収納容器
【課題】ウェットティッシュを取り出しやすさを向上した収納容器を提供する。
【解決手段】ウェットティッシュ2の積層体3を包装したウェットティッシュ包装体4を収納する収納容器本体と、収納容器本体の上部に設けられたウェットティッシュ取出口と、収納容器本体の底部に設けられ、ウェットティッシュ包装体4の底部4bの中央部を上部に設けられたウェットティッシュ取出口に向けて付勢する第1の付勢部11と、第1の付勢部11に付勢されたウェットティッシュ包装体4の中央部を挟んで対向する両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する第2の付勢部12とを備え、第1及び第2の付勢部11,12は、ウェットティッシュ包装体4をウェットティッシュ2の残数に応じて反らせる。
【解決手段】ウェットティッシュ2の積層体3を包装したウェットティッシュ包装体4を収納する収納容器本体と、収納容器本体の上部に設けられたウェットティッシュ取出口と、収納容器本体の底部に設けられ、ウェットティッシュ包装体4の底部4bの中央部を上部に設けられたウェットティッシュ取出口に向けて付勢する第1の付勢部11と、第1の付勢部11に付勢されたウェットティッシュ包装体4の中央部を挟んで対向する両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する第2の付勢部12とを備え、第1及び第2の付勢部11,12は、ウェットティッシュ包装体4をウェットティッシュ2の残数に応じて反らせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュの積層体を包装したウェットティッシュ包装体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュは、使用目的に応じて水、アルコール、保湿剤、界面活性剤等を含む液体を紙、織布、不織布等の繊維素材に含浸させたものである。かかるウェットティッシュは、順次折り畳まれた状態で多数枚積層され、この積層体が、乾燥を防止するためのフィルム状で気密性のある封入袋等に包装されたウェットティッシュ包装体の状態で製品とされて流通している。
【0003】
ところで、このフィルム状の封入袋等は、比較的安価で且つ容易に製造できるという利点を有するが、形状を保つ特性(以下、「形態保持性」ともいう。)が乏しく、そのまま使用すると使用に応じて形が崩れ、見映えが悪いという難点がある。そこで、従来より、フィルム状の封入袋等のウェットティッシュ包装体を収納する収納容器がある。
【0004】
例えば、ウェットティッシュの積層体を包装した包装体を内部に収納する収納容器は、ウェットティッシュの取出口と、この取出口が設けられるとともに包装体を収納する容器本体と、取出口を密閉及び開放する開閉蓋とを備える。
【0005】
かかる収納容器を使用するに際して、開閉蓋が開かれて取出口が開放され、取出口からウェットティッシュが一枚ずつ取り出される。それ以外の場合には、開閉蓋が閉められて取出口が密閉されることで包装体自体が密閉され、残りのウェットティッシュが乾燥してしまうことを防止できる。
【0006】
ところで、かかる収納容器は形態保持性に優れていることから、包装体からウェットティッシュが取り出されるにつれて、図12(a)に示すように、包装体104の上面104aと収納容器の容器本体105の取出口106との距離や、包装体104内のウェットティッシュ積層体の最上部にあるウェットティッシュと取出口106との距離が大きくなり、指を収納容器内に深く入れて摘み出す必要が出てくる可能性があり、このような場合に取り出し難いという問題がある。
【0007】
そこで、図12(b)に示すように、収納容器111の底部118にスプリング部材120を配置し、このスプリング部材120により、包装体114を取出口116が設けられた天板117に向けて押しつけるという手法が考えられる。スプリング部材120を有する収納容器111は、スプリング部材120が包装体114を収納容器の天板107側に押しつけるので、ウェットティッシュの残数が少なくなったときにも残りのウェットティッシュを取出口付近に位置させることができる。
【0008】
しかし、かかる収納容器のような、ウェットティッシュの積層体が真っ直ぐとなった状態でその全面が天板に向けて押し上げる構成とされていることから、ウェットティッシュを取り出す際のスプリングの押し付け力による摩擦が大きくなり、取り出しにくいという問題があった。かかる摩擦は、湿式であるという点と、所謂ポップアップ式として連続取り出し可能なウェットティッシュであるという点に鑑みるとさらにこの問題が大きくなり、考慮すべき利便性に影響する。そして、この摩擦は、1枚のウェットティッシュを取り出す際に次のウェットティッシュまで一緒に取り出してしまうという共連れの原因となっていた。
【0009】
その一方で、かかる収納容器及びこれに収納されるウェットティッシュ包装体から取り出されるウェットティッシュは、例えば、乳幼児のお尻拭き、化粧落とし、掃除用の用途等として用いられる場合には、片手で取り出す場面が多い。よって、当該収納容器は、ウェットティッシュ包装体からウェットティッシュが容易に取り出せた方が使いやすく、すなわち、ウェットティッシュが取り出しやすい構成とすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−2547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ウェットティッシュの残数が少なくなったときにも残りのウェットティッシュを取出口付近に位置させることができるとともに、さらにウェットティッシュを取り出しやすい収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明に係る収納容器は、ウェットティッシュの積層体を包装したウェットティッシュ包装体を収納する収納容器本体と、上記収納容器本体の上部に設けられたウェットティッシュ取出口と、上記収納容器本体の底部に設けられ、上記ウェットティッシュ包装体の底部の中央部を上部に設けられた上記ウェットティッシュ取出口側に向けて付勢する第1の付勢部と、上記第1の付勢部に付勢されたウェットティッシュ包装体の上記中央部を挟んで対向する両端部を下方側に向けて付勢する第2の付勢部とを備える。かかる収納容器本体の内部には、上記ウェットティッシュ包装体が第1の付勢部により底部の中央部で上方側に付勢されるとともに上記第2の付勢部により両端部で下方側に付勢されることで残数に応じて反らせられて収納される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ウェットティッシュを取り出しやすい位置に位置させるのみならず、第1の付勢部及び第2の付勢部により、ウェットティッシュがその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュを取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した収納容器の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用した収納容器の分解斜視図である。
【図3】収納容器の底部と、底部内面に取り付けられる第1の付勢部とを示す斜視図である。
【図4】収納容器の収納容器本体の内面と、天板部内面に取り付けられる第2の付勢部とを示す斜視図である。
【図5】収納容器を構成する第1及び第2の付勢部の取付状態を説明するための斜視図である。
【図6】収納容器を構成する取出口及び第1の付勢部と、ウェットティッシュの包装体の取出口との関係を示す平面図である。
【図7】収納容器を構成する第1及び第2の付勢部の機能を説明するため、第1の付勢部を例にとり、その状況に応じた形状の変化を示す図である。(a)は、第1の付勢部に外力が加わっていない状態を模式的に示す図である。(b)は、ウェットティッシュの残数が多いときの第1の付勢部の状態を模式的に示す図である。(c)は、ウェットティッシュの残数が少ないときの第1の付勢部の状態を模式的に示す図である。
【図8】第1及び第2の付勢部によりウェットティッシュの残数に応じて反らせられるウェットティッシュ及びウェットティッシュ包装体の状況に応じた形状の変化を示す図である。(a)は、ウェットティッシュの残数が多いときの反り状態を模式的に示す図である。(b)は、ウェットティッシュの残数が少ないときの反り状態を模式的に示す図である。
【図9】第1及び第2の付勢部の配置状態を平面的に示す図である。(a)は、図3〜図8で説明した例の第1及び第2の付勢部の配置状態を模式的に示す平面図である。(b)は、第1及び第2の付勢部の他の例における配置状態を模式的に示す平面図である。
【図10】収納容器を構成する第1及び第2の付勢部の更に他の例を模式的に示す断面図である。
【図11】収納容器を構成する第2の付勢部の更に他の例を模式的に示す断面図である。
【図12】従来の収納容器について示す図であり、(a)は、最も基本的な形態保持性のみ有する収納容器を模式的に示す図であり、(b)は、天板に包装体を押しつけるスプリング部材を有する収納容器を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した収納容器について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
本発明が適用された収納容器1は、図1及び図2に示すように、ウェットティッシュ2の積層体3を包装したウェットティッシュ包装体(以下、「包装体」という。)4を収納する収納容器本体5を備える。この収納容器本体5の上部にはウェットティッシュ取出口(以下、「取出口」という。)6として機能する開口が設けられている。また、収納容器本体5は、底面側が開口された収納容器本体部7と、この収納容器本体部7の底面側の開口部分を閉塞する底面閉塞部8とを備える。
【0017】
また、収納容器1は、取出口6が設けられた部分を開放及び閉塞する開閉蓋9と、閉塞した開閉蓋9を開放するための操作部10とを備える。
【0018】
さらに、収納容器1は、図2、図3及び図4に示すように、収納容器本体5の底部5aの内面側に設けられる第1の付勢部11と、収納容器本体5の天板部5bの内面側に設けられる第2の付勢部12とを備える。後述のように、第1の付勢部11は、包装体4の底部4bの中央部を上部に設けられた取出口6側に向けて付勢する機能を有し、第2の付勢部12は、第1の付勢部11に付勢された包装体4の中央部を挟んで対向する両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する機能を有する。
【0019】
収納容器本体5の上側を構成する収納容器本体部7は、包装体4より一回り大きな略矩形状とされ、取出口6が設けられる上板13と、上板13の各辺から下方へ延設した側板14とを有し、底面側の開口7aと取出口6以外の部分は密閉した構造とされる。また、この収納容器本体部7は、剛性を有し形態保持性に優れたものであり、例えばプラスチックにより成形されている。収納容器本体部7の上板13は、上述した収納容器本体5の天板部5bを構成し、その内面側であって長辺方向の両端側の部分に第2の付勢部12が設けられる。
【0020】
収納容器本体部7の上板13には、開閉蓋9を閉塞する際にはめ込むための、第1の段部15を有して形成される第1の凹部16と、第1の凹部16からさらに第2の段部17を有して形成される第2の凹部18とが設けられる。また、第1の凹部16には、第2の凹部18の他に、短辺方向の一方側の端部に位置する開閉蓋9の取り付け用の第3の凹部19と、短辺方向に他方側の端部に位置する操作部10の取り付け用の第4の凹部20とが設けられる。
【0021】
また、上板13に設けられた第2の凹部18には、第2の凹部18における収納容器1の長辺方向の両端からその中央部の開口に向かって延びるように形成された弾性を有する第1乃至第4のフラップ21,22,23,24が設けられている。第1乃至第4のフラップ21〜24は、第2の凹部18の中央側に位置する先端部が上下方向に変位するように、第1乃至第4のフラップ自体が撓むこととなる。第1乃至第4のフラップ21〜24の先端に囲まれた開口部分は、収納容器1内に収納されたウェットティッシュを取り出すための取出口6を構成する。
【0022】
かかる取出口6は、第1乃至第4のフラップ21〜24により、ポップアップ式に積層されたウェットティッシュの誘出に寄与する。すなわち、取出口6は、連続取り出し可能なようにポップアップ式に積層されたウェットティッシュの一番表層の1枚を取り出すと、その一枚に引き連れられた次の1枚の一部を取出口6から摘みやすい量だけ飛び出させた状態で表層の1枚から離間させるだけの抵抗力を付与する。これにより、取出口6は、ウェットティッシュの連続取り出しを可能とする。また、取出口6は、図6に示すように、包装体4に設けられるウェットティッシュの取出口4aよりも小さく形成されている。かかる構成により、ウェットティッシュ2に適切な抵抗力を付与して上述の様な連続取り出しを可能とする。また、後述の第1の付勢部11は、取出口6に対応した位置で、すなわちこの取出口6の下方に位置する部分で、包装体4の底部4bを付勢する構成とされている。尚、図6では、取出口6は、ウェットティッシュ2の積層体3の短辺方向にも長辺方向にも小さく形成されている例について説明したが、共連れを防止できる構成であれば、少なくとも長辺方向に小さく形成されているか、面積が小さくなるように形成されていればよい。
【0023】
第2の凹部18と第2の段部17は、開閉蓋9の閉塞時に、開閉蓋9に設けられた係合壁部25と係合して収納容器本体5内部を密閉する機能を有する。すなわち、開閉蓋9の内面側には、第2の凹部18を形成する第2の段部17に係合する係合壁部25が立ち上がり形成されている。また、この係合壁部25には、壁部の外方に向かって開閉蓋9のロック機能を有する突起部26が設けられる。
【0024】
また、係合壁部25が設けられる開閉蓋9には、短辺方向の一方の側に回動軸27が設けられ、他方の側に閉塞した際に操作部10に衝突しないように切り欠き部28が設けられている。開閉蓋9の回動軸27は、収納容器本体部7の第2の凹部18の短辺方向の一方の側に設けられた第3の凹部19内に取り付けられる。すなわち、第3の凹部19には回動軸27を取り付けるための取付部があり、その取付部に回動軸27の両端部が回転自在にはめ込まれる。開閉蓋9は、回動軸27を中心に回動操作されることで開放状態や閉塞状態とされる。
【0025】
また、開閉蓋9と第3の凹部19には、バネ部材29が設けられている。このバネ部材29は、その両端部がそれぞれ開閉蓋9と第3の凹部19とに当接し、それぞれを開く方向に付勢する構成とされている。また、第3の凹部19には、開閉蓋9の回動位置を規制する規制部30が形成されている。規制部30は、開閉蓋9が開放される状態のときに、バネ部材29により外側に向けて付勢される開閉蓋9の開放位置を所定位置に規制するものであり、所定位置まで回動された開閉蓋9の一部と当接する壁部として形成される。
【0026】
また、上板13に設けられた第2の凹部18を構成する側壁部分には、開閉蓋9の係合壁部25に設けられた突起部26に対応するロック機能を有する係合部31が設けられている。この係合部31は、第2の凹部18を構成する側壁部分に凹状部又は貫通孔を形成することにより形成される。これにより、係合部31及び突起部26は、開閉蓋9の閉塞状態を維持するためのロック機構として機能する。すなわち、開閉蓋9は、閉塞された状態で、突起部26が上板13の係合部31に係合することで、バネ部材29の開放方向への付勢力に抗して閉塞状態が維持される。
【0027】
この開閉蓋9を閉塞状態から開放状態にするための操作部10は、第4の凹部20に設けられている。操作部10は、支持軸を有し、支持軸を中心に回動自在で且つ、水平方向にスライド自在に取付られている。操作部10は、スライド方向の奥側の位置では回動しないように構成されるとともに、スライド方向の手前側にスライドされた位置ではその手前側部分10aを下側で、奥側部分10bを上側に回動自在とされている。換言すると、操作部10は、ロック機能を有し、奥側の位置では回動が規制されることで、後述のように開閉蓋9を開放しない。開閉蓋9を開放するに際して、操作部10は、ユーザーにより手前側にスライドされるとともに、手前側部分10aを下側に押圧される。当該操作部10は、奥側部分10bを上側に操作し、奥側部分10bに当接した開閉蓋9を上側に操作しようとする。上側に操作された開閉蓋9は、自身の撓みにより突起部26を上板13の係合部31から離間させて係合状態を解く。係合状態が解かれた開閉蓋9は、バネ部材29の付勢力により開放方向に回動される。以上のように、開閉蓋9は、操作部10のスライド動作及び押圧動作で開放可能とされている。
【0028】
以上のような収納容器本体部7とともに収納容器本体5を構成する底面閉塞部8には、収納容器本体部7の下方端部を挿入しこれらを結合するための周縁溝部32が設けられている。底面閉塞部8は、周縁溝部32に収納容器本体部7の下方端部が挿入されることにより、収納容器本体部7の開口7aを密閉する。また、底面閉塞部8は、ウェットティッシュ包装体4内のウェットティッシュが全て取り出された後に、新たなウェットティッシュ包装体4を挿入する際に開放され、挿入後に閉塞される。
【0029】
ところで、上述した収納容器1に収納される包装体4は、フィルム状の密閉袋の中に例えば80〜150枚程度の複数のウェットティッシュ2が折り畳まれて積層配置されて構成される。例えば、各ウェットティッシュ2は、折り曲げ部を形成して略二つ折りされ、各ウェットティッシュ2の折曲部は交互に入れ替わっている。またウェットティッシュ2の下半分はさらに折り曲げ部を形成して略二つ折りされている。ウェットティッシュ2の二つ折りされた下半分は、下方に配置するウェットティッシュ2の上半分と更に下方に位置するウェットティッシュ2の上半分との間に挿入されている。このためのウェットティッシュ2を一枚ずつ摘んで取り出した場合、取り出したウェットティッシュ2の下半分が、下方に位置するウェットティッシュ2の上半分を引っ張り上げるようになっている。包装体4内に積層されるウェットティッシュ2は、連続取り出しが可能なように、所謂ポップアップ式に積層されていればよく、その折り方はここで説明したものに限定されない。また、包装体4自体にもウェットティッシュの取出口4aが設けられ、この取出口4aが収納容器1の取出口6に臨む状態で包装体4は、収納容器1内に収納される。
【0030】
以上のような収納容器1において、取出口6は、開閉自在に形成された開閉蓋9により密閉されたり開放されたりする。すなわち、かかる収納容器1において、使用時であるウェットティッシュ取り出し時には、上述した操作部10により開閉蓋9が開放される。そして、取出口6から前回の使用で誘出されているウェットティッシュ2がユーザーにより摘まれて取り出される。この際、取出口6の第1及び第4のフラップ21〜24により、取り出されたウェットティッシュ2により誘出される次のウェットティッシュ2に抵抗力を付与して次の取り出し時に摘むのに適した所定の量だけ取出口6から飛び出させることとなる。かかる収納容器1は、使用が終えられると、開閉蓋9を閉塞方向に回動させることで、係合部31及び突起部26のロック機能が働くとともに、第1の凹部16に嵌るように開閉蓋9が閉塞される。このとき、収納容器1は、開閉蓋9の係合壁部25が上板13の第2の凹部18に係合することで取出口6部分を密閉し、収納容器1内部に残る湿式シートであるウェットティッシュ2の乾燥を防止する。
【0031】
次に、収納容器1を構成する第1及び第2の付勢部11,12の構成及び機能について説明する。以下では、収納容器本体5と別体で形成された第1及び第2の付勢部を取り付けて構成する例について説明するが、例えば一体成型等により第1及び第2の付勢部が収納容器本体と一体に設けられるよう構成してもよい。
【0032】
図2〜図5に示すように、第1の付勢部11は、取付部間の長さよりも長い帯状の部材からなり曲げられて撓んだ状態で底面閉塞部8の内面側に取り付いている。また、ここで、第1の付勢部11は、包装体3の短辺方向に平行な中心線に沿って配置されている。かかる第1の付勢部11は、例えば金属やプラスチック等の弾性を有する帯状の部材からなり、その両端部には、取り付け用の突起部33が形成されている。一方、底面閉塞部8の内面側には、この突起部33に対応した一対の取付部34が設けられている。具体的に、第1の付勢部11は、その一端側の突起部33が取り付けられる一方側の取付部34と、その他端側の突起部33が取り付けられる他方側の取付部34との間の距離よりも長い部材からなる。そして、取付部34間の距離よりも長く形成されていることにより、第1の付勢部11は、撓んだ状態で取り付けられている。また、上述の取付部34は、第1の付勢部11の取付方向の内側に位置して第1の付勢部11の突起部33を取り付けるためのスリット34aが形成されており、当該スリット34aを通過して突起部33が取付部34内に挿入されることとなる。第1の付勢部11は、取付部より長く形成されているので、その端部が互いに離間する方向に力が働く。よって、かかるスリット34aを有する取付部34は、第1の付勢部11を取り付けやすく、且つ、第1の付勢部11が機能している際には外れにくい構成である。そして、第1の付勢部11は、取付部34に取り付けられる両端部の間の部分が包装体4の底部4bに当接して包装体4を上部側に付勢する。尚、取付部34に取り付けられる両端部の間の部分(以下、「変形部35」ともいう。)は、撓んで変形されることにより、部材の弾性力により基準となる状態に戻ろうとする復帰力により付勢機能を有する。
【0033】
そして、第1の付勢部11は、図7(a)に示すように、外力が加わらない基準状態では、中央部分が最も上部側に位置するように凸状とされて取り付けられている。後の比較のため、図7(a)の状態の付勢方向である上下方向の寸法をLF0とする。
【0034】
ここで、第1の付勢部11は、底部側に向けて外力が加わった際には、基準状態に比べて当接する部分35aが底部側に位置するように変形部35が変形する。この図7(b)における、第1の付勢部11の上下方向の寸法をLF1とする。第1の付勢部11は、基準状態の寸法LF0より上下方向の寸法LF1が小さく(LF1<LF0)なることで、その撓んだ量に応じた付勢力を発揮して包装体4を付勢する。また、この図7(b)は、次で説明する図7(c)と比べて、ウェットティッシュ2の残数が多い状態の包装体4Z1が収納されている状態であるとして説明する。第1の付勢部11は,包装体4Z1の残数に応じた厚みLW1に対応した寸法LF1となるように変形する。
【0035】
かかる図7(b)の状態からウェットティッシュ2を取り出すことにより徐々にウェットティッシュ2の残数が少なくなった状態の包装体4Z2を示すのが図7(c)である。図7(c)に示すように、ウェットティッシュ2が少なくなり厚みLW2がLW1に対して薄くなるにつれて、第1の付勢部11の寸法LF2がLF1に対して大きく(LF1<LF2)なるように変形する。すなわち、第1の付勢部11は、上述したような復帰力を有することにより、包装体4を収納容器1の取出口6近傍の取り出しやすい位置に位置させることができる。ここで、取出口6近傍とは、後述の図8で示すように第2の付勢部12の弾性力及び復帰力により決まる位置である。かかる図7(c)の状態においても、第1の付勢部11は、基本状態の寸法LF0より上下方向の寸法LF2が小さく(LF2<LF0)なっていることで、その撓んだ量に応じた付勢力を発揮して包装体4を付勢する。
【0036】
また、後述の第2の付勢部12を設けないと仮定すると、第1の付勢部11及び包装体4の合計寸法は、図7(b)ではLT1(=LF1+LW1)であり、図7(c)ではLT2(=LF2+LW2)である。そして、かかる仮定の場合にはLT1=LT2になるが、実際には図8に示すように第2の付勢部12自体も第1の付勢部11と同様に光軸方向の寸法が変化するとともに包装体4も姿勢が変化することとなる。
【0037】
また、第2の付勢部12は、ウェットティッシュ包装体4の中央部を挟んで長辺方向に対向する両端部4c,4dに対応する位置に一対に設けられている。かかる第2の付勢部12は、第1の付勢部11と同様に、取付部間の長さよりも長い帯状の部材からなり曲げられて撓んだ状態で収納容器本体部7の上板13の内面側に取り付いている。かかる第2の付勢部12は、例えば金属やプラスチック等の弾性を有する帯状の部材からなり、その両端部には、取り付け用の突起部33が形成されている。一方、収納容器本体部7の内面側には、この突起部33に対応した一対の取付部34が設けられている。具体的に、第2の付勢部12は、その一端側の突起部33が取り付けられる一方側の取付部34と、その他端側の突起部33が取り付けられる他方側の取付部34との間の距離よりも長い部材からなる。そして、第2の付勢部12は、一対のそれぞれが、取付部34に取り付けられる両端部の間の部分が包装体4の上面部で且つ長辺方向の一端部4c又は他端部4dに当接して包装体4を下部側に付勢することで、包装体4の位置や反り等の姿勢を規制する。尚、第2の付勢部12も、上述した第1の付勢部11と同様に、取付部34間の変形部35が変形されることにより、部材の弾性力により基準となる状態に戻ろうとする復帰力により付勢機能を有する。第2の付勢部12単体の付勢機能としては、図7を用いて説明した第1の付勢部11と同様であるので詳細は省略する。
【0038】
次に、第1及び第2の付勢部11,12により収納容器1を構成した場合の、各付勢部によるウェットティッシュを反らせる機能について図8を用いて説明する。
【0039】
図8(a)は、図7(b)に略対応する図であり、ウェットティッシュ2の残数が多い状態の包装体4Z1が収納されている場合の第1及び第2の付勢部11,12及びウェットティッシュの姿勢を示す。図8(b)は、図7(c)に略対応する図であり、ウェットティッシュ2の残数が少ない状態の包装体4Z2が収納されている場合の第1及び第2の付勢部11,12及びウェットティッシュの姿勢を示す。
【0040】
図8(a)及び図8(b)に示すように、第1の付勢部11は、包装体4の底部4bの中央部を上方側に向けて付勢している。また、第2の付勢部12は、包装体4の両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する。これにより、第1及び第2の付勢部11,12は、包装体4内のウェットティッシュ2の残数に応じて包装体4等を反らせる。また、第1の付勢部11の付勢力は、第2の付勢部12の付勢力よりも大きくされており、かかる構成により、包装体4はウェットティッシュ2が取り出しやすい上方側の位置に位置されるとともに適正な反り姿勢とされることとなる。換言すると、第2の付勢部12の付勢力の方が第1の付勢部11の付勢力より大きい場合にはウェットティッシュ2が下方側に沈んだ位置になってしまい、かかる状態を防止するために、少なくとも付勢力が同じか、第1の付勢部11の付勢力が大きくされている。
【0041】
また、第1及び第2の付勢部11,12は、ウェットティッシュ2の残数に応じて包装体4の剛性が変化するが、ウェットティッシュ2の残数に応じて適切な付勢力でウェットティッシュ2を付勢する。この点とともに、図8(a)及び図8(b)の各状態について以下に説明する。
【0042】
ウェットティッシュ2の残数が多く包装体4Z1の厚みLW1が厚い場合には、図8(a)に示すように、第1の付勢部11の上下方向の寸法LF1も、第2の付勢部の上下方向の寸法LC1も、後述する図8(b)に比較して小さい状態である。換言すると、図7(b)を用いて説明したように、帯状の弾性部材の変形状態が大きい状態である。
【0043】
一方、ウェットティッシュ2の残数が少なく包装体4Z2の厚みLW2がLW1と比較して薄い場合には、図8(b)に示すように、第1の付勢部11の上下方向の寸法LF2もLF1と比較して大きく、第2の付勢部の上下方向の寸法LC2もLC1と比較して大きい状態である。換言すると、図7(c)を用いて説明したように、帯状の弾性部材の変形状態が小さい状態である。
【0044】
ここで、図8等では、あくまで第1及び第2の付勢部11,12の機能を説明するため模式的に示しているが、実際は、包装体4を取出口6に近い位置に位置させるという第1の付勢部11の付勢力が強くなるようにされており、第1及び第2の付勢部11,12は、包装体4をそのウェットティッシュ2の残数によらず、取出口6近傍に位置させることが可能である。
【0045】
ところで、図8(a)に示すように包装体4Z1の厚みLW1が厚い場合には、その剛性が強い。かかる場合には上述のような変形状態が大きくされた第1及び第2の付勢部11,12により、所定の姿勢となるように反らせることができる。また、図8(b)に示すように包装体4Z2の厚みLW2が薄い場合には、その剛性が弱い。かかる場合には上述のような変形状態が小さくされた第1及び第2の付勢部11,12により、所定の姿勢となるように反らせることができる。以上のように、第1及び第2の付勢部11,12は、各付勢部の付勢力と、ウェットティッシュ2の残数に応じて、所定の姿勢となるようにウェットティッシュ2及び包装体4を反らせることができる。湿式で且つポップアップ式とされたウェットティッシュ2の積層体3を包装した包装体4は、摩擦が大きくされているが、かかるウェットティッシュ2及び包装体4を図8に示すように反らせた姿勢とすることで摩擦が軽減され、取り出しやすくできる。
【0046】
すなわち、収納容器1は、第1及び第2の付勢部11,12により、反り状態を適切な範囲とすることが可能であり、これにより、ポップアップ式や湿式による摩擦力を低減し、ウェットティッシュ2を取り出しやすくすることを実現する。このように、第1の付勢部11は、ウェットティッシュ2を取出口6近傍に位置させるため上部側に付勢する機能を有し、第2の付勢部12は、ウェットティッシュ2の反り状態を調整する機能を有している。第1及び第2の付勢部11,12は、その弾性力を発揮させる形状とすることで、所定の反り状態にすることを可能とする。
【0047】
以上のように、本発明を適用した収納容器1は、収納容器本体5と、ウェットティッシュ取出口6と、第1及び第2の付勢部11,12を備えることにより、ウェットティッシュ2及び包装体4を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュを取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることを実現する。特に、収納容器1は、共連れの可能性が高いポップアップ式のウェットティッシュ2の取り出しやすさを向上するとともに、共連れを防止する。そして、収納容器1は、例えば、片手での操作及び取り出しを可能とする。
【0048】
また、収納容器1は、第2の付勢部12が包装体4の長手方向の両端部4c,4dに対応する位置に一対に設けられることにより、包装体4を長手方向に曲げることができる。包装体4内に包装されるウェットティッシュ2は、一般的にその長辺部分により折り曲げられ交互に積層されている。かかる包装体4は、長手方向に曲げられることにより、よりウェットティッシュ2の取り出しやすさが向上する。よって、収納容器1は、第2の付勢部12を長手方向に対向する両端部4c,4dに位置して一体に設けられることにより、ウェットティッシュを取り出す際の摩擦を低減して、常に取り出しやすい状態とすることを実現する。
【0049】
また、収納容器1は、第1及び第2の付勢部11,12が複数の弾性片である第1乃至第4のフラップ21〜24の先端に囲まれて形成される開口部により構成されるウェットティッシュ2の取出口6とともに構成されることにより、取出口6付近では適切な抵抗力を付与して円滑な連続取り出しを実現すると共に、第1及び第2の付勢部11,12により反らされた包装体4内部では、摩擦を低減して共連れ防止を実現できる。すなわち収納容器1は、かかる一見相反する両効果を得ることができ、収納容器の利便性を向上させる。
【0050】
また、収納容器1は、かかる取出口6が、包装体4の取出口4aよりも小さく形成されるとともに、第1の付勢部11がかかる取出口6の下方側の位置で包装体4の底部4bを上方側に向けて付勢する構成により、かかる位置で包装体4が取出口6に向けて第1の付勢部11に付勢され取出口6がかかる大きさとされることで、取出口6付近でウェットティッシュ2に適切な抵抗力を付与して円滑な連続取り出しを実現する。さらに、収納容器1は、第1及び第2の付勢部11,12により反らされた包装体4内部では、摩擦を低減して共連れ防止を実現できる。すなわち収納容器1は、収納容器の利便性を向上させる。
【0051】
尚、上述で説明した収納容器1は、かかる取出口6部分に弾性を有する第1乃至第4のフラップ21〜24を設けるように構成したが、本発明は、これに限られず、例えば、弾性片を有しない開口部により取出口を構成するようにしてもよい。また、収納容器1の形状は、上述の説明及び図面に限定されるものではなく、例えば、平面の形状について正方形を含めた多角形や円形やこれらを曲線により組み合わせたような形状であってもよく、また側面についても、台形や矩形や円形やこれらを曲線により組み合わせたような形状であってもよい。
【0052】
また、かかる第1及び第2の付勢部11,12は、極めて簡易な構成としてその機能を発揮させることを可能とし、収納容器1の構成を簡素化するとともに、製造の容易化及び低コスト化をも実現するものである。このように、本発明は、簡易な構成で取り出しやすさを各段に向上させ、ウェットティッシュの収納容器1として極めて高い性能を発揮することができる。
【0053】
尚、上述で図2〜図8を用いて説明した第1の付勢部11及び一対の第2の付勢部12は、図9(a)にも示すように、その帯状の部材が収納容器1の短辺方向に平行な方向に形成されるように構成したが、これに限られるものではない。すなわち、本発明を適用した収納容器を構成する第1の付勢部は、例えば、図9(b)に示すように収納容器1の長辺方向に平行な中心線に沿って配置されていてもよい。
【0054】
すなわち、収納容器1は、上述した第1の付勢部11に換えて、図9(b)に示すように長辺方向に配置される第1の付勢部41を備えても良い。かかる第1の付勢部41は、上述した第1の付勢部11と同様に、取付部間の長さよりも長い帯状の部材からなり曲げられて撓んだ状態で底面閉塞部8の内面側に取り付いている。尚、第1の付勢部41の材料や取付形状や付勢機能については上述した第1の付勢部11と同様であるので、詳細は省略する。
【0055】
第1の付勢部41を有する収納容器1は、第1の付勢部11を用いる場合と同様に、ウェットティッシュ2を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2及び包装体4がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュ2を取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。さらに、第1の付勢部41は、変形された際にかかる帯状の第1の付勢部41に沿った形状に包装体4を反らせることができる。
【0056】
また、図9(a)で説明した第1の付勢部11を有する収納容器1は、ここで図9(b)を用いて説明した第1の付勢部41を有する場合に比べて、部材も小さくすることができ、より低コスト化を実現する。
【0057】
また、以上で説明した第1及び第2の付勢部11,12,41は、帯状の部材からなるものとして説明したが、本発明を適用した収納容器を構成する第1及び/又は第2の付勢部は、これに限られるものではなく、例えば、図10に示すようなバネ部材等であってもよい。
【0058】
すなわち、収納容器1は、上述した第1及び第2の付勢部11,12に換えて、図10に示すようなバネ部材からなる第1及び第2の付勢部51,52を備えても良い。具体的に、かかる第1の付勢部51は、収納容器本体5の底部5aに設けられ、包装体4の底部4bの中央部を上方側に向けて付勢する。また、第2の付勢部52は、収納容器本体5の天板部5bの内面側に設けられ、包装体4の長辺方向の両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する。かかる、第1及び第2の付勢部51,52は、上述した第1及び第2の付勢部11,12と同様に、包装体4をウェットティッシュ2の残数に応じて反らせることができる。
【0059】
図10に示す第1及び第2の付勢部51,52を有する収納容器1は、ウェットティッシュ2を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2及び包装体4がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュ2を取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。
【0060】
さらに、本発明を適用した収納容器を構成する第2の付勢部は、上述のような収納容器本体5の天板部5bに設けられるものに限られるものではなく、例えば、図11に示すような側板14の内面側から設けられるように構成しても良い。
【0061】
すなわち、収納容器1は、図10で説明した第2の付勢部52に換えて、図11に示すような収納容器本体5の内面側壁部5cから設けられた第2の付勢部62を備えても良い。具体的に、図11に示す第2の付勢部62は、例えば収納容器本体5の内面側壁部5cに一体成型された係合片である。かかる第2の付勢部62は、弾性を有し、第1の付勢部51により上方に付勢された包装体4の上面の両端部4c,4dに係合されて変形する。弾性変形した第2の付勢部62は、元の形状に戻ろうとする力により包装体4の両端部4c,4dを下方側に付勢する。かかる、第2の付勢部62は、第1の付勢部51とともに、上述した第1及び第2の付勢部11,12や第1及び第2の付勢部51,52と同様に、包装体4をウェットティッシュ2の残数に応じて反らせることができる。尚、ここでは、係合片からなる第2の付勢部62を包装容器本体に一体成型するものとして説明したが、別体で形成し、接着等により固定するように構成しても良い。
【0062】
図11に示す第1及び第2の付勢部51,62を有する収納容器1は、ウェットティッシュ2を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2及び包装体4がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュ2を取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 収納容器、2 ウェットティッシュ、3 積層体、4 包装体、5 収納容器本体、5a 底部、5b 天板部、6 取出口、7 収納容器本体部、8 底面閉塞部、9 開閉蓋、10 操作部、11 第1の付勢部、12 第2の付勢部、13 上板、14 側板、15 第1の段部、16 第1の凹部、17 第2の段部、18 第2の凹部、19 第3の凹部、20 第4の凹部、21 第1のフラップ、22 第2のフラップ、23 第3のフラップ、24 第4のフラップ、25 係合壁部、26 突起部、27 回動軸、28 切り欠き部、29 バネ部材、30 規制部、31 係合部、32 周縁溝部、33 突起部、 34 取付部、35 変形部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュの積層体を包装したウェットティッシュ包装体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュは、使用目的に応じて水、アルコール、保湿剤、界面活性剤等を含む液体を紙、織布、不織布等の繊維素材に含浸させたものである。かかるウェットティッシュは、順次折り畳まれた状態で多数枚積層され、この積層体が、乾燥を防止するためのフィルム状で気密性のある封入袋等に包装されたウェットティッシュ包装体の状態で製品とされて流通している。
【0003】
ところで、このフィルム状の封入袋等は、比較的安価で且つ容易に製造できるという利点を有するが、形状を保つ特性(以下、「形態保持性」ともいう。)が乏しく、そのまま使用すると使用に応じて形が崩れ、見映えが悪いという難点がある。そこで、従来より、フィルム状の封入袋等のウェットティッシュ包装体を収納する収納容器がある。
【0004】
例えば、ウェットティッシュの積層体を包装した包装体を内部に収納する収納容器は、ウェットティッシュの取出口と、この取出口が設けられるとともに包装体を収納する容器本体と、取出口を密閉及び開放する開閉蓋とを備える。
【0005】
かかる収納容器を使用するに際して、開閉蓋が開かれて取出口が開放され、取出口からウェットティッシュが一枚ずつ取り出される。それ以外の場合には、開閉蓋が閉められて取出口が密閉されることで包装体自体が密閉され、残りのウェットティッシュが乾燥してしまうことを防止できる。
【0006】
ところで、かかる収納容器は形態保持性に優れていることから、包装体からウェットティッシュが取り出されるにつれて、図12(a)に示すように、包装体104の上面104aと収納容器の容器本体105の取出口106との距離や、包装体104内のウェットティッシュ積層体の最上部にあるウェットティッシュと取出口106との距離が大きくなり、指を収納容器内に深く入れて摘み出す必要が出てくる可能性があり、このような場合に取り出し難いという問題がある。
【0007】
そこで、図12(b)に示すように、収納容器111の底部118にスプリング部材120を配置し、このスプリング部材120により、包装体114を取出口116が設けられた天板117に向けて押しつけるという手法が考えられる。スプリング部材120を有する収納容器111は、スプリング部材120が包装体114を収納容器の天板107側に押しつけるので、ウェットティッシュの残数が少なくなったときにも残りのウェットティッシュを取出口付近に位置させることができる。
【0008】
しかし、かかる収納容器のような、ウェットティッシュの積層体が真っ直ぐとなった状態でその全面が天板に向けて押し上げる構成とされていることから、ウェットティッシュを取り出す際のスプリングの押し付け力による摩擦が大きくなり、取り出しにくいという問題があった。かかる摩擦は、湿式であるという点と、所謂ポップアップ式として連続取り出し可能なウェットティッシュであるという点に鑑みるとさらにこの問題が大きくなり、考慮すべき利便性に影響する。そして、この摩擦は、1枚のウェットティッシュを取り出す際に次のウェットティッシュまで一緒に取り出してしまうという共連れの原因となっていた。
【0009】
その一方で、かかる収納容器及びこれに収納されるウェットティッシュ包装体から取り出されるウェットティッシュは、例えば、乳幼児のお尻拭き、化粧落とし、掃除用の用途等として用いられる場合には、片手で取り出す場面が多い。よって、当該収納容器は、ウェットティッシュ包装体からウェットティッシュが容易に取り出せた方が使いやすく、すなわち、ウェットティッシュが取り出しやすい構成とすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−2547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ウェットティッシュの残数が少なくなったときにも残りのウェットティッシュを取出口付近に位置させることができるとともに、さらにウェットティッシュを取り出しやすい収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明に係る収納容器は、ウェットティッシュの積層体を包装したウェットティッシュ包装体を収納する収納容器本体と、上記収納容器本体の上部に設けられたウェットティッシュ取出口と、上記収納容器本体の底部に設けられ、上記ウェットティッシュ包装体の底部の中央部を上部に設けられた上記ウェットティッシュ取出口側に向けて付勢する第1の付勢部と、上記第1の付勢部に付勢されたウェットティッシュ包装体の上記中央部を挟んで対向する両端部を下方側に向けて付勢する第2の付勢部とを備える。かかる収納容器本体の内部には、上記ウェットティッシュ包装体が第1の付勢部により底部の中央部で上方側に付勢されるとともに上記第2の付勢部により両端部で下方側に付勢されることで残数に応じて反らせられて収納される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ウェットティッシュを取り出しやすい位置に位置させるのみならず、第1の付勢部及び第2の付勢部により、ウェットティッシュがその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュを取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した収納容器の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用した収納容器の分解斜視図である。
【図3】収納容器の底部と、底部内面に取り付けられる第1の付勢部とを示す斜視図である。
【図4】収納容器の収納容器本体の内面と、天板部内面に取り付けられる第2の付勢部とを示す斜視図である。
【図5】収納容器を構成する第1及び第2の付勢部の取付状態を説明するための斜視図である。
【図6】収納容器を構成する取出口及び第1の付勢部と、ウェットティッシュの包装体の取出口との関係を示す平面図である。
【図7】収納容器を構成する第1及び第2の付勢部の機能を説明するため、第1の付勢部を例にとり、その状況に応じた形状の変化を示す図である。(a)は、第1の付勢部に外力が加わっていない状態を模式的に示す図である。(b)は、ウェットティッシュの残数が多いときの第1の付勢部の状態を模式的に示す図である。(c)は、ウェットティッシュの残数が少ないときの第1の付勢部の状態を模式的に示す図である。
【図8】第1及び第2の付勢部によりウェットティッシュの残数に応じて反らせられるウェットティッシュ及びウェットティッシュ包装体の状況に応じた形状の変化を示す図である。(a)は、ウェットティッシュの残数が多いときの反り状態を模式的に示す図である。(b)は、ウェットティッシュの残数が少ないときの反り状態を模式的に示す図である。
【図9】第1及び第2の付勢部の配置状態を平面的に示す図である。(a)は、図3〜図8で説明した例の第1及び第2の付勢部の配置状態を模式的に示す平面図である。(b)は、第1及び第2の付勢部の他の例における配置状態を模式的に示す平面図である。
【図10】収納容器を構成する第1及び第2の付勢部の更に他の例を模式的に示す断面図である。
【図11】収納容器を構成する第2の付勢部の更に他の例を模式的に示す断面図である。
【図12】従来の収納容器について示す図であり、(a)は、最も基本的な形態保持性のみ有する収納容器を模式的に示す図であり、(b)は、天板に包装体を押しつけるスプリング部材を有する収納容器を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した収納容器について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
本発明が適用された収納容器1は、図1及び図2に示すように、ウェットティッシュ2の積層体3を包装したウェットティッシュ包装体(以下、「包装体」という。)4を収納する収納容器本体5を備える。この収納容器本体5の上部にはウェットティッシュ取出口(以下、「取出口」という。)6として機能する開口が設けられている。また、収納容器本体5は、底面側が開口された収納容器本体部7と、この収納容器本体部7の底面側の開口部分を閉塞する底面閉塞部8とを備える。
【0017】
また、収納容器1は、取出口6が設けられた部分を開放及び閉塞する開閉蓋9と、閉塞した開閉蓋9を開放するための操作部10とを備える。
【0018】
さらに、収納容器1は、図2、図3及び図4に示すように、収納容器本体5の底部5aの内面側に設けられる第1の付勢部11と、収納容器本体5の天板部5bの内面側に設けられる第2の付勢部12とを備える。後述のように、第1の付勢部11は、包装体4の底部4bの中央部を上部に設けられた取出口6側に向けて付勢する機能を有し、第2の付勢部12は、第1の付勢部11に付勢された包装体4の中央部を挟んで対向する両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する機能を有する。
【0019】
収納容器本体5の上側を構成する収納容器本体部7は、包装体4より一回り大きな略矩形状とされ、取出口6が設けられる上板13と、上板13の各辺から下方へ延設した側板14とを有し、底面側の開口7aと取出口6以外の部分は密閉した構造とされる。また、この収納容器本体部7は、剛性を有し形態保持性に優れたものであり、例えばプラスチックにより成形されている。収納容器本体部7の上板13は、上述した収納容器本体5の天板部5bを構成し、その内面側であって長辺方向の両端側の部分に第2の付勢部12が設けられる。
【0020】
収納容器本体部7の上板13には、開閉蓋9を閉塞する際にはめ込むための、第1の段部15を有して形成される第1の凹部16と、第1の凹部16からさらに第2の段部17を有して形成される第2の凹部18とが設けられる。また、第1の凹部16には、第2の凹部18の他に、短辺方向の一方側の端部に位置する開閉蓋9の取り付け用の第3の凹部19と、短辺方向に他方側の端部に位置する操作部10の取り付け用の第4の凹部20とが設けられる。
【0021】
また、上板13に設けられた第2の凹部18には、第2の凹部18における収納容器1の長辺方向の両端からその中央部の開口に向かって延びるように形成された弾性を有する第1乃至第4のフラップ21,22,23,24が設けられている。第1乃至第4のフラップ21〜24は、第2の凹部18の中央側に位置する先端部が上下方向に変位するように、第1乃至第4のフラップ自体が撓むこととなる。第1乃至第4のフラップ21〜24の先端に囲まれた開口部分は、収納容器1内に収納されたウェットティッシュを取り出すための取出口6を構成する。
【0022】
かかる取出口6は、第1乃至第4のフラップ21〜24により、ポップアップ式に積層されたウェットティッシュの誘出に寄与する。すなわち、取出口6は、連続取り出し可能なようにポップアップ式に積層されたウェットティッシュの一番表層の1枚を取り出すと、その一枚に引き連れられた次の1枚の一部を取出口6から摘みやすい量だけ飛び出させた状態で表層の1枚から離間させるだけの抵抗力を付与する。これにより、取出口6は、ウェットティッシュの連続取り出しを可能とする。また、取出口6は、図6に示すように、包装体4に設けられるウェットティッシュの取出口4aよりも小さく形成されている。かかる構成により、ウェットティッシュ2に適切な抵抗力を付与して上述の様な連続取り出しを可能とする。また、後述の第1の付勢部11は、取出口6に対応した位置で、すなわちこの取出口6の下方に位置する部分で、包装体4の底部4bを付勢する構成とされている。尚、図6では、取出口6は、ウェットティッシュ2の積層体3の短辺方向にも長辺方向にも小さく形成されている例について説明したが、共連れを防止できる構成であれば、少なくとも長辺方向に小さく形成されているか、面積が小さくなるように形成されていればよい。
【0023】
第2の凹部18と第2の段部17は、開閉蓋9の閉塞時に、開閉蓋9に設けられた係合壁部25と係合して収納容器本体5内部を密閉する機能を有する。すなわち、開閉蓋9の内面側には、第2の凹部18を形成する第2の段部17に係合する係合壁部25が立ち上がり形成されている。また、この係合壁部25には、壁部の外方に向かって開閉蓋9のロック機能を有する突起部26が設けられる。
【0024】
また、係合壁部25が設けられる開閉蓋9には、短辺方向の一方の側に回動軸27が設けられ、他方の側に閉塞した際に操作部10に衝突しないように切り欠き部28が設けられている。開閉蓋9の回動軸27は、収納容器本体部7の第2の凹部18の短辺方向の一方の側に設けられた第3の凹部19内に取り付けられる。すなわち、第3の凹部19には回動軸27を取り付けるための取付部があり、その取付部に回動軸27の両端部が回転自在にはめ込まれる。開閉蓋9は、回動軸27を中心に回動操作されることで開放状態や閉塞状態とされる。
【0025】
また、開閉蓋9と第3の凹部19には、バネ部材29が設けられている。このバネ部材29は、その両端部がそれぞれ開閉蓋9と第3の凹部19とに当接し、それぞれを開く方向に付勢する構成とされている。また、第3の凹部19には、開閉蓋9の回動位置を規制する規制部30が形成されている。規制部30は、開閉蓋9が開放される状態のときに、バネ部材29により外側に向けて付勢される開閉蓋9の開放位置を所定位置に規制するものであり、所定位置まで回動された開閉蓋9の一部と当接する壁部として形成される。
【0026】
また、上板13に設けられた第2の凹部18を構成する側壁部分には、開閉蓋9の係合壁部25に設けられた突起部26に対応するロック機能を有する係合部31が設けられている。この係合部31は、第2の凹部18を構成する側壁部分に凹状部又は貫通孔を形成することにより形成される。これにより、係合部31及び突起部26は、開閉蓋9の閉塞状態を維持するためのロック機構として機能する。すなわち、開閉蓋9は、閉塞された状態で、突起部26が上板13の係合部31に係合することで、バネ部材29の開放方向への付勢力に抗して閉塞状態が維持される。
【0027】
この開閉蓋9を閉塞状態から開放状態にするための操作部10は、第4の凹部20に設けられている。操作部10は、支持軸を有し、支持軸を中心に回動自在で且つ、水平方向にスライド自在に取付られている。操作部10は、スライド方向の奥側の位置では回動しないように構成されるとともに、スライド方向の手前側にスライドされた位置ではその手前側部分10aを下側で、奥側部分10bを上側に回動自在とされている。換言すると、操作部10は、ロック機能を有し、奥側の位置では回動が規制されることで、後述のように開閉蓋9を開放しない。開閉蓋9を開放するに際して、操作部10は、ユーザーにより手前側にスライドされるとともに、手前側部分10aを下側に押圧される。当該操作部10は、奥側部分10bを上側に操作し、奥側部分10bに当接した開閉蓋9を上側に操作しようとする。上側に操作された開閉蓋9は、自身の撓みにより突起部26を上板13の係合部31から離間させて係合状態を解く。係合状態が解かれた開閉蓋9は、バネ部材29の付勢力により開放方向に回動される。以上のように、開閉蓋9は、操作部10のスライド動作及び押圧動作で開放可能とされている。
【0028】
以上のような収納容器本体部7とともに収納容器本体5を構成する底面閉塞部8には、収納容器本体部7の下方端部を挿入しこれらを結合するための周縁溝部32が設けられている。底面閉塞部8は、周縁溝部32に収納容器本体部7の下方端部が挿入されることにより、収納容器本体部7の開口7aを密閉する。また、底面閉塞部8は、ウェットティッシュ包装体4内のウェットティッシュが全て取り出された後に、新たなウェットティッシュ包装体4を挿入する際に開放され、挿入後に閉塞される。
【0029】
ところで、上述した収納容器1に収納される包装体4は、フィルム状の密閉袋の中に例えば80〜150枚程度の複数のウェットティッシュ2が折り畳まれて積層配置されて構成される。例えば、各ウェットティッシュ2は、折り曲げ部を形成して略二つ折りされ、各ウェットティッシュ2の折曲部は交互に入れ替わっている。またウェットティッシュ2の下半分はさらに折り曲げ部を形成して略二つ折りされている。ウェットティッシュ2の二つ折りされた下半分は、下方に配置するウェットティッシュ2の上半分と更に下方に位置するウェットティッシュ2の上半分との間に挿入されている。このためのウェットティッシュ2を一枚ずつ摘んで取り出した場合、取り出したウェットティッシュ2の下半分が、下方に位置するウェットティッシュ2の上半分を引っ張り上げるようになっている。包装体4内に積層されるウェットティッシュ2は、連続取り出しが可能なように、所謂ポップアップ式に積層されていればよく、その折り方はここで説明したものに限定されない。また、包装体4自体にもウェットティッシュの取出口4aが設けられ、この取出口4aが収納容器1の取出口6に臨む状態で包装体4は、収納容器1内に収納される。
【0030】
以上のような収納容器1において、取出口6は、開閉自在に形成された開閉蓋9により密閉されたり開放されたりする。すなわち、かかる収納容器1において、使用時であるウェットティッシュ取り出し時には、上述した操作部10により開閉蓋9が開放される。そして、取出口6から前回の使用で誘出されているウェットティッシュ2がユーザーにより摘まれて取り出される。この際、取出口6の第1及び第4のフラップ21〜24により、取り出されたウェットティッシュ2により誘出される次のウェットティッシュ2に抵抗力を付与して次の取り出し時に摘むのに適した所定の量だけ取出口6から飛び出させることとなる。かかる収納容器1は、使用が終えられると、開閉蓋9を閉塞方向に回動させることで、係合部31及び突起部26のロック機能が働くとともに、第1の凹部16に嵌るように開閉蓋9が閉塞される。このとき、収納容器1は、開閉蓋9の係合壁部25が上板13の第2の凹部18に係合することで取出口6部分を密閉し、収納容器1内部に残る湿式シートであるウェットティッシュ2の乾燥を防止する。
【0031】
次に、収納容器1を構成する第1及び第2の付勢部11,12の構成及び機能について説明する。以下では、収納容器本体5と別体で形成された第1及び第2の付勢部を取り付けて構成する例について説明するが、例えば一体成型等により第1及び第2の付勢部が収納容器本体と一体に設けられるよう構成してもよい。
【0032】
図2〜図5に示すように、第1の付勢部11は、取付部間の長さよりも長い帯状の部材からなり曲げられて撓んだ状態で底面閉塞部8の内面側に取り付いている。また、ここで、第1の付勢部11は、包装体3の短辺方向に平行な中心線に沿って配置されている。かかる第1の付勢部11は、例えば金属やプラスチック等の弾性を有する帯状の部材からなり、その両端部には、取り付け用の突起部33が形成されている。一方、底面閉塞部8の内面側には、この突起部33に対応した一対の取付部34が設けられている。具体的に、第1の付勢部11は、その一端側の突起部33が取り付けられる一方側の取付部34と、その他端側の突起部33が取り付けられる他方側の取付部34との間の距離よりも長い部材からなる。そして、取付部34間の距離よりも長く形成されていることにより、第1の付勢部11は、撓んだ状態で取り付けられている。また、上述の取付部34は、第1の付勢部11の取付方向の内側に位置して第1の付勢部11の突起部33を取り付けるためのスリット34aが形成されており、当該スリット34aを通過して突起部33が取付部34内に挿入されることとなる。第1の付勢部11は、取付部より長く形成されているので、その端部が互いに離間する方向に力が働く。よって、かかるスリット34aを有する取付部34は、第1の付勢部11を取り付けやすく、且つ、第1の付勢部11が機能している際には外れにくい構成である。そして、第1の付勢部11は、取付部34に取り付けられる両端部の間の部分が包装体4の底部4bに当接して包装体4を上部側に付勢する。尚、取付部34に取り付けられる両端部の間の部分(以下、「変形部35」ともいう。)は、撓んで変形されることにより、部材の弾性力により基準となる状態に戻ろうとする復帰力により付勢機能を有する。
【0033】
そして、第1の付勢部11は、図7(a)に示すように、外力が加わらない基準状態では、中央部分が最も上部側に位置するように凸状とされて取り付けられている。後の比較のため、図7(a)の状態の付勢方向である上下方向の寸法をLF0とする。
【0034】
ここで、第1の付勢部11は、底部側に向けて外力が加わった際には、基準状態に比べて当接する部分35aが底部側に位置するように変形部35が変形する。この図7(b)における、第1の付勢部11の上下方向の寸法をLF1とする。第1の付勢部11は、基準状態の寸法LF0より上下方向の寸法LF1が小さく(LF1<LF0)なることで、その撓んだ量に応じた付勢力を発揮して包装体4を付勢する。また、この図7(b)は、次で説明する図7(c)と比べて、ウェットティッシュ2の残数が多い状態の包装体4Z1が収納されている状態であるとして説明する。第1の付勢部11は,包装体4Z1の残数に応じた厚みLW1に対応した寸法LF1となるように変形する。
【0035】
かかる図7(b)の状態からウェットティッシュ2を取り出すことにより徐々にウェットティッシュ2の残数が少なくなった状態の包装体4Z2を示すのが図7(c)である。図7(c)に示すように、ウェットティッシュ2が少なくなり厚みLW2がLW1に対して薄くなるにつれて、第1の付勢部11の寸法LF2がLF1に対して大きく(LF1<LF2)なるように変形する。すなわち、第1の付勢部11は、上述したような復帰力を有することにより、包装体4を収納容器1の取出口6近傍の取り出しやすい位置に位置させることができる。ここで、取出口6近傍とは、後述の図8で示すように第2の付勢部12の弾性力及び復帰力により決まる位置である。かかる図7(c)の状態においても、第1の付勢部11は、基本状態の寸法LF0より上下方向の寸法LF2が小さく(LF2<LF0)なっていることで、その撓んだ量に応じた付勢力を発揮して包装体4を付勢する。
【0036】
また、後述の第2の付勢部12を設けないと仮定すると、第1の付勢部11及び包装体4の合計寸法は、図7(b)ではLT1(=LF1+LW1)であり、図7(c)ではLT2(=LF2+LW2)である。そして、かかる仮定の場合にはLT1=LT2になるが、実際には図8に示すように第2の付勢部12自体も第1の付勢部11と同様に光軸方向の寸法が変化するとともに包装体4も姿勢が変化することとなる。
【0037】
また、第2の付勢部12は、ウェットティッシュ包装体4の中央部を挟んで長辺方向に対向する両端部4c,4dに対応する位置に一対に設けられている。かかる第2の付勢部12は、第1の付勢部11と同様に、取付部間の長さよりも長い帯状の部材からなり曲げられて撓んだ状態で収納容器本体部7の上板13の内面側に取り付いている。かかる第2の付勢部12は、例えば金属やプラスチック等の弾性を有する帯状の部材からなり、その両端部には、取り付け用の突起部33が形成されている。一方、収納容器本体部7の内面側には、この突起部33に対応した一対の取付部34が設けられている。具体的に、第2の付勢部12は、その一端側の突起部33が取り付けられる一方側の取付部34と、その他端側の突起部33が取り付けられる他方側の取付部34との間の距離よりも長い部材からなる。そして、第2の付勢部12は、一対のそれぞれが、取付部34に取り付けられる両端部の間の部分が包装体4の上面部で且つ長辺方向の一端部4c又は他端部4dに当接して包装体4を下部側に付勢することで、包装体4の位置や反り等の姿勢を規制する。尚、第2の付勢部12も、上述した第1の付勢部11と同様に、取付部34間の変形部35が変形されることにより、部材の弾性力により基準となる状態に戻ろうとする復帰力により付勢機能を有する。第2の付勢部12単体の付勢機能としては、図7を用いて説明した第1の付勢部11と同様であるので詳細は省略する。
【0038】
次に、第1及び第2の付勢部11,12により収納容器1を構成した場合の、各付勢部によるウェットティッシュを反らせる機能について図8を用いて説明する。
【0039】
図8(a)は、図7(b)に略対応する図であり、ウェットティッシュ2の残数が多い状態の包装体4Z1が収納されている場合の第1及び第2の付勢部11,12及びウェットティッシュの姿勢を示す。図8(b)は、図7(c)に略対応する図であり、ウェットティッシュ2の残数が少ない状態の包装体4Z2が収納されている場合の第1及び第2の付勢部11,12及びウェットティッシュの姿勢を示す。
【0040】
図8(a)及び図8(b)に示すように、第1の付勢部11は、包装体4の底部4bの中央部を上方側に向けて付勢している。また、第2の付勢部12は、包装体4の両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する。これにより、第1及び第2の付勢部11,12は、包装体4内のウェットティッシュ2の残数に応じて包装体4等を反らせる。また、第1の付勢部11の付勢力は、第2の付勢部12の付勢力よりも大きくされており、かかる構成により、包装体4はウェットティッシュ2が取り出しやすい上方側の位置に位置されるとともに適正な反り姿勢とされることとなる。換言すると、第2の付勢部12の付勢力の方が第1の付勢部11の付勢力より大きい場合にはウェットティッシュ2が下方側に沈んだ位置になってしまい、かかる状態を防止するために、少なくとも付勢力が同じか、第1の付勢部11の付勢力が大きくされている。
【0041】
また、第1及び第2の付勢部11,12は、ウェットティッシュ2の残数に応じて包装体4の剛性が変化するが、ウェットティッシュ2の残数に応じて適切な付勢力でウェットティッシュ2を付勢する。この点とともに、図8(a)及び図8(b)の各状態について以下に説明する。
【0042】
ウェットティッシュ2の残数が多く包装体4Z1の厚みLW1が厚い場合には、図8(a)に示すように、第1の付勢部11の上下方向の寸法LF1も、第2の付勢部の上下方向の寸法LC1も、後述する図8(b)に比較して小さい状態である。換言すると、図7(b)を用いて説明したように、帯状の弾性部材の変形状態が大きい状態である。
【0043】
一方、ウェットティッシュ2の残数が少なく包装体4Z2の厚みLW2がLW1と比較して薄い場合には、図8(b)に示すように、第1の付勢部11の上下方向の寸法LF2もLF1と比較して大きく、第2の付勢部の上下方向の寸法LC2もLC1と比較して大きい状態である。換言すると、図7(c)を用いて説明したように、帯状の弾性部材の変形状態が小さい状態である。
【0044】
ここで、図8等では、あくまで第1及び第2の付勢部11,12の機能を説明するため模式的に示しているが、実際は、包装体4を取出口6に近い位置に位置させるという第1の付勢部11の付勢力が強くなるようにされており、第1及び第2の付勢部11,12は、包装体4をそのウェットティッシュ2の残数によらず、取出口6近傍に位置させることが可能である。
【0045】
ところで、図8(a)に示すように包装体4Z1の厚みLW1が厚い場合には、その剛性が強い。かかる場合には上述のような変形状態が大きくされた第1及び第2の付勢部11,12により、所定の姿勢となるように反らせることができる。また、図8(b)に示すように包装体4Z2の厚みLW2が薄い場合には、その剛性が弱い。かかる場合には上述のような変形状態が小さくされた第1及び第2の付勢部11,12により、所定の姿勢となるように反らせることができる。以上のように、第1及び第2の付勢部11,12は、各付勢部の付勢力と、ウェットティッシュ2の残数に応じて、所定の姿勢となるようにウェットティッシュ2及び包装体4を反らせることができる。湿式で且つポップアップ式とされたウェットティッシュ2の積層体3を包装した包装体4は、摩擦が大きくされているが、かかるウェットティッシュ2及び包装体4を図8に示すように反らせた姿勢とすることで摩擦が軽減され、取り出しやすくできる。
【0046】
すなわち、収納容器1は、第1及び第2の付勢部11,12により、反り状態を適切な範囲とすることが可能であり、これにより、ポップアップ式や湿式による摩擦力を低減し、ウェットティッシュ2を取り出しやすくすることを実現する。このように、第1の付勢部11は、ウェットティッシュ2を取出口6近傍に位置させるため上部側に付勢する機能を有し、第2の付勢部12は、ウェットティッシュ2の反り状態を調整する機能を有している。第1及び第2の付勢部11,12は、その弾性力を発揮させる形状とすることで、所定の反り状態にすることを可能とする。
【0047】
以上のように、本発明を適用した収納容器1は、収納容器本体5と、ウェットティッシュ取出口6と、第1及び第2の付勢部11,12を備えることにより、ウェットティッシュ2及び包装体4を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュを取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることを実現する。特に、収納容器1は、共連れの可能性が高いポップアップ式のウェットティッシュ2の取り出しやすさを向上するとともに、共連れを防止する。そして、収納容器1は、例えば、片手での操作及び取り出しを可能とする。
【0048】
また、収納容器1は、第2の付勢部12が包装体4の長手方向の両端部4c,4dに対応する位置に一対に設けられることにより、包装体4を長手方向に曲げることができる。包装体4内に包装されるウェットティッシュ2は、一般的にその長辺部分により折り曲げられ交互に積層されている。かかる包装体4は、長手方向に曲げられることにより、よりウェットティッシュ2の取り出しやすさが向上する。よって、収納容器1は、第2の付勢部12を長手方向に対向する両端部4c,4dに位置して一体に設けられることにより、ウェットティッシュを取り出す際の摩擦を低減して、常に取り出しやすい状態とすることを実現する。
【0049】
また、収納容器1は、第1及び第2の付勢部11,12が複数の弾性片である第1乃至第4のフラップ21〜24の先端に囲まれて形成される開口部により構成されるウェットティッシュ2の取出口6とともに構成されることにより、取出口6付近では適切な抵抗力を付与して円滑な連続取り出しを実現すると共に、第1及び第2の付勢部11,12により反らされた包装体4内部では、摩擦を低減して共連れ防止を実現できる。すなわち収納容器1は、かかる一見相反する両効果を得ることができ、収納容器の利便性を向上させる。
【0050】
また、収納容器1は、かかる取出口6が、包装体4の取出口4aよりも小さく形成されるとともに、第1の付勢部11がかかる取出口6の下方側の位置で包装体4の底部4bを上方側に向けて付勢する構成により、かかる位置で包装体4が取出口6に向けて第1の付勢部11に付勢され取出口6がかかる大きさとされることで、取出口6付近でウェットティッシュ2に適切な抵抗力を付与して円滑な連続取り出しを実現する。さらに、収納容器1は、第1及び第2の付勢部11,12により反らされた包装体4内部では、摩擦を低減して共連れ防止を実現できる。すなわち収納容器1は、収納容器の利便性を向上させる。
【0051】
尚、上述で説明した収納容器1は、かかる取出口6部分に弾性を有する第1乃至第4のフラップ21〜24を設けるように構成したが、本発明は、これに限られず、例えば、弾性片を有しない開口部により取出口を構成するようにしてもよい。また、収納容器1の形状は、上述の説明及び図面に限定されるものではなく、例えば、平面の形状について正方形を含めた多角形や円形やこれらを曲線により組み合わせたような形状であってもよく、また側面についても、台形や矩形や円形やこれらを曲線により組み合わせたような形状であってもよい。
【0052】
また、かかる第1及び第2の付勢部11,12は、極めて簡易な構成としてその機能を発揮させることを可能とし、収納容器1の構成を簡素化するとともに、製造の容易化及び低コスト化をも実現するものである。このように、本発明は、簡易な構成で取り出しやすさを各段に向上させ、ウェットティッシュの収納容器1として極めて高い性能を発揮することができる。
【0053】
尚、上述で図2〜図8を用いて説明した第1の付勢部11及び一対の第2の付勢部12は、図9(a)にも示すように、その帯状の部材が収納容器1の短辺方向に平行な方向に形成されるように構成したが、これに限られるものではない。すなわち、本発明を適用した収納容器を構成する第1の付勢部は、例えば、図9(b)に示すように収納容器1の長辺方向に平行な中心線に沿って配置されていてもよい。
【0054】
すなわち、収納容器1は、上述した第1の付勢部11に換えて、図9(b)に示すように長辺方向に配置される第1の付勢部41を備えても良い。かかる第1の付勢部41は、上述した第1の付勢部11と同様に、取付部間の長さよりも長い帯状の部材からなり曲げられて撓んだ状態で底面閉塞部8の内面側に取り付いている。尚、第1の付勢部41の材料や取付形状や付勢機能については上述した第1の付勢部11と同様であるので、詳細は省略する。
【0055】
第1の付勢部41を有する収納容器1は、第1の付勢部11を用いる場合と同様に、ウェットティッシュ2を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2及び包装体4がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュ2を取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。さらに、第1の付勢部41は、変形された際にかかる帯状の第1の付勢部41に沿った形状に包装体4を反らせることができる。
【0056】
また、図9(a)で説明した第1の付勢部11を有する収納容器1は、ここで図9(b)を用いて説明した第1の付勢部41を有する場合に比べて、部材も小さくすることができ、より低コスト化を実現する。
【0057】
また、以上で説明した第1及び第2の付勢部11,12,41は、帯状の部材からなるものとして説明したが、本発明を適用した収納容器を構成する第1及び/又は第2の付勢部は、これに限られるものではなく、例えば、図10に示すようなバネ部材等であってもよい。
【0058】
すなわち、収納容器1は、上述した第1及び第2の付勢部11,12に換えて、図10に示すようなバネ部材からなる第1及び第2の付勢部51,52を備えても良い。具体的に、かかる第1の付勢部51は、収納容器本体5の底部5aに設けられ、包装体4の底部4bの中央部を上方側に向けて付勢する。また、第2の付勢部52は、収納容器本体5の天板部5bの内面側に設けられ、包装体4の長辺方向の両端部4c,4dを下方側に向けて付勢する。かかる、第1及び第2の付勢部51,52は、上述した第1及び第2の付勢部11,12と同様に、包装体4をウェットティッシュ2の残数に応じて反らせることができる。
【0059】
図10に示す第1及び第2の付勢部51,52を有する収納容器1は、ウェットティッシュ2を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2及び包装体4がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュ2を取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。
【0060】
さらに、本発明を適用した収納容器を構成する第2の付勢部は、上述のような収納容器本体5の天板部5bに設けられるものに限られるものではなく、例えば、図11に示すような側板14の内面側から設けられるように構成しても良い。
【0061】
すなわち、収納容器1は、図10で説明した第2の付勢部52に換えて、図11に示すような収納容器本体5の内面側壁部5cから設けられた第2の付勢部62を備えても良い。具体的に、図11に示す第2の付勢部62は、例えば収納容器本体5の内面側壁部5cに一体成型された係合片である。かかる第2の付勢部62は、弾性を有し、第1の付勢部51により上方に付勢された包装体4の上面の両端部4c,4dに係合されて変形する。弾性変形した第2の付勢部62は、元の形状に戻ろうとする力により包装体4の両端部4c,4dを下方側に付勢する。かかる、第2の付勢部62は、第1の付勢部51とともに、上述した第1及び第2の付勢部11,12や第1及び第2の付勢部51,52と同様に、包装体4をウェットティッシュ2の残数に応じて反らせることができる。尚、ここでは、係合片からなる第2の付勢部62を包装容器本体に一体成型するものとして説明したが、別体で形成し、接着等により固定するように構成しても良い。
【0062】
図11に示す第1及び第2の付勢部51,62を有する収納容器1は、ウェットティッシュ2を取り出しやすい位置に位置させるのみならず、ウェットティッシュ2及び包装体4がその中央部分が凸状となるように反った姿勢とすることができ、これにより、ウェットティッシュ2を取り出す際の摩擦を低減して、残り枚数によらず常に取り出しやすい状態とすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 収納容器、2 ウェットティッシュ、3 積層体、4 包装体、5 収納容器本体、5a 底部、5b 天板部、6 取出口、7 収納容器本体部、8 底面閉塞部、9 開閉蓋、10 操作部、11 第1の付勢部、12 第2の付勢部、13 上板、14 側板、15 第1の段部、16 第1の凹部、17 第2の段部、18 第2の凹部、19 第3の凹部、20 第4の凹部、21 第1のフラップ、22 第2のフラップ、23 第3のフラップ、24 第4のフラップ、25 係合壁部、26 突起部、27 回動軸、28 切り欠き部、29 バネ部材、30 規制部、31 係合部、32 周縁溝部、33 突起部、 34 取付部、35 変形部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットティッシュの積層体を包装したウェットティッシュ包装体を収納する収納容器本体と、
上記収納容器本体の上部に設けられたウェットティッシュ取出口と、
上記収納容器本体の底部に設けられ、上記ウェットティッシュ包装体の底部の中央部を上部に設けられた上記ウェットティッシュ取出口側に向けて付勢する第1の付勢部と、
上記第1の付勢部に付勢されたウェットティッシュ包装体の上記中央部を挟んで対向する両端部を下方側に向けて付勢する第2の付勢部とを備え、
上記収納容器本体の内部には、上記ウェットティッシュ包装体が第1の付勢部により底部の中央部で上方側に付勢されるとともに上記第2の付勢部により両端部で下方側に付勢されることで残数に応じて反らせられて収納される収納容器。
【請求項2】
上記第1及び/又は第2の付勢部は、取付部間の長さよりも長い帯状であって撓んだ状態で取り付いている請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上記第1の付勢部の付勢力は、上記第2の付勢部の付勢力より大きい請求項1又は請求項2記載の収納容器。
【請求項4】
上記第2の付勢部は、上記ウェットティッシュ包装体の長手方向に対向する両端部に位置して一対に設けられ、上記両端部を下方側に向けて付勢する請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項記載の収納容器。
【請求項1】
ウェットティッシュの積層体を包装したウェットティッシュ包装体を収納する収納容器本体と、
上記収納容器本体の上部に設けられたウェットティッシュ取出口と、
上記収納容器本体の底部に設けられ、上記ウェットティッシュ包装体の底部の中央部を上部に設けられた上記ウェットティッシュ取出口側に向けて付勢する第1の付勢部と、
上記第1の付勢部に付勢されたウェットティッシュ包装体の上記中央部を挟んで対向する両端部を下方側に向けて付勢する第2の付勢部とを備え、
上記収納容器本体の内部には、上記ウェットティッシュ包装体が第1の付勢部により底部の中央部で上方側に付勢されるとともに上記第2の付勢部により両端部で下方側に付勢されることで残数に応じて反らせられて収納される収納容器。
【請求項2】
上記第1及び/又は第2の付勢部は、取付部間の長さよりも長い帯状であって撓んだ状態で取り付いている請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上記第1の付勢部の付勢力は、上記第2の付勢部の付勢力より大きい請求項1又は請求項2記載の収納容器。
【請求項4】
上記第2の付勢部は、上記ウェットティッシュ包装体の長手方向に対向する両端部に位置して一対に設けられ、上記両端部を下方側に向けて付勢する請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項記載の収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−11805(P2011−11805A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158789(P2009−158789)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(399111462)フクヨー興産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(399111462)フクヨー興産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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