収納庫
【課題】がたつきを抑えつつ、低い位置の引出であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる収納庫を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる収納庫100の代表的な構成は、引出160と、引出の内部に設けられた収納手段240と、収納手段を支持する支持部材170と、支持部材を上下方向に移動可能に引出と連結する柱部材200と、中途部を回動自在に軸支されたアーム180と、アームの一端に設けられ、支持部材と連結する連結部182と、アームの他端に設けられたプーリ190と、プーリを案内する案内レール250と、を備え、案内レールは、奥側から手前側にかけてプーリを低い位置に案内する傾斜部250aを有し、引出を引き出すとプーリが傾斜部に案内されて下降し、アームが回動して支持部材が上方に移動することを特徴とする。
【解決手段】本発明にかかる収納庫100の代表的な構成は、引出160と、引出の内部に設けられた収納手段240と、収納手段を支持する支持部材170と、支持部材を上下方向に移動可能に引出と連結する柱部材200と、中途部を回動自在に軸支されたアーム180と、アームの一端に設けられ、支持部材と連結する連結部182と、アームの他端に設けられたプーリ190と、プーリを案内する案内レール250と、を備え、案内レールは、奥側から手前側にかけてプーリを低い位置に案内する傾斜部250aを有し、引出を引き出すとプーリが傾斜部に案内されて下降し、アームが回動して支持部材が上方に移動することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は引出を備える収納庫に関し、特にその引出の内部に1以上の収納手段を備える収納庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、使用者の使用態様の研究により、利便性を向上させた収納庫の開発に各種事業者が取り組んでいる。その1つの例として、低い位置にある収納庫に対して腰を曲げることなく容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる技術の開発が進められている。
【0003】
具体的には、例えば特許文献1には、奥側に対して手前側を高く形成したガイド(案内レール)によって、収納庫の引出を引き出す際に上昇させる技術が開示されている。また、特許文献1には、所定の位置まで引き出された状態の引出をさらに引き出すことによって、一端が引出に固定され他端は収納庫に連結されるアームを他端を軸に回動させ、引出を上昇させる技術も開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2には、収納庫の引出内部に上方に開口を有する収納棚を設置し、収納棚をリンク片によって上昇させた状態でラッチによって係止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4155143号公報
【特許文献2】特開2007−330564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、概して、引出本体の重量は相当なものとなる。よって、特許文献1の技術は案内レールにより引出全体を収納物ごと上昇させる構成であるため、引出を引き出す際に要する力が多大なものとなり、引出の開け閉め自体が困難となるおそれがある。
【0007】
また、特許文献2の技術においては、引出内部の収納棚のみを上昇させる構成であるが、把手部を持って収納棚を引き上げる必要があるため腰を曲げなければならない点が解決されない。その上、引出内部の収納棚には通常収納物を満載することになり、その荷重だけでも相当のものとなり得る。故に、腰をかがめて収納物を収納する(または取り出す)のと、収納棚を引き上げるのでは、どちらが楽かわからないという事態に陥ってしまう。
【0008】
さらに、引出や収納棚を上昇させる構造においては、その上昇(下降)動作に伴うがたつきの低減が課題となる。詳述すると、過度ながたつきが生じる場合には、その内部に収納された収納物が互いにぶつかり合って損傷や騒音を招くおそれがある。特に、収納物が液体の場合には内容物がこぼれてしまったり、外装の損傷により液漏れしてしまったりするおそれがある。すなわち、がたつきは収納物に悪影響を与えることとなる。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、がたつきを抑えつつ、低い位置の引出であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる収納庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討したところ、引出に収納される収納物のうち頻繁に利用されるものはごく一部であることに着眼した。そして、その一部の収納物のみを収納する収納手段を設け、これを引出の開閉に連動させて昇降させれば、利便性を担保しつつ使用者にかかる負担(引出を引き出す際に要する力)を低減できるのではないかと思量した。そこで、かかる収納手段の昇降についてさらに検討を重ねた結果、収納手段のがたつきを低減可能な構造を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明にかかる収納庫の代表的な構成は、引出と、引出の内部に設けられた収納手段と、収納手段を支持する支持部材と、支持部材を上下方向に移動可能に引出と連結する柱部材と、中途部を回動自在に軸支されたアームと、アームの一端に設けられ、支持部材と連結する連結部と、アームの他端に設けられたプーリと、プーリを案内する案内レールと、を備え、案内レールは、奥側から手前側にかけてプーリを低い位置に案内する傾斜部を有し、引出を引き出すとプーリが傾斜部に案内されて下降し、アームが回動して支持部材が上方に移動することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、引出全体ではなく引出内部に設けられた収納手段を引出の開閉に連動させて上下方向に移動させるため、使用者は過度な力を要せずに引出を開閉することができる。さらに、収納手段を移動させるアームを中途部で軸支することにより、支点間の距離が短くなるため各部材の剛性が高くなり、またリンク機構のアライメントが高くなることから、収納手段の移動の際のがたつきの低減が図られる。加えて、アームにかかる負担も抑えられるので耐久性の向上効果も奏し得る。
【0013】
上記柱部材は、支持部材を上方に付勢するバネを有するとよい。これにより、バネの付勢力が収納手段を上昇させるように働くため、収納物の荷重をバネによって支持することができ、引出を開閉する際に要する力のさらなる低減が図られる。
【0014】
上記案内レールはプーリの上側を案内する上面と下側を案内する下面とを有する溝形状であって、引出を押し込むと、プーリが傾斜部の下面に案内されて上昇し、アームが回動して、支持部材がバネの付勢力に抗して下方に移動するとよい。これにより、収納手段を好適に昇降させることができる。
【0015】
上記案内レールは、溝形状の上面または下面のいずれか一方の縁に、対向する縁に向かって屹立する脱輪防止用のリブを有するとよい。これにより、プーリのレールからの脱輪を確実に防止することができる。また、上面か下面のいずれか一方の縁にリブを設けることによって、プーリが万が一両方のリブに噛んでしまって動かなくなるおそれを排除できる。
【0016】
上記連結部は、支持部材に設けられた摺動軸と嵌合する長穴であるとよい。これにより、昇降する際に遊びが必要となる支持部材と連結部(アーム)の連結を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、がたつきを抑えつつ、低い位置の引出であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる収納庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態にかかる収納庫を備えるキッチンを例示する図である。
【図2】本実施形態にかかる収納庫について説明する分解斜視図である。
【図3】本実施形態にかかる収納庫の側面図である。
【図4】支持部材とアームの連結について説明する図である。
【図5】柱部材について説明する図である。
【図6】柱部材について説明する分解斜視図である。
【図7】ブラケット、連結フレーム、およびギャラリーパイプについて説明する図である。
【図8】ブラケット、連結フレーム、およびギャラリーパイプの他の例について説明する図である。
【図9】収納手段について説明する図である。
【図10】案内レールについて説明する図である。
【図11】引出を引き出す際の態様について説明する図である。
【図12】アームの形状と軸支位置の他の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
(キッチン110)
図1は、本実施形態にかかる収納庫100を備えるキッチン110を例示する図である。キッチン110は、上面全体を単一の天板120(ワークトップ)が覆うシステムキッチンであって、その下部の領域はコンロキャビネット130、ベースキャビネット140、シンクキャビネット150に大別される。
【0021】
コンロキャビネット130は、コンロ132、グリル134、操作パネル136、スパイスボックス138、収納庫100、足下収納庫104から構成される。コンロ132やグリル134は調理に利用され、それらの操作が操作パネル136によって行われる。スパイスボックス138は、調味料などの小物を収納するのに用いられる。
【0022】
ベースキャビネット140は、調理スペース120a、収納庫100、膝上収納庫102(上段収納庫)、足下収納庫104から構成される。調理スペース120aは、天板120の一部であって調理を行う際の作業場として利用される。また、シンクキャビネット150は、水栓152、シンク154、収納庫100、足下収納庫104から構成される。水栓152はシンク154に対して湯水を給水し、シンク154は給水された湯水を不図示の排水管へと排水する。
【0023】
収納庫100、膝上収納庫102、足下収納庫104は、いわゆる収納スペースであって、本実施形態の特徴を備え得る。以下、収納庫100を例に挙げてこれらについて説明する。すなわち、収納庫100の技術的思想に対応する構成要素やその説明は膝上収納庫102、足下収納庫104にも適用可能である。
【0024】
(収納庫100)
図2は、本実施形態にかかる収納庫100について説明する分解斜視図である。また、図3は、本実施形態にかかる収納庫100の側面図である。図2に示すように、収納庫100は、引出160、仕切板162、一対の壁板164、支持部材170、アーム180、連結部182、プーリ190、柱部材200、ブラケット220、連結フレーム222、ギャラリーパイプ230、収納手段240、案内レール250(壁板設置部材252)、第2案内レール254を包含する。以下、これらについて順に詳述する。
【0025】
引出160は、前板160a、一対の側板160b、背板160c、底板160dから構成され、壁板164に設置された第2案内レール254上を摺動する。仕切板162は、引出160(仕切板162より背面側)に収納された収納物と収納手段240の干渉(接触)を防ぐ役割を担う。
【0026】
図4は支持部材170とアーム180の連結について説明する図である。図4に示すように、支持部材170は、支持基体172(摺動軸172a)、梁174、スライダ176、ローラ178から構成される。
【0027】
支持基体172は、梁174およびスライダ176と係合し、その側方外側にはローラ178が配置される。また、図4に示すように、引出160の側方外側に向けて設けられる摺動軸172aによって連結部182と連結する。連結部182は、アーム180の一端に設けられた長穴であって、この大きさ(長さ)を拡縮することにより、収納手段240の昇降に際して必要となる遊びの調節を好適に行うことができる。
【0028】
なお、図4では摺動軸172aを固定具172b(ネジ)が挿通するスリーブによって構成するよう図示しているが、支持基体172に雌ねじを有する円筒状の部位を立設してもよく、また固定部172bのネジの頭部近傍にネジを切っていない軸部を備えさせてもよい。すなわち摺動軸172aは、固定部172bによって長穴182を締め付けてしまうことを防止する高さ(長さ)を有し、かつ長穴182の内径とがたつきなく摺動し得る径を有する円柱形(円筒形)であればよい。
【0029】
梁174は、収納手段240の掛着に用いられる。スライダ176、ローラ178については、後程柱部材200と併せて説明する。
【0030】
図2、図3に戻り、アーム180は、ブラケット220によって中途部を回動自在に軸支され、その一端には上述した連結部182、他端にはプーリ190が設けられる。プーリ190は、第2案内レール254よりも壁板164の上側に設置された案内レール250上を回転して移動する。
【0031】
図5は柱部材200について説明する図、図6は柱部材200について説明する分解斜視図である。特に、図5(a)は柱部材200の外観について説明する図、図5(b)は柱部材200の内部構造について説明する図である。図5、図6に示すように、柱部材200は、柱基体202、スライドレール204、バネ206、バネ調節機構208、ネジ蓋212、柱部材200の蓋214から構成される。
【0032】
柱基体202は、前方外側に立設した凸形状の凸部202aを有し、前板160aに形成された不図示の凹部とインロー(雄雌)結合する。そして、好適には強度を高めるためにその結合部分を接着剤等で接着する。これにより、引出160が引き出されると連動して、柱部材200が前方へと移動する。
【0033】
また、柱基体202の内部には、上下方向に立設された一対のリブによってガイドレール202bが形成される。かかるガイドレール202bは、支持部材170のローラ178を上下方向に案内する役割を担う。すなわち、ローラ178は、ガイドレール202b内に配置され回転して上下方向へ移動する。
【0034】
スライドレール204は柱基体202に固定され、その側面に形成された溝がスライダ176の側縁に噛合する。かかる噛合によりスライドレール204は、スライダ176の水平方向への移動を規制し、ローラ178がガイドレール202bから外れてしまうことを防止する。
【0035】
バネ206は、一端がスライダ176に、他端は後述するバネ調節機構208のブロック片208aに係留される。これにより、バネ206の付勢力が、スライダ176(すなわち支持部材170)を上昇させるように働くため、収納手段240に収納された収納物の荷重をバネ206によって支持することができる。
【0036】
バネ調節機構208は、ブロック片208a、調節ネジ208bからなり、バネ206のテンションを調節する。具体的には、調節ネジ208bを時計方向に回すことでブロック片208aが上方に移動してバネ206のテンションが増大する。また、調節ネジ208bを反時計方向に回すことでブロック片208aが下方に移動してバネ206のテンションが減少する。
【0037】
かかる調節ネジ208bの頭部は、柱基体202から露出して配置される。そのため、面倒な分解等を要することなくバネ206のテンションを調節することができる。また、調節ネジ208bの露出部分は、着脱可能なネジ蓋212で被覆される。これにより、美観の向上が図られる。
【0038】
蓋214は、柱基体202と嵌合して上述した構造に収納物が接触することを防止する。かかる蓋214には観察窓214aが形成され、ブロック片208aの位置すなわち現在のテンションの設定(調節)がどのようになっているかを視認により容易に把握することができるようになっている。特に、本実施形態では観察窓214aからブロック片208aの突出部210が突出するようになっているため、一目でブロック片208aの位置がどこにあるかを判断することができる。
【0039】
図7はブラケット220、連結フレーム222、およびギャラリーパイプ230について説明する図である。上述したように、ブラケット220はアーム180の中途部を軸支する。これにより、連結部182、ブラケット220、プーリ190の3点でアーム180を支持することとなり、支点間の距離が短くなるため各部材の剛性を高めることができ、各部材のたわみが少なくなる。また、たわみが少ないことから、アーム180(連結部182)、プーリ190、ブラケット220からなるリンク機構のアライメント(組立精度)も高くすることができ、相乗効果によって収納手段240の移動の際のがたつきを低減することができる。その上、アーム180にかかる負担(変形)が抑えられるので、耐久性を向上させることができる。
【0040】
なお、ここではブラケット220は、アーム180の中間点を収納手段240が上下方向に移動し得る範囲の中間の高さで軸支する。これにより、収納手段240を上下方向へ好適に移動させることができる。ブラケット220によるアーム180の軸支位置の詳細については後程説明する。
【0041】
連結フレーム222は、ブラケット220を引出160の側板160bと連結する。かかる構成により、ブラケット220を側板160bまで延設するよりもその剛性を高めることができる。
【0042】
ギャラリーパイプ230は、側板160bの上方に配置され、引出160に収納された収納物の側方への落下を防止する。詳述すると、ギャラリーパイプ230は、連結フレーム222を介して、一端が柱部材200に、他端が背板160cに固定される。
【0043】
図8はブラケット220、連結フレーム222、およびギャラリーパイプ230の他の例について説明する図である。すなわち、図8に示す他の例の図7との違いは、連結フレーム224、ギャラリーパイプ232である。
【0044】
連結フレーム224は、内部構造を見せないように箱状に形成されたものであって、例えば上述の連結フレーム222の表面に樹脂などによるカバーを備えた構成とすることができる。ギャラリーパイプ232は、一端が連結フレーム224に、他端が背板160cに固定される。これにより、美観の向上を図り得る。
【0045】
図9は収納手段240について説明する図である。特に、図9(a)は収納手段240の例としての収納ケース240aを示す図、図9(b)は収納手段240の例としての包丁差し240bを示す図、図9(c)は収納ケース240aと包丁差し240bを梁174に掛着する方法を説明する図である。
【0046】
図9(a)に示すように、収納ケース240aは、仕切242と複数の仕切溝244を有し、仕切242の位置を使用者が適宜変更可能となっている。また、図9(b)に示すように、包丁差し240bは、ロック機構246を有し、包丁を差し込んでロック機構246のレバー246aを切り替えることによって、包丁のロックまたはロックを解除できるようになっている。
【0047】
そして、図9(c)に示すように、収納ケース240aおよび包丁差し240bは、上縁の一辺に形成された鉤状の引掛け部248で梁174に着脱可能に掛着され、引出160内部に配置される。なお、かかる引掛け部248を形成した収納手段240であれば、上述した例(収納ケース240a、包丁差し240b)に限らず梁174に掛着することができる。
【0048】
図10は案内レール250について説明する図である。特に、図10(a)は壁板設置部材252に形成された案内レール250を示す図、図10(b)は図10(a)のA−A断面図である。
【0049】
図10(a)に示すように、案内レール250は、プーリ190を案内するレールであって、プラスチックや金属等からなる壁板設置部材252に形成される。そして、壁板設置部材252は、第2案内レール254(引出160自体のレール)よりも上側の壁板164に設置される。
【0050】
案内レール250は、プーリ190の上側を案内する上面と下側を案内する下面とを有する溝形状を有する。なお、本実施形態では案内レール250を溝形状としているが、上記の上面と下面があればよく、例えば並行して立設された上下のリブによって案内レール250を構成してもよい。
【0051】
案内レール250は、奥側から手前側にかけてプーリ190を低い位置に案内する傾斜部250aを有する。かかる傾斜部250aは、引出160が引き出されるにしたがってプーリ190を低い位置に案内し、逆に引出160が押し込まれるにしたがってプーリ190を高い位置に案内する。これにより、引出160の開け閉めに伴い、収納手段240を昇降させることができる。
【0052】
また、案内レール250の傾斜部250aの両端には、ほぼ水平にプーリ190を案内する水平部250bが設けられる。詳述すると、バネ206による付勢力と、収納手段240と支持部材170および収納物の重量は相殺する方向に作用し、アーム180にはその合力に従って回転モーメントが生じる。この回転モーメントがアーム180の奥側端部にあるプーリ190を傾斜部250aに付勢するため、回転モーメントが傾斜部250aに対する法線方向と接線方向に分解されて、さらに接線方向の力が垂直方向と水平方向に分解される。したがって、傾斜部250aにプーリ190が位置する場合に引出160から手を離すと、プーリ190には、水平方向の分力によって手前側または奥側に移動する力が発生するため、極端な場合は引出160全体がゆるやかに移動する。しかし、水平部250bにプーリ190が位置する場合には、水平方向の分力が発生しないため、プーリ190が移動することはない。すなわち、水平部250bにプーリ190が位置する場合には、引出160が自然に開閉することはない。
【0053】
さらに、図10(b)に示すように、案内レール250は、下面の縁に上方(上面の縁)に向かって屹立する脱輪防止用のリブ250cを有する。これにより、プーリ190の脱輪を確実に防止することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては下面にのみリブ250cを設けている。上述したように、バネ206による付勢力と、収納手段240と支持部材170および収納物の重量は相殺する方向に作用し、バネ206の付勢力が勝てばプーリ190は傾斜部250aの下面に付勢され、収納物等の重量が勝てばプーリ190は上面に付勢される。したがって、プーリ190が上面に付勢される場合も想定されるため、上面と下面の両方の縁にリブ250cを設けてもよい。しかし、収納手段240に収納物がない場合にはプーリ190は下面に付勢される。また、収納手段240には載荷重量を記載するため、収納物の重さが極端に過剰とならないことを期待することができる。さらに、上面および下面の両方にリブ250cを設けると、プーリ190が万が一にも両方のリブ250cに噛んでしまって動きにくくなるおそれがある。そこで上記実施形態に示すように、下面にのみリブ250cを設ける方が好ましい。
【0055】
なお、傾斜部250aと水平部250bの交点には、プーリ190の半径よりも曲率半径の大きいアールが付けられる。これにより、傾斜部250aから水平部250bへ移行する地点において、好適にプーリ190を案内(移動)することができる。
【0056】
図2、図3に戻り、第2案内レール254は、引出160を案内するレールであって、案内レール250よりも壁板164の下側に配置される。かかる第2案内レール254については、引出160が摺動可能であればいかなるものを用いてもよい。
【0057】
以上、収納庫100の各構成要素について詳述した。次に、かかる収納庫100の引出160を引き出す際の態様、および引出160を押し込む際の態様について詳述する。
【0058】
(引出160開閉時の態様)
図11は引出160を引き出す際の態様について説明する図である。特に、図11(a)は引出160が閉められた状態を示す図、図11(b)は中ほどまで引出160が引き出された状態を示す図、図11(c)は概ね引出160が引き出された状態を示す図である。
【0059】
図11(a)に示すように引出160が閉められた状態においては、プーリ190は案内レール250上の高い位置の水平部250bにあり、収納手段240は低い位置に支持される。このとき、柱部材200のバネ206は、最も伸びた(テンションがかかった)状態にあり、その付勢力は収納手段240を上昇させるように働いている。換言すれば、アーム180とプーリ190によって、支持部材170(収納手段240)をバネ206の付勢力に抗して押し下げている。
【0060】
この状態から引出160を引き出し、図11(b)に示すようにプーリ190が傾斜部250aに達すると、プーリ190の下降に伴い、ブラケット220を軸にアーム180が回動して収納手段240が上昇する。このとき、収納物等の重量は引出160が戻る方向の分力を生じるが、バネ206の付勢力は引出160が出る方向の分力を生じる。このため、使用者は過度な力を要せずに引出160を引き出すことができる。設計条件としてバネ206の付勢力が勝るようにその強さを設定するため、原則としては、バネ206によって引出160を引き出す際に要する力の低減が図られる。
【0061】
そして、さらに引出160を引き出しプーリ190が傾斜部250aから脱すると、図11(c)に示す状態となる。すなわち、概ね、引出160が引き出された状態においては、プーリ190は案内レール250の低い位置の水平部250bにあり、収納手段240は高い位置に支持される。
【0062】
一方、引出160を押し込む際には上記と逆の態様となる。すなわち、図11(c)に示す状態から引出160を押し込むと、プーリ190が傾斜部250aに案内されて上昇し、アーム180が回動して、支持部材170(収納手段240)がバネ206の付勢力に抗して下方に移動する。そして、図11(b)に示す状態になり、さらに引出160を押し込むと図11(a)の状態へと戻る。
【0063】
以上、本実施形態にかかる収納庫100の態様について説明した。上述したように、収納庫100は、引出160全体ではなく内部に設けられた収納手段240を引出160の開閉に連動させて上下方向に移動させるため、使用者は過度な力を要せずに引出160を開閉することができる。さらに、ブラケット220によるアーム180の軸支により各部材の剛性が高くなり、またリンク機構のアライメントが高くなることから、収納手段240の移動の際のがたつきを低減することができる。よって、収納手段240を好適に昇降させることができる。
【0064】
すなわち、本実施形態にかかる収納庫100によれば、がたつきを抑えつつ収納手段240を昇降させることにより、低い位置の引出160であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる。
【0065】
(軸支位置)
図12はアーム180の形状と軸支位置の他の構成について説明する図である。ここでは、上述した収納庫100とは、アーム380、案内レール450の点で異なる収納庫300を用いて最適な軸支位置について詳述する。
【0066】
上記説明においてアーム180は直線状であるように図示して説明したが、本実施形態はこれに限らず、適宜最適な寸法関係をとることができる。
【0067】
まず、支持部材170とアーム380を連結する連結部182は長穴であると説明したが、アーム380は回転モーメントによって支持部材170を上下させるため、支持部材170の移動方向が回転モーメントの方向になるべく近いことが好ましい。そこで、ブラケット220による上下方向のアーム380の軸支位置(高さ)は、収納手段240が移動し得る範囲の中間の高さ(すなわち、上昇位置および下降位置からL1の高さ)に設定することが好ましい。また、これにより、連結部182である長穴の大きさ(長さ)を最も小さくすることもできる。
【0068】
また、案内レール450によるプーリ190の動作を円滑にするためには、案内レール450の上下幅を大きくとることが好ましい。ここで、案内レール450の最大の上下幅は概ね引出160の高さとなるが、前端の連結部182が移動範囲の中点にあるとき(上昇位置および下降位置からL1の高さ)、プーリ190も案内レール450のL2の高さ方向の中点(上端および下端からL2の高さ)にある必要がある(図12の状態)。したがって図12に示すように、アーム380は必要に応じて屈曲した形状とすることができる。
【0069】
また、ブラケット220による前後方向のアーム380の軸支位置は、収納手段240の(連結部182の)移動範囲と、他端のプーリ190の移動範囲の比を定める要因となる。すなわち、アーム380の中間点を軸支すれば、収納手段240の上下方向の移動範囲(すなわちL1×2)は、案内レール450の上下幅(L2×2)と等しくなる。そして、プーリ190に近い位置でアーム380を軸支するほど収納手段240の上下方向の移動範囲は大きくなり(L1×2>L2×2)、連結部182(収納手段240)に近い位置でアーム380を軸支するほど収納手段240の上下方向の移動範囲は小さくなる(L1×2<L2×2)。
【0070】
また、収納手段240を昇降させる回転モーメントの点では、プーリ190に近い位置でアーム380を軸支する程その力が弱くなり、連結部182(収納手段240)に近い位置でアーム380を軸支する程その力が強くなる。
【0071】
ここで、図12では、収納手段240を昇降させたい範囲(所望の上下方向の移動範囲)よりも、案内レール450の上下幅が相対的に大きい場合を想定している。かかる場合には、連結部182(収納手段240)に近い位置でアーム380を軸支して、回転モーメントによる力を強くすることができる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、引出の内部に1以上の収納手段を備える収納庫に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
100、300…収納庫、102…膝上収納庫、104…足下収納庫、110…キッチン、120…天板、120a…調理スペース、130…コンロキャビネット、132…コンロ、134…グリル、136…操作パネル、138…スパイスボックス、140…ベースキャビネット、150…シンクキャビネット、152…水栓、154…シンク、160…引出、160a…前板、160b…側板、160c…背板、160d…底板、162…仕切板、164…壁板、170…支持部材、172…支持基体、172a…摺動軸、174…梁、176…スライダ、178…ローラ、180、380…アーム、182…連結部、190…プーリ、200…柱部材、202…柱基体、202a…凸部、202b…ガイドレール、204…スライドレール、206…バネ、208…バネ調節機構、208a…ブロック片、208b…調節ネジ、210…突出部、212…ネジ蓋、214…蓋、214a…観察窓、220…ブラケット、222、224…連結フレーム、230、232…ギャラリーパイプ、240…収納手段、240a…収納ケース、240b…包丁差し、242…仕切、244…仕切溝、246…ロック機構、246a…レバー、248…引掛け部、250、450…案内レール、250a…傾斜部、250b…水平部、250c…リブ、252…壁板設置部材、254…第2案内レール、
【技術分野】
【0001】
本発明は引出を備える収納庫に関し、特にその引出の内部に1以上の収納手段を備える収納庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、使用者の使用態様の研究により、利便性を向上させた収納庫の開発に各種事業者が取り組んでいる。その1つの例として、低い位置にある収納庫に対して腰を曲げることなく容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる技術の開発が進められている。
【0003】
具体的には、例えば特許文献1には、奥側に対して手前側を高く形成したガイド(案内レール)によって、収納庫の引出を引き出す際に上昇させる技術が開示されている。また、特許文献1には、所定の位置まで引き出された状態の引出をさらに引き出すことによって、一端が引出に固定され他端は収納庫に連結されるアームを他端を軸に回動させ、引出を上昇させる技術も開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2には、収納庫の引出内部に上方に開口を有する収納棚を設置し、収納棚をリンク片によって上昇させた状態でラッチによって係止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4155143号公報
【特許文献2】特開2007−330564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、概して、引出本体の重量は相当なものとなる。よって、特許文献1の技術は案内レールにより引出全体を収納物ごと上昇させる構成であるため、引出を引き出す際に要する力が多大なものとなり、引出の開け閉め自体が困難となるおそれがある。
【0007】
また、特許文献2の技術においては、引出内部の収納棚のみを上昇させる構成であるが、把手部を持って収納棚を引き上げる必要があるため腰を曲げなければならない点が解決されない。その上、引出内部の収納棚には通常収納物を満載することになり、その荷重だけでも相当のものとなり得る。故に、腰をかがめて収納物を収納する(または取り出す)のと、収納棚を引き上げるのでは、どちらが楽かわからないという事態に陥ってしまう。
【0008】
さらに、引出や収納棚を上昇させる構造においては、その上昇(下降)動作に伴うがたつきの低減が課題となる。詳述すると、過度ながたつきが生じる場合には、その内部に収納された収納物が互いにぶつかり合って損傷や騒音を招くおそれがある。特に、収納物が液体の場合には内容物がこぼれてしまったり、外装の損傷により液漏れしてしまったりするおそれがある。すなわち、がたつきは収納物に悪影響を与えることとなる。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、がたつきを抑えつつ、低い位置の引出であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる収納庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討したところ、引出に収納される収納物のうち頻繁に利用されるものはごく一部であることに着眼した。そして、その一部の収納物のみを収納する収納手段を設け、これを引出の開閉に連動させて昇降させれば、利便性を担保しつつ使用者にかかる負担(引出を引き出す際に要する力)を低減できるのではないかと思量した。そこで、かかる収納手段の昇降についてさらに検討を重ねた結果、収納手段のがたつきを低減可能な構造を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明にかかる収納庫の代表的な構成は、引出と、引出の内部に設けられた収納手段と、収納手段を支持する支持部材と、支持部材を上下方向に移動可能に引出と連結する柱部材と、中途部を回動自在に軸支されたアームと、アームの一端に設けられ、支持部材と連結する連結部と、アームの他端に設けられたプーリと、プーリを案内する案内レールと、を備え、案内レールは、奥側から手前側にかけてプーリを低い位置に案内する傾斜部を有し、引出を引き出すとプーリが傾斜部に案内されて下降し、アームが回動して支持部材が上方に移動することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、引出全体ではなく引出内部に設けられた収納手段を引出の開閉に連動させて上下方向に移動させるため、使用者は過度な力を要せずに引出を開閉することができる。さらに、収納手段を移動させるアームを中途部で軸支することにより、支点間の距離が短くなるため各部材の剛性が高くなり、またリンク機構のアライメントが高くなることから、収納手段の移動の際のがたつきの低減が図られる。加えて、アームにかかる負担も抑えられるので耐久性の向上効果も奏し得る。
【0013】
上記柱部材は、支持部材を上方に付勢するバネを有するとよい。これにより、バネの付勢力が収納手段を上昇させるように働くため、収納物の荷重をバネによって支持することができ、引出を開閉する際に要する力のさらなる低減が図られる。
【0014】
上記案内レールはプーリの上側を案内する上面と下側を案内する下面とを有する溝形状であって、引出を押し込むと、プーリが傾斜部の下面に案内されて上昇し、アームが回動して、支持部材がバネの付勢力に抗して下方に移動するとよい。これにより、収納手段を好適に昇降させることができる。
【0015】
上記案内レールは、溝形状の上面または下面のいずれか一方の縁に、対向する縁に向かって屹立する脱輪防止用のリブを有するとよい。これにより、プーリのレールからの脱輪を確実に防止することができる。また、上面か下面のいずれか一方の縁にリブを設けることによって、プーリが万が一両方のリブに噛んでしまって動かなくなるおそれを排除できる。
【0016】
上記連結部は、支持部材に設けられた摺動軸と嵌合する長穴であるとよい。これにより、昇降する際に遊びが必要となる支持部材と連結部(アーム)の連結を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、がたつきを抑えつつ、低い位置の引出であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる収納庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態にかかる収納庫を備えるキッチンを例示する図である。
【図2】本実施形態にかかる収納庫について説明する分解斜視図である。
【図3】本実施形態にかかる収納庫の側面図である。
【図4】支持部材とアームの連結について説明する図である。
【図5】柱部材について説明する図である。
【図6】柱部材について説明する分解斜視図である。
【図7】ブラケット、連結フレーム、およびギャラリーパイプについて説明する図である。
【図8】ブラケット、連結フレーム、およびギャラリーパイプの他の例について説明する図である。
【図9】収納手段について説明する図である。
【図10】案内レールについて説明する図である。
【図11】引出を引き出す際の態様について説明する図である。
【図12】アームの形状と軸支位置の他の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
(キッチン110)
図1は、本実施形態にかかる収納庫100を備えるキッチン110を例示する図である。キッチン110は、上面全体を単一の天板120(ワークトップ)が覆うシステムキッチンであって、その下部の領域はコンロキャビネット130、ベースキャビネット140、シンクキャビネット150に大別される。
【0021】
コンロキャビネット130は、コンロ132、グリル134、操作パネル136、スパイスボックス138、収納庫100、足下収納庫104から構成される。コンロ132やグリル134は調理に利用され、それらの操作が操作パネル136によって行われる。スパイスボックス138は、調味料などの小物を収納するのに用いられる。
【0022】
ベースキャビネット140は、調理スペース120a、収納庫100、膝上収納庫102(上段収納庫)、足下収納庫104から構成される。調理スペース120aは、天板120の一部であって調理を行う際の作業場として利用される。また、シンクキャビネット150は、水栓152、シンク154、収納庫100、足下収納庫104から構成される。水栓152はシンク154に対して湯水を給水し、シンク154は給水された湯水を不図示の排水管へと排水する。
【0023】
収納庫100、膝上収納庫102、足下収納庫104は、いわゆる収納スペースであって、本実施形態の特徴を備え得る。以下、収納庫100を例に挙げてこれらについて説明する。すなわち、収納庫100の技術的思想に対応する構成要素やその説明は膝上収納庫102、足下収納庫104にも適用可能である。
【0024】
(収納庫100)
図2は、本実施形態にかかる収納庫100について説明する分解斜視図である。また、図3は、本実施形態にかかる収納庫100の側面図である。図2に示すように、収納庫100は、引出160、仕切板162、一対の壁板164、支持部材170、アーム180、連結部182、プーリ190、柱部材200、ブラケット220、連結フレーム222、ギャラリーパイプ230、収納手段240、案内レール250(壁板設置部材252)、第2案内レール254を包含する。以下、これらについて順に詳述する。
【0025】
引出160は、前板160a、一対の側板160b、背板160c、底板160dから構成され、壁板164に設置された第2案内レール254上を摺動する。仕切板162は、引出160(仕切板162より背面側)に収納された収納物と収納手段240の干渉(接触)を防ぐ役割を担う。
【0026】
図4は支持部材170とアーム180の連結について説明する図である。図4に示すように、支持部材170は、支持基体172(摺動軸172a)、梁174、スライダ176、ローラ178から構成される。
【0027】
支持基体172は、梁174およびスライダ176と係合し、その側方外側にはローラ178が配置される。また、図4に示すように、引出160の側方外側に向けて設けられる摺動軸172aによって連結部182と連結する。連結部182は、アーム180の一端に設けられた長穴であって、この大きさ(長さ)を拡縮することにより、収納手段240の昇降に際して必要となる遊びの調節を好適に行うことができる。
【0028】
なお、図4では摺動軸172aを固定具172b(ネジ)が挿通するスリーブによって構成するよう図示しているが、支持基体172に雌ねじを有する円筒状の部位を立設してもよく、また固定部172bのネジの頭部近傍にネジを切っていない軸部を備えさせてもよい。すなわち摺動軸172aは、固定部172bによって長穴182を締め付けてしまうことを防止する高さ(長さ)を有し、かつ長穴182の内径とがたつきなく摺動し得る径を有する円柱形(円筒形)であればよい。
【0029】
梁174は、収納手段240の掛着に用いられる。スライダ176、ローラ178については、後程柱部材200と併せて説明する。
【0030】
図2、図3に戻り、アーム180は、ブラケット220によって中途部を回動自在に軸支され、その一端には上述した連結部182、他端にはプーリ190が設けられる。プーリ190は、第2案内レール254よりも壁板164の上側に設置された案内レール250上を回転して移動する。
【0031】
図5は柱部材200について説明する図、図6は柱部材200について説明する分解斜視図である。特に、図5(a)は柱部材200の外観について説明する図、図5(b)は柱部材200の内部構造について説明する図である。図5、図6に示すように、柱部材200は、柱基体202、スライドレール204、バネ206、バネ調節機構208、ネジ蓋212、柱部材200の蓋214から構成される。
【0032】
柱基体202は、前方外側に立設した凸形状の凸部202aを有し、前板160aに形成された不図示の凹部とインロー(雄雌)結合する。そして、好適には強度を高めるためにその結合部分を接着剤等で接着する。これにより、引出160が引き出されると連動して、柱部材200が前方へと移動する。
【0033】
また、柱基体202の内部には、上下方向に立設された一対のリブによってガイドレール202bが形成される。かかるガイドレール202bは、支持部材170のローラ178を上下方向に案内する役割を担う。すなわち、ローラ178は、ガイドレール202b内に配置され回転して上下方向へ移動する。
【0034】
スライドレール204は柱基体202に固定され、その側面に形成された溝がスライダ176の側縁に噛合する。かかる噛合によりスライドレール204は、スライダ176の水平方向への移動を規制し、ローラ178がガイドレール202bから外れてしまうことを防止する。
【0035】
バネ206は、一端がスライダ176に、他端は後述するバネ調節機構208のブロック片208aに係留される。これにより、バネ206の付勢力が、スライダ176(すなわち支持部材170)を上昇させるように働くため、収納手段240に収納された収納物の荷重をバネ206によって支持することができる。
【0036】
バネ調節機構208は、ブロック片208a、調節ネジ208bからなり、バネ206のテンションを調節する。具体的には、調節ネジ208bを時計方向に回すことでブロック片208aが上方に移動してバネ206のテンションが増大する。また、調節ネジ208bを反時計方向に回すことでブロック片208aが下方に移動してバネ206のテンションが減少する。
【0037】
かかる調節ネジ208bの頭部は、柱基体202から露出して配置される。そのため、面倒な分解等を要することなくバネ206のテンションを調節することができる。また、調節ネジ208bの露出部分は、着脱可能なネジ蓋212で被覆される。これにより、美観の向上が図られる。
【0038】
蓋214は、柱基体202と嵌合して上述した構造に収納物が接触することを防止する。かかる蓋214には観察窓214aが形成され、ブロック片208aの位置すなわち現在のテンションの設定(調節)がどのようになっているかを視認により容易に把握することができるようになっている。特に、本実施形態では観察窓214aからブロック片208aの突出部210が突出するようになっているため、一目でブロック片208aの位置がどこにあるかを判断することができる。
【0039】
図7はブラケット220、連結フレーム222、およびギャラリーパイプ230について説明する図である。上述したように、ブラケット220はアーム180の中途部を軸支する。これにより、連結部182、ブラケット220、プーリ190の3点でアーム180を支持することとなり、支点間の距離が短くなるため各部材の剛性を高めることができ、各部材のたわみが少なくなる。また、たわみが少ないことから、アーム180(連結部182)、プーリ190、ブラケット220からなるリンク機構のアライメント(組立精度)も高くすることができ、相乗効果によって収納手段240の移動の際のがたつきを低減することができる。その上、アーム180にかかる負担(変形)が抑えられるので、耐久性を向上させることができる。
【0040】
なお、ここではブラケット220は、アーム180の中間点を収納手段240が上下方向に移動し得る範囲の中間の高さで軸支する。これにより、収納手段240を上下方向へ好適に移動させることができる。ブラケット220によるアーム180の軸支位置の詳細については後程説明する。
【0041】
連結フレーム222は、ブラケット220を引出160の側板160bと連結する。かかる構成により、ブラケット220を側板160bまで延設するよりもその剛性を高めることができる。
【0042】
ギャラリーパイプ230は、側板160bの上方に配置され、引出160に収納された収納物の側方への落下を防止する。詳述すると、ギャラリーパイプ230は、連結フレーム222を介して、一端が柱部材200に、他端が背板160cに固定される。
【0043】
図8はブラケット220、連結フレーム222、およびギャラリーパイプ230の他の例について説明する図である。すなわち、図8に示す他の例の図7との違いは、連結フレーム224、ギャラリーパイプ232である。
【0044】
連結フレーム224は、内部構造を見せないように箱状に形成されたものであって、例えば上述の連結フレーム222の表面に樹脂などによるカバーを備えた構成とすることができる。ギャラリーパイプ232は、一端が連結フレーム224に、他端が背板160cに固定される。これにより、美観の向上を図り得る。
【0045】
図9は収納手段240について説明する図である。特に、図9(a)は収納手段240の例としての収納ケース240aを示す図、図9(b)は収納手段240の例としての包丁差し240bを示す図、図9(c)は収納ケース240aと包丁差し240bを梁174に掛着する方法を説明する図である。
【0046】
図9(a)に示すように、収納ケース240aは、仕切242と複数の仕切溝244を有し、仕切242の位置を使用者が適宜変更可能となっている。また、図9(b)に示すように、包丁差し240bは、ロック機構246を有し、包丁を差し込んでロック機構246のレバー246aを切り替えることによって、包丁のロックまたはロックを解除できるようになっている。
【0047】
そして、図9(c)に示すように、収納ケース240aおよび包丁差し240bは、上縁の一辺に形成された鉤状の引掛け部248で梁174に着脱可能に掛着され、引出160内部に配置される。なお、かかる引掛け部248を形成した収納手段240であれば、上述した例(収納ケース240a、包丁差し240b)に限らず梁174に掛着することができる。
【0048】
図10は案内レール250について説明する図である。特に、図10(a)は壁板設置部材252に形成された案内レール250を示す図、図10(b)は図10(a)のA−A断面図である。
【0049】
図10(a)に示すように、案内レール250は、プーリ190を案内するレールであって、プラスチックや金属等からなる壁板設置部材252に形成される。そして、壁板設置部材252は、第2案内レール254(引出160自体のレール)よりも上側の壁板164に設置される。
【0050】
案内レール250は、プーリ190の上側を案内する上面と下側を案内する下面とを有する溝形状を有する。なお、本実施形態では案内レール250を溝形状としているが、上記の上面と下面があればよく、例えば並行して立設された上下のリブによって案内レール250を構成してもよい。
【0051】
案内レール250は、奥側から手前側にかけてプーリ190を低い位置に案内する傾斜部250aを有する。かかる傾斜部250aは、引出160が引き出されるにしたがってプーリ190を低い位置に案内し、逆に引出160が押し込まれるにしたがってプーリ190を高い位置に案内する。これにより、引出160の開け閉めに伴い、収納手段240を昇降させることができる。
【0052】
また、案内レール250の傾斜部250aの両端には、ほぼ水平にプーリ190を案内する水平部250bが設けられる。詳述すると、バネ206による付勢力と、収納手段240と支持部材170および収納物の重量は相殺する方向に作用し、アーム180にはその合力に従って回転モーメントが生じる。この回転モーメントがアーム180の奥側端部にあるプーリ190を傾斜部250aに付勢するため、回転モーメントが傾斜部250aに対する法線方向と接線方向に分解されて、さらに接線方向の力が垂直方向と水平方向に分解される。したがって、傾斜部250aにプーリ190が位置する場合に引出160から手を離すと、プーリ190には、水平方向の分力によって手前側または奥側に移動する力が発生するため、極端な場合は引出160全体がゆるやかに移動する。しかし、水平部250bにプーリ190が位置する場合には、水平方向の分力が発生しないため、プーリ190が移動することはない。すなわち、水平部250bにプーリ190が位置する場合には、引出160が自然に開閉することはない。
【0053】
さらに、図10(b)に示すように、案内レール250は、下面の縁に上方(上面の縁)に向かって屹立する脱輪防止用のリブ250cを有する。これにより、プーリ190の脱輪を確実に防止することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては下面にのみリブ250cを設けている。上述したように、バネ206による付勢力と、収納手段240と支持部材170および収納物の重量は相殺する方向に作用し、バネ206の付勢力が勝てばプーリ190は傾斜部250aの下面に付勢され、収納物等の重量が勝てばプーリ190は上面に付勢される。したがって、プーリ190が上面に付勢される場合も想定されるため、上面と下面の両方の縁にリブ250cを設けてもよい。しかし、収納手段240に収納物がない場合にはプーリ190は下面に付勢される。また、収納手段240には載荷重量を記載するため、収納物の重さが極端に過剰とならないことを期待することができる。さらに、上面および下面の両方にリブ250cを設けると、プーリ190が万が一にも両方のリブ250cに噛んでしまって動きにくくなるおそれがある。そこで上記実施形態に示すように、下面にのみリブ250cを設ける方が好ましい。
【0055】
なお、傾斜部250aと水平部250bの交点には、プーリ190の半径よりも曲率半径の大きいアールが付けられる。これにより、傾斜部250aから水平部250bへ移行する地点において、好適にプーリ190を案内(移動)することができる。
【0056】
図2、図3に戻り、第2案内レール254は、引出160を案内するレールであって、案内レール250よりも壁板164の下側に配置される。かかる第2案内レール254については、引出160が摺動可能であればいかなるものを用いてもよい。
【0057】
以上、収納庫100の各構成要素について詳述した。次に、かかる収納庫100の引出160を引き出す際の態様、および引出160を押し込む際の態様について詳述する。
【0058】
(引出160開閉時の態様)
図11は引出160を引き出す際の態様について説明する図である。特に、図11(a)は引出160が閉められた状態を示す図、図11(b)は中ほどまで引出160が引き出された状態を示す図、図11(c)は概ね引出160が引き出された状態を示す図である。
【0059】
図11(a)に示すように引出160が閉められた状態においては、プーリ190は案内レール250上の高い位置の水平部250bにあり、収納手段240は低い位置に支持される。このとき、柱部材200のバネ206は、最も伸びた(テンションがかかった)状態にあり、その付勢力は収納手段240を上昇させるように働いている。換言すれば、アーム180とプーリ190によって、支持部材170(収納手段240)をバネ206の付勢力に抗して押し下げている。
【0060】
この状態から引出160を引き出し、図11(b)に示すようにプーリ190が傾斜部250aに達すると、プーリ190の下降に伴い、ブラケット220を軸にアーム180が回動して収納手段240が上昇する。このとき、収納物等の重量は引出160が戻る方向の分力を生じるが、バネ206の付勢力は引出160が出る方向の分力を生じる。このため、使用者は過度な力を要せずに引出160を引き出すことができる。設計条件としてバネ206の付勢力が勝るようにその強さを設定するため、原則としては、バネ206によって引出160を引き出す際に要する力の低減が図られる。
【0061】
そして、さらに引出160を引き出しプーリ190が傾斜部250aから脱すると、図11(c)に示す状態となる。すなわち、概ね、引出160が引き出された状態においては、プーリ190は案内レール250の低い位置の水平部250bにあり、収納手段240は高い位置に支持される。
【0062】
一方、引出160を押し込む際には上記と逆の態様となる。すなわち、図11(c)に示す状態から引出160を押し込むと、プーリ190が傾斜部250aに案内されて上昇し、アーム180が回動して、支持部材170(収納手段240)がバネ206の付勢力に抗して下方に移動する。そして、図11(b)に示す状態になり、さらに引出160を押し込むと図11(a)の状態へと戻る。
【0063】
以上、本実施形態にかかる収納庫100の態様について説明した。上述したように、収納庫100は、引出160全体ではなく内部に設けられた収納手段240を引出160の開閉に連動させて上下方向に移動させるため、使用者は過度な力を要せずに引出160を開閉することができる。さらに、ブラケット220によるアーム180の軸支により各部材の剛性が高くなり、またリンク機構のアライメントが高くなることから、収納手段240の移動の際のがたつきを低減することができる。よって、収納手段240を好適に昇降させることができる。
【0064】
すなわち、本実施形態にかかる収納庫100によれば、がたつきを抑えつつ収納手段240を昇降させることにより、低い位置の引出160であっても腰を曲げずに容易に収納物を収納する(または取り出す)ことができる。
【0065】
(軸支位置)
図12はアーム180の形状と軸支位置の他の構成について説明する図である。ここでは、上述した収納庫100とは、アーム380、案内レール450の点で異なる収納庫300を用いて最適な軸支位置について詳述する。
【0066】
上記説明においてアーム180は直線状であるように図示して説明したが、本実施形態はこれに限らず、適宜最適な寸法関係をとることができる。
【0067】
まず、支持部材170とアーム380を連結する連結部182は長穴であると説明したが、アーム380は回転モーメントによって支持部材170を上下させるため、支持部材170の移動方向が回転モーメントの方向になるべく近いことが好ましい。そこで、ブラケット220による上下方向のアーム380の軸支位置(高さ)は、収納手段240が移動し得る範囲の中間の高さ(すなわち、上昇位置および下降位置からL1の高さ)に設定することが好ましい。また、これにより、連結部182である長穴の大きさ(長さ)を最も小さくすることもできる。
【0068】
また、案内レール450によるプーリ190の動作を円滑にするためには、案内レール450の上下幅を大きくとることが好ましい。ここで、案内レール450の最大の上下幅は概ね引出160の高さとなるが、前端の連結部182が移動範囲の中点にあるとき(上昇位置および下降位置からL1の高さ)、プーリ190も案内レール450のL2の高さ方向の中点(上端および下端からL2の高さ)にある必要がある(図12の状態)。したがって図12に示すように、アーム380は必要に応じて屈曲した形状とすることができる。
【0069】
また、ブラケット220による前後方向のアーム380の軸支位置は、収納手段240の(連結部182の)移動範囲と、他端のプーリ190の移動範囲の比を定める要因となる。すなわち、アーム380の中間点を軸支すれば、収納手段240の上下方向の移動範囲(すなわちL1×2)は、案内レール450の上下幅(L2×2)と等しくなる。そして、プーリ190に近い位置でアーム380を軸支するほど収納手段240の上下方向の移動範囲は大きくなり(L1×2>L2×2)、連結部182(収納手段240)に近い位置でアーム380を軸支するほど収納手段240の上下方向の移動範囲は小さくなる(L1×2<L2×2)。
【0070】
また、収納手段240を昇降させる回転モーメントの点では、プーリ190に近い位置でアーム380を軸支する程その力が弱くなり、連結部182(収納手段240)に近い位置でアーム380を軸支する程その力が強くなる。
【0071】
ここで、図12では、収納手段240を昇降させたい範囲(所望の上下方向の移動範囲)よりも、案内レール450の上下幅が相対的に大きい場合を想定している。かかる場合には、連結部182(収納手段240)に近い位置でアーム380を軸支して、回転モーメントによる力を強くすることができる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、引出の内部に1以上の収納手段を備える収納庫に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
100、300…収納庫、102…膝上収納庫、104…足下収納庫、110…キッチン、120…天板、120a…調理スペース、130…コンロキャビネット、132…コンロ、134…グリル、136…操作パネル、138…スパイスボックス、140…ベースキャビネット、150…シンクキャビネット、152…水栓、154…シンク、160…引出、160a…前板、160b…側板、160c…背板、160d…底板、162…仕切板、164…壁板、170…支持部材、172…支持基体、172a…摺動軸、174…梁、176…スライダ、178…ローラ、180、380…アーム、182…連結部、190…プーリ、200…柱部材、202…柱基体、202a…凸部、202b…ガイドレール、204…スライドレール、206…バネ、208…バネ調節機構、208a…ブロック片、208b…調節ネジ、210…突出部、212…ネジ蓋、214…蓋、214a…観察窓、220…ブラケット、222、224…連結フレーム、230、232…ギャラリーパイプ、240…収納手段、240a…収納ケース、240b…包丁差し、242…仕切、244…仕切溝、246…ロック機構、246a…レバー、248…引掛け部、250、450…案内レール、250a…傾斜部、250b…水平部、250c…リブ、252…壁板設置部材、254…第2案内レール、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出と、
前記引出の内部に設けられた収納手段と、
前記収納手段を支持する支持部材と、
前記支持部材を上下方向に移動可能に前記引出と連結する柱部材と、
中途部を回動自在に軸支されたアームと、
前記アームの一端に設けられ、前記支持部材と連結する連結部と、
前記アームの他端に設けられたプーリと、
前記プーリを案内する案内レールと、
を備え、
前記案内レールは、奥側から手前側にかけて前記プーリを低い位置に案内する傾斜部を有し、前記引出を引き出すと前記プーリが前記傾斜部に案内されて下降し、前記アームが回動して前記支持部材が上方に移動することを特徴とする収納庫。
【請求項2】
前記柱部材は、前記支持部材を上方に付勢するバネを有することを特徴とする請求項1に記載の収納庫。
【請求項3】
前記案内レールは前記プーリの上側を案内する上面と下側を案内する下面とを有する溝形状であって、
前記引出を押し込むと、前記プーリが前記傾斜部の下面に案内されて上昇し、前記アームが回動して、前記支持部材が前記バネの付勢力に抗して下方に移動することを特徴とする請求項2に記載の収納庫。
【請求項4】
前記案内レールは、溝形状の上面または下面のいずれか一方の縁に、対向する縁に向かって屹立する脱輪防止用のリブを有することを特徴とする請求項3に記載の収納庫。
【請求項5】
前記連結部は、前記支持部材に設けられた摺動軸と嵌合する長穴であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の収納庫。
【請求項1】
引出と、
前記引出の内部に設けられた収納手段と、
前記収納手段を支持する支持部材と、
前記支持部材を上下方向に移動可能に前記引出と連結する柱部材と、
中途部を回動自在に軸支されたアームと、
前記アームの一端に設けられ、前記支持部材と連結する連結部と、
前記アームの他端に設けられたプーリと、
前記プーリを案内する案内レールと、
を備え、
前記案内レールは、奥側から手前側にかけて前記プーリを低い位置に案内する傾斜部を有し、前記引出を引き出すと前記プーリが前記傾斜部に案内されて下降し、前記アームが回動して前記支持部材が上方に移動することを特徴とする収納庫。
【請求項2】
前記柱部材は、前記支持部材を上方に付勢するバネを有することを特徴とする請求項1に記載の収納庫。
【請求項3】
前記案内レールは前記プーリの上側を案内する上面と下側を案内する下面とを有する溝形状であって、
前記引出を押し込むと、前記プーリが前記傾斜部の下面に案内されて上昇し、前記アームが回動して、前記支持部材が前記バネの付勢力に抗して下方に移動することを特徴とする請求項2に記載の収納庫。
【請求項4】
前記案内レールは、溝形状の上面または下面のいずれか一方の縁に、対向する縁に向かって屹立する脱輪防止用のリブを有することを特徴とする請求項3に記載の収納庫。
【請求項5】
前記連結部は、前記支持部材に設けられた摺動軸と嵌合する長穴であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の収納庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−19837(P2011−19837A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169374(P2009−169374)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】
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