説明

口腔衛生装置

【課題】複数の機能を備えた口腔衛生装置を提供する。
【解決手段】電動歯ブラシ1には、振動源としての振動発生装置70と、この振動発生装置70を収容する取付ケース12と、この取付ケース12に形成されたブラシ取付軸52に取り付けられる第1機能部としての歯ブラシ20とが設けられている。歯ブラシ20は、ブラシ取付軸52から取り外すことができる。ブラシ取付軸52の上端部分には、第2機能部としてのステインケアアタッチメント40が設けられている。歯ブラシ20には、ステインケアアタッチメント40を収容する空間25が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動源としての振動発生装置と、この振動発生装置を収容する本体ケースと、この本体ケースに形成された取付軸に取り付けられる第1機能部とを備え、この第1機能部を取付軸から取り外すことができる口腔衛生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記口腔衛生装置として、特許文献1に記載の電動歯ブラシが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−168554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記電動歯ブラシは歯磨き以外の機能を有していない。
このため、電動歯ブラシの多機能化という点において改善の余地がある。なお、ここでは電動歯ブラシの課題について言及したが、上記課題は電動歯ブラシ以外の口腔衛生装置(例えばステインケア装置)についても共通している。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の機能を備えた口腔衛生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための手段を以下に記載する。
・本発明の口腔衛生装置は、振動源としての振動発生装置と、この振動発生装置を収容する本体ケースと、この本体ケースに形成された取付軸に取り付けられる第1機能部とを備え、この第1機能部を前記取付軸から取り外すことができること、前記取付軸の先端部分に第2機能部が設けられていること、ならびに、前記第2機能部を収容する空間が前記第1機能部に形成されていることを特徴としている。
【0007】
・この口腔衛生装置においては、前記第1機能部が歯ブラシであることが好ましい。
・この口腔衛生装置においては、前記第2機能部が前記取付軸に取り付けられること、ならびに、前記第2機能部を前記取付軸から取り外すことができることが好ましい。
【0008】
・この口腔衛生装置においては、前記取付軸に空間が形成されていること、ならびに、前記取付軸の空間に前記振動発生装置が収容されていることが好ましい。
・この口腔衛生装置においては、当該口腔衛生装置の側面視において、前記第2機能部が前記本体ケースの中心線に対して後方に偏っていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の機能を備えた口腔衛生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態の電動歯ブラシについて、本体から歯ブラシおよびキャップが取り外された状態の斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)は同(a)のA−A線の断面構造を示す断面図。
【図3】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は本体から歯ブラシおよびキャップが取り外された状態の本体の側面構造を示す側面図、(b)は同(a)の本体の正面構造を示す正面図。
【図4】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は本体から歯ブラシ、キャップ、およびステインケアアタッチメントが取り外された状態の平面構造を示す平面図、(b)は図3(a)のB−B線の断面構造を示す断面図、(c)は本体にステインケアアタッチメントが取り付けられた状態においての図3(b)のC−C線の断面構造を示す断面図。
【図5】同実施形態の電動歯ブラシについて、ステインケアアタッチメントおよびその周辺の斜視構造を示す斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は本体から歯間ブラシが取り外された状態の本体の一部分の正面構造を示す正面図、(b)は同(a)の本体に歯間ブラシが取り付けられた状態の斜視構造を示す斜視図。
【図7】本発明の第3実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はブラシ取付軸部材から歯ブラシが取り外された状態の側面構造を示す側面図、(b)はブラシ取付軸部材に歯ブラシが取り付けられた状態の正面構造を示す正面図。
【図8】同実施形態の電動歯ブラシについて、図7(b)のD−D線の断面構造を示す断面図。
【図9】本発明の第4実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はブラシ取付軸から歯ブラシが取り外された状態の側面構造を示す側面図、(b)はブラシ取付軸に歯ブラシが取り付けられた状態の正面構造を示す正面図。
【図10】同実施形態の電動歯ブラシについて、図9(b)のE−E線の断面構造を示す断面図。
【図11】本発明のその他の実施形態について、本体からキャップが取り外された状態の携帯用のステインケア装置の斜視構造を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1を参照して、口腔衛生装置としての電動歯ブラシ1の構造について説明する。
電動歯ブラシ1には、ユーザーが把持する本体10と、歯を磨く歯ブラシ20と、本体10に取り付けられることにより歯ブラシ20を収容するキャップ30と、歯の着色汚れを取り除くステインケアアタッチメント40とが設けられている。なお、歯ブラシ20は「第1機能部」に相当する。また、ステインケアアタッチメント40は「第2機能部」に相当する。
【0012】
本体10には、ユーザーが把持する把持ケース11と、この把持ケース11に取り付けられる取付ケース12とが設けられている。キャップ30は、取付ケース12への取り付けおよび取付ケース12からの取り外しが可能な状態で取付ケース12に取り付けられる。図2(a)に示されるように、キャップ30が取付ケース12に取り付けられているとき、操作部材17がキャップ30に覆われる。また、キャップ30の外周面と把持ケース11の外周面とが同一の面上に位置する。なお、取付ケース12は「本体ケース」に相当する。
【0013】
取付ケース12には、筒状に形成されたブラシ取付軸52と、ユーザーが電動歯ブラシ1の動作を操作するための操作部材17とが設けられている。なお、ブラシ取付軸52は「取付軸」に相当する。
【0014】
歯ブラシ20は、ブラシ取付軸52への取り付けおよびブラシ取付軸52からの取り外しが可能な状態でブラシ取付軸52に取り付けられている。歯ブラシ20には、複数のブラシ毛21と、これらブラシ毛21を保持するケース22とが設けられている。
【0015】
ここで、電動歯ブラシ1の方向を次のように定義する。
(a)本体10の長手方向を「電動歯ブラシ1の上下方向」とする。この上下方向において、把持ケース11から歯ブラシ20に向かう方向を「電動歯ブラシ1の上方」とし、同上下方向において上方とは反対方向を「電動歯ブラシ1の下方」とする。
(b)ブラシ毛21の長手方向を「電動歯ブラシ1の前後方向」とする。この前後方向において、ブラシ毛21の基端から先端に向かう方向を「電動歯ブラシ1の前方」とし、同前後方向において前方とは反対方向を「電動歯ブラシ1の後方」とする。
【0016】
図2を参照して、電動歯ブラシ1の内部構造について説明する。
図2(b)に示されるように、本体10の内部には、電動歯ブラシ1の電源としての電池13と、スイッチ16が実装された回路基板14と、電池13および回路基板14を互いに接続する接続部材15と、振動源となる振動発生装置70とが設けられている。
【0017】
振動発生装置70には、駆動源となる電動モータ71と、電動モータ71の出力軸72に取り付けられた分銅73とが設けられている。分銅73は、出力軸72に固定されている。また分銅73の重心は、出力軸72に対して偏心している。
【0018】
取付ケース12には、ブラシ取付軸52が形成されたアウターケース50と、このアウターケース50に取り付けられたインナーケース60とが設けられている。
インナーケース60には、電池13が取り付けられた電池取付部分61と、回路基板14が取り付けられた基板取付部分62と、振動発生装置70が取り付けられた装置取付部分63とが設けられている。
【0019】
アウターケース50には、操作部材17が取り付けられた筒状のケース本体51と、ケース本体51の上端部分から上方に突出して形成されたブラシ取付軸52とが設けられている。
【0020】
ブラシ取付軸52には、筒状の軸部分52Aと、この軸部分52Aの上端部分を覆う平面部分52Bとが設けられている。ブラシ取付軸52の内部には、空間53が形成されている。
【0021】
平面部分52Bには、同平面部分52Bから上方に突出する突起部分54が形成されている。ステインケアアタッチメント40は、突起部分54への取り付けおよび突起部分54からの取り外しが可能な状態で突起部分54に取り付けられている。
【0022】
ブラシ取付軸52の空間53には、インナーケース60の装置取付部分63の大部分、振動発生装置70の電動モータ71の大部分、出力軸72、および分銅73が収容されている。また、ブラシ取付軸52の空間53に振動発生装置70が収容された状態においては、装置取付部分63の外側面と軸部分52Aの内側面とが接触している。
【0023】
歯ブラシ20のケース22には、ブラシ毛21を保持する平板状の保持部分23と、保持部分23から下方に向けて延びるケース本体24とが設けられている。
ケース本体24の前面部分24Aは、上方に向かうにつれて後方に傾斜している。ケース本体24の後面部分24Bは、上方に向かうにつれて前方に傾斜している。ケース本体24の前面部分24Aの傾斜度合は、ケース本体24の後面部分24Bの傾斜度合よりも大きい。このため、保持部分23は、本体10の中心線C1に対して後方に位置している。なお、本体10の中心線C1は「本体ケースの中心線」に相当する。
【0024】
ケース本体24には、空間25が形成されている。この空間25は、ケース本体24の前面部分24Aの傾斜および後面部分24Bの傾斜と同様の形状として形成されている。すなわち、空間25の前方の部分の傾斜度合が後方の部分の傾斜度合よりも大きい。
【0025】
ケース本体24の空間25には、ステインケアアタッチメント40が収容されている。ステインケアアタッチメント40の上端は、ケース本体24において空間25を形成する壁面のうちの最も上方の部分よりも下方に位置している。すなわち、空間25の上方の部分にはステインケアアタッチメント40が存在していない部分が形成されている。
【0026】
図1および図2を参照して、電動歯ブラシ1の動作について説明する。
歯ブラシ20がブラシ取付軸52に取り付けられた状態において、操作部材17の操作によりスイッチ16がオン操作されたとき、電池13の電圧が電動モータ71に印加される。そして、電動モータ71の出力軸72および分銅73が回転することにより、電動モータ71が振動する。この振動は、ブラシ取付軸52を介して歯ブラシ20およびステインケアアタッチメント40のそれぞれに伝達される。
【0027】
図2〜図4を参照して、ステインケアアタッチメント40およびその周辺の構成について説明する。
図2(b)に示されるように、ステインケアアタッチメント40には、ブラシ取付軸52の突起部分54に取り付けられる基台41と、歯の着色汚れを取り除く研磨部分44とが設けられている。
【0028】
基台41には、ブラシ取付軸52の突起部分54に取り付けられる台座42と、台座42の上端部分から上方に向けて突出する芯部分43とが設けられている。芯部分43の上端部分には、芯部分43の他の部分よりも拡径された拡径部分43Aが形成されている。
【0029】
研磨部分44は、台座42の上端面および芯部分43を外囲するように形成されている。研磨部分44の上端部分には、上方に向かうにつれて前後方向の幅が小さくなる先細部分44Aが形成されている。研磨部分44の素材としては、研磨剤入りのシリコンゴムが用いられている。
【0030】
図3(a)および(b)に示されるように、台座42には、ブラシ取付軸52の平面部分52Bに対向する底面42Aと、図2の芯部分43が取り付けられる上面42Bと、底面42Aおよび上面42Bを接続する接続部分42Cとが設けられている。接続部分42Cには、一対の平面部分42Dが形成されている。
【0031】
底面42Aの外周縁の形状は、ブラシ取付軸52の平面部分52Bの外周縁の形状に対応している。上面42Bの外周縁の形状は、研磨部分44の下端部分の外周縁の形状に対応している。上面42Bの中心線C2および研磨部分44の中心線は、同軸上に位置している。
【0032】
ブラシ取付軸52の突起部分54の上端部分には、突起部分54から前方に向けて突出する爪部分54Aと、突起部分54から後方に向けて突出する爪部分54Aとが設けられている。前方の爪部分54Aは後方の爪部分54Aよりも大きい。
【0033】
図4(b)に示されるように、台座42には、図4(a)のブラシ取付軸52の突起部分54が挿入される挿入孔42Eと、挿入孔42Eよりも上方に形成された2つの回り止め部分42Fとが形成されている。挿入孔42Eは、図3の台座42の底面42Aを上下方向に貫通している。各回り止め部分42Fには、図4(a)の突起部分54の各爪部分54Aが接触する。
【0034】
図4(a)に示されるように、ブラシ取付軸52の中心線C3は、本体10の中心線C1に対して後方に位置している。ブラシ取付軸52の突起部分54の中心線C4は、ブラシ取付軸52の中心線C3に対して後方に位置している。
【0035】
図4(c)に示されるように、ステインケアアタッチメント40がブラシ取付軸52の突起部分54に取り付けられた状態において、台座42の中心線C2すなわち研磨部分44の中心線は突起部分54の中心線C4と同軸上に位置する。
【0036】
図4および図5を参照して、ステインケアアタッチメント40の取付態様について説明する。
図5(a)に示されるように、ブラシ取付軸52の突起部分54にステインケアアタッチメント40の台座42を挿入する。
【0037】
図5(b)に示されるように、ブラシ取付軸52の突起部分54に台座42を挿入した後、ステインケアアタッチメント40の正面と電動歯ブラシ1の正面とが一致するようにステインケアアタッチメント40を回転させる。
【0038】
図5(c)に示されるように、ステインケアアタッチメント40の正面と電動歯ブラシ1の正面とが一致したとき、図4(c)に示されるように台座42の回り止め部分42Fとブラシ取付軸52の突起部分54の爪部分54Aとが接触する。これにより、ブラシ取付軸52に対するステインケアアタッチメント40の時計回り方向の回転が規制される。
【0039】
ブラシ取付軸52からステインケアアタッチメント40を取り外すとき、図5(c)の状態においてステインケアアタッチメント40をブラシ取付軸52に対して反時計回り方向に回転させる。そして、図5(b)の状態においてステインケアアタッチメント40を上方に移動させる。
【0040】
(実施形態の効果)
本実施形態の電動歯ブラシ1によれば以下の効果が得られる。
(1)電動歯ブラシ1においては、ブラシ取付軸52に歯ブラシ20が取り付けられる。また、ブラシ取付軸52にステインケアアタッチメント40が設けられている。この構成によれば電動歯ブラシ1は、歯ブラシ20による歯磨き機能と、ステインケアアタッチメント40による歯の着色汚れの除去機能とが得られる。すなわち、口腔内の清掃に関する複数の機能を有する電動歯ブラシ1を提供することができる。
【0041】
(2)電動歯ブラシ1においては、歯ブラシ20が本体10に取り付けられた状態のとき、ステインケアアタッチメント40が歯ブラシ20のケース本体24の空間25に収容される。この構成によれば、歯ブラシ20を本体10から取り外して別体のステインケアアタッチメントを本体10に取り付ける構造と比較して、歯ブラシ20を使用する状態からステインケアアタッチメント40を使用する状態に変更する作業が容易になる。
【0042】
(3)電動歯ブラシ1においては、内部に歯ブラシ20およびステインケアアタッチメント40のそれぞれが収容されている。この構成によれば、電動歯ブラシ1とは別のステインケアアタッチメントを本体10に取り付ける構造と比較して携帯性が向上する。
【0043】
(4)電動歯ブラシ1においては、ブラシ取付軸52への取り付けおよび同ブラシ取付軸52からの取り外しが可能な状態でステインケアアタッチメント40がブラシ取付軸52に取り付けられている。この構成によれば、ブラシ取付軸52からステインケアアタッチメント40を取り外した状態でステインケアアタッチメント40を洗浄することができる。また、ステインケアアタッチメント40を新しいステインケアアタッチメント40に交換すること、およびブラシ取付軸52への取り付け構造が共通する別のステインケアアタッチメントに交換することができる。
【0044】
(5)電動歯ブラシ1においては、ブラシ取付軸52に振動発生装置70が収容されている。この構成によれば、振動発生装置70がブラシ取付軸52よりも下方に設けられる構成と比較して、振動発生装置70とステインケアアタッチメント40との間の距離が小さくなるため、振動発生装置70により発生した振動がステインケアアタッチメント40に伝達するまでの距離が小さくなる。これにより、振動発生装置70の振動がステインケアアタッチメント40に伝達するまでの間において同振動が減衰する度合が小さくなるため、振動発生装置70の振動をステインケアアタッチメント40および歯ブラシ20に効率よく伝えることができる。
【0045】
(6)また、ブラシ取付軸52に振動発生装置70が収容されることにより、振動発生装置70がブラシ取付軸52よりも下方に設けられる構造と比較して、本体10の小型化を図ることができる。
【0046】
(7)電動歯ブラシ1においては、電動歯ブラシ1の側面視においてステインケアアタッチメント40が本体10の中心線C1に対して後方に偏っている。この構成によれば、ブラシ取付軸52の平面部分52Bに対応するケース22の部分から保持部分23に向かうにつれてケース本体24の前面部分24Aを後方に向けて傾斜させることができる。また、前面部分24Aが傾斜していることにより、ユーザーが奥歯を磨くときにケース22が歯に接触しにくくなる。
【0047】
(8)電動歯ブラシ1においては、歯ブラシ20によりステインケアアタッチメント40が覆われている。この構成によれば、歯ブラシ20によりステインケアアタッチメント40が覆われていない構成と比較して、ステインケアアタッチメント40を清潔に保つことができる。
【0048】
(9)電動歯ブラシ1においては、ステインケアアタッチメント40の台座42に一対の平面部分42Dが形成されている。この構成によれば、ステインケアアタッチメント40を回転させるときに同ステインケアアタッチメント40を把持しやすくなるため、ブラシ取付軸52へのステインケアアタッチメント40の取り付け作業および同ブラシ取付軸52からのステインケアアタッチメント40の取り外し作業を容易に行うことができる。
【0049】
(第2実施形態)
図6に示される本実施形態の電動歯ブラシ2は、第1実施形態の電動歯ブラシ1の一部を変更したものとして構成されている。このため、以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。なお、図6においては、歯ブラシ20およびキャップ30が省略された状態の電動歯ブラシ2が示されている。
【0050】
第1実施形態の電動歯ブラシ1では、第2機能部としてステインケアアタッチメント40がブラシ取付軸52に取り付けられている。これに対して、本実施形態の電動歯ブラシ2では、第2機能部として歯間ブラシ80がブラシ取付軸52に取り付けられている。また、ブラシ取付軸52に第3機能部としてのステインケアアタッチメント90が設けられている。
【0051】
図6(a)に示されるように、歯間ブラシ80には、ブラシ取付軸52の突起部分54に取り付けられる台座81と、台座81の上端部分から上方に向けて突出するブラシ部分82とが設けられている。
【0052】
台座81は、第1実施形態のステインケアアタッチメント40の台座42と同じ構造を有している。また、歯間ブラシ80のブラシ部分82の中心線C5は、本体10の中心線C1よりも後方側に位置している。
【0053】
ブラシ取付軸52の突起部分54の上端面には、第3機能部としての球面状のステインケアアタッチメント90が設けられている。ステインケアアタッチメント90の素材としては、研磨剤入りのシリコンゴムが用いられている。
【0054】
図6(b)に示されるように、歯間ブラシ80がブラシ取付軸52に取り付けられた状態のとき、図6(a)のステインケアアタッチメント90が台座81に収容されている。この状態において、ブラシ取付軸52に歯ブラシ20が取り付けられたとき、図2の歯ブラシ20の空間25に歯間ブラシ80が収容される。
【0055】
(実施形態の効果)
本実施形態の電動歯ブラシ2によれば、第1実施形態の(2)〜(9)の効果に加え、以下の(10)の効果が得られる。
【0056】
(10)電動歯ブラシ2においては、ブラシ取付軸52に歯ブラシ20および歯間ブラシ80が取り付けられる。また、ブラシ取付軸52にステインケアアタッチメント90が設けられている。この構成によれば、歯ブラシ20による歯磨き機能と、歯間ブラシ80による歯間の汚れを除去する機能と、ステインケアアタッチメント90による歯の着色汚れの除去機能とが得られる。すなわち、口腔内の清掃に関する複数の機能を有する電動歯ブラシ2を提供することができる。
【0057】
(第3実施形態)
図7に示される本実施形態の電動歯ブラシ3は、第1実施形態の電動歯ブラシ1から本体10および歯ブラシ20等をはじめとして電動歯ブラシの全体的な構成を変更したものに相当する。なお、以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0058】
図7を参照して、電動歯ブラシ3の全体構成について説明する。
電動歯ブラシ3には、ユーザーが把持する把持ケース100と、把持ケース100の上端部分から上方に向けて突出するブラシ取付軸部材110と、歯を磨く歯ブラシ120とが設けられている。把持ケース100には、電動歯ブラシ3の動作を操作するための操作部材103が設けられている。なお、把持ケース100は「本体ケース」に相当する。また、歯ブラシ120は「第1機能部」に相当する。
【0059】
ブラシ取付軸部材110の上端部分には、ステインケアアタッチメント113が設けられている。ステインケアアタッチメント113の素材としては、研磨剤入りのシリコンゴムが用いられている。なお、ステインケアアタッチメント113は「第2機能部」に相当する。
【0060】
歯ブラシ120は、ブラシ取付軸部材110への取り付けおよびブラシ取付軸部材110からの取り外しが可能な状態でブラシ取付軸部材110に取り付けられている。歯ブラシ120には、複数のブラシ毛121と、これらブラシ毛121を保持するケース122とが設けられている。
【0061】
図8を参照して、電動歯ブラシ3の内部構造について説明する。
把持ケース100には、操作部材103が取り付けられたアウターケース101と、電源となる電池13および振動源となる振動発生装置130が取り付けられたインナーケース102とが設けられている。
【0062】
ブラシ取付軸部材110の下端部分の外周部分には、弾性部材115が取り付けられている。弾性部材115としてはOリングが用いられている。ブラシ取付軸部材110の下端部分は、弾性部材115を介してアウターケース101に取り付けられている。
【0063】
振動発生装置130には、駆動源としての電動モータ131と、電動モータ131の出力軸132に取り付けられたシャフト133と、シャフト133の上端部分に取り付けられた分銅134とが設けられている。シャフト133は、出力軸132に固定されている。分銅134は、シャフト133に固定されている。
【0064】
ブラシ取付軸部材110の内部には、空間114が形成されている。シャフト133および分銅134は、空間114に収容されている。電動モータ131は、ブラシ取付軸部材110の空間114よりも下方に設けられている。
【0065】
ブラシ取付軸部材110の上端部分には、シャフト133の上端部分を内部に収容する第1突起部分111と、第1突起部分111の上端面から上方に向けて突出する第2突起部分112とが設けられている。
【0066】
第2突起部分112の上端部分には、同第2突起部分112の他の部分よりも拡径した拡径部分112Aが形成されている。
第1突起部分111および第2突起部分112の周囲には、ステインケアアタッチメント113が設けられている。ステインケアアタッチメント113は、上方に向かうにつれて前後方向の幅が小さくなるように形成されている。
【0067】
歯ブラシ120のケース122には、空間123が形成されている。この空間123には、ブラシ取付軸部材110およびステインケアアタッチメント113が収容されている。ステインケアアタッチメント113の上端は、ケース122において空間123を形成する壁面のうちの最も上方の部分よりも下方に位置している。すなわち、空間123の上方の部分には、ステインケアアタッチメント113が存在していない部分が形成されている。
【0068】
(実施形態の効果)
本実施形態の電動歯ブラシ3によれば、第1実施形態の(1)および(2)の効果に加え、以下の(11)および(12)の効果が得られる。
【0069】
(11)電動歯ブラシ3においては、ブラシ取付軸部材110よりも下方に振動発生装置130の電動モータ131が設けられている。この構成によれば、ブラシ取付軸部材110に電動モータ131が収容される構成と比較して、ブラシ取付軸部材110の前後方向の幅を小さくすることができる。
【0070】
(12)電動歯ブラシ3においては、ブラシ取付軸部材110の下端部分が弾性部材115を介してアウターケース101に取り付けられている。この構成によれば、ブラシ取付軸部材110の上端部分が弾性部材115を支点として振動する。このため、ブラシ取付軸部材110が弾性部材115よりも上方の部分を支点として振動する構成と比較して、ブラシ取付軸部材110の上端部分の振幅が大きくなる。
【0071】
(第4実施形態)
図9に示される本実施形態の電動歯ブラシ4は、第1実施形態の電動歯ブラシ1から本体10および歯ブラシ20等をはじめとして電動歯ブラシの全体的な構成を変更したものに相当する。なお、以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0072】
図9を参照して、電動歯ブラシ4の全体構成について説明する。
電動歯ブラシ4には、ユーザーが把持する把持ケース140と、この把持ケース140から上方に向けて突出するブラシ取付軸150と、歯を磨くための歯ブラシ160とが設けられている。なお、把持ケース140は「本体ケース」に相当する。また、歯ブラシ160は「第1機能部」に相当する。
【0073】
把持ケース140には、電動歯ブラシ4の動作を操作するための操作部材144が設けられている。
歯ブラシ160は、ブラシ取付軸150への取り付けおよびブラシ取付軸150からの取り外しが可能な状態でブラシ取付軸150に取り付けられている。歯ブラシ160には、複数のブラシ毛161と、これらブラシ毛161を保持するケース162とが設けられている。
【0074】
ブラシ取付軸150の上端かつ前方の部分には、切欠部分151が形成されている。この切欠部分151には、ステインケアアタッチメント152が設けられている。ステインケアアタッチメント152の素材としては、研磨剤入りのシリコンゴムが用いられている。なお、ステインケアアタッチメント152は「第2機能部」に相当する。
【0075】
図10を参照して、電動歯ブラシ4の内部構造について説明する。
把持ケース140には、操作部材144が取り付けられた第1ケース141と、第1ケース141に取り付けられた第2ケース142と、電源となる電池13および振動源となる振動発生装置170を保持する第3ケース143とが設けられている。
【0076】
振動発生装置170としては、磁石とコイルとの間の磁力に基づいて駆動軸171を上下方向に往復運動させるリニアオシレータが用いられている。駆動軸171の上端部分には、ブラシ取付軸150が取り付けられている。
【0077】
歯ブラシ160のケース162には、空間163が形成されている。この空間163には、ブラシ取付軸150が収容されている。ブラシ取付軸150の上端は、ケース162において空間163を形成する壁面のうちの最も上方の部分よりも下方に位置している。すなわち、空間163の上方の部分にはブラシ取付軸150が存在していない部分が形成されている。
【0078】
(実施形態の効果)
本実施形態の電動歯ブラシ4によれば、第1実施形態の(1)および(2)の効果に加え、以下の(13)および(14)の効果が得られる。
【0079】
(13)電動歯ブラシ4においては、振動発生装置170としてリニアオシレータが設けられている。この構成によれば、振動発生装置70または振動発生装置130が設けられる構成と比較して、振動数および振幅を大きくすることができる。
【0080】
(14)電動歯ブラシ4においては、ブラシ取付軸150の切欠部分151にステインケアアタッチメント152が設けられている。この構成によれば、ブラシ取付軸150の前後方向の幅が小さくなる。
【0081】
(その他の実施形態)
本発明の実施態様は、第1〜第4実施形態の内容に限られるものではなく、例えば以下のように変更することもできる。また以下の変形例は第1〜第4実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0082】
・第1実施形態(図3)では、ブラシ取付軸52への取り付けおよびブラシ取付軸52からの取り外しが可能な状態でステインケアアタッチメント40がブラシ取付軸52に取り付けられるが、ステインケアアタッチメント40とブラシ取付軸52との関係を次のように変更することもできる。すなわち、ブラシ取付軸52から取り外しができないようにステインケアアタッチメント40をブラシ取付軸52に固定することもできる。
【0083】
・第1実施形態(図2)では、振動発生装置70の電動モータ71がブラシ取付軸52の空間53に収容されているが、電動モータ71をブラシ取付軸52よりも下方に設けることもできる。
【0084】
・第1実施形態(図4)では、ステインケアアタッチメント40の中心線すなわち台座42の中心線C2がブラシ取付軸52の中心線C3に対して後方に位置しているが、ブラシ取付軸52の中心線C3とステインケアアタッチメント40の中心線とを同軸とすることもできる。
【0085】
・第2実施形態(図6)では、ステインケアアタッチメント90がブラシ取付軸52の突起部分54に固定されているが、突起部分54からの取り外しが可能な状態で突起部分54にステインケアアタッチメント90を取り付けることもできる。
【0086】
・第2実施形態(図6)では、ステインケアアタッチメント90がブラシ取付軸52の突起部分54に設けられているが、ステインケアアタッチメント90に代えて、爪磨き用アタッチメントまたは歯茎マッサージアタッチメントを突起部分54に設けることもできる。
【0087】
・第1および第2実施形態(図1および図6)では、本体10にキャップ30が取り付けられているが、キャップ30を省略することもできる。
・第3実施形態(図8)において、振動発生装置130に代えて振動発生装置170を用いることもできる。この場合、ブラシ取付軸部材110に振動発生装置170の駆動軸171が接続される。
【0088】
・第1〜第4実施形態(図1、図6、図7、および図9)においては、第1機能部および第2機能部の組合せを次のように変更することもできる。
(A)第1機能部として歯ブラシを備え、第2機能部として歯ブラシ、歯茎マッサージアタッチメント、ポイント磨きブラシ、爪磨き用アタッチメント、歯磨剤チューブ、および振動調整用の鐘のいずれか1つを備える。
【0089】
(B)第1機能部として歯茎マッサージアタッチメントを備え、第2機能部として歯ブラシ、歯茎マッサージアタッチメント、ポイント磨きブラシ、爪磨き用アタッチメント、歯磨剤チューブ、振動調整用の鐘、歯間ブラシ、およびステインケアアタッチメントのいずれか1つを備える。
【0090】
(C)第1機能部としてポイント磨きブラシを備え、第2機能部としてポイント磨きブラシ、歯ブラシ、歯茎マッサージアタッチメント、爪磨き用アタッチメント、歯磨剤チューブ、振動調整用の鐘、歯間ブラシ、およびステインケアアタッチメントのいずれか1つを備える。
【0091】
(D)第1機能部として爪磨き用アタッチメントを備え、第2機能部として歯ブラシ、歯茎マッサージアタッチメント、ポイント磨きブラシ、歯磨剤チューブ、振動調整用の鐘、歯間ブラシ、およびステインケアアタッチメントのいずれか1つを備える。
【0092】
(E)第1機能部としてステインケアアタッチメントを備え、第2機能部としてステインケアアタッチメント、歯ブラシ、歯茎マッサージアタッチメント、ポイント磨きブラシ、爪磨き用アタッチメント、歯磨剤チューブ、振動調整用の鐘、歯間ブラシ、およびペースト剤チューブのいずれか1つを備える。
【0093】
(F)第1機能部として歯間ブラシを備え、第2機能部として歯間ブラシ、歯ブラシ、歯茎マッサージアタッチメント、ポイント磨きブラシ、爪磨き用アタッチメント、歯磨剤チューブ、および振動調整用の鐘のいずれか1つを備える。
【0094】
・上記(A)〜(F)の変形例のうちの振動調整用の錘を備える構成においては、本体10への取り付けおよび本体10からの取り外しが可能な状態で錘が本体10に取り付けられる。そして、錘が本体10に取り付けられた場合には、振動発生装置70の振動が弱くなる。一方、錘が本体10から取り外された場合には、振動発生装置70の振動が強くなる。すなわち、本体10に対する錘の取付状態を変更することにより振動発生装置70の振動を調整することができる。
【0095】
・第1〜第4実施形態(図1、図6、図7、および図9)では、ステインケアアタッチメント40,90,113,152がシリコンゴムにより形成されているが、ステインケアアタッチメントの構成を次のように変更することもできる。すなわち、金属材料にローレット加工を施すことによりステインケアアタッチメントを形成することもできる。
【0096】
・第1〜第4実施形態(図1、図6、図7、および図9)では、本発明の口腔衛生装置を電動歯ブラシ1〜4として具体化した一例を示しているが、本発明の口腔衛生装置を電動歯ブラシ以外の装置として具体化することもできる。その一例として、図11に示される携帯用のステインケア装置5が挙げられる。
【0097】
この携帯用のステインケア装置5には、上記(E)の変形例に示される組み合わせの第1機能部および第2機能部が設けられる。また、このステインケア装置5において、ステインケアアタッチメント40が取り付けられた図11の状態は、第1実施形態の電動歯ブラシ1から歯ブラシ20が省略された構成に相当する。
【0098】
(口腔衛生装置の実施形態の参考例)
・ステインケア装置5から第2機能部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0099】
1,2,3,4…電動歯ブラシ(口腔衛生装置)、5…ステインケア装置(口腔衛生装置)、12…取付ケース(本体ケース)、20…歯ブラシ(第1機能部)、25…空間、40…ステインケアアタッチメント(第2機能部)、52…ブラシ取付軸(取付軸)、53…空間、70…振動発生装置、80…歯間ブラシ(第2機能部)、100…把持ケース(本体ケース)、110…ブラシ取付軸部材(取付軸)、113…ステインケアアタッチメント(第2機能部)、120…歯ブラシ(第1機能部)、123…空間、130…振動発生装置、140…把持ケース(本体ケース)、150…ブラシ取付軸(取付軸)、152…ステインケアアタッチメント(第2機能部)、160…歯ブラシ(第1機能部)、163…空間、170…振動発生装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動源としての振動発生装置と、この振動発生装置を収容する本体ケースと、この本体ケースに形成された取付軸に取り付けられる第1機能部とを備え、この第1機能部を前記取付軸から取り外すことができる口腔衛生装置において、
前記取付軸の先端部分に第2機能部が設けられていること、
ならびに、前記第2機能部を収容する空間が前記第1機能部に形成されていること
を特徴とする口腔衛生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の口腔衛生装置において、
前記第1機能部が歯ブラシであること
を特徴とする口腔衛生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の口腔衛生装置において、
前記第2機能部が前記取付軸に取り付けられること、
ならびに、前記第2機能部を前記取付軸から取り外すことができること
を特徴とする口腔衛生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の口腔衛生装置において、
前記取付軸に空間が形成されていること、
ならびに、前記取付軸の空間に前記振動発生装置が収容されていること
を特徴とする口腔衛生装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の口腔衛生装置において、
当該口腔衛生装置の側面視において、前記第2機能部が前記本体ケースの中心線に対して後方に偏っていること
を特徴とする口腔衛生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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