説明

可動部品稼動情報の保持方法とこれを用いた機器

【課題】 部品の交換時期を把握でき、動作不良時に稼動部品の寿命などとの関連を明確にすることのできる可動部品稼動情報の保持方法を実現する。
【解決手段】 機器に搭載された可動部品2のオン動作ごとに、不揮発メモリ28から、可動部品2の稼動量を読み出すステップと、稼動量に、オン動作に基づいて前記可動部品2に生じた稼動量を加算するステップと、加算された稼動量から所定サイズのデータを取り出すごとに機器の電源スイッチ7の状態をチェックするステップと、電源スイッチ7がオンのときに所定サイズのデータを不揮発メモリ28に書き込むステップとを含むことを特徴とする可動部品稼動情報の保持方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共焦点顕微鏡などの機器に搭載された可動部品の稼動情報の保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
創薬スクリーニング装置ではウェルプレートにあるアレイ状のウェル(穴)に並べられた試料に特定の波長の光を照射して励起し、励起された試料から出る蛍光像を顕微鏡システムで拡大し、拡大像をカメラで取り込んでいる。その場合、全ウェルから蛍光画像を取得するため、XYステージでウェルプレートを移動する。次に、カメラで取得した画像に対して画像処理をし、その結果を元に薬の候補になる試料を見出している。画像の画質を高めるため、顕微鏡とカメラの間に共焦点スキャナユニット(以下共焦点ユニットと呼ぶ)が設置される。
【0003】
図6は従来の共焦点ユニットの構成を示す構成ブロック図である。
【0004】
スピンドルモータ1はマイクロレンズ(図示せず)とピンホール(図示せず)を回転するためのモータ、シャッタ2はレーザ光の入射をオン/オフするための電動メカニカルシャッタ、ダイクロイックミラーモータ(以下ダイクロミラーモータと記す)3は複数のダイクロイックミラーの移動切り替えを行うためのモータ、フィルタホイール4は光の波長を分離するためのフィルタを複数枚格納し、モータによってフィルタを切り替える。CPU5はスピンドルモータ1、シャッタ2、ダイクロミラーモータ3、フィルタホイール4などの可動部品を制御する。電源6は共焦点ユニットの上記各構成要素に電力を供給し、電源スイッチ7は電源6をオンオフする。
【0005】
図6の装置の動作を次に説明する。
【0006】
共焦点ユニットの電源スイッチ7がオンになると電源6から各構成要素に電力が供給され、CPU5が以下の制御を行う。まず、スピンドルモータ1がオンとなり、その回転によりマイクロレンズとピンホールが回転する。続いて励起用レーザ光源のシャッタ2が閉じられ、レーザ光が試料に照射されないようにする。次にダイクロミラーモータ3がオンとなり、ダイクロイックミラーが共焦点画像の結像する位置に移動する。次にフィルタホイール4がオンとなり、その回転によりフィルタが選択される。その結果、複数波長のレーザ光から特定波長の光が分離されて選択的に出射され、適切な周波数の光による画像の観測が可能となる。次に励起用レーザ光源のシャッタ2が開き、カメラは共焦点画像を取得し、観察および画像取り込みなどを行う。再びシャッタ2が閉じ、以下同様に繰り返す。試料の観測および画像処理が終了すると、電源スイッチ7がオフにされ、共焦点ユニットは停止する。
【0007】
このような共焦点顕微鏡装置の先行技術としては下記のような特許文献が知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2007−199458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の共焦点ユニットでは以下のような問題があった。
【0010】
(1)部品稼動情報を保持していない
共焦点ユニットは図6の1〜4の様に複数の可動部品を搭載しているが、それぞれの部品の使用頻度はユーザのアプリケーションにより大きく異なる。可動部品には稼動回数などの仕様が定められているが、従来の共焦点ユニットでは各可動部の稼働時間、稼働回数などの情報が保持されていない。そのため、部品の交換時期が分からないという問題や、動作不良時に可動部品の寿命などが関連しているかどうかが分からないという問題があった。
【0011】
(2)保持するためには大規模の電気回路が必要
上記(1)の部品稼動情報を保持するために、例えば不揮発メディアに保存することが考えられる。
【0012】
図7は図6の共焦点ユニットにおいて部品稼動情報を保持するために、不揮発メディアを用いた場合の構成を示す構成ブロック図である。
【0013】
不揮発メモリ8はEEPROMなどからなり、CPU5を介して書き込まれるスピンドルモータ1、シャッタ2、ダイクロミラーモータ3、フィルタホイール4など各可動部に関する部品稼動情報を保持する。電源制御回路9は電源スイッチ7と電源6の間に接続し、電源オフ時に不揮発メモリ8への書き込み完了までの時間を確保する。
【0014】
図7で不揮発メモリとして用いたEEPROMなどは、書き込みシーケンスに数百msec〜数秒かかるので、その間電圧を保持するような大規模の電源制御回路が必要となる。不揮発メディアとしてハードディスクを用いた場合も同様である。
【0015】
図8は、図6の共焦点ユニットにおいて部品稼動情報を保持するために、揮発性メモリを用いた場合の構成を示す構成ブロック図である。
【0016】
揮発性メモリ18はSRAMなどからなり、CPU5を介して書き込まれるスピンドルモータ1、シャッタ2、ダイクロミラーモータ3、フィルタホイール4など各可動部に関する部品稼動情報を保存する。バッテリ回路10は、電源オフ時にこれらのデータを保持するため、揮発性メモリ18を駆動する。
【0017】
すなわち、SRAMなどの高速書き込み可能な揮発メモリを用いる場合は、別途バッテリ回路などの装着が必要となり、回路規模が大きくなる。
【0018】
以上述べたように、従来の共焦点ユニットでは上記(1)のような問題点があり、その解消に上記(2)のような方法を用いると、回路規模が大きくなってしまうという、新たな問題が生じる。共焦点ユニットのように顕微鏡に取り付けるものは、顕微鏡との関係で実装面積に制限があり、上記のような大規模な回路を載せることは困難である
【0019】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、各部品の稼働時間、稼働回数などの部品稼動情報を小規模回路にて保持可能とすることにより、部品の交換時期を把握でき、動作不良時に稼動部品の寿命などとの関連を明確にすることのできる可動部品稼動情報の保持方法を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
機器に搭載された可動部品のオン動作ごとに、前記機器の電源スイッチがオフになった後電源電圧の降下中に少なくとも所定サイズのデータの書き込みが可能である不揮発メモリから、前記可動部品の稼動量を読み出すステップと、
前記稼動量に前記オン動作に基づいて前記可動部品に生じた稼動量を加算するステップと、
加算された稼動量から前記所定サイズのデータを取り出すごとに前記機器の電源スイッチの状態をチェックするステップと、
前記電源スイッチがオンのときに前記所定サイズのデータを前記不揮発メモリに書き込むステップと
を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の可動部品稼動情報の保持方法において、
前記加算された稼動量が前記可動部品の稼動限界値を超えているかチェックするステップと、
前記稼動限界値を超えている場合は前記可動部品の交換時期である旨の警報出力を前記機器から発生するステップと
を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載の可動部品稼動情報の保持方法において、
前記加算された稼動量を前記不揮発メモリの複数領域に書き込むステップと、
前記複数領域から読み出した複数の稼動量から多数決アルゴリズムにより稼動量を決定するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の可動部品稼動情報の保持方法において、
前記稼動量を稼動時間とすることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の可動部品稼動情報の保持方法において、
前記稼動量を稼動回数とし、前記可動部品のオン動作ごとに前記稼動量に1加算することを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の発明は、
請求項5に記載の可動部品稼動情報の保持方法において、
前記機器を共焦点顕微鏡とし、前記可動部品をシャッタとし、前記オン動作を開閉動作とし、前記稼動回数を開閉回数データとしたことを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の発明は、
請求項1乃至6のいずれかに記載の可動部品稼動情報の保持方法において、
前記不揮発メモリとしてFRAMを用い、前記所定サイズのデータを1バイトデータとしたことを特徴とする。
【0027】
請求項8記載の発明は、
可動部品が搭載された機器において、
可動部品が搭載され、電源スイッチによりオンオフされる電源に駆動される機器において、
前記電源により駆動され、前記電源スイッチがオフになった後電源電圧の降下中に、少なくとも所定サイズのデータの書き込みが可能である不揮発メモリと、
前記可動部品のオン動作ごとに、前記不揮発メモリから前記可動部品の稼動量を読み出し、前記オン動作に基づいて前記可動部品に生じた稼動量を加算し、加算された稼動量の前記所定サイズのデータごとに、前記電源スイッチの状態をチェックして、オンのとき前記不揮発メモリに書き込む制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項9記載の発明は、
請求項8に記載の機器において、
前記不揮発メモリとしてFRAMを用い、前記所定サイズのデータを1バイトデータとしたことを特徴とする。
【0029】
請求項10記載の発明は、
請求項8または9に記載の機器において、
前記機器が共焦点顕微鏡または共焦点ユニットであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明の可動部品稼動情報の保持方法によれば、機器に搭載された可動部品のオン動作ごとに、前記機器の電源スイッチがオフになった後電源電圧の降下中に少なくとも所定サイズのデータの書き込みが可能である不揮発メモリから、前記可動部品の稼動量を読み出すステップと、前記稼動量に前記オン動作に基づいて前記可動部品に生じた稼動量を加算するステップと、加算された稼動量から前記所定サイズのデータを取り出すごとに前記機器の電源スイッチの状態をチェックするステップと、前記電源スイッチがオンのときに前記所定サイズのデータを前記不揮発メモリに書き込むステップとを含むことによって、各部品の稼働時間、稼働回数などの部品稼動情報を小規模回路にて保持可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の実施の形態に係る、可動部品稼動情報の保持方法の一実施例を示すための共焦点ユニットの構成ブロック図である。図6と同一要素には同一記号を付して重複する説明は省略する。
【0033】
不揮発メモリ28はFRAM(Ferroelectric Random Access Memory:強誘電体メモリ)などの高速書き込み可能な不揮発メモリからなり、CPU5を介して書き込まれる、スピンドルモータ1、シャッタ2、ダイクロミラーモータ3、フィルタホイール4などの、各可動部に関する部品稼動情報を保持する。
【0034】
電源6はスピンドルモータ1、シャッタ2、ダイクロミラーモータ3、フィルタホイール4、CPU5、高速書き込み可能不揮発メモリ28などの、共焦点ユニットの各構成要素に電力を供給する。電源スイッチ7は電源6をオン/オフするが、そのオン/オフ状態はCPU5により認識可能となっている。
【0035】
ここで、FRAMからなる不揮発メモリ28への1バイトの書き込みは、CPU5の動作を含めても100〜200μs以下の高速で行われ、書き込み中に電源スイッチ7により電源6がオフされても電圧降下中に書き込み完了することが可能である。すなわち、高速書き込み可能な不揮発メモリ28としては、電源スイッチ7がオフになった後電源電圧の降下中に、少なくとも1バイトデータの書き込みが可能なものを用いる必要がある。
【0036】
図1の共焦点ユニットにおける可動部品稼動情報の保存動作を以下に説明する。
【0037】
図2は、シャッタ2の稼動情報の保存シーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0038】
電源スイッチ7がオンの状態で、シャッタ2が開動作を実行すると(ステップS1)、不揮発メモリ28からシャッタ開閉回数データがCPU5に読み出される(ステップS2)。CPU5はシャッタ2の開閉回数を1増加(インクリメント)し(ステップS3)、不揮発メモリ28に書き込む(ステップS4)。次にシャッタ2の開閉回数がCPU5によりチェックされ(ステップS5)、稼動限界値を超えている場合、警報出力を発生してユーザに交換時期であることが伝えられ(ステップS6)、稼動限界値を超えていない場合は終了する(ステップS7)。
【0039】
なお、シャッタ2が閉動作を実行した場合も開閉回数を1増加して同様に処理される。
【0040】
図3は、図2のステップS4における、不揮発メモリ28への書き込みシーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0041】
CPU5でインクリメントされたシャッタ2の開閉回数データから1バイト分が取り出される(ステップS41)。電源スイッチ7の状態がチェックされ(ステップS42)、オフの場合は終了する。電源スイッチ7の状態がオンの場合は、1バイト分のデータは不揮発メモリ28に書き込まれ(ステップS43)。次に全バイト数書き込まれたかどうかがチェックされ(ステップS44)、書き込まれた場合は終了し、書き込まれていない場合は再び先頭(ステップS41)から実行する。
【0042】
上記の説明で、シャッタ2の開動作と閉動作はいずれもオン動作を構成し、シャッタ2の開閉回数は可動部品の稼動量を構成する。
【0043】
また、CPU5は、可動部品のオン動作ごとに、不揮発メモリから可動部品の稼動量を読み出し、オン動作に基づいて可動部品に生じた稼動量を加算し、加算された稼動量の所定サイズのデータごとに、電源スイッチの状態をチェックして、電源スイッチがオンのとき不揮発メモリに書き込む制御手段を構成する。
【0044】
なお、上記シーケンスのステップS42で、電源スイッチ7の状態がオンになっている場合は、その直後に電源スイッチ7がオフにされても不揮発メモリ28への書き込みは行われる。これは、不揮発メモリ28への書き込みが短時間で可能なので、電源6の電圧降下中に書き込み完了するためである。
【0045】
上記のような構成の可動部品稼動情報の保持方法によれば、FRAMなどの高速書き込み可能な不揮発メモリを使うことにより、1バイトデータの書き込み時間を、CPUの動作を含めても100〜200μs以内とすることができるので、書き込み中に電源がオフにされても電圧降下中に書き込み完了することが可能となる。
【0046】
また、高速書き込み可能な不揮発メモリにデータを1バイトずつ格納することにより、書き込み時間をより短くすることができ、書き込み不良によるエラーを減少することができる。
【0047】
また、電源スイッチの状態がオフとなっていて、FRAMに書き込むことができない場合が多少生じても、シャッタの開閉回数の積算値をチェックするような用途では、概算の回数が分かればよいことから、問題とはならない。
【0048】
また、従来の不揮発メモリや揮発メモリを用いた場合と異なり、終了時の電源制御やメモリ保持用のバッテリ装着などの回路追加が不要で、高速書き込み可能な不揮発メモリと上記したようなソフトウエアによる保存シーケンスを用いることにより、小規模回路にて部品の稼動情報を保持することが可能になる。したがって、共焦点ユニットのように顕微鏡に取り付けられるような、実装面積に制約があるような場合にも、機器に搭載された可動部品の交換時期を把握でき、動作不良時に稼動部品の寿命などとの関連を明確にすることができる。
【0049】
なお、上記の実施例では、加算された稼動量を、高速書き込みが可能な任意の不揮発メモリとしてFRAMを用いて1バイトデータごとに書き込んでいるが、これに制限されない。すなわち、任意の高速書き込み可能な不揮発メモリを用いて、機器の電源スイッチがオフになった後電源電圧の降下中に書き込み可能な、所定サイズのデータごとに書き込むことができる。
【0050】
また高速書き込みが可能な不揮発メモリとしてFRAMの代わりに、例えばMRAM(磁気抵抗メモリ)やPRAM(相変化メモリ)を用いてもよい。
【0051】
また、共焦点ユニットに限らず、小規模回路での可動部品稼動情報や部品稼動情報の保持が必要とされる各種の機器、装置に適用することができる。
図4は図1の実施例の一変形例で、加算された稼動量を、高速書き込み可能な不揮発メモリの複数領域に書き込むもののシーケンスを示すフローチャートである。
【0052】
図2のステップS4でシャッタ開閉回数を不揮発メモリ28に書き込む場合に、図2のステップS3に続いて発生される情報書き込み依頼(ステップS4s)に応じて、シャッタ開閉回数データは、図3のシーケンスを3回繰り返して、不揮発メモリ28のA領域(ステップS4a)、B領域(ステップS4b)、C領域(ステップS4c)に順次書き込まれる。
【0053】
図5は図4のフローチャートで複数領域に書き込まれたデータの、多数決アルゴリズムによる読み出しシーケンスを示すフローチャートである。
【0054】
図2のステップS2において、情報読み出し依頼が発生すると(ステップS101)、まず不揮発メモリ28のA領域からシャッタ開閉回数データ(以下データと記す)が読み出される(ステップS102)。次に不揮発メモリ28のB領域からデータが読み出され(ステップS103)、データAとデータBが等しいかがチャックされる(ステップS104)。データAとBが等しい場合はデータAを読み出しデータとして返す(ステップS105)。データAとデータBが異なる場合は、不揮発メモリ28のC領域からデータが読み出され(ステップS106)、データAとデータCが等しいかがチャックされる(ステップS107)。データAとデータCが等しい場合はデータAを読み出しデータとして返す(ステップS104)。データAとデータCが異なるときは、データBとデータCが等しいかがチャックされる(ステップS108)。データBとデータCが等しい場合はデータBを読み出しデータとして返す(ステップS109)。データBとデータCが異なるときは、「エラー」もしくはA,B,Cのいずれか定めたもの、最大値または最小値などを読み出しデータとして返す。
【0055】
上記の変形例に示したように、高速書き込み可能な不揮発メモリの特性を生かして、書き込み時にメモリの複数個所に書き込むようにすれば、電源断などによるデータ書き込み不良が発生しても、書き込み不良が複数個発生することは殆んどないので、図5に示した多数決アルゴリズムなどを用いて読み出しデータを決定することにより、エラーを回避することができる。
【0056】
また、上記の実施例や変形例では、可動部品の稼動量としてシャッタ2の開閉回数を用いて、開閉回数に基づいてシャッタ2が交換時期にあるかどうかをチェックしているが、スピンドルモータ1、ダイクロミラーモータ3、フィルタホイール4などの場合は、可動部品の稼動量として稼働時間に基づいてチェックすることができる。この場合は、高速書き込み可能な不揮発メモリ28から上記各可動部品の動作時間を読み出してオン動作ごとに周知の方法で計数または測定した動作時間を加算し、動作時間の稼動限界値と比較チェックする。
【0057】
なお、上記の変形例では3領域に書き込む場合を示したが、これに限られず、任意の数の領域に書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係る、可動部品稼動情報の保持方法の一実施例を示すための共焦点ユニットの構成ブロック図である。
【図2】シャッタ2の稼動情報の保存シーケンスの一例を示すフローチャートである。
【図3】不揮発メモリ28への書き込みシーケンスの一例を示すフローチャートである。
【図4】図1の実施例の一変形例を示すフローチャートである。
【図5】多数決アルゴリズムによる読み出しシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】従来の共焦点ユニットの構成を示す構成ブロック図である。
【図7】図6の共焦点ユニットにおいて部品稼動情報を保持するために、不揮発メディアを用いた場合の構成を示す構成ブロック図である。
【図8】図6の共焦点ユニットにおいて部品稼動情報を保持するために、揮発性メモリを用いた場合の構成を示す構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1〜4 可動部品
5 制御手段
6 電源
7 電源スイッチ
28 不揮発メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に搭載された可動部品のオン動作ごとに、前記機器の電源スイッチがオフになった後電源電圧の降下中に少なくとも所定サイズのデータの書き込みが可能である不揮発メモリから、前記可動部品の稼動量を読み出すステップと、
前記稼動量に前記オン動作に基づいて前記可動部品に生じた稼動量を加算するステップと、
加算された稼動量から前記所定サイズのデータを取り出すごとに前記機器の電源スイッチの状態をチェックするステップと、
前記電源スイッチがオンのときに前記所定サイズのデータを前記不揮発メモリに書き込むステップと
を含むことを特徴とする可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項2】
前記加算された稼動量が前記可動部品の稼動限界値を超えているかチェックするステップと、
前記稼動限界値を超えている場合は前記可動部品の交換時期である旨の警報出力を前記機器から発生するステップと
を含むことを特徴とする請求項1記載の可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項3】
前記加算された稼動量を前記不揮発メモリの複数領域に書き込むステップと、
前記複数領域から読み出した複数の稼動量から多数決アルゴリズムにより稼動量を決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1または2記載の可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項4】
前記稼動量を稼動時間とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項5】
前記稼動量を稼動回数とし、前記可動部品のオン動作ごとに前記稼動量に1加算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項6】
前記機器を共焦点顕微鏡とし、前記可動部品をシャッタとし、前記オン動作を開閉動作とし、前記稼動回数を開閉回数データとしたことを特徴とする請求項5に記載の可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項7】
前記不揮発メモリとしてFRAMを用い、前記所定サイズのデータを1バイトデータとしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の可動部品稼動情報の保持方法。
【請求項8】
可動部品が搭載され、電源スイッチによりオンオフされる電源に駆動される機器において、
前記電源により駆動され、前記電源スイッチがオフになった後電源電圧の降下中に、少なくとも所定サイズのデータの書き込みが可能である不揮発メモリと、
前記可動部品のオン動作ごとに、前記不揮発メモリから前記可動部品の稼動量を読み出し、前記オン動作に基づいて前記可動部品に生じた稼動量を加算し、加算された稼動量の前記所定サイズのデータごとに、前記電源スイッチの状態をチェックして、オンのとき前記不揮発メモリに書き込む制御手段と、
を備えたことを特徴とする機器。
【請求項9】
前記不揮発メモリとしてFRAMを用い、前記所定サイズのデータを1バイトデータとしたことを特徴とする請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記機器が共焦点顕微鏡または共焦点ユニットであることを特徴とする請求項8または9に記載の機器。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−198620(P2009−198620A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38156(P2008−38156)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】