説明

取り外し可能にディスクを保持する手段を備えたディスク等の容器

【課題】ディスクを取り外し可能に保持する手段を備えたディスク等の容器を提供する。
【解決手段】取り外し可能にディスク(4)を保持する手段を有するディスク(4)等の容器(1)であって、ディスク(4)を収容する領域と、ディスク(4)と接触する領域(10)とを規定する少なくとも1つの受入れ部(3)を有する収容容器本体(2)と、更に設けられたディスク(4)の中心保持手段(20)と、を備え、中心保持手段(20)は、該中心保持手段(20)上の押しボタン式動作によりディスク(4)から中心保持手段(20)を外すために、受入れ部(3)の底部に関して揺動することができる部分によって支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能にディスクを保持する手段を備えたディスク等の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、CD、DVDや他の同様な光学的、又は磁気読み取り式ディスク等のディスクのために典型的に使用される容器は、一般的にトレイから構成され、一般的にプラスチックから形成され、内部にディスクを収容する受入れ部を規定する。前記ディスクはディスクの中心孔、又はその周縁領域と係合する弾性的に柔軟な要素からなる手段によって、適所に保持される。
【0003】
中心孔を保持する手段を備えた容器内では、中心領域内にディスクを保持する要素に関して押しボタン式に作動することによって、自動的にディスクを取り外すことを可能にする解決方法が既に提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの実施形態においては、中心保持手段からディスクを取り外すために、実際上ディスクを持ち上げる複数の要素を設ける必要があるため、押しボタン式に取り外すためには、不可避的に、考慮すべき構造上の複雑な点がある。
【0005】
従って、これらの実施形態は通常、非常に複雑で、更に使用によって比較的短時間にディスクを保持する効果がなくなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のねらいは、ディスクを取り外し可能に保持する手段を備えたディスク等の容器を提供することによって、上述の問題を解決するものである。容器内では、押しボタン式動作をなすことができるが、複数の弾性的に柔軟な歯部(elastically flexible teeth)と共に設けられた従来のハブを実際上、使用することを可能にする新しい型の保持手段を使用することができる。
【0007】
このねらいの範囲内で本発明の目的は、中心保持手段が結合領域内で強制力を生成せず、結果としてディスクが損傷する可能性を排除する容器を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、その固有の構造上の特徴によって、使用中の信頼性及び安全性をより確実にすることができる容器を提供することである。
【0009】
更に本発明の他の目的は、一般的に商業的に入手可能な要素及び材料から簡単に得ることができ、また単に経済上の観点から競争力があり、ディスクを取り外し可能に保持する手段を備えたディスク等の容器を提供することである。
【0010】
このねらい、これらの及び他の目的は、以下でより一層明確になるが、ディスクを取り外し可能に保持する手段を備えた、本発明に係るディスク等の容器によって達成される。前記容器は、ディスクを収容する領域と、ディスクと接触する領域とを規定する少なくとも1つの受入れ部を有する収容容器本体と、更に設けられたディスクの中心保持手段とを備え、前記中心保持手段は、該中心保持手段に関する押しボタン式動作と共に、ディスクから中心保持手段を外すために、受入れ部の底部に関して揺動することができる部分によって支持されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の更なる特徴及び優位な点は、好適な実施形態の詳述からより明確になるが、添付図面の中で図示されたディスクを取り外し可能に保持する手段を備えたディスク等の容器の実施形態を除外するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図を参照すると、ディスク等を取り外し可能に保持する手段を備えたディスク等の容器は全体的に参照番号1により指定され、前記容器は、有利に従来のトレイ型を有し、全体的に参照番号4により指定される例えばCD、DVD又は均等のメディアからなるディスクを収容することができる少なくとも1つの受入れ部3を内部に規定する収容容器本体2を備え、図示された例において受入れ部3は、楕円形を有し、もちろん他の形、又は表されていない形を有してもよい凹型領域8内に配置されている。
【0013】
受入れ部3は、例えば、実質上円周に配置された周縁隣接リム10と、中心保持手段に配置された中心突起部11とにより構成されたディスクの周縁接触領域を規定し、前記中心保持手段は、全体的に参照番号20により指定され、それ自体は公知の形状であるハブ要素によって構成されている。
【0014】
有利なことに、リム10は所定の範囲に沿って、凹型領域8のより広い部分に、ディスクの周縁領域への接近を妨げるように設計された閉じ込めリム15によって、側面に配置されている。
【0015】
中心保持手段は、受入れ部の底部に対して揺動することができるという固有の特徴を有し、この目的のために、近接するハブ20を囲む丸い頭頂部(vertex)を備えた、実質的にV字型をしたスロット30が設けられている。
【0016】
スロット30があることでハブを支持する部分に所定の弾性が生じ、ハブの上部を押圧することによって図5に示すようにハブは撓む。このことはスロット30が設けられたという事実によって可能になり、実際上底部からディスクを分離することができる。
【0017】
ハブ20は、底面の自由端に自由揺動を可能にする傾斜切欠き部21を備え、ディスク4から外れる。ディスク4はむしろ、周縁接触領域10と境を接して、及び中心接触領域12に接するので、適所に維持し続ける。中心接触領域12は、中心接触要素11に関して対向する側で、側面に沿ってスロット30と隣接する。中心接触要素11は、切欠き部21があることによって揺動することができる部分の上に規定されている。
【0018】
また留意すべきことに、有利なことにハブは、ハブの周縁領域の一部のみに作用し、有利なことにスロット30に近接して位置するハブの部分には作用しない弾性的に柔軟な歯部22を備え、これによりディスクの中心領域に力を作用することなく揺動部を簡単に撓ませることができ、ディスクは周縁接触領域によって設けられた迫台のおかげで自由に外れることができる。
【0019】
更に、中心接触領域12上のディスクとの接触部は、取り外しのための押しボタンの動作中に、ディスク4が押圧動作によって影響を受けることを防止する。
【0020】
上述の配置によって、ディスクは押圧することにより、CD等の容器内に使用される従来の中心ハブ等の中心保持手段と係合することができる。
【0021】
取り外しは、ハブを作動することによって簡単になされる。ハブは、揺動可能な底部の1部上に配置されることによって、また押しボタン式動作によって、つまり受入れ部によって形成された平面に垂直な方向に沿って押圧することによって、中心孔から外れることができ、押圧動作が解除されて揺動部が再び上がり、図6に示すようにディスクを上方に押圧する時に、実際上ディスク4を持ち上げることができる。
【0022】
中心保持手段は、レコードのジャケットに適用することができる収容容器本体内のみではなく、図7に示す箱状要素又はケース50と共に使用することができ、ケース50内には、前述の中心保持手段を備え、小冊子等を保持する例えばクリップ53を有する閉塞蓋(closure lid)52に連接する基部本体51が配設されている。
【0023】
上述したことから、本発明は提案されたねらい及び目的を達成することが明らかであり、特に、簡単な構造的手段と共に、実際上従来のハブを使用することにより、ディスクを保持する中心ハブでの押しボタン式動作により取り外すことができる、CDやDVD等の容器を提供することができると強調している。
【0024】
このように着想された本発明は、多くの改良例及び変形例を受け入れる余地があり、これらの全ては添付したクレームの範囲内にある。
【0025】
全ての詳細は更に、他の技術的に均等な要素に置き換えてもよい。
【0026】
実際に、使用される材料、条件付き形状、及び寸法は要求により任意である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】容器の実施形態の斜視図である。
【図2】容器の平面図である。
【図3】図2のIIIーIII線に沿った容器の断面図である。
【図4】図3の断面図の拡大図である。
【図5】中心保持手段の押しボタン式動作の段階の概略断面図。
【図6】中心保持手段から外れたディスクの断面図である。
【図7】同じ中心保持手段を備えた箱状の要素、又はケースの図である。
【符号の説明】
【0028】
1 容器
2 収容容器本体
3 受入れ部
4 ディスク
8 凹型領域
10 周縁隣接リム
11 中心突起部
12 中心接触領域
15 閉じ込めリム
20 ハブ
21 傾斜切欠き部
22 弾性的に柔軟な歯部
30 スロット
50 ケース
51 基部本体
52 閉塞蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能にディスクを保持する手段を有するディスク等の容器であって、
前記ディスクを収容する領域と、前記ディスクと接触する領域とを規定する少なくとも1つの受入れ部を有する収容容器本体と、
更に設けられた前記ディスクの中心保持手段と、
を備え、前記中心保持手段は、該中心保持手段に対する押しボタン式動作により前記ディスクから前記中心保持手段を外すために、前記受入れ部の底部に関して揺動することができる部分によって支持されていることを特徴とするディスク等の容器。
【請求項2】
前記受入れ部は、前記ディスクの周縁と接触する領域を少なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ディスクの周縁と接触する前記領域は、実質上円周に配設された周縁隣接リムによって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
内側に前記受入れ部が設けられた凹型領域を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記隣接リムの少なくとも1部分によって側面に配設された閉じ込めリムを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記中心保持手段に配設された中心突起部を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
前記揺動部は、前記受入れ部の底部に設けられたスロットによって規定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
前記スロットは実質上V字型であって、前記中心保持手段を前記V字型の頭頂部に近接して配設されたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
前記V字型スロットは、円形頭頂部を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
前記中心保持手段は、弾性的に柔軟な歯部を有するハブを備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
前記弾性的に柔軟な歯部は、前記V字型スロットの前記頭頂部に方向付けられた前記ハブの部分で切欠かれていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
前記ハブは、ディスク差込部の反対側になる底面に、揺動を可能にするための傾斜切欠き部を備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項13】
前記中心保持手段が作動する際に前記ディスクが曲がるのを防止するために、前記ハブの反対側に、前記スロットに横方向に隣接する、前記ディスクの中心接触領域を備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
取り外し可能にディスクを保持する手段を有するディスク等の箱状要素であって、
前記ディスクを収容する領域と、前記ディスクと接触する領域とを規定する少なくとも1つの受入れ部を有する基部本体と、
前記基部本体に連接する閉塞蓋と、
更に設けられた前記ディスクの中心保持手段と、
を備え、前記中心保持手段は、該中心保持手段に対する押しボタン式動作により前記ディスクから前記中心保持手段を外すために、前記受入れ部の底部に関して揺動することができる部分によって支持されていることを特徴とするディスク等の箱状要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−230702(P2008−230702A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−33357(P2008−33357)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(508046801)ポッツォーリ・ソシエタ・ペル・アチオニ (2)
【氏名又は名称原語表記】POZZOLI S.p.A.
【Fターム(参考)】