説明

収納箱の仕切構造及び収納箱

【課題】仕切板の着脱が容易で、かつ移動が安定する収納箱の仕切構造及び収納箱を提供する。
【解決手段】仕切構造1を、引き出し100に係止される第一の仕切板8と、第一の仕切板8に着脱かつ摺動可能に係合される第二の仕切板9と、で構成する。
第一の仕切板8を、上端部に形成された摺動ガイド部10と、摺動ガイド部の下方に形成された平板状の本体部11と、で構成する。第二の仕切板9を、第一の仕切板8と摺接する摺動板19と、摺動板19の上部に形成され摺動ガイド部10を外嵌する嵌合部20と、摺動板19から第二の仕切板9の摺動方向と直交する方向に突出する板部21と、で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変動する収納物の量、サイズにフレキシブルに対応できる収納箱の仕切構造及び収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の引き出しの仕切り装置として、特許文献1に記載されるものがあった。
【0003】
特許文献1において、相対する前壁部及び後壁部間に第1の仕切り部材が掛け渡され、第1の仕切り部材に第2の仕切り部材が前後方向に移動可能に設けられていた。第1の仕切り部材は仕切り本体面と、仕切り本体面の上下両縁側に形成された上下一対のガイド溝とを備え、第2の仕切り部材は、ガイド溝に係合可能な上下幅を備えたスライド板と、これに一体的に設けられた可動仕切り面と、を備えていた。スライド板は途中に傾斜面部を備えて板ばね作用を発揮しうるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−127999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の仕切り装置では、第2の仕切り部材のスライド板の前後何れかの端部を第1の仕切り部材の前端又は後端より差し込んで、第1の仕切り部材と第2の仕切り部材とを係合して、一体化させてから引き出しに装着しなければならず、仕切り装置の装着がスムーズにいかないという問題があった。
【0006】
また、第2の仕切り部材のスライド板は、第1の仕切り部材のガイド溝の溝幅よりも大きく屈曲して、板ばね作用を有しているので、第2の仕切り部材を移動させた時に、第2の仕切り部材のスライド板が弾性変形しその移動が安定しないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、仕切板の着脱が容易で、かつ移動が安定する収納箱の仕切構造及び収納箱を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、収納箱に係止される第一の仕切板と、該第一の仕切板に着脱かつ摺動可能に係合される第二の仕切板と、を備える収納箱の仕切構造であって、
前記第一の仕切板は、上端部に形成された摺動ガイド部と、該摺動ガイド部の下方に形成された平板状の本体部と、を備え、
前記第二の仕切板は、前記第一の仕切板と摺接する摺動板と、該摺動板の上部に形成され前記摺動ガイド部の外側に嵌合される嵌合部と、前記摺動板から前記第二の仕切板の摺動方向と直交する方向に突出する板部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記第一の仕切板の前記摺動ガイド部は、断面略コ字状又は断面逆U字状に形成され、前記第二の仕切板の前記嵌合部が、それぞれ対応する断面略コ字状又は断面逆U字状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記第二の仕切板の前記嵌合部の自由端部には、前記摺動板側に突出して前記摺動ガイド部の自由端部と係合する突辺が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記摺動ガイド部と前記本体部の間には、前記摺動ガイド部が突出する側と同一の側に少なくとも前記本体部と前記摺動ガイド部の自由端部との間隔と同じ長さ分突出する逃がしガイド部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記第一の仕切板の左右端部と下端部には、前記収納箱と係合可能な係止片が配設されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記第一の仕切板の左右端部と下端部には、前記収納箱と係合可能な係止片が配設され、前記第一の仕切板の左右端部の各係止片が、前記逃がしガイド部に配設され、前記第一の仕切板の下端部の係止片が、前記本体部に配設されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6のいずれか一項に記載の収納箱の仕切構造を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、底壁部と、該底壁部と連接して対向する一対の側壁部と、該各側壁部を連結する背壁部と、該背壁部と対向する前壁部と、を備え、少なくとも各前記側壁部と、前記背壁部の上端部には、前記第二の仕切板の前記嵌合部が外嵌される外縁ガイド部が設けられ、少なくとも前記底壁部と、各前記側壁部には、前記第一の仕切板と係合可能な係止孔が配設されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、前記底壁部に配設された係止孔は、平面視において、各前記側壁部に配設された対向する位置にある前記係止孔どうしを結んだ線上から外れた位置に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明では、第二の仕切板を、第一の仕切板と摺接する摺動板と、摺動板の上部に形成され摺動ガイド部の外側に嵌合される嵌合部と、を備える構成にしている。これにより、摺動板が第一の仕切板と面接触してガイドとして機能し、位置ブレを防止するので、それに伴い第二の仕切板の移動を安定させることができる。また、摺動ガイド部に嵌合部を嵌め外しするだけでよいので、第二の仕切板の着脱を容易にすることができる。さらに、収納箱の仕切構造を一体化させることなく、第一の仕切板を収納箱に装着した後に、第二の仕切板を装着することができる。
【0018】
請求項2記載の発明では、第一の仕切板の摺動ガイド部を、断面略コ字状又は断面逆U字状に形成して、第二の仕切板の嵌合部を、それぞれ対応する断面略コ字状又は断面逆U字状に形成しているので、断面略コ字状又は断面逆U字状にした摺動ガイド部により、第一の仕切板の強度及び摺動ガイド部の厚みを確保することができる。また、摺動ガイド部及び嵌合部の形状を略同一にすることで嵌め合いをよくすることができる。
【0019】
請求項3記載の発明では、第二の仕切板の嵌合部の自由端部に、摺動板側に突出して摺動ガイド部の自由端部と係合する突辺を設けている。これにより、摺動ガイド部の自由端部と係合する突辺がストッパーとなるので、第二の仕切板を移動させる際に脱落することがなくなり、第二の仕切板の移動を安定させることができる。
【0020】
請求項4記載の発明では、摺動ガイド部と本体部の間に、摺動ガイド部が突出する側と同一の側に少なくとも本体部と摺動ガイド部の自由端部との間隔と同じ長さ分突出する逃がしガイド部を形成しているので、収納箱に収納されている収納物を上方に取り出す際、収納物を摺動ガイド部の垂直部に当ててしまい、収納物が破損することを防止することができる。
【0021】
請求項5記載の発明では、第一の仕切板の左右端部と下端部に、収納箱と係合可能な係止片を配設している。これにより、第一の仕切板を三点で係合するとともに、第一の仕切板の形態が安定し、第二の仕切板の移動を安定させることができる。
【0022】
請求項6記載の発明では、第一の仕切板の左右端部の各係止片を、逃がしガイド部に配設して、第一の仕切板の下端部の係止片を、本体部に配設している。
【0023】
これにより、第一の仕切板の下端部の係止片を、平面視において、第一の仕切板の左右端部に配設された対向する位置にある係止片どうしを結んだ線上から外れた位置に形成することになり、取付方向を間違えれば、第一の仕切板と収納箱とを係止出来ないので装着不能となり、誤装着を防止することができる。
【0024】
請求項7記載の発明では、収納箱に備えられている、上述した請求項1乃至5記載のうちのいずれかの収納箱の仕切構造の効果を奏することができる。
【0025】
請求項8記載の発明では、収納箱の少なくとも各側壁部と、背壁部の上端部に、第二の仕切板の嵌合部が外嵌される外縁ガイド部を備えているので、第二の仕切板を外縁ガイド部に外嵌させることが可能となるため、収納物の形状、大きさに応じて収納スペースをフレキシブルにレイアウトすることができる。
【0026】
また、少なくとも底壁部と、各側壁部に、第一の仕切板と係合可能な係止孔を配設しているので、第一の仕切板を三点で係合することになり、第一の仕切板の形態が安定し、第二の仕切板の移動を安定させることができる。
【0027】
請求項9記載の発明では、底壁部に配設された係止孔を、平面視において、各側壁部に配設された対向する位置にある係止孔どうしを結んだ線上から外れた位置に形成している。これにより、取付方向を間違えれば、第一の仕切板と収納箱とを係止出来ないので装着不能となり、誤装着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明における一実施形態の収納箱の仕切構造が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】図1におけるG部分の前壁部側から見た断面図である。
【図3】本実施形態の収納箱の仕切構造が取り付けられた状態の平面図である。
【図4】本実施形態の収納箱の仕切構造の第一の仕切板の斜視図である。
【図5】本実施形態の収納箱の第一の仕切板と第二の仕切板とを嵌合させた部分拡大断面図である。
【図6】本実施形態の収納箱の仕切構造の第二の仕切板の斜視図である。
【図7】本実施形態の収納箱の仕切構造の第二の仕切板の側面図である。
【図8】本実施形態の収納箱の仕切構造の取付状態を示す斜視図である。
【図9】図3におけるH−H間断面図である。
【図10】図3におけるK−K間断面図である。
【図11】摺動ガイド部の変形例を示す断面図である。
【図12】摺動ガイド部及び嵌合部の他の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明における収納箱の仕切構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、図1における底壁部2を下、その反対側を上とする。前壁部5側を前、背壁部4側を後ろとする。引き出し100の場合の左右を左右方向、とする。
【0030】
図1に示すように、引き出し(収納箱)100は、収納箱の仕切構造(以下、「仕切構造」という。)1を備え、上部が開口した箱状に形成されている。
【0031】
引き出し100は、図1に示すように、金属で形成され、底壁部2と、底壁部2と連接して対向する一対の側壁部3と、各側壁部3を連結する背壁部4と、背壁部4と対向する前壁部5と、を備えている。
【0032】
引き出し100の各側壁部3と、背壁部4の上端部には、図1に示すように、後述する第二の仕切板9の嵌合部20が外嵌される外縁ガイド部6を備えている。
【0033】
外縁ガイド部6は、図2に示すように、各側壁部3及び背壁部4から直交して引き出し100の外側に屈曲した水平部61と、水平部61から下方に延びて各側壁部3及び背壁部4と平行に屈曲した垂直部62と、を備えて、断面略コ字状に形成されている。
【0034】
引き出し100は、図1に示すように、底壁部2と、各側壁部3に、第一の仕切板8と係合可能な係止孔7が配設されている。図3に示すように、底壁部2に配設された係止孔71は、平面視において、各側壁部3に配設された対向する位置にある係止孔72どうしを結んだ線上から外れた位置に形成されている。
【0035】
仕切構造1は、図1に示すように、収納箱に係止される第一の仕切板8と、第一の仕切板8に着脱かつ摺動可能に係合される第二の仕切板9と、を備えている。
【0036】
第一の仕切板8は、金属で形成され、図4に示すように、上端部に形成された摺動ガイド部10と、摺動ガイド部10の下方に形成された平板状の本体部11と、を備えている。
【0037】
摺動ガイド部10は、図5に示すように、本体部11に対し直交して屈曲した水平部12と、水平部12から下方に延びて本体部11と平行に屈曲した垂直部13と、を備えて、断面略コ字状に形成されている。
【0038】
摺動ガイド部10と本体部11の間には、図4、9に示すように、水平部12が屈曲する側と同一の側に突出する、逃がしガイド部14が形成されている。逃がしガイド部14は、本体部11と垂直部13との間隔と同じ長さ分突出している。
【0039】
逃がしガイド部14は、本体部11から連接して側面視において斜め上方に屈曲した下傾斜壁部15と、摺動ガイド部10から連接して側面視において斜め下方に屈曲した上傾斜壁部16と、下傾斜壁部15及び上傾斜壁部16とそれぞれ連接して本体部11と平行に形成された平行壁部17と、で構成されている。
【0040】
第一の仕切板8の下端部と左右端部には、図4に示すように、引き出し100と係合可能な係止片18が配設されている。第一の仕切板8の下端部の係止片181は、第一の仕切板8の本体部11の下端部中央に配設され、第一の仕切板8の左右端部の各係止片182は、逃がしガイド部14の平行壁部17に配設されている。
【0041】
第二の仕切板9は、図6、7に示すように、ポリプロピレンで形成され、第一の仕切板8と摺接する摺動板19と、摺動板19の上部に形成され摺動ガイド部10の外側に嵌合される嵌合部20と、摺動板19から第二の仕切板9の摺動方向と直交する方向に突出する板部21と、を備えている。
【0042】
第二の仕切板9の嵌合部20は、図5に示すように、断面略コ字状で、自由端部に摺動板側に突出して垂直部13の下端部(自由端部)と係合する突辺22を有している
板部21は、図6、7に示すように、上部の嵌合部20側の角部分に、把持部23を有している。把持部23には、有底溝状の滑り止め24が形成されている。
【0043】
本実施形態の収納箱の仕切構造1の使用方法は、図8に示すように、引き出し100の底壁部2に配設された係止孔71に第一の仕切板8の下端部の係止片181を、各側壁部3に配設された各係止孔72に逃がしガイド部14に配設された各係止片182を、それぞれ挿入して、引き出し100と、第一の仕切板8とを係止させる。
【0044】
第二の仕切板9の嵌合部20を、図9に示すように、第一の仕切板8の摺動ガイド部10に外嵌させ、垂直部13の下端部と突辺22とを係合させる。把持部23を手で把持して第二の仕切板9を摺動させて任意の位置に移動させる。
【0045】
第二の仕切板9の嵌合部20を、図10に示すように、外縁ガイド部6に外嵌させ、第二の仕切板9を摺動させて任意の位置に移動させる。
【0046】
レイアウトを変更する場合には、逆の手順で第二の仕切板9を移動、取り外して行なう。
【0047】
本実施形態の収納箱の仕切構造1では、第二の仕切板9を、第一の仕切板8と摺接する摺動板19と、摺動板19の上部に形成され摺動ガイド部10の外側に嵌合される嵌合部20と、を備える構成にしている。これにより、摺動板19が第一の仕切板8と摺接して位置が安定するので、それに伴い第二の仕切板9の移動を安定させることができる。また、摺動ガイド部10に嵌合部20を嵌め外しするだけでよいので、第二の仕切板9の着脱を容易にすることができる。さらに、収納箱の仕切構造1を一体化させることなく、第一の仕切板8を引き出し100に装着した後に、第二の仕切板9を装着することができる。
【0048】
また、第一の仕切板8の摺動ガイド部10を、本体部11から直交して屈曲した水平部12と、水平部12から下方に延びて本体部11と平行に屈曲した垂直部13と、を備える断面略コ字状に形成して、第二の仕切板9の嵌合部20を、断面略コ字状で自由端部に摺動板19側に突出して垂直部13の下端部と係合する突辺22を有するようにしている。これにより、摺動ガイド部10及び嵌合部20の形状を略同一にして嵌め合いをよくするとともに、垂直部13の下端部と係合する突辺22がストッパーとなるので、第二の仕切板9を移動させる際に脱落することがなくなり、第二の仕切板9の移動を安定させることができる。さらに、屈曲した水平部12及び垂直部13により、第一の仕切板8の強度及び摺動ガイド部10の厚みを確保することができる。
【0049】
また、板部21の上部の嵌合部20側の角部分に、把持部23を有し、把持部23に、滑り止め24を形成しているので、板部21の剛性の強い部分を手で持つことになるので、第二の仕切板9の移動、着脱を容易にすることができる。
【0050】
また、摺動ガイド部10と本体部11の間に、水平部12が屈曲する方向と同一方向に少なくとも本体部11と垂直部13との間隔と同じ長さ分突出する逃がしガイド部14を形成しているので、引き出し100に収納されている収納物を上方に取り出す際、収納物を摺動ガイド部10の垂直部13に当ててしまい、収納物が破損することを防止することができる。
【0051】
また、第一の仕切板8の左右端部と下端部に、引き出し100と係合可能な係止片181、182を配設している。これにより、第一の仕切板8を三点で係合するとともに、第一の仕切板8の形態が安定し、第二の仕切板9の移動を安定させることができる。
【0052】
また、第一の仕切板8の左右端部の各係止片182を、逃がしガイド部14の平行壁部17に配設して、第一の仕切板8の下端部の係止片181を、本体部11に配設している。
【0053】
これにより、第一の仕切板8の下端部の係止片181を、平面視において、第一の仕切板8の左右端部に配設された対向する位置にある係止片182、182どうしを結んだ線上から外れた位置に形成することになり、取付方向を間違えれば、第一の仕切板8と引き出し100とを係止出来ないので装着不能となり、誤装着を防止することができる。
【0054】
また、引き出し100の各側壁部3と、背壁部4の上端部に、第二の仕切板9の移動を案内する外縁ガイド部6を備え、外縁ガイド部6を、各側壁部3及び面部41から直交して引き出し100の外側に屈曲した水平部61と、水平部61から下方に延びて各側壁部3及び背壁部4と平行に屈曲した垂直部62と、を備えて、断面略コ字状に形成している。これにより、摺動ガイド部10と同様に、第二の仕切板9を外縁ガイド部6に外嵌させることが可能となるため、収納物の形状、大きさに応じて収納スペースをフレキシブルにレイアウトすることができる。
【0055】
また、底壁部2と、各側壁部3に、第一の仕切板8と係合可能な係止孔7を配設しているので、第一の仕切板8を三点で係合することになり、第一の仕切板8の形態が安定し、第二の仕切板9の移動を安定させることができる。
【0056】
また、底壁部2に配設された係止孔71を、平面視において、各側壁部3に配設された対向する位置にある係止孔72どうしを結んだ線上から外れた位置に形成している。これにより、取付方向を間違えても、第一の仕切板8と引き出し100とを係止出来ないので、誤装着を防止することができる。
【0057】
なお、逃がしガイド部14の上傾斜壁部16を、図11に示すように、側面視において摺動ガイド部10の上端から垂直部13の下端と略同一の長さの位置で屈曲させて形成してもよい。この場合、第二の仕切板9を第一の仕切板8の面方向に関係なく両面に嵌合させることができる。
【0058】
また、第一の仕切板8の強度及び摺動ガイド部10の厚みを確保することができるものであれば、上記の実施形態に示した断面、嵌合状態には、こだわらない。例えば、図12に示すように、摺動ガイド部10Aと、嵌合部20Aの断面を逆U字状に形成して、嵌合部20A自由端部に摺動板19側に突出して摺動ガイド部10Aの自由端部と係合する突辺22を形成することもできる。これにより、第一の仕切板8Aの強度及び摺動ガイド部10Aの厚みを確保することができ、摺動ガイド部10A及び嵌合部20Aの形状を略同一にすることで嵌め合いをよくすることができる。また、第二の仕切板9Aを移動させる際に脱落することがなくなり、第二の仕切板9Aの移動を安定させることができる。
【0059】
また、外縁ガイド部6を引き出し100の各側壁部3と、背壁部4の上端部だけでなく、前壁部5側にも設けて、引き出し100の外縁全周に備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
100 引き出し
1 仕切構造
2 底壁部
3 側壁部
4 背壁部
5 前壁部
6 外縁ガイド部
7 係止孔
71 係止孔
72 係止孔
8、8A 第一の仕切板
9、9A 第二の仕切板
10、10A 摺動ガイド部
11 本体部
14 逃がしガイド部
18 係止片
181 係止片
182 係止片
19 摺動板
20、20A 嵌合部
21 板部
22 突辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納箱に係止される第一の仕切板と、該第一の仕切板に着脱かつ摺動可能に係合される第二の仕切板と、を備える収納箱の仕切構造であって、
前記第一の仕切板は、上端部に形成された摺動ガイド部と、該摺動ガイド部の下方に形成された平板状の本体部と、を備え、
前記第二の仕切板は、前記第一の仕切板と摺接する摺動板と、該摺動板の上部に形成され前記摺動ガイド部の外側に嵌合される嵌合部と、前記摺動板から前記第二の仕切板の摺動方向と直交する方向に突出する板部と、を備えていることを特徴とする収納箱の仕切構造。
【請求項2】
前記第一の仕切板の前記摺動ガイド部は、断面略コ字状又は断面逆U字状に形成され、
前記第二の仕切板の前記嵌合部が、それぞれ対応する断面略コ字状又は断面逆U字状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の収納箱の仕切構造。
【請求項3】
前記第二の仕切板の前記嵌合部の自由端部には、前記摺動板側に突出して前記摺動ガイド部の自由端部と係合する突辺が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の収納箱の仕切構造。
【請求項4】
前記摺動ガイド部と前記本体部の間には、前記摺動ガイド部が突出する側と同一の側に少なくとも前記本体部と前記摺動ガイド部の自由端部との間隔と同じ長さ分突出する逃がしガイド部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の収納箱の仕切構造。
【請求項5】
前記第一の仕切板の左右端部と下端部には、前記収納箱と係合可能な係止片が配設されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の収納箱の仕切構造。
【請求項6】
前記第一の仕切板の左右端部と下端部には、前記収納箱と係合可能な係止片が配設され、
前記第一の仕切板の左右端部の各係止片が、前記逃がしガイド部に配設され、
前記第一の仕切板の下端部の係止片が、前記本体部に配設されていることを特徴とする請求項5記載の収納箱の仕切構造。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6のいずれか一項に記載の収納箱の仕切構造を備えていることを特徴とする収納箱。
【請求項8】
底壁部と、該底壁部と連接して対向する一対の側壁部と、該各側壁部を連結する背壁部と、該背壁部と対向する前壁部と、を備え、
少なくとも各前記側壁部と、前記背壁部の上端部には、前記第二の仕切板の前記嵌合部が外嵌される外縁ガイド部が設けられ、
少なくとも前記底壁部と、各前記側壁部には、前記第一の仕切板と係合可能な係止孔が配設されていることを特徴とする請求項7記載の収納箱。
【請求項9】
前記底壁部に配設された係止孔は、平面視において、各前記側壁部に配設された対向する位置にある前記係止孔どうしを結んだ線上から外れた位置に形成されていることを特徴とする請求項8記載の収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−76800(P2012−76800A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224192(P2010−224192)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000213138)中日産業株式会社 (20)
【Fターム(参考)】