説明

収納部材

【課題】収納する物の大きさに応じて収納スペースを区切ることができ、しかも小物を取り出しやすい状態に効率よく収納できる収納部材を提供する。
【解決手段】収納ケース5の収納空間S内を間仕切ることのできる移動可能な仕切板7、および仕切板7に小物収納用の箱状トレイ8を一体化させてたもの、あるいは仕切板7に筒状トレイ9を一体化させたもの等を用いて、収納空間を収容物の大きさに応じて区切り、小物も効率よく収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、収納トレイ上に、水平方向にスライド自在な上部トレイが配置された厨房家具が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−298421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている構造では、収納する物の大きさに応じて収納スペースを区切ることはできないものであり、また、小物を取り出しやすい状態に効率よく収納することが困難なものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、収納する物の大きさに応じて収納スペースを区切ることができ、小物を取り出しやすい状態に効率よく収納できる収納部材の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の収納部材は、収納空間内を間仕切ることのできる移動可能な仕切板に、小物収納用のトレイを一体化させたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
仕切板を移動させて、収納空間を収納物の大きさに応じて良好に区切ることができ、また、仕切板にはトレイが一体化されているため、このトレイに小物を収納することができ、小物等を取り出しやすい状態に効率よく収納できるものとなる。
【0007】
また、本発明の収納部材において、前記仕切板の左右に略水平に張り出して箱状のトレイを形成させたものとすることもできる。
こうすれば、仕切板の左右に形成されている箱状のトレイ内に、ヘアピン等の小物を散らばることなく収納させることができ、また、収納した小物が取り出しやすいものとなる。
【0008】
また、本発明の収納部材において、前記仕切板の一部を左右側へ膨出させて縦長筒状のトレイを形成させたものとすることもできる。
こうすれば、縦長筒状のトレイ内には綿棒等の小物を効率よく収納することができ、また、綿棒等を取り出しやすい状態に収納できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】洗面化粧台の斜視構成図である。
【図2】図1の洗面化粧台の収納棚内に配置される収納ケースの斜視構成図である。
【図3】収納ケース内に仕切板および仕切板に一体化したトレイを取り付けた状態の斜視構成図である。
【図4】図3の平面構成図である。
【図5】仕切板の斜視構成図である。
【図6】箱状トレイを一体化した仕切板の背面側から見た斜視構成図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6の背面図である。
【図9】筒状トレイを一体化した仕切板の背面側から見た斜視構成図である。
【図10】図9の平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、洗面化粧台の斜視構成図であり、洗面化粧台1は、洗面キャビネット2の上面に洗面器2aが設けられており、洗面器2a上にミラーキャビネット3が立設され、ミラーキャビネット3の前面には開閉可能に鏡扉3aが設けられている。このミラーキャビネット3の下端側に別体で収納棚4が設けられており、この収納棚4は前面側に開閉可能な開閉扉4aが設けられている。
【0011】
この収納棚4内には、図2の斜視図で示すような収納ケース5を入れて、この収納ケース5内に、洗面や化粧に必要な小物類を収納させておくことができるものである。即ち、収納ケース5は、底板部5aの前側に前板部5bが立ち上がり、底板部5aの背側には背板部5cが立ち上がり、底板部5aの左右側には側板部5d,5dが一体状に立ち上げ形成されて、上面が開放された収納空間Sが内部に形成されている。
この収納ケース5には、前板部5bの内側に縦長スリット状の前側溝6a,6a,6aが左右方向に間隔をおいて形成されており、また、背板部5cにも、前側溝6a,6a,6aと対向状に複数の縦長スリット状の背側溝6b,6b,6bが左右方向に間隔をおいて形成されている。
【0012】
この収納ケース5の一対の前側溝6aと背側溝6b間に仕切板7を差し込んで、仕切板7により収納ケース5の収納空間S内を間仕切ることができる。
なお、仕切板7を移動させて任意の位置の前側溝6a,背側溝6b間に差し込むことで、収納する物の大きさに応じて収納空間S内を良好に区切ることができ、収納空間S内に収納物を散らかることなく効率よく収納できるものとなる。
【0013】
即ち、仕切板7は、図5の斜視図で示すような形状となっており、前縁7aおよび後縁7bが立ち上げ形成されて、上縁7cはほぼ水平状に形成され、上縁7cから前縁7aに向かって湾曲状に下傾する湾曲下傾部7dが形成されている。
この仕切板7の前縁7aを収納ケース5の前側溝6aに上方側から差し込み、また、後縁7bを収納ケース5の背側溝6bに上方から差し込んで、良好に仕切板7を収納ケース5の収納空間S内に取り付け固定することができる。
【0014】
なお、図6の斜視図で、図7の平面図で、図8の背面図で示すように、仕切板7に、箱状トレイ8を一体化させて形成しておくことができる。
即ち、図6,図7,図8に示す箱状トレイ8は、仕切板7の左右に略水平に張り出して左底部8aと右底部8bを一体形成し、左底部8aおよび右底部8bの外周に、上方へ立ち上げて外周立上枠部8cを一体形成し、さらに、左底部8aと右底部8bから垂下状にそれぞれ脚部8d,8dを一体形成したものであり、外周立上枠部8cの内側は上面側が開放された収納部となって、左底部8a上および右底部8b上にそれぞれ小物等を入れることができる。
【0015】
例えばヘアピン等の小物を散らかることなく効率よく箱状トレイ8内に収納しておくことができる。しかも仕切板7と一体化されているため、仕切板7を前側溝6a,背側溝6bから抜き取って左右方向の別の位置に移動させることもでき、箱状トレイ8内に収納されるヘアピン等を取り出しやすい位置に配置させることができて、洗面化粧台1の鏡を見ながら化粧を行う際に、収納棚4の開閉扉4aを開けると、直ぐにこの箱状トレイ8が露出するため、箱状トレイ8内のヘアピン等を容易に取り出すことができ、取り出しやすく、使用勝手が良好なものとなる。
【0016】
次に、図9の斜視図で、また図10の平面図で示すものは、仕切板7に、縦長筒状の筒状トレイ9を一体形成させたものである。
即ち、図9および図10において、仕切板7の一部を左右側へ膨出させ、円筒壁部9a,9aを左右側に形成させて、縦長円筒状の筒状トレイ9を仕切板7に一体形成させることができ、筒状トレイ9は上面側が開放されて、例えば綿棒等をこの筒状トレイ9内に入れておくことができるものである。
【0017】
この筒状トレイ9を一体化した仕切板7においても、図3および図4の平面図で示すように、仕切板7の前縁7aを収納ケース5の前側溝6a内に差し込み、仕切板7の後縁7bを収納ケース5の背側溝6bに差し込むことにより、筒状トレイ9を一体化した仕切板7を収納ケース5の収納空間S内に取り付けておくことができる。
また、仕切板7を左右方向に移動させて任意の前側溝6a,背側溝6bに差し込み固定することができ、移動させることで収納空間S内に収納される物の大きさに応じて収納空間Sを良好に区切ることができるとともに、綿棒等を取り出しやすい位置に配置させることができるものである。
【0018】
このような筒状トレイ9内に綿棒を入れて収納しておくことにより、洗面化粧台1の前に立って化粧等を行う際に、手を下側へ伸ばすだけで、良好に筒状トレイ9から綿棒を取り出して使用することができ、取り出しやすく、使用勝手が良好なものとなる。
【符号の説明】
【0019】
1 洗面化粧台
3 ミラーキャビネット
4 収納棚
4a 開閉扉
5 収納ケース
6a 前側溝
6b 背側溝
7 仕切板
7a 前縁
7b 後縁
8 箱状トレイ
8a 左底部
8b 右底部
8c 外周立上枠部
8d 脚部
9 筒状トレイ
9a 円筒壁部
S 収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間内を間仕切ることのできる移動可能な仕切板に、小物収納用のトレイを一体化させたことを特徴とする収納部材。
【請求項2】
前記仕切板の左右に略水平に張り出して箱状のトレイを形成させたことを特徴とする請求項1に記載の収納部材。
【請求項3】
前記仕切板の一部を左右側へ膨出させて縦長筒状のトレイを形成させたことを特徴とする請求項1に記載の収納部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−94507(P2013−94507A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241739(P2011−241739)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)