた第2の蓋体20とを備える。更に、第1の蓋体10と第2の蓋体20との開閉方向が異なる向きとなるように形成させることで、包装体100の交換を容易にし、収納される包装体100の気密性を保持する。
【解決手段】ウェットティッシュ130aの積層体130が内包され、このウェットティッシュ130aの取出口110が形成された包装体100を収納する収納容器1において、包装体100を収納する容器本体2と、容器本体2に回動可能に設けられた第1の蓋体10と、第1の蓋体10の裏面の取出開口部14の周囲に設けられた貼合部15と、第1の蓋体10の表面に回動可能に設けられた第2の蓋体20とを備える。更に、第1の蓋体10と第2の蓋体20との開閉方向が異なる向きとなるように形成させることで、包装体100の交換を容易にし、収納される包装体100の気密性を保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体は、収納容器に収納されて用いられる。特許文献1には、ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納し、気密性を有する収納容器が記載されている。特許文献1の収納容器は、箱形等に形成され、上面にウェットティッシュの取出開口部を有し、内部に包装体を収納する容器本体と、ヒンジ部を介して回動自在に設けられ、取出開口部を開閉する蓋体とで構成されている。
【0003】
特許文献1の収納容器には、気密性を有し、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体が収納され、この包装体の取出口が容器本体の上面に形成された取出開口部内に位置するように、包装体の取出口の周囲を取出開口部の裏面の周囲と接着剤で貼り合せることで、包装体の取出口の周囲と容器本体が密閉されて、容器本体内から包装体の中に外気が流入することを防止している。更に、特許文献1の収納容器は、蓋体の裏面であって、容器本体の上面に形成された取出開口部の周囲に対向する位置に、繰り返し接着可能な接着剤を設けることで、蓋体と容器本体が取出開口部の周囲で貼り合されて密閉され、取出開口部から包装体の中に外気が流入するのを防止している。これらにより、特許文献1の収納容器は、取出開口部の周囲が密閉されているので、包装体の気密性を保持できる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の収納容器は、内包されたウェットティッシュを使い尽くしたとき、収納容器内に収納された包装体を新しい包装体と交換するための構成を有しておらず、包装体と一緒に廃棄されるものであり、包装体の交換が不能である。更に、特許文献1の収納容器は、収納容器を廃棄するとき、ハサミ等で容器本体を開いて、収納されている包装体を収納容器の開口部の裏面から剥がし、分別する必要がある。
【0005】
また、特許文献1の収納容器は、蓋体の裏面に繰り返し接着可能な接着剤が設けられているので、開閉を繰り返しているうちに、接着剤に塵埃等が付着して蓋体の気密性が低下し、ウェットティッシュに含侵させている液体が揮発しやすくなる。
【0006】
更に、特許文献1の収納容器は、紙等で箱形に成形されているため、包装体だけの状態よりも保形性を有するがそれでも保管、輸送等の際に外圧を受けたり、継続して使用していると、収納容器の形状がくずれたり、蓋体を強く開けようとすると、接着剤で貼り合された包装体の取出口の周囲と容器本体とが剥がれる虞があり、収納容器に収納されている包装体の気密状態が保持できない可能性がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−269282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、収納容器に収納されたウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体の気密性を保持でき、収納される包装体の交換が容易にできる収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明に係る収納容器は、このウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納する収納容器において、上面に開口部が形成され、上記包装体をこの包装体の上記取出口を上面にして収納する容器本体と、上記容器本体の一側面に、第1の回動支持部により回動可能に設けられて、上記開口部を開閉すると共に、上記開口部を閉塞したとき、上記包装体の取出口と略一致する位置にウェットティッシュの取出開口部が形成された第1の蓋体と、上記第1の蓋体の裏面であって、上記取出開口部の周囲に設けられ、上記包装体の取出口の周囲が貼合される貼合部と、上記第1の蓋体の表面に第2の回動支持部により回動可能に設けられ、上記取出開口部を開閉する第2の蓋体を備えている。更に、上記第1の回動支持部と上記第2の回動支持部とは、上記第1の蓋体と上記第2の蓋体との開閉方向が異なる向きとなるように形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る収納容器によれば、第1の蓋体を開閉することで、収納容器に収納される包装体の交換が容易に行えると共に、この包装体の取出口の周囲が、第1の蓋体の取出開口部の裏面に設けられる貼合部に貼り合せて密着されて包装体の取出口と第1の蓋体の取出開口部が連続し、更に第1の蓋体と第2の蓋体が密閉されることで、第1の蓋体の取出開口部内の包装体の上面と第2の蓋体の裏面との間に密閉された空間部が形成されるので、包装体の中に外気が流入するのを防止でき、更に、包装体の取出口において、ウェットティッシュに含侵された液体は、狭い空間部に揮発するのみなので乾燥を防止することができ、包装体の気密性を保持することができる。
また、このような収納容器において、第1の蓋体と第2の蓋体との開閉方向が異なる向きとなるように形成されていることによって、内包するウェットティッシュを使用するために第2の蓋体を開放するとき、誤って第1の蓋体も開放されてしまうことが防止できて、包装体の気密性を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明が適用された収納容器1について、図面を参照して説明する。
【0012】
本発明が適用された収納容器1は、図1乃至図4に示すように、容器本体2の上面に開口部2aが形成され、包装体100を収納する容器本体2に、第1の回動支持部10aにより回動可能に第1の蓋体10が設けられ、第1の蓋体10の表面に第2の回動支持部20aにより回動可能に第2の蓋体20が設けられている。
【0013】
ここで、容器本体2、第1の蓋体10及び第2の蓋体20は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の機械的強度を有する熱可塑性樹脂を用いて、射出成形等により一連一体に成型されている。これにより、収納容器1は、部品点数の削減ができ、組立の工程の簡素化を図ることができる。
【0014】
容器本体2に収納される包装体100は、図5に示すように、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリ塩化ビニル(PVC)等の気密性、可撓性及び不透水性を有するフィルムからなり上面にウェットティッシュ130aの取出口110が設けられた袋体と、この取出口110を覆うように裏面に接着剤が塗布されているシート状の蓋体120が設けられている。この包装体100の中には、紙や不織布等の基布に使用目的に応じて、水、アルコール、除菌剤、防腐剤及び香料等の液体を含浸させ略矩形形状に形成されたウェットティッシュ130aが、最上部のウェットティッシュ130aを取り出すとこれに続いて次のウェットティッシュ130aが連続して取り出せるように積層された積層体130が内包されている。
【0015】
また、図6及び図7に示すように、ウェットティッシュ130aの積層体130が内包され、ウェットティッシュ130aの取出口110が形成された包装体100は、上面に開口部2aが形成された容器本体2に、ウェットティッシュ130aの取出口110を上面にして収納される。
【0016】
以上のような包装体100を収納する容器本体2は、全体が箱形形状であり、上面全体に開口部2aが形成され、開口部2aに連続して包装体100を収納する収納部2bが形成され、開口部2aの上面の近傍に全周に亘って内側に向かって突出した嵌合凸部11が形成されている。
【0017】
以上のように構成された容器本体2には、図8に示すように、容器本体2の開口部2aの前側面に、第1の回動支持部10aにより回動可能に第1の蓋体10が設けられている。第1の回動支持部10aは、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により容器本体2と第1の蓋体10を一連一体に成型し、直線的な肉薄部を形成することにより構成されている。
【0018】
なお、第1の回動支持部10aは、容器本体2と第1の蓋体10を一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0019】
容器本体2に設けられ回動可能な第1の蓋体10は、容器本体2の開口部2aを開閉するものであり、開口部2aの大きさや形状に対応して形成されている。具体的には、第1の蓋体10は、主面部10bに周壁10cが形成されている。
【0020】
この周壁10cは、図9に示すように、内周面が包装体100と略同様の大きさに形成され、外周面が容器本体2の開口部2aの内側に侵入するものであって、周壁10cの外側に全周に亘って嵌合凹部12が形成されている。この嵌合凹部12は、容器本体2の開口部2aの上面の近傍に全周に亘って内側に向かって突出した嵌合凸部11と嵌合する。これにより、第1の蓋体10と容器本体2は、均一に嵌合され、容器本体2の開口部2aを確実に密閉することができる。
【0021】
第1の蓋体10の主面部10bの裏面には、図7に示すように、突出部13が形成され、この突出部13の表面は、平坦に形成されている。この突出部13には、第1の蓋体10が容器本体2の開口部2aを閉塞したとき、包装体100の取出口110と略一致する位置に取出開口部14が形成されている。また、取出開口部14の周囲には、貼合部15が形成されている。この貼合部15には、繰り返し接着可能なポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が用いられ、包装体100の取出口110の周囲と突出部13が貼合され、密着される。これにより、貼合部15は、容器本体2の収納部2bから包装体100の中に外気が流入するのを防止できる。
【0022】
一方、第1の蓋体10の主面部10bの表面には、図6に示すように、突出部13を形成するための、凹部16が形成されている。凹部16には、第1の蓋体10の取出開口部14が位置しており、取出開口部14の周囲に第1の環状壁部17が形成されている。
【0023】
第1の環状壁部17には、第2の蓋体20が閉塞したとき、第1の環状壁部17の上面が第2の蓋体20の底面と接触しないような高さに形成されている。
【0024】
凹部16には、図10に示すように、第1の蓋体10との開閉方向が異なる向きとなるように第1の回動支持部10aと相対して平行な凹部16の背面の上部に、第2の回動支持部20aにより回動可能に第2の蓋体20が設けられている。
【0025】
第2の回動支持部20aは、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により第1の蓋体10と第2の蓋体20を一連一体に成型し、直線的な肉薄部を形成することにより構成されている。
【0026】
なお、第2の回動支持部20aは、第1の蓋体10と第2の蓋体20を一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0027】
第1の蓋体10に設けられ回動可能な第2の蓋体20は、図11及び図12に示すように、第1の蓋体10の取出開口部14を開閉するものであり、略方形形状をした薄板形状に形成されている。また、第2の蓋体20は、閉塞したとき、凹部16と各々間隙部18を有して収納され、第2の蓋体20の自由端側の間隙部18が、例えば第2の蓋体20を開放するときに、容易に指を入れることができる程度の大きさを設けるため、凹部16より小さく形成されている。更に、第2の蓋体20の裏面と凹部16の底面には、例えば第2の蓋体20を開放するときに、第2の蓋体20を指で掴むことができるような間隙部18が形成されている。そして、第2の蓋体20は、図13に示すように、取出開口部14に臨む裏面に第2の環状壁部21が形成されている。
【0028】
第2の環状壁部21は、第2の蓋体20が閉塞したときに、第1の蓋体10の取出開口部14の周囲に形成された第1の環状壁部17の外側に嵌合させる。これにより、第2の蓋体20が閉塞したときは、第1の蓋体10の第1の環状壁部17の外周面と第2の蓋体20の第2の環状壁部21の内周面とで嵌合され、密閉することができる。
【0029】
なお、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、第1の環状壁部17の内周面と第2の環状壁部21の外周面とで嵌合されるように形成してもよい。
【0030】
また、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、第1の環状壁部17の外周面に沿って全周に亘って外側に向かって突出した凸部を形成し、この凸部と嵌合可能な第2の環状壁部21の内周面に沿って全周に亘って凹溝を形成してもよい。これにより、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、均一に嵌合され、第1の蓋体10と第2の蓋体20とを確実に密閉させることができる。
【0031】
また、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、嵌合しやすくなるように、各々の外周面及び内周面の挿入側に傾斜面を形成する等、ガイド面を形成してもよい。
【0032】
更に、容器本体2及び第1の蓋体10の角部に貫通孔を有する紐等を引っ掛けるための突出片30を設けてもよい。
【0033】
次に、以上のように構成された収納容器1の使用方法について説明する。
【0034】
先ず、収納容器1に包装体100を収納する。このときは、容器本体2及び第1の蓋体10の背側面を内側方向に押し込む等して、容器本体2の嵌合凸部11と第1の蓋体10の嵌合凹部12との嵌合状態を外し、図7に示すように、第1の蓋体10を開放する。次に、包装体100からシート状の蓋体120を剥がす。次に、第1の蓋体10の周壁10cの内周面が包装体100と略同様の大きさに形成されているので、周壁10cの内周面の立上壁部でガイドさせ、包装体100の取出口110と取出開口部14を一致させる。次に、包装体100の取出口110の周囲を第1の蓋体10の裏面の貼合部15に貼り付けて密着させる。このとき、貼合部15が設けられている突出部13は、突出形成され、包装体100の取出口110の周囲と接するので、包装体100が第1の蓋体10の裏面に押圧されると、包装体100の取出口110の周囲に押圧力が集中され、包装体100の取出口110の周囲と貼合部15が密着される。次に、包装体100が貼り合された第1の蓋体10を閉塞し、容器本体2の嵌合凸部11と第1の蓋体10の嵌合凹部12とを嵌合させる。
【0035】
また、収納した状態で保管するときは、図11に示すように、第1の蓋体10及び第2の蓋体20を閉塞しておく。これにより、包装体100の取出口110の周囲と第1の蓋体10の裏面の突出部13が貼合部15により密閉され、包装体100の取出口110と第1の蓋体10の取出開口部14が連続すると共に、第1の蓋体10と第2の蓋体20が密閉され、第1の蓋体10の取出開口部14内の包装体100の上面と第2の蓋体20の裏面との間に密閉された空間部19が形成されるので、包装体100の中に外気が流入するのを防止でき、更に、包装体100の取出口110において、ウェットティッシュ130aに含侵された液体は、狭い空間部19に揮発するのみなので乾燥を防止することができ、包装体100の気密性が保持される。
【0036】
また、ウェットティッシュ130aを使用するときは、第1の蓋体10の上面に形成される凹部16と第2の蓋体20との間隙部18に指を入れる等して、第1の蓋体10の第1の環状壁部17と第2の蓋体20の第2の環状壁部21との嵌合状態を外し、図6及び図8に示すように、第2の蓋体20を開放する。このとき、第1の蓋体10と第2の蓋体20の開閉方向が異なることで、第2の蓋体20を開放するときに、一緒に第1の蓋体10を開けてしまうことが防止されている。次に、ウェットティッシュ130aを取り出す。このとき、突出部13は、包装体100の取出口110の周囲と貼合部15により貼り合されているので、可撓性を有するフィルムにより形成された包装体100の取出口110の形態を保持し、包装体100の取出口110の周囲に加わる引張り力を平坦に形成された突出部13の表面全体で受けることで、引張り力を分散することができ、ウェットティッシュ130aの取出口110が裂けることを防止している。
【0037】
また、包装体100に内包されるウェットティッシュ130aを使い尽くし、収納される包装体100を交換するときは、包装体100を収納するときと同様に、先ず、容器本体2の嵌合凸部11と第1の蓋体10の嵌合凹部12との嵌合状態を外し、図7に示すように、第1の蓋体10を開放させる。次に、第1の蓋体10の裏面に設けられた貼合部15から包装体100を剥がす。次に、包装体100を収納するときと同様の手順で新しい包装体100を貼合部15に貼り合せて交換する。ここで、貼合部15は、包装体100と第1の蓋体10の裏面に形成された突出部13を貼り合せるものであるが、着脱を頻繁に繰り返して使用されるものではないため、劣化し難く長期に亘り利用可能であり、収納容器2の内側に形成されているため、塵埃等が付着することを防止している。
【0038】
以上のように構成された収納容器1は、容器本体2の開口部2aを開閉する第1の蓋体10により、収納容器1に収納する包装体100を交換することができ、再利用することができる。また、収納容器1は、第1の蓋体10を開放し、包装体100を貼合部15から剥がし、新しい包装体100を貼合部15に貼り合せ、包装体100が貼り合された第1の蓋体10を閉塞させるという簡単な作業で包装体100の交換ができ、分別することができる。
【0039】
このとき、第1の蓋体10は、周壁10cの内周面が包装体100と略同様の大きさに形成されているので、第1の蓋体10の周壁10cの内周面の立上壁部が、包装体100の取出口110と取出開口部14が一致するようにガイドでき、包装体100を容易に収納できる。
【0040】
更に、貼合部15が設けられている突出部13は、突出形成され、包装体100の取出口110の周囲と接しているので、包装体100が第1の蓋体10の裏面に押圧されると、包装体100の取出口110の周囲に押圧力が集中され、包装体100の取出口110の周囲と貼合部15が容易に密着できる。
【0041】
また、ウェットティッシュ130aを取り出すときは、包装体100が可撓性を有するフィルムによって形成されているので、引張り力により、包装体100の取出口110の形態を保持し難くなるのを、包装体100の取出口110の周囲を表面が平坦に形成された突出部13に貼り合せることで、突出部13全体で包装体100の取出口110に加わる引張り力を受止めることができ、包装体100の取出口110の形態が保持されるので、ウェットティッシュ130aの取出口110が裂けることを防止できる。
【0042】
更に、収納容器1は、気密性を有するフィルムで形成される包装体100の取出口110の周囲が、第1の蓋体10の裏面の取出開口部14の周囲に形成された貼合部15に貼り合せて密着されることで、容器本体2内から包装体100の中に外気が流入するのを防止できる。
【0043】
更に、この収納容器1は、第2の蓋体20を閉塞し保管するときは、取出開口部14が第1の蓋体10に形成される第1の環状壁部17の外周面と第2の蓋体20に形成される第2の環状壁部21の内周面とが全周に亘って嵌合されることで、第1の蓋体10と第2の蓋体20が密閉され、取出開口部14から包装体100の中に外気が流入するのを防止できる。このとき、この収納容器1は、熱可塑性樹脂を用いて成型されているので、取出開口部14を密閉する第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、開閉を繰り返しても十分に気密性を保持できる。
【0044】
これらにより、この収納容器1は、第2の蓋体20を閉塞し保管するとき、容器本体2の開口部2aを開閉する第1の蓋体10を有していても、第1の蓋体10の取出開口部14内の包装体100の上面と第2の蓋体20の裏面との間に密閉された空間部19が形成されるので、包装体100の中に外気が流入するのを防止でき、更に、包装体100の取出口110において、ウェットティッシュ130aに含侵された液体は、狭い空間部19に揮発するのみなので乾燥を防止することができ、包装体100の気密性を保持することができる。
【0045】
また、この収納容器1は、第1の蓋体10と第2の蓋体20の開閉方向が異なるので、内包するウェットティッシュ130aを使用するため第2の蓋体20を開放するときに、誤って第1の蓋体10を一緒に開放してしまい、使用途中の包装体100が、第1の蓋体10の貼合部15から剥がれてしまうことや包装体100が破けたり、傷つくこと等を防止でき、包装体100の気密性を保持できる。
【0046】
なお、第1の蓋体10及び第2の蓋体20は、第1の蓋体10と第2の蓋体20との開閉方向が異なる向きとなるように形成されていればよく、例えば、第1の蓋体10が容器本体2の開口部2aの前側面に設けられたとき、第2の蓋体20が、第1の蓋体10と平行向きである背側面や、直交する向きである左右側面に設けられてもよい。また、第1の蓋体10は、前側面に限定されるものでなく、左側面、右側面又は背側面に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を適用した収納容器の第2の蓋体を開放した状態の斜視図である。
【図2】本発明を適用した収納容器の正面図である。
【図3】本発明を適用した収納容器の右側面図である。
【図4】本発明を適用した収納容器の底面図である。
【図5】ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体の斜視図である。
【図6】本発明を適用した収納容器の使用状態を示した斜視図である。
【図7】本発明を適用した収納容器の第1の蓋体を開放した状態の斜視図ある。
【図8】本発明を適用した収納容器の使用状態を示した縦断面図である。
【図9】本発明を適用した収納容器の背面図である。
【図10】第1の蓋体及び第2の蓋体の開放状態を示した縦断面図である。
【図11】本発明を適用した収納容器の第2の蓋体を閉塞した状態の斜視図ある。
【図12】本発明を適用した収納容器の縦断面図である。
【図13】本発明を適用した収納容器の平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 収納容器、2 容器本体、2a 開口部、2b 収納部、10 第1の蓋体、10a 第1の回動支持部、10b 主面部、10c 周壁、11 嵌合凸部、12 嵌合凹部、13 突出部、14 取出開口部、15 貼合部、16 凹部、17 第1の環状壁部、18 間隙部、19 空間部、20 第2の蓋体、20a 第2の回動支持部、21 第2の環状壁部、30 突出片、100 包装体、110 取出口、120 蓋体、130a ウェットティッシュ、130 積層体
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体は、収納容器に収納されて用いられる。特許文献1には、ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納し、気密性を有する収納容器が記載されている。特許文献1の収納容器は、箱形等に形成され、上面にウェットティッシュの取出開口部を有し、内部に包装体を収納する容器本体と、ヒンジ部を介して回動自在に設けられ、取出開口部を開閉する蓋体とで構成されている。
【0003】
特許文献1の収納容器には、気密性を有し、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体が収納され、この包装体の取出口が容器本体の上面に形成された取出開口部内に位置するように、包装体の取出口の周囲を取出開口部の裏面の周囲と接着剤で貼り合せることで、包装体の取出口の周囲と容器本体が密閉されて、容器本体内から包装体の中に外気が流入することを防止している。更に、特許文献1の収納容器は、蓋体の裏面であって、容器本体の上面に形成された取出開口部の周囲に対向する位置に、繰り返し接着可能な接着剤を設けることで、蓋体と容器本体が取出開口部の周囲で貼り合されて密閉され、取出開口部から包装体の中に外気が流入するのを防止している。これらにより、特許文献1の収納容器は、取出開口部の周囲が密閉されているので、包装体の気密性を保持できる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の収納容器は、内包されたウェットティッシュを使い尽くしたとき、収納容器内に収納された包装体を新しい包装体と交換するための構成を有しておらず、包装体と一緒に廃棄されるものであり、包装体の交換が不能である。更に、特許文献1の収納容器は、収納容器を廃棄するとき、ハサミ等で容器本体を開いて、収納されている包装体を収納容器の開口部の裏面から剥がし、分別する必要がある。
【0005】
また、特許文献1の収納容器は、蓋体の裏面に繰り返し接着可能な接着剤が設けられているので、開閉を繰り返しているうちに、接着剤に塵埃等が付着して蓋体の気密性が低下し、ウェットティッシュに含侵させている液体が揮発しやすくなる。
【0006】
更に、特許文献1の収納容器は、紙等で箱形に成形されているため、包装体だけの状態よりも保形性を有するがそれでも保管、輸送等の際に外圧を受けたり、継続して使用していると、収納容器の形状がくずれたり、蓋体を強く開けようとすると、接着剤で貼り合された包装体の取出口の周囲と容器本体とが剥がれる虞があり、収納容器に収納されている包装体の気密状態が保持できない可能性がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−269282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、収納容器に収納されたウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体の気密性を保持でき、収納される包装体の交換が容易にできる収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明に係る収納容器は、このウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納する収納容器において、上面に開口部が形成され、上記包装体をこの包装体の上記取出口を上面にして収納する容器本体と、上記容器本体の一側面に、第1の回動支持部により回動可能に設けられて、上記開口部を開閉すると共に、上記開口部を閉塞したとき、上記包装体の取出口と略一致する位置にウェットティッシュの取出開口部が形成された第1の蓋体と、上記第1の蓋体の裏面であって、上記取出開口部の周囲に設けられ、上記包装体の取出口の周囲が貼合される貼合部と、上記第1の蓋体の表面に第2の回動支持部により回動可能に設けられ、上記取出開口部を開閉する第2の蓋体を備えている。更に、上記第1の回動支持部と上記第2の回動支持部とは、上記第1の蓋体と上記第2の蓋体との開閉方向が異なる向きとなるように形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る収納容器によれば、第1の蓋体を開閉することで、収納容器に収納される包装体の交換が容易に行えると共に、この包装体の取出口の周囲が、第1の蓋体の取出開口部の裏面に設けられる貼合部に貼り合せて密着されて包装体の取出口と第1の蓋体の取出開口部が連続し、更に第1の蓋体と第2の蓋体が密閉されることで、第1の蓋体の取出開口部内の包装体の上面と第2の蓋体の裏面との間に密閉された空間部が形成されるので、包装体の中に外気が流入するのを防止でき、更に、包装体の取出口において、ウェットティッシュに含侵された液体は、狭い空間部に揮発するのみなので乾燥を防止することができ、包装体の気密性を保持することができる。
また、このような収納容器において、第1の蓋体と第2の蓋体との開閉方向が異なる向きとなるように形成されていることによって、内包するウェットティッシュを使用するために第2の蓋体を開放するとき、誤って第1の蓋体も開放されてしまうことが防止できて、包装体の気密性を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明が適用された収納容器1について、図面を参照して説明する。
【0012】
本発明が適用された収納容器1は、図1乃至図4に示すように、容器本体2の上面に開口部2aが形成され、包装体100を収納する容器本体2に、第1の回動支持部10aにより回動可能に第1の蓋体10が設けられ、第1の蓋体10の表面に第2の回動支持部20aにより回動可能に第2の蓋体20が設けられている。
【0013】
ここで、容器本体2、第1の蓋体10及び第2の蓋体20は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の機械的強度を有する熱可塑性樹脂を用いて、射出成形等により一連一体に成型されている。これにより、収納容器1は、部品点数の削減ができ、組立の工程の簡素化を図ることができる。
【0014】
容器本体2に収納される包装体100は、図5に示すように、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリ塩化ビニル(PVC)等の気密性、可撓性及び不透水性を有するフィルムからなり上面にウェットティッシュ130aの取出口110が設けられた袋体と、この取出口110を覆うように裏面に接着剤が塗布されているシート状の蓋体120が設けられている。この包装体100の中には、紙や不織布等の基布に使用目的に応じて、水、アルコール、除菌剤、防腐剤及び香料等の液体を含浸させ略矩形形状に形成されたウェットティッシュ130aが、最上部のウェットティッシュ130aを取り出すとこれに続いて次のウェットティッシュ130aが連続して取り出せるように積層された積層体130が内包されている。
【0015】
また、図6及び図7に示すように、ウェットティッシュ130aの積層体130が内包され、ウェットティッシュ130aの取出口110が形成された包装体100は、上面に開口部2aが形成された容器本体2に、ウェットティッシュ130aの取出口110を上面にして収納される。
【0016】
以上のような包装体100を収納する容器本体2は、全体が箱形形状であり、上面全体に開口部2aが形成され、開口部2aに連続して包装体100を収納する収納部2bが形成され、開口部2aの上面の近傍に全周に亘って内側に向かって突出した嵌合凸部11が形成されている。
【0017】
以上のように構成された容器本体2には、図8に示すように、容器本体2の開口部2aの前側面に、第1の回動支持部10aにより回動可能に第1の蓋体10が設けられている。第1の回動支持部10aは、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により容器本体2と第1の蓋体10を一連一体に成型し、直線的な肉薄部を形成することにより構成されている。
【0018】
なお、第1の回動支持部10aは、容器本体2と第1の蓋体10を一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0019】
容器本体2に設けられ回動可能な第1の蓋体10は、容器本体2の開口部2aを開閉するものであり、開口部2aの大きさや形状に対応して形成されている。具体的には、第1の蓋体10は、主面部10bに周壁10cが形成されている。
【0020】
この周壁10cは、図9に示すように、内周面が包装体100と略同様の大きさに形成され、外周面が容器本体2の開口部2aの内側に侵入するものであって、周壁10cの外側に全周に亘って嵌合凹部12が形成されている。この嵌合凹部12は、容器本体2の開口部2aの上面の近傍に全周に亘って内側に向かって突出した嵌合凸部11と嵌合する。これにより、第1の蓋体10と容器本体2は、均一に嵌合され、容器本体2の開口部2aを確実に密閉することができる。
【0021】
第1の蓋体10の主面部10bの裏面には、図7に示すように、突出部13が形成され、この突出部13の表面は、平坦に形成されている。この突出部13には、第1の蓋体10が容器本体2の開口部2aを閉塞したとき、包装体100の取出口110と略一致する位置に取出開口部14が形成されている。また、取出開口部14の周囲には、貼合部15が形成されている。この貼合部15には、繰り返し接着可能なポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が用いられ、包装体100の取出口110の周囲と突出部13が貼合され、密着される。これにより、貼合部15は、容器本体2の収納部2bから包装体100の中に外気が流入するのを防止できる。
【0022】
一方、第1の蓋体10の主面部10bの表面には、図6に示すように、突出部13を形成するための、凹部16が形成されている。凹部16には、第1の蓋体10の取出開口部14が位置しており、取出開口部14の周囲に第1の環状壁部17が形成されている。
【0023】
第1の環状壁部17には、第2の蓋体20が閉塞したとき、第1の環状壁部17の上面が第2の蓋体20の底面と接触しないような高さに形成されている。
【0024】
凹部16には、図10に示すように、第1の蓋体10との開閉方向が異なる向きとなるように第1の回動支持部10aと相対して平行な凹部16の背面の上部に、第2の回動支持部20aにより回動可能に第2の蓋体20が設けられている。
【0025】
第2の回動支持部20aは、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により第1の蓋体10と第2の蓋体20を一連一体に成型し、直線的な肉薄部を形成することにより構成されている。
【0026】
なお、第2の回動支持部20aは、第1の蓋体10と第2の蓋体20を一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0027】
第1の蓋体10に設けられ回動可能な第2の蓋体20は、図11及び図12に示すように、第1の蓋体10の取出開口部14を開閉するものであり、略方形形状をした薄板形状に形成されている。また、第2の蓋体20は、閉塞したとき、凹部16と各々間隙部18を有して収納され、第2の蓋体20の自由端側の間隙部18が、例えば第2の蓋体20を開放するときに、容易に指を入れることができる程度の大きさを設けるため、凹部16より小さく形成されている。更に、第2の蓋体20の裏面と凹部16の底面には、例えば第2の蓋体20を開放するときに、第2の蓋体20を指で掴むことができるような間隙部18が形成されている。そして、第2の蓋体20は、図13に示すように、取出開口部14に臨む裏面に第2の環状壁部21が形成されている。
【0028】
第2の環状壁部21は、第2の蓋体20が閉塞したときに、第1の蓋体10の取出開口部14の周囲に形成された第1の環状壁部17の外側に嵌合させる。これにより、第2の蓋体20が閉塞したときは、第1の蓋体10の第1の環状壁部17の外周面と第2の蓋体20の第2の環状壁部21の内周面とで嵌合され、密閉することができる。
【0029】
なお、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、第1の環状壁部17の内周面と第2の環状壁部21の外周面とで嵌合されるように形成してもよい。
【0030】
また、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、第1の環状壁部17の外周面に沿って全周に亘って外側に向かって突出した凸部を形成し、この凸部と嵌合可能な第2の環状壁部21の内周面に沿って全周に亘って凹溝を形成してもよい。これにより、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、均一に嵌合され、第1の蓋体10と第2の蓋体20とを確実に密閉させることができる。
【0031】
また、第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、嵌合しやすくなるように、各々の外周面及び内周面の挿入側に傾斜面を形成する等、ガイド面を形成してもよい。
【0032】
更に、容器本体2及び第1の蓋体10の角部に貫通孔を有する紐等を引っ掛けるための突出片30を設けてもよい。
【0033】
次に、以上のように構成された収納容器1の使用方法について説明する。
【0034】
先ず、収納容器1に包装体100を収納する。このときは、容器本体2及び第1の蓋体10の背側面を内側方向に押し込む等して、容器本体2の嵌合凸部11と第1の蓋体10の嵌合凹部12との嵌合状態を外し、図7に示すように、第1の蓋体10を開放する。次に、包装体100からシート状の蓋体120を剥がす。次に、第1の蓋体10の周壁10cの内周面が包装体100と略同様の大きさに形成されているので、周壁10cの内周面の立上壁部でガイドさせ、包装体100の取出口110と取出開口部14を一致させる。次に、包装体100の取出口110の周囲を第1の蓋体10の裏面の貼合部15に貼り付けて密着させる。このとき、貼合部15が設けられている突出部13は、突出形成され、包装体100の取出口110の周囲と接するので、包装体100が第1の蓋体10の裏面に押圧されると、包装体100の取出口110の周囲に押圧力が集中され、包装体100の取出口110の周囲と貼合部15が密着される。次に、包装体100が貼り合された第1の蓋体10を閉塞し、容器本体2の嵌合凸部11と第1の蓋体10の嵌合凹部12とを嵌合させる。
【0035】
また、収納した状態で保管するときは、図11に示すように、第1の蓋体10及び第2の蓋体20を閉塞しておく。これにより、包装体100の取出口110の周囲と第1の蓋体10の裏面の突出部13が貼合部15により密閉され、包装体100の取出口110と第1の蓋体10の取出開口部14が連続すると共に、第1の蓋体10と第2の蓋体20が密閉され、第1の蓋体10の取出開口部14内の包装体100の上面と第2の蓋体20の裏面との間に密閉された空間部19が形成されるので、包装体100の中に外気が流入するのを防止でき、更に、包装体100の取出口110において、ウェットティッシュ130aに含侵された液体は、狭い空間部19に揮発するのみなので乾燥を防止することができ、包装体100の気密性が保持される。
【0036】
また、ウェットティッシュ130aを使用するときは、第1の蓋体10の上面に形成される凹部16と第2の蓋体20との間隙部18に指を入れる等して、第1の蓋体10の第1の環状壁部17と第2の蓋体20の第2の環状壁部21との嵌合状態を外し、図6及び図8に示すように、第2の蓋体20を開放する。このとき、第1の蓋体10と第2の蓋体20の開閉方向が異なることで、第2の蓋体20を開放するときに、一緒に第1の蓋体10を開けてしまうことが防止されている。次に、ウェットティッシュ130aを取り出す。このとき、突出部13は、包装体100の取出口110の周囲と貼合部15により貼り合されているので、可撓性を有するフィルムにより形成された包装体100の取出口110の形態を保持し、包装体100の取出口110の周囲に加わる引張り力を平坦に形成された突出部13の表面全体で受けることで、引張り力を分散することができ、ウェットティッシュ130aの取出口110が裂けることを防止している。
【0037】
また、包装体100に内包されるウェットティッシュ130aを使い尽くし、収納される包装体100を交換するときは、包装体100を収納するときと同様に、先ず、容器本体2の嵌合凸部11と第1の蓋体10の嵌合凹部12との嵌合状態を外し、図7に示すように、第1の蓋体10を開放させる。次に、第1の蓋体10の裏面に設けられた貼合部15から包装体100を剥がす。次に、包装体100を収納するときと同様の手順で新しい包装体100を貼合部15に貼り合せて交換する。ここで、貼合部15は、包装体100と第1の蓋体10の裏面に形成された突出部13を貼り合せるものであるが、着脱を頻繁に繰り返して使用されるものではないため、劣化し難く長期に亘り利用可能であり、収納容器2の内側に形成されているため、塵埃等が付着することを防止している。
【0038】
以上のように構成された収納容器1は、容器本体2の開口部2aを開閉する第1の蓋体10により、収納容器1に収納する包装体100を交換することができ、再利用することができる。また、収納容器1は、第1の蓋体10を開放し、包装体100を貼合部15から剥がし、新しい包装体100を貼合部15に貼り合せ、包装体100が貼り合された第1の蓋体10を閉塞させるという簡単な作業で包装体100の交換ができ、分別することができる。
【0039】
このとき、第1の蓋体10は、周壁10cの内周面が包装体100と略同様の大きさに形成されているので、第1の蓋体10の周壁10cの内周面の立上壁部が、包装体100の取出口110と取出開口部14が一致するようにガイドでき、包装体100を容易に収納できる。
【0040】
更に、貼合部15が設けられている突出部13は、突出形成され、包装体100の取出口110の周囲と接しているので、包装体100が第1の蓋体10の裏面に押圧されると、包装体100の取出口110の周囲に押圧力が集中され、包装体100の取出口110の周囲と貼合部15が容易に密着できる。
【0041】
また、ウェットティッシュ130aを取り出すときは、包装体100が可撓性を有するフィルムによって形成されているので、引張り力により、包装体100の取出口110の形態を保持し難くなるのを、包装体100の取出口110の周囲を表面が平坦に形成された突出部13に貼り合せることで、突出部13全体で包装体100の取出口110に加わる引張り力を受止めることができ、包装体100の取出口110の形態が保持されるので、ウェットティッシュ130aの取出口110が裂けることを防止できる。
【0042】
更に、収納容器1は、気密性を有するフィルムで形成される包装体100の取出口110の周囲が、第1の蓋体10の裏面の取出開口部14の周囲に形成された貼合部15に貼り合せて密着されることで、容器本体2内から包装体100の中に外気が流入するのを防止できる。
【0043】
更に、この収納容器1は、第2の蓋体20を閉塞し保管するときは、取出開口部14が第1の蓋体10に形成される第1の環状壁部17の外周面と第2の蓋体20に形成される第2の環状壁部21の内周面とが全周に亘って嵌合されることで、第1の蓋体10と第2の蓋体20が密閉され、取出開口部14から包装体100の中に外気が流入するのを防止できる。このとき、この収納容器1は、熱可塑性樹脂を用いて成型されているので、取出開口部14を密閉する第1の環状壁部17と第2の環状壁部21は、開閉を繰り返しても十分に気密性を保持できる。
【0044】
これらにより、この収納容器1は、第2の蓋体20を閉塞し保管するとき、容器本体2の開口部2aを開閉する第1の蓋体10を有していても、第1の蓋体10の取出開口部14内の包装体100の上面と第2の蓋体20の裏面との間に密閉された空間部19が形成されるので、包装体100の中に外気が流入するのを防止でき、更に、包装体100の取出口110において、ウェットティッシュ130aに含侵された液体は、狭い空間部19に揮発するのみなので乾燥を防止することができ、包装体100の気密性を保持することができる。
【0045】
また、この収納容器1は、第1の蓋体10と第2の蓋体20の開閉方向が異なるので、内包するウェットティッシュ130aを使用するため第2の蓋体20を開放するときに、誤って第1の蓋体10を一緒に開放してしまい、使用途中の包装体100が、第1の蓋体10の貼合部15から剥がれてしまうことや包装体100が破けたり、傷つくこと等を防止でき、包装体100の気密性を保持できる。
【0046】
なお、第1の蓋体10及び第2の蓋体20は、第1の蓋体10と第2の蓋体20との開閉方向が異なる向きとなるように形成されていればよく、例えば、第1の蓋体10が容器本体2の開口部2aの前側面に設けられたとき、第2の蓋体20が、第1の蓋体10と平行向きである背側面や、直交する向きである左右側面に設けられてもよい。また、第1の蓋体10は、前側面に限定されるものでなく、左側面、右側面又は背側面に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を適用した収納容器の第2の蓋体を開放した状態の斜視図である。
【図2】本発明を適用した収納容器の正面図である。
【図3】本発明を適用した収納容器の右側面図である。
【図4】本発明を適用した収納容器の底面図である。
【図5】ウェットティッシュの積層体が内包され、ウェットティッシュの取出口が形成された包装体の斜視図である。
【図6】本発明を適用した収納容器の使用状態を示した斜視図である。
【図7】本発明を適用した収納容器の第1の蓋体を開放した状態の斜視図ある。
【図8】本発明を適用した収納容器の使用状態を示した縦断面図である。
【図9】本発明を適用した収納容器の背面図である。
【図10】第1の蓋体及び第2の蓋体の開放状態を示した縦断面図である。
【図11】本発明を適用した収納容器の第2の蓋体を閉塞した状態の斜視図ある。
【図12】本発明を適用した収納容器の縦断面図である。
【図13】本発明を適用した収納容器の平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 収納容器、2 容器本体、2a 開口部、2b 収納部、10 第1の蓋体、10a 第1の回動支持部、10b 主面部、10c 周壁、11 嵌合凸部、12 嵌合凹部、13 突出部、14 取出開口部、15 貼合部、16 凹部、17 第1の環状壁部、18 間隙部、19 空間部、20 第2の蓋体、20a 第2の回動支持部、21 第2の環状壁部、30 突出片、100 包装体、110 取出口、120 蓋体、130a ウェットティッシュ、130 積層体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットティッシュの積層体が内包され、このウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納する収納容器において、
上面に開口部が形成され、上記包装体をこの包装体の上記取出口を上面にして収納する容器本体と、
上記容器本体の一側面に、第1の回動支持部により回動可能に設けられて、上記開口部を開閉すると共に、上記開口部を閉塞したとき、上記包装体の取出口と略一致する位置にウェットティッシュの取出開口部が形成された第1の蓋体と、
上記第1の蓋体の裏面であって、上記取出開口部の周囲に設けられ、上記包装体の取出口の周囲が貼合される貼合部と、
上記第1の蓋体の表面に第2の回動支持部により回動可能に設けられて、上記取出開口部を開閉する第2の蓋体とを備え、
上記第1の回動支持部と上記第2の回動支持部とは、上記第1の蓋体と上記第2の蓋体との開閉方向が異なる向きとなるように形成されていることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
上記第1の蓋体の裏面であって、上記取出開口部の周囲には、上記包装体の取出口の周囲を補強する突出部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上記貼合部には、感圧接着剤が用いられていること特徴とする請求項1又は請求項2記載の収納容器。
【請求項1】
ウェットティッシュの積層体が内包され、このウェットティッシュの取出口が形成された包装体を収納する収納容器において、
上面に開口部が形成され、上記包装体をこの包装体の上記取出口を上面にして収納する容器本体と、
上記容器本体の一側面に、第1の回動支持部により回動可能に設けられて、上記開口部を開閉すると共に、上記開口部を閉塞したとき、上記包装体の取出口と略一致する位置にウェットティッシュの取出開口部が形成された第1の蓋体と、
上記第1の蓋体の裏面であって、上記取出開口部の周囲に設けられ、上記包装体の取出口の周囲が貼合される貼合部と、
上記第1の蓋体の表面に第2の回動支持部により回動可能に設けられて、上記取出開口部を開閉する第2の蓋体とを備え、
上記第1の回動支持部と上記第2の回動支持部とは、上記第1の蓋体と上記第2の蓋体との開閉方向が異なる向きとなるように形成されていることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
上記第1の蓋体の裏面であって、上記取出開口部の周囲には、上記包装体の取出口の周囲を補強する突出部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上記貼合部には、感圧接着剤が用いられていること特徴とする請求項1又は請求項2記載の収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−223621(P2007−223621A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44324(P2006−44324)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(300027635)株式会社ディプロ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(300027635)株式会社ディプロ (5)
【Fターム(参考)】
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