説明

取付具及び電子機器の取付構造

【課題】低コスト化を図ることができるとともに、紛失することを防止できる取付具及び当該取付具を備えた電子機器の取付構造を提供する。
【解決手段】電子機器の取付構造は警報連動装置と取付具3を備えている。取付具3は本体部11と立設取付部12と平行取付部13と鉛直固定部14を備えている。本体部11は中実の板状に形成されている。立設取付部12は本体部11に連なりかつ警報連動装置2に取り付けられると本体部11を警報連動装置2の背面6bから突出した状態に位置付ける。平行取付部13は本体部11に連なりかつ警報連動装置2に取り付けられると、本体部11を警報連動装置2の背面6b上に重なる状態に位置付ける。鉛直固定部14は壁面に本体部11を固定するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災警報器、ガス漏れ警報器、防犯機器等の異常状態検出装置と連動する警報連動装置などの電子機器を固定するための取付具及び当該取付具を備えた電子機器の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から家宅等には、ガスメータやガス漏れ警報器等が設置されており、それらによって把握されるガスの使用量やガス漏れ発生の有無は、従来はスタンドアローンでそれぞれの機器において把握されているのみであったが、その後、遠隔地での集中監視の普及により、遠隔地の集中監視地点に電話回線等を介して接続された集中監視盤に、個別に有線接続されるケースが増え始めた。さらに近年では、設置箇所の自由度を向上させるために、無線装置を介してガス漏れ警報器やガスメータ等を集中監視盤に無線接続する構成が提案されるに至った(特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の火災警報器を無線で連動させ、どこか1カ所で火災が検出されたときに、「火事です!」というメッセージを報知する火災システムが知られている。さらに、家宅によっては、ドア、窓等に設けられた防犯センサによる異常の検出に応じて「泥棒!110番!」等のメッセージを流す防犯システムが知られている。
【0004】
そこで、家宅等に複数のシステムを設けた場合に、例えば火災警報器から「泥棒!110番!」等のメッセージを報知することが検討されてきたが、現状の法律では消防庁の管轄する火災警報器で警察庁の管轄の防犯機器が発するメッセージを出力することは認められない。
【0005】
また、例えば、深夜等に2階の寝室で就寝中に、誰もいないはずの1階から物音が聞こえた場合、1階に降りて確認すればよいが、居直り強盗化するおそれもあり、安易に1階に見に行くわけにもいかないのが現状である。さらに、老人が深夜にトイレ等で気分が悪くなった場合、如何に早く同居者に知らせることが重要であるが、現状では専用のシステムを家宅等に設ける必要があり、システムが複雑化してしまうという問題があった。
【0006】
このため、本発明の出願人は、ガス漏れ警報器、火災警報器や防犯機器などの異常状態検出装置と無線などで通信して、当該異常状態検出装置の異常状態の検出時にブザーなどを鳴らすとともに、異常状態検出装置のブザーなどを遠隔操作可能な電子機器としての警報連動装置を提案している。
【0007】
前述した警報連動装置などの電子機器は、水平なテーブル上に設置されたり、鉛直な壁面上に設置される。前述した電子機器を設置する際には、水平なテーブル上に設置するための取付具と、鉛直な壁面上に設置するための取付具(特許文献2参照)が用いられてきた。
【特許文献1】特開平6−85938号公報
【特許文献2】特開平11−133883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、電子機器をテーブル上に設置する場合と、鉛直な壁面上に設置する場合とで、それぞれ、専用の取付具を用いてきた。即ち、電子機器をテーブル上に設置するための取付具と、鉛直な壁面上に設置するための取付具とが、互いに別体であった。このため、取付具の種類が増加して、当該取付具のコストが高騰するとともに、電子機器をテーブル上に設置する場合と壁面上に設置する場合とを適宜切り換えると、二種類の取付具を適宜電子機器に着脱するので、取付具を紛失する恐れがあった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、低コスト化を図ることができるとともに、紛失することを防止できる取付具及び当該取付具を備えた電子機器の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の取付具は、電子機器を水平面から立設した状態と鉛直面に平行な状態との双方に位置付けることを可能とする取付具において、中実の板状に形成された本体部と、前記本体部に連なり、かつ前記電子機器に取り付けられると、前記本体部を前記電子機器の背面から突出した状態に位置付ける立設取付部と、前記本体部に連なり、かつ前記電子機器に取り付けられると、前記本体部を前記電子機器の背面上に重なる状態に位置付ける平行取付部と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の本発明の取付具は、請求項1に記載の取付具において、前記平行取付部が、前記電子機器の背面に設けられた凹部に係合するように前記本体部より凸状に形成され、前記平行取付部が前記凹部に係合すると、前記立設取付部が前記電子機器の外縁上に重なって前記平行取付部との間に前記電子機器を挟むように、前記本体部の外縁から曲がった片状に形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の本発明の取付具は、請求項1に記載の取付具において、前記平行取付部が、前記電子機器の背面に設けられた凹部に係合するように前記本体部より凸状に形成され、前記平行取付部が前記凹部に係合すると、前記立設取付部が前記本体部上に重なるように、前記本体部の外縁にヒンジを介して回転自在に連結した片状に形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の本発明の取付具は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の取付具において、前記本体部に設けられかつ前記鉛直面への固定用の鉛直固定部を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の本発明の電子機器の取付構造は、電子機器と、前記電子機器を設置するための取付具とを備えた電子機器の取付構造において、取付具として、請求項1に記載の取付具を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の本発明の電子機器の取付構造は、請求項5に記載の電子機器の取付構造において、前記電子機器には、前記立設取付部が取り付けられる取付受け部を複数備え、複数の取付受け部は、前記立設取付部が取り付けられると、前記本体部の前記背面とのなす角度が互いに異なる角度に前記本体部を位置付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように請求項1に記載の本発明によれば、立設取付部が電子機器に取り付けられると本体部が電子機器の背面から突出するので、当該本体部で電子機器を支えることで水平面上に電子機器を設置することができる。また、平行取付部が電子機器に取り付けられると本体部が電子機器の背面と平行になるので、当該本体部を鉛直面上に重ねて設置することで鉛直面上に電子機器を設置することができる。
【0017】
このように、取付具は、水平面上と鉛直面上との双方に電子機器を設置することができるので、当該取付具の種類を抑制して、取付具の低コスト化を図ることができるととともに、取付具の電子機器への着脱を頻繁に行う必要がなくなるので、取付具を紛失することを防止できる。
【0018】
請求項2に記載の本発明によれば、平行取付部が凹部に係合して鉛直面に取り付けられる際に、立設取付部と平行取付部との間に電子機器を挟むので、当該電子機器が鉛直面に対して位置ずれすることを防止できる。
【0019】
請求項3に記載の本発明によれば、平行取付部が凹部に係合して鉛直面に取り付けられる際に、立設取付部が電子機器の背面に重なるので、当該立設取付部が露出することを防止して、美観を損ねることを防止できる。
【0020】
請求項4に記載の本発明によれば、鉛直面への固定用の鉛直固定部14を本体部に設けているので、鉛直面に対して取付具を固定できるので、電子機器を鉛直面に対して位置ずれすることを防止できる。
【0021】
請求項5に記載の本発明によれば、前述した取付具を備えているので、取付具の低コスト化を図ることができるととともに、取付具を紛失することを防止できる。
【0022】
請求項6に記載の本発明によれば、電子機器に複数の取付受け部を設けて、取付受け部が本体部を互いに異なる角度に位置付けるので、取付受け部を適宜選択するので、電子機器の水平面に対する角度を変更可能である。したがって、電子機器を水平面に対して種々の角度に位置付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の第1の実施形態にかかる取付具及び電子機器の取付構造を図1乃至図11を参照して以下に説明する。
【0024】
電子機器の取付構造1は、図6乃至図11に示すように、電子機器としての警報連動装置2と、取付具3とを備えて、警報連動装置2を水平方向に沿った水平面としてのテーブル4上や鉛直方向に沿った鉛直面としての建造物の壁面5上に設置する構造である。
【0025】
警報連動装置2は、図6などに示すように、扁平な箱状に形成されている。警報連動装置2は、箱状の機器本体6と、当該機器本体6内に収容される各種の電子部品などを実装した印刷配線板などの機能部品と、ブザー7と、押しボタン8などを備えている。ブザー7と押しボタン8は、機器本体6の前面6a(図6中に手前側に示す)に露出した格好で配置されている。また、機器本体6の前面6aの裏側の背面6bの略中央部には、この背面6bから凹の凹部9が設けられている。さらに、機器本体6の背面6bの図7中下側に位置する縁には、横長の穴10が間隔をあけて二つ設けられている。
【0026】
前述した警報連動装置2は、ガス漏れ警報器、火災警報器や防犯機器などの異常状態検出装置と無線などで通信する。警報連動装置2は、前述した異常状態検出装置の異常状態の検出時にブザー7などを鳴らすとともに、押しボタン8が押圧されることで異常状態検出装置のブザーを遠隔操作して鳴らす。
【0027】
取付具3は、図1乃至図5に示すように、薄手でかつ中実の板状に形成された本体部11と、立設取付部12と、平行取付部13と、鉛直固定部14とを備えている。本体部11の平面形状は、矩形状に形成されている。
【0028】
立設取付部12は、一対の係止片15を備えている。係止片15は、片状に形成されて、一端部が本体部11の外縁に連なって、当該本体部11と一体に形成されている。係止片15は、本体部11に連なった一端部が曲げられて、本体部11の外縁から恰も立設した格好に形成されている。即ち、係止片15は、本体部11の外縁から曲がった片状に形成されている。また、係止片15は、本体部11から離れた側の他端部が当該本体部11に接離するように弾性変形自在となっている。立設取付部12の一対の係止片15は、警報連動装置2の穴10内に侵入して、当該穴10に係合する。
【0029】
平行取付部13は、本体部11の中央部に設けられている。平行取付部13は、本体部11の中央部の一部が、係止片15と同方向に切り起こされて、本体部11より凸状に形成されている。平行取付部13は、警報連動装置2の凹部9内に侵入して、当該凹部9に係合する。
【0030】
鉛直固定部14は、本体部11の立設取付部12の一対の係止片15と、平行取付部13との間に設けられている。鉛直固定部14は、図1、図2及び図4に示すように、木ねじ用孔16と、石膏ボード用孔17とを備えている。これらの孔16,17は、勿論、本体部11を貫通している。木ねじ用孔16は、一つのみ設けられている。木ねじ用孔16の平面形状は、だるま形に形成されており。その内側の木ねじの頭が通ることのできる大きさに形成されている。
【0031】
石膏ボード用孔17は、複数設けられている。石膏ボード用孔17は、図示例では、三つ設けられている。石膏ボード用孔17は、木ねじ用孔16を中心とした周方向に互いに間隔をあけて配置されている。石膏ボード用孔17は、石膏ボードへの固定用のピンが通る程度の大きさに形成されている。
【0032】
鉛直固定部14は、壁面5が木で構成されている場合に、この壁面5に取り付けられた木ねじの頭を木ねじ用孔16の内側に通して、この木ねじ用孔16の内縁に引っ掛けることで、取付具3即ち電子機器としての警報連動装置2を壁面5に固定する。また、鉛直固定部14は、壁面5が石膏ボードで構成された場合に、石膏ボード用孔17に前述したピンを通して、当該ピンを石膏ボードで構成された壁面5に打ち込むことで、取付具3即ち電子機器としての警報連動装置2を壁面5に固定する。
【0033】
前述して取付具3を用いて、電子機器としての警報連動装置2を以下のように設置する。まず、警報連動装置2を、水平面としてのテーブル4上(勿論、水平方向に沿った面上)に設置する場合には、図6及び図7に示すように、立設取付部12の係止片15を穴10内に係合させる。すると、本体部11が警報連動装置2の背面6bから突出した状態となる。勿論、本体部11が係止片15から離れるのにしたがって徐々に警報連動装置2の背面6bからより突出した状態となる。このように、立設取付部12は、警報連動装置2に取り付けられると、本体部11を警報連動装置2の背面6bから突出した状態に位置付ける。そして、本体部11をテーブル4上に重ねて、警報連動装置2をテーブル4上に設置する。
【0034】
また、警報連動装置2を、鉛直面としての壁面5上(勿論、鉛直方向に沿った面上)に設置する場合には、まず、本体部11を壁面5上に重ねて、鉛直固定部14により当該本体部11を壁面5に固定する。このとき、勿論、壁面5が木で構成されている際には、当該壁面5に木ねじをねじ込んで、この木ねじの頭を木ねじ用孔16の内縁に引っ掛ける。また、壁面5が石膏ボードで構成されている際には、本体部11を壁面5に重ねて、石膏ボード用孔17を通して、前述したピンを打ち込む。
【0035】
そして、図11に示すように、平行取付部13を凹部9内に係合させて、立設取付部12の係止片15を警報連動装置2の外縁上に当接させるとともに、図9乃至図11に示すように、本体部11を背面6bに重ねる。このように、平行取付部13は警報連動装置2に取り付けられると、本体部11を背面6b上に重なる状態に位置付ける。すると、係止片15が本体部11の外側に広がる方向に弾性変形して、警報連動装置2を平行取付部13に向かって付勢する。
【0036】
そして、図11に示すように、平行取付部13の係止片15と、立設取付部12との間に警報連動装置2の機器本体6を挟む。このように、平行取付部13が、凹部9に係合すると、立設取付部12の係止片15が警報連動装置2の外縁上に重なって、平行取付部13との間に警報連動装置2を挟むことで、警報連動装置2を取付具3に固定する。こうして、図8及び図9に示すように、警報連動装置2を壁面5上に設置する。このように、取付具1は、警報連動装置2をテーブル4から立設した状態と壁面5に平行な状態との双方に位置付けることを可能とする。
【0037】
本実施形態によれば、立設取付部12が警報連動装置2に取り付けられると本体部11が警報連動装置2の背面6bから突出するので、当該本体部11で警報連動装置2を支えることで水平面としてのテーブル4上に警報連動装置2を設置することができる。また、平行取付部13が警報連動装置2に取り付けられると本体部11が警報連動装置2の背面6bと平行になるので、当該本体部11を鉛直面としての壁面5上に重ねて設置することで、壁面5上に警報連動装置2を設置することができる。
【0038】
このように、取付具3は、テーブル4上と壁面5上との双方に警報連動装置2を設置することができるので、当該取付具3の種類を抑制して、取付具3の低コスト化を図ることができるととともに、取付具3の警報連動装置2への着脱を頻繁に行う必要がなくなるので、取付具3を紛失することを防止できる。
【0039】
また、平行取付部13が凹部9に係合して壁面5に取り付けられる際に、立設取付部12の係止片15と平行取付部13との間に警報連動装置2の機器本体6を挟むので、当該警報連動装置2が壁面5に対して位置ずれすることを防止できる。
【0040】
また、本体部11が中実の板状に形成されているので、本体部11の剛性を向上でき、本体部11即ち取付具3の厚みを最小限にすることができる。特に、壁面5に警報連動装置2を設置する際に、当該警報連動装置2が壁面5から突出することを防止でき、薄さのイメージを損なうことなく、当該警報連動装置2を壁面5に固定できる。さらに、鉛直固定部14が前述した孔16,17を備えているので、取付具3を直接壁面5に固定でき、警報連動装置2の壁面5からの突出量を確実に抑制できる。
【0041】
また、電子機器の取付構造1は、前述した取付具3を備えているので、取付具3の低コスト化を図ることができるととともに、取付具3を紛失することを防止できる。さらに、電子機器の取付構造1は、警報連動装置2の廃棄時などに、取付具3を警報連動装置2から取り外して、当該取付具3を新たな警報連動装置2に取り付けて用いることができる。即ち、取付具3は、機器本体2に着脱自在であるので、警報連動装置2の使用後に回収されて、再利用が可能である。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態にかかる電子機器の取付構造及び取付具を図12乃至図16を参照して説明する。
【0043】
本実施形態では、図12乃至図15に示すように、本体部11の外縁にヒンジ18を設け、このヒンジ18に立設取付部12の係止片15を取り付けている。平行取付部13の係止片15は、本体部11の外縁にヒンジ18を介して連結している。係止片15は、本体部11から離れた側の端が当該本体部11に接離するように、ヒンジ18を中心として、本体部11に回転自在に連結している。また、ヒンジ18は、図12乃至図14中に実線で示す係止片15が本体部11に重なる位置と、図12乃至図14中に二点鎖線で示す係止片15が本体部11とのなす角度が45度程度になる位置との間を係止片15が回転することを許容し、この間を越えて係止片15が回転することを規制する。
【0044】
本実施形態では、警報連動装置2をテーブル4上に設置する際には、前述した第1の実施形態と同様に、係止片15を穴10内に係合させる。そして、ヒンジ18によって、本体部11を警報連動装置2の背面6bから突出した状態にして、本体部11をテーブル4上に重ねて、警報連動装置2をテーブル4上に設置する。
【0045】
また、本実施形態では、警報連動装置2を壁面5上に設置する際には、前述した第1の実施形態と同様に、取付具3を鉛直固定部14により壁面5に固定する。このとき、図16に示すように、係止片15を本体部11に重ねて、本体部11と壁面5との間に挟んでおく。そして、立設取付部12を凹部9内に係合させるとともに、本体部11を背面6bに重ねて、警報連動装置2を壁面5に設置する。
【0046】
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様に、立設取付部12が警報連動装置2に取り付けられると本体部11が警報連動装置2の背面6bから突出するので、当該本体部11で警報連動装置2を支えることで水平面としてのテーブル4上に警報連動装置2を設置することができる。また、平行取付部13が警報連動装置2に取り付けられると本体部11が警報連動装置2の背面6bと平行になるので、当該本体部11を鉛直面としての壁面5上に重ねて設置することで、壁面5上に警報連動装置2を設置することができる。
【0047】
このように、取付具3は、テーブル4上と壁面5上との双方に警報連動装置2を設置することができるので、当該取付具3の種類を抑制して、取付具3の低コスト化を図ることができるととともに、取付具3の警報連動装置2への着脱を頻繁に行う必要がなくなるので、取付具3を紛失することを防止できる。
【0048】
また、平行取付部13が凹部9に係合して壁面5に取り付けられる際に、立設取付部12の係止片15が本体部11即ち警報連動装置2の背面6bに重なるので、当該立設取付部12の係止片15が露出することを防止して、美観を損ねることを防止できる。
【0049】
さらに、係止片15がヒンジ18を中心として本体部11に回転自在に連結しているので、係止片15の角度を変更でき、テーブル4に対する警報連動装置2の角度を任意に変更できる。
【0050】
また、電子機器の取付構造1は、前述した取付具3を備えているので、取付具3の低コスト化を図ることができるととともに、取付具3を紛失することを防止できる。さらに、電子機器の取付構造1は、警報連動装置2の廃棄時などに、取付具3を警報連動装置2から取り外して、当該取付具3を新たな警報連動装置2に取り付けて用いることができる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施形態にかかる電子機器の取付構造及び取付具を図17乃至図26を参照して説明する。
【0052】
本実施形態では、取付具3の本体部11は、図17乃至図20に示すように、帯板状に形成されている。この本体部11の長手方向の一端部の外縁に特許請求の範囲に記載された立設取付部と平行取付部との双方をなす取付部19が設けられている。取付部19は、本体部11の縁から立設した後、本体部11と平行に当該本体部11から離れる方向に延びて、側方からみてクランク状に形成されている。また、本実施形態では、鉛直固定部14は、本体部11の前述した一端部に設けられている。
【0053】
さらに、本実施形態では、警報連動装置2には、一つの平行取付受け部20と、複数の取付受け部21とが設けられている。これらの取付受け部20,21は、取付部19が侵入して、当該取付部19が係合可能に警報連動装置2の背面6bから凹に形成されている。
【0054】
平行取付受け部20は、警報連動装置2の背面6bの上縁(縁)に設けられている。平行取付受け部20に取付部19が係合すると、本体部11は、図25及び図26に示すように、警報連動装置2の背面6b上に重なる。
【0055】
取付受け部21は、図示例では三つ設けられている。複数の取付受け部21は、警報連動装置2の背面6bの中央部に設けられている。複数の取付受け部21は、図示例では警報連動装置2の上下方向の一の直線上に沿って互いに間隔をあけて配置されている。取付受け部21は、その断面において、背面6bから直線状に延在しているとともに、互いに背面6bとのなす角度が異なる。図示例では、下方即ち警報連動装置2の中央寄りの取付受け部21が、上方即ち警報連動装置2の外縁寄りの取付受け部21よりも背面6bとのなす角度が大きく形成されている。
【0056】
取付受け部21には、各々、取付具3の取付部19が係合する。複数の取付受け部21は、背面6bとのなす角度が互いに異なるので、取付部19が係合すると、図22及び図23中に一点鎖線、実線、二点鎖線で示すように、本体部11の背面6bとのなす角度を互いに異ならせる。図示例では、下方即ち警報連動装置2の中央寄りの取付受け部21に取付部19が係合する場合が、上方即ち警報連動装置2の外縁寄りの取付受け部21に取付部19が係合する場合よりも本体部11の背面6bとのなす角度を大きくする。このように、複数の取付受け部21は、取付部19が取り付けられると、本体部11の背面6bとのなす角度が互いに異なる角度に本体部11を位置付ける。
【0057】
本実施形態では、警報連動装置2をテーブル4上に設置する際には、複数の取付受け部21のうちの任意の一つの取付受け部21に取付部19を係合させる。すると、勿論、本体部11が背面6bから突出した状態となる。そして、警報連動装置2の図中の下縁と取付具3の本体部11の縁とをテーブル4上に重ねて、図21及び図22に示すように、警報連動装置2をテーブル4上に設置する。
【0058】
また、本実施形態では、警報連動装置2を壁面5上に設置する際には、前述した第1及び第2の実施形態と同様に、取付具3を鉛直固定部14により壁面5に固定する。そして、取付部19を平行取付受け部20内に係合させるとともに、図25及び図26に示すように、本体部11を背面6bに重ねて、警報連動装置2を壁面5に設置する。
【0059】
本実施形態によれば、前述した第1及び第2の実施形態と同様に、取付部19を取付受け部21に係合して警報連動装置2に取り付けられると、本体部11が警報連動装置2の背面6bから突出するので、当該本体部11などで警報連動装置2を支えることで水平面としてのテーブル4上に警報連動装置2を設置することができる。また、取付部19が平行取付受け部20に係合して警報連動装置2に取り付けられると、本体部11が警報連動装置2の背面6bと平行になるので、当該本体部11を鉛直面としての壁面5上に重ねて設置することで、壁面5上に警報連動装置2を設置することができる。
【0060】
このように、取付具3は、テーブル4上と壁面5上との双方に警報連動装置2を設置することができるので、当該取付具3の種類を抑制して、取付具3の低コスト化を図ることができるととともに、取付具3の警報連動装置2への着脱を頻繁に行う必要がなくなるので、取付具3を紛失することを防止できる。
【0061】
また、警報連動装置2に複数の取付受け部21を設けて、取付受け部21が本体部11を互いに異なる角度に位置付けるので、取付受け部21を適宜選択するので、警報連動装置2のテーブル4上に対する角度を変更可能である。したがって、警報連動装置2をテーブル4上に対して種々の角度に位置付けることができる。
【0062】
また、電子機器の取付構造1は、前述した取付具3を備えているので、取付具3の低コスト化を図ることができるととともに、取付具3を紛失することを防止できる。さらに、電子機器の取付構造1は、警報連動装置2の廃棄時などに、取付具3を警報連動装置2から取り外して、当該取付具3を新たな警報連動装置2に取り付けて用いることができる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、電子機器としての警報連動装置2を示している。しかしながら、本発明では、警報連動装置2以外の種々の電子機器を取り付けも良い。また、本発明では、テーブル4上に限らず種々の水平方向に沿った水平面に設置しても良く、壁面5上に限らず種々の鉛直方向に沿った鉛直面に設置しても良い。また、本発明では、取付具1を、金属や合成樹脂などの如何なる材料で構成しても良い。
【0064】
このように上述した実施形態は、本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる取付具の斜視図である。
【図2】図1に示された取付具の平面図である。
【図3】図2中の矢印III方向から見た正面図である。
【図4】図3中の矢印IV方向から見た底面図である。
【図5】図2中の矢印V方向から見た側面図である。
【図6】図1に示された取付具で警報連動装置をテーブル上に設置した状態を示す電子機器の取付構造の斜視図である。
【図7】図6に示された電子機器の取付構造を背面側からみた斜視図である。
【図8】図1に示された取付具で警報連動装置を壁面上に設置した状態を示す電子機器の取付構造の正面図である。
【図9】図8に示された電子機器の取付構造の側面図である。
【図10】図8に示された電子機器の取付構造の背面図である。
【図11】図10中のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかる取付具の斜視図である。
【図13】図12に示された取付具の平面図である。
【図14】図13中の矢印XIV方向から見た正面図である。
【図15】図14中の矢印XV方向から見た底面図である。
【図16】図12に示された取付具で警報連動装置を壁面上に設置した状態を示す電子機器の取付構造の斜視図である。
【図17】本発明の第3の実施形態にかかる取付具の斜視図である。
【図18】図17に示された取付具の平面図である。
【図19】図18中の矢印XIX方向から見た側面図である。
【図20】図19中の矢印XX方向から見た背面図である。
【図21】図17に示された取付具で警報連動装置をテーブル上に設置した状態を示す電子機器の取付構造の正面図である。
【図22】図21に示された電子機器の取付構造の側面図である。
【図23】図21中のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
【図24】図17に示された取付具で警報連動装置を壁面上に設置した状態を示す電子機器の取付構造の正面図である。
【図25】図24に示された電子機器の取付構造の斜視図である。
【図26】図24中のXXVI−XXVI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 電子機器の取付構造
2 警報連動装置(電子機器)
3 取付具
4 テーブル(水平面)
5 壁面(鉛直面)
9 凹部
11 本体部
12 立設取付部
13 平行取付部
14 鉛直固定部
18 ヒンジ
19取付部(立設取付部、平行取付部)
21 取付受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を水平面から立設した状態と鉛直面に平行な状態との双方に位置付けることを可能とする取付具において、
中実の板状に形成された本体部と、
前記本体部に連なり、かつ前記電子機器に取り付けられると、前記本体部を前記電子機器の背面から突出した状態に位置付ける立設取付部と、
前記本体部に連なり、かつ前記電子機器に取り付けられると、前記本体部を前記電子機器の背面上に重なる状態に位置付ける平行取付部と、
を備えたことを特徴とする取付具。
【請求項2】
前記平行取付部が、前記電子機器の背面に設けられた凹部に係合するように前記本体部より凸状に形成され、
前記平行取付部が前記凹部に係合すると、前記立設取付部が前記電子機器の外縁上に重なって前記平行取付部との間に前記電子機器を挟むように、前記本体部の外縁から曲がった片状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の取付具。
【請求項3】
前記平行取付部が、前記電子機器の背面に設けられた凹部に係合するように前記本体部より凸状に形成され、
前記平行取付部が前記凹部に係合すると、前記立設取付部が前記本体部上に重なるように、前記本体部の外縁にヒンジを介して回転自在に連結した片状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の取付具。
【請求項4】
前記本体部に設けられかつ前記鉛直面への固定用の鉛直固定部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の取付具。
【請求項5】
電子機器と、前記電子機器を設置するための取付具とを備えた電子機器の取付構造において、
取付具として、請求項1に記載の取付具を備えたことを特徴とする電子機器の取付構造。
【請求項6】
前記電子機器には、前記立設取付部が取り付けられる取付受け部を複数備え、
複数の取付受け部は、前記立設取付部が取り付けられると、前記本体部の前記背面とのなす角度が互いに異なる角度に前記本体部を位置付けることを特徴とする請求項5記載の電子機器の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−276533(P2008−276533A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119635(P2007−119635)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】