説明

収納部を有するヘルメット

【課題】構造強度が十分で、特に保護帽として安全性が十分に考慮されている、収納部を有するヘルメットを提供する。
【解決手段】本発明の収納部を有するヘルメットは、少なくとも帽体本体の一部から成る内郭体または外郭体と、該内郭体または外郭体との間に収納部を構成すると共に、全部または一部が取り外し可能に上記帽体本体に固定される外郭体または内郭体と、から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、送受信などの通信ユニット、撮影ユニットや記録ユニットなどの各種ユニット等を収納可能な収納部を有するヘルメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ヘルメットには通信や撮影などの種々の機能が要求され、そのための各種ユニット機器を装着したヘルメットがある。
従来、この種のヘルメットとしては、ヘルメットの後部に携帯電話や携帯オーディオ機器等の機器を収納できる扉付き収納庫を具備したものがあった。(例えば、特許文献1参照)
また、ヘルメット本体の内側に取り付けられた緩衝材の頭頂部付近に凹部を形成して、この中に無線装置や電池パックを収納するものもあった。(例えば、特許文献2参照)
さらに、ヘルメット内部に無線電話装置本体やアンテナを収納するものもあった。(例えば、特許文献3参照)
【0003】
しかしながら、上記従来のヘルメットは、いずれもヘルメット本体の強度が不十分で、特に保護帽として安全性が十分に考慮されていない等の問題点があった。
【特許文献1】特開2001−254218号公報
【特許文献2】特開2000−256913号公報
【特許文献3】実開平6−22331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、構造強度が十分で、特に保護帽として安全性が十分に考慮されている、収納部を有するヘルメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の収納部を有するヘルメットは、少なくとも帽体本体の一部から成る内郭体または外郭体と、該内郭体または外郭体との間に収納部を構成すると共に、全部または一部が取り外し可能に上記帽体本体に固定される外郭体または内郭体と、から成ることを特徴とする。また、上記収納部を構成する内側の上記外郭体または内郭体を、滑らかな曲面とすることを特徴とする。さらに、少なくとも滑らかな曲面とする上記外郭体または内郭体の内面に、衝撃吸収層を設けることを特徴とする。又さらに、上記収納部を前頭部に設けることを特徴とする。さらに又、上記帽体本体に、雨水が浸入しないように換気孔を形成することを特徴とする。また、上記収納部内に送受信などの通信ユニット、撮影ユニット、記録ユニットなどの各種ユニットを収納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の収納部を有するヘルメットは、収納部が2重構造となって構造強度が十分で、保護帽として安全性が十分に考慮されている利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0008】
図1および図2において、1は帽体本体であって、その前頭部には、本帽体本体1の一部である内郭体1aと、外郭体2から収納部3が構成されている。該内郭体1aは下方に凹むように形成されており、上記外郭体2はフラットあるいは上方に膨らむように形成される。上記帽体本体1の特に内郭体1aは、滑らかな曲面にして安全に装着できるように形成する。上記収納部3には、例えば、送受信などの通信ユニット、撮影ユニットや記録ユニットなどの各種ユニット等を収納する。
【0009】
上記外郭体2は、取り外し可能に帽体本体1に固着されていて、上記収納部3の蓋としての機能を有する。なお、外郭体2を上記帽体本体1の一部として一体的に構成し、上記帽体本体1の一部とした内郭体1aを取り外し可能にして蓋として構成してもよい。また、取り外し可能な外郭体2や内郭体1aの一部を取り外し可能にしてもよい。さらに、外郭体2や内郭体1aの取り外し可能な固定構造としては、例えば、縁部全体または一部に係合手段(図示せず)を形成して、縁に力を入れて係合を外すようにする。なお、ヒンジによるドア型に構成してもよい。
【0010】
上記帽体本体1(内郭体1aを含む)の裏側には、発泡スチロール等からなる衝撃吸収層4が内装されていて、ヘルメット装着者の頭部への衝撃を吸収する。
【0011】
上記衝撃吸収層4のさらに内側には内装ベルト5が設けられていて、ヘルメットを装着者の頭部に強固かつ確実に固定するようになっている。
【0012】
上記帽体本体1の後端縁は、図2および図3に示すように、内外2重に枝分かれした、2重縁構造となっていて、内側縁1bには換気孔1b′が、また外側縁1cには換気孔1c′がそれぞれ形成されている。なお、上記換気孔1c′と上記換気孔1b′をずらせて位置せしめ、雨水が上記帽体本体1の内部に侵入しないようにする。上記換気孔は複数個あけるのが好ましい。
【実施例2】
【0013】
図4は、本発明の別の実施例を示すもので、帽体本体1と外郭体2から収納部3が構成されている。上記実施例1では、外郭体2が帽体本体1の一部と収納部3を構成されているが、本実施例2では、外郭体2が、帽体本体1のほぼ全部を占める内郭体1aとの間で収納部3を構成するようになっている。従って、本実施例2の収納部3は広い収納空間を構成している。
【0014】
6は、発泡スチロール等から成るユニット抑え部材であって、広い収納空間内でのユニット(図示せず)の移動を抑えるようになっており、必要に応じて各種の形状とする。該ユニット抑え部材6は衝撃吸収機能も有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のヘルメットの一実施例を示す外観図である。
【図2】図1のヘルメットの断面図である。
【図3】図1のヘルメットの一部拡大断面図である。
【図4】本発明のヘルメットの別の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 帽体本体
1a 内郭体
1b 内側縁
1b′換気孔
1c 外側縁
1c′換気孔
2 外郭体
3 収納部
4 衝撃吸収層
5 内装ベルト
6 ユニット抑え部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも帽体本体の一部から成る内郭体または外郭体と、該内郭体または外郭体との間に収納部を構成すると共に、全部または一部が取り外し可能に上記帽体本体に固定される外郭体または内郭体と、から成ることを特徴とする収納部を有するヘルメット。
【請求項2】
上記収納部を構成する内側の上記外郭体または内郭体を、滑らかな曲面とすることを特徴とする請求項1に記載の収納部を有するヘルメット。
【請求項3】
少なくとも滑らかな曲面とする上記外郭体または内郭体の内面に、衝撃吸収層を設けることを特徴とする請求項2に記載の収納部を有するヘルメット。
【請求項4】
上記収納部を前頭部に設けることを特徴とする請求項1、2または3に記載の収納部を有するヘルメット。
【請求項5】
上記帽体本体に、雨水が浸入しないように換気孔を形成することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の収納部を有するヘルメット。
【請求項6】
上記収納部内に送受信などの通信ユニット、撮影ユニット、記録ユニットなどの各種ユニットを収納することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の収納部を有するヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−200079(P2006−200079A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13847(P2005−13847)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000149930)株式会社谷沢製作所 (48)
【Fターム(参考)】