説明

受け部材付き粘着式シート

【課題】 受け部材の取り付け作業が簡単で、しかも安定した取り付け強度も確保することのできる、生産性及び性能的に優れた、受け部材付き粘着式シートを提供する。
【解決手段】 粘着式シート2と、受け部材3とからなり、その粘着式シート2には表面から背面を貫通する打ち抜き部4が形成されていて、そこに、受け部材3の附属品受け部8が、垂直状の抜け止め部9によって抜け出さないように挿入され、その状態で、粘着式シート2の背面を被着物品Wに粘着にて取り付けることにより、物品として完成すると共に、確実に取り付けられる構成の受け部材付き粘着式シート1とした。なお、粘着式シート2はホワイトボード用途に限らず、各種の掲示板等にも使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒板やホワイトボード等のように筆記表示や表示物の掲示板として使用されるボードのうち、一般家庭等でも使用できるようにした比較的小型のボード、より詳しくは、そのような機能を有する粘着式シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から筆記表示や表示物の掲示には、学校教育等で使用される黒板に代表されるように、大型で、白墨や黒板拭きが置ける粉受けを兼ねた受け部材を、その下方に設置した構成のものが公知となっている。
【0003】
一方、近年では、一般家庭でも使用できるような、水性やアルコール性のインクを使ったフェルトペンを使用し、その書き込み及び消去が可能な小型のホワイトボードや、小型の掲示用ボードが普及してきており、これらのボードの被着物品への取り付け構造としては、被着物品が強磁性体物品の場合には、磁気吸着機能を搭載した構成が公知となっており、被着物品が強磁性体物品以外の場合には、可撓性のあるシート基材を用いてその背面に再剥離性を有する粘着層を形成して粘着にて取り付ける構成や、その他、吊り下げて取り付ける構成等、各種の取り付け手段が用いられている。
なお、これらの小型のボードには、受け部材の無いタイプが多く、特に可撓性のあるシート基材を用いてその背面に再剥離性を有する粘着層を形成した構成のものについては、今のところ受け部材の無いタイプのものしか見受けられないが、他の構成においては、受け部材を有する構成のものも公知となっている。
【0004】
即ち、特許文献1には、ゴム磁石の表面に薄い板状の合成樹脂をはり、その上部につり金具を設け、下部にペン受け皿を設けたゴム磁石ホワイトボードが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、厚紙や合成樹脂発泡体の芯材に合成樹脂フィルムを張り合わせた筆記体を使用し、その中央下方端近傍に2個以上のあなを設け、そのあなに対して、平板状でなるペン置き用の支持片の両端を差し込んで取り付ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62‐107995号公報
【特許文献2】実開昭63‐33992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術においては、ペン受け皿のゴム磁石に対する具体的な取り付け方法が開示されてはおらず、通常は、接着等で取り付けられていると解釈されるが、この場合には、接着剤のはみ出し、汚れ、及び、ペン受け皿の位置ずれが起こらないような配慮が必要なため、生産性上の不都合が起こり易い。
なお、ゴム磁石に対してペン受け皿を磁気吸着で取り付ける構成も想像することもできるが、この場合には、ペン受け皿を鋼板のような強磁性体製とする必要があり、防錆処理や端面に鋭利なバリ等が生じない処理が必要であると共に、ペン受け皿に接触した際に簡単に移動しないように充分な磁気吸着力を確保しなければならないという技術的な課題も生じてくる。
【0008】
また、特許文献2の技術においては、平板状のペン置き用の支持片を、その平板面が垂直となるような形態で筆記体に設けられたあなに差し込んで取り付けるため、その上部端面にマッチする形態のペンでないと載置しにくくて落下し易い不都合があり、また筆記体のあなに対して、ペン置き用の支持片の端面が差し込まれるため、ペン置き用支持片に負荷がかかると、その端面が食い込んで損傷し易いという強度上の不都合が予想されるものとなっている。
【0009】
そして、可撓性のあるシート基材を用いてその背面に再剥離性を有する粘着層を形成した構成のものについても、受け部材を有する構成が希望されている背景がある。
【0010】
そこで、本発明は、これらの従来技術における不都合を解消すべく、受け部材の取り付け作業が簡単で、しかも安定した取り付け強度も確保することのできる、生産性及び性能的に優れた受け部材付き粘着式シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決させるために、本発明は、受け部材が最初から取り付けられたシートの構成としないで、シートを被着物品に粘着力で取り付ける作用を利用することを鋭意検討した結果想到されたものであり、具体的には、可撓性で、且つ、背面には被着物品に対して繰り返し貼着と取り外しが可能な粘着機能層を有する粘着式シートと、受け部材とからなり、この粘着式シートには表面から背面を貫通する打ち抜き部が形成され、受け部材には断面が水平乃至上向きの傾斜面或いは略L字状でなる附属品受け部とその後部に設けられる垂直状の抜け止め部とが形成されていて、この受け部材は、粘着式シートの打ち抜き部に対して、附属品受け部が抜け出さないように挿入して係止できると共に、その係止状態から、粘着式シートの背面を被着物品に粘着させた時、受け部材に形成されている抜け止め部は、可撓性を有する粘着式シートが柔軟に変形することにより被着物品間に挟着状態に保持される構成の受け部材付き粘着式シートとした。
【0012】
このような構成としたことにより、受け部材は、最初から粘着式シートに取り付けられていないので、製品としては分解された部材を梱包するだけなので生産性がよく、また、受け部材の取り付けも、直接的には粘着式シートに挿入する作業だけでよいので簡単に行うことができる。
なお、受け部材は、粘着式シートを被着物品に粘着に取り付けた時に、その抜け止め部が、その間に入り込み、しかも、粘着式シートは可撓性であるため柔軟に変形することにより、被着物品間に挟着状態に保持されることになるので、間接的ではあるが、確実に取り付けられることになる。
【0013】
なお、粘着式シートは、表面に、水性、およびまたは、アルコール性インクを使用したフェルトペンの書き込み及び消去が可能な筆記層を形成するようにして実施することができる。
【0014】
また、粘着式シートは、表面と背面との中間層に強磁性体シート層を形成するようにしてもよい。
このような構成とすれば、ボード上に各種の磁石を搭載した商品を磁気吸着できるので、利便性が向上する。
【0015】
そして、受け部材に形成された附属品受け部には、切り欠き、およびまたは、突起部が形成されている形態にすることもでき、このようにすると、輪ゴム等の附属品も引っ掛けられるので、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成でありながら、受け部材の取り付け強度が安定した受け部材付きの粘着式シートに仕上げることができる。
従って、生産性がよいと共に生産コストが低い製品として仕上げることができる。
また、受け部材は、粘着式シートに直接固定されないため、粘着式シートは受け部材なしのシンプルな形態でも使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例の概要を示したものであり、(a)は分解斜視図、(b)は粘着式シートの拡大側面図を示す。
【図2】本発明の実施例における組立て手順説明用の断面図を表わしたものであり、(a)は受け部材の係止前、(b)は受け部材の係止操作状態、(c)は受け部材の係止後を示す。
【図3】本発明の実施例の被着物品への取り付け状態を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は部分拡大縦断面図を示す。
【図4】本発明の実施例における受け部材の変形例1を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は被着物品への取り付け状態を仮想した断面図を示す。
【図5】本発明の実施例における受け部材の変形例2を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は被着物品への取り付け状態を仮想した断面図を示す。
【図6】本発明の実施例における受け部材の変形例3を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は被着物品への取り付け状態を仮想した断面図を示す。
【図7】本発明の実施例における受け部材の変形例を表わした斜視図であり、(a)は変形例4、(b)は変形例5を示す。
【図8】本発明の実施例における受け部材の変形例を表わした斜視図であり、(a)は変形例6、(b)は変形例7、(c)は変形例8、(d)は変形例9を示す。
【図9】本発明の実施例における受け部材の変形例10を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は組立て手順説明用の斜視図(c)は被着物品取り付け状態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、粘着式シートと、受け部材とからなる受け部材付き粘着式シートであるが、両部材を係止しただけでは物品として成り立たず、粘着式シートを被着物品に粘着にて取り付けた時に、物品として完成することを特徴としたものであり、以下、実施例に沿って詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施例の概要を示したものであり、図1(a)は分解斜視図、図1(b)は下述する粘着式シートの拡大側面図を示したのである。
即ち、受け部材付き粘着式シート1は、粘着式シート2と、受け部材3とで構成されている。
そして、物品として完成させるには、受け部材付き粘着式シート1を粘着させて取り付けるための被着物品Wが不可欠な部材となる。
【0020】
本実施例における粘着式シート2は、基材6として可撓性の強磁性体シート6aを使用した複合ホワイトボード製となっており、水性やアルコール性のインクを使用したフェルトペンでの書き込みや、拭き取りが可能なものとなっている。
この粘着式シート2の厚さは1mm〜2mm程度で、幅約300mm〜500mm程度、高さ200mm〜400mm程度の大きさで、下端寄りに、後述する受け部材3が挿入するための打ち抜き部4が貫通状態で形成されている。なお、この打ち抜き部4の大きさは、受け部材3が挿入し係止作業ができる最小限の大きさが好ましい形態となる。
【0021】
そして、この複合ホワイトボード製でなる粘着シート2の構成は、概ね、基材6としての強磁性体シート6aの上に、ホワイトボード用フィルム7を接着剤または粘着剤で積層貼着し、強磁性体シート6の下に、不織布5aを介在させた状態で粘着機能層であるところの粘着吸着層5を積層貼着し、さらにこの粘着吸着層5の表面に保護フィルム5bを積層したものとなっている。
【0022】
そのうち、強磁性体シート6aは、厚さが300μm〜900μmで、基体としての機能に、磁石を搭載したクリップ等の他の物品を磁気吸着できる被着体としての機能を備えたものであり、強磁性体粉末と粘結材として少量の有機高分子エラストマーとを混練したものを、圧延成形、押出成形、圧縮成形の何れかによってシート状に成形したものとなっている。
【0023】
なお、強磁性体粉末の充填量は、約60vol%のものが多く用いられ、具体的な材料としては、各種鉄粉末及び鉄との合金粉末(例えばセンダスト粉末、ステンレス粉末)、四三酸化鉄粉末などが挙げられる。
また、有機高分子エラストマーとしては、塩素化ポリエチレン、エチレン・酸化ビニル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、ニトリルゴム、アクリルゴムが挙げられる。
【0024】
ホワイトボード用フィルム7は、各種のタイプのものがあるが、一例として、ホワイトボード用フィルムの基材7aとして、厚さが100μm〜200μm程度で、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などにチタンホワイトなどの白色顔料を含んだ白色のプラスチックフイルムを用い、その表面に筆記層7bとして、透明で、厚さが1μm〜10μm程度の紫外線架橋型のアクリル・シリコーン系などのものが用いられる。
なお、筆記性、消去性、防眩性を良くするために、ここに球状の微粒子(平均粒子径2μm〜10μm)を添加する場合もある。
【0025】
粘着吸着層5は、被着物品Wに対して繰り返し貼着と取り外しが可能な粘着機能を有するものであり、本実施例においては厚さが400μm〜1000μm程度で、概ね、柔軟なアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などを素材とする独立気泡型で表面に吸盤構造を有する発泡シートの表面に、同系素材の粘着剤を塗布することによって粘着層を形成した構成のものとなっており、吸着作用と粘着剤との相乗効果をもたせたものとなっている。
【0026】
なお、粘着吸着層5として表わした粘着機能層は、従来より、自己粘着型、粘着剤型を基本として、多くの粘着技術が存在しており、被着物品Wに対して繰り返し貼着と取り外しが可能な粘着機能を有するものであれば、本実施例に限ることなく適宜に選択し実施することができる。
【0027】
また、不織布5aは、上記の粘着吸着層5中の成分の移行防止、及び、層間接着性の向上を目的としたものであり厚さが200μm〜500μm程度のポリエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂製のものを用いている。
保護フィルム5bは、粘着吸着層5の保護を目的とし、受け部材付き粘着式シート1を実際に使用する時には剥がしてしまう剥離フィルムであり、厚さが20μm〜60μm程度のポリエチレン製等のものを用いている。
【0028】
また、受け部材3は、ABS樹脂等の合成樹脂製で、断面が略凹字型となっており、概ね、板厚1〜2mm程度、幅約200mm、奥行き約40mm、正面側の高さ約16mm、背面側の高さが約21mmとなっている。
但し、この部材の材料は、他の合成樹脂も含めて、適宜に選択して使用することができる。
そして、形態は、底部8aから正面の立上げ部8bで附属品受け部8が形成され、底部8aの後部には、抜け止め部9が垂直に立設して形成されるものとなっている。
【0029】
次に、以上の構成でなる、受け部材付き粘着式シート1を完成させる手順について、図2(a)〜(c)並び図3(a)(b)を使って説明する。
【0030】
先ず、図2(a)の受け部材3の係止前の状態を表わす断面図に示すように、受け部材3の抜け止め部9が、想像線で示すように水平となるような状態として、その先端を、粘着式シート2の打ち抜き部4に差し込む。
次に、図2(b)の受け部材3の係止操作状態を表わす断面図に示すように、受け部材3の抜け止め部9を、粘着式シート2の打ち抜き部4に対して、想像線で示すように回転するように差し込んでいくと、最終的に受け部材3の抜け止め部9は、粘着式シート2の背面に当接する状態となり、係止状態の受け部材付き粘着式シート1となる。
【0031】
そして、図2(c)の受け部材3の係止後の状態を表わす断面図に示すように、粘着式シート2に受け部材3が係止された受け部材付き粘着式シート1の背面を、矢印で示すように被着物品Wに押し付ける。
【0032】
そうすると、図3(a)の被着物品への取り付け状態を表わす斜視図、図3(b)の部分拡大縦断面図に示されるように、受け部材付き粘着式シート1における粘着式シート2の背面は、被着物品Wに粘着にて、取り付けられる。
【0033】
この時、粘着式シート2の背面に位置していた受け部材3の立ち上がり部9は、図3(a)の破線状態、及び図3(b)に示すように、粘着式シート2が可撓性であるためその全面が粘着式シート2の背面で押しつけられることになり、粘着式シート2と被着物品Wとの間に挟着状態で保持されることになる。
【0034】
なお、受け部材は、各種に変形して実施することが可能である。
【0035】
図4は、受け部材の変形例1を表わしたものであり、図4(a)は斜視図、図4(b)は被着物品Wへの取り付け状態を仮想した断面図を示している。
この変形例1における、受け部材10は、抜け止め部12が、実施例と同様な形態となっているが、附属品受け部11が、実施例における受け部材3の底部8aに相当する部分のみとなっており、上向きに傾斜する状態(図面の傾斜角度Yは、略22度)に形成されている。
このような形態にしても附属品の載置は可能であり、附属品の使用頻度が多い場合に、好ましく採用することができる。
なお、附属品受け部の角度は、その性質上、水平乃至上向きの45度程度までの傾斜面が好ましい形態となる。
【0036】
図5は、受け部材の変形例2を表わしたものであり、図5(a)は斜視図、図5(b)は被着物品Wへの取り付け状態を仮想した断面図を示している。
この変形例2の受け部材13の形態は、附属品受け部14は、実施例と同様に、底部14aと立上げ部14bとで構成されるが、抜け止め部15が、実施例における受け部材3の抜け止め部9の形成方向とは逆に下向きに垂直に形成され、且つ、附属品受け部14の立上げ部14bと同じ高さとなっている。
従って、断面の中心に対して点対称であり、附属品受け部14と、抜け止め部15とは区別することなく使用することができる。
【0037】
図6は、受け部材の変形例3を表わしたものであり、図6(a)は斜視図、図6(b)は被着物品Wへの取り付け状態を仮想した断面図を示している。
この変形例3の受け部材16の形態は、附属品受け部17については、実施例と同様に、底部17aと立上げ部17bとで構成されるが、抜け止め部18が、実施例における受け部材3の抜け止め部9の態様とは異なっており、上向き片18aと連続する形で、下向き片18bも垂直に形成されている。
この形態は、図6(b)の被着物品への取り付け状態を仮想した断面図に表わされるように、抜け止め部18の上向き片18aと下向き片18bとが可撓性の粘着式シート2と被着物品Wの間で挟着保持されることになるため、受け部材の16の取り付け強度が向上するので、附属品の負荷重が大きいような用途に、好ましく使用することができる。
【0038】
また、図7(a)の受け部材の変形例4を表わした斜視図に示すように、受け部材19の附属品受け部20の形態は、各種の附属品が置き易いように、形状を変更して実施することができる。
即ち、切り欠き部20aを複数、例えば2箇所設ければ、その間の残留片20bには、例えば輪ゴム等の附属品を引っ掛けることができ、逆に上方への突片20cを設けても同様に活用することができる。
また、穴部20dを形成すれば、テーパー状等の棒状の物品を差し込んで係止させることもできる。
さらに、用途が限られる場合には、例えば、図7(b)の受け部材の変形例5のように、受け部材19aの附属品受け部20eには、上方への突片20fのみを多数形成するようにしても良い。
【0039】
なお、これまで説明してきた受け部材は、幅寸法が比較的大きいものとなっているが、狭い幅であっても実施することが当然に可能であり、以下に附属品受け部を変形させた形態も含めて説明する。
【0040】
図8は、基本的には、これまで説明した実施例、変形例1、変形例2、変形例3と同一の断面で幅寸法を小さく形成した変形例を表わしている。
即ち、図8(a)の受け部材21は実施例の幅を約1/2とした変形例6を示し、図8(b)の受け部材22は変形例1の幅を約1/4とした変形例7を示し、図8(c)の受け部材23は変形例2の幅を大幅に小さくし附属品受け部の立上げ部23bも略三角形とした変形例8を示し、図8(d)の受け部材24は変形例3の幅を大幅に小さくした変形例9を示している。
【0041】
また、本発明の受け部材は、抜け止め部が形成されていれば機能するものであり、附属品受け部の形態は粘着式シートの挿入に支障がなければ自由な形態で実施することができる。
【0042】
図9はその一例を示した変形例10を表わしたものであり、図9(a)は斜視図、図9(b)は組立て手順説明用の斜視図、図9(c)は被着物品取り付け状態の斜視図を示している。
即ち、本変形例の受け部材25は、略正方形の抜け止め部27と、丸棒を屈曲させた形態の底部26a及び立上げ部26bからなる附属品受け部26とで形成されている。
従って、その場合の粘着式シート2aの打ち抜き部4aは円形となっており、図9(b)に示すように、その打ち抜き部4aに対して、受け部材25の附属品受け部26の先端を矢印に示すように挿入すれば、図9(c)のように、被着物品Wに取り付けることができる。
【0043】
このように、受け部材の附属品受け部の形状は自由に変形させることができ、その場合には、粘着式シートの打ち抜き部の形状をそれに沿った形状にすればよい。
【0044】
本発明は、各種に変形して実施することが可能である。
例えば、粘着式シートとしては、上述した実施例のような、ホワイトボードの用途に限らず、各種の掲示板用に使用することができる。
この場合においては、実施例における粘着式シート2のホワイトボード用フィルム7に換えて、触感や見映えの良い例えばフェルト部材等を使用することも可能となる。
【0045】
また、粘着式シートに強磁性体としての機能が必要でない場合においては、実施例における粘着式シート2の強磁性体シート6aに換えて、単に基材6としての機能を満足する汎用の合成樹脂シートや、発泡樹脂のシートを使用しても良いし、場合によっては、基材6も省略した構成で実施しても良い。
【0046】
さらに、実施例に示した受け部材の各種の変形例は、別の形態に変形して実施することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、粘着式シートに対して、簡単な構成でありながら、受け部材を確実に取り付けることができ、しかも、受け部材の取り外しも簡単に行うことができるので、目的よって使い分けが可能なため利便性が高い。
また、粘着するボードであれば、ホワイトボードに限らず、各種の掲示板等にも応用することができる。
従って、一般家庭から業務用まで幅広い分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
W 被着物品
Y 傾斜角度
1 受け部材付き粘着式シート
2、2a 粘着式シート
3、10、13、16、19、19a、21、22、23、24、25 受け部材
4、4a 打ち抜き部
5 粘着吸着層
5a 不織布
5b 保護フィルム
6 基材
6a 強磁性体シート
7 ホワイトボード用フィルム
7a ホワイトボード用フィルムの基材
7b 筆記層
8、11、14、17、20、20e、26 附属品受け部
8a、14a、17a、26a 底部
8b、14b、17b、23b、26b 立上げ部
9、12、15、18、27 抜け止め部
18a 上向き片
18b 下向き片
20a 切り欠き部
20b 残留片
20c、20f 突片
20d 穴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性で、且つ、背面には被着物品に対して繰り返し貼着と取り外しが可能な粘着機能層を有する粘着式シートと、受け部材とからなり、
上記粘着式シートには表面から背面を貫通する打ち抜き部が形成され、
上記受け部材には断面が水平乃至上向きの傾斜面或いは略L字状でなる附属品受け部とその後部に設けられる垂直状の抜け止め部とが形成されていて、
上記受け部材は、上記粘着式シートの打ち抜き部に対して、上記附属品受け部が抜け出さないように挿入して係止できると共に、
その係止状態から、粘着式シートの背面を被着物品に粘着させた時、上記受け部材に形成されている抜け止め部は、可撓性を有する上記粘着式シートが柔軟に変形することにより上記被着物品間に挟着状態に保持されることを特徴とする受け部材付き粘着式シート
【請求項2】
粘着式シートは、表面に、水性、およびまたは、アルコール性インクを使用したフェルトペンの書き込み及び消去が可能な筆記層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の受け部材付き粘着式シート
【請求項3】
粘着式シートは、表面と背面との中間層に強磁性体シート層を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の受け部材付き粘着式シート
【請求項4】
受け部材に形成された附属品受け部には、切り欠き、およびまたは、突起部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の受け部材付き粘着式シート

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−25561(P2011−25561A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174509(P2009−174509)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000110893)ニチレイマグネット株式会社 (24)
【Fターム(参考)】