受動運動器
【課題】足踏み運動を行なうことができる受動運動器において、使用者に適切な受動運動効果を与える。
【解決手段】使用者の足を載せる足載せ面22,22を有する左右一対の踏み板20,20と、該踏み板を交互に傾動させる駆動部50と、を具えた受動運動器であって、足載せ面22,22には、足載せ面の角度を調整する補助踏み板30,30を着脱可能に配備した。
【解決手段】使用者の足を載せる足載せ面22,22を有する左右一対の踏み板20,20と、該踏み板を交互に傾動させる駆動部50と、を具えた受動運動器であって、足載せ面22,22には、足載せ面の角度を調整する補助踏み板30,30を着脱可能に配備した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み運動を行なうことのできる受動運動器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使用者の足を左右一対の踏み板に載せ、踏み板をモータで交互に傾動させることにより、足踏み運動をすることができる受動運動器が知られている(例えば、特許文献1参照)。使用者は、受動運動器の踏み板に左右の足を載せるだけで、自ら足を動かさなくても、踏み板の傾動に合わせた足踏みの受動運動を受けることができる。また、自ら踏み板を踏み込むことにより、より運動効果の高い受動運動を受けることもできる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−358058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータの回転速度を可変とすることで、踏み板の傾動速さを調節することはできるが、踏み板の上下の傾動角度を変えることはできなかった。
このため、使用者によっては、踏み板が下がったときの傾動角度が大きすぎて、踏み込み運動がきついと感じられたり、足等に負担が掛かることがあった。また、踏み込み運動量を高めて、運動効果を促進したい使用者にとっては、踏み板が下がったときの傾動角度が小さく、不十分に感じることもあった。
さらに、踏み板の上下の傾動角度が同じであっても、使用者が踏み板に足を載せる位置が前後すると、足に作用する傾動角度は変化する。このため、所望の踏み込み運動を受けるには、踏み板の正しい位置に足を載せる必要がある。しかしながら、踏み板に載った際、又は、受動運動中に、足の位置がずれると、所望した踏み込み運動よりもきつい又は緩い受動運動となってしまうことがあった。
【0005】
本発明の目的は、足踏み運動を行なうことができる受動運動器において、使用者に適切な受動運動効果を与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の受動運動器は、
使用者の足を載せる足載せ面を有する左右一対の踏み板と、
該踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
を具えた受動運動器であって、
足載せ面には、足載せ面の角度を調整する補助踏み板を着脱可能に配備した。
補助踏み板は、足載せ面の長手方向に関し、一端側から他端側に向けて傾斜面を有する構成とすることができる。
【0007】
また、踏み板の足載せ面又は補助踏み板の傾斜面には、使用者が足を載せる位置を規定する足位置調節部を設けることもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の受動運動器によれば、補助踏み板を取り付けることで、使用者が、所望する受動運動を受けることができるように、傾動角度を調整することができる。
例えば、補助踏み板に、上記の如く傾斜面を形成した場合、踏み板に対して補助踏み板を傾斜がゆるくなるように取り付けると、踏み板が下がったときの踏み板の傾動角度を小さくすることができ、足等に掛かる負担を小さくすることができる。特に、リハビリ等の目的で受動運動を受ける場合に好適である。
逆に、踏み板に対して補助踏み板を傾斜が強くなるように取り付けると、踏み板が下がったときの傾動角度を大きくすることができ、運動効果及び足のストレッチ効果を高めることができる。
【0009】
また、踏み板又は補助踏み板に、足位置調節部を設けることで、使用者は、正しい位置に足を載せることができ、また、受動運動中も、足の位置がずれることはないから、所望した受動運動を受けることができる。従って、所望の踏み込み運動よりもきつい又は緩い受動運動となってしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
受動運動器(10)として、図1に示すように、左右一対の踏み板(20)(20)をベース部(12)に設けられた左右一対の開口(14)(14)から突出させたものを例示できる。使用者は、踏み板(20)(20)に足を載せ、ベース部(12)の前端に形成されたハンドル柱(16)の先端のハンドル部(16a)を掴んで足踏みの受動運動を受けることができる。ハンドル柱(16)の先端には、使用者が操作したり、受動運動器(10)の状態を表示する操作部(60)を有する。
【0011】
踏み板(20)(20)は、図2に示すように、長手方向の前側、即ち、使用者のつま先側にて支持軸(18)を中心に傾動可能に支持されており、ベース部(12)の内部に配備されたモータ等の駆動部(50)(図2参照)により傾動可能となっている。
なお、受動運動器(10)は、図示のものに限定されるものではない。
【0012】
踏み板(20)(20)は、上面に使用者の足を載せる足載せ面(22)(22)が形成されており、各足載せ面(22)(22)には、夫々補助踏み板(30)(30)を取り付ける取付手段が配備される。取付手段として、図3に示すように取付孔(24)(24)を例示できる。
【0013】
補助踏み板(30)(30)は、図3に示すように、各足載せ面(22)(22)に当接する底面(34)に対し、上面側が踏み板(20)(20)の長手方向に対して傾斜した傾斜面(32)を有する構成とすることができる。図示の補助踏み板(30)(30)は、踏み板(20)(20)の前方に向けて高くなるように傾斜面(32)を形成しているが、逆向きの傾斜とすることもできる。
補助踏み板(30)(30)の底面(34)には、図3に示すように、足載せ面(22)(22)の取付手段に係合する係合手段が設けられている。係合手段として、足載せ面(22)の前記取付孔(24)(24)へ嵌まる係合突起(36)(36)を例示できる。
【0014】
補助踏み板(30)(30)を、図3乃至図5に示すように、傾斜面(32)が前方に向けて高くなる方向で足載せ面(22)(22)に取り付けることで、図4に示すように、踏み板(20)(20)の後端が上がった状態(以下単に「上がった状態」という)では、補助踏み板(30)(30)の傾斜面(32)(32)は、ほぼ水平となるが、踏み板(20)(20)の後端が下がった状態(以下単に「下がった状態」という)では、図5に示すように、後方に大きく下がった状態となり、受動運動の負荷及びストレッチ効果を高めることができる。
【0015】
逆に、補助踏み板(30)(30)を図6及び図7に示すように、傾斜面(32)が後方に向けて高くなる方向で足載せ面(22)(22)に取り付けると、図6に示すように、踏み板(20)(20)の後端が上がった状態で、補助踏み板(30)(30)の傾斜面(32)(32)は、前方が大きく下がった状態となり、踏み板(20)(20)の後端が下がった状態では、図7に示すように、ほぼ水平となる。この場合、使用者が受ける受動運動の負荷は小さくなり、また、ストレッチ効果は低くなるので、リハビリ目的又は負荷の低い運動を所望する使用者にとって好適な受動運動となる。
【0016】
このように、補助踏み板(30)(30)を前後逆にも取り付けることができるようにすることで、複数の補助踏み板を準備することなく、使用者の所望に応じた種々の受動運動を受けることができる。
【0017】
傾斜面(32)の傾斜角度は、所望に応じて設定することができる。また、異なる傾斜角度の補助踏み板を複数用意して、好みの補助踏み板を選択することもできる。
【0018】
補助踏み板(30)(30)には、図8乃至図10に示すように、使用者の足の位置、例えば、かかとの位置を規定する足位置調節部(40)(40)を設けることができる。使用者が、足位置調節部(40)(40)に合わせて足を位置決めすることで、使用者の足位置がずれることなく、適切な受動運動を受けることができる。また、運動中にも足位置がずれないから、所望する負荷、傾動角度の受動運動を受けることができる。
【0019】
足位置調節部(40)(40)は、補助踏み板(30)(30)の傾斜面(32)(32)上で、前後(長手方向)にスライド可能且つ位置決め可能又は、複数箇所で位置決め可能な構成とすることが望ましい。
これにより、使用者の足の大きさ、所望する負荷等の大きさ等に合わせて、適切な受動運動を提供できる。例えば、所望する負荷やストレッチ効果を高めたい場合には、踏み板(20)(20)の傾動量の大きい踏み板(20)(20)の後端側に使用者の足位置を合わせることができるようにし、逆の場合には、踏み板(20)(20)の前端側に使用者の足位置を合わせるようにすればよい。
【0020】
図8乃至図10は、足位置調節部(40)をスライド可能且つ位置決め可能とした実施例を示している。足位置調節部(40)は、使用者のかかとを位置決めする断面H型の当たり(42)と、該当たり(42)の底面から突設されたスライド用突片(44)(44)を有する。
補助踏み板(30)の傾斜面(32)には、長手方向に、前記位置決め用突片(44)(44)がスライド可能且つ位置決め可能に嵌まる係止溝(38)(38)が形成されている。
スライド用突片(44)(44)は、バネ又はネジ等により、係止溝(38)(38)に対して位置決め可能となっており、使用者は、所望の位置又は運動量に合わせた適切な位置に足位置調節部(40)(40)を位置決めすることができる。
【0021】
なお、足位置調節部(40)(40)は、補助踏み板(30)(30)を取り外した状態でも使用できるように、踏み板(20)(20)に係止溝(図示せず)を設けてもよい。
【0022】
また、最適な足位置調節部(40)の位置を、使用者の所望する足踏みコース、運動負荷等の設定により、適宜操作部(60)等に表示するようにしてもよい。
【0023】
この場合、足位置調節部(40)(40)は、上記の如く突設された形状とするのではなく、図11に示すように、踏み板(20)(20)に人の足形を形取った発光部(46)を内装し、使用者が当該発光部(46)(46)に足位置を合わせるようにしてもよい。発光部(46)は、LED等により構成することができる。
また、発光部(46)は、図12に示すように、かかと位置のみを規定するようにしてもよい。
図11(a)又は図12の最も後端側の発光部(46)に足の位置を合わせると、負荷が大きい受動運動を受けることができ、図11(b)又は図12の最も前端側の発光部(46)に足の位置を合わせることで、負荷の小さい受動運動を受けることができる。
使用者が選択した踏み板(20)(20)の傾動条件(例えば、傾動速度や傾動時間)、その他の使用者の所望する足踏みコース等に応じて、発光部(46)(46)の適切な発光位置を変更し、所望する負荷の受動運動を受けることができるようにすることもできる。また、発光部(46)(46)の発光位置を、操作部(60)等に表示するようにしてもよい。発光部(46)(46)などの足位置を規定するマークは、補助踏み板(30)(30)に設けることもできる。
【0024】
本発明によれば、使用者は、一定の角度で傾動する踏み板(20)(20)に対し、所望の又は適切な受動運動を受けることができる。
【0025】
なお、上記では、踏み板(20)(20)が傾動する受動運動器(10)について説明したが、ベース部(12)を踏み板(20)(20)の傾動に合わせて左右に回動する構成とし、足踏み運動と共に腰捻り運動を行なうようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、使用者の所望に応じた適切な負荷、運動量の足踏み運動を行なうことができる受動運動器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】受動運動器の斜視図である。
【図2】受動運動器のベース部近傍の拡大側面図である。
【図3】踏み板と補助踏み板の分解斜視図である。
【図4】補助踏み板が前方に向けて傾斜が高くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も上がった状態を示している。
【図5】補助踏み板が前方に向けて傾斜が高くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も下がった状態を示している。
【図6】補助踏み板が前方に向けて傾斜が低くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も上がった状態を示している。
【図7】補助踏み板が前方に向けて傾斜が低くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も下がった状態を示している。
【図8】補助踏み板に足位置調節部を取り付けた状態を示す受動運動器の拡大側面図である。
【図9】補助踏み板に足位置調節部を取り付けた状態を示す受動運動器の部分平面図である。
【図10】足位置調節部を取り付けた補助踏み板の斜視図である。
【図11】発光部を足位置調節部として形成した踏み板の足載せ面を示す平面図である。
【図12】発光部を足位置調節部として形成した踏み板の足載せ面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
(10) 受動運動器
(20) 踏み板
(22) 足載せ面
(30) 補助踏み板
(32) 傾斜面
(40) 足位置調節部
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み運動を行なうことのできる受動運動器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使用者の足を左右一対の踏み板に載せ、踏み板をモータで交互に傾動させることにより、足踏み運動をすることができる受動運動器が知られている(例えば、特許文献1参照)。使用者は、受動運動器の踏み板に左右の足を載せるだけで、自ら足を動かさなくても、踏み板の傾動に合わせた足踏みの受動運動を受けることができる。また、自ら踏み板を踏み込むことにより、より運動効果の高い受動運動を受けることもできる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−358058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータの回転速度を可変とすることで、踏み板の傾動速さを調節することはできるが、踏み板の上下の傾動角度を変えることはできなかった。
このため、使用者によっては、踏み板が下がったときの傾動角度が大きすぎて、踏み込み運動がきついと感じられたり、足等に負担が掛かることがあった。また、踏み込み運動量を高めて、運動効果を促進したい使用者にとっては、踏み板が下がったときの傾動角度が小さく、不十分に感じることもあった。
さらに、踏み板の上下の傾動角度が同じであっても、使用者が踏み板に足を載せる位置が前後すると、足に作用する傾動角度は変化する。このため、所望の踏み込み運動を受けるには、踏み板の正しい位置に足を載せる必要がある。しかしながら、踏み板に載った際、又は、受動運動中に、足の位置がずれると、所望した踏み込み運動よりもきつい又は緩い受動運動となってしまうことがあった。
【0005】
本発明の目的は、足踏み運動を行なうことができる受動運動器において、使用者に適切な受動運動効果を与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の受動運動器は、
使用者の足を載せる足載せ面を有する左右一対の踏み板と、
該踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
を具えた受動運動器であって、
足載せ面には、足載せ面の角度を調整する補助踏み板を着脱可能に配備した。
補助踏み板は、足載せ面の長手方向に関し、一端側から他端側に向けて傾斜面を有する構成とすることができる。
【0007】
また、踏み板の足載せ面又は補助踏み板の傾斜面には、使用者が足を載せる位置を規定する足位置調節部を設けることもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の受動運動器によれば、補助踏み板を取り付けることで、使用者が、所望する受動運動を受けることができるように、傾動角度を調整することができる。
例えば、補助踏み板に、上記の如く傾斜面を形成した場合、踏み板に対して補助踏み板を傾斜がゆるくなるように取り付けると、踏み板が下がったときの踏み板の傾動角度を小さくすることができ、足等に掛かる負担を小さくすることができる。特に、リハビリ等の目的で受動運動を受ける場合に好適である。
逆に、踏み板に対して補助踏み板を傾斜が強くなるように取り付けると、踏み板が下がったときの傾動角度を大きくすることができ、運動効果及び足のストレッチ効果を高めることができる。
【0009】
また、踏み板又は補助踏み板に、足位置調節部を設けることで、使用者は、正しい位置に足を載せることができ、また、受動運動中も、足の位置がずれることはないから、所望した受動運動を受けることができる。従って、所望の踏み込み運動よりもきつい又は緩い受動運動となってしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
受動運動器(10)として、図1に示すように、左右一対の踏み板(20)(20)をベース部(12)に設けられた左右一対の開口(14)(14)から突出させたものを例示できる。使用者は、踏み板(20)(20)に足を載せ、ベース部(12)の前端に形成されたハンドル柱(16)の先端のハンドル部(16a)を掴んで足踏みの受動運動を受けることができる。ハンドル柱(16)の先端には、使用者が操作したり、受動運動器(10)の状態を表示する操作部(60)を有する。
【0011】
踏み板(20)(20)は、図2に示すように、長手方向の前側、即ち、使用者のつま先側にて支持軸(18)を中心に傾動可能に支持されており、ベース部(12)の内部に配備されたモータ等の駆動部(50)(図2参照)により傾動可能となっている。
なお、受動運動器(10)は、図示のものに限定されるものではない。
【0012】
踏み板(20)(20)は、上面に使用者の足を載せる足載せ面(22)(22)が形成されており、各足載せ面(22)(22)には、夫々補助踏み板(30)(30)を取り付ける取付手段が配備される。取付手段として、図3に示すように取付孔(24)(24)を例示できる。
【0013】
補助踏み板(30)(30)は、図3に示すように、各足載せ面(22)(22)に当接する底面(34)に対し、上面側が踏み板(20)(20)の長手方向に対して傾斜した傾斜面(32)を有する構成とすることができる。図示の補助踏み板(30)(30)は、踏み板(20)(20)の前方に向けて高くなるように傾斜面(32)を形成しているが、逆向きの傾斜とすることもできる。
補助踏み板(30)(30)の底面(34)には、図3に示すように、足載せ面(22)(22)の取付手段に係合する係合手段が設けられている。係合手段として、足載せ面(22)の前記取付孔(24)(24)へ嵌まる係合突起(36)(36)を例示できる。
【0014】
補助踏み板(30)(30)を、図3乃至図5に示すように、傾斜面(32)が前方に向けて高くなる方向で足載せ面(22)(22)に取り付けることで、図4に示すように、踏み板(20)(20)の後端が上がった状態(以下単に「上がった状態」という)では、補助踏み板(30)(30)の傾斜面(32)(32)は、ほぼ水平となるが、踏み板(20)(20)の後端が下がった状態(以下単に「下がった状態」という)では、図5に示すように、後方に大きく下がった状態となり、受動運動の負荷及びストレッチ効果を高めることができる。
【0015】
逆に、補助踏み板(30)(30)を図6及び図7に示すように、傾斜面(32)が後方に向けて高くなる方向で足載せ面(22)(22)に取り付けると、図6に示すように、踏み板(20)(20)の後端が上がった状態で、補助踏み板(30)(30)の傾斜面(32)(32)は、前方が大きく下がった状態となり、踏み板(20)(20)の後端が下がった状態では、図7に示すように、ほぼ水平となる。この場合、使用者が受ける受動運動の負荷は小さくなり、また、ストレッチ効果は低くなるので、リハビリ目的又は負荷の低い運動を所望する使用者にとって好適な受動運動となる。
【0016】
このように、補助踏み板(30)(30)を前後逆にも取り付けることができるようにすることで、複数の補助踏み板を準備することなく、使用者の所望に応じた種々の受動運動を受けることができる。
【0017】
傾斜面(32)の傾斜角度は、所望に応じて設定することができる。また、異なる傾斜角度の補助踏み板を複数用意して、好みの補助踏み板を選択することもできる。
【0018】
補助踏み板(30)(30)には、図8乃至図10に示すように、使用者の足の位置、例えば、かかとの位置を規定する足位置調節部(40)(40)を設けることができる。使用者が、足位置調節部(40)(40)に合わせて足を位置決めすることで、使用者の足位置がずれることなく、適切な受動運動を受けることができる。また、運動中にも足位置がずれないから、所望する負荷、傾動角度の受動運動を受けることができる。
【0019】
足位置調節部(40)(40)は、補助踏み板(30)(30)の傾斜面(32)(32)上で、前後(長手方向)にスライド可能且つ位置決め可能又は、複数箇所で位置決め可能な構成とすることが望ましい。
これにより、使用者の足の大きさ、所望する負荷等の大きさ等に合わせて、適切な受動運動を提供できる。例えば、所望する負荷やストレッチ効果を高めたい場合には、踏み板(20)(20)の傾動量の大きい踏み板(20)(20)の後端側に使用者の足位置を合わせることができるようにし、逆の場合には、踏み板(20)(20)の前端側に使用者の足位置を合わせるようにすればよい。
【0020】
図8乃至図10は、足位置調節部(40)をスライド可能且つ位置決め可能とした実施例を示している。足位置調節部(40)は、使用者のかかとを位置決めする断面H型の当たり(42)と、該当たり(42)の底面から突設されたスライド用突片(44)(44)を有する。
補助踏み板(30)の傾斜面(32)には、長手方向に、前記位置決め用突片(44)(44)がスライド可能且つ位置決め可能に嵌まる係止溝(38)(38)が形成されている。
スライド用突片(44)(44)は、バネ又はネジ等により、係止溝(38)(38)に対して位置決め可能となっており、使用者は、所望の位置又は運動量に合わせた適切な位置に足位置調節部(40)(40)を位置決めすることができる。
【0021】
なお、足位置調節部(40)(40)は、補助踏み板(30)(30)を取り外した状態でも使用できるように、踏み板(20)(20)に係止溝(図示せず)を設けてもよい。
【0022】
また、最適な足位置調節部(40)の位置を、使用者の所望する足踏みコース、運動負荷等の設定により、適宜操作部(60)等に表示するようにしてもよい。
【0023】
この場合、足位置調節部(40)(40)は、上記の如く突設された形状とするのではなく、図11に示すように、踏み板(20)(20)に人の足形を形取った発光部(46)を内装し、使用者が当該発光部(46)(46)に足位置を合わせるようにしてもよい。発光部(46)は、LED等により構成することができる。
また、発光部(46)は、図12に示すように、かかと位置のみを規定するようにしてもよい。
図11(a)又は図12の最も後端側の発光部(46)に足の位置を合わせると、負荷が大きい受動運動を受けることができ、図11(b)又は図12の最も前端側の発光部(46)に足の位置を合わせることで、負荷の小さい受動運動を受けることができる。
使用者が選択した踏み板(20)(20)の傾動条件(例えば、傾動速度や傾動時間)、その他の使用者の所望する足踏みコース等に応じて、発光部(46)(46)の適切な発光位置を変更し、所望する負荷の受動運動を受けることができるようにすることもできる。また、発光部(46)(46)の発光位置を、操作部(60)等に表示するようにしてもよい。発光部(46)(46)などの足位置を規定するマークは、補助踏み板(30)(30)に設けることもできる。
【0024】
本発明によれば、使用者は、一定の角度で傾動する踏み板(20)(20)に対し、所望の又は適切な受動運動を受けることができる。
【0025】
なお、上記では、踏み板(20)(20)が傾動する受動運動器(10)について説明したが、ベース部(12)を踏み板(20)(20)の傾動に合わせて左右に回動する構成とし、足踏み運動と共に腰捻り運動を行なうようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、使用者の所望に応じた適切な負荷、運動量の足踏み運動を行なうことができる受動運動器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】受動運動器の斜視図である。
【図2】受動運動器のベース部近傍の拡大側面図である。
【図3】踏み板と補助踏み板の分解斜視図である。
【図4】補助踏み板が前方に向けて傾斜が高くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も上がった状態を示している。
【図5】補助踏み板が前方に向けて傾斜が高くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も下がった状態を示している。
【図6】補助踏み板が前方に向けて傾斜が低くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も上がった状態を示している。
【図7】補助踏み板が前方に向けて傾斜が低くなるように取り付けた状態の受動運動器の拡大側面図であって、踏み板が最も下がった状態を示している。
【図8】補助踏み板に足位置調節部を取り付けた状態を示す受動運動器の拡大側面図である。
【図9】補助踏み板に足位置調節部を取り付けた状態を示す受動運動器の部分平面図である。
【図10】足位置調節部を取り付けた補助踏み板の斜視図である。
【図11】発光部を足位置調節部として形成した踏み板の足載せ面を示す平面図である。
【図12】発光部を足位置調節部として形成した踏み板の足載せ面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
(10) 受動運動器
(20) 踏み板
(22) 足載せ面
(30) 補助踏み板
(32) 傾斜面
(40) 足位置調節部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足を載せる足載せ面を有する左右一対の踏み板と、
該踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
を具えた受動運動器であって、
足載せ面には、足載せ面の角度を調整する補助踏み板が着脱可能に配備されることを特徴とする受動運動器。
【請求項2】
補助踏み板は、足載せ面の長手方向に関し、一端側から他端側に向けて傾斜面を有している請求項1に記載の受動運動器。
【請求項3】
補助踏み板は、傾斜面に使用者が足を載せる位置を規定する足位置調節部を有する請求項2に記載の受動運動器。
【請求項4】
足位置調節部は、傾斜面に対して、スライド可能且つ位置決め可能、又は、複数箇所で位置決め可能な当たりである請求項3に記載の受動運動器。
【請求項5】
使用者の足を載せる足載せ面を有する左右一対の踏み板と、
該踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
を具えた受動運動器であって、
足載せ面には、使用者が足を載せる位置を規定する足位置調節部を有することを特徴とする受動運動器。
【請求項6】
足位置調節部は、足載せ面に対して、スライド可能且つ位置決め可能、又は、複数箇所で位置決め可能な当たりである請求項5に記載の受動運動器。
【請求項7】
足位置調節部は、足載せ面に形成された発光部である請求項5に記載の受動運動器。
【請求項1】
使用者の足を載せる足載せ面を有する左右一対の踏み板と、
該踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
を具えた受動運動器であって、
足載せ面には、足載せ面の角度を調整する補助踏み板が着脱可能に配備されることを特徴とする受動運動器。
【請求項2】
補助踏み板は、足載せ面の長手方向に関し、一端側から他端側に向けて傾斜面を有している請求項1に記載の受動運動器。
【請求項3】
補助踏み板は、傾斜面に使用者が足を載せる位置を規定する足位置調節部を有する請求項2に記載の受動運動器。
【請求項4】
足位置調節部は、傾斜面に対して、スライド可能且つ位置決め可能、又は、複数箇所で位置決め可能な当たりである請求項3に記載の受動運動器。
【請求項5】
使用者の足を載せる足載せ面を有する左右一対の踏み板と、
該踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
を具えた受動運動器であって、
足載せ面には、使用者が足を載せる位置を規定する足位置調節部を有することを特徴とする受動運動器。
【請求項6】
足位置調節部は、足載せ面に対して、スライド可能且つ位置決め可能、又は、複数箇所で位置決め可能な当たりである請求項5に記載の受動運動器。
【請求項7】
足位置調節部は、足載せ面に形成された発光部である請求項5に記載の受動運動器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−233083(P2009−233083A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82529(P2008−82529)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
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