取込みポートおよび/または圧力フィーチャを備える非密封式換気インターフェイスを含む、換気補助システムおよび換気装置
システムおよび方法が、気体源と、気体運搬回路と、鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスとを有することができる。鼻インターフェイスを通る気体流路が遠位側気体流路開口を有することができる。遠位端気体流路開口から一定の距離のところの鼻インターフェイスの近位端にノズルが付随されてよい。取込みポートの少なくとも一部分が、ノズルと遠位端気体流開口との間にあってよい。ノズルは鼻インターフェイス内に気体を運搬することができ、それにより気体流路内の取込みポートのところに陰圧領域が形成される。鼻インターフェイスおよびノズルは取込みポートと遠位端気体流路開口との間に陽圧領域を形成することができる。気体供給源からの気体および取込みポートを通して取り込まれる空気が気道圧力または肺圧力を増大させることができ、すなわち換気補助を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本出願は、2009年9月3日に出願された米国仮特許出願第61/239,728号、2009年10月28日に出願された米国仮特許出願第61/255,760号、2010年1月12日に出願された米国仮特許出願第61/294,363号、および、2010年2月19日に出願された米国仮特許出願第61/306,370号の優先権を主張するものであり、これらの内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、本出願は、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願12/753,846号、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029871、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,851号、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029873、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,853号、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,854号、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029874、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,856号、および、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029875の優先権を主張し、これらの内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、「METHODS,SYSTEMS AND DEVICES FOR NON−INVASIVE VENTILATION INCLUDING A NON−SEALING VENTILATION INTERFACE WITH A FREE SPACE NOZZLE FEATURE」と題される、2010年9月3日に出願された米国仮特許出願第_号、および、「METHODS,SYSTEMS AND DEVICES FOR NON−INVASIVE VENTILATION INCLUDING A NON−SEALING VENTILATION INTERFACE WITH A FREE SPACE NOZZLE FEATURE」と題される、2010年に9月3日に出願されたPCT特許出願第_号を参照により組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、呼吸不全および睡眠時無呼吸などの、呼吸疾患(respiratory and breathing disorder)に苦しむ人の換気治療の分野に関する。より詳細には、本発明は、非密封式・非侵襲性鼻換気患者インターフェイスを使用する方法およびデバイスにより開放気道換気を実現することに関する。
【背景技術】
【0003】
機械的換気補助すなわち気道陽圧を提供する、患者に負担を与えないような、最小限に目立つ鼻マスクおよび換気システムが必要とされている。このようなマスクおよびシステムの恩恵を受ける換気治療を必要とする、呼吸不全、気道疾患または睡眠障害、鬱血性心不全、神経筋疾患などの、様々な臨床的症候群があり、また、慢性的状況、急性的状況、緊急の状況、集団外傷の状況、および、汎流行の状況など、恩恵を受ける状況も様々ある。
【0004】
患者に負担を与えないデバイスを用いて酸素治療を行うことは可能である。しかし、酸素治療は、換気治療と比較してそれほど深刻ではない形の臨床的症候群に対して使用される。例えば、鼻マスクによる一部の酸素治療システムは、空気をマスク内に取り込むことにより空気と酸素との混合気を運搬することを目的として開発されてきたが、これらは、呼吸の動作を機械的に助けるものではないので、換気治療または呼吸補助とは考えられない。最近、高流量酸素治療(high flow oxygen therapy(HFOT))として知られる、酸素治療の変形形態が利用されている。この場合、酸素流量は、標準的な長期酸素療法(long term oxygen therapy(LTOT))を超えて、例えば15LPM以上にまで上昇する。高い流量率により患者の気道が乾くのを防ぐために、酸素を湿らせなければならない。HFOTは、自発呼吸中に患者の絶対の胸腔内圧(absolute pleural pressure)をわずかに下げることができ、したがって、呼吸の動作に与える影響はわずかであることが報告されている。これらのシステムは、かなりの量の酸素を消費し、システムが移動可能ではなくまた患者に負担を与えるという点において、非効率的である。
【0005】
患者に機械呼吸(mechanical ventilation(MV))を提供し、呼吸の動作に機械的に貢献するような呼吸補助および換気治療が存在する。MV治療は、患者にカフ付きまたはカフなしの気管チューブまたは密封式フェイス・マスクまたは密封鼻マスクあるいは密封鼻カニューレを挿管することによって患者に繋がれる。呼吸の動作を補助するのに有用であるが、MVに使用される患者インターフェイスは、ユーザに対して邪魔なものであり、および/または、侵襲性があり、また、MV治療は日常生活の移動性および活動を容易にはせず、したがって患者に負担を与え、多くの潜在的なユーザにとって欠点となるものである。挿管を必要とすることなくフェイス・マスクまたは鼻マスクを用いて患者を換気する非侵襲性換気(non−invasive ventilation(NIV))が存在し、これは、多くの状況において有利である可能性がある。しかし、インターフェイスが鼻および/または口に対して外部シールを形成することから、患者は上気道を使用することができず、また、システムは移動可能ではなく、この組合せは日常生活の活動を可能にするものではない。
【0006】
閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea(OSA))の治療では、代表的な換気治療は、持続的気道陽圧法(continuous positive airway pressure(CPAP))または二相性気道陽圧法(bilevel positive airway pressure(BiPAP))であり、これは、MVにおいて、患者が、呼気回路を通してではなく、マスク内の排気口を通して部分的に息を吐き出して大型の気体運搬管に戻すという点において、NIVに対する変更形態である。鼻または顔を密封する鼻マスクまたはフェイス・マスクにより患者に加えられる換気装置による連続陽圧により、上気道が閉塞することが防止される。この治療は、効果的ではあるが、低い患者コンプライアンスを有する。というのは、患者インターフェイスが患者にとって邪魔なものであり、また、患者がマスクおよび気体運搬回路の両方を通して不自然に呼吸するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
要するに、既存の治療および従来技術は以下のような欠点を有する。(1)日常生活の移動性および活動を可能にするように非侵襲性であり、目立たず、(2)通常通りに周囲環境からの呼吸を知覚するのを可能にし、(3)容易に携帯し得るシステムすなわち患者が容易に運搬または着用することができるシステム内で実施される、ような、患者に負担を与えない形で、呼吸補助または気道補助を提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、非侵襲性開放気道換気(non−invasive open−airway ventilation(NIOV))、および、患者の口または鼻の開口部を完全に覆ったりまたは密封したりしないベンチュリ構成を備える密封式鼻マスク・インターフェイスを使用して、患者に換気を行う。非侵襲性の開放気道による非密封式マスクは、好適には、マスク内で陰圧を陽圧に変化させるためのベンチュリ構成を備えるように構成される。
【0009】
本発明の実施形態は換気補助を提供するためのシステムを含むことができ、このシステムは:気体源と;気体運搬回路と;患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸することを可能にする鼻インターフェイスと;遠位端気体流路開口を有する、鼻インターフェイスを通る気体流路と;遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと;少なくとも一部分がノズルと遠位端気体流開口との間にある、鼻インターフェイスに付随する取込みポートと、を有し、ここでは、ノズルが気体運搬回路および気体源に流体連通され、ノズルが、取込みポートのところで気体流路内に陰圧領域を形成するために鼻インターフェイス内に気体を運搬し、鼻インターフェイスおよびノズルが、取込みポートと遠位端気体流路との間に陽圧領域を形成し、気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せが換気補助を行う。
【0010】
本発明の実施形態には気道圧力を増大させる方法が含まれてよく、この方法は:患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸することを可能にする鼻インターフェイスを用意するステップであって、鼻インターフェイスが気体流路を有し、気体流路が遠位端気体流路開口および近位端気体流路開口を有する、ステップと;鼻から一定の距離のところにある鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルを用意するステップと;実質的にノズルと鼻インターフェイスの遠位端との間の鼻インターフェイスに付随する取込みポートを用意するステップと、を含み、ここでは、取込みポートの少なくとも一部分が、ノズルと遠位端気体流開口との間にあり、ノズルを気体運搬回路および気体源に流体連通させるように適合させ、ノズルが、取込みポートのところで気体流路内に陰圧領域を形成するために鼻インターフェイス内に気体を運搬することができ、鼻インターフェイスおよびノズルが、取込みポートと鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧領域を形成し、気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せが気道圧力を増大させる。
【0011】
本発明のシステムおよび方法は、消音機構を含む鼻インターフェイスをさらに有することができる。消音機構は、ノズルをマニホールド気体流路の中心線軸から約1〜30度の角度で角度付けすることができる。消音機構は、マニホールド気体流路の中心線から5〜25%ずれて位置決めされる、中心からずれたノズルであってよい。消音機構は、取込みポートから分離された二次気体流出口を有することができる。鼻インターフェイスが発生させる音は1メートルのところで<50dbであってよい。気体流路は、実質的に外側−正中線の区間である第1の区間、および、第1の区間の遠位側にある、実質的に下側−上側の区間である第2の区間、ならびに、これらの2つの区間の間にある湾曲部を有し、湾曲部の近位側に陽圧領域が実質的に形成される。圧力感知ポートが気体流路内の陽圧領域で終端してよい。気体流路は、左側気体流路、および、分離した右側気体流路を有することができる。左側気体流路および右側気体流路は、相互接続チャネルに空気圧的に相互接続され得る。マニホールドが含まれてよく、このマニホールドは、正中線の両側に外側−後側−下側の湾曲部を有するように湾曲しており、それによりこのマニホールドがユーザにとって最も快適な場所に配置されるようになる。マニホールドが含まれてよく、このマニホールドは少なくとも1つの撓み継手を有し、この少なくとも1つの撓み継手はマニホールドの正中線のところに配置される。マニホールドは可撓性材料で作られてよい。マニホールドが含まれてよく、このマニホールドはユーザの顔の形状になるような展性材料(malleable material)で作られる。マニホールドが含まれてよく、マニホールドの中心で空間の調整が行われる。1つまたは複数の鼻クッションが遠位端気体流開口に取付可能であってよく、この1つまたは複数の鼻クッションは、硬質材料を含むスナップ・リングをピロー上に有し、さらに、遠位端気体流開口を囲む対合リングを有する。1つまたは複数の鼻クッションが遠位端気体流開口に取付可能であり、この1つまたは複数の鼻クッションは鼻インターフェイスに対する回転可能接続部を有する。気体流路の断面積は取込みポートから遠位端気体流開口に向かって減少していなくてよい。気体流路の断面積は取込みポートから遠位端気体流開口に向かって一定であってよい。気体流路の断面積は取込みポートから遠位端気体流開口に向かって増加してよい。気体源からの気体の運搬は吸気段階と同期してよい。気体源からの気体の運搬の時間は、患者の自然の呼吸数に基づいて異なる時間および異なる圧力振幅で設定された量を運搬するように、呼吸数で修正されてよい。気体供給源からの気体は着用可能換気装置によって制御され得る。換気補助には、呼吸不全を治療するために呼吸の動作を減少させることが含まれてよい。換気補助には、睡眠時無呼吸を治療するために気道圧力を増大させることが含まれてよい。ノズルおよび気体運搬管は、鼻インターフェイスの一方の側のみに取り付けられてよい。気体流路は急激な角度を有さなくてよい。急激な角度は実質的に90度であってよい。患者は、気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せで、気体源からの気体に対して約20〜200%の取り込まれる空気を受けることができる。ノズルは先端部を有していてよく、取込みポートの少なくとも一部分はノズルの先端部と遠位端気体流開口との間にある。ノズルの先端部は取込みポートの中間位置に位置してよい。ノズルの先端部は中心線から約5〜60mmであってよい。取込みポートは完全にノズルの遠位側にあってよい。取込みポートは、約0.035〜0.095平方インチ(0.226〜0.613平方cm)の平均断面積を有してよい。陰圧領域が気体流路内にあってよい。陰圧領域は、取込みポートから、鼻インターフェイスの遠位端の近位側にある位置まで延在してよい。陰圧は周囲圧力未満であってよい。陰圧は約−5から−40cmH2O(−490から−3923Pa)であってよい。陽圧領域が気体流路内にあってよい。陽圧領域は、気体流路内を、取込みポートの遠位側の位置から鼻インターフェイスの遠位端まで延在してよい。陽圧は周囲圧力より大きくてよい。陽圧は約0.01から0.50psi(69から3447Pa)であってよい。気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せは、約2〜35cwpだけ上気道圧力を増大させることができる。気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せは層流として鼻インターフェイスから出ることができる。鼻インターフェイスは、約−0.75〜2.0インチ(−1.9〜5.1cm)の咽喉長さを有してよい。気体運搬回路は約4mm未満の内径を有してよい。少なくとも1つのセンサが呼吸の段階を測定することができる。換気装置が設けられてよく、この換気装置は制御ユニットを有し、この制御ユニットは、少なくとも1つのセンサからの情報に基づいて患者の換気需要に適合するように換気装置の出力を調節する。
【0012】
本発明の実施形態は気道圧力を増大させるためのシステムを含むことができ、このシステムは;気体源と;気体運搬回路と;患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸することを可能にする鼻インターフェイスと;遠位端気体流路開口を有する、鼻インターフェイスを通る気体流路と;遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと、を有し、ノズルが気体運搬回路および気体源に流体連通され、ノズルが、鼻インターフェイスの近位端の近くで気体流路内に陰圧領域を形成するために鼻インターフェイス内に気体を運搬し、鼻インターフェイスおよびノズルが、陰圧領域の遠位側の気体流路内に陽圧領域を形成し、気体源からの気体と気体流路内の取り込まれた空気との組合せが気道圧力を増大させる。
【0013】
本発明のシステムおよび方法は鼻インターフェイスに付随する取込みポートをさらに有することができ、取込みポートの少なくとも一部分がノズルと遠位端気体流開口との間にある。陰圧領域は、取込みポートから、鼻インターフェイスの遠位端の近位側にある位置まで延在してよい。陰圧は周囲圧力未満であってよい。陰圧は約−10〜−50cmH2O(−981から−4903Pa)であってよい。陽圧は周囲圧力より大きくてよい。陽圧は約2〜30cmH2O(196から2942Pa)であってよい。
【0014】
本発明の実施形態には、治療レベルの気体を患者に運搬する方法が含まれてよく、ここでは、その量の気体が、閉塞性睡眠時無呼吸による気道閉塞を減少させることができる圧力レベルまで口腔咽喉気道内の圧力を増大させ、この方法は:鼻インターフェイスを患者に取り付けるステップであって、鼻インターフェイスが患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で直接に呼吸するのを妨害しない、ステップと;鼻インターフェイス内の、鼻の側方の鼻インターフェイスの近位端のところに噴射ノズルを配置するステップと;鼻インターフェイス内の、噴射ノズルと鼻インターフェイスの遠位端との間に取込みポートを配置するステップと;換気装置を気体運搬回路に取り付け、気体運搬回路を噴射ノズルに取り付け、換気装置からの気体を鼻インターフェイスまで運搬するステップと;インターフェイスの遠位端から一定の距離のところにおいて、アパーチャの位置にあるインターフェイスの内部に陰圧を形成する速度で、ノズルからの気体を鼻インターフェイス内に運搬するステップと;インターフェイスが、鼻インターフェイス内の陰圧領域と鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧を作るステップと、を含み、ここでは、患者が吐き出す実質的にすべての気体が周囲空気取込みアパーチャを通って流れ、気体運搬回路を実質的に一切流れず、さらにここでは、治療レベルの気体は、(a)換気装置からの気体、および、(b)換気気体が運搬されることにより発生する鼻インターフェイス内の速度によりアパーチャを通して取り込まれる周囲空気、を必要とする。
【0015】
本発明のシステムおよび方法はまた、インターフェイス内の取込み領域の遠位側のインターフェイス内の陽圧領域内において、取込みアパーチャと患者の鼻との間に配置される、開放気道圧力感知ポートを使用して患者の呼吸圧力を監視するステップを含んでよい。鼻インターフェイス内に、(i)ノズルと鼻との間の気体流路の軸に対して軸をずらしてノズルを位置合わせするステップ、(ii)ノズルと鼻との間の気体流路の中心線軸に対してノズルを偏心するステップ、(iii)気体の流出のために、インターフェイス内のアパーチャに加えて二次ポートを有するステップ、(iv)上記の組合せ、の群から選択される、消音機構が設けられてよい。換気装置は、第1のパワーオン/気体運搬オフ状態と、第2のパワーオン/気体運搬オン状態とを含むオフ−オン・モードを有してよく、オフ状態はオン状態より先行しており、気体を運搬せず、オン状態は治療気体を運搬し、気体運搬オフ状態と気体運搬オン状態と間に遅延時間を生じさせ、ここでは、気体運搬オフ状態は、換気装置に電源が入れられてインターフェイスが患者に繋がれた後で最初に始動され、またここでは、気体運搬オフ状態では、患者はインターフェイスを通して周囲空気で自由に呼吸し、またここでは、遅延時間後に気体運搬オン状態が始動され、ここでは、この始動は、(i)所定の時間、(ii)呼吸数の減少、(iii)呼吸圧力信号の減少、(iv)呼吸圧力レベルの減少、(v)上記の組合せ、の群から選択される。音声に応答して意図せず患者に気体が運搬されるのを防止する音声感知フィルタリング・アルゴリズムが設けられてよい。多様な量の気体が患者に運搬されてよく、ここでは、複数の異なる量が患者の自然な呼吸パターンに同期し、ここでは、第1の量は吸気段階に同期して運搬される治療レベルの気体であり、第2の量は呼気段階に同期して運搬され、呼気段階の量から吸気段階の量への移行は吸気段階が始まる前の呼気段階において開始される。患者に運搬される気体の1/3超は換気装置からの気体であってよく、患者に運搬される1/5超は、取込みアパーチャを通して取り込まれる周囲空気からの気体であってよい。換気装置からの気体運搬圧力出力は10psi(69kPa)より大きくてよく、ここでは、換気装置からの流量出力は25lpm未満であってよく、気体運搬回路の気体運搬チャネルの内径は3mm未満であってよく、ノズルから出る気体速度は100メートル/秒より大きくてよい。換気装置の気体運搬回路に並列の運搬回路を用いて、加湿された気体が患者に運搬され得、ここでは、加湿された気体は、陰圧取込み領域のところでインターフェイスに加えられる。左側鼻孔および右側鼻孔の呼吸圧力を個別に測定、監視、処理および追跡するために、分離した左側呼吸センサおよび右側呼吸センサが使用され得る。運搬されることにより鼻に入るときの気体は層流になることができ、したがって、気体は100m/秒を超える高い速度でノズルから出てインターフェイスに入り、また、50m/秒未満の低い速度で、取り込まれた空気と共に患者の鼻に入る。
【0016】
本発明の実施形態には、睡眠時無呼吸を治療するための換気装置が含まれてよく、この換気装置は:治療レベルを達成することが可能である場合、15psi(103kPa)より大きい出力圧力および25lpm未満の出力流量を有する気体運搬出力と;気体運搬回路に接続可能である、3mm未満の内径の気体運搬出力ポートと;換気装置の気体流ラインに連続しない、気道圧力感知信号のための入力と;気道圧力感知信号のための入力と、音声が息として分類されるのを防止するように構成される音声フィルタリング・モードと、気道圧力感知信号に基づいて患者の気道の近位側に所望の大きさの気道圧力を発生させるために、必要な量の流れを運搬するためのアルゴリズムと、を含む制御システムと、含む。
【0017】
本発明のシステムおよび方法はまた、循環モードを有する換気装置を有してよく、この循環モードは、患者に多様な量の気体を運搬するステップを含み、ここでは、複数の異なる量が患者の自然な呼吸パターンに同期し、ここでは、第1の量は吸気段階に同期して運搬される治療レベルの気体であり、第2の量は呼気段階に同期して運搬され、呼気段階の量から吸気段階の量への移行は吸気段階が始まる前の呼気段階において開始される。換気装置は、パワーオン・気体流オフ状態と、パワーオン・気体流オン状態とを含みさらに気体流オフ状態と気体流オン状態との間に遅延時間を含むオフ−オン・アルゴリズムをさらに有することができ、ここでは、気体流オフ状態は、換気装置に電源が入れられてインターフェイスが患者に繋がれた後で最初に始動され、またここでは、気体運搬オフ状態では、インターフェイスを通して患者が周囲空気で自由に呼吸している間に、制御システムが患者の呼吸圧力信号を受信し、またここでは、遅延時間後に気体流オン状態が始動され、ここでは、この始動が、(i)所定の時間、(ii)呼吸数の減少、(iii)呼吸圧力信号の減少、(iv)呼吸圧力レベルの減少、(v)上記の組合せ、の群から選択される。換気装置制御システムは、左側鼻孔および右側鼻孔の専用の入力に対応する複数の呼吸圧力入力を受けるように適合され得、さらにここでは、制御システムが、2つの信号を比較することに基づいて気体出力パラメータを調整するように適合されるアルゴリズムを有する。
【0018】
本発明の実施形態には、遠位端および近位端ならびに遠位端から近位端まで延在する気体流路を備える管状体を有する、睡眠時無呼吸を治療するための鼻インターフェイスが含まれてよく、この管状体は:鼻孔気道に衝突するように構成される遠位端と;鼻孔の遠位端から近位端まで横方向に湾曲するように構成される管状体と;ユーザが呼吸するのを妨害することなくアパーチャを通して周囲空気で直接に自発呼吸するのを可能にするように適合された、管状体内の近位端と遠位端との間にある周囲空気取込みアパーチャと;気体を気体流路へと誘導し、取込みアパーチャから空気を取り込むように適合された、管状体の近位端のところでアパーチャの近位側に配置される噴射ノズル・ポートと;圧力感知ポートと、を有し、ここでは、気体はノズルとアパーチャを通して取り込まれた空気との組合せから患者の気道に運搬され、またここでは、患者から出る実質的にすべての気体がアパーチャから外に出る。
【0019】
本発明のシステムおよび方法はまた、ノズルと遠位端との間に一定の長さを有する気体流路を含んでよく、それにより、ジェットから出る速度プロファイルが気体流路の壁に合流して遠位端の近位側かつ鼻の外側の位置で陽圧を発生させることが可能となる。気体流路の最小断面は取込みアパーチャの断面積以上であってよい。取込みアパーチャは、顔の前方からアパーチャ内に空気流を取り込むために、さらには、アパーチャから流れ出る吐き出された気体を顔から離れるように誘導するために、管状体内の、管状体の前側に配置されてよい。管状体は、遠位端の近くにある二次ポート、管状体の中心線軸からずれたノズル位置、気体を管状体の壁へと誘導するノズル角度、の群から選択される消音機構を含んでよい。管状体は0.40立方インチ(6.6立方センチメートル)未満の内部容積を有してよい。管状体は60lpmの気体流において4cmH2O(39Pa)未満の圧力の気体流抵抗を有することができる。圧力感知ポートは管状体の陽圧領域内に配置されてよい。左側管状体および右側管状体が設けられてよく、ここでは各管状体が圧力感知ポートを有する。巻込み圧力感知ポートが取込みアパーチャの近くに配置されてよく、圧力感知ポートが遠位端の近くに配置されてよい。
【0020】
本発明の実施形態には、治療レベルの気体を患者に運搬する方法が含まれてよく、ここでは、運搬される気体量が、閉塞性睡眠時無呼吸による気道閉塞を減少させることができる圧力レベルまで口腔咽喉気道内の圧力を増大させ、この方法は:鼻インターフェイスを通して患者が周囲空気で直接に呼吸するのを妨害しない鼻インターフェイスであって、鼻の実質的に側方において鼻インターフェイス内の、鼻インターフェイスの近位端のところにある噴射ノズル、および、鼻インターフェイス内の、実質的に噴射ノズルと鼻インターフェイスの遠位端との間にある取込みポートを有する、鼻インターフェイスと、換気装置および気体運搬回路であって、この換気装置が気体運搬回路を介して噴射ノズルに流体連通される、換気装置および気体運搬回路と、を用意するステップと;鼻インターフェイスの遠位端から一定の距離のところにおいて、取込みポートの位置にある鼻インターフェイスの内部に陰圧領域を形成する速度で、噴射ノズルからの気体を鼻インターフェイス内に運搬するステップであって、ここでは、鼻インターフェイスが、陰圧領域と鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧領域を形成するように適合され、またここでは、吐き出される実質的にすべての気体が取込みポートを通って流れ、吐き出される気体が気体運搬回路を実質的に一切流れない、ステップと、を含む。気体の運搬が患者の呼吸に同期され得る。
【0021】
本発明の追加の特徴、利点および実施形態は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲に記載されているか、あるいは、これらを考慮することにより明らかとなる。また、本発明の上記の要約および以下の詳細な説明が共に例示的なものであり、特許請求される本発明の範囲を制限することなくさらなる説明を行うことを意図するものであることを理解されたい。
【0022】
本発明のさらなる理解のために含まれ、本明細書の一部に組み込まれかつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の好適な実施形態を示しており、詳細な記述と併せて、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】酸素治療を行うための従来技術の通常の酸素運搬カニューレを示す図である。
【図2】鼻マスクを使用するおよびCPAPまたはBiPAP換気モードを使用する、従来技術の通常の非侵襲性換気装置を示す図である。
【図3】歩きながら呼吸の動作の補助を受けるために本発明の一実施形態を使用する負担を受けない患者を示す図である。
【図4】本発明の例示のシステムを示す概略図である。
【図5】開放性の非密封式鼻マスクが、湾曲して、ユーザの鼻の下に配置されるように構成されてよく、また、顔の正中線から鼻の側部まで両側に延在してよい、鼻インターフェイスの例示の実施形態を示す図である。
【図6】図5のマスクを示す上面図である。
【図7】図6の線A−Aにおける、マスクの気体流路の一部分に沿った正面断面図である。
【図8A】図5のマスクを示す等角の側面図(isometric side view)である。
【図8B】気体運搬ノズルを示した、図8Aの線B−Bにおける、マスクの気体流路を示す断面図である。
【図9】本発明の鼻マスクの代替の実施形態を示す図である。
【図10】図9の線C−Cにおける、マスクの気体流路を示す後方断面図である。
【図11】線D−Dに沿った、図9のマスクを示す断面図である。
【図12】図9のマスクを示す正面図である。
【図13】気体流路および排気流経路を示した、図12の方向のマスクを示す隠れ線図である。
【図14】図12のマスクを示す底面図である。
【図15】気体流路および感知経路を示した、図14の方向のマスクを示す隠れ線図である。
【図16】最小サイズ、エルゴノミクス、形態、装着性および機能のためにマスクが最適化されている、患者が着用している状態の鼻マスクの代替の実施形態を示す正面図である。
【図17】図16に示されるマスクを示す上側・後側から見た図である。
【図18】線E−Eに沿った、図16のマスクの気体流路、感知ライン経路および排気経路を通る正面断面図である。
【図19A】図16のマスクを示す上面図である。
【図19B】線F−Fに沿った、図19Aのマスクの気体流路、感知ライン経路および排気経路を通る断面図である。
【図19C】線G−Gに沿った、図19Aの気体流路を通る断面図である。
【図20】鼻クッションが無い状態の、図16のマスクを示す上面図である。
【図21】気体流路を示した、図16のマスクの気体流路を示す隠れ線図である。
【図22】図16のマスクを示す前側・底側から見た図である。
【図23】気体流路を示した、図22の方向のマスクを示す隠れ線図である。
【図24】マスクがその中心位置で曲げられ得る、図16のマスクの代替の実施形態を示す図である。
【図25】鼻クッションが取外し可能であってよいことを示す図である。
【図26】取込み窓の近位端からわずかに遠位側に突出する気体運搬ノズルを備える、本発明のベンチュリ・システムの実施形態を示す概略断面図である。
【図27】取込み窓の近位側にある気体運搬ノズルを備える、本発明のベンチュリ・システムの実施形態を示す概略断面図である。
【図28A】気体運搬段階を示した、付加的に、音を低減するための、圧力を均衡させるための、流れを測定するための、気体を抽出するための、圧力の人為的影響を弱めるために、および、加湿しながら運搬するための、追加のフィーチャを備える、マスクおよびベンチュリ・システムの実施形態を示す概略断面図である。
【図28B】気体の運搬が停止されているときの呼気段階を示した、図28Aのマスクを示す図である。
【図29】図24に示される湾曲可能な中心位置を含む、図16の鼻マスク・アセンブリを示す斜視図である。
【図30】任意選択の後側の皮膚位置決めクッションを備える、図16のマスクを示す上側・後側から見た図である。
【図31】スナップ嵌めされる鼻クッションおよびマスク内のクッション間にある撓み継手を含む他のフィーチャを備える、換気気体がマスクの一方の側に運搬される、任意選択の実施形態を示す概略図である。
【図32】本発明が肺疾患または神経筋疾患の用途に使用される場合の、患者の呼吸の動作が本発明によりどのように有利な影響を受け得るかを示すグラフである。
【図33】従来の換気と比較して、肺シミュレータ・ベンチ・モデル上でNIOVによってどのように肺容量が達成されるかを示す、x軸が肺容量であり、y軸が肺圧力であるグラフである。
【図34】肺シミュレータ・ベンチ・モデルを使用する、酸素治療と比較した、NIOVによって達成される肺容量を示すグラフである。
【図35A】一実施形態による、方形波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35B】図35Aの容量運搬を示すグラフである。
【図35C】図35Aの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図35D】一実施形態による、正弦波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35E】図35Dの容量運搬を示すグラフである。
【図35F】図35Dの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図35G】一実施形態による、吸気段階の一部における方形波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35H】図35Gの容量運搬を示すグラフである。
【図35I】図35Gの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図35J】一実施形態による、多レベル波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35K】図35Jの容量運搬を示すグラフである。
【図35L】図35Jの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36A】一実施形態による、上昇波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36B】図36Aの容量運搬を示すグラフである。
【図36C】図36Aの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36D】一実施形態による、下降波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36E】図36Dの容量運搬を示すグラフである。
【図36F】図36Dの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36G】一実施形態による、吸気段階の一部における二段階振幅波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36H】図36Gの容量運搬を示すグラフである。
【図36I】図36Gの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36J】一実施形態による、振動波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36K】図36Jの容量運搬を示すグラフである。
【図36L】図36Jの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図37】一実施形態による、呼吸頻度により修正される気体流量運搬(breath frequency modulated gas flow amplitude delivery)のタイミングおよび振幅を示すグラフである。
【図38】本発明が睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合のシステムの概略図である。
【図39】ランピング・アルゴリズムおよび生体フィードバック・アルゴリズムを含む、睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合の本発明の一実施形態のタイミングおよび動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、酸素治療を行うための従来技術の通常の酸素運搬カニューレ101を示している。カニューレ101上の延長部105は鼻孔(naris)103に入るように構成される。カニューレ101の近位端(図示せず)は酸素運搬デバイスに接続され、この酸素運搬デバイスはユーザの鼻に1〜6LPMの連続流酸素を運搬するか、または、吸気努力を検知した際に酸素のボーラスを運搬する。図1のシステムは患者の呼吸の動作を機械的には補助せず、中程度から重度の形のOSAを防ぐのに効果的であるとは考えられない。図1のカニューレはまた、別の酸素運搬治療である高流量酸素治療(high flow oxygen therapy(HFOT))でも使用され、ここでは、15LPMを超える加湿酸素がユーザの鼻に連続的な流量率で運搬される。HFOTには高流量が必要とされることから、このシステムは携帯不可能であり、また、酸素は加湿されなければならない。
【0025】
図2は、二相性気道陽圧法(BiPAP)の換気モードにおける、鼻マスク201を使用する従来技術の非侵襲性換気(NIV)の呼吸補助治療を示している。NIVは患者を呼吸させるのに使用され、または、患者の呼吸を補助するのに使用されてもよく、この場合、患者の自発呼吸努力が、圧力または容量ベースの機械呼吸(MV)を提供するように換気装置を作動させる。肺に運搬されるまたは肺から運搬される量のすべてが換気回路203および鼻マスク201から運搬および除去される。
【0026】
図2と同様のシステムがOSAに使用され得、ここでは、換気気体が換気装置によって提供されかつ呼気気体の一部が排気ベント205を通して吐き出されるようにするために、マスクが顔に対して密封される。NIV、持続的気道陽圧法(CPAP)およびBiPAPは自発呼吸する患者には臨床的に効果的な形態および治療であると考えられる。しかし、これらの形態および治療は、日常生活の活動(activities of daily living(ADL))を促進しない。例えば、患者は換気装置を運ぶことができず、また、患者は密封式マスクのために室内空気で自然かつ自由に呼吸することができず、また、外部マスク・シールで密閉されるため、患者の上気道は通常通りに自然に機能することができず、さらには、気体運搬管が大きすぎるため、移動性およびADLは実質的に補助されない。
【0027】
次に、残りの図を参照して本発明の実施形態を説明する。患者に負担がかからない方式および手法で呼吸補助および気道補助が実施される。非侵襲性で非密封式の目立たないシステムおよび方法により、移動および日常生活の活動を可能にすることができる。このシステムおよび方法により、通常通りに周囲環境から呼吸するのを知覚することが可能になる。これらのシステムおよび方法は、患者が容易に運搬または着用することができる容易に携帯し得るシステムと、患者に負担を与えない気体運搬管を提供する。
【0028】
システムおよび方法は、気体供給源と、気体運搬回路と、鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスとを含んでよい。鼻インターフェイスを通る気体流路は遠位側気体流路開口を有してよい。遠位端気体流路開口から一定の距離のところで鼻インターフェイスの近位端にノズルが付随していてよい。特定の実施形態では、取込みポートの少なくとも一部分がノズルと遠位端気体流開口との間にあってよい。ノズルは鼻インターフェイス内に気体を運搬することができ、それにより気体流路内の取込みポートのところに陰圧領域が形成される。鼻インターフェイスおよびノズルは取込みポートと鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧領域を形成することができる。気体供給源からの気体および取込みポートを通して取り込まれる空気が気道圧力を増大させることができる。
【0029】
図3は、移動時に機械的換気補助または呼吸の動作の補助を行うために本発明の一実施形態を使用する患者301を示している。従来の換気装置では、換気補助を受けている間は患者が止まっていることまたは患者が従来の換気装置に必要である大きくて重い装置を運ぶために車椅子を使用することが必要となる。また、従来の換気装置では、負担となる密封式マスクおよび大口径気体運搬管が必要となる。また、患者が換気装置モジュール307を着用する場合もあり、この換気装置モジュール307は、本発明が呼吸不全に使用される場合に移動することを可能にするために非常に小さくてよい。換気装置は管または別の手段309により空気および/または酸素の供給装置311に連結され得る。換気装置モジュール307はディスプレイ313および/または入力デバイスを有することができる。
【0030】
本発明は、小口径気体運搬管により換気装置に接続される非密封式鼻マスクの患者インターフェイスを有することができる。鼻マスクは独特な形で非密封式となることができ、それにより、患者は、換気補助を受けながらマスクを通して直接に周囲空気を吸ったり吐き出したりすることができ、ここでは、マスク内のデッドスペースの大きさは無視できる程度である。マスクは、比較的高レベルの換気補助すなわち気道圧力を実現するために換気装置が比較的少量の気体を運搬するのを可能にする独自のベンチュリ・システムを有することができる。このベンチュリ・マスクは図6〜13で詳細に説明される。
【0031】
以下の開示では、鼻インターフェイス303の種々の実施形態を詳細に説明する。鼻インターフェイス303は標準的なマスクと比較して最小限に目立たないようにすることができ、それにより、患者は治療を受ける間も通常通りの感覚を得ることができ、また通常通りに活動することができる。例えば、患者は、鼻インターフェイスを付けて治療を受けながら、話したり、飲み込んだり、食事を食べたり飲み物を飲んだりすることができ、通常通りに呼吸していると感じることができる。必要となる気体運搬管は標準的な換気装置の管と比較して極めて小さくすることができ、それにより、患者がこのシステムと共に動き回ることがより容易に可能となり、また、治療に必要な装置および管を隠すこともより容易に可能となる。低レベルの気体量を使用して治療レベルの肺圧力または気道圧力を達成することにおけるこのベンチュリ・システムの有効性により、気体供給装置を比較的小型にすることが可能となり、さらにそれにより患者が移動することが可能となり、また、換気用の装置を小型化することが可能となる。
【0032】
図3は移動するために本発明を使用する患者を示しているが、本発明は睡眠呼吸障害にも適用され得る。後者の場合の本発明の利点は、マスクおよび管が睡眠時無呼吸の治療ための標準的なマスクおよび管より小さいことである。加えて、患者は、睡眠時無呼吸の標準的な換気用のデバイスを使用するときに感じるように機械を通して呼吸しているのではなく、周囲空気で呼吸していることをより直接的に知覚することができ、それにより患者が治療を許容できるようになる。
【0033】
図4は本発明の例示のシステムを説明するブロック図である。図4の例示のシステムは図3に示されるような携帯可能な気体源を備える着用可能な換気装置であってよく、または、別の換気装置および/または気体源であってよい。このシステムに付随する換気装置フィーチャおよび患者インターフェイス・フィーチャが概略的に示されている。図4は非侵襲性開放鼻インターフェイス400を示している。この非侵襲性開放鼻インターフェイスを、本明細書に記載される種々の実施形態、例えば、図5〜8B(湾曲した鼻マスク)、図9〜15(弾性継手)、および、図16〜25および29〜31(人間工学的構成)において説明する。
【0034】
換気装置モジュール401は他の複数の機能的アクセサリを有していてよく、または、他の複数の機能的アクセサリに連通されてよい。図4では、図3の換気装置および患者の内部生体構造が概略的な形で示されている。通常、鼻空気流または鼻圧力センサ429が含まれる。検討、分析、遠隔処置、双方向通信およびアーカイブのための、患者、患者の治療、および、換気装置性能に関する情報を遠隔位置に伝達するために、伝達装置403が含まれてよい。例えば、治療に対する患者のコンプライアンスまたは治療の利用を監視および評価することができる。例えば、患者の呼吸数、I:E比、酸素の使用、活動レベル、呼吸の深さなどの重要な情報の傾向が示され得る。また、例えば、換気装置の出力が患者の需要に合うように滴定オプションを設定するためのプログラム命令を送るといったように、または、患者に指示を送るといったように、換気装置433に情報が送られ得る。また、患者は、換気装置および伝達装置403を通して遠くにいる臨床医に情報または質問を送ることができる。
【0035】
通常は換気装置モジュール401の外部に、酸素源407および/または圧縮空気源409が含まれてよい。しかし、特定の実施形態では、この治療が例えば家の中などで静止した状態で使用される場合、酸素源407および/または圧縮空気源409は換気装置モジュール401の内部にあってよい。気体運搬回路413内の分別運搬O2を制御するために、ブレンダ411が含まれてよい。例えば、酸素ブレンダの設定値または換気装置の容量出力を適切に設定するといったように、患者の生理学的需要に合うように換気装置モジュール401の設定を滴定するために、パルス・オキシメータ415が使用され得る。酸素および空気ガスの圧縮供給に加えて、換気装置モジュール401は、加圧空気を作り出すための圧縮装置、ポンプまたは送風装置、加圧酸素ガスを作り出すための酸素発生装置および/またはポンプ、ならびに/あるいは、圧縮気体蓄積装置などの、内部または外部の空気・酸素発生システム417を有してよい。酸素源は、液体酸素、または、液体酸素発生システムであってもよい。治療の拡張使用のために、または乾燥した気候で使用する場合に、内部または外部加湿装置405が含まれてよい。
【0036】
この治療はADLを補助したり活動を促進したりするために頻繁に利用されることから、歩数計419および/またはアクティグラフィ・センサ421が換気装置モジュール401の内部または外部に含まれてよい。任意選択のセンサには、CO2センサ425および/または外部呼吸センサ・ユニット437が含まれてよい。CO2感知ライン439および/または気道圧力感知ライン411が存在してもよい。1つまたは複数の別の外部センサが含まれてもよい。例えば、別の外部センサには、呼吸筋肉努力センサなどの外部呼吸センサまたは呼吸努力センサ427、胸部インピーダンス・センサ435、あるいは、気管センサまたは別のマイク・センサまたは振動センサ443または音響センサまたは超音波センサなどの別のタイプのセンサ、が含まれてよい。この1つまたは複数の外部センサは、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429に重複するセンサとして、あるいは、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429から得られる情報を補完するために、あるいは、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429の代わりに、使用されてよい。経口空気流呼吸センサが使用されてもよく、例えば、別法として、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429が経口空気流センサであってもよい。
【0037】
薬物運搬モジュール431が換気装置モジュール401の内部または外部に組み込まれ得る。現在のエアロゾル化された薬物の運搬吸入器では問題があることから、担体推進剤なしで呼吸システム内深くに薬剤粒子を推進および堆積させるために、この薬剤運搬モジュール431が使用され得る。この治療を使用している患者は処方箋薬剤を必要とする場合も多いことから、このことは薬剤を投与するための便利で効率的な方法となり得る。
【0038】
呼吸補助のためにこの治療が使用されている場合、ユーザは2つの選択肢を有し得る。(1)ユーザが移動可能となるようにまたは日常生活の活動を楽しむことができるように、換気装置モジュール401を着用するか持ち運ぶ、あるいは、(2)患者が移動することを予定していない場合または患者が歩行する能力を有さない場合、静止状態で使用する。後者の場合、運搬回路を任意選択で25〜100フィート(7.62〜30.5メートル)の長さで設けることができ、それにより、気体源および換気装置モジュール401が患者の家に固定されたままでよく、患者はインターフェイスを着用して治療を受けながら家の中を移動することができる。あるいは、気体源は、固定されたままで25〜100フィート(7.62〜30.5メートル)のホースにより換気装置モジュール401に接続されてよく、それにより患者は換気装置を着用するか持ち運ぶことができ、ホースの範囲内で移動することができる。
【0039】
換気装置モジュール401は、情報および行われる治療(output therapy)を分析するために1つまたは複数のプロセッサ445および1つまたは複数のメモリ447を有してよい。
【0040】
換気気体449は周囲空気451を取り込む速度で出ることができ、それにより、患者が自発呼吸をしている場合、換気気体449と取り込まれた周囲空気451と自発吸入空気との組合せが、肺および気道に対して臨床的に有効な効果を作り出すように力を受けて、鼻腔455、口腔咽喉気道457、気管459、肺461およびその他、の患者の気道に運ばれる(453)。患者は鼻または口を通して息を吐き出すことができる(463)。種々の気道には、さらに、鼻孔気道473、鼻気道475、口気道481、上気道477および下気道479などが含まれる。
【0041】
本発明を使用する場合、患者は、インターフェイスを通して機械的補助を受けながら、上気道を通してさらには鼻を通して通常通りに呼吸する。息を吐き出している間、吐き出された気体は好適には気体運搬回路に入らず、周囲空気へと直接に、あるいは、鼻インターフェイス400を通るか横断するかまたはその周りで周囲空気に向かって口または鼻から出る。患者は、例えば吸気時などの使用時に口を閉じたままにして、機械的補助を下気道に誘導して口腔465、舌467の根元、口蓋469および食道471を通過するように誘導するのを補助することができ、または必要に応じて口ガードまたは顎バンドを使用することができる。この治療を使用する場合、患者は口を通して息を吐き出すことができる。
【0042】
図5乃至図8Bは、独自のベンチュリ構成を備える非密封式開放気道鼻マスクの一実施形態を説明している。図5は人の顔の上に着用されている鼻マスクを説明しており、患者の耳の周りを通って気体が運搬されることが例示的に示されている。図6は図5のマスクの上面図を示している。図7は、マスクの内部フィーチャを示す、正中線A−Aに沿った図6のマスクの断面図を示している。図8Aは図5のマスクの上面図を示しており、図8Bは、マスクの内部フィーチャを示す、線B−Bに沿った図8Aのマスクの断面図を示している。図6〜8Bに示されるように、マスクは、内部に1つまたは複数の気体流路601(図7)を有してよいマニホールド517と、気体流路に連通される1つまたは複数の気体運搬噴射ノズル611(図7)と、通常マニホールド517の近位端509(図6)のところかその近くにあり気体運搬噴射ノズル611に連通される気体運搬管アタッチメント513(図6)と、を有することができる。
【0043】
気体流路601は、正中線503の両側において、マニホールド517の正中線503のすぐ横にあるマニホールド517の上側または上側・後側で遠位端気体開口603の遠位端のところで終端してよい。マニホールド517の両側には、分離したまたは相互接続された気体流路601が含まれてよい。気体流路601は換気気体をユーザの鼻気道に誘導することができる。遠位端気体流開口603は、鼻孔に係合され得るおよび/または鼻孔に衝突してよい鼻クッション515を有することができるおよび/またはその鼻クッション515に流体連通され得る。気体流路601は、近位側において、マニホールド517の内側、前側、または、内側・前側の、取込みアパーチャ505のところの気体流路601の近位端のところまたはその近くで終端してよい。気体流路601は、遠位側において、遠位端気体流開口603のところまたはその近くで終端してよい。
【0044】
気体流路601内の気体運搬噴射ノズル611から出る気体は取込みアパーチャ505のところおよび/またはその近くに陰圧領域を形成することができる。陰圧は取込みアパーチャ505を通して周囲空気を気体流路601に引き込むことができる。好適には、取込みアパーチャ505の少なくとも一部分は気体運搬噴射ノズル611と遠位端気体流開口603との間に位置する。この独自のベンチュリ構造により、取込みアパーチャ505のすぐ内側の気体流路601内に陰圧領域を形成することが可能となり、同時に、取込みアパーチャ505と遠位端気体開口603との間に陽圧領域が形成される。気体が気体運搬噴射ノズル611から排出されるとき、この気体は円錐形の流れすなわち速度プロファイルを形成する。後でより詳細に説明されるように、通常、この円錐内の領域は陽圧となり、この円錐の外側の領域が陰圧となる。通常、この円錐が気体流路601の内壁に交差すると、交差箇所の遠位側の領域全体が陽圧下に入る。
【0045】
通常、鼻インターフェイス501は、ユーザが、取込みアパーチャ505を通して、マニホールド517の中および外の周囲空気で自由に呼吸するのを可能にする。別法として、ユーザは、分離した自発呼吸ポートの中および外の周囲空気で少なくとも部分的に呼吸することができ、自発呼吸ポートは、取込みアパーチャ505から分離されて、マニホールド517の気体流路601に沿った他の場所に配置されてよい。この自発呼吸ポートは後でより詳細に説明する。取込みアパーチャ505は単一のアパーチャまたは複数のアパーチャであってよく、自発呼吸ポートが存在して取込みアパーチャから分離される場合、この自発呼吸ポートは単一のポートまたは複数のポートであってよい。特定の実施形態では、自発呼吸ポートは、遠位端気体流開口603に対して概してまたは実質的に一列に並んでよい。別法として、自発呼吸ポートはマニホールド517の上側表面、下側表面または前側表面上に、あるいはこれらの組合せの表面上に配置されてよい。一般に、自発呼吸ポートは、好適には、患者から吐き出された気体が自然な速度でおよび/または自然な方向で誘導されてユーザが刺激を受けることがないように、配置される。
【0046】
取込みアパーチャ505は好適には気体運搬噴射ノズル611の先端部613の近くに配置されるが、マニホールド517の別の位置に配置されてもよい。特定の実施形態では、気体運搬噴射ノズル611の先端部613は完全に取込みアパーチャ505の近位側にあってよい。別の実施形態では、先端部613は、取込みアパーチャ505の遠位端617と近位端615との間において取込みアパーチャ505の近位端615とほぼ同一面上にあってよく、または、取込みアパーチャ505の遠位端617とほぼ同一面上にあってよい。
【0047】
取込みアパーチャ505はマニホールド517の横近位端509の近くに配置され得、マニホールド517の上側表面、前側表面、下側表面、または、それらの組合せの表面上にあってよい。取込みアパーチャ505は可変調節され得る。例えば、取込みアパーチャ505は全開と全閉との間で調節され得る。このように調節することにより、換気補助のレベルを、一般的な状況を作り出すためにシステム全体が意図する所望のレベルへと制御することが可能となる。この調節は手動であってもよいが、例えば小口径導管を通して換気装置からバルブへ送られる圧力信号によって制御されるようなバルブを使用して自動であることが好適である。別法として、取込みアパーチャ505に対する気体運搬噴射ノズル611の位置は摺動機構により手動または自動のいずれかで調節されてもよい。補助のレベルは部分的補助から換気装置の完全な換気補助までの範囲であってよい。
【0048】
図7に示されるように、本発明の特定の実施形態の気体運搬ノズル611は取込みアパーチャ505の近位側にあってよく、または、別の実施形態で示されるように、気体運搬ノズル611は取込みアパーチャ505の少なくとも一部分の近位側にあってよい。
【0049】
対照的に、通常の噴射ポンプ・システムでは、ノズルは取込みポートの遠位側および/または同心円上に配置される。本発明では気体運搬噴射ノズル611を近位側に配置することにより、好適には、マニホールド517の内部の流れが可能な限り短い長さまたは距離で陽圧の層流を作り出すことが可能となり、これにより好適には極力目立たなくなり、これは非常に有利である。気体が患者の中に入る前にマニホールド517内に層流の陽圧の流れが作り出されることが非常に有利である。鼻に乱流が入ってくることは患者にとって不快なことである。通常の噴射ポンプは噴射ポンプ領域内に陽圧の層流を発生させず、むしろ噴射ポンプの目的は噴射ポンプ領域から出る圧力を最大にすることである。乱流は、患者の中に入る場合、剪断効果を作り出すような渦および速度を有しており、そのような剪断効果により、鼻組織を刺激するようなノイズ効果および境界効果が強まる。本発明によって作られる層流は流れプロファイルを滑らかにすることができ、それにより渦および速度プロファイルがより均等になり、ノイズおよび刺激が使用のために許容可能なレベルにまで軽減される。例えば、乱流は300lpmを超える局部化された速度傾向(velocity current)を有するが、本発明の層流は、公称条件では、最大で200lpm未満の局部化された速度傾向を作ることができる。
【0050】
本発明の特定の実施形態では、気体流路の断面積は取込みアパーチャ505と気体流路601の遠位端との間で減少することができないが、通常の噴射ポンプ・システムでは断面が減少しており、それにより圧力出力は増大するが、全体の流量率は減少し、これは医療の換気用途においては望ましくない。気体流路601の近位端と遠位端との間の実質的に均一の断面積または任意選択で増大する断面積により、システムにより患者の中に運搬することができる流量率が最大化され、さらには、マニホールド517での吸気抵抗および呼気抵抗が減少する。代替の実施形態では、気体運搬噴射ノズル611は、マニホールド517内の鼻クッション515の基部の近く、鼻クッション515の内側、または、マニホールド517内の鼻クッション515から近位側の任意の距離のところに配置されてよい。
【0051】
患者に加えられる圧力を測定することが望ましい場合があり、これは、図7に示されるように、陽圧領域内の感知ポート619のところで終端する圧力感知管腔621を使用してマニホールド517内の陽圧領域内の圧力を感知することにより、実行され得る。マニホールド517内の圧力は、変換器に圧力タップ607を接続する導管により、換気装置内で変換器によって連続的に測定され得る。理想的には、圧力タップ607は可能な限り少ない人為的影響を有する気体流路601内の位置で終端してよく、通常は、遠位端気体流開口603に可能な限り接近する。圧力タップ607は、通常、圧力感知ポート619と、換気装置まで後方に延在して換気装置制御システムに連通される感知管腔621とを有してよい。
【0052】
マニホールド517内の圧力は、患者の呼吸を感知するために、呼吸の段階、患者の状態、および、換気気体を運搬することが適切である時間を判断するために、さらには、アラームおよび制御システムのために患者および換気圧力を監視するために、測定され得る。
【0053】
鼻気流センサまたは鼻圧力センサ429として図4に示されるように、1つまたは複数の別の呼吸センサがマニホールド517内またはマニホールド517の表面上に配置されてよい。この1つまたは複数の別の呼吸センサは、真空信号などの、気体運搬噴射ノズル611によって生じる人為的影響により受ける影響が最小である位置に配置されてよい。この1つまたは複数の別の呼吸センサは、熱、音声、振動、気体組成、湿度および力、またはそれらの任意の組合せなどの、別のタイプのセンサであってもよい。この1つまたは複数の別の呼吸センサは呼吸圧力を測定するのに使用され得るが、呼吸気体流、あるいは、音声または気体組成などの他の呼吸関連パラメータを測定するのにも使用され得る。マニホールド517の内側の呼吸センサおよび/あるいはマニホールド517の外側の1つまたは複数の呼吸センサの組合せがあってもよい。これらの呼吸センサはマニホールド517と一体であってもよく、または、鼻インターフェイス501から離れて換気装置(図示せず)内に配置されてもよい。それぞれが各鼻孔用である2つのブレス・センサ、または、単一のブレス・センサが存在してもよい。例えば吸気ブレス・センサおよび呼気ブレス・センサといったような、鼻孔用の複数の呼吸センサが存在してもよい。これらのセンサは、例えば、換気装置運搬気体および自発呼吸気体の両方の吸気流量率および呼気流量率ならびに吸気1回換気量および呼気1回換気量といったような、気体流および気体容量を測定するのにも使用され得る。呼吸感知に加えて、装置は、呼気終末CO2センサおよび酸素センサなどの気体組成センサを有してもよい。CO2は測定および応答のための有用な臨床パラメータであり、また、追加の呼吸検出器、無呼吸検出器、漏洩検出器およびインターフェイス嵌合検出器(特定の特徴的なCO2信号はインターフェイスの適切または不適切な嵌合および配置を示すことができる)としても使用され得る。酸素は、測定するための有用なパラメータである場合があり、また、システムにより患者に運搬されるFIO2を判断するのに使用され得、したがって、測定パラメータとして、換気装置の調整を行って所望のFIO2を達成するのに使用され得る。
【0054】
マスクは鼻から側方かつ後方に離れるように鼻から湾曲して構成され得、それにより、マスクの構成要素が鼻の側方に配置されるようになり、マスクが可能な限り目立たなくなる。したがって、マスクは話したり食事したりするのを妨害せず、視野方向にも入らない。マニホールド517は、通常、鼻の側部の下のまたは鼻の側部までの顔の輪郭に適合するような複合的なアーチ形の形状であってよい。マニホールド517は、通常、両側の後方に湾曲していてよい。また、マニホールド517は、側方および後方に湾曲しているので、上側または下側にも湾曲することができる。マスクは、気体運搬管507が左側および右側の両方に取り付けられることを意味する両側アセンブリであってよく、または、マスクは、気体運搬管507が一方側のみに取り付けられることを意味する片側アセンブリであってもよい。後者の構成は横寝する場合に有用である可能性があり、すなわち顔の一方側で邪魔になるのを軽減するのに有用である場合がある。
【0055】
図5乃至図8Bは、急激な角度を有さない湾曲した流れ経路と、マニホールド517内で空気圧的に相互接続されない分割された左側流れ経路および右側流れ経路とを説明している。急激な角度は実質的に90度であってよい。急激な角度は層流が形成されるのを妨害する可能性があり、したがって望ましくない場合がある。気体運搬管507はユーザの耳の周りを通っていてよく、別のルートを通っていてもよい。気体運搬管507は、換気装置からの気体を運搬するためのチャネルと、例えば圧力感知管腔、気体抽出管腔または加湿用運搬管腔などの、図28に見られるような追加の管腔とを有してよい。
【0056】
マニホールド517の全体の断面幾何形状は概して円形または半円形であってよく、または、性能およびエルゴノミクスを最適化するためにD形、長円形、または変形可能であってもよい。断面積は、近位側から遠位側にかけて不定に増加するように可変であってよく、および/または、一定であってよい。ユーザの皮膚から離れて突出しない平坦な断面幾何形状が人間工学的に構成されてよい。マニホールド517の内部構造は、効率的な気体流流体力学および音声発生を促進するために、角部ならびに急激な屈曲部および角度を有さなくてよい。急激な屈曲部および角度は約90度ではない屈曲部および角度であってもよく、好適には約120〜150度である。
【0057】
マニホールド517が可撓性を有することが所望される用途では通常は30〜60ショアA硬度、およびマニホールド517が剛性または半剛性であることが所望されるような用途では60〜90ショアA硬度の熱可塑性材料またはエラストマー材料のいずれかの、半剛性材料で作られてよい。マニホールド517は、半剛性または剛性材料および可撓性材料の両方で構成されてもよく、例えば、気体流路601および/または感知管腔621の部分は剛体構成であってよい。後で図9〜31に関して説明されるように、1つまたは複数の撓み箇所には柔らかい可撓性材料があってよく、または、気体流路601および/または感知管腔621の部分の周りに柔らかい可撓性材料があってもよい。別法として、マニホールド517の皮膚側すなわち後側は軟質で可撓性を有してよく、対して、マニホールド517の前側は剛性または半剛性であってよい。
【0058】
マニホールド517は、ユーザが小さな調節を行って鼻インターフェイス501をその個人に理想的に適合させるのを可能にするために、展性を有するようにすなわちユーザによって成形され得るように構成されてもよい。鼻インターフェイス501全体は分解可能であってよく、したがって、ユーザは、洗浄のために、または、正確なサイズの複数の部品を一体に組み立てて適合性をカスタマイズするために、アセンブリを分解することができる。マニホールド517および鼻クッション515が含まれる場合、これらのマニホールド517および鼻クッション515は通常半透明であってよいが、透明または不透明であってもよい。気体流路601の幾何形状は断面が円形であってよく、または、流れ動力学、音声およびエルゴノミクスをすべて最適化するためにD形、長円形または楕円形などの、非円形であってもよい。マニホールド517内の気体流路601は、患者が抑制されていると感じることなく気体流路601を通して自由に呼吸することができるように、寸法決定され得る。通常、気体流路601およびベンチュリは、気体流路601が遠位端気体流開口603に向かって上側に湾曲する手前で気体流路601内に陽圧が発生するように、構成される。気体流路601は、可能な限り少ない抵抗および妨害で気体を運ぶために、湾曲して、急激な角度および角部を有さなくてよく、それにより、気体運搬噴射ノズル611によって運搬される気体が規則的な流れプロファイルで流れるようになり、乱流が最小となる。
【0059】
気体運搬噴射ノズル611の先端部613の内径は、約0.010インチ(0.025cm)から約0.080インチ(0.20cm)の直径または有効径の範囲であってよく、好適には、約0.020インチ(0.051cm)から約0.060インチ(0.15cm)の直径または有効径であってよい。特定の用途によっては別の寸法も可能である。調節することにより、行われる換気補助のレベルを変更することができるようにするために、取込みアパーチャ505に対する、マニホールド517内の気体運搬噴射ノズル611の位置は調節可能であってよい。通常、気体運搬噴射ノズル611は両側に配置されるが、単一の気体運搬噴射ノズルも考えられる。
【0060】
マニホールド517の横近位端509に結合され得る気体運搬管507を介して、換気装置からの補助換気気体が、換気装置からマニホールド517に運搬され得る。気体運搬管507は、換気装置気体運搬チャネルおよび圧力感知導管の両方を有していてよく、さらには、図4に示されるように、CO2抽出チャネルまたは加湿用運搬チャネルなどの別のチャネルを有していてよい。気体運搬管507は、通常、鼻インターフェイス501を患者に固定するために耳の周りを延在していてよく、または、ユーザの顔の別の位置を通っていてもよく、例えば、口の隅部の周りから首の前まで通っていてもよく、この場合、マニホールド517を顔および頭に巻きつけるためのストラップが含まれてよい。
【0061】
鼻クッション515は、遠位端気体流開口603に結合されてそこから上側に延在していてよい。鼻クッション515は、鼻孔の縁に衝突するか、鼻孔の縁を密封するか、鼻孔の内側を密封するか、鼻の下の組織に衝突するか、または、上記を様々に組み合わせることができる。鼻クッション515は、通常、鼻孔と快適に接触するのを可能にするように軟質でありかつ柔軟性を有し、密封する場合、快適な形で鼻孔に押し付けられる。鼻クッション515は、通常、延長部が複数の平面内で撓み、中心線軸に沿って圧縮されてユーザの鼻が適合するのを可能にするような形状の渦巻き形状を有することができる。鼻クッション515は鼻孔の縁または鼻孔の別の部分を密封することができ、それにより、鼻クッション515と鼻との間で意図せず漏洩が起こることがなくなり、呼吸気体の大部分が鼻クッション515を通って流れるようになる。しかし、このシールは漏洩を起こさないことが必要であるわけではなく、一部の実施形態では、鼻クッション515と鼻孔との間で気体が流れることが所望される場合もある。鼻クッション515は鼻インターフェイス501に永久的に固定されてよく、または、取外し可能に取り付けられてもよい。鼻クッション515は、ユーザが自分の生体構造に適合するサイズを選択することができるように、複数のサイズで利用可能であってよい。
【0062】
図9乃至図15はマニホールド901の代替の実施形態を説明している。図9はマニホールド901の上面図を示している。図10は図9の線C−Cのところのマニホールド901の断面図を示しており、気体流路903と、相互接続チャネル905と、気体運搬噴射ノズル907と、圧力感知管腔909と、圧力感知ポート911と、取込みアパーチャ913と、気体抽出チャネル/自発呼吸アパーチャ915と、排気流経路917と、遠位端気体流開口919と、を含む内部フィーチャを示している。この実施形態では、取込みアパーチャ913および排気流経路917を通して自発呼吸が実現される。図11は図9の線D−Dのところの端部断面図を示しており、気体運搬噴射ノズル907と、気体流路903と、呼吸・マニホールド圧力感知管腔909と、気体抽出チャネル/自発呼吸アパーチャ915と、排気流経路917と、を含む内部フィーチャを示している。マニホールド901は中心線925に沿って撓むことができる。
【0063】
図10に示されるように、左側および右側気体流路903は選択的に相互接続チャネル905と空気圧的に一体に接合され得る。チャネル905は、一方の鼻道が詰まっている場合に各鼻孔への気体の運搬を均等にするのに有用であり得る。相互接続チャネル905が設けられることにより、左側および右側気体流路903内の陽圧を均等にすることが可能となる。相互接続チャネル905は固定された変形しないチャネルであってよく、または、必要に応じて流れ特性を変化させるバルブを備えるチャネルであってもよい。相互接続チャネル905の断面積は、通常、気体流路903の断面積の半分より大きくてよい。代替の実施形態では、マニホールド901および気体流路903は、患者から出る吐き出された気体の流れおよびマスクにより患者に運搬される気体の流れを分けるのに使用される排気流経路917である二次チャネルをさらに有してよい。これらの経路が分割されていることにより、患者から外に出る気体および患者に運搬される気体が共通の経路を共有している場合の、気体が患者の外に出ることおよび気体が患者に運搬されることが同時に行われるときの剪断効果が大幅に軽減され得る。剪断効果が軽減されることにより、システムが発する音が減少し、これは、移動時の換気補助および睡眠呼吸障害などの本発明が意図する用途では非常に有利である。排気流経路917が含まれる場合、排気流経路917により、患者が、取込みアパーチャ913を通して吸気することに加えて、排気流経路917を通して吸気することが可能となる。患者が吸い込む全気体は、(1)気体運搬噴射ノズル907を通して換気装置から運搬される補助換気気体と、(2)気体運搬噴射ノズル907から出る換気気体により取込みアパーチャ913を通して引き込まれる取込み空気と、(3)取込みアパーチャ913を通して、または、患者自身の自発呼吸努力により自発呼吸ポートを通して、引き込まれる空気と、の組合せであってよい。吐き出される空気は、全体が、取込みアパーチャ913、マニホールド901内の別のポート、患者の口、または、それらの任意の組合せを通して吐き出されてよい。
【0064】
音を最小にすることより圧力を発生させることが重量である用途では、気体運搬噴射ノズル907の方向のアライメント(directional alignment)は、マニホールド901の内部気体流路903の幾何形状の平均中心線アーチに位置合わせされる。しかし、示される代替の実施形態では、発生する音を最小にすることがより重要である場合、気体運搬噴射ノズル907は中心線から角度を付けられてよく、また、中心からずらされてよく、それにより発生する音は低減されるが、圧力出力の発生も減少する。移動時の換気用途では、中心線から約10〜30度の角度を付けて約5〜25%だけ中心をずらして気体運搬噴射ノズル907を配置することにより、このデバイスが発生させる音および圧力のバランスを取ることが実現され、ここでは約40〜60dbの音および約12〜35cmH2Oの最大圧力出力が得られる。
【0065】
マニホールド901の近位端921のところにある気体運搬噴射ノズル907はまた、示されるように取込みアパーチャ913の遠位側にあるのではなく、発生する音を減少させるためにマニホールド気体流路903内にわずかに突出していてもよい。マニホールド517は、気体流開口603の遠位端気体流開口919のところに鼻クッション接続要素923をさらに有していてよく、この鼻クッション接続要素923には、鼻孔(naris)に衝突するまたは係合される柔らかいクッションが取り付けられ得る。
【0066】
図12乃至図15は、気体流路903、排気流経路917、圧力感知管腔909および圧力感知ポート911、気体運搬噴射ノズル907、ならびに、気体抽出チャネル/自発呼吸アパーチャ915および取込みアパーチャ913を詳細に説明している。図13は図12に示されるマスク・マニホールドの正面図の隠れ線図であり、図15は図14に示されるマスク・マニホールドの底面図の隠れ線図である。
【0067】
図16乃至図23は代替の実施形態を説明しており、ここでは、鼻マスク1601が、最小サイズ、最小の目立ち度、エルゴノミクス、形態および装着性における最大の快適さ、および、最大の機能性のために最適化されるマニホールド1603を有する。鼻マスク1601は、気体運搬管1605、取込みアパーチャ1607および/または鼻クッション1609を有してよい。図16は、人が着用している状態の鼻マスク1601の正面図を示している。図17は、図16に示されるマスクの上側・後側から見た図である。
【0068】
特定の実施形態では、気体運搬管1605とマニホールド1603との間の回転可能継手1631がデテント式の設定を有してよい。これらのデテント式の設定の継手(detent setting joint)は、患者の鼻孔気道に位置合わせするように気体運搬ノズルの角度を調節するために、マニホールド1603の角度を調節するのに使用され得る。別法として、気体運搬管1605は、同様に気体運搬ノズルを患者の鼻孔気道に位置合わせするために、別の回転方向においてマニホールド1603に接続可能であってよい。
【0069】
図18は、鼻クッションを除いた、線E−Eのところの、図17の鼻マスク1601の正面断面図である。図18は、相互接続チャネル1611と、吐き出される気体の排気経路1613と、気体流路1615と、気体流路1615の遠位端1621の近くで終端する圧力感知管腔1617およびポート1619と、取込みアパーチャ1607と、取込みアパーチャ1607の一部分の近位側に配置される気体運搬ノズル1623と、鼻クッション1609を取り付けるためのステム1625と、を含む内部マニホールド・フィーチャを示している。ステム1625は、マニホールド1603の上側表面上、または上側・後側表面上に配置されてよい。鼻クッション1609は撓み継手によりマニホールド1603に取り付けられてよく、または、それ自体が鼻孔開口に位置合わせされるようにわずかな圧力を受けて撓んだり、湾曲したり、角度を付けられたりするのを可能する撓み箇所または波形を有してもよい。鼻クッション1609はまた、マニホールド1603に向かって内側に圧縮され得、それにより、鼻クッション1609と鼻孔との間の接触箇所での接触力が緩衝および吸収される。鼻クッション1609は、近位側基部の中心からずれた遠位側の円形または長円形開口を有することができる。例えば、この遠位端開口は、鼻クッション1609の内側縁部および後側縁部へと付勢され得る。これらのフィーチャは鼻クッション1609を鼻孔(naris)に対して可撓性密封または可撓性準密封することができ、また、別の顔構造に適合させるようにおよび着用中の鼻マスク1601が不用意に移動することに適合するようにアセンブリにさらに許容性をもたらすことができる。鼻クッション1609は、通常、ショア10〜60Aのシリコーンまたはエラストマー材料あるいは熱可塑性材料などの、適合性材料であるが、別の材料が使用されてもよい。
【0070】
図19Aは図16のマスクの上面図を示している。図19Bは、線F−Fに沿った、図19Aのマスクの気体流路1615、圧力感知管腔1617および排気経路1613を通る断面図を示している。図19Cは、線G−Gに沿った、図19Aの気体流路1615を通る断面図を示している。図20は、鼻クッション1609を除いた、図16の鼻マスク1601の上面図を示している。弾性継手1627が含まれてよい。図21は、図16の鼻マスク1601の気体流路1615の隠れ線を示している。図22は、図16の鼻マスク1601の前側−底側から見た図を説明している。図23は、図22の鼻マスク1601の気体流路1615の隠れ線図を示している。
【0071】
図24は、一実施形態による、可撓性マニホール2401を備えるデバイスの正面図であり、ここでは、マニホールド2401の中心位置2403が撓み、それにより、より快適にまたは安定してユーザに装着されることが可能となる。鼻インターフェイス2405は、鼻クッション2407、取込みアパーチャ2409および気体管2411を有してよい。図25は、鼻クッション2407がステム2413から取り外され得ることを示している。取外し可能な鼻クッション2407は、洗浄したり、より適切なサイズの鼻クッション2407に取り換えることにより装着性をカスタマイズしたりするのを可能にする。
【0072】
図26は鼻マスク・マニホールド2601の概略断面図であり、基本寸法関係を説明している。例えば左側および右側の、鼻インターフェイスの半分が示されている。気体運搬噴射ノズル2603がマニホールド2601の近位端2605の近くに配置され、取込みアパーチャ2607の遠位端2609の近位側にある。気体運搬噴射ノズル2603は、直列や同軸ではなく、取込みアパーチャ2607に平行に配置されて示されている。本開示の目的では、平行とは気体流方向のことを言う。したがって、図26の平行位置は、気体運搬噴射ノズル2603から運搬される換気気体の平行流および取込みアパーチャ2607を通して取り込まれる周囲空気の流れを示す。
【0073】
図26のベンチュリ構造により、デバイスはいくつかの重要な事象を実現することを可能にすることができる。第1に、気体運搬噴射ノズル2603が自発呼吸経路を塞がないことから、鼻インターフェイスを可能な限り小さくすることが可能である。気体運搬噴射ノズル2603が自発呼吸経路内にある場合、気体運搬噴射ノズル2603周りの領域は、気体運搬噴射ノズル2603が占める空間を補償するために大きくなければならない可能性があり、それにより流れ経路に過度に抵抗性が生じなくなる。次に、平行な取込みアパーチャ2607により、デバイスが口から離れるように気体流を運ぶことが可能となる。さらに、取込みアパーチャ2607を気体運搬噴射ノズル2603に平行に配置することにより、気体運搬噴射ノズル2603が発生する音を減少させることができる。外側管2611は鼻クッションまたはマニホールド2601であってよい。この概略図の外側管2611は、近位端2605から遠位端2613まで延びて示されているが、一定の断面を有してもよい。また、外側管2611は直線であっても湾曲していてもよい。円錐2615によって示される、ノズルから出る気体運搬経路内に含まれる領域、すなわち円錐2615の左側の内部は、陽圧を有することができ、円錐2615の右側の外部領域は、陰圧を有することができる。
【0074】
寸法「A」は、気体運搬噴射ノズル2603の先端部2617から取込みアパーチャ2607の遠位端2609までの距離である。寸法「B」は、デバイスの咽喉領域の長さである。A+Bは、(1)所望される取込みを実現し、(2)所望される陽圧を発生させ、(3)ユーザが受け入れられるように全体のサイズを最小にしながら、長さを最小に維持しなければならない。サイズ、音および出力圧力、ならびに、流れを最適化するためには、A+Bの寸法が高水準である必要がある。気体運搬噴射ノズル2603を取込みアパーチャ2607の遠位端2609まで移動させることにより、寸法Aをマイナスに設定することができ、それにより、それに合わせてBを増加させることが必要となるが、それは望ましくない。Aを増加させることにより、気体運搬噴射ノズル2603が遠位側に移動されてノイズが増加する可能性があるが、これは望ましくない。気体運搬噴射ノズル2603の先端部2617を取込みアパーチャ2607の中間に配置することにより、サイズおよびノイズを最小にしながら圧力および流れ性能を最適化することができる。
【0075】
図27は図26の代替の実施形態を示しており、ここでは、音レベルが増加することが許容され得、ここでは、気体運搬噴射ノズル2603は、取込みアパーチャ2607の近位側でマニホールド2601の近位端2605のところに配置される。この実施形態では、図27のA1+B1は図26のA+Bに等しく、同じ長さが得られるが、音は増大する。
【0076】
図28Aは一実施形態による鼻インターフェイス2801の概略断面図である。複数の圧力感知ポートが使用されてよく、例えば、ニューモタコ(pneumotach)としても機能する能力、ならびに、取り込まれる空気さらには自発呼吸空気に加えて気体運搬噴射ノズル2807からの気体を含む、吸気時に鼻インターフェイス2801を通って流れる流量率および流量さらには呼気時の流量率および流量を決定する能力を鼻インターフェイス2801にもたらすために、第1のポート2803および第2の圧力感知ポート2805が使用されてよい。任意選択で、複数の圧力感知ポートの位置は、1つの理想的な位置で吸気段階の信号を測定するのに、さらに、別の理想的な位置で呼気段階の信号を測定するのに使用され得る。別法として、1つの理想的な位置が自発呼吸圧力を測定するのに使用されてよく、別の位置が換気気体運搬圧力を測定するのに使用されてよい。人為的影響を取り除くために圧力感知ポートの近くに減衰フィーチャ(図示せず)が含まれてよく、例えば、感知ポートの近くでエディカレント(eddy current)を発生させたりまたは流れの減衰を引き起こしたりするためにスクリーンが含まれてよい。
【0077】
図28Aは、換気気体運搬時の、通常は、患者の自発的な吸気段階さらには任意選択の呼気段階における、システムを説明している。気体運搬ノズル2807を通る換気装置によって運搬される気体が矢印で示されており、取り込まれる周囲空気が2829で示されており、患者に運搬される気体が2827で示されており、2831で示される過剰気体が、吐き出された気体の排気ポートを通して鼻インターフェイス2801から出るように誘導され、それにより、過剰気体2831が、ノズル2807によって運搬される気体に衝突することおよび運搬される気体2829によって取り込まれる気体に衝突することが防止される。過剰空気2831は、吸気が完了して気体が患者に運搬されるときに、すなわち、患者の気道内の下流の優勢な条件により十分な背圧が発生してそれにより気体流が少なくとも部分的に鼻から離れるように移動するときに、発生する可能性がある。気体運搬ノズル2807から出る円錐の流れ2823の内側の遠位側に陽圧が発生し、この円錐の流れの2823の外側の近位側に陰圧が発生する。
【0078】
図28Bは、通常は患者の自発的な呼気段階において気体の運搬が停止されているときの、図28Aの鼻インターフェイス2801を説明している。患者が吐き出す気体2851は、取込みアパーチャ2813を通って外に出る(2853)ことができ、および/または、吐き出される気体の排気経路2811を通って外に出る(2855)ことができる。
【0079】
角度付き気体運搬噴射ノズル2807はさらには音の発生を低減することができる。吐き出される気体の排気経路2811または戻り経路が運搬される流れを分割して流れを排気し、それにより剪断効果により発生する音が低減される。取込みアパーチャ2813が、運搬噴射ノズル2807の遠位側または運搬噴射ノズル2807の部分的に遠位側に配置される。1つまたは複数の気体抽出ポート2815が、ETCO2またはFIO2などの抽出のために鼻インターフェイス2801内に配置されてよい。鼻クッション2817が気体流路の遠位端2821のところに配置されてよい。気体流路の遠位端2821はチャネル2819に接続されても接続されなくてもよい。気体を運搬するための円錐の流れ2823の内側に発生する陽圧は、断面積が実質的に一定である咽喉区間2825内の、気体流路が気体流路の遠位端2821に向かって上側に湾曲し始めるところ2827の手前で発生する。
【0080】
アクティブ加熱加湿により、あるいは、液体粒子を、気体運搬システム内で、通常は鼻インターフェイス2801内でエアロゾル化することにより、あるいは、マニホールド気体出口経路に熱水交換器(heat moisture exchanger(HME))を追加することにより、あるいは上記の組合せにより、気体運搬回路に加湿を加えることができる。鼻インターフェイス2801内でレインアウトが起こるのを防止するために、鼻インターフェイス2801は、収集されるすべての湿気を取り除くための排水ライン(図示せず)を有してよい。好適には、加湿/エアロゾル注入ポート2809が陰圧領域内に配置され、それによりエアロゾルが鼻インターフェイス2801に入ることができるようになる。加湿/エアロゾル注入ポート2809が陽圧領域内にあると、その圧力により、加湿された気体またはエアロゾルが鼻インターフェイス2801に入ることが妨害されてしまう。別法として、熱水交換器(HME)(図示せず)が、吐き出される気体の排気経路2811または取込みアパーチャ2813に結合されてよい。
【0081】
図29は鼻マスク2909を備える鼻マスク・アセンブリ2907の等角図であり、これは、マスク・マニホールド2911と、鼻クッション2913と、両側気体運搬管2915と、取込みアパーチャ2917と、排気ポート2919と、可撓性コネクタ2921と、Yコネクタ2901と、気体運搬回路2903と、換気装置コネクタ2905と、を有する。
【0082】
図30は、角度調整クッションとしても機能することができる任意選択の実施形態の皮膚クッション2923を備える図29のデバイスの上面図である。皮膚クッション2923は、鼻の下でユーザの顔に適合する軟質のエラストマー材料または粘弾性材料で作られてよく、鼻マスク2909およびマニホールド2911をユーザの顔に巻きつけるいかなる力も緩衝するのにまたは消散させるのに使用され得る。皮膚クッション2923は、マニホールド2911を皮膚から適切な距離のところに間隔を置いて配置するのに使用され得、それにより、マニホールド2911内の遠位端気体流開口、または、含まれる場合に鼻クッション2913が、サジタル平面において鼻への入口におよび鼻の孔に適切に位置合わせされる。皮膚クッション2923は汚れた場合に洗浄され得るようにまたは交換され得るように取外し可能に取り付けられ得、また、角度を適切に設定するために複数のサイズで利用可能であってよい。示される皮膚クッション2923の形状は後側が凸面であってよいが、皮膚クッション2923はユーザの皮膚の湾曲に適合するように窪んでいてもよく、または、平坦であってもよい。別法として、皮膚クッション2923は皮膚に対して複数の分離した接触箇所を有してよく、例えば、鼻のすぐ下に1つの接触箇所、鼻の各外側にさらに2つの接触箇所を有してよい。皮膚クッション2923の表面は、ユーザの皮膚を刺激したり潰瘍を形成したりするのを防止するために特別な表面で処理されてよく、ヒアルロン酸コーティングまたは親水性コーティングなどの滑らかなコーティングで処理されてよく、また、皮膚が乾燥するのを回避するために皮膚クッション2923と皮膚との間に空気ポケットが形成され得るように窪んでいてよい。
【0083】
図31は任意選択の実施形態の気体流路3101を通る断面図であり、ここでは、片側式のデザインが形成されるように、気体運搬管3103および気体運搬ノズル3105がマスクのマニホールド3107の一方側のみに接続される。気体は、一方側すなわち図31の左側において、気体運搬ノズル3105からマニホールド3107に入るが、マニホールド3107のこの側は反転されてもよく、気体は、ベンチュリの気体流円錐3109の近位側に陰圧を発生させる。マニホールド3107の左側の取込みポート3111を通して空気が取り込まれ得る。ベンチュリの円錐3109の右側のマニホールド3107の内側に陽圧を発生させることができる。マニホールド内の陽圧は、圧力感知管腔3113およびポート3115によりマニホールド3107の左側および右側で測定され得る。気体がマニホールドの遠位端気体流開口3117、3119にから流れ出ることができる。左側の遠位端気体流開口3119は右側の遠位端気体流開口3117より限定されていてよく、それにより、右側の遠位端気体流開口3117に等しい量の流れが誘導されるようになり、左側の開口および右側の開口との間で気体出力が平衡される。マニホールド3107は、マニホールド3107の左側および右側の両方に、または、マニホールド3107の左側のみまたは右側のみにおいて、排気のための二次気体流路3121を有してよい。マスクは、図28に示される加湿用運搬ポート、または、気体感知複合ポート、右側の遠位端気体流開口3117と左側の遠位端気体流開口3119との間または存在する場合は右側および左側の鼻クッション3125の間の挟まれた角度を撓ませるための撓み継手3123を有してよい。鼻クッション3125が含まれる場合、鼻クッション3125は、洗浄、交換または調節のために、対合する接続フィーチャ3127に取外し可能に取り付けられ得る。鼻クッション3125は、その近位端基部のところまたはその近くに半剛性または剛性のリング3129を有してよく、このリング3129は、対合する接続フィーチャ3127の上にまたはそれに接触されて、あるいはマニホールド3107上のボスの上にまたはそれに接触されて、スナップ嵌合される。リング3129は完全な360度のリングまたは不完全な部分的なリングであってよい。鼻クッション3125はマニホールド3107上で回転方向に調節可能であり、任意選択で、回転方式の正確な設定を促進するためにデテント設定を有してよい。
【0084】
重要な機能的フィーチャの寸法は、音、取り込まれる流れおよび出力圧力などの、主要な限界性能の特性(primary critical performance attribute)を最適化するように、選択および変化され得る。機能的フィーチャには、限定しないが、咽喉の長さおよび直径、気体運搬ノズルに対する入力圧力、気体運搬ノズルに対する入力流量率、ノズル出口の直径、ノズル端部の内半径、気体運搬ノズルからの気体流出速度、マスクの呼吸抵抗、取込みアパーチャのサイズ、取込みアパーチャまでの気体運搬噴射ノズルの距離、咽喉入口までの気体運搬ノズルの距離、排気流経路の断面積、気体運搬ノズル、および、気体運搬ノズルの同心度が含まれてよい。
【0085】
機能的フィーチャの寸法は、性能の特性に対立して影響するような形で互いに競合する可能性があることから、好適には、これらの変数は好適なデバイスが作られるようにバランスを取らなければならない。咽喉の直径が減少すると、圧力および流れは強まるが、呼吸抵抗が増加する可能性があり、これは望ましくない。気体運搬噴射ノズルを咽喉からさらに離れるように移動させると、圧力および取込みを強めることができるが、ノイズも増加する可能性があり、これは望ましくない。取込みアパーチャの断面積を増加させると、取込みを強めることができるが、取込みアパーチャが大きくなることに対応するためにデバイス全体を大きくする必要が生じる場合がある。取込みアパーチャは、咽喉区間の最小断面積より約0〜50%、好適には約10〜20%大きくなるように寸法決定され、それにより、取込みアパーチャが呼吸抵抗を確実に限定しなくなり、また、デバイス全体のサイズを制限しながら取込みを最適化するようになる。取込みアパーチャの位置がデバイスの近位端にある場合、約2〜5Xの巻込み係数(entrainment factor)が得られる(取り込まれる流れが運搬される流れの3倍から5倍である)。取込みアパーチャがデバイスの一方側にある場合、約1〜3Xの巻込み係数が得られる。側部構成は、吐き出される流れが顔から自然な方向に誘導されることが所望されるような意図される用途と出力とのバランスを最適化するように、選択され得る。気体運搬噴射ノズルの直径を減少させると、流出速度を増加させて取込みを強めることができるが、これにより出力圧力が減少され得ることから、それにより1つの平衡状態が選択される。全体の長さは、最適な流れ性能および圧力性能を得るために、流れ経路が鼻インターフェイスの鼻クッション区間の方に向かう手前のところで十分な陽圧流れが展開されるように、選択される。
【0086】
本発明の実施形態は、以下の形状変数を用いると、最大で35cmH2O(3432Pa)の肺圧力(出力圧力)および最大で150LPMの全流量(運搬される流れおよび取り込まれる流れ)、ならびに、約30〜60dbの音レベルを実現することができる。表は例示の値のみを列記しているが、本開示を限定するものとして解釈されない。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
図32は、本発明の作動機構を説明しており、さらに、本発明が肺疾患または神経筋疾患の用途に使用される場合に、本発明により患者の呼吸の動作がいかにして有利に影響を受けるかを説明している。患者の肺容量は、肺圧力の関数としてグラフ化することができ、曲線の内側の領域は動作を示し、通常はジュール毎リットル(J/L)で示され、通常の健康な成人では0.3〜0.6J/Lであってよい。呼吸障害がある患者では、例えば、COPDの場合に静的および動的過膨張を克服したりまたは繊維症またはARDSの場合に高い気道抵抗を克服したりするといったように、組織の疫病状態を克服するために、休息中さらには激しい運動中に呼吸するために4〜10倍の作業が必要である可能性がある。
【0092】
示されるグラフでは、圧力軸の下にある曲線の内側の領域は吸気WOBであり、圧力軸の上にある曲線の内側によって画定される領域は呼気WOBである。矢印は、RVからVTに始まり、その後VTからRVに戻る、時間経過での1回の呼吸の経過を示している。RV1およびVT1は、治療なしでの残留量および1回換気量である。線3201は非侵襲性開放鼻換気なしでの自発呼吸を示している。線3203は非侵襲性開放鼻換気を用いた自発呼吸を示しており、吸気の増大および終末呼気陽圧(positive end−expiratory pressure(PEEP))治療が用いられている。RV2およびVT2は治療を行った場合の残留量および1回換気量である。示されるように、この例では、残留量を増加させることができる呼吸流が治療の一部として与えられることから、治療によりRVが増加する。重要なことは、治療によりVTが増加し、RVの増加よりもより大幅に増加することであり、これは、治療の効果としてより多くの量が肺に入ったり肺から出たりすることを示している。1回換気量の増加は、臨床的に有効であると考えられるが、開放換気式で非侵襲性の最小限に目立たないシステムで実現するのは技術的に難しい。グラフに示されるように、本発明を作動させた場合の患者の吸気WOBは、本発明を停止させた場合の患者の吸気WOBより約25%少ない可能性がある。また、吸気肺圧力が増加し(上昇する)、1回換気量が増加し、呼気中に治療が行われる場合には任意選択で呼気圧力が増加する。示される例では、換気装置が呼気段階中に気体を提供しているので、残留量が増加する一方で、残留量に影響を与えないように換気パラメータが滴定され得、また、治療の受けているときの肺筋を働かせる患者の能力により、患者の肺機能はCOPDの場合にはリモデルされ得、それにより実際に残留量の減少をより通常の値にすることができる。示されるグラフでは、治療の波形は、換気装置吸気段階治療出力(ventilator inspiratory phase therapy output)に対する早期吸気トリガ時間を想定しており、さらに、容量出力が患者の吸気時間内に運ばれることを想定している。しかし、任意選択で、異なる運搬波形および運搬同期が実行され得、それによりWOB曲線が調節され得る。例えば、換気装置吸気段階治療は、吸気の終了時に運搬を終了させて人の呼吸サイクルの後で実施され得、方形または上昇波形プロファイルで実施され得る。この場合、肺圧力ゼロ軸の上方の点において吸気が終了して呼気に移行するように、治療のWOB曲線は曲線の右側上向きに傾斜する。
【0093】
図33は、従来の換気と比較して、肺シミュレータ・ベンチ・モデル上でNIOVにより達成される肺容量をグラフで示している。すべての波形で、シミュレーションした患者は245mlの1回換気量が得られるように同じ呼気努力で自発呼吸をし、この臨床的目標は、患者の1回換気量を245ml(3001)から380ml(3303)まで増加させることである。グラフの左から右への第1の波形では、患者の呼吸3305は補助を受けてなく、したがって患者は245mlの1回換気量を受ける。次の波形では、同じ努力でシミュレーションした患者が、密封呼吸マスクまたはカフ付き気道チューブなどの従来のクローズ型システム換気装置の補助を受ける。換気装置出力3309は380mlの所望される「補助」1回換気量を実現するレベルに設定される。換気装置により肺に運搬される気体と、換気装置によって運搬されるが肺には到達せずに周囲に廃棄される気体3307との間に差異があることから、換気装置はこの目標を達成するために420mlに設定される。第3の波形では、換気装置が患者から引き離されている場合に行われるように、従来の換気装置システムにわずかな漏洩が導入される。380mlの所望の「補助」1回換気量を達成するために、次に換気装置は705mlに設定されなければならない。第2および第3の波形ではさらに、患者の肺が受ける容量がすべて、これらの従来のシステム内に存在しなければならない換気装置から発生することが分かる。第4の波形では、患者はNIOVで補助されており、示されるように、NIOV換気装置出力は、380mlの所望の「補助」レベルを達成するのに、90mlに設定されるだけでよい。この場合、380mlの1回換気量の一部のみが換気装置から来て、380mlの大部分は取込みおよび自発吸気された周囲空気3311から来ることから、NIOVシステムは、他のシステムよりはるかに、より効率的であり、より快適であり、より健康的である。
【0094】
図34は、肺シミュレータ・ベンチ・モデルを使用して、酸素治療と比較したNIOVをグラフで示している。左側の第1の波形では、患者は補助を受けておらず、−0.8cmH2O(78Pa)の努力で呼吸して、248mlの吸気される1回換気量3401を生み出す。第2の波形および第3の波形では、患者は、鼻カニューレを介して酸素の連続流3403およびパルス流3405をそれぞれ受け、ここでは肺圧力および1回換気量への影響は存在しないか無視できる程度である。第4の波形では、NIOV3407が使用されており、肺圧力および1回換気量における際立った増加を示しており、したがって、NIOVが開放気道システムであるにも関わらず、上で説明したようにNIOVが呼吸の動作を補助することが示されている。
【0095】
図35A乃至図35Lは、本発明の例示の換気気体運搬プロファイルならびにそれらのそれぞれの肺容量および肺圧力への影響を示している。
【0096】
図35A、図35D、図35Gおよび図35Jは、換気装置によって得られる例示の圧力および/または流れの波形を示している。図35Aは、完全な吸気サイクルで得られる方形波形3501を説明している。図35Dは上昇・下降波形3503を説明している。図35Gは、患者の自発吸気の時間の第1の部分において得られる方形波形3507を説明している。図35Jは、吸気段階で得られる第1の振幅3511と呼気段階で得られる第2の振幅3513とを有する多レベル振幅波形3509を示しており、ここでは、第2の振幅3513は例えば終末呼気陽圧(PEEP)を提供するのに使用され、これは一部の臨床用途において有効である。本発明には、下降するまたは上昇する台形の方形波などの別の波形が含まれてもよい。換気装置から気体運搬管への圧力および流量出力は通常5〜40psi(34〜275kPa)および6〜30lpmの範囲内にある。
【0097】
図35B、図35E、図35Hおよび図35Kは、換気装置出力3515および取込み量3517を含む治療によって得られる肺容量を説明している。
【0098】
図35C、図35F、図35Iおよび図35Lは、破線3519で示される治療なしの肺圧力と、実線3521で示される治療により得られる肺圧力とを示しており、図35Cでは吸気段階全体の吸気陽圧が示されており、図35Fおよび図35Iでは吸気段階の一部分での吸気陽圧が示されており、ここでは治療が呼気3523まで拡張されており、また、図35Lでは上昇した陰圧の吸気圧力が示されている。
【0099】
図36A乃至図36Lは、本発明の追加の例示的な換気気体運搬プロファイルならびにそれらのそれぞれの肺容量および肺圧力への影響を説明している。
【0100】
図36Aは上昇波形3601を説明している。図36Dは下降波形3603を説明している。図36Gは、例えば、呼吸段階の初期段階で必要な酸素分子を肺へと運搬するための、吸気段階の第1の部分における低振幅と、例えば呼吸の動作を補助するために治療の機械的補助部分を実現するための、吸気段階の第2の部分における高振幅と、を有する多レベル波形3605を説明している。図36Jは、ほぼ同じベンチュリ、取込み量、および治療効果を有する一方で、気体供給装置をより効率的に使用することができる振動波形3607を説明している。
【0101】
図36B、図36E、図36Hおよび図36Kは、換気装置出力3609および取込み量3611を含む治療によって得られる肺容量を説明している。
【0102】
図36C、図36F、図36Iおよび図36Lは、破線3613によって示される治療なしの肺圧力と、実線3615によって示される治療により得られる肺圧力とを示している。
【0103】
この治療により得られる肺圧力は以下の要因の組合せによって制御され得る。気体運搬回路圧力、噴射ポンプのデザインおよび構成、患者の肺コンプライアンスおよび気道耐性、患者の呼吸努力、患者の吸気段階に対する換気装置出力のタイミング、ならびに、換気装置出力波形。しかし、通常、患者の吸気段階の開始時に始まる500ミリ秒で得られる、100mlを運搬する方形波形の30psi(207kPa)の気体運搬回路圧力が、肺圧力を5〜15cmH2O(490〜1471Pa)だけ増加させることができる。また、通常、患者の吸気段階の大部分の700ミリ秒の間に得られる、250mlを運搬する台形波形の30psi(207kPa)の気体運搬回路圧力が、肺圧力を10〜25cmH2O(981〜2452Pa)だけ増加させることができる。換気装置によって運搬される気体は、酸素、空気、酸素と空気との混合気、または、ヘリウムなどの治療気体であってよい。本発明の主要な作動機構では、患者の肺圧力および肺容量が増加し、それにより患者が疲労および呼吸困難により制限を受けることなく、自力で呼吸することが可能となる。本発明の別の作動機構では、この治療によって提供される圧力補助および量的補助を受けて、患者は呼吸努力を軽減することができ、したがって、治療による合計の肺容量は変化しないが、呼吸動作は軽減される。本発明の別の主要な実施形態では、上記の2つの作動機構の組合せが行われてよい。
【0104】
図37は、一実施形態によるタイミングおよび気体流運搬の図である。気体流運搬率3701の振幅は気道圧力3703に影響するように呼吸数によって調整される。呼吸数が増加すると、振幅が増大する。容量運搬は、静止状態と動作状態との間で、ユーザによって変更されない限り一定の率で維持され得る。しかし、動作状態では、より高い流量率によりより多くの気体が取り込まれることから、システムによって得られる出力量はより大きくてよく、それにより、吸気段階でより大きい出力および肺圧力が得られる。また、運搬される流れの運搬の時間は、呼吸期間の割合として、ユーザによって調節され得る。例えば、呼吸期間が3秒である場合、運搬時間設定値の25%が、得られる0.75秒の流れパルスに等しくなる。得られる流れパルス幅は呼吸数により変化するが、このパルス幅は呼吸期間の25%であり続ける(ユーザによって変更されない限り)。この設定値は、例えば、呼吸期間の15%から70%の範囲内で設定されてよい。この設定値は容量の設定値とは無関係であってよい。例えば、25%対40%の設定値は同じ設定量を運搬することができ、異なる流量率でもその設定量を運搬しているにすぎない場合がある。得られる流れパルス時間を調節するためのアルゴリズムは、例えば、その時点の呼吸期間を測定するのに直前の3回から5回の呼吸を調べることができ、また、異常値の呼吸を排除するための修正係数を有してよい。
【0105】
図38は、睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合の例示の全システム3801の概略図を説明している。この実施形態では、換気装置3809が、スクロール・ポンプなどの気体発生システム3825から鼻インターフェイス3805まで気体を運搬する。
【0106】
患者は、換気気体運搬回路3803、気道圧力感知ライン3804および非密封式鼻インターフェイス3805を使用して非侵襲性開放換気(non−invasive open ventilation(NIOV))により換気することができる。鼻インターフェイス3805は好適には、別の換気インターフェイスで一般的であるように、患者の鼻を密封せず、むしろ、ユーザが通常通りに周囲環境から自由に呼吸できるように鼻に隙間を残す。換気装置3809から運搬される換気気体3807は、換気気体運搬回路3803を通って鼻インターフェイス3805内の1つまたは複数の気体出口ポート3811から出るように移動することができる。換気気体3807は周囲空気3813を取り込む速度で出ることができ、それにより、患者が自発呼吸をしている場合、換気気体3807と取り込まれる周囲空気3813と自発吸入空気3815との組合せが、肺および気道に対して臨床的に有効な効果を作り出すように力を受けて、鼻腔3817、口腔咽喉気道3819、気管3821、肺3823およびその他などの患者の気道に運ばれる。患者は鼻または口を通して息を吐き出すことができる(3816)。
【0107】
鼻インターフェイス3805の幾何形状および寸法は、性能、ならびに、ユーザの許容度および耐性を最大にするために、システムの物理特性および流体力学的特性を最適化することができる。システムの性能により肺容量を増加させることができ、または、肺圧力を増大させることができ、または、ユーザの呼吸の動作を軽減することができ、または、気道圧力を増加させることができる。
【0108】
NIOV換気システムはまた、気体供給システムまたは気体発生システム3825に流体連通される換気装置3809を有することができる。換気装置3809、および/あるいは、気体供給システムまたは気体発生システム3825は、分離していても、単一の換気システム3827内にあってもよい。換気気体3807は、呼吸不全の用途の場合は酸素であってよく、睡眠時無呼吸または神経筋の用途では空気であってよく、それらの組合せであってもよく、または、別の任意の臨床的に有利な気体であってよい。換気装置3809は制御ユニットまたはシステムを有してよい。換気装置3809は換気気体3807を供給する前に電源を入れられてよく、換気気体3807を供給する前に所定の時間の遅延時間を有してよい。所定の時間後、換気装置3809は、呼吸パターンなどに同期して、必要に応じて気体を運搬することができる。
【0109】
また、自発呼吸センサ3829が、換気システム3827との連通を介して、患者の自発呼吸パターンおよび自発呼吸段階、さらには無呼吸事象または呼吸不全事象を検出、判断および測定するのに使用され得、また、呼吸数または活動レベルなどの別の患者パラメータを判断および測定するのに使用され得る。この情報を使用して、換気装置3809は次に、この治療を患者の需要に同期させて滴定し、快適性を最大にするためにおよび治療滴定のために気体の運搬を患者の呼吸に一致させることができる。
【0110】
呼吸努力を感知するために追加のセンサ3831が使用されてよい。本発明は、肺の圧力および容量を増大させることにより呼吸の動作を補助することを含めて、患者の呼吸を補助するのに使用され得、また、口腔咽喉気道3819などの上気道の気道開通性を維持するのに使用され得る。本発明を使用する場合、患者は、インターフェイスを通して機械的補助を受けながら、上気道および鼻を通して通常通りに呼吸する。息を吐き出している間、吐き出された気体は好適には気体運搬回路に入らず、周囲空気へと直接に、あるいは、鼻インターフェイス3805を通るか横断するかまたはその周りで周囲空気に向かって口または鼻から出る。患者は、例えば吸気時などの使用時に口を閉じたままにして、機械的補助を下気道に誘導して口腔3833、舌3835の根元、口蓋3837および食道3839の周りに誘導するのを補助することができ、または必要に応じて口ガードまたは顎バンドを使用することができる。以下の部分で説明するように、気体の運搬は、患者の呼吸段階に同期して循環的に、または連続的に、あるいはそれらの組合せで実施され得る。患者は、静止した状態で、あるいは交通手段での移動中に、あるいは移動中または活動中に、あるいは横になって休んでいたり寝ていたりするときに、この治療を使用することができる。この治療には、在宅治療の用途、病院の用途、亜急性治療の用途、救急の用途、軍隊の用途、汎流行の用途、および、交通手段での移動での用途がある。
【0111】
図39は、睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合の本発明のタイミングおよび動作をグラフで説明している。上段のグラフは、例えば、胸インピーダンス・バンド、気管の活動を感知することにより呼吸努力を測定する首センサ、または別のセンサなどの、Aと称される、呼吸努力を測定する呼吸センサに基づく、患者の呼吸パターンおよび呼吸努力3911を示している。真ん中のグラフは、Bと称される、本発明の鼻マスクおよび換気装置によって測定される患者の気道圧力信号3913を示しており、下段のグラフは、下段のグラフの下にあるバー3917内の睡眠の異なる段階における、さらには、下側のバーに示される、気道が閉塞されるときの異なる段階における、換気装置出力3915を示している。時間3901でバイアス流れが増加され、信号Bさらには任意選択で信号A(振幅傾斜(amplitude ramp))に応答して時間3903で換気装置の低出力トリガ時間が開始され、Bさらには任意選択でAによって感知される空気流信号が減少することに応答して、例えばここでは、呼気空気流が減少したことがB)によって感知された後の1回の呼吸に応答して、時間3905で、換気装置の治療出力トリガ時間が開始され、さらに、無呼吸信号Bに応答して、例えばここでは呼吸が予期されるときに呼吸がないことをBが示した後の1回の呼吸に応答して、換気装置の出力トリガ時間が開始され、さらに、任意選択で時間3907でAが同時に呼吸努力を示す。
【0112】
起きている状態では、睡眠が始まると、換気装置の気体流出力が停止されるが、気道圧力の監視などの、換気装置の監視機能が作動される。この段階では、患者は鼻マスク内の自発呼吸アパーチャを通して自由に呼吸することができる。患者がS1に入る前、その間、またはその後で、気道が依然として開いている場合、換気装置の気体出力が作動状態に切り替わり、治療レベル未満のレベルで一定にまたは断続的に流れおよび圧力が運搬され、それにより患者がこの治療の感覚に慣れるようになる。通常S2において呼気空気流が減少したことが感知されるときなどの気道が閉塞し始めるときの前または後のある時間において、換気装置の気体流出力が周期的な出力に切り替わり、気道が閉塞するのを防止するまたは逆行させることができかつ患者の吸気努力に同期する治療出力まで増加する。
【0113】
したがって、理想的には、気道の閉塞は残りの睡眠において防止されるが、無呼吸が感知される場合は、換気装置出力は増加してよく、例えば、空気流が再び感知されるまで非同期の継続的な流れが強められてよい。加えて、治療を可能な限り低いレベルに滴定するために、呼気空気流が減少することが感知されるまで、この周期的出力を弱めることができる。さらに、この時間のより早い段階で気体の非治療的なレベルを実現することは、鼻インターフェイスの装着性および機能に関する情報をシステムに提供することにもなる。例えば、インターフェイスが適切に取り付けられて位置合わせされているかを確認するのに、呼吸圧力信号が使用され得る。インターフェイスが正確に取り付けられている場合、システムがそのことを感知して通常通りに進行するが、インターフェイスが正確に取り付けられたり位置合わせされたりしていない場合、システムが信号処理によりそのことを感知し、患者が睡眠の深い段階に入る前に調整を行うようにユーザに警告を出すことができる。別法として、システムは、鼻インターフェイスが取り付けられた直後に治療レベルの治療を提供することができ、さらに、インターフェイスが適切に接続されているかを判断することができ、適切に接続されていない場合、必要な調整を行うように患者に指示を出すことができる。適切に装着されていることがシステムの信号処理によって判断されると、上で説明したように、換気気体出力は必要となるときまで停止される。
【0114】
上述の説明は本発明の好適な実施形態を対象としているが、別の変形形態および修正形態が当業者には明白であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることに留意されたい。さらに、本発明の一実施形態に関連させて説明した特徴は、上で明確に述べられていなくても、別の実施形態と併せて使用され得る。
【関連出願】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本出願は、2009年9月3日に出願された米国仮特許出願第61/239,728号、2009年10月28日に出願された米国仮特許出願第61/255,760号、2010年1月12日に出願された米国仮特許出願第61/294,363号、および、2010年2月19日に出願された米国仮特許出願第61/306,370号の優先権を主張するものであり、これらの内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、本出願は、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願12/753,846号、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029871、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,851号、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029873、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,853号、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,854号、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029874、2010年4月2日に出願された米国非仮特許出願第12/753,856号、および、2010年4月2日に出願されたPCT特許出願PCT/US2010/029875の優先権を主張し、これらの内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、「METHODS,SYSTEMS AND DEVICES FOR NON−INVASIVE VENTILATION INCLUDING A NON−SEALING VENTILATION INTERFACE WITH A FREE SPACE NOZZLE FEATURE」と題される、2010年9月3日に出願された米国仮特許出願第_号、および、「METHODS,SYSTEMS AND DEVICES FOR NON−INVASIVE VENTILATION INCLUDING A NON−SEALING VENTILATION INTERFACE WITH A FREE SPACE NOZZLE FEATURE」と題される、2010年に9月3日に出願されたPCT特許出願第_号を参照により組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、呼吸不全および睡眠時無呼吸などの、呼吸疾患(respiratory and breathing disorder)に苦しむ人の換気治療の分野に関する。より詳細には、本発明は、非密封式・非侵襲性鼻換気患者インターフェイスを使用する方法およびデバイスにより開放気道換気を実現することに関する。
【背景技術】
【0003】
機械的換気補助すなわち気道陽圧を提供する、患者に負担を与えないような、最小限に目立つ鼻マスクおよび換気システムが必要とされている。このようなマスクおよびシステムの恩恵を受ける換気治療を必要とする、呼吸不全、気道疾患または睡眠障害、鬱血性心不全、神経筋疾患などの、様々な臨床的症候群があり、また、慢性的状況、急性的状況、緊急の状況、集団外傷の状況、および、汎流行の状況など、恩恵を受ける状況も様々ある。
【0004】
患者に負担を与えないデバイスを用いて酸素治療を行うことは可能である。しかし、酸素治療は、換気治療と比較してそれほど深刻ではない形の臨床的症候群に対して使用される。例えば、鼻マスクによる一部の酸素治療システムは、空気をマスク内に取り込むことにより空気と酸素との混合気を運搬することを目的として開発されてきたが、これらは、呼吸の動作を機械的に助けるものではないので、換気治療または呼吸補助とは考えられない。最近、高流量酸素治療(high flow oxygen therapy(HFOT))として知られる、酸素治療の変形形態が利用されている。この場合、酸素流量は、標準的な長期酸素療法(long term oxygen therapy(LTOT))を超えて、例えば15LPM以上にまで上昇する。高い流量率により患者の気道が乾くのを防ぐために、酸素を湿らせなければならない。HFOTは、自発呼吸中に患者の絶対の胸腔内圧(absolute pleural pressure)をわずかに下げることができ、したがって、呼吸の動作に与える影響はわずかであることが報告されている。これらのシステムは、かなりの量の酸素を消費し、システムが移動可能ではなくまた患者に負担を与えるという点において、非効率的である。
【0005】
患者に機械呼吸(mechanical ventilation(MV))を提供し、呼吸の動作に機械的に貢献するような呼吸補助および換気治療が存在する。MV治療は、患者にカフ付きまたはカフなしの気管チューブまたは密封式フェイス・マスクまたは密封鼻マスクあるいは密封鼻カニューレを挿管することによって患者に繋がれる。呼吸の動作を補助するのに有用であるが、MVに使用される患者インターフェイスは、ユーザに対して邪魔なものであり、および/または、侵襲性があり、また、MV治療は日常生活の移動性および活動を容易にはせず、したがって患者に負担を与え、多くの潜在的なユーザにとって欠点となるものである。挿管を必要とすることなくフェイス・マスクまたは鼻マスクを用いて患者を換気する非侵襲性換気(non−invasive ventilation(NIV))が存在し、これは、多くの状況において有利である可能性がある。しかし、インターフェイスが鼻および/または口に対して外部シールを形成することから、患者は上気道を使用することができず、また、システムは移動可能ではなく、この組合せは日常生活の活動を可能にするものではない。
【0006】
閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea(OSA))の治療では、代表的な換気治療は、持続的気道陽圧法(continuous positive airway pressure(CPAP))または二相性気道陽圧法(bilevel positive airway pressure(BiPAP))であり、これは、MVにおいて、患者が、呼気回路を通してではなく、マスク内の排気口を通して部分的に息を吐き出して大型の気体運搬管に戻すという点において、NIVに対する変更形態である。鼻または顔を密封する鼻マスクまたはフェイス・マスクにより患者に加えられる換気装置による連続陽圧により、上気道が閉塞することが防止される。この治療は、効果的ではあるが、低い患者コンプライアンスを有する。というのは、患者インターフェイスが患者にとって邪魔なものであり、また、患者がマスクおよび気体運搬回路の両方を通して不自然に呼吸するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
要するに、既存の治療および従来技術は以下のような欠点を有する。(1)日常生活の移動性および活動を可能にするように非侵襲性であり、目立たず、(2)通常通りに周囲環境からの呼吸を知覚するのを可能にし、(3)容易に携帯し得るシステムすなわち患者が容易に運搬または着用することができるシステム内で実施される、ような、患者に負担を与えない形で、呼吸補助または気道補助を提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、非侵襲性開放気道換気(non−invasive open−airway ventilation(NIOV))、および、患者の口または鼻の開口部を完全に覆ったりまたは密封したりしないベンチュリ構成を備える密封式鼻マスク・インターフェイスを使用して、患者に換気を行う。非侵襲性の開放気道による非密封式マスクは、好適には、マスク内で陰圧を陽圧に変化させるためのベンチュリ構成を備えるように構成される。
【0009】
本発明の実施形態は換気補助を提供するためのシステムを含むことができ、このシステムは:気体源と;気体運搬回路と;患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸することを可能にする鼻インターフェイスと;遠位端気体流路開口を有する、鼻インターフェイスを通る気体流路と;遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと;少なくとも一部分がノズルと遠位端気体流開口との間にある、鼻インターフェイスに付随する取込みポートと、を有し、ここでは、ノズルが気体運搬回路および気体源に流体連通され、ノズルが、取込みポートのところで気体流路内に陰圧領域を形成するために鼻インターフェイス内に気体を運搬し、鼻インターフェイスおよびノズルが、取込みポートと遠位端気体流路との間に陽圧領域を形成し、気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せが換気補助を行う。
【0010】
本発明の実施形態には気道圧力を増大させる方法が含まれてよく、この方法は:患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸することを可能にする鼻インターフェイスを用意するステップであって、鼻インターフェイスが気体流路を有し、気体流路が遠位端気体流路開口および近位端気体流路開口を有する、ステップと;鼻から一定の距離のところにある鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルを用意するステップと;実質的にノズルと鼻インターフェイスの遠位端との間の鼻インターフェイスに付随する取込みポートを用意するステップと、を含み、ここでは、取込みポートの少なくとも一部分が、ノズルと遠位端気体流開口との間にあり、ノズルを気体運搬回路および気体源に流体連通させるように適合させ、ノズルが、取込みポートのところで気体流路内に陰圧領域を形成するために鼻インターフェイス内に気体を運搬することができ、鼻インターフェイスおよびノズルが、取込みポートと鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧領域を形成し、気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せが気道圧力を増大させる。
【0011】
本発明のシステムおよび方法は、消音機構を含む鼻インターフェイスをさらに有することができる。消音機構は、ノズルをマニホールド気体流路の中心線軸から約1〜30度の角度で角度付けすることができる。消音機構は、マニホールド気体流路の中心線から5〜25%ずれて位置決めされる、中心からずれたノズルであってよい。消音機構は、取込みポートから分離された二次気体流出口を有することができる。鼻インターフェイスが発生させる音は1メートルのところで<50dbであってよい。気体流路は、実質的に外側−正中線の区間である第1の区間、および、第1の区間の遠位側にある、実質的に下側−上側の区間である第2の区間、ならびに、これらの2つの区間の間にある湾曲部を有し、湾曲部の近位側に陽圧領域が実質的に形成される。圧力感知ポートが気体流路内の陽圧領域で終端してよい。気体流路は、左側気体流路、および、分離した右側気体流路を有することができる。左側気体流路および右側気体流路は、相互接続チャネルに空気圧的に相互接続され得る。マニホールドが含まれてよく、このマニホールドは、正中線の両側に外側−後側−下側の湾曲部を有するように湾曲しており、それによりこのマニホールドがユーザにとって最も快適な場所に配置されるようになる。マニホールドが含まれてよく、このマニホールドは少なくとも1つの撓み継手を有し、この少なくとも1つの撓み継手はマニホールドの正中線のところに配置される。マニホールドは可撓性材料で作られてよい。マニホールドが含まれてよく、このマニホールドはユーザの顔の形状になるような展性材料(malleable material)で作られる。マニホールドが含まれてよく、マニホールドの中心で空間の調整が行われる。1つまたは複数の鼻クッションが遠位端気体流開口に取付可能であってよく、この1つまたは複数の鼻クッションは、硬質材料を含むスナップ・リングをピロー上に有し、さらに、遠位端気体流開口を囲む対合リングを有する。1つまたは複数の鼻クッションが遠位端気体流開口に取付可能であり、この1つまたは複数の鼻クッションは鼻インターフェイスに対する回転可能接続部を有する。気体流路の断面積は取込みポートから遠位端気体流開口に向かって減少していなくてよい。気体流路の断面積は取込みポートから遠位端気体流開口に向かって一定であってよい。気体流路の断面積は取込みポートから遠位端気体流開口に向かって増加してよい。気体源からの気体の運搬は吸気段階と同期してよい。気体源からの気体の運搬の時間は、患者の自然の呼吸数に基づいて異なる時間および異なる圧力振幅で設定された量を運搬するように、呼吸数で修正されてよい。気体供給源からの気体は着用可能換気装置によって制御され得る。換気補助には、呼吸不全を治療するために呼吸の動作を減少させることが含まれてよい。換気補助には、睡眠時無呼吸を治療するために気道圧力を増大させることが含まれてよい。ノズルおよび気体運搬管は、鼻インターフェイスの一方の側のみに取り付けられてよい。気体流路は急激な角度を有さなくてよい。急激な角度は実質的に90度であってよい。患者は、気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せで、気体源からの気体に対して約20〜200%の取り込まれる空気を受けることができる。ノズルは先端部を有していてよく、取込みポートの少なくとも一部分はノズルの先端部と遠位端気体流開口との間にある。ノズルの先端部は取込みポートの中間位置に位置してよい。ノズルの先端部は中心線から約5〜60mmであってよい。取込みポートは完全にノズルの遠位側にあってよい。取込みポートは、約0.035〜0.095平方インチ(0.226〜0.613平方cm)の平均断面積を有してよい。陰圧領域が気体流路内にあってよい。陰圧領域は、取込みポートから、鼻インターフェイスの遠位端の近位側にある位置まで延在してよい。陰圧は周囲圧力未満であってよい。陰圧は約−5から−40cmH2O(−490から−3923Pa)であってよい。陽圧領域が気体流路内にあってよい。陽圧領域は、気体流路内を、取込みポートの遠位側の位置から鼻インターフェイスの遠位端まで延在してよい。陽圧は周囲圧力より大きくてよい。陽圧は約0.01から0.50psi(69から3447Pa)であってよい。気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せは、約2〜35cwpだけ上気道圧力を増大させることができる。気体源からの気体と取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せは層流として鼻インターフェイスから出ることができる。鼻インターフェイスは、約−0.75〜2.0インチ(−1.9〜5.1cm)の咽喉長さを有してよい。気体運搬回路は約4mm未満の内径を有してよい。少なくとも1つのセンサが呼吸の段階を測定することができる。換気装置が設けられてよく、この換気装置は制御ユニットを有し、この制御ユニットは、少なくとも1つのセンサからの情報に基づいて患者の換気需要に適合するように換気装置の出力を調節する。
【0012】
本発明の実施形態は気道圧力を増大させるためのシステムを含むことができ、このシステムは;気体源と;気体運搬回路と;患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸することを可能にする鼻インターフェイスと;遠位端気体流路開口を有する、鼻インターフェイスを通る気体流路と;遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと、を有し、ノズルが気体運搬回路および気体源に流体連通され、ノズルが、鼻インターフェイスの近位端の近くで気体流路内に陰圧領域を形成するために鼻インターフェイス内に気体を運搬し、鼻インターフェイスおよびノズルが、陰圧領域の遠位側の気体流路内に陽圧領域を形成し、気体源からの気体と気体流路内の取り込まれた空気との組合せが気道圧力を増大させる。
【0013】
本発明のシステムおよび方法は鼻インターフェイスに付随する取込みポートをさらに有することができ、取込みポートの少なくとも一部分がノズルと遠位端気体流開口との間にある。陰圧領域は、取込みポートから、鼻インターフェイスの遠位端の近位側にある位置まで延在してよい。陰圧は周囲圧力未満であってよい。陰圧は約−10〜−50cmH2O(−981から−4903Pa)であってよい。陽圧は周囲圧力より大きくてよい。陽圧は約2〜30cmH2O(196から2942Pa)であってよい。
【0014】
本発明の実施形態には、治療レベルの気体を患者に運搬する方法が含まれてよく、ここでは、その量の気体が、閉塞性睡眠時無呼吸による気道閉塞を減少させることができる圧力レベルまで口腔咽喉気道内の圧力を増大させ、この方法は:鼻インターフェイスを患者に取り付けるステップであって、鼻インターフェイスが患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で直接に呼吸するのを妨害しない、ステップと;鼻インターフェイス内の、鼻の側方の鼻インターフェイスの近位端のところに噴射ノズルを配置するステップと;鼻インターフェイス内の、噴射ノズルと鼻インターフェイスの遠位端との間に取込みポートを配置するステップと;換気装置を気体運搬回路に取り付け、気体運搬回路を噴射ノズルに取り付け、換気装置からの気体を鼻インターフェイスまで運搬するステップと;インターフェイスの遠位端から一定の距離のところにおいて、アパーチャの位置にあるインターフェイスの内部に陰圧を形成する速度で、ノズルからの気体を鼻インターフェイス内に運搬するステップと;インターフェイスが、鼻インターフェイス内の陰圧領域と鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧を作るステップと、を含み、ここでは、患者が吐き出す実質的にすべての気体が周囲空気取込みアパーチャを通って流れ、気体運搬回路を実質的に一切流れず、さらにここでは、治療レベルの気体は、(a)換気装置からの気体、および、(b)換気気体が運搬されることにより発生する鼻インターフェイス内の速度によりアパーチャを通して取り込まれる周囲空気、を必要とする。
【0015】
本発明のシステムおよび方法はまた、インターフェイス内の取込み領域の遠位側のインターフェイス内の陽圧領域内において、取込みアパーチャと患者の鼻との間に配置される、開放気道圧力感知ポートを使用して患者の呼吸圧力を監視するステップを含んでよい。鼻インターフェイス内に、(i)ノズルと鼻との間の気体流路の軸に対して軸をずらしてノズルを位置合わせするステップ、(ii)ノズルと鼻との間の気体流路の中心線軸に対してノズルを偏心するステップ、(iii)気体の流出のために、インターフェイス内のアパーチャに加えて二次ポートを有するステップ、(iv)上記の組合せ、の群から選択される、消音機構が設けられてよい。換気装置は、第1のパワーオン/気体運搬オフ状態と、第2のパワーオン/気体運搬オン状態とを含むオフ−オン・モードを有してよく、オフ状態はオン状態より先行しており、気体を運搬せず、オン状態は治療気体を運搬し、気体運搬オフ状態と気体運搬オン状態と間に遅延時間を生じさせ、ここでは、気体運搬オフ状態は、換気装置に電源が入れられてインターフェイスが患者に繋がれた後で最初に始動され、またここでは、気体運搬オフ状態では、患者はインターフェイスを通して周囲空気で自由に呼吸し、またここでは、遅延時間後に気体運搬オン状態が始動され、ここでは、この始動は、(i)所定の時間、(ii)呼吸数の減少、(iii)呼吸圧力信号の減少、(iv)呼吸圧力レベルの減少、(v)上記の組合せ、の群から選択される。音声に応答して意図せず患者に気体が運搬されるのを防止する音声感知フィルタリング・アルゴリズムが設けられてよい。多様な量の気体が患者に運搬されてよく、ここでは、複数の異なる量が患者の自然な呼吸パターンに同期し、ここでは、第1の量は吸気段階に同期して運搬される治療レベルの気体であり、第2の量は呼気段階に同期して運搬され、呼気段階の量から吸気段階の量への移行は吸気段階が始まる前の呼気段階において開始される。患者に運搬される気体の1/3超は換気装置からの気体であってよく、患者に運搬される1/5超は、取込みアパーチャを通して取り込まれる周囲空気からの気体であってよい。換気装置からの気体運搬圧力出力は10psi(69kPa)より大きくてよく、ここでは、換気装置からの流量出力は25lpm未満であってよく、気体運搬回路の気体運搬チャネルの内径は3mm未満であってよく、ノズルから出る気体速度は100メートル/秒より大きくてよい。換気装置の気体運搬回路に並列の運搬回路を用いて、加湿された気体が患者に運搬され得、ここでは、加湿された気体は、陰圧取込み領域のところでインターフェイスに加えられる。左側鼻孔および右側鼻孔の呼吸圧力を個別に測定、監視、処理および追跡するために、分離した左側呼吸センサおよび右側呼吸センサが使用され得る。運搬されることにより鼻に入るときの気体は層流になることができ、したがって、気体は100m/秒を超える高い速度でノズルから出てインターフェイスに入り、また、50m/秒未満の低い速度で、取り込まれた空気と共に患者の鼻に入る。
【0016】
本発明の実施形態には、睡眠時無呼吸を治療するための換気装置が含まれてよく、この換気装置は:治療レベルを達成することが可能である場合、15psi(103kPa)より大きい出力圧力および25lpm未満の出力流量を有する気体運搬出力と;気体運搬回路に接続可能である、3mm未満の内径の気体運搬出力ポートと;換気装置の気体流ラインに連続しない、気道圧力感知信号のための入力と;気道圧力感知信号のための入力と、音声が息として分類されるのを防止するように構成される音声フィルタリング・モードと、気道圧力感知信号に基づいて患者の気道の近位側に所望の大きさの気道圧力を発生させるために、必要な量の流れを運搬するためのアルゴリズムと、を含む制御システムと、含む。
【0017】
本発明のシステムおよび方法はまた、循環モードを有する換気装置を有してよく、この循環モードは、患者に多様な量の気体を運搬するステップを含み、ここでは、複数の異なる量が患者の自然な呼吸パターンに同期し、ここでは、第1の量は吸気段階に同期して運搬される治療レベルの気体であり、第2の量は呼気段階に同期して運搬され、呼気段階の量から吸気段階の量への移行は吸気段階が始まる前の呼気段階において開始される。換気装置は、パワーオン・気体流オフ状態と、パワーオン・気体流オン状態とを含みさらに気体流オフ状態と気体流オン状態との間に遅延時間を含むオフ−オン・アルゴリズムをさらに有することができ、ここでは、気体流オフ状態は、換気装置に電源が入れられてインターフェイスが患者に繋がれた後で最初に始動され、またここでは、気体運搬オフ状態では、インターフェイスを通して患者が周囲空気で自由に呼吸している間に、制御システムが患者の呼吸圧力信号を受信し、またここでは、遅延時間後に気体流オン状態が始動され、ここでは、この始動が、(i)所定の時間、(ii)呼吸数の減少、(iii)呼吸圧力信号の減少、(iv)呼吸圧力レベルの減少、(v)上記の組合せ、の群から選択される。換気装置制御システムは、左側鼻孔および右側鼻孔の専用の入力に対応する複数の呼吸圧力入力を受けるように適合され得、さらにここでは、制御システムが、2つの信号を比較することに基づいて気体出力パラメータを調整するように適合されるアルゴリズムを有する。
【0018】
本発明の実施形態には、遠位端および近位端ならびに遠位端から近位端まで延在する気体流路を備える管状体を有する、睡眠時無呼吸を治療するための鼻インターフェイスが含まれてよく、この管状体は:鼻孔気道に衝突するように構成される遠位端と;鼻孔の遠位端から近位端まで横方向に湾曲するように構成される管状体と;ユーザが呼吸するのを妨害することなくアパーチャを通して周囲空気で直接に自発呼吸するのを可能にするように適合された、管状体内の近位端と遠位端との間にある周囲空気取込みアパーチャと;気体を気体流路へと誘導し、取込みアパーチャから空気を取り込むように適合された、管状体の近位端のところでアパーチャの近位側に配置される噴射ノズル・ポートと;圧力感知ポートと、を有し、ここでは、気体はノズルとアパーチャを通して取り込まれた空気との組合せから患者の気道に運搬され、またここでは、患者から出る実質的にすべての気体がアパーチャから外に出る。
【0019】
本発明のシステムおよび方法はまた、ノズルと遠位端との間に一定の長さを有する気体流路を含んでよく、それにより、ジェットから出る速度プロファイルが気体流路の壁に合流して遠位端の近位側かつ鼻の外側の位置で陽圧を発生させることが可能となる。気体流路の最小断面は取込みアパーチャの断面積以上であってよい。取込みアパーチャは、顔の前方からアパーチャ内に空気流を取り込むために、さらには、アパーチャから流れ出る吐き出された気体を顔から離れるように誘導するために、管状体内の、管状体の前側に配置されてよい。管状体は、遠位端の近くにある二次ポート、管状体の中心線軸からずれたノズル位置、気体を管状体の壁へと誘導するノズル角度、の群から選択される消音機構を含んでよい。管状体は0.40立方インチ(6.6立方センチメートル)未満の内部容積を有してよい。管状体は60lpmの気体流において4cmH2O(39Pa)未満の圧力の気体流抵抗を有することができる。圧力感知ポートは管状体の陽圧領域内に配置されてよい。左側管状体および右側管状体が設けられてよく、ここでは各管状体が圧力感知ポートを有する。巻込み圧力感知ポートが取込みアパーチャの近くに配置されてよく、圧力感知ポートが遠位端の近くに配置されてよい。
【0020】
本発明の実施形態には、治療レベルの気体を患者に運搬する方法が含まれてよく、ここでは、運搬される気体量が、閉塞性睡眠時無呼吸による気道閉塞を減少させることができる圧力レベルまで口腔咽喉気道内の圧力を増大させ、この方法は:鼻インターフェイスを通して患者が周囲空気で直接に呼吸するのを妨害しない鼻インターフェイスであって、鼻の実質的に側方において鼻インターフェイス内の、鼻インターフェイスの近位端のところにある噴射ノズル、および、鼻インターフェイス内の、実質的に噴射ノズルと鼻インターフェイスの遠位端との間にある取込みポートを有する、鼻インターフェイスと、換気装置および気体運搬回路であって、この換気装置が気体運搬回路を介して噴射ノズルに流体連通される、換気装置および気体運搬回路と、を用意するステップと;鼻インターフェイスの遠位端から一定の距離のところにおいて、取込みポートの位置にある鼻インターフェイスの内部に陰圧領域を形成する速度で、噴射ノズルからの気体を鼻インターフェイス内に運搬するステップであって、ここでは、鼻インターフェイスが、陰圧領域と鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧領域を形成するように適合され、またここでは、吐き出される実質的にすべての気体が取込みポートを通って流れ、吐き出される気体が気体運搬回路を実質的に一切流れない、ステップと、を含む。気体の運搬が患者の呼吸に同期され得る。
【0021】
本発明の追加の特徴、利点および実施形態は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲に記載されているか、あるいは、これらを考慮することにより明らかとなる。また、本発明の上記の要約および以下の詳細な説明が共に例示的なものであり、特許請求される本発明の範囲を制限することなくさらなる説明を行うことを意図するものであることを理解されたい。
【0022】
本発明のさらなる理解のために含まれ、本明細書の一部に組み込まれかつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の好適な実施形態を示しており、詳細な記述と併せて、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】酸素治療を行うための従来技術の通常の酸素運搬カニューレを示す図である。
【図2】鼻マスクを使用するおよびCPAPまたはBiPAP換気モードを使用する、従来技術の通常の非侵襲性換気装置を示す図である。
【図3】歩きながら呼吸の動作の補助を受けるために本発明の一実施形態を使用する負担を受けない患者を示す図である。
【図4】本発明の例示のシステムを示す概略図である。
【図5】開放性の非密封式鼻マスクが、湾曲して、ユーザの鼻の下に配置されるように構成されてよく、また、顔の正中線から鼻の側部まで両側に延在してよい、鼻インターフェイスの例示の実施形態を示す図である。
【図6】図5のマスクを示す上面図である。
【図7】図6の線A−Aにおける、マスクの気体流路の一部分に沿った正面断面図である。
【図8A】図5のマスクを示す等角の側面図(isometric side view)である。
【図8B】気体運搬ノズルを示した、図8Aの線B−Bにおける、マスクの気体流路を示す断面図である。
【図9】本発明の鼻マスクの代替の実施形態を示す図である。
【図10】図9の線C−Cにおける、マスクの気体流路を示す後方断面図である。
【図11】線D−Dに沿った、図9のマスクを示す断面図である。
【図12】図9のマスクを示す正面図である。
【図13】気体流路および排気流経路を示した、図12の方向のマスクを示す隠れ線図である。
【図14】図12のマスクを示す底面図である。
【図15】気体流路および感知経路を示した、図14の方向のマスクを示す隠れ線図である。
【図16】最小サイズ、エルゴノミクス、形態、装着性および機能のためにマスクが最適化されている、患者が着用している状態の鼻マスクの代替の実施形態を示す正面図である。
【図17】図16に示されるマスクを示す上側・後側から見た図である。
【図18】線E−Eに沿った、図16のマスクの気体流路、感知ライン経路および排気経路を通る正面断面図である。
【図19A】図16のマスクを示す上面図である。
【図19B】線F−Fに沿った、図19Aのマスクの気体流路、感知ライン経路および排気経路を通る断面図である。
【図19C】線G−Gに沿った、図19Aの気体流路を通る断面図である。
【図20】鼻クッションが無い状態の、図16のマスクを示す上面図である。
【図21】気体流路を示した、図16のマスクの気体流路を示す隠れ線図である。
【図22】図16のマスクを示す前側・底側から見た図である。
【図23】気体流路を示した、図22の方向のマスクを示す隠れ線図である。
【図24】マスクがその中心位置で曲げられ得る、図16のマスクの代替の実施形態を示す図である。
【図25】鼻クッションが取外し可能であってよいことを示す図である。
【図26】取込み窓の近位端からわずかに遠位側に突出する気体運搬ノズルを備える、本発明のベンチュリ・システムの実施形態を示す概略断面図である。
【図27】取込み窓の近位側にある気体運搬ノズルを備える、本発明のベンチュリ・システムの実施形態を示す概略断面図である。
【図28A】気体運搬段階を示した、付加的に、音を低減するための、圧力を均衡させるための、流れを測定するための、気体を抽出するための、圧力の人為的影響を弱めるために、および、加湿しながら運搬するための、追加のフィーチャを備える、マスクおよびベンチュリ・システムの実施形態を示す概略断面図である。
【図28B】気体の運搬が停止されているときの呼気段階を示した、図28Aのマスクを示す図である。
【図29】図24に示される湾曲可能な中心位置を含む、図16の鼻マスク・アセンブリを示す斜視図である。
【図30】任意選択の後側の皮膚位置決めクッションを備える、図16のマスクを示す上側・後側から見た図である。
【図31】スナップ嵌めされる鼻クッションおよびマスク内のクッション間にある撓み継手を含む他のフィーチャを備える、換気気体がマスクの一方の側に運搬される、任意選択の実施形態を示す概略図である。
【図32】本発明が肺疾患または神経筋疾患の用途に使用される場合の、患者の呼吸の動作が本発明によりどのように有利な影響を受け得るかを示すグラフである。
【図33】従来の換気と比較して、肺シミュレータ・ベンチ・モデル上でNIOVによってどのように肺容量が達成されるかを示す、x軸が肺容量であり、y軸が肺圧力であるグラフである。
【図34】肺シミュレータ・ベンチ・モデルを使用する、酸素治療と比較した、NIOVによって達成される肺容量を示すグラフである。
【図35A】一実施形態による、方形波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35B】図35Aの容量運搬を示すグラフである。
【図35C】図35Aの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図35D】一実施形態による、正弦波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35E】図35Dの容量運搬を示すグラフである。
【図35F】図35Dの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図35G】一実施形態による、吸気段階の一部における方形波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35H】図35Gの容量運搬を示すグラフである。
【図35I】図35Gの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図35J】一実施形態による、多レベル波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図35K】図35Jの容量運搬を示すグラフである。
【図35L】図35Jの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36A】一実施形態による、上昇波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36B】図36Aの容量運搬を示すグラフである。
【図36C】図36Aの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36D】一実施形態による、下降波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36E】図36Dの容量運搬を示すグラフである。
【図36F】図36Dの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36G】一実施形態による、吸気段階の一部における二段階振幅波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36H】図36Gの容量運搬を示すグラフである。
【図36I】図36Gの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図36J】一実施形態による、振動波形の気体運搬圧力を示すグラフである。
【図36K】図36Jの容量運搬を示すグラフである。
【図36L】図36Jの得られた肺圧力を示すグラフである。
【図37】一実施形態による、呼吸頻度により修正される気体流量運搬(breath frequency modulated gas flow amplitude delivery)のタイミングおよび振幅を示すグラフである。
【図38】本発明が睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合のシステムの概略図である。
【図39】ランピング・アルゴリズムおよび生体フィードバック・アルゴリズムを含む、睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合の本発明の一実施形態のタイミングおよび動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、酸素治療を行うための従来技術の通常の酸素運搬カニューレ101を示している。カニューレ101上の延長部105は鼻孔(naris)103に入るように構成される。カニューレ101の近位端(図示せず)は酸素運搬デバイスに接続され、この酸素運搬デバイスはユーザの鼻に1〜6LPMの連続流酸素を運搬するか、または、吸気努力を検知した際に酸素のボーラスを運搬する。図1のシステムは患者の呼吸の動作を機械的には補助せず、中程度から重度の形のOSAを防ぐのに効果的であるとは考えられない。図1のカニューレはまた、別の酸素運搬治療である高流量酸素治療(high flow oxygen therapy(HFOT))でも使用され、ここでは、15LPMを超える加湿酸素がユーザの鼻に連続的な流量率で運搬される。HFOTには高流量が必要とされることから、このシステムは携帯不可能であり、また、酸素は加湿されなければならない。
【0025】
図2は、二相性気道陽圧法(BiPAP)の換気モードにおける、鼻マスク201を使用する従来技術の非侵襲性換気(NIV)の呼吸補助治療を示している。NIVは患者を呼吸させるのに使用され、または、患者の呼吸を補助するのに使用されてもよく、この場合、患者の自発呼吸努力が、圧力または容量ベースの機械呼吸(MV)を提供するように換気装置を作動させる。肺に運搬されるまたは肺から運搬される量のすべてが換気回路203および鼻マスク201から運搬および除去される。
【0026】
図2と同様のシステムがOSAに使用され得、ここでは、換気気体が換気装置によって提供されかつ呼気気体の一部が排気ベント205を通して吐き出されるようにするために、マスクが顔に対して密封される。NIV、持続的気道陽圧法(CPAP)およびBiPAPは自発呼吸する患者には臨床的に効果的な形態および治療であると考えられる。しかし、これらの形態および治療は、日常生活の活動(activities of daily living(ADL))を促進しない。例えば、患者は換気装置を運ぶことができず、また、患者は密封式マスクのために室内空気で自然かつ自由に呼吸することができず、また、外部マスク・シールで密閉されるため、患者の上気道は通常通りに自然に機能することができず、さらには、気体運搬管が大きすぎるため、移動性およびADLは実質的に補助されない。
【0027】
次に、残りの図を参照して本発明の実施形態を説明する。患者に負担がかからない方式および手法で呼吸補助および気道補助が実施される。非侵襲性で非密封式の目立たないシステムおよび方法により、移動および日常生活の活動を可能にすることができる。このシステムおよび方法により、通常通りに周囲環境から呼吸するのを知覚することが可能になる。これらのシステムおよび方法は、患者が容易に運搬または着用することができる容易に携帯し得るシステムと、患者に負担を与えない気体運搬管を提供する。
【0028】
システムおよび方法は、気体供給源と、気体運搬回路と、鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスとを含んでよい。鼻インターフェイスを通る気体流路は遠位側気体流路開口を有してよい。遠位端気体流路開口から一定の距離のところで鼻インターフェイスの近位端にノズルが付随していてよい。特定の実施形態では、取込みポートの少なくとも一部分がノズルと遠位端気体流開口との間にあってよい。ノズルは鼻インターフェイス内に気体を運搬することができ、それにより気体流路内の取込みポートのところに陰圧領域が形成される。鼻インターフェイスおよびノズルは取込みポートと鼻インターフェイスの遠位端との間に陽圧領域を形成することができる。気体供給源からの気体および取込みポートを通して取り込まれる空気が気道圧力を増大させることができる。
【0029】
図3は、移動時に機械的換気補助または呼吸の動作の補助を行うために本発明の一実施形態を使用する患者301を示している。従来の換気装置では、換気補助を受けている間は患者が止まっていることまたは患者が従来の換気装置に必要である大きくて重い装置を運ぶために車椅子を使用することが必要となる。また、従来の換気装置では、負担となる密封式マスクおよび大口径気体運搬管が必要となる。また、患者が換気装置モジュール307を着用する場合もあり、この換気装置モジュール307は、本発明が呼吸不全に使用される場合に移動することを可能にするために非常に小さくてよい。換気装置は管または別の手段309により空気および/または酸素の供給装置311に連結され得る。換気装置モジュール307はディスプレイ313および/または入力デバイスを有することができる。
【0030】
本発明は、小口径気体運搬管により換気装置に接続される非密封式鼻マスクの患者インターフェイスを有することができる。鼻マスクは独特な形で非密封式となることができ、それにより、患者は、換気補助を受けながらマスクを通して直接に周囲空気を吸ったり吐き出したりすることができ、ここでは、マスク内のデッドスペースの大きさは無視できる程度である。マスクは、比較的高レベルの換気補助すなわち気道圧力を実現するために換気装置が比較的少量の気体を運搬するのを可能にする独自のベンチュリ・システムを有することができる。このベンチュリ・マスクは図6〜13で詳細に説明される。
【0031】
以下の開示では、鼻インターフェイス303の種々の実施形態を詳細に説明する。鼻インターフェイス303は標準的なマスクと比較して最小限に目立たないようにすることができ、それにより、患者は治療を受ける間も通常通りの感覚を得ることができ、また通常通りに活動することができる。例えば、患者は、鼻インターフェイスを付けて治療を受けながら、話したり、飲み込んだり、食事を食べたり飲み物を飲んだりすることができ、通常通りに呼吸していると感じることができる。必要となる気体運搬管は標準的な換気装置の管と比較して極めて小さくすることができ、それにより、患者がこのシステムと共に動き回ることがより容易に可能となり、また、治療に必要な装置および管を隠すこともより容易に可能となる。低レベルの気体量を使用して治療レベルの肺圧力または気道圧力を達成することにおけるこのベンチュリ・システムの有効性により、気体供給装置を比較的小型にすることが可能となり、さらにそれにより患者が移動することが可能となり、また、換気用の装置を小型化することが可能となる。
【0032】
図3は移動するために本発明を使用する患者を示しているが、本発明は睡眠呼吸障害にも適用され得る。後者の場合の本発明の利点は、マスクおよび管が睡眠時無呼吸の治療ための標準的なマスクおよび管より小さいことである。加えて、患者は、睡眠時無呼吸の標準的な換気用のデバイスを使用するときに感じるように機械を通して呼吸しているのではなく、周囲空気で呼吸していることをより直接的に知覚することができ、それにより患者が治療を許容できるようになる。
【0033】
図4は本発明の例示のシステムを説明するブロック図である。図4の例示のシステムは図3に示されるような携帯可能な気体源を備える着用可能な換気装置であってよく、または、別の換気装置および/または気体源であってよい。このシステムに付随する換気装置フィーチャおよび患者インターフェイス・フィーチャが概略的に示されている。図4は非侵襲性開放鼻インターフェイス400を示している。この非侵襲性開放鼻インターフェイスを、本明細書に記載される種々の実施形態、例えば、図5〜8B(湾曲した鼻マスク)、図9〜15(弾性継手)、および、図16〜25および29〜31(人間工学的構成)において説明する。
【0034】
換気装置モジュール401は他の複数の機能的アクセサリを有していてよく、または、他の複数の機能的アクセサリに連通されてよい。図4では、図3の換気装置および患者の内部生体構造が概略的な形で示されている。通常、鼻空気流または鼻圧力センサ429が含まれる。検討、分析、遠隔処置、双方向通信およびアーカイブのための、患者、患者の治療、および、換気装置性能に関する情報を遠隔位置に伝達するために、伝達装置403が含まれてよい。例えば、治療に対する患者のコンプライアンスまたは治療の利用を監視および評価することができる。例えば、患者の呼吸数、I:E比、酸素の使用、活動レベル、呼吸の深さなどの重要な情報の傾向が示され得る。また、例えば、換気装置の出力が患者の需要に合うように滴定オプションを設定するためのプログラム命令を送るといったように、または、患者に指示を送るといったように、換気装置433に情報が送られ得る。また、患者は、換気装置および伝達装置403を通して遠くにいる臨床医に情報または質問を送ることができる。
【0035】
通常は換気装置モジュール401の外部に、酸素源407および/または圧縮空気源409が含まれてよい。しかし、特定の実施形態では、この治療が例えば家の中などで静止した状態で使用される場合、酸素源407および/または圧縮空気源409は換気装置モジュール401の内部にあってよい。気体運搬回路413内の分別運搬O2を制御するために、ブレンダ411が含まれてよい。例えば、酸素ブレンダの設定値または換気装置の容量出力を適切に設定するといったように、患者の生理学的需要に合うように換気装置モジュール401の設定を滴定するために、パルス・オキシメータ415が使用され得る。酸素および空気ガスの圧縮供給に加えて、換気装置モジュール401は、加圧空気を作り出すための圧縮装置、ポンプまたは送風装置、加圧酸素ガスを作り出すための酸素発生装置および/またはポンプ、ならびに/あるいは、圧縮気体蓄積装置などの、内部または外部の空気・酸素発生システム417を有してよい。酸素源は、液体酸素、または、液体酸素発生システムであってもよい。治療の拡張使用のために、または乾燥した気候で使用する場合に、内部または外部加湿装置405が含まれてよい。
【0036】
この治療はADLを補助したり活動を促進したりするために頻繁に利用されることから、歩数計419および/またはアクティグラフィ・センサ421が換気装置モジュール401の内部または外部に含まれてよい。任意選択のセンサには、CO2センサ425および/または外部呼吸センサ・ユニット437が含まれてよい。CO2感知ライン439および/または気道圧力感知ライン411が存在してもよい。1つまたは複数の別の外部センサが含まれてもよい。例えば、別の外部センサには、呼吸筋肉努力センサなどの外部呼吸センサまたは呼吸努力センサ427、胸部インピーダンス・センサ435、あるいは、気管センサまたは別のマイク・センサまたは振動センサ443または音響センサまたは超音波センサなどの別のタイプのセンサ、が含まれてよい。この1つまたは複数の外部センサは、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429に重複するセンサとして、あるいは、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429から得られる情報を補完するために、あるいは、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429の代わりに、使用されてよい。経口空気流呼吸センサが使用されてもよく、例えば、別法として、鼻空気流センサまたは鼻圧力センサ429が経口空気流センサであってもよい。
【0037】
薬物運搬モジュール431が換気装置モジュール401の内部または外部に組み込まれ得る。現在のエアロゾル化された薬物の運搬吸入器では問題があることから、担体推進剤なしで呼吸システム内深くに薬剤粒子を推進および堆積させるために、この薬剤運搬モジュール431が使用され得る。この治療を使用している患者は処方箋薬剤を必要とする場合も多いことから、このことは薬剤を投与するための便利で効率的な方法となり得る。
【0038】
呼吸補助のためにこの治療が使用されている場合、ユーザは2つの選択肢を有し得る。(1)ユーザが移動可能となるようにまたは日常生活の活動を楽しむことができるように、換気装置モジュール401を着用するか持ち運ぶ、あるいは、(2)患者が移動することを予定していない場合または患者が歩行する能力を有さない場合、静止状態で使用する。後者の場合、運搬回路を任意選択で25〜100フィート(7.62〜30.5メートル)の長さで設けることができ、それにより、気体源および換気装置モジュール401が患者の家に固定されたままでよく、患者はインターフェイスを着用して治療を受けながら家の中を移動することができる。あるいは、気体源は、固定されたままで25〜100フィート(7.62〜30.5メートル)のホースにより換気装置モジュール401に接続されてよく、それにより患者は換気装置を着用するか持ち運ぶことができ、ホースの範囲内で移動することができる。
【0039】
換気装置モジュール401は、情報および行われる治療(output therapy)を分析するために1つまたは複数のプロセッサ445および1つまたは複数のメモリ447を有してよい。
【0040】
換気気体449は周囲空気451を取り込む速度で出ることができ、それにより、患者が自発呼吸をしている場合、換気気体449と取り込まれた周囲空気451と自発吸入空気との組合せが、肺および気道に対して臨床的に有効な効果を作り出すように力を受けて、鼻腔455、口腔咽喉気道457、気管459、肺461およびその他、の患者の気道に運ばれる(453)。患者は鼻または口を通して息を吐き出すことができる(463)。種々の気道には、さらに、鼻孔気道473、鼻気道475、口気道481、上気道477および下気道479などが含まれる。
【0041】
本発明を使用する場合、患者は、インターフェイスを通して機械的補助を受けながら、上気道を通してさらには鼻を通して通常通りに呼吸する。息を吐き出している間、吐き出された気体は好適には気体運搬回路に入らず、周囲空気へと直接に、あるいは、鼻インターフェイス400を通るか横断するかまたはその周りで周囲空気に向かって口または鼻から出る。患者は、例えば吸気時などの使用時に口を閉じたままにして、機械的補助を下気道に誘導して口腔465、舌467の根元、口蓋469および食道471を通過するように誘導するのを補助することができ、または必要に応じて口ガードまたは顎バンドを使用することができる。この治療を使用する場合、患者は口を通して息を吐き出すことができる。
【0042】
図5乃至図8Bは、独自のベンチュリ構成を備える非密封式開放気道鼻マスクの一実施形態を説明している。図5は人の顔の上に着用されている鼻マスクを説明しており、患者の耳の周りを通って気体が運搬されることが例示的に示されている。図6は図5のマスクの上面図を示している。図7は、マスクの内部フィーチャを示す、正中線A−Aに沿った図6のマスクの断面図を示している。図8Aは図5のマスクの上面図を示しており、図8Bは、マスクの内部フィーチャを示す、線B−Bに沿った図8Aのマスクの断面図を示している。図6〜8Bに示されるように、マスクは、内部に1つまたは複数の気体流路601(図7)を有してよいマニホールド517と、気体流路に連通される1つまたは複数の気体運搬噴射ノズル611(図7)と、通常マニホールド517の近位端509(図6)のところかその近くにあり気体運搬噴射ノズル611に連通される気体運搬管アタッチメント513(図6)と、を有することができる。
【0043】
気体流路601は、正中線503の両側において、マニホールド517の正中線503のすぐ横にあるマニホールド517の上側または上側・後側で遠位端気体開口603の遠位端のところで終端してよい。マニホールド517の両側には、分離したまたは相互接続された気体流路601が含まれてよい。気体流路601は換気気体をユーザの鼻気道に誘導することができる。遠位端気体流開口603は、鼻孔に係合され得るおよび/または鼻孔に衝突してよい鼻クッション515を有することができるおよび/またはその鼻クッション515に流体連通され得る。気体流路601は、近位側において、マニホールド517の内側、前側、または、内側・前側の、取込みアパーチャ505のところの気体流路601の近位端のところまたはその近くで終端してよい。気体流路601は、遠位側において、遠位端気体流開口603のところまたはその近くで終端してよい。
【0044】
気体流路601内の気体運搬噴射ノズル611から出る気体は取込みアパーチャ505のところおよび/またはその近くに陰圧領域を形成することができる。陰圧は取込みアパーチャ505を通して周囲空気を気体流路601に引き込むことができる。好適には、取込みアパーチャ505の少なくとも一部分は気体運搬噴射ノズル611と遠位端気体流開口603との間に位置する。この独自のベンチュリ構造により、取込みアパーチャ505のすぐ内側の気体流路601内に陰圧領域を形成することが可能となり、同時に、取込みアパーチャ505と遠位端気体開口603との間に陽圧領域が形成される。気体が気体運搬噴射ノズル611から排出されるとき、この気体は円錐形の流れすなわち速度プロファイルを形成する。後でより詳細に説明されるように、通常、この円錐内の領域は陽圧となり、この円錐の外側の領域が陰圧となる。通常、この円錐が気体流路601の内壁に交差すると、交差箇所の遠位側の領域全体が陽圧下に入る。
【0045】
通常、鼻インターフェイス501は、ユーザが、取込みアパーチャ505を通して、マニホールド517の中および外の周囲空気で自由に呼吸するのを可能にする。別法として、ユーザは、分離した自発呼吸ポートの中および外の周囲空気で少なくとも部分的に呼吸することができ、自発呼吸ポートは、取込みアパーチャ505から分離されて、マニホールド517の気体流路601に沿った他の場所に配置されてよい。この自発呼吸ポートは後でより詳細に説明する。取込みアパーチャ505は単一のアパーチャまたは複数のアパーチャであってよく、自発呼吸ポートが存在して取込みアパーチャから分離される場合、この自発呼吸ポートは単一のポートまたは複数のポートであってよい。特定の実施形態では、自発呼吸ポートは、遠位端気体流開口603に対して概してまたは実質的に一列に並んでよい。別法として、自発呼吸ポートはマニホールド517の上側表面、下側表面または前側表面上に、あるいはこれらの組合せの表面上に配置されてよい。一般に、自発呼吸ポートは、好適には、患者から吐き出された気体が自然な速度でおよび/または自然な方向で誘導されてユーザが刺激を受けることがないように、配置される。
【0046】
取込みアパーチャ505は好適には気体運搬噴射ノズル611の先端部613の近くに配置されるが、マニホールド517の別の位置に配置されてもよい。特定の実施形態では、気体運搬噴射ノズル611の先端部613は完全に取込みアパーチャ505の近位側にあってよい。別の実施形態では、先端部613は、取込みアパーチャ505の遠位端617と近位端615との間において取込みアパーチャ505の近位端615とほぼ同一面上にあってよく、または、取込みアパーチャ505の遠位端617とほぼ同一面上にあってよい。
【0047】
取込みアパーチャ505はマニホールド517の横近位端509の近くに配置され得、マニホールド517の上側表面、前側表面、下側表面、または、それらの組合せの表面上にあってよい。取込みアパーチャ505は可変調節され得る。例えば、取込みアパーチャ505は全開と全閉との間で調節され得る。このように調節することにより、換気補助のレベルを、一般的な状況を作り出すためにシステム全体が意図する所望のレベルへと制御することが可能となる。この調節は手動であってもよいが、例えば小口径導管を通して換気装置からバルブへ送られる圧力信号によって制御されるようなバルブを使用して自動であることが好適である。別法として、取込みアパーチャ505に対する気体運搬噴射ノズル611の位置は摺動機構により手動または自動のいずれかで調節されてもよい。補助のレベルは部分的補助から換気装置の完全な換気補助までの範囲であってよい。
【0048】
図7に示されるように、本発明の特定の実施形態の気体運搬ノズル611は取込みアパーチャ505の近位側にあってよく、または、別の実施形態で示されるように、気体運搬ノズル611は取込みアパーチャ505の少なくとも一部分の近位側にあってよい。
【0049】
対照的に、通常の噴射ポンプ・システムでは、ノズルは取込みポートの遠位側および/または同心円上に配置される。本発明では気体運搬噴射ノズル611を近位側に配置することにより、好適には、マニホールド517の内部の流れが可能な限り短い長さまたは距離で陽圧の層流を作り出すことが可能となり、これにより好適には極力目立たなくなり、これは非常に有利である。気体が患者の中に入る前にマニホールド517内に層流の陽圧の流れが作り出されることが非常に有利である。鼻に乱流が入ってくることは患者にとって不快なことである。通常の噴射ポンプは噴射ポンプ領域内に陽圧の層流を発生させず、むしろ噴射ポンプの目的は噴射ポンプ領域から出る圧力を最大にすることである。乱流は、患者の中に入る場合、剪断効果を作り出すような渦および速度を有しており、そのような剪断効果により、鼻組織を刺激するようなノイズ効果および境界効果が強まる。本発明によって作られる層流は流れプロファイルを滑らかにすることができ、それにより渦および速度プロファイルがより均等になり、ノイズおよび刺激が使用のために許容可能なレベルにまで軽減される。例えば、乱流は300lpmを超える局部化された速度傾向(velocity current)を有するが、本発明の層流は、公称条件では、最大で200lpm未満の局部化された速度傾向を作ることができる。
【0050】
本発明の特定の実施形態では、気体流路の断面積は取込みアパーチャ505と気体流路601の遠位端との間で減少することができないが、通常の噴射ポンプ・システムでは断面が減少しており、それにより圧力出力は増大するが、全体の流量率は減少し、これは医療の換気用途においては望ましくない。気体流路601の近位端と遠位端との間の実質的に均一の断面積または任意選択で増大する断面積により、システムにより患者の中に運搬することができる流量率が最大化され、さらには、マニホールド517での吸気抵抗および呼気抵抗が減少する。代替の実施形態では、気体運搬噴射ノズル611は、マニホールド517内の鼻クッション515の基部の近く、鼻クッション515の内側、または、マニホールド517内の鼻クッション515から近位側の任意の距離のところに配置されてよい。
【0051】
患者に加えられる圧力を測定することが望ましい場合があり、これは、図7に示されるように、陽圧領域内の感知ポート619のところで終端する圧力感知管腔621を使用してマニホールド517内の陽圧領域内の圧力を感知することにより、実行され得る。マニホールド517内の圧力は、変換器に圧力タップ607を接続する導管により、換気装置内で変換器によって連続的に測定され得る。理想的には、圧力タップ607は可能な限り少ない人為的影響を有する気体流路601内の位置で終端してよく、通常は、遠位端気体流開口603に可能な限り接近する。圧力タップ607は、通常、圧力感知ポート619と、換気装置まで後方に延在して換気装置制御システムに連通される感知管腔621とを有してよい。
【0052】
マニホールド517内の圧力は、患者の呼吸を感知するために、呼吸の段階、患者の状態、および、換気気体を運搬することが適切である時間を判断するために、さらには、アラームおよび制御システムのために患者および換気圧力を監視するために、測定され得る。
【0053】
鼻気流センサまたは鼻圧力センサ429として図4に示されるように、1つまたは複数の別の呼吸センサがマニホールド517内またはマニホールド517の表面上に配置されてよい。この1つまたは複数の別の呼吸センサは、真空信号などの、気体運搬噴射ノズル611によって生じる人為的影響により受ける影響が最小である位置に配置されてよい。この1つまたは複数の別の呼吸センサは、熱、音声、振動、気体組成、湿度および力、またはそれらの任意の組合せなどの、別のタイプのセンサであってもよい。この1つまたは複数の別の呼吸センサは呼吸圧力を測定するのに使用され得るが、呼吸気体流、あるいは、音声または気体組成などの他の呼吸関連パラメータを測定するのにも使用され得る。マニホールド517の内側の呼吸センサおよび/あるいはマニホールド517の外側の1つまたは複数の呼吸センサの組合せがあってもよい。これらの呼吸センサはマニホールド517と一体であってもよく、または、鼻インターフェイス501から離れて換気装置(図示せず)内に配置されてもよい。それぞれが各鼻孔用である2つのブレス・センサ、または、単一のブレス・センサが存在してもよい。例えば吸気ブレス・センサおよび呼気ブレス・センサといったような、鼻孔用の複数の呼吸センサが存在してもよい。これらのセンサは、例えば、換気装置運搬気体および自発呼吸気体の両方の吸気流量率および呼気流量率ならびに吸気1回換気量および呼気1回換気量といったような、気体流および気体容量を測定するのにも使用され得る。呼吸感知に加えて、装置は、呼気終末CO2センサおよび酸素センサなどの気体組成センサを有してもよい。CO2は測定および応答のための有用な臨床パラメータであり、また、追加の呼吸検出器、無呼吸検出器、漏洩検出器およびインターフェイス嵌合検出器(特定の特徴的なCO2信号はインターフェイスの適切または不適切な嵌合および配置を示すことができる)としても使用され得る。酸素は、測定するための有用なパラメータである場合があり、また、システムにより患者に運搬されるFIO2を判断するのに使用され得、したがって、測定パラメータとして、換気装置の調整を行って所望のFIO2を達成するのに使用され得る。
【0054】
マスクは鼻から側方かつ後方に離れるように鼻から湾曲して構成され得、それにより、マスクの構成要素が鼻の側方に配置されるようになり、マスクが可能な限り目立たなくなる。したがって、マスクは話したり食事したりするのを妨害せず、視野方向にも入らない。マニホールド517は、通常、鼻の側部の下のまたは鼻の側部までの顔の輪郭に適合するような複合的なアーチ形の形状であってよい。マニホールド517は、通常、両側の後方に湾曲していてよい。また、マニホールド517は、側方および後方に湾曲しているので、上側または下側にも湾曲することができる。マスクは、気体運搬管507が左側および右側の両方に取り付けられることを意味する両側アセンブリであってよく、または、マスクは、気体運搬管507が一方側のみに取り付けられることを意味する片側アセンブリであってもよい。後者の構成は横寝する場合に有用である可能性があり、すなわち顔の一方側で邪魔になるのを軽減するのに有用である場合がある。
【0055】
図5乃至図8Bは、急激な角度を有さない湾曲した流れ経路と、マニホールド517内で空気圧的に相互接続されない分割された左側流れ経路および右側流れ経路とを説明している。急激な角度は実質的に90度であってよい。急激な角度は層流が形成されるのを妨害する可能性があり、したがって望ましくない場合がある。気体運搬管507はユーザの耳の周りを通っていてよく、別のルートを通っていてもよい。気体運搬管507は、換気装置からの気体を運搬するためのチャネルと、例えば圧力感知管腔、気体抽出管腔または加湿用運搬管腔などの、図28に見られるような追加の管腔とを有してよい。
【0056】
マニホールド517の全体の断面幾何形状は概して円形または半円形であってよく、または、性能およびエルゴノミクスを最適化するためにD形、長円形、または変形可能であってもよい。断面積は、近位側から遠位側にかけて不定に増加するように可変であってよく、および/または、一定であってよい。ユーザの皮膚から離れて突出しない平坦な断面幾何形状が人間工学的に構成されてよい。マニホールド517の内部構造は、効率的な気体流流体力学および音声発生を促進するために、角部ならびに急激な屈曲部および角度を有さなくてよい。急激な屈曲部および角度は約90度ではない屈曲部および角度であってもよく、好適には約120〜150度である。
【0057】
マニホールド517が可撓性を有することが所望される用途では通常は30〜60ショアA硬度、およびマニホールド517が剛性または半剛性であることが所望されるような用途では60〜90ショアA硬度の熱可塑性材料またはエラストマー材料のいずれかの、半剛性材料で作られてよい。マニホールド517は、半剛性または剛性材料および可撓性材料の両方で構成されてもよく、例えば、気体流路601および/または感知管腔621の部分は剛体構成であってよい。後で図9〜31に関して説明されるように、1つまたは複数の撓み箇所には柔らかい可撓性材料があってよく、または、気体流路601および/または感知管腔621の部分の周りに柔らかい可撓性材料があってもよい。別法として、マニホールド517の皮膚側すなわち後側は軟質で可撓性を有してよく、対して、マニホールド517の前側は剛性または半剛性であってよい。
【0058】
マニホールド517は、ユーザが小さな調節を行って鼻インターフェイス501をその個人に理想的に適合させるのを可能にするために、展性を有するようにすなわちユーザによって成形され得るように構成されてもよい。鼻インターフェイス501全体は分解可能であってよく、したがって、ユーザは、洗浄のために、または、正確なサイズの複数の部品を一体に組み立てて適合性をカスタマイズするために、アセンブリを分解することができる。マニホールド517および鼻クッション515が含まれる場合、これらのマニホールド517および鼻クッション515は通常半透明であってよいが、透明または不透明であってもよい。気体流路601の幾何形状は断面が円形であってよく、または、流れ動力学、音声およびエルゴノミクスをすべて最適化するためにD形、長円形または楕円形などの、非円形であってもよい。マニホールド517内の気体流路601は、患者が抑制されていると感じることなく気体流路601を通して自由に呼吸することができるように、寸法決定され得る。通常、気体流路601およびベンチュリは、気体流路601が遠位端気体流開口603に向かって上側に湾曲する手前で気体流路601内に陽圧が発生するように、構成される。気体流路601は、可能な限り少ない抵抗および妨害で気体を運ぶために、湾曲して、急激な角度および角部を有さなくてよく、それにより、気体運搬噴射ノズル611によって運搬される気体が規則的な流れプロファイルで流れるようになり、乱流が最小となる。
【0059】
気体運搬噴射ノズル611の先端部613の内径は、約0.010インチ(0.025cm)から約0.080インチ(0.20cm)の直径または有効径の範囲であってよく、好適には、約0.020インチ(0.051cm)から約0.060インチ(0.15cm)の直径または有効径であってよい。特定の用途によっては別の寸法も可能である。調節することにより、行われる換気補助のレベルを変更することができるようにするために、取込みアパーチャ505に対する、マニホールド517内の気体運搬噴射ノズル611の位置は調節可能であってよい。通常、気体運搬噴射ノズル611は両側に配置されるが、単一の気体運搬噴射ノズルも考えられる。
【0060】
マニホールド517の横近位端509に結合され得る気体運搬管507を介して、換気装置からの補助換気気体が、換気装置からマニホールド517に運搬され得る。気体運搬管507は、換気装置気体運搬チャネルおよび圧力感知導管の両方を有していてよく、さらには、図4に示されるように、CO2抽出チャネルまたは加湿用運搬チャネルなどの別のチャネルを有していてよい。気体運搬管507は、通常、鼻インターフェイス501を患者に固定するために耳の周りを延在していてよく、または、ユーザの顔の別の位置を通っていてもよく、例えば、口の隅部の周りから首の前まで通っていてもよく、この場合、マニホールド517を顔および頭に巻きつけるためのストラップが含まれてよい。
【0061】
鼻クッション515は、遠位端気体流開口603に結合されてそこから上側に延在していてよい。鼻クッション515は、鼻孔の縁に衝突するか、鼻孔の縁を密封するか、鼻孔の内側を密封するか、鼻の下の組織に衝突するか、または、上記を様々に組み合わせることができる。鼻クッション515は、通常、鼻孔と快適に接触するのを可能にするように軟質でありかつ柔軟性を有し、密封する場合、快適な形で鼻孔に押し付けられる。鼻クッション515は、通常、延長部が複数の平面内で撓み、中心線軸に沿って圧縮されてユーザの鼻が適合するのを可能にするような形状の渦巻き形状を有することができる。鼻クッション515は鼻孔の縁または鼻孔の別の部分を密封することができ、それにより、鼻クッション515と鼻との間で意図せず漏洩が起こることがなくなり、呼吸気体の大部分が鼻クッション515を通って流れるようになる。しかし、このシールは漏洩を起こさないことが必要であるわけではなく、一部の実施形態では、鼻クッション515と鼻孔との間で気体が流れることが所望される場合もある。鼻クッション515は鼻インターフェイス501に永久的に固定されてよく、または、取外し可能に取り付けられてもよい。鼻クッション515は、ユーザが自分の生体構造に適合するサイズを選択することができるように、複数のサイズで利用可能であってよい。
【0062】
図9乃至図15はマニホールド901の代替の実施形態を説明している。図9はマニホールド901の上面図を示している。図10は図9の線C−Cのところのマニホールド901の断面図を示しており、気体流路903と、相互接続チャネル905と、気体運搬噴射ノズル907と、圧力感知管腔909と、圧力感知ポート911と、取込みアパーチャ913と、気体抽出チャネル/自発呼吸アパーチャ915と、排気流経路917と、遠位端気体流開口919と、を含む内部フィーチャを示している。この実施形態では、取込みアパーチャ913および排気流経路917を通して自発呼吸が実現される。図11は図9の線D−Dのところの端部断面図を示しており、気体運搬噴射ノズル907と、気体流路903と、呼吸・マニホールド圧力感知管腔909と、気体抽出チャネル/自発呼吸アパーチャ915と、排気流経路917と、を含む内部フィーチャを示している。マニホールド901は中心線925に沿って撓むことができる。
【0063】
図10に示されるように、左側および右側気体流路903は選択的に相互接続チャネル905と空気圧的に一体に接合され得る。チャネル905は、一方の鼻道が詰まっている場合に各鼻孔への気体の運搬を均等にするのに有用であり得る。相互接続チャネル905が設けられることにより、左側および右側気体流路903内の陽圧を均等にすることが可能となる。相互接続チャネル905は固定された変形しないチャネルであってよく、または、必要に応じて流れ特性を変化させるバルブを備えるチャネルであってもよい。相互接続チャネル905の断面積は、通常、気体流路903の断面積の半分より大きくてよい。代替の実施形態では、マニホールド901および気体流路903は、患者から出る吐き出された気体の流れおよびマスクにより患者に運搬される気体の流れを分けるのに使用される排気流経路917である二次チャネルをさらに有してよい。これらの経路が分割されていることにより、患者から外に出る気体および患者に運搬される気体が共通の経路を共有している場合の、気体が患者の外に出ることおよび気体が患者に運搬されることが同時に行われるときの剪断効果が大幅に軽減され得る。剪断効果が軽減されることにより、システムが発する音が減少し、これは、移動時の換気補助および睡眠呼吸障害などの本発明が意図する用途では非常に有利である。排気流経路917が含まれる場合、排気流経路917により、患者が、取込みアパーチャ913を通して吸気することに加えて、排気流経路917を通して吸気することが可能となる。患者が吸い込む全気体は、(1)気体運搬噴射ノズル907を通して換気装置から運搬される補助換気気体と、(2)気体運搬噴射ノズル907から出る換気気体により取込みアパーチャ913を通して引き込まれる取込み空気と、(3)取込みアパーチャ913を通して、または、患者自身の自発呼吸努力により自発呼吸ポートを通して、引き込まれる空気と、の組合せであってよい。吐き出される空気は、全体が、取込みアパーチャ913、マニホールド901内の別のポート、患者の口、または、それらの任意の組合せを通して吐き出されてよい。
【0064】
音を最小にすることより圧力を発生させることが重量である用途では、気体運搬噴射ノズル907の方向のアライメント(directional alignment)は、マニホールド901の内部気体流路903の幾何形状の平均中心線アーチに位置合わせされる。しかし、示される代替の実施形態では、発生する音を最小にすることがより重要である場合、気体運搬噴射ノズル907は中心線から角度を付けられてよく、また、中心からずらされてよく、それにより発生する音は低減されるが、圧力出力の発生も減少する。移動時の換気用途では、中心線から約10〜30度の角度を付けて約5〜25%だけ中心をずらして気体運搬噴射ノズル907を配置することにより、このデバイスが発生させる音および圧力のバランスを取ることが実現され、ここでは約40〜60dbの音および約12〜35cmH2Oの最大圧力出力が得られる。
【0065】
マニホールド901の近位端921のところにある気体運搬噴射ノズル907はまた、示されるように取込みアパーチャ913の遠位側にあるのではなく、発生する音を減少させるためにマニホールド気体流路903内にわずかに突出していてもよい。マニホールド517は、気体流開口603の遠位端気体流開口919のところに鼻クッション接続要素923をさらに有していてよく、この鼻クッション接続要素923には、鼻孔(naris)に衝突するまたは係合される柔らかいクッションが取り付けられ得る。
【0066】
図12乃至図15は、気体流路903、排気流経路917、圧力感知管腔909および圧力感知ポート911、気体運搬噴射ノズル907、ならびに、気体抽出チャネル/自発呼吸アパーチャ915および取込みアパーチャ913を詳細に説明している。図13は図12に示されるマスク・マニホールドの正面図の隠れ線図であり、図15は図14に示されるマスク・マニホールドの底面図の隠れ線図である。
【0067】
図16乃至図23は代替の実施形態を説明しており、ここでは、鼻マスク1601が、最小サイズ、最小の目立ち度、エルゴノミクス、形態および装着性における最大の快適さ、および、最大の機能性のために最適化されるマニホールド1603を有する。鼻マスク1601は、気体運搬管1605、取込みアパーチャ1607および/または鼻クッション1609を有してよい。図16は、人が着用している状態の鼻マスク1601の正面図を示している。図17は、図16に示されるマスクの上側・後側から見た図である。
【0068】
特定の実施形態では、気体運搬管1605とマニホールド1603との間の回転可能継手1631がデテント式の設定を有してよい。これらのデテント式の設定の継手(detent setting joint)は、患者の鼻孔気道に位置合わせするように気体運搬ノズルの角度を調節するために、マニホールド1603の角度を調節するのに使用され得る。別法として、気体運搬管1605は、同様に気体運搬ノズルを患者の鼻孔気道に位置合わせするために、別の回転方向においてマニホールド1603に接続可能であってよい。
【0069】
図18は、鼻クッションを除いた、線E−Eのところの、図17の鼻マスク1601の正面断面図である。図18は、相互接続チャネル1611と、吐き出される気体の排気経路1613と、気体流路1615と、気体流路1615の遠位端1621の近くで終端する圧力感知管腔1617およびポート1619と、取込みアパーチャ1607と、取込みアパーチャ1607の一部分の近位側に配置される気体運搬ノズル1623と、鼻クッション1609を取り付けるためのステム1625と、を含む内部マニホールド・フィーチャを示している。ステム1625は、マニホールド1603の上側表面上、または上側・後側表面上に配置されてよい。鼻クッション1609は撓み継手によりマニホールド1603に取り付けられてよく、または、それ自体が鼻孔開口に位置合わせされるようにわずかな圧力を受けて撓んだり、湾曲したり、角度を付けられたりするのを可能する撓み箇所または波形を有してもよい。鼻クッション1609はまた、マニホールド1603に向かって内側に圧縮され得、それにより、鼻クッション1609と鼻孔との間の接触箇所での接触力が緩衝および吸収される。鼻クッション1609は、近位側基部の中心からずれた遠位側の円形または長円形開口を有することができる。例えば、この遠位端開口は、鼻クッション1609の内側縁部および後側縁部へと付勢され得る。これらのフィーチャは鼻クッション1609を鼻孔(naris)に対して可撓性密封または可撓性準密封することができ、また、別の顔構造に適合させるようにおよび着用中の鼻マスク1601が不用意に移動することに適合するようにアセンブリにさらに許容性をもたらすことができる。鼻クッション1609は、通常、ショア10〜60Aのシリコーンまたはエラストマー材料あるいは熱可塑性材料などの、適合性材料であるが、別の材料が使用されてもよい。
【0070】
図19Aは図16のマスクの上面図を示している。図19Bは、線F−Fに沿った、図19Aのマスクの気体流路1615、圧力感知管腔1617および排気経路1613を通る断面図を示している。図19Cは、線G−Gに沿った、図19Aの気体流路1615を通る断面図を示している。図20は、鼻クッション1609を除いた、図16の鼻マスク1601の上面図を示している。弾性継手1627が含まれてよい。図21は、図16の鼻マスク1601の気体流路1615の隠れ線を示している。図22は、図16の鼻マスク1601の前側−底側から見た図を説明している。図23は、図22の鼻マスク1601の気体流路1615の隠れ線図を示している。
【0071】
図24は、一実施形態による、可撓性マニホール2401を備えるデバイスの正面図であり、ここでは、マニホールド2401の中心位置2403が撓み、それにより、より快適にまたは安定してユーザに装着されることが可能となる。鼻インターフェイス2405は、鼻クッション2407、取込みアパーチャ2409および気体管2411を有してよい。図25は、鼻クッション2407がステム2413から取り外され得ることを示している。取外し可能な鼻クッション2407は、洗浄したり、より適切なサイズの鼻クッション2407に取り換えることにより装着性をカスタマイズしたりするのを可能にする。
【0072】
図26は鼻マスク・マニホールド2601の概略断面図であり、基本寸法関係を説明している。例えば左側および右側の、鼻インターフェイスの半分が示されている。気体運搬噴射ノズル2603がマニホールド2601の近位端2605の近くに配置され、取込みアパーチャ2607の遠位端2609の近位側にある。気体運搬噴射ノズル2603は、直列や同軸ではなく、取込みアパーチャ2607に平行に配置されて示されている。本開示の目的では、平行とは気体流方向のことを言う。したがって、図26の平行位置は、気体運搬噴射ノズル2603から運搬される換気気体の平行流および取込みアパーチャ2607を通して取り込まれる周囲空気の流れを示す。
【0073】
図26のベンチュリ構造により、デバイスはいくつかの重要な事象を実現することを可能にすることができる。第1に、気体運搬噴射ノズル2603が自発呼吸経路を塞がないことから、鼻インターフェイスを可能な限り小さくすることが可能である。気体運搬噴射ノズル2603が自発呼吸経路内にある場合、気体運搬噴射ノズル2603周りの領域は、気体運搬噴射ノズル2603が占める空間を補償するために大きくなければならない可能性があり、それにより流れ経路に過度に抵抗性が生じなくなる。次に、平行な取込みアパーチャ2607により、デバイスが口から離れるように気体流を運ぶことが可能となる。さらに、取込みアパーチャ2607を気体運搬噴射ノズル2603に平行に配置することにより、気体運搬噴射ノズル2603が発生する音を減少させることができる。外側管2611は鼻クッションまたはマニホールド2601であってよい。この概略図の外側管2611は、近位端2605から遠位端2613まで延びて示されているが、一定の断面を有してもよい。また、外側管2611は直線であっても湾曲していてもよい。円錐2615によって示される、ノズルから出る気体運搬経路内に含まれる領域、すなわち円錐2615の左側の内部は、陽圧を有することができ、円錐2615の右側の外部領域は、陰圧を有することができる。
【0074】
寸法「A」は、気体運搬噴射ノズル2603の先端部2617から取込みアパーチャ2607の遠位端2609までの距離である。寸法「B」は、デバイスの咽喉領域の長さである。A+Bは、(1)所望される取込みを実現し、(2)所望される陽圧を発生させ、(3)ユーザが受け入れられるように全体のサイズを最小にしながら、長さを最小に維持しなければならない。サイズ、音および出力圧力、ならびに、流れを最適化するためには、A+Bの寸法が高水準である必要がある。気体運搬噴射ノズル2603を取込みアパーチャ2607の遠位端2609まで移動させることにより、寸法Aをマイナスに設定することができ、それにより、それに合わせてBを増加させることが必要となるが、それは望ましくない。Aを増加させることにより、気体運搬噴射ノズル2603が遠位側に移動されてノイズが増加する可能性があるが、これは望ましくない。気体運搬噴射ノズル2603の先端部2617を取込みアパーチャ2607の中間に配置することにより、サイズおよびノイズを最小にしながら圧力および流れ性能を最適化することができる。
【0075】
図27は図26の代替の実施形態を示しており、ここでは、音レベルが増加することが許容され得、ここでは、気体運搬噴射ノズル2603は、取込みアパーチャ2607の近位側でマニホールド2601の近位端2605のところに配置される。この実施形態では、図27のA1+B1は図26のA+Bに等しく、同じ長さが得られるが、音は増大する。
【0076】
図28Aは一実施形態による鼻インターフェイス2801の概略断面図である。複数の圧力感知ポートが使用されてよく、例えば、ニューモタコ(pneumotach)としても機能する能力、ならびに、取り込まれる空気さらには自発呼吸空気に加えて気体運搬噴射ノズル2807からの気体を含む、吸気時に鼻インターフェイス2801を通って流れる流量率および流量さらには呼気時の流量率および流量を決定する能力を鼻インターフェイス2801にもたらすために、第1のポート2803および第2の圧力感知ポート2805が使用されてよい。任意選択で、複数の圧力感知ポートの位置は、1つの理想的な位置で吸気段階の信号を測定するのに、さらに、別の理想的な位置で呼気段階の信号を測定するのに使用され得る。別法として、1つの理想的な位置が自発呼吸圧力を測定するのに使用されてよく、別の位置が換気気体運搬圧力を測定するのに使用されてよい。人為的影響を取り除くために圧力感知ポートの近くに減衰フィーチャ(図示せず)が含まれてよく、例えば、感知ポートの近くでエディカレント(eddy current)を発生させたりまたは流れの減衰を引き起こしたりするためにスクリーンが含まれてよい。
【0077】
図28Aは、換気気体運搬時の、通常は、患者の自発的な吸気段階さらには任意選択の呼気段階における、システムを説明している。気体運搬ノズル2807を通る換気装置によって運搬される気体が矢印で示されており、取り込まれる周囲空気が2829で示されており、患者に運搬される気体が2827で示されており、2831で示される過剰気体が、吐き出された気体の排気ポートを通して鼻インターフェイス2801から出るように誘導され、それにより、過剰気体2831が、ノズル2807によって運搬される気体に衝突することおよび運搬される気体2829によって取り込まれる気体に衝突することが防止される。過剰空気2831は、吸気が完了して気体が患者に運搬されるときに、すなわち、患者の気道内の下流の優勢な条件により十分な背圧が発生してそれにより気体流が少なくとも部分的に鼻から離れるように移動するときに、発生する可能性がある。気体運搬ノズル2807から出る円錐の流れ2823の内側の遠位側に陽圧が発生し、この円錐の流れの2823の外側の近位側に陰圧が発生する。
【0078】
図28Bは、通常は患者の自発的な呼気段階において気体の運搬が停止されているときの、図28Aの鼻インターフェイス2801を説明している。患者が吐き出す気体2851は、取込みアパーチャ2813を通って外に出る(2853)ことができ、および/または、吐き出される気体の排気経路2811を通って外に出る(2855)ことができる。
【0079】
角度付き気体運搬噴射ノズル2807はさらには音の発生を低減することができる。吐き出される気体の排気経路2811または戻り経路が運搬される流れを分割して流れを排気し、それにより剪断効果により発生する音が低減される。取込みアパーチャ2813が、運搬噴射ノズル2807の遠位側または運搬噴射ノズル2807の部分的に遠位側に配置される。1つまたは複数の気体抽出ポート2815が、ETCO2またはFIO2などの抽出のために鼻インターフェイス2801内に配置されてよい。鼻クッション2817が気体流路の遠位端2821のところに配置されてよい。気体流路の遠位端2821はチャネル2819に接続されても接続されなくてもよい。気体を運搬するための円錐の流れ2823の内側に発生する陽圧は、断面積が実質的に一定である咽喉区間2825内の、気体流路が気体流路の遠位端2821に向かって上側に湾曲し始めるところ2827の手前で発生する。
【0080】
アクティブ加熱加湿により、あるいは、液体粒子を、気体運搬システム内で、通常は鼻インターフェイス2801内でエアロゾル化することにより、あるいは、マニホールド気体出口経路に熱水交換器(heat moisture exchanger(HME))を追加することにより、あるいは上記の組合せにより、気体運搬回路に加湿を加えることができる。鼻インターフェイス2801内でレインアウトが起こるのを防止するために、鼻インターフェイス2801は、収集されるすべての湿気を取り除くための排水ライン(図示せず)を有してよい。好適には、加湿/エアロゾル注入ポート2809が陰圧領域内に配置され、それによりエアロゾルが鼻インターフェイス2801に入ることができるようになる。加湿/エアロゾル注入ポート2809が陽圧領域内にあると、その圧力により、加湿された気体またはエアロゾルが鼻インターフェイス2801に入ることが妨害されてしまう。別法として、熱水交換器(HME)(図示せず)が、吐き出される気体の排気経路2811または取込みアパーチャ2813に結合されてよい。
【0081】
図29は鼻マスク2909を備える鼻マスク・アセンブリ2907の等角図であり、これは、マスク・マニホールド2911と、鼻クッション2913と、両側気体運搬管2915と、取込みアパーチャ2917と、排気ポート2919と、可撓性コネクタ2921と、Yコネクタ2901と、気体運搬回路2903と、換気装置コネクタ2905と、を有する。
【0082】
図30は、角度調整クッションとしても機能することができる任意選択の実施形態の皮膚クッション2923を備える図29のデバイスの上面図である。皮膚クッション2923は、鼻の下でユーザの顔に適合する軟質のエラストマー材料または粘弾性材料で作られてよく、鼻マスク2909およびマニホールド2911をユーザの顔に巻きつけるいかなる力も緩衝するのにまたは消散させるのに使用され得る。皮膚クッション2923は、マニホールド2911を皮膚から適切な距離のところに間隔を置いて配置するのに使用され得、それにより、マニホールド2911内の遠位端気体流開口、または、含まれる場合に鼻クッション2913が、サジタル平面において鼻への入口におよび鼻の孔に適切に位置合わせされる。皮膚クッション2923は汚れた場合に洗浄され得るようにまたは交換され得るように取外し可能に取り付けられ得、また、角度を適切に設定するために複数のサイズで利用可能であってよい。示される皮膚クッション2923の形状は後側が凸面であってよいが、皮膚クッション2923はユーザの皮膚の湾曲に適合するように窪んでいてもよく、または、平坦であってもよい。別法として、皮膚クッション2923は皮膚に対して複数の分離した接触箇所を有してよく、例えば、鼻のすぐ下に1つの接触箇所、鼻の各外側にさらに2つの接触箇所を有してよい。皮膚クッション2923の表面は、ユーザの皮膚を刺激したり潰瘍を形成したりするのを防止するために特別な表面で処理されてよく、ヒアルロン酸コーティングまたは親水性コーティングなどの滑らかなコーティングで処理されてよく、また、皮膚が乾燥するのを回避するために皮膚クッション2923と皮膚との間に空気ポケットが形成され得るように窪んでいてよい。
【0083】
図31は任意選択の実施形態の気体流路3101を通る断面図であり、ここでは、片側式のデザインが形成されるように、気体運搬管3103および気体運搬ノズル3105がマスクのマニホールド3107の一方側のみに接続される。気体は、一方側すなわち図31の左側において、気体運搬ノズル3105からマニホールド3107に入るが、マニホールド3107のこの側は反転されてもよく、気体は、ベンチュリの気体流円錐3109の近位側に陰圧を発生させる。マニホールド3107の左側の取込みポート3111を通して空気が取り込まれ得る。ベンチュリの円錐3109の右側のマニホールド3107の内側に陽圧を発生させることができる。マニホールド内の陽圧は、圧力感知管腔3113およびポート3115によりマニホールド3107の左側および右側で測定され得る。気体がマニホールドの遠位端気体流開口3117、3119にから流れ出ることができる。左側の遠位端気体流開口3119は右側の遠位端気体流開口3117より限定されていてよく、それにより、右側の遠位端気体流開口3117に等しい量の流れが誘導されるようになり、左側の開口および右側の開口との間で気体出力が平衡される。マニホールド3107は、マニホールド3107の左側および右側の両方に、または、マニホールド3107の左側のみまたは右側のみにおいて、排気のための二次気体流路3121を有してよい。マスクは、図28に示される加湿用運搬ポート、または、気体感知複合ポート、右側の遠位端気体流開口3117と左側の遠位端気体流開口3119との間または存在する場合は右側および左側の鼻クッション3125の間の挟まれた角度を撓ませるための撓み継手3123を有してよい。鼻クッション3125が含まれる場合、鼻クッション3125は、洗浄、交換または調節のために、対合する接続フィーチャ3127に取外し可能に取り付けられ得る。鼻クッション3125は、その近位端基部のところまたはその近くに半剛性または剛性のリング3129を有してよく、このリング3129は、対合する接続フィーチャ3127の上にまたはそれに接触されて、あるいはマニホールド3107上のボスの上にまたはそれに接触されて、スナップ嵌合される。リング3129は完全な360度のリングまたは不完全な部分的なリングであってよい。鼻クッション3125はマニホールド3107上で回転方向に調節可能であり、任意選択で、回転方式の正確な設定を促進するためにデテント設定を有してよい。
【0084】
重要な機能的フィーチャの寸法は、音、取り込まれる流れおよび出力圧力などの、主要な限界性能の特性(primary critical performance attribute)を最適化するように、選択および変化され得る。機能的フィーチャには、限定しないが、咽喉の長さおよび直径、気体運搬ノズルに対する入力圧力、気体運搬ノズルに対する入力流量率、ノズル出口の直径、ノズル端部の内半径、気体運搬ノズルからの気体流出速度、マスクの呼吸抵抗、取込みアパーチャのサイズ、取込みアパーチャまでの気体運搬噴射ノズルの距離、咽喉入口までの気体運搬ノズルの距離、排気流経路の断面積、気体運搬ノズル、および、気体運搬ノズルの同心度が含まれてよい。
【0085】
機能的フィーチャの寸法は、性能の特性に対立して影響するような形で互いに競合する可能性があることから、好適には、これらの変数は好適なデバイスが作られるようにバランスを取らなければならない。咽喉の直径が減少すると、圧力および流れは強まるが、呼吸抵抗が増加する可能性があり、これは望ましくない。気体運搬噴射ノズルを咽喉からさらに離れるように移動させると、圧力および取込みを強めることができるが、ノイズも増加する可能性があり、これは望ましくない。取込みアパーチャの断面積を増加させると、取込みを強めることができるが、取込みアパーチャが大きくなることに対応するためにデバイス全体を大きくする必要が生じる場合がある。取込みアパーチャは、咽喉区間の最小断面積より約0〜50%、好適には約10〜20%大きくなるように寸法決定され、それにより、取込みアパーチャが呼吸抵抗を確実に限定しなくなり、また、デバイス全体のサイズを制限しながら取込みを最適化するようになる。取込みアパーチャの位置がデバイスの近位端にある場合、約2〜5Xの巻込み係数(entrainment factor)が得られる(取り込まれる流れが運搬される流れの3倍から5倍である)。取込みアパーチャがデバイスの一方側にある場合、約1〜3Xの巻込み係数が得られる。側部構成は、吐き出される流れが顔から自然な方向に誘導されることが所望されるような意図される用途と出力とのバランスを最適化するように、選択され得る。気体運搬噴射ノズルの直径を減少させると、流出速度を増加させて取込みを強めることができるが、これにより出力圧力が減少され得ることから、それにより1つの平衡状態が選択される。全体の長さは、最適な流れ性能および圧力性能を得るために、流れ経路が鼻インターフェイスの鼻クッション区間の方に向かう手前のところで十分な陽圧流れが展開されるように、選択される。
【0086】
本発明の実施形態は、以下の形状変数を用いると、最大で35cmH2O(3432Pa)の肺圧力(出力圧力)および最大で150LPMの全流量(運搬される流れおよび取り込まれる流れ)、ならびに、約30〜60dbの音レベルを実現することができる。表は例示の値のみを列記しているが、本開示を限定するものとして解釈されない。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
図32は、本発明の作動機構を説明しており、さらに、本発明が肺疾患または神経筋疾患の用途に使用される場合に、本発明により患者の呼吸の動作がいかにして有利に影響を受けるかを説明している。患者の肺容量は、肺圧力の関数としてグラフ化することができ、曲線の内側の領域は動作を示し、通常はジュール毎リットル(J/L)で示され、通常の健康な成人では0.3〜0.6J/Lであってよい。呼吸障害がある患者では、例えば、COPDの場合に静的および動的過膨張を克服したりまたは繊維症またはARDSの場合に高い気道抵抗を克服したりするといったように、組織の疫病状態を克服するために、休息中さらには激しい運動中に呼吸するために4〜10倍の作業が必要である可能性がある。
【0092】
示されるグラフでは、圧力軸の下にある曲線の内側の領域は吸気WOBであり、圧力軸の上にある曲線の内側によって画定される領域は呼気WOBである。矢印は、RVからVTに始まり、その後VTからRVに戻る、時間経過での1回の呼吸の経過を示している。RV1およびVT1は、治療なしでの残留量および1回換気量である。線3201は非侵襲性開放鼻換気なしでの自発呼吸を示している。線3203は非侵襲性開放鼻換気を用いた自発呼吸を示しており、吸気の増大および終末呼気陽圧(positive end−expiratory pressure(PEEP))治療が用いられている。RV2およびVT2は治療を行った場合の残留量および1回換気量である。示されるように、この例では、残留量を増加させることができる呼吸流が治療の一部として与えられることから、治療によりRVが増加する。重要なことは、治療によりVTが増加し、RVの増加よりもより大幅に増加することであり、これは、治療の効果としてより多くの量が肺に入ったり肺から出たりすることを示している。1回換気量の増加は、臨床的に有効であると考えられるが、開放換気式で非侵襲性の最小限に目立たないシステムで実現するのは技術的に難しい。グラフに示されるように、本発明を作動させた場合の患者の吸気WOBは、本発明を停止させた場合の患者の吸気WOBより約25%少ない可能性がある。また、吸気肺圧力が増加し(上昇する)、1回換気量が増加し、呼気中に治療が行われる場合には任意選択で呼気圧力が増加する。示される例では、換気装置が呼気段階中に気体を提供しているので、残留量が増加する一方で、残留量に影響を与えないように換気パラメータが滴定され得、また、治療の受けているときの肺筋を働かせる患者の能力により、患者の肺機能はCOPDの場合にはリモデルされ得、それにより実際に残留量の減少をより通常の値にすることができる。示されるグラフでは、治療の波形は、換気装置吸気段階治療出力(ventilator inspiratory phase therapy output)に対する早期吸気トリガ時間を想定しており、さらに、容量出力が患者の吸気時間内に運ばれることを想定している。しかし、任意選択で、異なる運搬波形および運搬同期が実行され得、それによりWOB曲線が調節され得る。例えば、換気装置吸気段階治療は、吸気の終了時に運搬を終了させて人の呼吸サイクルの後で実施され得、方形または上昇波形プロファイルで実施され得る。この場合、肺圧力ゼロ軸の上方の点において吸気が終了して呼気に移行するように、治療のWOB曲線は曲線の右側上向きに傾斜する。
【0093】
図33は、従来の換気と比較して、肺シミュレータ・ベンチ・モデル上でNIOVにより達成される肺容量をグラフで示している。すべての波形で、シミュレーションした患者は245mlの1回換気量が得られるように同じ呼気努力で自発呼吸をし、この臨床的目標は、患者の1回換気量を245ml(3001)から380ml(3303)まで増加させることである。グラフの左から右への第1の波形では、患者の呼吸3305は補助を受けてなく、したがって患者は245mlの1回換気量を受ける。次の波形では、同じ努力でシミュレーションした患者が、密封呼吸マスクまたはカフ付き気道チューブなどの従来のクローズ型システム換気装置の補助を受ける。換気装置出力3309は380mlの所望される「補助」1回換気量を実現するレベルに設定される。換気装置により肺に運搬される気体と、換気装置によって運搬されるが肺には到達せずに周囲に廃棄される気体3307との間に差異があることから、換気装置はこの目標を達成するために420mlに設定される。第3の波形では、換気装置が患者から引き離されている場合に行われるように、従来の換気装置システムにわずかな漏洩が導入される。380mlの所望の「補助」1回換気量を達成するために、次に換気装置は705mlに設定されなければならない。第2および第3の波形ではさらに、患者の肺が受ける容量がすべて、これらの従来のシステム内に存在しなければならない換気装置から発生することが分かる。第4の波形では、患者はNIOVで補助されており、示されるように、NIOV換気装置出力は、380mlの所望の「補助」レベルを達成するのに、90mlに設定されるだけでよい。この場合、380mlの1回換気量の一部のみが換気装置から来て、380mlの大部分は取込みおよび自発吸気された周囲空気3311から来ることから、NIOVシステムは、他のシステムよりはるかに、より効率的であり、より快適であり、より健康的である。
【0094】
図34は、肺シミュレータ・ベンチ・モデルを使用して、酸素治療と比較したNIOVをグラフで示している。左側の第1の波形では、患者は補助を受けておらず、−0.8cmH2O(78Pa)の努力で呼吸して、248mlの吸気される1回換気量3401を生み出す。第2の波形および第3の波形では、患者は、鼻カニューレを介して酸素の連続流3403およびパルス流3405をそれぞれ受け、ここでは肺圧力および1回換気量への影響は存在しないか無視できる程度である。第4の波形では、NIOV3407が使用されており、肺圧力および1回換気量における際立った増加を示しており、したがって、NIOVが開放気道システムであるにも関わらず、上で説明したようにNIOVが呼吸の動作を補助することが示されている。
【0095】
図35A乃至図35Lは、本発明の例示の換気気体運搬プロファイルならびにそれらのそれぞれの肺容量および肺圧力への影響を示している。
【0096】
図35A、図35D、図35Gおよび図35Jは、換気装置によって得られる例示の圧力および/または流れの波形を示している。図35Aは、完全な吸気サイクルで得られる方形波形3501を説明している。図35Dは上昇・下降波形3503を説明している。図35Gは、患者の自発吸気の時間の第1の部分において得られる方形波形3507を説明している。図35Jは、吸気段階で得られる第1の振幅3511と呼気段階で得られる第2の振幅3513とを有する多レベル振幅波形3509を示しており、ここでは、第2の振幅3513は例えば終末呼気陽圧(PEEP)を提供するのに使用され、これは一部の臨床用途において有効である。本発明には、下降するまたは上昇する台形の方形波などの別の波形が含まれてもよい。換気装置から気体運搬管への圧力および流量出力は通常5〜40psi(34〜275kPa)および6〜30lpmの範囲内にある。
【0097】
図35B、図35E、図35Hおよび図35Kは、換気装置出力3515および取込み量3517を含む治療によって得られる肺容量を説明している。
【0098】
図35C、図35F、図35Iおよび図35Lは、破線3519で示される治療なしの肺圧力と、実線3521で示される治療により得られる肺圧力とを示しており、図35Cでは吸気段階全体の吸気陽圧が示されており、図35Fおよび図35Iでは吸気段階の一部分での吸気陽圧が示されており、ここでは治療が呼気3523まで拡張されており、また、図35Lでは上昇した陰圧の吸気圧力が示されている。
【0099】
図36A乃至図36Lは、本発明の追加の例示的な換気気体運搬プロファイルならびにそれらのそれぞれの肺容量および肺圧力への影響を説明している。
【0100】
図36Aは上昇波形3601を説明している。図36Dは下降波形3603を説明している。図36Gは、例えば、呼吸段階の初期段階で必要な酸素分子を肺へと運搬するための、吸気段階の第1の部分における低振幅と、例えば呼吸の動作を補助するために治療の機械的補助部分を実現するための、吸気段階の第2の部分における高振幅と、を有する多レベル波形3605を説明している。図36Jは、ほぼ同じベンチュリ、取込み量、および治療効果を有する一方で、気体供給装置をより効率的に使用することができる振動波形3607を説明している。
【0101】
図36B、図36E、図36Hおよび図36Kは、換気装置出力3609および取込み量3611を含む治療によって得られる肺容量を説明している。
【0102】
図36C、図36F、図36Iおよび図36Lは、破線3613によって示される治療なしの肺圧力と、実線3615によって示される治療により得られる肺圧力とを示している。
【0103】
この治療により得られる肺圧力は以下の要因の組合せによって制御され得る。気体運搬回路圧力、噴射ポンプのデザインおよび構成、患者の肺コンプライアンスおよび気道耐性、患者の呼吸努力、患者の吸気段階に対する換気装置出力のタイミング、ならびに、換気装置出力波形。しかし、通常、患者の吸気段階の開始時に始まる500ミリ秒で得られる、100mlを運搬する方形波形の30psi(207kPa)の気体運搬回路圧力が、肺圧力を5〜15cmH2O(490〜1471Pa)だけ増加させることができる。また、通常、患者の吸気段階の大部分の700ミリ秒の間に得られる、250mlを運搬する台形波形の30psi(207kPa)の気体運搬回路圧力が、肺圧力を10〜25cmH2O(981〜2452Pa)だけ増加させることができる。換気装置によって運搬される気体は、酸素、空気、酸素と空気との混合気、または、ヘリウムなどの治療気体であってよい。本発明の主要な作動機構では、患者の肺圧力および肺容量が増加し、それにより患者が疲労および呼吸困難により制限を受けることなく、自力で呼吸することが可能となる。本発明の別の作動機構では、この治療によって提供される圧力補助および量的補助を受けて、患者は呼吸努力を軽減することができ、したがって、治療による合計の肺容量は変化しないが、呼吸動作は軽減される。本発明の別の主要な実施形態では、上記の2つの作動機構の組合せが行われてよい。
【0104】
図37は、一実施形態によるタイミングおよび気体流運搬の図である。気体流運搬率3701の振幅は気道圧力3703に影響するように呼吸数によって調整される。呼吸数が増加すると、振幅が増大する。容量運搬は、静止状態と動作状態との間で、ユーザによって変更されない限り一定の率で維持され得る。しかし、動作状態では、より高い流量率によりより多くの気体が取り込まれることから、システムによって得られる出力量はより大きくてよく、それにより、吸気段階でより大きい出力および肺圧力が得られる。また、運搬される流れの運搬の時間は、呼吸期間の割合として、ユーザによって調節され得る。例えば、呼吸期間が3秒である場合、運搬時間設定値の25%が、得られる0.75秒の流れパルスに等しくなる。得られる流れパルス幅は呼吸数により変化するが、このパルス幅は呼吸期間の25%であり続ける(ユーザによって変更されない限り)。この設定値は、例えば、呼吸期間の15%から70%の範囲内で設定されてよい。この設定値は容量の設定値とは無関係であってよい。例えば、25%対40%の設定値は同じ設定量を運搬することができ、異なる流量率でもその設定量を運搬しているにすぎない場合がある。得られる流れパルス時間を調節するためのアルゴリズムは、例えば、その時点の呼吸期間を測定するのに直前の3回から5回の呼吸を調べることができ、また、異常値の呼吸を排除するための修正係数を有してよい。
【0105】
図38は、睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合の例示の全システム3801の概略図を説明している。この実施形態では、換気装置3809が、スクロール・ポンプなどの気体発生システム3825から鼻インターフェイス3805まで気体を運搬する。
【0106】
患者は、換気気体運搬回路3803、気道圧力感知ライン3804および非密封式鼻インターフェイス3805を使用して非侵襲性開放換気(non−invasive open ventilation(NIOV))により換気することができる。鼻インターフェイス3805は好適には、別の換気インターフェイスで一般的であるように、患者の鼻を密封せず、むしろ、ユーザが通常通りに周囲環境から自由に呼吸できるように鼻に隙間を残す。換気装置3809から運搬される換気気体3807は、換気気体運搬回路3803を通って鼻インターフェイス3805内の1つまたは複数の気体出口ポート3811から出るように移動することができる。換気気体3807は周囲空気3813を取り込む速度で出ることができ、それにより、患者が自発呼吸をしている場合、換気気体3807と取り込まれる周囲空気3813と自発吸入空気3815との組合せが、肺および気道に対して臨床的に有効な効果を作り出すように力を受けて、鼻腔3817、口腔咽喉気道3819、気管3821、肺3823およびその他などの患者の気道に運ばれる。患者は鼻または口を通して息を吐き出すことができる(3816)。
【0107】
鼻インターフェイス3805の幾何形状および寸法は、性能、ならびに、ユーザの許容度および耐性を最大にするために、システムの物理特性および流体力学的特性を最適化することができる。システムの性能により肺容量を増加させることができ、または、肺圧力を増大させることができ、または、ユーザの呼吸の動作を軽減することができ、または、気道圧力を増加させることができる。
【0108】
NIOV換気システムはまた、気体供給システムまたは気体発生システム3825に流体連通される換気装置3809を有することができる。換気装置3809、および/あるいは、気体供給システムまたは気体発生システム3825は、分離していても、単一の換気システム3827内にあってもよい。換気気体3807は、呼吸不全の用途の場合は酸素であってよく、睡眠時無呼吸または神経筋の用途では空気であってよく、それらの組合せであってもよく、または、別の任意の臨床的に有利な気体であってよい。換気装置3809は制御ユニットまたはシステムを有してよい。換気装置3809は換気気体3807を供給する前に電源を入れられてよく、換気気体3807を供給する前に所定の時間の遅延時間を有してよい。所定の時間後、換気装置3809は、呼吸パターンなどに同期して、必要に応じて気体を運搬することができる。
【0109】
また、自発呼吸センサ3829が、換気システム3827との連通を介して、患者の自発呼吸パターンおよび自発呼吸段階、さらには無呼吸事象または呼吸不全事象を検出、判断および測定するのに使用され得、また、呼吸数または活動レベルなどの別の患者パラメータを判断および測定するのに使用され得る。この情報を使用して、換気装置3809は次に、この治療を患者の需要に同期させて滴定し、快適性を最大にするためにおよび治療滴定のために気体の運搬を患者の呼吸に一致させることができる。
【0110】
呼吸努力を感知するために追加のセンサ3831が使用されてよい。本発明は、肺の圧力および容量を増大させることにより呼吸の動作を補助することを含めて、患者の呼吸を補助するのに使用され得、また、口腔咽喉気道3819などの上気道の気道開通性を維持するのに使用され得る。本発明を使用する場合、患者は、インターフェイスを通して機械的補助を受けながら、上気道および鼻を通して通常通りに呼吸する。息を吐き出している間、吐き出された気体は好適には気体運搬回路に入らず、周囲空気へと直接に、あるいは、鼻インターフェイス3805を通るか横断するかまたはその周りで周囲空気に向かって口または鼻から出る。患者は、例えば吸気時などの使用時に口を閉じたままにして、機械的補助を下気道に誘導して口腔3833、舌3835の根元、口蓋3837および食道3839の周りに誘導するのを補助することができ、または必要に応じて口ガードまたは顎バンドを使用することができる。以下の部分で説明するように、気体の運搬は、患者の呼吸段階に同期して循環的に、または連続的に、あるいはそれらの組合せで実施され得る。患者は、静止した状態で、あるいは交通手段での移動中に、あるいは移動中または活動中に、あるいは横になって休んでいたり寝ていたりするときに、この治療を使用することができる。この治療には、在宅治療の用途、病院の用途、亜急性治療の用途、救急の用途、軍隊の用途、汎流行の用途、および、交通手段での移動での用途がある。
【0111】
図39は、睡眠時無呼吸を治療するのに使用される場合の本発明のタイミングおよび動作をグラフで説明している。上段のグラフは、例えば、胸インピーダンス・バンド、気管の活動を感知することにより呼吸努力を測定する首センサ、または別のセンサなどの、Aと称される、呼吸努力を測定する呼吸センサに基づく、患者の呼吸パターンおよび呼吸努力3911を示している。真ん中のグラフは、Bと称される、本発明の鼻マスクおよび換気装置によって測定される患者の気道圧力信号3913を示しており、下段のグラフは、下段のグラフの下にあるバー3917内の睡眠の異なる段階における、さらには、下側のバーに示される、気道が閉塞されるときの異なる段階における、換気装置出力3915を示している。時間3901でバイアス流れが増加され、信号Bさらには任意選択で信号A(振幅傾斜(amplitude ramp))に応答して時間3903で換気装置の低出力トリガ時間が開始され、Bさらには任意選択でAによって感知される空気流信号が減少することに応答して、例えばここでは、呼気空気流が減少したことがB)によって感知された後の1回の呼吸に応答して、時間3905で、換気装置の治療出力トリガ時間が開始され、さらに、無呼吸信号Bに応答して、例えばここでは呼吸が予期されるときに呼吸がないことをBが示した後の1回の呼吸に応答して、換気装置の出力トリガ時間が開始され、さらに、任意選択で時間3907でAが同時に呼吸努力を示す。
【0112】
起きている状態では、睡眠が始まると、換気装置の気体流出力が停止されるが、気道圧力の監視などの、換気装置の監視機能が作動される。この段階では、患者は鼻マスク内の自発呼吸アパーチャを通して自由に呼吸することができる。患者がS1に入る前、その間、またはその後で、気道が依然として開いている場合、換気装置の気体出力が作動状態に切り替わり、治療レベル未満のレベルで一定にまたは断続的に流れおよび圧力が運搬され、それにより患者がこの治療の感覚に慣れるようになる。通常S2において呼気空気流が減少したことが感知されるときなどの気道が閉塞し始めるときの前または後のある時間において、換気装置の気体流出力が周期的な出力に切り替わり、気道が閉塞するのを防止するまたは逆行させることができかつ患者の吸気努力に同期する治療出力まで増加する。
【0113】
したがって、理想的には、気道の閉塞は残りの睡眠において防止されるが、無呼吸が感知される場合は、換気装置出力は増加してよく、例えば、空気流が再び感知されるまで非同期の継続的な流れが強められてよい。加えて、治療を可能な限り低いレベルに滴定するために、呼気空気流が減少することが感知されるまで、この周期的出力を弱めることができる。さらに、この時間のより早い段階で気体の非治療的なレベルを実現することは、鼻インターフェイスの装着性および機能に関する情報をシステムに提供することにもなる。例えば、インターフェイスが適切に取り付けられて位置合わせされているかを確認するのに、呼吸圧力信号が使用され得る。インターフェイスが正確に取り付けられている場合、システムがそのことを感知して通常通りに進行するが、インターフェイスが正確に取り付けられたり位置合わせされたりしていない場合、システムが信号処理によりそのことを感知し、患者が睡眠の深い段階に入る前に調整を行うようにユーザに警告を出すことができる。別法として、システムは、鼻インターフェイスが取り付けられた直後に治療レベルの治療を提供することができ、さらに、インターフェイスが適切に接続されているかを判断することができ、適切に接続されていない場合、必要な調整を行うように患者に指示を出すことができる。適切に装着されていることがシステムの信号処理によって判断されると、上で説明したように、換気気体出力は必要となるときまで停止される。
【0114】
上述の説明は本発明の好適な実施形態を対象としているが、別の変形形態および修正形態が当業者には明白であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることに留意されたい。さらに、本発明の一実施形態に関連させて説明した特徴は、上で明確に述べられていなくても、別の実施形態と併せて使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体源と、
気体運搬回路と、
患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスと、
遠位端気体流路開口を有する、前記鼻インターフェイスを通る気体流路と、
前記遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある前記鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと、
少なくとも一部分が前記ノズルと前記遠位端気体流開口との間にある、前記鼻インターフェイスに付随する取込みポートと、
を有し、
前記ノズルは前記気体運搬回路および前記気体源に流体連通され、
前記ノズルは、前記取込みポートのところで前記気体流路内に陰圧領域を形成するために前記鼻インターフェイス内に気体を運搬し、
前記鼻インターフェイスおよび前記ノズルは、前記取込みポートと前記遠位端気体流路との間に陽圧領域を形成し、
前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せが換気補助を行うことを特徴とする、
換気補助を提供するためのシステム。
【請求項2】
前記鼻インターフェイスは消音機構を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記消音機構は、前記ノズルをマニホールド気体流路の中心線軸から約1〜30度の角度で角度付けする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記消音機構は、前記マニホールド気体流路の中心線から5〜25%ずれて位置決めされる、中心からずれたノズルである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記消音機構は、前記取込みポートから分離された二次気体流出口を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記鼻インターフェイスが発生させる音は1メートルのところで50db未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記気体流路は、実質的に外側−正中線の区間である第1の区間、および、前記第1の区間の遠位側にある、実質的に下側−上側の区間である第2の区間、ならびに、前記2つの区間の間にある湾曲部を有し、前記湾曲部の近位側に前記陽圧領域が実質的に形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記気体流路内の陽圧領域で終端する圧力感知ポートをさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記気体流路は、左側気体流路、および、分離した右側気体流路を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記左側気体流路および前記右側気体流路は、相互接続チャネルに空気圧的に相互接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドが、正中線の両側に外側−後側−下側の湾曲部を有するように湾曲しており、それにより前記マニホールドがユーザにとって最も快適な場所に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドが少なくとも1つの撓み継手を有し、前記少なくとも1つの撓み継手が前記マニホールドの正中線のところに配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記マニホールドは可撓性材料で作られる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドがユーザの顔の形状になるような展性材料で作られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドの中心で空間の調整が行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記遠位端気体流開口に取付可能な1つまたは複数の鼻クッションをさらに有し、前記1つまたは複数の鼻クッションが、硬質材料を含むスナップ・リングをピロー上に有し、さらに、前記遠位端気体流開口を囲む対合リングを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記遠位端気体流開口に取付可能な1つまたは複数の鼻クッションをさらに有し、前記1つまたは複数の鼻クッションが前記鼻インターフェイスに対する回転可能接続部を有し、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記気体流路の断面積は前記取込みポートから前記遠位端気体流開口に向かって減少しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記気体流路の断面積は前記取込みポートから前記遠位端気体流開口に向かって一定である、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記気体流路の断面積は前記取込みポートから前記遠位端気体流開口に向かって増加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記気体源からの気体の運搬が吸気段階と同期する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記気体源からの気体の運搬の時間が、患者の自然の呼吸数に基づいて異なる時間および異なる圧力振幅で設定された量を運搬するように、呼吸数で修正される、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
気体供給源からの前記気体は着用可能換気装置によって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
換気補助には、呼吸不全を治療するために呼吸の動作を減少させることが含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
換気補助には、睡眠時無呼吸を治療するために気道圧力を増大させることが含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記ノズルおよび気体運搬管は、前記鼻インターフェイスの一方の側のみに取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記気体流路は急激な角度を有さない、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記急激な角度は実質的に90度である、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
患者は、前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる前記空気との前記組合せで、前記気体源からの気体に対して約20〜200%の取り込まれる空気を受ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記ノズルが先端部を有し、前記取込みポートの少なくとも一部分が前記ノズルの前記先端部と前記遠位端気体流開口との間にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記ノズルの前記先端部は前記取込みポートの中間位置に位置する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記ノズルの前記先端部は中心線から約5〜60mmである、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記取込みポートは完全に前記ノズルの遠位側にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記取込みポートは、約0.035〜0.095平方インチ(0.226〜0.613平方cm)の平均断面積を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記陰圧領域は前記気体流路内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
前記陰圧領域は、前記取込みポートから、前記鼻インターフェイスの前記遠位端の近位側にある位置まで延在する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
陰圧が周囲圧力未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記陰圧は約−5から−40cmH2O(−490から−3923Pa)である、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記陽圧領域が前記気体流路内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
前記陽圧領域は、前記気体流路内を、前記取込みポートの遠位側の位置から前記鼻インターフェイスの前記遠位端まで延在する、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記陽圧が周囲圧力より大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記陽圧は約0.01から0.50psi(69から3447Pa)である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる前記空気との前記組合せが、約2〜35cwpだけ上気道圧力を増大させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる前記空気との前記組合せは層流として前記鼻インターフェイスから出る、請求項1に記載のシステム。
【請求項45】
前記鼻インターフェイスは、約−0.75〜2.0インチ(−1.9〜5.1cm)の咽喉長さを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項46】
前記気体運搬回路が約4mm未満の内径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項47】
呼吸の段階を測定するための少なくとも1つのセンサをさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項48】
換気装置をさらに有し、前記換気装置が制御ユニットを有し、前記制御ユニットが、前記少なくとも1つのセンサからの情報に基づいて患者の換気需要に適合するように前記換気装置の出力を調節する、請求項1に記載のシステム。
【請求項49】
気体源と、
気体運搬回路と、
患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスと、
遠位端気体流路開口を有する、前記鼻インターフェイスを通る気体流路と、
前記遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある前記鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと
を有し、
前記ノズルは前記気体運搬回路および前記気体源に流体連通され、
前記ノズルは、前記鼻インターフェイスの前記近位端の近くで前記気体流路内に陰圧領域を形成するために前記鼻インターフェイス内に気体を運搬し、
前記鼻インターフェイスおよび前記ノズルは、前記陰圧領域の遠位側の前記気体流路内に陽圧領域を形成し、
前記気体源からの気体と前記気体流路内の取り込まれた空気との組合せが気道圧力を増大させることを特徴とする、
気道圧力を増大させるためのシステム。
【請求項50】
前記鼻インターフェイスに付随する取込みポートをさらに有し、前記取込みポートの少なくとも一部分が前記ノズルと前記遠位端気体流開口との間にある、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記陰圧領域は、前記取込みポートから、前記鼻インターフェイスの前記遠位端の近位側にある位置まで延在する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
陰圧が周囲圧力未満である、請求項49に記載のシステム。
【請求項53】
前記陰圧は約−10〜−50cmH2O(−981から−4903Pa)である、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記陽圧が周囲圧力より大きい、請求項49に記載のシステム。
【請求項55】
前記陽圧は約2〜30cmH2O(196から2942Pa)である、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
睡眠時無呼吸を治療するための換気装置であって、
a.治療レベルを達成することが可能である場合、15psi(103kPa)より大きい出力圧力および25lpm未満の出力流量を有する気体運搬出力と、
b.気体運搬回路に接続可能である、内径3mm未満の気体運搬出力ポートと、(1)
c.前記換気装置の気体流ラインに連続しない、気道圧力感知信号のための入力と、
d.制御システム、とから構成され、
上記制御システムは、
i.前記気道圧力感知信号のための入力、
ii.音声が息として分類されるのを防止するように構成される音声フィルタリング・モード、
iii.前記気道圧力感知信号に基づいて患者の気道の近位側に所望の大きさの気道圧力を発生させるために、必要な量の流れを運搬するためのアルゴリズム
を具備することを特徴とする換気装置。
【請求項57】
前記換気装置は循環モードを有し、前記循環モードは、前記患者に多様な量の気体を運搬するステップを含み、ここでは、前記複数の異なる量が前記患者の自然な呼吸パターンに同期し、ここでは、第1の量が吸気段階に同期して運搬される治療レベルの気体であり、第2の量が呼気段階に同期して運搬され、前記呼気段階の量から前記吸気段階の量への移行が吸気段階が始まる前の呼気段階において開始される、請求項56に記載の換気装置。
【請求項58】
前記換気装置は、パワーオン・気体流オフ状態と、パワーオン・気体流オン状態とを含みさらに前記気体流オフ状態と気体流オン状態との間に遅延時間を含むオフ−オン・アルゴリズムをさらに有し、ここでは、前記気体流オフ状態は、前記換気装置に電源が入れられてインターフェイスが前記患者に繋がれた後で最初に始動され、またここでは、前記気体運搬オフ状態では、前記インターフェイスを通して前記患者が周囲空気で自由に呼吸している場合に、前記制御システムが前記患者から呼吸圧力信号を受信し、またここでは、遅延時間後に前記気体流オン状態が始動され、ここでは、前記始動が、(i)所定の時間、(ii)呼吸数の減少、(iii)呼吸圧力信号の減少、(iv)呼吸圧力レベルの減少、(v)上記の組合せ、の群から選択される、請求項56に記載の換気装置。
【請求項59】
前記換気装置制御システムは、左側鼻孔および右側鼻孔の専用の入力に対応する複数の呼吸圧力入力を受けるように適合され、さらにここでは、前記制御システムは、前記2つの信号を比較することに基づいて気体出力パラメータを調整するように適合されるアルゴリズムを有する、請求項56に記載の換気装置。
【請求項60】
遠位端および近位端ならびに前記遠位端から前記近位端まで延在する気体流路を備える管状体を有する、睡眠時無呼吸を治療するための鼻インターフェイスであって、前記管状体が:
a.鼻孔気道に衝突するように構成される遠位端と;
b.鼻孔の遠位端から前記近位端まで横方向に湾曲するように構成される管状体と;
c.ユーザが呼吸するのを妨害することなくアパーチャを通して周囲空気で直接に自発呼吸するのを可能にするように適合された、前記管状体内の前記近位端と前記遠位端との間にある周囲空気取込みアパーチャと;
d.気体を前記気体流路へと誘導し、前記取込みアパーチャから空気を取り込むように適合された、前記管状体の前記近位端のところで前記アパーチャの近位側に配置される噴射ノズル・ポートと;
e.圧力感知ポートと;
を有し、
気体が、前記ノズルと前記アパーチャを通して取り込まれた空気との組合せにより、患者の気道に運搬され、また、前記患者から出る実質的にすべての気体が前記アパーチャから外に出る、
鼻インターフェイス。
【請求項61】
前記気体流路は、前記ノズルと遠位端との間に一定の長さを有し、それにより、前記噴射から出る速度プロファイルが前記気体流路の壁に合流して前記遠位端の近位側かつ鼻の外側の位置で陽圧を発生させることが可能となる、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項62】
前記気体流路の最小断面が前記取込みアパーチャの断面積以上である、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項63】
前記取込みアパーチャは、顔の前方から前記アパーチャ内に空気流を取り込むために、さらには、前記アパーチャから出る吐き出された気体の流れを前記顔から離れるように誘導するために、前記管状体内の、前記管状体の前側に配置される、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項64】
前記管状体は、前記遠位端の近くにある二次ポート、前記管状体の中心線軸からずれたノズル位置、気体を前記管状体の前記壁へと誘導するノズル角度、の群から選択される消音機構を有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項65】
前記管状体は0.40立方インチ(6.6立方センチメートル)未満の内部容積を有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項66】
前記管状体は60lpmの気体流において4cmH2O(39Pa)未満の圧力の気体流抵抗を有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項67】
前記圧力感知ポートは前記管状体の陽圧領域内に配置される、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項68】
左側管状体および右側管状体をさらに有し、各管状体は圧力感知ポートを有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項69】
前記取込みアパーチャの近くに配置される巻込み圧力感知ポートと、前記遠位端の近くに配置される圧力感知ポートとをさらに有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項1】
気体源と、
気体運搬回路と、
患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスと、
遠位端気体流路開口を有する、前記鼻インターフェイスを通る気体流路と、
前記遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある前記鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと、
少なくとも一部分が前記ノズルと前記遠位端気体流開口との間にある、前記鼻インターフェイスに付随する取込みポートと、
を有し、
前記ノズルは前記気体運搬回路および前記気体源に流体連通され、
前記ノズルは、前記取込みポートのところで前記気体流路内に陰圧領域を形成するために前記鼻インターフェイス内に気体を運搬し、
前記鼻インターフェイスおよび前記ノズルは、前記取込みポートと前記遠位端気体流路との間に陽圧領域を形成し、
前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる空気との組合せが換気補助を行うことを特徴とする、
換気補助を提供するためのシステム。
【請求項2】
前記鼻インターフェイスは消音機構を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記消音機構は、前記ノズルをマニホールド気体流路の中心線軸から約1〜30度の角度で角度付けする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記消音機構は、前記マニホールド気体流路の中心線から5〜25%ずれて位置決めされる、中心からずれたノズルである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記消音機構は、前記取込みポートから分離された二次気体流出口を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記鼻インターフェイスが発生させる音は1メートルのところで50db未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記気体流路は、実質的に外側−正中線の区間である第1の区間、および、前記第1の区間の遠位側にある、実質的に下側−上側の区間である第2の区間、ならびに、前記2つの区間の間にある湾曲部を有し、前記湾曲部の近位側に前記陽圧領域が実質的に形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記気体流路内の陽圧領域で終端する圧力感知ポートをさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記気体流路は、左側気体流路、および、分離した右側気体流路を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記左側気体流路および前記右側気体流路は、相互接続チャネルに空気圧的に相互接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドが、正中線の両側に外側−後側−下側の湾曲部を有するように湾曲しており、それにより前記マニホールドがユーザにとって最も快適な場所に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドが少なくとも1つの撓み継手を有し、前記少なくとも1つの撓み継手が前記マニホールドの正中線のところに配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記マニホールドは可撓性材料で作られる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドがユーザの顔の形状になるような展性材料で作られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
マニホールドをさらに有し、前記マニホールドの中心で空間の調整が行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記遠位端気体流開口に取付可能な1つまたは複数の鼻クッションをさらに有し、前記1つまたは複数の鼻クッションが、硬質材料を含むスナップ・リングをピロー上に有し、さらに、前記遠位端気体流開口を囲む対合リングを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記遠位端気体流開口に取付可能な1つまたは複数の鼻クッションをさらに有し、前記1つまたは複数の鼻クッションが前記鼻インターフェイスに対する回転可能接続部を有し、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記気体流路の断面積は前記取込みポートから前記遠位端気体流開口に向かって減少しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記気体流路の断面積は前記取込みポートから前記遠位端気体流開口に向かって一定である、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記気体流路の断面積は前記取込みポートから前記遠位端気体流開口に向かって増加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記気体源からの気体の運搬が吸気段階と同期する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記気体源からの気体の運搬の時間が、患者の自然の呼吸数に基づいて異なる時間および異なる圧力振幅で設定された量を運搬するように、呼吸数で修正される、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
気体供給源からの前記気体は着用可能換気装置によって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
換気補助には、呼吸不全を治療するために呼吸の動作を減少させることが含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
換気補助には、睡眠時無呼吸を治療するために気道圧力を増大させることが含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記ノズルおよび気体運搬管は、前記鼻インターフェイスの一方の側のみに取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記気体流路は急激な角度を有さない、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記急激な角度は実質的に90度である、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
患者は、前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる前記空気との前記組合せで、前記気体源からの気体に対して約20〜200%の取り込まれる空気を受ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記ノズルが先端部を有し、前記取込みポートの少なくとも一部分が前記ノズルの前記先端部と前記遠位端気体流開口との間にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記ノズルの前記先端部は前記取込みポートの中間位置に位置する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記ノズルの前記先端部は中心線から約5〜60mmである、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記取込みポートは完全に前記ノズルの遠位側にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記取込みポートは、約0.035〜0.095平方インチ(0.226〜0.613平方cm)の平均断面積を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記陰圧領域は前記気体流路内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
前記陰圧領域は、前記取込みポートから、前記鼻インターフェイスの前記遠位端の近位側にある位置まで延在する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
陰圧が周囲圧力未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記陰圧は約−5から−40cmH2O(−490から−3923Pa)である、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記陽圧領域が前記気体流路内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
前記陽圧領域は、前記気体流路内を、前記取込みポートの遠位側の位置から前記鼻インターフェイスの前記遠位端まで延在する、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記陽圧が周囲圧力より大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記陽圧は約0.01から0.50psi(69から3447Pa)である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる前記空気との前記組合せが、約2〜35cwpだけ上気道圧力を増大させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
前記気体源からの気体と前記取込みポートを通して取り込まれる前記空気との前記組合せは層流として前記鼻インターフェイスから出る、請求項1に記載のシステム。
【請求項45】
前記鼻インターフェイスは、約−0.75〜2.0インチ(−1.9〜5.1cm)の咽喉長さを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項46】
前記気体運搬回路が約4mm未満の内径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項47】
呼吸の段階を測定するための少なくとも1つのセンサをさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項48】
換気装置をさらに有し、前記換気装置が制御ユニットを有し、前記制御ユニットが、前記少なくとも1つのセンサからの情報に基づいて患者の換気需要に適合するように前記換気装置の出力を調節する、請求項1に記載のシステム。
【請求項49】
気体源と、
気体運搬回路と、
患者が鼻インターフェイスを通して周囲空気で呼吸するのを可能にする鼻インターフェイスと、
遠位端気体流路開口を有する、前記鼻インターフェイスを通る気体流路と、
前記遠位端気体流路開口から一定の距離のところにある前記鼻インターフェイスの近位端に付随するノズルと
を有し、
前記ノズルは前記気体運搬回路および前記気体源に流体連通され、
前記ノズルは、前記鼻インターフェイスの前記近位端の近くで前記気体流路内に陰圧領域を形成するために前記鼻インターフェイス内に気体を運搬し、
前記鼻インターフェイスおよび前記ノズルは、前記陰圧領域の遠位側の前記気体流路内に陽圧領域を形成し、
前記気体源からの気体と前記気体流路内の取り込まれた空気との組合せが気道圧力を増大させることを特徴とする、
気道圧力を増大させるためのシステム。
【請求項50】
前記鼻インターフェイスに付随する取込みポートをさらに有し、前記取込みポートの少なくとも一部分が前記ノズルと前記遠位端気体流開口との間にある、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記陰圧領域は、前記取込みポートから、前記鼻インターフェイスの前記遠位端の近位側にある位置まで延在する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
陰圧が周囲圧力未満である、請求項49に記載のシステム。
【請求項53】
前記陰圧は約−10〜−50cmH2O(−981から−4903Pa)である、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記陽圧が周囲圧力より大きい、請求項49に記載のシステム。
【請求項55】
前記陽圧は約2〜30cmH2O(196から2942Pa)である、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
睡眠時無呼吸を治療するための換気装置であって、
a.治療レベルを達成することが可能である場合、15psi(103kPa)より大きい出力圧力および25lpm未満の出力流量を有する気体運搬出力と、
b.気体運搬回路に接続可能である、内径3mm未満の気体運搬出力ポートと、(1)
c.前記換気装置の気体流ラインに連続しない、気道圧力感知信号のための入力と、
d.制御システム、とから構成され、
上記制御システムは、
i.前記気道圧力感知信号のための入力、
ii.音声が息として分類されるのを防止するように構成される音声フィルタリング・モード、
iii.前記気道圧力感知信号に基づいて患者の気道の近位側に所望の大きさの気道圧力を発生させるために、必要な量の流れを運搬するためのアルゴリズム
を具備することを特徴とする換気装置。
【請求項57】
前記換気装置は循環モードを有し、前記循環モードは、前記患者に多様な量の気体を運搬するステップを含み、ここでは、前記複数の異なる量が前記患者の自然な呼吸パターンに同期し、ここでは、第1の量が吸気段階に同期して運搬される治療レベルの気体であり、第2の量が呼気段階に同期して運搬され、前記呼気段階の量から前記吸気段階の量への移行が吸気段階が始まる前の呼気段階において開始される、請求項56に記載の換気装置。
【請求項58】
前記換気装置は、パワーオン・気体流オフ状態と、パワーオン・気体流オン状態とを含みさらに前記気体流オフ状態と気体流オン状態との間に遅延時間を含むオフ−オン・アルゴリズムをさらに有し、ここでは、前記気体流オフ状態は、前記換気装置に電源が入れられてインターフェイスが前記患者に繋がれた後で最初に始動され、またここでは、前記気体運搬オフ状態では、前記インターフェイスを通して前記患者が周囲空気で自由に呼吸している場合に、前記制御システムが前記患者から呼吸圧力信号を受信し、またここでは、遅延時間後に前記気体流オン状態が始動され、ここでは、前記始動が、(i)所定の時間、(ii)呼吸数の減少、(iii)呼吸圧力信号の減少、(iv)呼吸圧力レベルの減少、(v)上記の組合せ、の群から選択される、請求項56に記載の換気装置。
【請求項59】
前記換気装置制御システムは、左側鼻孔および右側鼻孔の専用の入力に対応する複数の呼吸圧力入力を受けるように適合され、さらにここでは、前記制御システムは、前記2つの信号を比較することに基づいて気体出力パラメータを調整するように適合されるアルゴリズムを有する、請求項56に記載の換気装置。
【請求項60】
遠位端および近位端ならびに前記遠位端から前記近位端まで延在する気体流路を備える管状体を有する、睡眠時無呼吸を治療するための鼻インターフェイスであって、前記管状体が:
a.鼻孔気道に衝突するように構成される遠位端と;
b.鼻孔の遠位端から前記近位端まで横方向に湾曲するように構成される管状体と;
c.ユーザが呼吸するのを妨害することなくアパーチャを通して周囲空気で直接に自発呼吸するのを可能にするように適合された、前記管状体内の前記近位端と前記遠位端との間にある周囲空気取込みアパーチャと;
d.気体を前記気体流路へと誘導し、前記取込みアパーチャから空気を取り込むように適合された、前記管状体の前記近位端のところで前記アパーチャの近位側に配置される噴射ノズル・ポートと;
e.圧力感知ポートと;
を有し、
気体が、前記ノズルと前記アパーチャを通して取り込まれた空気との組合せにより、患者の気道に運搬され、また、前記患者から出る実質的にすべての気体が前記アパーチャから外に出る、
鼻インターフェイス。
【請求項61】
前記気体流路は、前記ノズルと遠位端との間に一定の長さを有し、それにより、前記噴射から出る速度プロファイルが前記気体流路の壁に合流して前記遠位端の近位側かつ鼻の外側の位置で陽圧を発生させることが可能となる、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項62】
前記気体流路の最小断面が前記取込みアパーチャの断面積以上である、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項63】
前記取込みアパーチャは、顔の前方から前記アパーチャ内に空気流を取り込むために、さらには、前記アパーチャから出る吐き出された気体の流れを前記顔から離れるように誘導するために、前記管状体内の、前記管状体の前側に配置される、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項64】
前記管状体は、前記遠位端の近くにある二次ポート、前記管状体の中心線軸からずれたノズル位置、気体を前記管状体の前記壁へと誘導するノズル角度、の群から選択される消音機構を有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項65】
前記管状体は0.40立方インチ(6.6立方センチメートル)未満の内部容積を有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項66】
前記管状体は60lpmの気体流において4cmH2O(39Pa)未満の圧力の気体流抵抗を有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項67】
前記圧力感知ポートは前記管状体の陽圧領域内に配置される、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項68】
左側管状体および右側管状体をさらに有し、各管状体は圧力感知ポートを有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【請求項69】
前記取込みアパーチャの近くに配置される巻込み圧力感知ポートと、前記遠位端の近くに配置される圧力感知ポートとをさらに有する、請求項60に記載の鼻インターフェイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35D】
【図35E】
【図35F】
【図35G】
【図35H】
【図35I】
【図35J】
【図35K】
【図35L】
【図36A】
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【図36C】
【図36D】
【図36E】
【図36F】
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【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
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【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29】
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【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
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【図35C】
【図35D】
【図35E】
【図35F】
【図35G】
【図35H】
【図35I】
【図35J】
【図35K】
【図35L】
【図36A】
【図36B】
【図36C】
【図36D】
【図36E】
【図36F】
【図36G】
【図36H】
【図36I】
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【図36L】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2013−503720(P2013−503720A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528112(P2012−528112)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047921
【国際公開番号】WO2011/029074
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511020874)ブリーズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (4)
【出願人】(512055916)
【出願人】(512055927)
【出願人】(512055938)
【出願人】(512055949)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047921
【国際公開番号】WO2011/029074
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511020874)ブリーズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (4)
【出願人】(512055916)
【出願人】(512055927)
【出願人】(512055938)
【出願人】(512055949)
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