説明

取付具

【課題】H鋼梁に取り付けることも、また、ベランダの立ち上がり壁部に取り付けることもできる一つの取付具を提供すること。
【解決手段】一方向に直状に伸延する支持体に、係合挟持体と圧接挟持体を180度偏倚させて設けた。係合挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側係合挟持片と、支持体の他側端側にスライド体を介してスライド自在に取り付けて、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側係合挟持片とを具備している。圧接挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側圧接挟持片と、支持体の他側端側に前記スライド体を介してスライド自在に取り付けて、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側圧接挟持片とを具備している。支持体内には、スライド体をスライド位置調節するためのスライド位置調節機構を設けて、スライド位置調節機構を操作する操作体を支持体の他側端側に配設し、操作体には連結体を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付具、詳しくは鉄骨構造物を建築する際に、鉄骨等に足場を連結するための取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄骨建築物を建築する際に、鉄骨等に足場を連結するための取付具の一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1に開示された取付具は、一方向に直状に伸延する断面U字状の支持体に、係合挟持体を設けている。そして、係合挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側係合挟持片と、支持体の他側端側にスライド自在に配置して、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側係合挟持片とを具備している。また、支持体内には、可動側係合挟持片をスライド位置調節するための棒状の雄ネジ体を配設して、雄ネジ体の中途部に可動側係合挟持片を連動連結している。雄ネジ体を回動操作する操作体は、六角形筒状に形成するとともに内周面に連結用の雌ネジ部を形成して、雄ネジ体の一側端側、つまり固定側係合挟持片側に同軸的に連設している。
【0003】
このように構成して、例えば、H鋼梁の下側のフランジを係合挟持体で挟持して、操作体の雌ネジ部に連結体の一側端部を螺着して連結する一方、連結体の他側端部を足場の構成部材であるパイプに連結することができるようにしている。この際、係合挟持体は、H鋼梁の下側のフランジの一側縁部に固定側係合挟持片を係合させるとともに、操作体を回動操作して雄ネジ体をその軸線廻りに回動させることで、当該フランジの他側縁部に可動側係合挟持片を係合させて、H鋼梁の下側のフランジを挟持するようにしている。
【0004】
また、建築物のベランダの立ち上がり壁部に足場を連結するための取付具の一形態として、特許文献2に開示されたものがある。すなわち、特許文献2に開示された取付具は、横部材と、横部材の一側端部から下方へ垂設した短縦部材と、横部材の他側端部から下方へ垂設した長縦部材とから取付具本体を形成し、長縦部材の内側面の上下部に外側面側当接体を取り付けるとともに、長縦部材の外側面の上下部に足場の構成部材であるパイプに連結するためのクランプを取り付ける一方、短縦部材に内側面側当接体を進退させる進退締め付け手段を設けている。
【0005】
このように構成して、ベランダの立ち上がり壁部に取付具本体を配置し、進退締め付け手段を締め付け操作することで、立ち上がり壁部の内側面に進退締め付け手段の内側面側当接体を当接させるとともに、立ち上がり壁部の外側面に上下部の外側面側当接体を当接させて、3点で取付具本体を固定し、足場の構成部材であるパイプにクランプを連結するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2003−343083
【特許文献2】特開平8−240009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記した取付具では、H鋼梁に取り付ける取付具とベランダの立ち上がり壁部に取り付ける取付具の別体の2種類を用意して、それらを使い分ける必要性がある。しかも、特許文献2に開示されている取付具では、立ち上がり壁部を間に挟んで足場側とは反対側であるベランダの内側に進退締め付け手段があるため、その都度逐一作業者は足場側からベランダの内側に移動してベランダの内側から進退締め付け手段を操作しなければならないという煩雑さがある。
【0008】
そこで、本発明は、H鋼梁に取り付けることも、また、ベランダの立ち上がり壁部に取り付けることもできる一つの取付具であって、足場側から楽に取付操作を行うことができる取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の取付具に係る発明は、一方向に直状に伸延する支持体に、係合挟持体と圧接挟持体を180度偏倚させて設けた取付具であって、係合挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側係合挟持片と、支持体の他側端側にスライド体を介してスライド自在に取り付けて、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側係合挟持片とを具備し、圧接挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側圧接挟持片と、支持体の他側端側に前記スライド体を介してスライド自在に取り付けて、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側圧接挟持片とを具備し、支持体内には、スライド体をスライド位置調節するためのスライド位置調節機構を設けて、スライド位置調節機構を操作する操作体を支持体の他側端側に配設し、操作体には連結体を設けたことを特徴とする。
【0010】
かかる取付具では、H鋼梁の下側のフランジを係合挟持体で挟持することでH鋼梁に取り付けることができるとともに、ベランダの立ち上がり壁部を圧接挟持体で挟持することで立ち上がり壁部に取り付けることができる。
【0011】
すなわち、係合挟持体は、H鋼梁の下側のフランジの一側縁部に固定側係合挟持片を係合させるとともに、操作体を回動操作してスライド位置調節機構を介してスライド体をスライド位置調節することで、当該フランジの他側縁部に可動側係合挟持片を係合させて、H鋼梁の下側のフランジを挟持することができる。この際、スライド位置調節機構を操作する操作体は、支持体の他側端側、つまり可動側係合挟持片側に配設して、操作体に連結体を設けているため、作業者は足場側において操作体を操作することができるとともに、連結体を足場の構成部材に連結することができる。
【0012】
また、圧接挟持体は、ベランダの立ち上がり壁部の内側に固定側圧接挟持片を配置するとともに、立ち上がり壁部の外側に可動側圧接挟持片を配置して、操作体を回動操作してスライド位置調節機構を介してスライド体をスライド位置調節することで、立ち上がり壁部の外側に可動側圧接挟持片を圧接させることができる。その結果、立ち上がり壁部の内外側に両圧接挟持片を圧接させることで、立ち上がり壁部を挟持することができる。この際、スライド位置調節機構を操作する操作体は、前記したように、支持体の他側端側、つまり可動側圧接挟持片側に配設して、操作体に連結体を設けているため、作業者は足場側において操作体を操作することができるとともに、連結体を足場の構成部材に連結することができる。
【0013】
請求項2の取付具に係る発明は、請求項1の取付具であって、可動側係合挟持片に第2の連結体を設けたことを特徴とする。
【0014】
かかる取付具では、操作体に設けた第1の連結体と、可動側係合挟持片に設けた第2の連結体のいずれかに連結具を介して足場の構成部材を連結することができる。つまり、足場の構成部材と取付具との間の間隔に応じて第1ないしは第2の連結体を選択して、いずれかの連結体に連結具を連結することができる。そのため、連結具の伸縮長さを逐一調節する手間を削減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、次のような効果を奏する。すなわち、本発明によれば、一つの取付具をH鋼梁に取り付けることも、また、ベランダの立ち上がり壁部に取り付けることもできる。しかも、かかる取付具は、足場側から楽にかつ堅実に取付操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る取付具の断面正面説明図。
【図2】本実施形態に係る取付具の左側面説明図。
【図3】本実施形態に係る取付具の右側面説明図。
【図4】本実施形態に係る取付具の平面説明図。
【図5】本実施形態に係る取付具の底面説明図。
【図6】H鋼梁への使用状態説明図。
【図7】立ち上がり壁部への使用状態説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。すなわち、図1〜図5に示す1は本実施形態の取付具であり、取付具1は、ステンレス鋼等の金属製素材により形成しており、一方向(本実施形態では左右方向)に直状に伸延する支持体10の上下部に、係合挟持体20と圧接挟持体60を相互に180度偏倚させて設けている。
【0018】
支持体10は、左右方向に伸延する帯状の天井面部11と、天井面部11の前後端縁部にそれぞれ垂設した前・後面部12,13とから左右の側面視門型に形成している。つまり、支持体10は左右側方と下方を開口させている。
【0019】
係合挟持体20は、支持体10の一側端側(本実施形態では右側端部側)に固定した固定側係合挟持片30と、支持体10の他側端側(本実施形態では左側端部側)にスライド体40を介してスライド自在に取り付けた可動側係合挟持片50とを具備している。
【0020】
固定側係合挟持片30は、四角形板状の固定側連設片31と、固定側連設片31の前後側縁部よりそれぞれ立ち上げて形成した前・後固定側係合片32,33とから形成している。前・後固定側係合片32,33の外側端面(右側端面)34,35は円弧状に湾曲させて形成する一方、内側端面(左側端面)36,37は左高右低に傾斜する係合面となしている。そして、支持体10の天井面部11の一側端部に固定側連設片31を重合状態に連設している。
【0021】
スライド体40は、支持体10にその軸線方向(伸延方向)にスライド自在に外嵌する四角形筒状に形成している。すなわち、スライド体40は、上下方向に対面する四角形板状のスライド天井面部41及びスライド底面部42と、前後方向に対面する四角形板状のスライド前面部43及びスライド後面部44とから形成している。
【0022】
可動側係合挟持片50は、四角形板状の可動側連設片51と、可動側連設片51の前後側縁部よりそれぞれ立ち上げて形成した前・後可動側係合片52,53とから形成している。前・後可動側係合片52,53の外側端面(左側端面)54,55は円弧状に湾曲させて形成する一方、内側端面(右側端面)56,57は右高左低に傾斜する係合面となしている。そして、スライド体40のスライド天井面部41に可動側連設片51を重合状態に連設している。つまり、可動側係合挟持片50は、スライド体40と一体的に支持体10上をスライド移動自在となすことで、固定側係合挟持片30に対向状態にて接近・離隔自在となしている。
【0023】
圧接挟持体60は、支持体10の一側部(本実施形態では右側部)に固定した固定側圧接挟持片70と、支持体10の他側部(本実施形態では左側端部)に前記スライド体40を介してスライド自在に取り付けた可動側圧接挟持片80とを具備している。
【0024】
固定側圧接挟持片70は、支持体10に下方から内嵌可能な前後幅を有し、上下方向に直状に伸延する四角形筒状に形成している。すなわち、固定側圧接挟持片70は、前後方向に対面する帯状の固定側前面部71及び固定側後面部72と、左右方向に対面する帯状の固定側左面部73及び固定側右面部74とから形成している。そして、支持体10の一側部に固定側圧接挟持片70の上端部を下方から嵌入して、直交状態に連設している。つまり、固定側圧接挟持片70は支持体10の一側部に下方へ向けて垂設している。75は固定側左面部73の下半部に連設した右側押圧面部であり、弾性ゴム素材で形成している。
【0025】
可動側圧接挟持片80は、前記した固定側圧接挟持片70とほぼ同形状に形成して、スライド体40のスライド底面部42に上端面を連設している。つまり、可動側圧接挟持片80はスライド体40に下方へ向けて垂設して、スライド体40と一体的に支持体10上をスライド移動自在となすことで、固定側係合挟持片70に対向状態にて接近・離隔自在となしている。また、可動側圧接挟持片80は、前後方向に対面する帯状の可動側前面部81及び可動側後面部82と、左右方向に対面する帯状の可動側左面部83及び可動側右面部84とから形成している。85は可動側右面部84の下半部に連設した左側押圧面部であり、弾性ゴム素材で形成している。
【0026】
ここで、左右方向に対面する左側押圧面部85と右側押圧面部75はそれぞれほぼ同一形状に形成して、ほぼ一定の肉厚を保持させており、可動側右面部84と固定側左面部73との間隔W1は、両押圧面部85,75の間隔W2よりも広幅となしている。このように形成することで、左側押圧面部85と右側押圧面部75を介して可動側右面部84と固定側左面部73により挟持する物体の上側張り出し部150,150(図7参照)と可動側右面部84及び/又は固定側左面部73との干渉を回避している。
【0027】
支持体10内には、スライド体40をスライド位置調節するためのスライド位置調節機構90を配設している。スライド位置調節機構90は、図1に示すように、固定側圧接挟持片70の固定側左面部73と固定側右面部74の上部に、左右方向に貫通する貫通孔76,77を形成している。両貫通孔76,77中には左右方向に伸延する棒状雄ネジ体91の右側端部92を貫通させている。右側端部92には六角筒状で内周面に雌ネジ部を有する係止用雌ネジ体93を螺着して連設して、固定側右面部74に係止用雌ネジ体93の左側端面を係止可能としている。つまり、係止用雌ネジ体93を介して棒状雄ネジ体91の右側方への移動(摺動)を規制している。棒状雄ネジ体91の左側端部94は、支持体10から左側方へ突出させて、左側端部94に六角筒状で内周面に雌ネジ部を有する操作体95を螺着して連設している。96は係止用雌ネジ体93の右側方において支持体10の前・後面部12,13間に前後方向に軸線を向けて横架した規制片であり、棒状雄ネジ体91が右側方へ移動するのを規制している。
【0028】
そして、棒状雄ネジ体91の中途部には六角筒状で内周面に雌ネジ部を有するスライド用雌ネジ体98を螺着して、棒状雄ネジ体91の正回転a(本実施形態では左回転)に連動してスライド用雌ネジ体98が左側方bへスライド移動する一方、棒状雄ネジ体91の逆回転c(本実施形態では右回転)に連動してスライド用雌ネジ体98が右側方dへスライド移動するようにしている。スライド用雌ネジ体98はスライド体40のスライド底面部42の内面に一体的に連設している。つまり、スライド体40は、棒状雄ネジ体91の正逆回転操作に連動してスライド用雌ネジ体98と一体となって左右方向にスライド移動する。スライド底面部42の下面には、スライド体固定用雌ネジ部99を上下方向に開口させて連通連設している。スライド体固定用雌ネジ部99には調節つまみ付きボルトであるスライド体固定用雄ネジ部100を着脱自在に螺着している。そして、スライド体固定用雄ネジ部100は、スライド体固定用雌ネジ部99に上方へ進出する方向に螺着させて棒状雄ネジ体91の周面に先端部を圧接させることで、棒状雄ネジ体91にスライド体40を固定することができるようにしている。また、スライド体固定用雄ネジ部100は、スライド体固定用雌ネジ部99から下方の後退する方向に螺脱させて棒状雄ネジ体91の周面から先端部を離隔させることで、棒状雄ネジ体91からスライド体40を固定解除することができるようにしている。101は操作つまみ片である。
【0029】
操作体95の内周面に形成した雌ネジ部の左側部は第1の連結体110となしており、連結体110には壁つなぎ等の連結具120(図6及び図7参照)を着脱自在に螺着して連結可能としている。また、前記した可動側係合挟持片50の前・後可動側係合片52,53間には、六角筒状で内周面に雌ネジ部を有する第2の連結体130を左右方向に開口を向けて配設している。そして、第2の連結体130にも連結具120を着脱自在に螺着して連結可能としている。つまり、連結具120は第1ないしは第2の連結体110,130のいずれかに適宜連結することができる。
【0030】
連結具120は、図6及び図7に示すように、ターンバックル式に伸縮調節自在となした連結具本体121と、連結具本体121の一側端部(本実施形態では右側端部)に形成した連結用雄ネジ片122と、連結具本体121の他側端部(本実施形態では左側端部)にクランプ部123を取り付けて形成している。連結用雄ネジ片122は第1ないしは第2の連結体110,130の雌ネジ部に着脱自在に螺着可能としている。クランプ部123は足場の構成部材であるパイプ124等に着脱自在に連結可能としている。
【0031】
次に、前記のように構成した取付具1の使用形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。すなわち、図6に示すように、鉄骨建築物の鉄筋構造体の外周に足場を組む際には、H鋼梁140の下側のフランジ141を係合挟持体20で挟持することでH鋼梁140に取付具1を楽にかつ堅実に取り付けることができる。142は上側のフランジ、143はウェブである。この際、係合挟持体20は、H鋼梁140の下側のフランジ141の一側縁部に固定側係合挟持片30を係合させるとともに、操作体95を適切な回動工具(図示せず)を利用して回動操作して、棒状雄ネジ体91を介してスライド体40をスライド位置調節する。そして、スライド体固定用雌ネジ部99にスライド体固定用雄ネジ部100をスライド体固定用雌ネジ部99に進出する方向に螺着させて棒状雄ネジ体91の周面に先端部を圧接させることで、棒状雄ネジ体91にスライド体40を固定する。そうすることで、当該フランジ141の他側縁部に可動側係合挟持片50を係合させて、H鋼梁140の下側のフランジ141を挟持することができる。この際、棒状雄ネジ体91を操作する操作体95は、支持体10の可動側係合挟持片50側に配設して、操作体95に第1の連結体110を設けているため、作業者は足場側において、操作体95を操作することができるとともに、連結体110の雌ネジ部に連結具120の連結用雄ネジ片122を螺着して連結する一方、足場の構成部材であるパイプ124に連結具120のクランプ部123を連結することができる。
【0032】
ここで、支持体10は側面視門型に形成して上面を天井面部11で塞いでいるため、H鋼梁140の下側のフランジ141等から塵や埃等が棒状雄ネジ体91に堆積してスライド体40のスライド移動に支障となるという不具合の発生を防止することができる。換言すると、スライド体40のスライド移動性能を良好に確保することができる
【0033】
また、図7に示すように、建築物の一部であるベランダの立ち上がり壁部Waの上部を圧接挟持体60で挟持することで立ち上がり壁部Waに取付具1を楽にかつ堅実に取り付けることができる。この際、圧接挟持体60は、ベランダの立ち上がり壁部Waの内側に固定側圧接挟持片70を配置するとともに、立ち上がり壁部Waの外側に可動側圧接挟持片80を配置して、操作体95を回動操作して棒状雄ネジ体91を介してスライド体40をスライド位置調節することで、立ち上がり壁部Waの外側に可動側圧接挟持片80を圧接させることができる。その結果、立ち上がり壁部Waの内外側に両圧接挟持片70,80を圧接させることで、立ち上がり壁部Waの上部を挟持することができる。そして、棒状雄ネジ体91を操作する操作体95は、前記したように、支持体10の可動側圧接挟持片80側に配設して、操作体95に第1の連結体110を設けているため、作業者は足場側において、操作体95を操作することができるとともに、連結体110の雌ネジ部に連結具120の連結用雄ネジ片122を螺着して連結する一方、足場の構成部材であるパイプ124に連結具120のクランプ部123を連結することができる。
【0034】
また、連結具120は連結用雄ネジ片122を第2の連結体130に螺着して連結することもできる。したがって、取付具1では、操作体に設けた第1の連結体110と、可動側係合挟持片50に設けた第2の連結体130のいずれかに連結具120を介して足場の構成部材を連結することができる。つまり、足場の構成部材と取付具との間の間隔に応じて第1の連結体110ないしは第2の連結体130を選択して、いずれかの連結体110ないしは130に連結具120を連結することができる。そのため、連結具120の伸縮長さを逐一調節する手間を削減することができる。なお、取付具1を取り外す際には、上記した取付手順を逆に辿ることで簡単に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 取付具
10 支持体
20 係合挟持体
30 固定側係合挟持片
40 スライド体
50 可動側係合挟持片
60 圧接挟持体
70 固定側圧接挟持片
80 可動側圧接挟持片
90 スライド位置調節機構
100 スライド体固定用雄ネジ部
110 第1の連結体
120 連結具
130 第2の連結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に直状に伸延する支持体に、係合挟持体と圧接挟持体を180度偏倚させて設けた取付具であって、
係合挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側係合挟持片と、支持体の他側端側にスライド体を介してスライド自在に取り付けて、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側係合挟持片とを具備し、
圧接挟持体は、支持体の一側端側に固定した固定側圧接挟持片と、支持体の他側端側に前記スライド体を介してスライド自在に取り付けて、固定側係合挟持片に対向して接近・離隔自在となした可動側圧接挟持片とを具備し、
支持体内には、スライド体をスライド位置調節するためのスライド位置調節機構を設けて、スライド位置調節機構を操作する操作体を支持体の他側端側に配設し、操作体には連結体を設けたことを特徴とする取付具。
【請求項2】
可動側係合挟持片に第2の連結体を設けたことを特徴とする請求項1記載の取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−255324(P2012−255324A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130391(P2011−130391)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(595099317)株式会社トーテックス (3)