説明

取り付け装置

前主表面及び後主表面を有するベースプレート、ベースプレートを表面に固定する締結具、及び装置上に用具を保持するためにベースプレートの前主表面に回転可能に連結される保持部材を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に取り付け装置に関し、より詳しくは、物品、特に剛性の線材から形成される物品を、例えば、延伸剥離接着ストリップを使用して表面に強固に付着するのに使用することができる取り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの用具が、家の周り及び仕事場における壁表面に取り付けられる。かかる用具には、例えば、石鹸皿、歯ブラシホルダー、シャワー・キャディ、キッチンオーガナイザー、カレンダー、保管システム、棚及び収納具が挙げられる。かかる用具は、様々な型及び寸法において、並びにプラスチック、合板システム及びワイヤ型システムで供給される。合板及びワイヤ型システムは、例えば、クローゼットメイド(CLOSETMAID)という商標表記で市販されている。かかる保存システム及び収納具は、どちらも独立型に設計し得るが、一般的に、クローゼットの中又はキャビネットドアの内部等の壁表面に取り付けられるか、あるいは固定される。
【0003】
壁に取り付けることができる収納システムは、特許取得済みの先行技術から既知である。例えば、米国特許第6,299,001号(フロロブ(Frolov))は、壁にメッシュパネルを保持する壁ブラケットを備えるワイヤメッシュパネルから形成される壁収納システムを開示している。米国特許第5,346,077号(ランダール(Randall))は、垂直壁支持ブラケットに取り付けるためのカンチレバーブラケットを包含するワイヤ棚におけるアセンブリを開示している。
【0004】
かかるシステムは、典型的には釘及びねじ等の従来の機械的な締結具を使用して取り付けられるか、又は壁表面に対してそれらを固定する金具を取り付ける特別な設計を必要とする。かかる特別な機械的な締結具の一例は、例えば、米国特許第6,494,653号(リマース(Remmers))において開示され、これは、壁にワイヤ棚などの用具を掛けるのに使用することができる機械的な壁固定具を開示している。
【0005】
しかしながら、かかる従来の取り付け金具は特定の欠点及び制限を有する。例えば、従来の取り付け金具は、設置が難しい、設置の際に壁表面を損傷する、設置に工具を必要とし得る、一度壁表面に取り付けられると所定位置に固定されるため、一度設置されると新たな場所に容易に調整又は移動できない、一般的に、収納システムにおいて特定の型及び/又は寸法で設計される、壁表面から取り外すのが難しい、及び典型的には、システムは固定された方向で設置される必要があり、この方向は取り付け金具の設置によって決定される方向である。
【0006】
延伸剥離接着テープ及び接着テープストリップは、強力な保持力と綺麗に取り外せて、表面の損傷がないことを兼ね備える高機能感圧性接着剤の1つの種類である。延伸剥離接着テープは、様々な組み立て、結合、付着、及び取り付け用途に有用である。延伸剥離接着ストリップは、特許取得済みの先行技術から公知である。例えば、米国特許第4,024,312号(コープマン(Korpman))には、接着層に積層された高延伸性である弾性バッキングフィルムを含む高い適合性を有する接着テープが開示されている。この接着テープは容易に延伸し、表面に対して実質的に平行な方向にストリップを長さ方向に伸張することで表面から取り外され得る。
【0007】
独国特許第3331016号は、熱可塑性ゴム及び粘着付与樹脂をベースとする高弾性かつ低塑性の接着フィルムを開示しており、これは接着接合の平面の方向に接着フィルムを延伸することで破断され得る。
【0008】
米国特許第5,516,581号(クレケル(Kreckel)他)は、延伸して取り外すのを促進するために感圧性接着剤の層及び非接着性プルタブが塗布された高延伸性かつ実質的に非弾性のバッキング材を有する取り外し可能な接着ストリップが開示している。接着ストリップは、非接着性プルタブを掴み、基材の表面に対し実質的に平行な方向にストリップを延伸することで、ほとんどの表面から基材を損傷無しに取り外すことが可能である。
【0009】
米国特許第6,231,962号(ブリース(Bries)他)は、取り外し可能な発泡体接着ストリップを開示している。この接着ストリップは、バッキング材の少なくとも1つの表面上に塗布されたポリマー発泡体層及び感圧性接着剤の層を含む接着ストリップを含む。
【0010】
市販の延伸剥離接着テープストリップは、ミネソタ州セントポール(St. Paul)の3M社からコマンド(COMMAND)の商標表記のもとで販売されている製品である。
【特許文献1】米国特許第6,299,001号
【特許文献2】米国特許第5,346,077号
【特許文献3】米国特許第4,024,312号
【特許文献4】独国特許第3,331,016号
【特許文献5】米国特許第5,516,581号
【特許文献6】米国特許第6,231,962号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
設置及び使用が容易な多用途の取り付け装置において存在している要望は、釘及びねじのような機械的な締結具の代わり、及び吸着カップの代わりに使用できるということである。壁表面を損傷せず、工具を使用せずに壁に付着することが可能であり、1つの場所から他の場所に容易に移動することが可能であり、保管又は収納システム壁表面から迅速かつ容易に取り付け及び取り外しされることが可能であり、保管又は収納システムが様々な方向に取り付けられることが可能であり、異なる寸法の保管及び収納システムに取り付けるのに使用することが可能であり、及び保管及び収納システム自体が工具を使用せずに設置されることが可能である、取り付け装置を提供するのも望ましい。特に、いわゆるワイヤ型保管及び収納システム(つまり、保管及び収納システムが剛体ロッドで構成され、典型的には金属から形成され、及び典型的には約2ミリメートル(mm)〜約10mmの直径を有する)を取り付けるための多用途の取り付け装置に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、目的表面に用具を取り付けるための装置を提供する。本装置は、特に、剛体ロッドによって形成される保管及び収納システムを取り付けるのに適しており、従来の機械的な締結具及び吸引カップの代わりに使用することができる。
【0013】
1つの実施形態において、取り付け装置は、前及び後主表面を有するベースプレートを備え、この後主表面は目的表面にベースプレートを固定するための締結具、及び、ベースプレートから間隔が空けられた開放配置とベースプレートと隣接した閉鎖配置との間を移動可能なベースプレートの前主表面と連結される保持部材を備える。締結具は、釘又はねじ、吸引カップ、又は接着剤のような従来の機械的な締結具であって良いが、好ましくは両面延伸剥離可能な接着ストリップである。
【0014】
本発明の1つの態様において、保持部材はシャフト部及びシャフト部から外側に伸張するヘッド部を備え、このヘッド部は、保持部材が開放配置から閉鎖配置に移動する際に取り付けられる用具に接触する接触表面を備える。
【0015】
より具体的な実施形態において、保持部材は回転可能にベースプレートに連結され、ベースプレートに螺合して連結される。特定の実施形態において、保持部材及びベースプレートは、雌ねじ式カウンター穴及び噛合雄ねじ式締結部材を備える。
【0016】
他の実施形態において、保持部材は、ベースプレートの前主表面と保持部材との間で装置上に取り付けられる用具を保持するように配置される、シャフト部とシャフト部から外側に伸張するリブ部を備え、それによって装置上に用具を強固に保持できる。
【0017】
他の態様において、取り付け装置は、ベースプレートの少なくとも一部分上に配置されるカバープレートを備える。カバープレートは、保持部材がベースプレートと連結する位置に中央開口部を含む。カバープレートは、好ましくはベースプレートに付着している。例えば、これは、スナップ型の連結において達成され得る。
【0018】
他の実施形態において、ベースプレートの前面は取り付けられる用具を受け入れるためのチャネルを含む。他の態様において、ベースプレートは、迫台に対して固定された位置を維持するために、少なくとも1つの隆起した迫台を備える。より特定の態様において、迫台は傾斜表面を備える。特定の実施形態において、迫台は、中央迫台及びこの中央迫台から間隔を空けて少なくとも1つの二次迫台を備える。さらにより特定の実施形態において、ベースプレートは、中央迫台の周囲に一定の間隔を空けて配置される複数の二次迫台を備える。
【0019】
他の態様において、取り付け装置は、ベースプレートの後面に沿って配置される接着ストリップを備える。より特定の態様において、接着ストリップは、ベースプレートの縁部を越えて外側に伸張する非接着性プルタブを備える延伸剥離ストリップである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面を参照すると、同様の参照番号はいくつかの図面を通して同様又は対応する部材を表し、図1〜6は本発明による取り付け装置2の実施形態を示す。図1は組み立て状態にある取り付け装置2を示し、図2及び3は分解又は完全に分離状態にある取り付け装置2を示し、及び図4〜6は壁表面にワイヤ型物品を取り付けるのに使用される取り付け装置2を示す。図で示されている実施形態において、取り付け装置2は、ベースプレート4、カバープレート6、保持部材8、及び両面接着ストリップ10を備えている。
【0021】
カバープレート6は、ベースプレート4上に配置され、それによってベースプレート4の少なくとも一部分を隠すように適合される。カバープレート6はまた、典型的に、延伸剥離接着ストリップ10の非接着性プルタブ10aのようなベースプレート4の後ろから外側に伸張する接着ストリップ10の任意部分に重なり、それによって隠すように寸法化される。特定の最終用途において望ましいこともあるが、カバープレート6は完全に省略されてよく、取り付け装置2に必要な要素ではないことが認められるであろう。
【0022】
カバープレート6は、ベースプレート4と連結するか、さもなければベースプレート4に付着するように設計される。これは、例えば、くさび嵌め連結、スナップ嵌め連結、又は他の従来の連結手段によって達成され得る。カバープレート6は、ベースプレート4の一部分がそれを通じて露出する中央開口部12を含み、それによって、保持部材8がベースプレート4と直接連結することが可能となる。図で示されている実施形態において、中央開口部12は楕円形状であるが、この中央開口部は丸、四角、三角又は任意の他の望ましい形状であってよい。
【0023】
カバープレート6は、カバープレート6の周辺に伸張するリップ部6aも備える。取り付け装置が組み立てられる(つまり、ベースプレート4及びカバープレート6が連結される)際、リップ部6aはベースプレート4の周りと重なる関係となるように伸張し、それによって、取り付け装置2が表面上に取り付けられると、ベースプレート4の縁部は隠れて見えなくなる。
【0024】
あるいは、カバー6はベースプレート4の全て、ベースプレート4の後から外側に向かって伸張する接着ストリップ10の任意部分、並びに保持部材8及び取り付け装置2に付着する取り付けられる用具の一部分を被うように設計されてよい。この方法によると、カバー6は装置の全表面を含み、したがって様々な形式又は外観を有する装置を提供するのに使用することができる。かかるカバーは互換性もあり、それによってさらに装置の設計における柔軟性を高め得る。
【0025】
図2において最も明確に示されているように、ベースプレート4は後部4a及び、後部4aから外側に伸張する、任意で、中央に位置し、隆起した前部4bを備える。後部4aは、両面接着ストリップ10がベースプレート4にしっかりと接合し、次に、ベースプレート4が壁表面16に接着接合するのを可能とする一般的に平面的な後面14を備える(図3)。
【0026】
カバープレート6がベースプレート4上に配置される際、ベースプレート4の前部4bがカバープレート中央開口部12に適合するように、隆起した前部4bは、カバープレート6中の中央開口部12の寸法及び形状に一般的に対応する寸法及び形状を有する。隆起した前部4bは、カバープレート6の前部に取り付けた用具を支持する役目を果たす。つまり、組み立てられる際、カバープレート6は取り付けられる用具の後に配置される。さらに、カバープレート6は、カバープレート6がベースプレート4に取り付けられる用具の取り付け又は配置を妨げないように、ベースプレート4と重なって噛合する関係に配置される。つまり、取り付けられる用具は、カバープレート6をベースプレート4から離すことができず、カバープレート6は取り付けられる用具の取り付け方向を制限しないので、取り付けられる用具はベースプレート上で複数の方向に取り付けることができる。
【0027】
ベースプレート4の隆起した前部4bは、保持部材8がベースプレート4に連結するのを可能とする、雌ねじ式カウンター穴20を含む突起18を備える。保持部材8がベースプレート4と連結するのを可能とするために、カウンター穴20は、カバープレート6がベースプレート4上に載置される際、カバープレート6の中央開口部12内に配列されるようにベースプレート4上に配置される。あるいは、カウンター穴20が直接ベースプレート4中に形成される際、突起18は省略することができる。
【0028】
本発明の1つの態様によると、ベースプレート4の隆起した前部4bは、取り付けられる用具24をベースプレート4に対して固定された位置で維持するために供される複数の任意の突起又は迫台22を備える(図4及び5において、図6に示すような保管システム等のより大きな物品26の一部から形成され得るで線材24として示される)。つまり、突起18及び各迫台22は、線材24を受け入れるチャネルの側面を共に画定する。あるいは、線材を受け入れるチャネルは、ベースプレート4の上面に直接形成される凹部又は溝として提供されてよく、迫台22は省略し得る。
【0029】
図で示される実施形態において、ベースプレート4は4つの等しく間隔の空けられた迫台22を備える。より詳しくは、迫台22は突起18の周りに一定の間隔に空けられ、1つは突起18上に直接、1つは突起18の下に直接、及び他の迫台22間が等間隔で空けられる位置で突起18の両側面に1つ配列される。さらに、各迫台22の側縁は、突起18の外側表面に整列される。つまり、各迫台22は突起18の幅(つまり直径)と一般的に等しい。図4に示すように、このように配置及び寸法化され、線材24のように細長い用具が装置2に取り付けられる際、その動きは突起18、突起18に対向する迫台22aによって制限され、及び突起18の対向側に位置する2つの迫台24b、24cの側縁によっても制限され、それによって線材24を安定化する。
【0030】
中央突起18及び迫台22の図に示された配列は、多くの利点を提供する。例えば、図に示される配列は、線材24が取り付け装置2に対して異なる方向に配置されることを可能とする。つまり、線材24は水平な壁表面上に水平又は垂直のいずれかに配列され得る。さらに、線材24は突起18の上もしくは下に配列されるか、又は突起18の左側又は右側に垂直に配列され得る。図に示される配列は、線材24が取り付け装置に対して横に滑る(つまり、装置2が垂直な壁表面に取り付けられる際、水平に滑る)のも可能とする。つまり、取り付け装置2は、線材24の並進運動を可能とする。配列は、装置に対する線材24がある程度回転運動することを可能とする。より具体的には、線材24は、取り付けられる用具保管システム26が取り付けられる表面から外側に旋回し得るように、その長手軸の周りを装置2に関して回転し得る。しかしながら、線材24の他の回転運動は制限される。
【0031】
装置2がワイヤ型の保管システム又は収納具26とともに使用される際、各迫台22は、典型的には約2mm〜約10mmである線材の特定の寸法に適応する距離で中央突起から間隔が空けられる。ロッド寸法又は直径の範囲を適応し、線材24と装置2のより強固な付着を提供するために、迫台22は任意で、各迫台22の高さが突起18から離れるにつれて増加するようにテーパの付いた又は傾斜した表面27(つまり、中央突起18に面する表面))を備える。傾斜表面27は、平面又は湾曲してよい。このようにして、保持部材8が締められる(つまり、ベースプレート4の方向に移動する)につれて、線材24は傾斜表面に沿って且つ中央突起18の方向において下向きに押し下げられ、それによって突起18に対して所定の位置にロッド24を固定することで、ロッド24を装置2に強固に付着する。
【0032】
本発明の他の態様によると、保持部材8は移動可能又は調節可能にベースプレート4と連結する。つまり、保持部材8がベースプレート4に近接して(例えば、ベースプレートに対して近く、隣接して、又は接する)配置され得るように、保持部材8はベースプレート4に対して移動し得るか、又は保持部材はベースプレート4から間隔を空けられた関係であり得る。保持部材8は、保持部材8が取り付け装置2に取り付けられる用具をしっかりと保持することを可能とする方法でベースプレート4と連結もされる。この方法で、ベースプレート4と保持部材8を連結することで、取り付け装置2は様々な用具を強固に取り付けるのを容易にするために使用することが可能となり、取り外しが望まれる際に、取り付けられる用具の位置を容易に調節するか取り外すことを可能とする。
【0033】
本発明の他の態様によると、保持部材8は分離可能、着脱可能又は取り外し可能にベースプレート4と連結する。つまり、保持部材8は、ベースプレート4又は保持部材8を損傷せずにベースプレート4と繰り返し連結及び分離され得る。保持部材8をベースプレート4に取り外し可能に連結することで、設置及び取り付け装置2からの用具の取り外しが促進される。
【0034】
図で示された実施形態において、保持部材8は雄ねじ式連結部8a、又は雌ねじ式カウンター穴20と回転可能に連結するシャフトを備える。したがって、保持部材8は、保持部材8のねじ部8aをカウンター穴20に螺入することでベースプレート4と連結することができる。あるいは、保持部材8の雌ねじ式カウンター穴20と雄ねじ連結部8aは、ベースプレート4が雄ねじ連結部を備え、保持部材8が雌ねじカウンター穴を備えるように裏返されてよい。
【0035】
ベースプレート4と保持部材8との間の他の連結装置及び連結手段(つまり、ねじ式連結に加えて)が、本発明に関して予想される。ベースプレート4と保持部材8との間の連結は、例えば、開放式のスナップ連結、くさび嵌め連結、又は保持部材8がベースプレート4と調節可能に連結することが可能な他の既知の連結手段を使用して形成され得る。
【0036】
ベースプレート4と保持部材8との間の連結は回転可能な連結の提供を必要としないが、保持部材8とベースプレート4の間の軸方向運動に限定され得る。つまり、ベースプレート4と保持部材8との間で調節可能な運動を可能とし、それによって保持部材8がベースプレート4付近の第1位置とベースプレート4から間隔を空けられた第2位置との間を移動するのが可能となる所望の機能を提供し、取り付けられる用具が取り付け装置2によって強固に保持され得るように、ベースプレート4と保持部材と8の間の連結を固定するのに提供される限り、特定の連結を選択することは有意ではない。
【0037】
保持部材8は、任意でユーザーによる保持部材8の手動による作動を促進し、取り付けられる用具を保持するための締め付け部材としても供されるハンドル部8bを備える。ハンドル部8bは、連結部8aの末端部から外側に伸張する。このようにして、ハンドル部8bは、ユーザーがベースプレート4に対する保持部材8の位置をより容易に制御及び/又は調整するのを可能とする。図で示された実施形態において、これは、例えばベースプレート4の方向にハンドル部8bを移動するために保持部材8を時計回りに回転するか、ベースプレート4からハンドル部8bを移動するために保持部材8を反時計回りに回転するかによって達成され得る。
【0038】
さらに、図5に示されるように、ハンドル部8bの下面(つまり、保持部材8がベースプレート4に付着する際にベースプレート4に面する側)は、保持部材8がベースプレート4の方向に移動するように線材24を噛合し、それによって線材24を所定の位置に固定するように配置される隆起した接触表面29を備える。図に示される実施形態において、接触表面29は、ハンドル部8bの下面からの突き出る環状隆起部30の末端表面である。保持部材8がベースプレート4に対してしっかりと適合するのを可能とするために、特に、装置2が中央穴18と迫台22との間のチャネルの深さ未満の直径を有する線材のような比較的小さな用具を取り付けるのに使用される場合、ハンドル部8bの下面は任意で凹部領域31を備える。凹部領域31は、保持部材8が締められるにつれて迫台22の末端部が凹部領域31に伸張するように設計される環状チャネル又は溝であってよく、又は凹部領域31は単に隆起部30から奥まった領域であってよい。
【0039】
図で示された実施形態において、ハンドル部8bは、取り付けられる用具24を捕捉し(図5)、それによって取り付け装置2に対して固定された位置で用具24を保持するのに役立つ穴18及び迫台22と組み合わせて締め付け部材として機能を果たすリブ部8b’を任意で備える。図で示された実施形態において、リブ部8b’は保持部材8のねじ部8aから、おおよそ穴18から空けられている迫台22までの距離と等しい距離で外側に放射状に伸張している。ハンドル部8bは、4つの迫台22と協働するように配置された4つのリブ部8b’を備える。
【0040】
他の形状を有するハンドル部も、本発明との連結において意図される。ハンドル部8bは、例えば、1つの連続リブ部がねじ部周囲に伸張するように円形であってよい。あるいは、ハンドル部8bは、正方形、矩形、楕円形又は他の幾何学的形状であってよい。さらに、リブ部8b’は様々な形状及び/又は寸法で提供され得る。
【0041】
接着ストリップ10は、従来の両面接着テープであってよいが、より典型的には延伸剥離接着ストリップである。図で示される実施形態において、接着ストリップ10は、ベースプレート4の底面より下に伸張する非接着性プルタブ10aを含む延伸剥離接着ストリップである。好適な延伸剥離接着ストリップには、弾性バッキング材を有する感圧性接着ストリップ、高延伸性かつ実質的に非弾性のバッキング材を有する感圧性接着ストリップ、又は固体かつ弾性の感圧性接着剤が挙げられる。本発明の様々な実施形態に使用するのに好適な特定の延伸剥離接着ストリップには、米国特許第4,024,312号(コープマン(Korpman))に記載の弾性バッキング材を有する感圧性接着ストリップ、米国特許第5,516,581号(クレッケル(Kreckel)他)及びブリース(Bries)他(6,231,962号)に記載の高延伸性かつ実質的に非弾性のバッキング材を有する感圧性接着ストリップ、及び独国特許第3331016号に記載の固体かつ弾性の感圧性接着剤が挙げられる。
【0042】
あるいは、ベースプレート4は感圧性接着剤、のり、エポキシ樹脂等のような従来の接着剤を使用して表面に取り付けられ、釘、ねじ等のような従来の機械的な締結具を使用して取り付けられ、又は吸引カップを使用して取り付けられてよい。
【0043】
図7は本発明の代替の実施形態を示し、同様の機能である特徴部は、同じ番号に100ずつ増やされた参照番号で表される。特に、図7は、本発明の代替の実施形態による取り付け装置102を使用する壁表面116に取り付けられる石鹸皿133を示す。取り付け装置102は、ベースプレート104に剥離可能に連結される保持部材108を備える。
【0044】
ベースプレート104は、雌ねじ式カウンター穴120を含む一般的に平面的な前面132を備える。穴118は、カウンター穴120と隣接するベースプレート104の前面132から突出している。穴118は、石鹸皿133の開口部134を通って伸張し、それによってベースプレート104上の石鹸皿133の取り付けを促進するように構成されている。あるいは、穴118は、雌ねじ式カウンター穴120がベースプレート104前面132とぴったりと重なるように省略され得る。
【0045】
保持部材108は、雌ねじ式カウンター穴120を介してベースプレート104と螺合して連結する雄ねじ式ファスナ部108aを備える。保持部材108は、保持部材108の手動による作動を促進する一般的に円形のハンドル部108bも備え、及び取り付けられる用具(この場合、石鹸皿133)を保持部材108とベースプレート104間において一般的に固定された配置で保持する停止部も形成する。石鹸皿133は、家庭用保管用具のような、取り付け装置102を使用して取り付けられるように設計される、別の様々な用具でもあり得る一例を示すことを意図されることが認められるであろう。
【0046】
延伸剥離接着ストリップ110はベースプレート104の後面に添貼され、ベースプレート104を壁表面116に接着接合する。延伸剥離接着ストリップは、ベースプレート104の下縁より下向きに伸張する非接着性プルタブ110aを備え、これによってユーザーはプルタブに接近し、剥離が望まれる際に壁表面116から接着ストリップを延伸剥離することが可能となる。図で締示された実施形態において、石鹸皿133がベースプレートに取り付けられる際、物品を前から見ると非接着性プルタブ110aに重なって、一般的に隠れる。
【0047】
本発明の数々の実施形態の利点は、ユーザーが取り付けられた用具(つまり、図6において示されるワイヤ型収納具26又は図7において示される石鹸皿133)並びに取り付け装置2、102を壁表面16、116から取り外すことを望んだ際、取り付け装置2、102の分解が容易であることは装置を見る者に明らかであることである。つまり、本発明は、装置2、102を見るユーザーが、保持部材8、108をベースプレート4、104から取り外す(つまり、ねじを緩める)ことによって、取り付け装置2、102を離し、取り付けられる用具(つまり、ワイヤ収納具26又は石鹸皿133)がベースプレート4、104から分離され得ることを容易に認識することが可能である直感的な設計を提供する。取り付けられた用具26、133がベースプレート4、104から一旦取り外されると、図7の場合のように延伸剥離接着剤10、110の非接着性プルタブ110aが露呈されるか、もしくは図2及び3の場合のように非接着性プルタブ10aを隠すためのカバープレート6を容易に取り外すことが可能となる。
【0048】
非接着性プルタブ10a、110aが一旦露呈され、それによってユーザーが接近可能となると、ユーザーは、プロセスを完了するために非接着性プルタブ10a、110aを下に引張し、ベースプレート4、104及び壁表面16、116から接着ストリップ10、100を延伸して取り外すことでベースプレート4、104を壁表面16、116から取り外すことが可能となる。このような方法で、本発明は、用具を壁表面に取り付けていないユーザーを含むユーザーが取り付け用具26、133を壁表面16、116から取り外す方法を容易に決定する直感的な設計を提供する。
【0049】
発明の概念から逸脱することなく上述される発明の様々な変更や修正ができることは、当業者には理解されよう。このように、本発明の範囲を本願出願に記載の構造に限定すべきではなく、特許請求の範囲の文言によって記載の構造物及びそれらの同等のものによってのみ限定されるものである。
【0050】
添付図面を参照して、本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による取り付け装置の斜視図である。
【図2】図1の取り付け装置の分解斜視図である。
【図3】接着ストリップで壁表面に付着する取り付け装置の分解側面図である。
【図4】線材を表面に連結するのに使用される取り付け装置を示す斜視図である。
【図5】図4の線5〜5に沿った断面図である。
【図6】取り付け装置で表面に取り付けられるワイヤ型保存システムの斜視図である。
【図7】表面に石鹸皿を取り付けるのに使用される本発明の代替の実施形態の分解斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的表面に用具を取り付ける装置であって、
(a)前及び後主表面を有するベースプレートと、
(b)前記ベースプレートを目的表面に固定する締結具と、
(c)前記ベースプレートから間隔が空けられた開放配置と前記ベースプレートと隣接した閉鎖配置との間を移動可能な前記ベースプレートの前主表面と連結される保持部材、とを含む装置。
【請求項2】
前記保持部材が、シャフト部及び前記シャフト部から外側に伸張するヘッド部とを備え、前記ヘッド部は前記保持部材が前記開放配置から前記閉鎖配置に移動する際に用具に接触する接触表面を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記保持部材が前記ベースプレートに回転可能に連結される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記保持部材が前記ベースプレートに螺合して連結される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記保持部材及びベースプレートが、雌ねじ式カウンター穴及び噛合雄ねじ式締結部材を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記保持部材が、前記ベースプレートの前主表面と前記保持部材との間で装置上に用具を保持するように配置されたシャフト部、及び前記シャフト部から外側に伸張するリブ部を備えて、前記装置上に用具を強固に連結できる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ベースプレートの少なくとも一部分上に配置されるカバープレートを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記カバープレートが、前記保持部材が前記ベースプレートと連結する位置に中央開口部を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記カバープレートが、前記ベースプレートとスナップ連結する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ベースプレートの前面が、前記用具を受け入れるチャネルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ベースプレートが、迫台に対して固定位置で前記用具を維持するための少なくとも1つの隆起した迫台を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記迫台が傾斜表面を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記迫台が中央迫台及び、前記中央迫台から間隔の空けられた少なくとも1つの二次迫台を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ベースプレートが、前記中央迫台の周囲に一定の間隔を空けて配置される複数の二次迫台を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記中央迫台と二次迫台との間の距離が約2mm〜10mmである、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記ベースプレートの後表面に沿って配置される接着ストリップを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記接着ストリップは、前記ベースプレートの縁部を越えて外側に伸張する非接着性プルタブを含む延伸剥離ストリップであって、取り外しが望まれる際に、ユーザーが前記プルタブに接近し、前記接着ストリップを延伸して取り外すことができるように露呈される、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−515591(P2009−515591A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540110(P2008−540110)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/043254
【国際公開番号】WO2007/058817
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】