説明

受圧装置

【課題】地盤の沈下などによって生じる地盤側とアンカー部材側との間の間隙を、その大きさに関わらず簡便かつ的確に吸収することができ、しかも設置時に生じるアンカー部材の上方へ突出する不要な余長部分を排除ないし縮小可能な使い勝手のきわめて良好な受圧装置を提供する。
【解決手段】アンカー部材1側に設置される第1係合部材と支圧板3側に設置される第2係合部材とを前記第2係合部材が下方へのみ段階的に移動し得る状態に係合させる。前記第2係合部材と締付用のナット17側に設けられた受止部との間に弾性手段16を介在させ、第2係合部材を地盤2側との間隙を吸収するように付勢する。延長部材19の一端をアンカー部材1の頭部に螺着した状態において、前記ナット17によって弾性手段16を圧縮しながらその螺合位置をアンカー部材1側へ移行させた上で、前記延長部材19を取外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地山等の斜面の安定化などに使用されるアンカー用の受圧装置に関する。すなわち、ロックボルトや、PC鋼線、PC鋼より線、異形PC鋼棒等を用いたアンカーテンドンなどから構成されるアンカー部材に作用する引張力を地盤側へ伝達するアンカー用の受圧装置に関する。とりわけ、地盤の沈下などによって地盤上の支圧板とアンカー部材に螺合した締付ナットとの間などの、地盤側と受圧装置を構成するアンカー部材側との間に生じる間隙を吸収し得るように改良した受圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の受圧装置において、アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじに螺合したナットと支圧板との間にコイルばね等の弾性手段を介在させて支圧板を地盤側へ押圧するように構成したものが知られている(特許文献1)。しかしながら、この従来技術の場合には、雪解けなど、何らかの原因によって地盤側が沈下すると、それに追随して支圧板が前記弾性手段の付勢力によって降下し、地盤側とアンカー部材側との間の間隙の発生を抑制し得る点では有効なものの、支圧板の下降に伴って前記弾性手段の付勢力が低下し、その分地盤側の上方への移動に対する抗力が弱まってしまい、斜面の崩落を的確に阻止できないというおそれもあった。
【特許文献1】特許第3516091号公報
【0003】
そこで、アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじに螺合したナットと支圧板との間に皿ばね等の弾性手段を介在させて支圧板を地盤側へ押圧するように構成するとともに、それとは別に支圧板の上部に他のナットを設け、そのナットをゼンマイばねなどによって下方へ進む方向に回転するように付勢することにより、地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を常に吸収し得るように構成するとともに、地盤側の上方への移動を前記ナットを介してアンカー部材で直に受けることによって、地盤の上方への移動に対抗する強力な抗力を確保し得るように構成したものも開発されている(引用文献2)。しかしながら、この従来技術の場合には、締付用のナットや間隙吸収用の弾性機構とは別に支圧板の上方への移動を阻止するためのナットを設置し、そのナットに対してゼンマイばねを巻上げた状態で設置しなければならないことから、構造が複雑になり設置スペースや設置作業にも大きな難点があった。しかも、ゼンマイばねの構造上、薄肉のばね材の使用に起因する腐食などによる機能低下の問題や、支圧板に作用するばねの回転付勢力の反力をどのようにとるかといった技術的問題もあった。さらに、想定される間隙の大きさに対応するためにはナットの回転角も大きくなり、大型のゼンマイばねが必要とされ、しかもナットの螺合部の錆付きなどを常に防いだ状態に維持しなければ的確な動作が得られないという動作維持上の厄介な問題もあった。
【特許文献2】特開2002−339356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑み、間隙の大きさに関わらず地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を簡便かつ的確に吸収することができ、しかも設置時に生じるアンカー部材の上方へ突出する不要な余長部分を除去ないし縮小可能な使い勝手のきわめて良好な受圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、アンカー部材側に設置される第1係合部材と支圧板側に設置される第2係合部材とを備え、それらの第1係合部材と第2係合部材とを第2係合部材が下方へのみ段階的に移動し得る状態に係合させるとともに、前記第2係合部材と締付用のナット側に設けられた受止部との間に弾性手段を介在させ、その弾性手段の付勢力により第2係合部材を下方へ段階的に移動して地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を吸収するように構成するとともに、一端に前記アンカー部材の頭部に対して螺着可能な螺着部を有し、外周面に前記アンカー部材の外周面に形成された雄ねじと同様の雄ねじを形成した延長部材を備え、その延長部材の一端をアンカー部材の頭部に螺着した状態において、前記ナットを前記弾性手段を圧縮しながらその螺合位置をアンカー部材側へ移行させた上で、前記延長部材を取外すという技術手段を採用した。なお、前記延長部材のアンカー部材に対する螺着手段に関しては、前記アンカー部材の上端面に雌ねじを形成しておき、その雌ねじに螺合可能な雄ねじを延長部材の一端に形成して螺着するように構成してもよいし、前記雄ねじに代えてタッピンねじを採用して、そのタッピンねじによって前記アンカー部材の端部に雌ねじを形成しながら、前記延長部材の一端をアンカー部材に対して螺着するように構成してもよい(請求項2)。因みに、前記タッピンねじに関しては、それ自体でねじを形成しながら螺着が可能なものであれば、どのような形態のものでもよい。
【0006】
また、請求項3の発明では、アンカー部材側に設置される第1係合部材と支圧板側に設置される第2係合部材とを備え、それらの第1係合部材と第2係合部材とを第2係合部材が下方へのみ段階的に移動し得る状態に係合させるとともに、前記第2係合部材と締付用のナット側に設けられた受止部との間に弾性手段を介在させ、その弾性手段の付勢力により第2係合部材を下方へ段階的に移動して地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を吸収するように構成するとともに、前記アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじに螺合可能な雌ねじを有し、外周面に前記ナットに形成された雌ねじに螺合可能な雄ねじを形成した連結用部材と、一端に前記連結用部材に形成された延長用の雌ねじに螺合可能な螺着部を有し、外周面に前記連結用部材の外周面に形成された雄ねじと同様の雄ねじを形成した延長部材を備え、その延長部材の一端をアンカー部材の頭部に螺着された前記連結用部材の延長用の雌ねじに対して螺合した状態において、前記ナットを前記弾性手段を圧縮しながらその螺合位置を前記連結用部材側へ移行させた上で、前記延長部材を取外すという技術手段を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)前記第2係合部材の下方への移動量の設定に関しては特段の制約がなく、自由な設定が可能なことから、間隙の大きさに関わらず地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を簡便かつ的確に吸収することができる。
(2)本受圧装置の設置時には、延長部材を用いて締付用のナットにより前記弾性手段を圧縮しながら締込み、その締込み作業の終了後には前記延長部材を取外して撤去するように構成したので、設置状態において上方へ突出するアンカー部材の不要な余長部分を除去ないし縮小することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、地山等の斜面の安定化などに使用され、ロックボルトや、PC鋼線、PC鋼より線、異形PC鋼棒等を用いたアンカーテンドンなどから構成されるアンカー部材に作用する引張力を地盤側へ伝達するアンカー用の受圧装置として広く適用することが可能である。なお、アンカー部材側に設置される第1係合部材に対して支圧板側に設置した第2係合部材を下方へ段階的に移動させるための原動力は、コイルスプリングなどの弾性手段によるものであればよい。因みに、以下の実施例のように、前記第1係合部材と第2係合部材との係合面の断面を傾斜面と該傾斜面に連なる横方向の係止面とからなる鋸歯状に形成した係合形態を採用すれば、第1係合部材と第2係合部材とが前記係止面において楔のように食込んだ状態で地盤の上方への相対移動に対して強力に対抗し得るとともに、その係合機構の半径方向の拘束力を小さくできる。前記第1係合部材は、アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじとの螺合などによって該第1係合部材に作用する力をアンカー部材側へ伝達し得る状態で設置されるものであればよい。また、前記締付用のナットは、弾性手段を圧縮し得るものであればよく、スパナ掛け部等の具体的な外形には制約されない。因みに、その締付用のナットは、前記請求項1、2の発明の場合には、アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじに対して直接的に螺着するように構成され、前記請求項3の発明の場合には、アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじに螺着された前記連結用部材の外周面の雄ねじに対して螺着するように構成される。
【実施例】
【0009】
図1は本発明の一実施例を示した分解組立図である。また、図2〜図6はそれぞれ部品を拡大して示した部品説明図である。図中1はアンカー部材で、地盤2に対して定着した状態に埋設され、図1に示したように頭部が支圧板3に形成された挿通部を介して上方へ突出した状態に設置される。この場合、アンカー部材1の突出長さは、受圧装置としての機能に不要な余長部分を除去ないし縮小するように設定することになる。その支圧板3より上方に突出したアンカー部材1の頭部に対して、アンカー部材1側に設置される第1係合部材4と支圧板3側に設置される第2係合部材5とから構成される係合機構組立体6が装着される。第1係合部材4には、図2の片側断面で示した部品説明図のように、内周面にアンカー部材1の頭部外周面に形成された雄ねじ7に螺合可能な雌ねじ8が形成され、外周面には傾斜面と該傾斜面に連なる横方向の係止面とからなる鋸歯状の係合面9が形成されている。さらに、本実施例では、第1係合部材4の上端部に図3に示したように六角形からなるスパナ掛け部10を形成している。なお、アンカー部材1に形成する前記雄ねじ7に関しては、少なくともアンカー部材1の頭部外周面に形成されていれば足り、アンカー部材1の全長に対して形成したものでも、部分的に形成したものでもよい。
【0010】
図4〜図6は前記第2係合部材5を拡大して示した部品説明図であり、それぞれ図4は第2係合部材5の内周面、図5は外周面、図6は平面を示したものである。図示のように、前記第2係合部材5は、内周面に前記第1係合部材4の係合面9と同様の傾斜面と係止面とからなる鋸歯状の係合面11が形成され、その第1係合部材4の係合面9に係合して下方へのみ段階的に移動し得るように構成されている。図6の平面図に示したように、本実施例の第2係合部材5は、縦に円弧状に3分割した場合を示したものである。第2係合部材5の外周面には適宜数の溝部12が形成され、図9に示した拘束用の弾性変形可能なリング13を嵌入することにより半径方向に拡縮し得るように構成している。さらに、第2係合部材5の下部には水平部14が形成され、その下面が支圧板3上に当接し得るように構成するとともに、その水平部14の上面側にリング状の凹部15を形成し、本実施例ではコイルスプリングからなる弾性手段16の下端部を嵌合支持し得るように構成している。
【0011】
次に、本実施例に係る受圧装置の設置の仕方に関して説明する。先ず、支圧板3より上方に突出したアンカー部材1の頭部に対して前記係合機構組立体6を装着する。この場合には、図7に示したように、3分割された各第2係合部材5を、第1係合部材4の外周面に対して、それぞれの係合面9,11を係合させながら組付け、その組付け状態を各溝部12にリング13を嵌入して拘束維持することにより、図8に示した係合機構組立体6を形成する。しかる後、アンカー部材1の頭部外周面に形成した雄ねじ7に対して前記第1係合部材4の内周面に形成した雌ねじ8を螺合し、前記係合機構組立体6を所期の位置に装着する。なお、以上の説明では、予め係合機構組立体6を組立ててからアンカー部材1の頭部に装着する場合を説明したが、第1係合部材4の外周面に対して3分割されたそれぞれの第2係合部材5を直接装着してリング13で拘束する形態も可能である。
【0012】
前記係合機構組立体6がアンカー部材1の頭部に対して装着された場合には、図1に示したように、第2係合部材5の外周面に沿ってコイルスプリングからなる弾性手段16を外嵌し、その弾性手段16の下端部を第2係合部材5の水平部14の上面側に形成したリング状の凹部15に嵌合支持する。さらに、その弾性手段16の上端部を締付用のナット17の下面側に形成した凹部18に嵌合支持するとともに、そのナット17をアンカー部材1の頭部外周面に形成された雄ねじ7に螺合して弾性手段16を締込むことになる。なお、前記凹部15,18は設けずに平坦状態のままでもよい。図10は改良前の前記弾性手段16の締込み機構に関する問題点を示した説明図である。図中、右半分は締込み前の状態を示したものであり、左半分は締込み後の状態を示したものである。図示のように、この改良前の場合には、左半分に示した締込み後の設置状態において、ナット17の上方に受圧装置としての機能上は不要なアンカー部材1の余長部分Lが突出してしまうという問題があった。
【0013】
本実施例では、図11に示した延長部材19を用いて前記余長部分Lを除去ないし縮小し得るように改良した場合を示した。図示のように、前記延長部材19は、中間部の外周部に前記アンカー部材1の外周部に形成した雄ねじ7と同様の雄ねじ20を形成し、かつ一端にタッピンねじ21からなる螺着部を備えるとともに、他端に六角形などからなるスパナ掛け部22を設けている。図12〜図15は前記延長部材19を用いた弾性手段16の締込み作業の手順を示した工程説明図である。先ず、図12に示した工程では、支圧板3の上方へ突出したアンカー部材1の頭部外周部に前記係合機構組立体6を装着した状態において、その外周面へのコイルスプリングなどからなる弾性手段16の外嵌作業と前後して、前記延長部材19をタッピンねじ21によってねじを形成しながらアンカー部材1の上端部に螺着する。この場合、アンカー部材1として中空状のものを用いてもよいし、中実状のアンカー部材の上端部に下孔を予め形成したものでもよい。次に、図13及び図14に示したように、前記ナット17をアンカー部材1の上端部に螺着した延長部材19に対して螺合し、さらに弾性手段16を圧縮しながらアンカー部材1の雄ねじ7と螺合するまで締込む。そして、ナット17の螺合位置がアンカー部材1の雄ねじ7へ移行して、弾性手段16が初期の状態に圧縮された場合には、図15に示したように延長部材19を取外して撤去する。これにより、図16に示したように、アンカー部材1がナット17の上方へ突出しない設置状態、あるいは不要な余長部分が縮小された設置状態が得られる。因みに、アンカー部材1の支圧板3からの突出長さは、前述のように所期の設置状態に合わせて予め設定しておくことはいうまでもない。
【0014】
図17は当初の設置状態と地盤2が沈下した場合の設置状態を比較して示した設置状態説明図である。しかして、当初の設置状態から地盤2側が何らかの原因により沈下した場合には、前記弾性手段16の付勢力によって右半分に示したように第2係合部材5が第1係合部材4に対して段階的に下降して地盤2側との間に生じる間隙を吸収することになる。なお、図18は他の設置形態を示した設置状態説明図である。本設置形態の場合には、図示のように支圧板3に形成した挿通孔を介して上方へ突出するアンカー部材1の頭部が地盤2に対して傾斜している場合を示したものである。図中、23は上下面が相対的に傾斜した円板状のスペーサである。このように傾斜した設置形態の場合にも前記延長部材19を適用し得ることはいうまでもない。
【0015】
図19〜図22は他の形態の延長部材を用いた場合を拡大して示したものである。本実施例では、図19に示した連結用部材24と図20に示した延長部材25を用いる。図示のように、連結用部材24は短筒状の中空体からなり、内周面には前記アンカー部材1の外周面に形成された雄ねじ7に螺合可能な雌ねじ26と適宜形態の延長用の雌ねじ27が形成され、外周面には締付用のナット28の雌ねじに螺合可能な雄ねじ29が形成されている。また、延長部材25は、中間部の外周部に前記連結用部材24に形成された雄ねじ29と同様のナット28の雌ねじに螺合可能な雄ねじ30が形成され、一端に前記連結用部材24に形成された延長用の雌ねじ27に螺合可能な雄ねじ31からなる螺着部を備えるとともに、他端に六角形などからなるスパナ掛け部32を設けている。
【0016】
しかして、本実施例に係る前記延長部材25を用いて受圧装置を設置する場合には、先ず図21に示したように、アンカー部材1の上端部に前記連結用部材24を螺合して装着する。しかる後、その連結用部材24に形成した延長用の雌ねじ27に対して前記雄ねじ31を螺合して延長部材25を螺着する。その上で、延長部材25の外周面に形成した雄ねじ30に対して前記ナット28を螺合し、さらに図22に示したように弾性手段16を圧縮しながら前記連結用部材24の外周面に形成された雄ねじ29と螺合する位置まで締込む。そして、ナット28の螺合位置が連結用部材24の雄ねじ29側へ移行して、弾性手段16が初期の状態に圧縮された場合には、図22に示したように延長部材25を取外して撤去する。これにより、図示のように、アンカー部材1がナット28の上方へ突出する余長部分を除去したり、あるいはその不要な余長部分を縮小することができ、前記連結用部材24の上部側が多少上方へ突出した図示の設置状態に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を示した分解組立図である。
【図2】第1係合部材を拡大して片側断面で示した部品説明図である。
【図3】同第1係合部材の平面を示した部品説明図である。
【図4】第2係合部材を拡大して内周面を示した部品説明図である。
【図5】同第2係合部材の外周面を示した部品説明図である。
【図6】同第2係合部材の平面を示した部品説明図である。
【図7】上記部品の組立説明図である。
【図8】同部品の組立状態説明図である。
【図9】拘束用のリングを拡大して示した部品説明図である。
【図10】改良前の弾性手段の締込み機構に関する問題点を片側断面で示した説明図である。
【図11】本発明の実施例で使用する延長部材を示した部品説明図である。
【図12】本発明の実施例における弾性手段の締込み手順を示した工程説明図である。
【図13】同弾性手段の締込み手順を示した工程説明図である。
【図14】同弾性手段の締込み手順を示した工程説明図である。
【図15】同弾性手段の締込み手順を示した工程説明図である。
【図16】当初の設置状態を片側断面で示した設置状態説明図である。
【図17】当初の設置状態と地盤が沈下した場合の設置状態を比較して示した設置状態説明図である。
【図18】他の設置形態を片側断面で示した設置状態説明図である。
【図19】本発明の他の実施例で使用する連結用部材を示した部品説明図である。
【図20】同実施例で使用する延長部材を示した部品説明図である。
【図21】同実施例における弾性手段の締込み手順を示した工程説明図である。
【図22】同実施例における弾性手段の締込み手順を示した工程説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1:アンカー部材、2:地盤、3:支圧板、4:第1係合部材、5:第2係合部材、6:係合機構組立体、7:雄ねじ、8:雌ねじ、9:係合面、10:スパナ掛け部、11:係合面、12:溝部、13:リング、14:水平部、15:凹部、16:弾性手段、17:ナット、18:凹部、19:延長部材、20:雄ねじ、21:タッピンねじ、22:スパナ掛け部、23:スペーサ、24:連結用部材、25:延長部材、26,27:雌ねじ、28:ナット、29〜31:雄ねじ、32:スパナ掛け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー部材側に設置される第1係合部材と支圧板側に設置される第2係合部材とを備え、それらの第1係合部材と第2係合部材とを第2係合部材が下方へのみ段階的に移動し得る状態に係合させるとともに、前記第2係合部材と締付用のナット側に設けられた受止部との間に弾性手段を介在させ、その弾性手段の付勢力により第2係合部材を下方へ段階的に移動して地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を吸収するように構成するとともに、一端に前記アンカー部材の頭部に対して螺着可能な螺着部を有し、外周面に前記アンカー部材の外周面に形成された雄ねじと同様の雄ねじを形成した延長部材を備え、その延長部材の一端をアンカー部材の頭部に螺着した状態において、前記ナットを前記弾性手段を圧縮しながらその螺合位置をアンカー部材側へ移行させた上で、前記延長部材を取外すように構成したことを特徴とする受圧装置。
【請求項2】
前記延長部材の一端にタッピンねじからなる螺着部を形成し、そのタッピンねじによって前記アンカー部材の端部に雌ねじを形成しながら、前記延長部材の一端をアンカー部材の頭部に対して螺着するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の受圧装置。
【請求項3】
アンカー部材側に設置される第1係合部材と支圧板側に設置される第2係合部材とを備え、それらの第1係合部材と第2係合部材とを第2係合部材が下方へのみ段階的に移動し得る状態に係合させるとともに、前記第2係合部材と締付用のナット側に設けられた受止部との間に弾性手段を介在させ、その弾性手段の付勢力により第2係合部材を下方へ段階的に移動して地盤側とアンカー部材側との間に生じる間隙を吸収するように構成するとともに、前記アンカー部材の頭部外周面に形成された雄ねじに螺合可能な雌ねじを有し、外周面に前記ナットに形成された雌ねじに螺合可能な雄ねじを形成した連結用部材と、一端に前記連結用部材に形成された延長用の雌ねじに螺合可能な螺着部を有し、外周面に前記連結用部材の外周面に形成された雄ねじと同様の雄ねじを形成した延長部材を備え、その延長部材の一端をアンカー部材の頭部に螺着された前記連結用部材の延長用の雌ねじに対して螺合した状態において、前記ナットを前記弾性手段を圧縮しながらその螺合位置を前記連結用部材側へ移行させた上で、前記延長部材を取外すように構成したことを特徴とする受圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−185553(P2009−185553A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28210(P2008−28210)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】