収納袋
【課題】 重ね合わせた状態が保持されて嵩張らない収納袋を提供する。
【解決手段】 収納袋1は、収納部12と使用時に折り曲げて収納部12に重ねられる覆い部13とを有する収納体10と、収納部12と覆い部13との折り曲げ部分に設置された折り曲げ自在且つ可塑性を有する一対の骨体50a及び50bとからなる。覆い部13は第1シート体21a及び21bから、収納部12は第2シート体22からそれぞれ構成され、一方の第1シート体21aの厚さは、他方の第1シート体21b及び第2シート体22の厚さより薄く設定されている。折り曲げ位置の部分には、他の部分の厚さよりも薄い厚さの線条40a〜40eが形成されている。折り曲げ時には、線条40a〜40eの各々により折り曲げ抵抗が減少し、又、重ね合った覆い部13の厚さの抑制と共に骨体50a及び50bにより折り曲げ状態が安定するから、折り曲げ状態が嵩張らない。
【解決手段】 収納袋1は、収納部12と使用時に折り曲げて収納部12に重ねられる覆い部13とを有する収納体10と、収納部12と覆い部13との折り曲げ部分に設置された折り曲げ自在且つ可塑性を有する一対の骨体50a及び50bとからなる。覆い部13は第1シート体21a及び21bから、収納部12は第2シート体22からそれぞれ構成され、一方の第1シート体21aの厚さは、他方の第1シート体21b及び第2シート体22の厚さより薄く設定されている。折り曲げ位置の部分には、他の部分の厚さよりも薄い厚さの線条40a〜40eが形成されている。折り曲げ時には、線条40a〜40eの各々により折り曲げ抵抗が減少し、又、重ね合った覆い部13の厚さの抑制と共に骨体50a及び50bにより折り曲げ状態が安定するから、折り曲げ状態が嵩張らない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は収納袋に関し、特にある程度の厚みを有する収納袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は、従来の収納袋の正面図であり、図13は、図12で示したXIII−XIIIラインの断面図であって中腹部分を切り取った図であり、図14は、図13で示した収納袋の使用状態を示した断面斜視図である。
【0003】
これらの図を参照して、収納袋80は、ポリエチレンやビニール等よりなり、口部81の近傍内部に対向内面に、互いに着脱しうる凹条線82及び凸条線83よりなるチャック84を設けることにより、口部81が開閉自在とされている。内部にはチャック84の下方位置において収納袋80よりやや小さく形成された独立気泡を有する合成樹脂製の断熱袋85が収納されると共に、接着剤等によって断熱袋85の口縁部が収納袋80に一体とされている。断熱袋85の接着部86の上方位置における収納袋80の略中央部には、穿設された手提穴87が形成されている。
使用に当たっては、口部81を開き、断熱袋85の内部に収納物90を入れた後にチャック84を噛合させて口部81を閉じる。すると、断熱袋85の内部は外気から遮断されると共に、収納物90はその全体が断熱袋85によって被覆されるため、収納物90に対する外気の影響が極めて少なくなり、収納物90の保冷状態又は保温状態を長時間維持することが可能となる。尚、収納物90の取り出しはチャック84を開くのみで簡単に行いうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭49−77021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の収納袋は、断熱袋が内蔵されているために全体的に厚みがあり、収納物を入れた場合に嵩張ってしまう。尚、収納物を入れた状態で収納袋の余った部分を折り畳んで嵩を減らそうとしても、断熱袋の厚みのために上手く畳めず嵩張ったままとなる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、重ね合わせた状態が保持されて嵩張らない収納袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、開口部を有する袋状に形成され、開口部と反対側の収納部と開口部側であって使用時に折り曲げて収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体と、収納部と覆い部との折り曲げ位置に取り付けられ、折り曲げ自在で且つ可塑性を有する屈曲体とを備えたものである。
【0008】
このように構成すると、折り曲げに伴って屈曲体も変形する。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、屈曲体は棒形状を有する骨体よりなり、骨体は折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられるものである。
【0010】
このように構成すると、折り曲げ位置の許容範囲が拡大する。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、収納体は、開口部を上にした時の正面視で矩形形状に形成され、骨体は一対で構成され、折り曲げ位置に交差する収納体の一対の辺の各々に沿うように取り付けられるものである。
【0012】
このように構成すると、折り曲げ位置の両端側に骨体は位置する。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、収納体及び屈曲体の各々は、合成樹脂を主体として形成されるものである。
【0014】
このように構成すると、廃棄又はリサイクル時の分別処理が不要となる。
【0015】
請求項5記載の発明は、開口部を有する袋状に形成され、開口部と反対側の収納部と開口部側であって使用時に折り曲げて収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、収納部と覆い部との折り曲げ位置の部分に、他の部分の厚さより薄い厚さの部分を少なくとも有する線条が形成されるものである。
【0016】
このように構成すると、折り曲げの抵抗が減少する。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、収納体は、断熱材を一対の熱溶融性の合成樹脂フィルムで挟んだシート体で構成され、線条は、合成樹脂フィルムの各々をヒートシールすることによって形成されるものである。
【0018】
このように構成すると、所望の位置に線条を形成できる。
【0019】
請求項7記載の発明は、開口部を有する袋状に形成され、開口部と反対側の収納部と開口部側であって使用時に折り曲げて収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、覆い部を構成する対向した一対の第1シート体の一方の厚さが、収納部を構成する対向した同一厚さの一対の第2シート体の厚さより小さく、第1シート体の他方の厚さが、第2シート体の厚さと同一に設定されるものである。
【0020】
このように構成すると、重ね合わせた時の覆い部の厚さが抑制される。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、第1シート体の他方と第2シート体の各々とは、合成樹脂フィルムと断熱材とを貼り合わせた同一の構成よりなり、第1シート体の一方は合成樹脂フィルムのみからなるものである。
【0022】
このように構成すると、覆い部を構成する第1シート体の他方には断熱材が含まれる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、折り曲げに伴って屈曲体も変形するので、重ね合わせた状態が保持されるので嵩張らない。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、折り曲げ位置の許容範囲が拡大するので、使い勝手が向上する。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、折り曲げ位置の両端側に骨体は位置するので、折り曲げ状態が安定する。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、分別処理が不要となるので、廃棄又はリサイクル処理が容易となる。
【0027】
請求項5記載の発明は、折り曲げの抵抗が減少するので、折り曲げ易くなり、折り曲げ状態が嵩張らない。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、所望の位置に線条を形成できるので、折り曲げ位置の設定が容易となる。
【0029】
請求項7記載の発明は、重ね合わせた時の覆い部の厚さが抑制されるので、折り曲げ状態が嵩張らない。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、覆い部を構成する第1シート体の他方には断熱材が含まれるので、折り曲げ時にも第1シート体の断熱効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1の実施の形態による収納袋の正面図である。
【図2】図1で示した収納袋の背面図である。
【図3】図1で示したIII−IIIラインの端面図である。
【図4】図3で示した“X”部分の拡大図である。
【図5】図1で示したV−Vラインの端面図である。
【図6】図5で示した“Y”部分の拡大図である。
【図7】図1で示した収納袋の製造工程の途中に形成される中間シート体の製造工程を示した模式図である。
【図8】図7で示した中間シート体から収納体を製造する工程を示した模式図である。
【図9】図8で示した収納体から図1で示した収納袋を製造する工程を示した模式図である。
【図10】図1で示した収納袋の使用状態を示した模式図である。
【図11】図1で示した収納部の隅部を折り返した状態を示した模式図である。
【図12】従来の収納袋の正面図である。
【図13】図12で示したXIII−XIIIラインの断面図であって中腹部分を切り取った図である。
【図14】図13で示した収納袋の使用状態を示した断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、この発明の第1の実施の形態による収納袋の正面図であり、図2は、図1で示した収納袋の背面図であり、図3は、図1で示したIII−IIIラインの端面図であり、図4は、図3で示した“X”部分の拡大図であり、図5は、図1で示したV−Vラインの端面図であり、図6は、図5で示した“Y”部分の拡大図である。
【0033】
これらの図を参照して、収納袋1は、収納体10と一対の骨体50a及び50bとからなる。
【0034】
収納体10は、図1から図4を参照して、開口部11を有し、開口部11を上にしたときの正面視で矩形形状の袋状に形成され、開口部11と反対側の収納部12と、開口部11側であって使用時に折り曲げて収納部12に重ねられる覆い部13とを有する。覆い部13は、対向した厚さの異なる一対の第1シート体21a及び21bから、収納部12は、対向した同一厚さの一対の第2シート体22から、それぞれ構成される。
【0035】
一方の第1シート体21aは厚さ40μmのポリプロピレン(PP)製フィルムよりなる。
【0036】
他方の第1シート体21b及び第2シート体22の各々は、PP製の目付80g/m2の不織布よりなる断熱材32を、断熱材32に対向する側の面に印刷層が形成された無軸延伸ポリプロピレン(CPP)製の厚さ30μmのフィルムよりなる外面フィルム31と、断熱材32に対向する側の反対側の面にアルミ蒸着が施されたアルミ蒸着ポリプロピレン(VMPP)製の厚さ25μmのフィルムよりなるアルミ蒸着フィルム33のアルミ蒸着面を、CPP製の厚さ20μmのフィルムよりなる保護フィルム34で覆った内面フィルム35とで挟んだものよりなる。すなわち、一方の第1シート体21aの厚さが、他方の第1シート体21b及び第2シート体22の厚さより薄く、且つ、他方の第1シート体21bの厚さが第2シート体22の厚さと同一に設定される。このように構成したことによる効果は後述する。
【0037】
収納体10の収納部12と覆い部13との折り曲げ位置の部分には、折り曲げ位置に交差する収納体10の一対の辺の一方から他方へ掛け渡される直線状に、第1シート体21b及び第2シート体22の各々の断熱材32を圧縮することにより生じた、他の部分の厚さよりも薄い厚さの線条40a、40b、40c、40d及び40eが形成されている。このように構成したことによる効果は後述する。尚、線条40a、40b、40c、40d及び40eの各々は超音波シールにより形成されている。このように構成すると、所望の位置に線条40を形成できるので、折り曲げ位置の設定が容易となる。
【0038】
又、収納部12の下方の隅部15a及び15b付近にも、線条40a、40b、40c、40d及び40eと同様の線条45a及び45bが形成されているが、このように構成したことによる効果も後述する。
【0039】
骨体50a及び50bは、図1、図2、図5及び図6を参照して、棒形状を有し、収納部12と覆い部13との折り曲げ位置に交差する収納体10の一対の辺の各々に沿う位置において、一方の第1シート体21aと他方の第1シート体21b又は第2シート体22との間に挟みこまれた状態で骨体50a及び50bの各々の周囲に超音波シールを施すことにより、折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられる。尚、骨体50a及び50bの各々は、折り曲げ自在で且つ可塑性を有する材料よりなる。このように構成したことによる効果は後述する。
【0040】
又、骨体50a及び50bの各々は合成樹脂を主体として形成される。このように構成すると、収納体10と骨体50a及び50bとの分別処理が不要となるので、廃棄又はリサイクル処理が容易となる。
【0041】
図7は、図1で示した収納袋の製造工程の途中に形成される中間シート体の製造工程を示した模式図であり、図8は、図7で示した中間シート体から収納体を製造する工程を示した模式図であり、図9は、図8で示した収納体から図1で示した収納袋を製造する工程を示した模式図である。
【0042】
まず、図7の(1)を参照して、一方の第1シート体21aをロール状(右端部の状態)に巻いたものと、図3にて示す他方の第1シート体21b及び第2シート体22になる積層シート体23をロール状(右端部の状態)に巻いたものを準備し、ロールの各々から第1シート体21a及び積層シート体23の各々を引き出す。ここで、第1シート体21aの幅方向に直交する端部の一方と、積層シート体23の幅方向に直交する端部の一方とを重ね、超音波シール機61を用いて重なり部分24に超音波シールを施して線条40aを形成すると共に第1シート体21aと積層シート体23とを一体化させて中間シート体25を形成する。尚、中間シート体25の幅Lに対し、重なり部分24から第1シート体21aの他方端部までの距離をL/4と、重なり部分24から積層シート体23の他方端部までの距離を3L/4と、それぞれ設定する。
【0043】
次に、図7の(2)を参照して、中間シート体25に超音波処理を施して、線条40b、40c、40d及び40eの各々を形成した後、中間シート体25を幅方向に半分に折り返す。
【0044】
次に、図8の(1)を参照して、図7の(2)にて示した中間シート体25に、所定間隔で幅方向に超音波シール機62を用いて超音波シールを施し、境界部26を形成する。
【0045】
次に、図8の(2)を参照して、図8の(1)にて示した境界部26にて中間シート体25を切断し、収納体10を得る。
【0046】
次に、図9の(1)を参照して、図8の(2)にて示した収納体10の開口部11より骨体50a及び50bの各々を挿入し、一方の第1シート体21aと他方の第1シート体21b又は第2シート体22との間に挟みこむ。そして、上述の所定位置において骨体50a及び50bの各々の周囲に超音波シールを施し、骨体50a及び50bの各々を収納部12と覆い部13との折り曲げ位置に交差する方向に取り付ける。
【0047】
最後に、図9の(2)を参照して、収納部12の下方の隅部15a及び15b付近において、収納部12の正面側及び背面側の両面から超音波シールを施し、線条45a及び45bを形成して収納袋1の製造工程を終了する。
【0048】
図10は、図1で示した収納袋の使用状態を示した模式図である。
【0049】
まず、図10の(1)を参照して、収納袋1の開口部11を開けて収納物90を収納部12に入れる。
【0050】
次に、図10の(2)を参照して、覆い部13を収納部12側に起こす。この時、収納部12と覆い部13との折り曲げ位置に線条40a及び40dが形成されていることにより、折り曲げの抵抗が減少するので、覆い部13は折り曲げ易い。
【0051】
又、骨体50a及び50bの各々は、上述の通り折り曲げ自在であるから、覆い部13の折り曲げに伴って骨体50a及び50bも変形する。
【0052】
最後に、図10の(3)を参照して、覆い部13を収納部12に重ねる。この時、線条40cが形成されているため、覆い部13は折り曲げやすく、且つ、線条40a及び40dにおける折れ曲がり易さと併せて折り曲げ状態が嵩張らないものとなる。又、覆い部13の第1シート体21aは収納部12の第2シート体22よりも薄く形成されているから、重ね合わせた時の覆い部13の厚さが抑制され、折り曲げ状態が嵩張らない。更に、覆い部13を構成する他方の第1シート体21bには図4にて示した断熱材32が含まれるので、折り曲げ時にも第1シート体21bの断熱効果を発揮する。
【0053】
又、覆い部13の折り曲げに伴って、上述したように骨体50a及び50bも変形すると共に自身の可塑性により骨体50a及び50bの折り曲げ後の形状を保持し、且つ、骨体50a及び50bの各々は図1に示すように折り曲げ位置の両端側に位置するから、折り曲げ状態が安定する。
【0054】
更に、骨体50a及び50bの各々は、収納部12と覆い部13との折り曲げ部分に交差する方向に取り付けられ、線条40a、40b、40c、40d及び40eの各々を跨いで取り付けられているから、線条40a、40c及び40dが形成されている部分のみならず、線条40b及び40eが形成されている部分において折り曲げても折り曲げ状態が安定する。すなわち、折り曲げ位置の許容範囲が拡大するので、使い勝手が向上する。
【0055】
図11は、図1で示した収納部の隅部を折り返した状態を示した模式図である。
【0056】
まず、図11の(1)を参照して、収納部12の内部に収納物90を入れる。
【0057】
次に、図11の(2)を参照して、収納部12の隅部15a及び15bを、収納物90の側に折り返す。この時、隅部15aと収納物90との間には線条45aが、隅部15bと収納物90との間には線条45bが、それぞれ形成されているから、隅部15a及び15bの折り返しが容易となる。又、折り返し状態が嵩張らないものとなると共に、収納部12の角が取れてより嵩張り現象が減る。
【0058】
尚、上記の第1の実施の形態では、他方の第1シート体及び第2シート体の各々は、断熱材を合成樹脂フィルムで挟んだものであったが、少なくとも合成樹脂フィルムと断熱材とが張り合わされたものであればよい。
【0059】
又、上記の第1の実施の形態では、線条の各々は超音波シールにより形成されていたが、他の部分より厚みが薄くなるように形成されていれば、他の方法により形成されていてもよい。
【0060】
更に、上記の第1の実施の形態では、線条は連続的に薄い直線状のものであったが、ミシン目状等、他の部分の厚さより薄い厚さの部分を少なくとも有する形状のものも線条として用いてもよい。
【0061】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納体及び骨体の各々は合成樹脂を主体として形成されていたが、他の素材より形成されるものであってもよい。
【0062】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納体は正面視矩形形状に形成されていたが、他の形状に形成されていてもよい。
【0063】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は折り曲げ位置に交差する収納体の一対の辺の各々に沿うように取り付けられていたが、折り曲げ位置であれば他の部分に取り付けられていてもよい。
【0064】
更に、上記の第1の実施の形態では、屈曲体として棒形状の骨体を採用していたが、他の形状のものを屈曲体として採用してもよい。
【0065】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体は一対のものであったが、少なくとも一つ取り付けられていればよい。
【0066】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられていたが、折り曲げ位置であれば他の方向に取り付けられていてもよい。
【0067】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体は一方の第1シート体と他方の第1シート体又は第2シート体とに挟まれて両方のシート体に取り付けられていたが、どちらか片方のシート体にのみ取り付けられていてもよい。このように構成すると、収納部の内部が拡がりやすい。
【0068】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は合成樹脂を主体として形成されていたが、形状記憶合金や形状記憶樹脂等の他の素材から形成されるものであってもよい。このようにすると、温度等により開閉状態が維持できる収納袋となる。
【0069】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は折り曲げ部分を中心に収納部及び覆い部の途中までの範囲に取り付けられていたが、収納体の下方端部から開口部にかけての広範囲に取り付けられていてもよく、折り曲げ部分を中心とするより狭い範囲に取り付けられていてもよい。
【0070】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体のみにより収納袋の閉状態は維持されていたが、収納袋の閉状態を補助するために、面状ファスナー等を設置したり、差し込み片と差し込み片が挿入される挿入口とを収納袋に形成したりしてもよい。
【0071】
更に、上記の第1の実施の形態では、断熱材は不織布よりなるものであったが、例えば、発泡ポリエチレン(PE)等のその他の断熱性のある素材を用いたものであってもよい。断熱性のあるシート体としては、例えば、厚さ1mmの発泡PE製シートを、厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)製フィルムのアルミ蒸着面を厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムで覆ったものよりなる積層フィルムと、厚さ22μmのPE製フィルムとで挟んだものであってもよい。
【0072】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納体は断熱材を合成樹脂フィルムで挟んだものよりなるものであったが、断熱材は無くてもよい。
【0073】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1シート体及び第2シート体を形成する合成樹脂フィルムの厚さは特定寸法に設定されていたが、それ以外の寸法に設定されてもよい。しかし、薄すぎると破れやすくなり好ましくはない。又、厚すぎると嵩張ってしまうのでこれも好ましくはない。好ましい厚さは、20μm以上100μm以内である。
【0074】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1シート体及び第2シート体の各々は同一素材の合成樹脂フィルムよりなるものであったが、他の素材であってもよい。ただし、超音波シールの接着を良くするために同一素材が好ましい。
【0075】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1シート体及び第2シート体の各々は合成樹脂フィルムよりなるものであったが、布や不織布、合成繊維及び化学繊維等、他の柔らかい素材よりなるものであってもよい。
【0076】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納袋は超音波シールを用いて形成されていたが、縫製や熱シールを用いて形成されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…収納袋
10…収納体
11…開口部
12…収納部
13…覆い部
21a、21b…第1シート体
22…第2シート体
31…外面フィルム
32…断熱材
35…内面フィルム
40a、40b、40c、40d、40e…線条
50a、50b…骨体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は収納袋に関し、特にある程度の厚みを有する収納袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は、従来の収納袋の正面図であり、図13は、図12で示したXIII−XIIIラインの断面図であって中腹部分を切り取った図であり、図14は、図13で示した収納袋の使用状態を示した断面斜視図である。
【0003】
これらの図を参照して、収納袋80は、ポリエチレンやビニール等よりなり、口部81の近傍内部に対向内面に、互いに着脱しうる凹条線82及び凸条線83よりなるチャック84を設けることにより、口部81が開閉自在とされている。内部にはチャック84の下方位置において収納袋80よりやや小さく形成された独立気泡を有する合成樹脂製の断熱袋85が収納されると共に、接着剤等によって断熱袋85の口縁部が収納袋80に一体とされている。断熱袋85の接着部86の上方位置における収納袋80の略中央部には、穿設された手提穴87が形成されている。
使用に当たっては、口部81を開き、断熱袋85の内部に収納物90を入れた後にチャック84を噛合させて口部81を閉じる。すると、断熱袋85の内部は外気から遮断されると共に、収納物90はその全体が断熱袋85によって被覆されるため、収納物90に対する外気の影響が極めて少なくなり、収納物90の保冷状態又は保温状態を長時間維持することが可能となる。尚、収納物90の取り出しはチャック84を開くのみで簡単に行いうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭49−77021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の収納袋は、断熱袋が内蔵されているために全体的に厚みがあり、収納物を入れた場合に嵩張ってしまう。尚、収納物を入れた状態で収納袋の余った部分を折り畳んで嵩を減らそうとしても、断熱袋の厚みのために上手く畳めず嵩張ったままとなる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、重ね合わせた状態が保持されて嵩張らない収納袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、開口部を有する袋状に形成され、開口部と反対側の収納部と開口部側であって使用時に折り曲げて収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体と、収納部と覆い部との折り曲げ位置に取り付けられ、折り曲げ自在で且つ可塑性を有する屈曲体とを備えたものである。
【0008】
このように構成すると、折り曲げに伴って屈曲体も変形する。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、屈曲体は棒形状を有する骨体よりなり、骨体は折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられるものである。
【0010】
このように構成すると、折り曲げ位置の許容範囲が拡大する。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、収納体は、開口部を上にした時の正面視で矩形形状に形成され、骨体は一対で構成され、折り曲げ位置に交差する収納体の一対の辺の各々に沿うように取り付けられるものである。
【0012】
このように構成すると、折り曲げ位置の両端側に骨体は位置する。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、収納体及び屈曲体の各々は、合成樹脂を主体として形成されるものである。
【0014】
このように構成すると、廃棄又はリサイクル時の分別処理が不要となる。
【0015】
請求項5記載の発明は、開口部を有する袋状に形成され、開口部と反対側の収納部と開口部側であって使用時に折り曲げて収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、収納部と覆い部との折り曲げ位置の部分に、他の部分の厚さより薄い厚さの部分を少なくとも有する線条が形成されるものである。
【0016】
このように構成すると、折り曲げの抵抗が減少する。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、収納体は、断熱材を一対の熱溶融性の合成樹脂フィルムで挟んだシート体で構成され、線条は、合成樹脂フィルムの各々をヒートシールすることによって形成されるものである。
【0018】
このように構成すると、所望の位置に線条を形成できる。
【0019】
請求項7記載の発明は、開口部を有する袋状に形成され、開口部と反対側の収納部と開口部側であって使用時に折り曲げて収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、覆い部を構成する対向した一対の第1シート体の一方の厚さが、収納部を構成する対向した同一厚さの一対の第2シート体の厚さより小さく、第1シート体の他方の厚さが、第2シート体の厚さと同一に設定されるものである。
【0020】
このように構成すると、重ね合わせた時の覆い部の厚さが抑制される。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、第1シート体の他方と第2シート体の各々とは、合成樹脂フィルムと断熱材とを貼り合わせた同一の構成よりなり、第1シート体の一方は合成樹脂フィルムのみからなるものである。
【0022】
このように構成すると、覆い部を構成する第1シート体の他方には断熱材が含まれる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、折り曲げに伴って屈曲体も変形するので、重ね合わせた状態が保持されるので嵩張らない。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、折り曲げ位置の許容範囲が拡大するので、使い勝手が向上する。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、折り曲げ位置の両端側に骨体は位置するので、折り曲げ状態が安定する。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、分別処理が不要となるので、廃棄又はリサイクル処理が容易となる。
【0027】
請求項5記載の発明は、折り曲げの抵抗が減少するので、折り曲げ易くなり、折り曲げ状態が嵩張らない。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、所望の位置に線条を形成できるので、折り曲げ位置の設定が容易となる。
【0029】
請求項7記載の発明は、重ね合わせた時の覆い部の厚さが抑制されるので、折り曲げ状態が嵩張らない。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、覆い部を構成する第1シート体の他方には断熱材が含まれるので、折り曲げ時にも第1シート体の断熱効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1の実施の形態による収納袋の正面図である。
【図2】図1で示した収納袋の背面図である。
【図3】図1で示したIII−IIIラインの端面図である。
【図4】図3で示した“X”部分の拡大図である。
【図5】図1で示したV−Vラインの端面図である。
【図6】図5で示した“Y”部分の拡大図である。
【図7】図1で示した収納袋の製造工程の途中に形成される中間シート体の製造工程を示した模式図である。
【図8】図7で示した中間シート体から収納体を製造する工程を示した模式図である。
【図9】図8で示した収納体から図1で示した収納袋を製造する工程を示した模式図である。
【図10】図1で示した収納袋の使用状態を示した模式図である。
【図11】図1で示した収納部の隅部を折り返した状態を示した模式図である。
【図12】従来の収納袋の正面図である。
【図13】図12で示したXIII−XIIIラインの断面図であって中腹部分を切り取った図である。
【図14】図13で示した収納袋の使用状態を示した断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、この発明の第1の実施の形態による収納袋の正面図であり、図2は、図1で示した収納袋の背面図であり、図3は、図1で示したIII−IIIラインの端面図であり、図4は、図3で示した“X”部分の拡大図であり、図5は、図1で示したV−Vラインの端面図であり、図6は、図5で示した“Y”部分の拡大図である。
【0033】
これらの図を参照して、収納袋1は、収納体10と一対の骨体50a及び50bとからなる。
【0034】
収納体10は、図1から図4を参照して、開口部11を有し、開口部11を上にしたときの正面視で矩形形状の袋状に形成され、開口部11と反対側の収納部12と、開口部11側であって使用時に折り曲げて収納部12に重ねられる覆い部13とを有する。覆い部13は、対向した厚さの異なる一対の第1シート体21a及び21bから、収納部12は、対向した同一厚さの一対の第2シート体22から、それぞれ構成される。
【0035】
一方の第1シート体21aは厚さ40μmのポリプロピレン(PP)製フィルムよりなる。
【0036】
他方の第1シート体21b及び第2シート体22の各々は、PP製の目付80g/m2の不織布よりなる断熱材32を、断熱材32に対向する側の面に印刷層が形成された無軸延伸ポリプロピレン(CPP)製の厚さ30μmのフィルムよりなる外面フィルム31と、断熱材32に対向する側の反対側の面にアルミ蒸着が施されたアルミ蒸着ポリプロピレン(VMPP)製の厚さ25μmのフィルムよりなるアルミ蒸着フィルム33のアルミ蒸着面を、CPP製の厚さ20μmのフィルムよりなる保護フィルム34で覆った内面フィルム35とで挟んだものよりなる。すなわち、一方の第1シート体21aの厚さが、他方の第1シート体21b及び第2シート体22の厚さより薄く、且つ、他方の第1シート体21bの厚さが第2シート体22の厚さと同一に設定される。このように構成したことによる効果は後述する。
【0037】
収納体10の収納部12と覆い部13との折り曲げ位置の部分には、折り曲げ位置に交差する収納体10の一対の辺の一方から他方へ掛け渡される直線状に、第1シート体21b及び第2シート体22の各々の断熱材32を圧縮することにより生じた、他の部分の厚さよりも薄い厚さの線条40a、40b、40c、40d及び40eが形成されている。このように構成したことによる効果は後述する。尚、線条40a、40b、40c、40d及び40eの各々は超音波シールにより形成されている。このように構成すると、所望の位置に線条40を形成できるので、折り曲げ位置の設定が容易となる。
【0038】
又、収納部12の下方の隅部15a及び15b付近にも、線条40a、40b、40c、40d及び40eと同様の線条45a及び45bが形成されているが、このように構成したことによる効果も後述する。
【0039】
骨体50a及び50bは、図1、図2、図5及び図6を参照して、棒形状を有し、収納部12と覆い部13との折り曲げ位置に交差する収納体10の一対の辺の各々に沿う位置において、一方の第1シート体21aと他方の第1シート体21b又は第2シート体22との間に挟みこまれた状態で骨体50a及び50bの各々の周囲に超音波シールを施すことにより、折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられる。尚、骨体50a及び50bの各々は、折り曲げ自在で且つ可塑性を有する材料よりなる。このように構成したことによる効果は後述する。
【0040】
又、骨体50a及び50bの各々は合成樹脂を主体として形成される。このように構成すると、収納体10と骨体50a及び50bとの分別処理が不要となるので、廃棄又はリサイクル処理が容易となる。
【0041】
図7は、図1で示した収納袋の製造工程の途中に形成される中間シート体の製造工程を示した模式図であり、図8は、図7で示した中間シート体から収納体を製造する工程を示した模式図であり、図9は、図8で示した収納体から図1で示した収納袋を製造する工程を示した模式図である。
【0042】
まず、図7の(1)を参照して、一方の第1シート体21aをロール状(右端部の状態)に巻いたものと、図3にて示す他方の第1シート体21b及び第2シート体22になる積層シート体23をロール状(右端部の状態)に巻いたものを準備し、ロールの各々から第1シート体21a及び積層シート体23の各々を引き出す。ここで、第1シート体21aの幅方向に直交する端部の一方と、積層シート体23の幅方向に直交する端部の一方とを重ね、超音波シール機61を用いて重なり部分24に超音波シールを施して線条40aを形成すると共に第1シート体21aと積層シート体23とを一体化させて中間シート体25を形成する。尚、中間シート体25の幅Lに対し、重なり部分24から第1シート体21aの他方端部までの距離をL/4と、重なり部分24から積層シート体23の他方端部までの距離を3L/4と、それぞれ設定する。
【0043】
次に、図7の(2)を参照して、中間シート体25に超音波処理を施して、線条40b、40c、40d及び40eの各々を形成した後、中間シート体25を幅方向に半分に折り返す。
【0044】
次に、図8の(1)を参照して、図7の(2)にて示した中間シート体25に、所定間隔で幅方向に超音波シール機62を用いて超音波シールを施し、境界部26を形成する。
【0045】
次に、図8の(2)を参照して、図8の(1)にて示した境界部26にて中間シート体25を切断し、収納体10を得る。
【0046】
次に、図9の(1)を参照して、図8の(2)にて示した収納体10の開口部11より骨体50a及び50bの各々を挿入し、一方の第1シート体21aと他方の第1シート体21b又は第2シート体22との間に挟みこむ。そして、上述の所定位置において骨体50a及び50bの各々の周囲に超音波シールを施し、骨体50a及び50bの各々を収納部12と覆い部13との折り曲げ位置に交差する方向に取り付ける。
【0047】
最後に、図9の(2)を参照して、収納部12の下方の隅部15a及び15b付近において、収納部12の正面側及び背面側の両面から超音波シールを施し、線条45a及び45bを形成して収納袋1の製造工程を終了する。
【0048】
図10は、図1で示した収納袋の使用状態を示した模式図である。
【0049】
まず、図10の(1)を参照して、収納袋1の開口部11を開けて収納物90を収納部12に入れる。
【0050】
次に、図10の(2)を参照して、覆い部13を収納部12側に起こす。この時、収納部12と覆い部13との折り曲げ位置に線条40a及び40dが形成されていることにより、折り曲げの抵抗が減少するので、覆い部13は折り曲げ易い。
【0051】
又、骨体50a及び50bの各々は、上述の通り折り曲げ自在であるから、覆い部13の折り曲げに伴って骨体50a及び50bも変形する。
【0052】
最後に、図10の(3)を参照して、覆い部13を収納部12に重ねる。この時、線条40cが形成されているため、覆い部13は折り曲げやすく、且つ、線条40a及び40dにおける折れ曲がり易さと併せて折り曲げ状態が嵩張らないものとなる。又、覆い部13の第1シート体21aは収納部12の第2シート体22よりも薄く形成されているから、重ね合わせた時の覆い部13の厚さが抑制され、折り曲げ状態が嵩張らない。更に、覆い部13を構成する他方の第1シート体21bには図4にて示した断熱材32が含まれるので、折り曲げ時にも第1シート体21bの断熱効果を発揮する。
【0053】
又、覆い部13の折り曲げに伴って、上述したように骨体50a及び50bも変形すると共に自身の可塑性により骨体50a及び50bの折り曲げ後の形状を保持し、且つ、骨体50a及び50bの各々は図1に示すように折り曲げ位置の両端側に位置するから、折り曲げ状態が安定する。
【0054】
更に、骨体50a及び50bの各々は、収納部12と覆い部13との折り曲げ部分に交差する方向に取り付けられ、線条40a、40b、40c、40d及び40eの各々を跨いで取り付けられているから、線条40a、40c及び40dが形成されている部分のみならず、線条40b及び40eが形成されている部分において折り曲げても折り曲げ状態が安定する。すなわち、折り曲げ位置の許容範囲が拡大するので、使い勝手が向上する。
【0055】
図11は、図1で示した収納部の隅部を折り返した状態を示した模式図である。
【0056】
まず、図11の(1)を参照して、収納部12の内部に収納物90を入れる。
【0057】
次に、図11の(2)を参照して、収納部12の隅部15a及び15bを、収納物90の側に折り返す。この時、隅部15aと収納物90との間には線条45aが、隅部15bと収納物90との間には線条45bが、それぞれ形成されているから、隅部15a及び15bの折り返しが容易となる。又、折り返し状態が嵩張らないものとなると共に、収納部12の角が取れてより嵩張り現象が減る。
【0058】
尚、上記の第1の実施の形態では、他方の第1シート体及び第2シート体の各々は、断熱材を合成樹脂フィルムで挟んだものであったが、少なくとも合成樹脂フィルムと断熱材とが張り合わされたものであればよい。
【0059】
又、上記の第1の実施の形態では、線条の各々は超音波シールにより形成されていたが、他の部分より厚みが薄くなるように形成されていれば、他の方法により形成されていてもよい。
【0060】
更に、上記の第1の実施の形態では、線条は連続的に薄い直線状のものであったが、ミシン目状等、他の部分の厚さより薄い厚さの部分を少なくとも有する形状のものも線条として用いてもよい。
【0061】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納体及び骨体の各々は合成樹脂を主体として形成されていたが、他の素材より形成されるものであってもよい。
【0062】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納体は正面視矩形形状に形成されていたが、他の形状に形成されていてもよい。
【0063】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は折り曲げ位置に交差する収納体の一対の辺の各々に沿うように取り付けられていたが、折り曲げ位置であれば他の部分に取り付けられていてもよい。
【0064】
更に、上記の第1の実施の形態では、屈曲体として棒形状の骨体を採用していたが、他の形状のものを屈曲体として採用してもよい。
【0065】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体は一対のものであったが、少なくとも一つ取り付けられていればよい。
【0066】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられていたが、折り曲げ位置であれば他の方向に取り付けられていてもよい。
【0067】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体は一方の第1シート体と他方の第1シート体又は第2シート体とに挟まれて両方のシート体に取り付けられていたが、どちらか片方のシート体にのみ取り付けられていてもよい。このように構成すると、収納部の内部が拡がりやすい。
【0068】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は合成樹脂を主体として形成されていたが、形状記憶合金や形状記憶樹脂等の他の素材から形成されるものであってもよい。このようにすると、温度等により開閉状態が維持できる収納袋となる。
【0069】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体の各々は折り曲げ部分を中心に収納部及び覆い部の途中までの範囲に取り付けられていたが、収納体の下方端部から開口部にかけての広範囲に取り付けられていてもよく、折り曲げ部分を中心とするより狭い範囲に取り付けられていてもよい。
【0070】
更に、上記の第1の実施の形態では、骨体のみにより収納袋の閉状態は維持されていたが、収納袋の閉状態を補助するために、面状ファスナー等を設置したり、差し込み片と差し込み片が挿入される挿入口とを収納袋に形成したりしてもよい。
【0071】
更に、上記の第1の実施の形態では、断熱材は不織布よりなるものであったが、例えば、発泡ポリエチレン(PE)等のその他の断熱性のある素材を用いたものであってもよい。断熱性のあるシート体としては、例えば、厚さ1mmの発泡PE製シートを、厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)製フィルムのアルミ蒸着面を厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムで覆ったものよりなる積層フィルムと、厚さ22μmのPE製フィルムとで挟んだものであってもよい。
【0072】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納体は断熱材を合成樹脂フィルムで挟んだものよりなるものであったが、断熱材は無くてもよい。
【0073】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1シート体及び第2シート体を形成する合成樹脂フィルムの厚さは特定寸法に設定されていたが、それ以外の寸法に設定されてもよい。しかし、薄すぎると破れやすくなり好ましくはない。又、厚すぎると嵩張ってしまうのでこれも好ましくはない。好ましい厚さは、20μm以上100μm以内である。
【0074】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1シート体及び第2シート体の各々は同一素材の合成樹脂フィルムよりなるものであったが、他の素材であってもよい。ただし、超音波シールの接着を良くするために同一素材が好ましい。
【0075】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1シート体及び第2シート体の各々は合成樹脂フィルムよりなるものであったが、布や不織布、合成繊維及び化学繊維等、他の柔らかい素材よりなるものであってもよい。
【0076】
更に、上記の第1の実施の形態では、収納袋は超音波シールを用いて形成されていたが、縫製や熱シールを用いて形成されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…収納袋
10…収納体
11…開口部
12…収納部
13…覆い部
21a、21b…第1シート体
22…第2シート体
31…外面フィルム
32…断熱材
35…内面フィルム
40a、40b、40c、40d、40e…線条
50a、50b…骨体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する袋状に形成され、前記開口部と反対側の収納部と前記開口部側であって使用時に折り曲げて前記収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体と、
前記収納部と前記覆い部との折り曲げ位置に取り付けられ、折り曲げ自在で且つ可塑性を有する屈曲体とを備えた、収納袋。
【請求項2】
前記屈曲体は棒形状を有する骨体よりなり、前記骨体は前記折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられる、請求項1記載の収納袋。
【請求項3】
前記収納体は、前記開口部を上にした時の正面視で矩形形状に形成され、
前記骨体は一対で構成され、前記折り曲げ位置に交差する前記収納体の一対の辺の各々に沿うように取り付けられる、請求項2記載の収納袋。
【請求項4】
前記収納体及び前記屈曲体の各々は、合成樹脂を主体として形成される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納袋。
【請求項5】
開口部を有する袋状に形成され、前記開口部と反対側の収納部と前記開口部側であって使用時に折り曲げて前記収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、
前記収納部と前記覆い部との折り曲げ位置の部分に、他の部分の厚さより薄い厚さの部分を少なくとも有する線条が形成される、収納袋。
【請求項6】
前記収納体は、断熱材を一対の熱溶融性の合成樹脂フィルムで挟んだシート体で構成され、
前記線条は、前記合成樹脂フィルムの各々をヒートシールすることによって形成される、請求項5記載の収納袋。
【請求項7】
開口部を有する袋状に形成され、前記開口部と反対側の収納部と前記開口部側であって使用時に折り曲げて前記収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、
前記覆い部を構成する対向した一対の第1シート体の一方の厚さが、前記収納部を構成する対向した同一厚さの一対の第2シート体の厚さより小さく、前記第1シート体の他方の厚さが、前記第2シート体の厚さと同一に設定される、収納袋。
【請求項8】
前記第1シート体の前記他方と前記第2シート体の各々とは、合成樹脂フィルムと断熱材とを貼り合わせた同一の構成よりなり、前記第1シート体の前記一方は合成樹脂フィルムのみからなる、請求項7記載の収納袋。
【請求項1】
開口部を有する袋状に形成され、前記開口部と反対側の収納部と前記開口部側であって使用時に折り曲げて前記収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体と、
前記収納部と前記覆い部との折り曲げ位置に取り付けられ、折り曲げ自在で且つ可塑性を有する屈曲体とを備えた、収納袋。
【請求項2】
前記屈曲体は棒形状を有する骨体よりなり、前記骨体は前記折り曲げ位置に交差する方向に取り付けられる、請求項1記載の収納袋。
【請求項3】
前記収納体は、前記開口部を上にした時の正面視で矩形形状に形成され、
前記骨体は一対で構成され、前記折り曲げ位置に交差する前記収納体の一対の辺の各々に沿うように取り付けられる、請求項2記載の収納袋。
【請求項4】
前記収納体及び前記屈曲体の各々は、合成樹脂を主体として形成される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納袋。
【請求項5】
開口部を有する袋状に形成され、前記開口部と反対側の収納部と前記開口部側であって使用時に折り曲げて前記収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、
前記収納部と前記覆い部との折り曲げ位置の部分に、他の部分の厚さより薄い厚さの部分を少なくとも有する線条が形成される、収納袋。
【請求項6】
前記収納体は、断熱材を一対の熱溶融性の合成樹脂フィルムで挟んだシート体で構成され、
前記線条は、前記合成樹脂フィルムの各々をヒートシールすることによって形成される、請求項5記載の収納袋。
【請求項7】
開口部を有する袋状に形成され、前記開口部と反対側の収納部と前記開口部側であって使用時に折り曲げて前記収納部に重ねられる覆い部とからなる収納体からなり、
前記覆い部を構成する対向した一対の第1シート体の一方の厚さが、前記収納部を構成する対向した同一厚さの一対の第2シート体の厚さより小さく、前記第1シート体の他方の厚さが、前記第2シート体の厚さと同一に設定される、収納袋。
【請求項8】
前記第1シート体の前記他方と前記第2シート体の各々とは、合成樹脂フィルムと断熱材とを貼り合わせた同一の構成よりなり、前記第1シート体の前記一方は合成樹脂フィルムのみからなる、請求項7記載の収納袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−28370(P2013−28370A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166134(P2011−166134)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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