説明

可変抽出筒を有する液体容器

【課題】頂部開口部および抽出筒から必要に応じて急速に充填可能であるが、液体抽出操作中は、抽出筒外の容器領域での変動に関係する抽出筒セットリング内での液面に関する所望の特性を有する液体容器を提供する。
【解決手段】頂部開口部5を有し、該開口部5と一直線に並んで容器1内に延在しており、抽出筒中に導入可能な液体抜き取り要素による液体の抜き取りを行うための管状抽出筒を有し、前記抽出筒が容器土台部9に隣接する底部端領域に液体浸透性ゾーン18を有している液体容器1を提案する。前記液体浸透性ゾーン18の液体浸透性に関して、前記抽出筒を、前記容器中に入ったままで、最小液体浸透性の所定の限度セッティングとより大きい液体浸透性の所定のセッティングとの間で調節可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頂部開口部を有し、頂部開口部と一直線に並んで容器内に延在しており、上部から抽出筒中に導入可能な抽出要素、特にはピペットによる液体の抽出を行うための管状抽出筒を有する液体容器であって、前記抽出筒が容器土台部に隣接する底部端領域に液体浸透性ゾーンを有する前記液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は特には、自動分析装置における試薬液体容器として用いられる液体容器に関するものである。そのような自動分析装置で用いられる場合、前記液体容器は自動ピペッティングによってそれから抽出される試薬液体を有する。それは、より最新のシステムでは高速で行われることで、関連する分析操作のスループットを高くすることができる。その場合に液体容器は、例えばローターの形態での運搬手段によってピペッティングステーションに迅速に供給され、そこで停止され、その時点で自動ピペットまたは吸引針が液体容器の頂部開口部を貫通して抽出筒に進入することで、吸引によって液体を抽出する。高スループットを得るための自動分析装置の場合、ピペッティングゾーンでの液体容器の位置決めを含めた各個々のピペッティング操作には、数秒という極めて短いサイクル時間しか使えない。そのために、液体容器がピペッティングゾーンで突然停止すると、液体が容器内で跳ねて、上方向に飛び散る可能性があり、その場合には個々の待機期間が経ってからでなければ安定化した液面とすることができない場合が多く、その期間が、高スループットの操作に必要な短いピペッティングサイクル時間より長く続くという問題が生じる。液面が抽出筒でかなりの程度で変動している状態でのピペッティングは、ピペット先端が比較的広い領域にわたって先端外の部分に付着した液体で濡れるという望ましくない状態となるために、ピペットを液体容器から引き戻す時に比較的多量の同伴された液体がピペット先端外の部分に残るため、さらにピペッティング操作を行う場合に汚染を生じることから、通常は回避すべきである。これを回避するために、ピペッティング中にはピペット先端は、ピペッティングされるべき液体中に少しだけ入るようにすべきであり、液体容器での充填液面は可能な限り静止状態とすべきである。液面変動のためにピペットが空気を取り込むという状況も回避すべきである。さらに、抽出筒での気泡の形成も防ぐべきである。
【0003】
抽出筒を有する反応液体容器に関係する先行技術に関しては、WO97/12677A1、US5102631またはDE3838278C1を挙げることができる。WO97/12677A1からの液体容器の場合、管状抽出筒には、頂端部に放射方向で外向きに突出しているフランジが設けられており、それにより、筒は容器開口部のノズル上に掛けられた状態で支持されている。ここでは、抽出筒の完全に開口した底部端が、液体容器の土台部近傍に延在しており、その場合に、抽出筒の底部開口により、抽出筒とそれを封入する液体容器の内部領域との間の液体連通を、狭い土台部ギャップによってのみ行うことができる。ピペッティング時に容器内部と周囲との間で均圧化を行えるようにするために、抽出筒の頂部領域にスロット状の壁厚が小さくなった部分があり、これは液体容器の開口ノズルと抽出筒の横表面の間で空気を流すことができるようにするためのものである。
【0004】
DE3838278C1には、抽出筒を有する液体容器が開示されており、その場合に抽出筒の断面が頂部容器開口の断面よりかなり小さくなっており、この抽出筒は、開口ノズルにネジ留めされたネジ蓋を貫通しており、その蓋に固定されている。ネジ蓋にある貫通孔によって、容器内部と外部周囲との間の均圧化を行うことができる。抽出筒は容器土台部近傍まで延在しており、その場合に、抽出筒とそれを収容する容器内部との間の液体交換は、抽出筒の開口した下面によって行うことができる。DE3838278C1の別の実施形態の場合、抽出筒の頂部端での外周および頂部端で抽出筒を封入するノズルの内周はわずかに異なっているのみであり、その場合には、容器内部と周囲の間の均圧化のための十分な大きさの通気路が、抽出筒外部とノズル内表面の間には残っていない。均圧化のためには、抽出筒の頂部端の横表面に貫通孔が設けられている。抽出筒は底部端でほぼ完全に開口していることで、抽出筒の底部端にスペーシング用の網構造が設けられている。
【0005】
US5102631から公知である液体容器は、DE3838278C1の最後に言及した実施形態と同様の構成のものであり、同様に抽出筒の頂部端でそれの横表面に貫通孔を有する。抽出筒は液体容器の土台部まで延在しているが、抽出筒の底部端の横表面に大きい横開口が設けられている。
【0006】
抽出筒の機能的原理によれば、それが設けられるのは、小さいスペースしかないために、抽出筒の底部端とそれに対向して配置された容器土台部との間で高流動抵抗を形成するための狭い流動間隙しかない公知の例の場合であり、その場合に、抽出筒外部の容器容量の変動は、せいぜい減衰状態でのみ抽出筒内で作用し得る。従って、前記公知の抽出筒は、容器土台部に隣接する端部領域に、液体浸透性レベルが低い液体浸透性ゾーンを有する。
【0007】
しかしながら、抽出筒の所望の機能に必要なこの液体浸透性の制限も不利な点に関連するものである。すなわち、最初の例で頂部開口部から抽出筒を通過して液体を充填する、ここで問題とする種類の液体容器の場合である。液体浸透性ゾーンの液体浸透性のレベルが低いために、抽出筒での充填レベルは、抽出筒外部の容器領域での充填レベルよりかなり急速に上昇することから、充填は非常にゆっくり行うべきである。過度に急速に充填すると、容器の頂部開口部での液体の溢れ出しを生じる可能性がある。
【0008】
液体が導入されてからのみ抽出筒を挿入する従来の液体容器であっても、液体浸透性ゾーンの液体浸透性レベルが低いために筒の底部端で液体が筒の中で十分急速に上昇できないことから、頂部容器開口からの液体の溢れ出しは、抽出筒が容器中に比較的ゆっくり導入された場合にのみ回避可能であるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、頂部開口部および抽出筒から必要に応じて急速に充填可能であるが、液体抽出操作中は、抽出筒外の容器領域での変動に関係する抽出筒セットリング内での液面に関する所望の特性を有する、緒言の部分で言及した種類の液体容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、緒言部分で言及した種類の液体容器を出発点として、本発明は、液体浸透性ゾーンの液体浸透性に関して、抽出筒を、容器中に入ったままで、最小液体浸透性の所定の限度セッティングとより大きい液体浸透性の所定のセッティングとの間で調節可能であることを提案する。
【0011】
液体容器の充填操作に関して、抽出筒、従って液体浸透性ゾーンを、例えばそれの液体浸透性が比較的高レベルとなるようにセッティングすることができる。充填操作後に、液体浸透性ゾーンを低液体浸透性状態に戻すことができ、その場合に抽出筒は、液体容器の液体抽出操作時にそれの所望の機能を行うことができる。特に、液体浸透性ゾーンの液体浸透性は、抽出筒のいずれのセッティングにおいても完全に抑制されるわけではない。そうして、最小液体浸透性の位置では、抽出筒とそれを収容している容器本体との間で液体の交換が起こり得る。
【0012】
液体浸透性ゾーンは好ましくは、抽出筒の底部端領域に、調節可能な有効開口断面を有する少なくとも1個の開口を有しており、好ましくは液体−容器土台部に関する、抽出筒またはそれの一部の回転運動および/または持ち上げ運動によって調節を行うことができる。
【0013】
好ましくは、停止手段および/またはラッチング手段および/またはマーキングを、抽出筒および/または容器本体上に設けて、液体浸透性ゾーンの最小液体浸透性およびより大きい液体浸透性の限度セッティングを規定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、抽出筒は、頂部容器開口から下方向に延在する管状部分ならびにその管部用の管ホルダーを有しており、その管ホルダーは容器土台部上に設けられており、管部分および管ホルダーを、一方を他方の中に埋め込み、互いに調節することで、液体浸透性ゾーンの有効開口断面を変えることができる。本発明のそのような実施形態の場合、液体浸透性ゾーンには、抽出筒の底部端領域において管部分の横開口および管ホルダーの横開口があり、管部分の横開口および管ホルダーの横開口を互いに関して並べて、液体浸透性ゾーンの有効開口断面を大きくすることが可能である。
【0015】
本発明の別の形態では、液体浸透性ゾーンの浸透性は、抽出筒の管部分によって簡単に変えられ、この管部分は頂部容器開口から容器土台部近傍まで延在しており、上昇して容器土台部により近くなり、その場合に、容器土台部と管部分の底部端との間にはごく小さい通過流ギャップしか残らない。そしてこれは、液体浸透性ゾーンのより低い液体浸透性レベルのための状態である。管部分が上昇し、管部分の底部端と容器土台部の間のスペースがそれに伴って増加することで、液体浸透性ゾーンの液体浸透性が上昇する。
【0016】
抽出筒は好ましくは液体容器中に固定され、その場合には、液体容器が開いている場合であっても、通常の取り扱い条件下ではその容器から筒を取り外すことはできない。
【0017】
本発明はさらに、自動分析装置で液体を提供するための液体容器を製造する方法であって、
−自動充填ステーションに前記液体容器を提供する段階;
−後の導入段階用に、前記液体容器中の前記抽出筒が、前記液体浸透性ゾーンの液体浸透性のレベルを比較的高くするよう位置設定されているようにする段階;
−前記液体浸透性ゾーンの比較的高レベルの液体浸透性の位置にセッティングした前記抽出筒を有する前記液体容器中に前記抽出筒から前記液体を導入する段階;
−前記液体容器を閉じる段階;
−前記容器からの液体の抽出のための準備段階として、前記液体浸透性ゾーンの最小液体浸透性の位置に前記抽出筒をセッティングする段階
を有する方法に関する。
【0018】
より大きい液体浸透性の位置への抽出筒のセッティングは、液体容器を自動充填ステーションに導入する前またはそれの後に行うことができる。非常に重要な要素は、通常は自動的で迅速に行われる導入段階を、抽出筒を液体浸透性ゾーンをより高い浸透性にする位置にセッティングして行う点である。
【0019】
最小液体浸透性の位置への抽出筒のセッティングは充填操作後に行い、容器からの液体の抽出のためのこの準備段階を、液体容器を閉じる前またはその後に行い、そして適切であれば、例えば自動分析装置での異なる位置で行うことが可能である。
【0020】
そうして、本発明による液体容器の特に有利な使用が提供され、その使用では、液体を高スループット操作中に高速自動充填ステーションに導入して、後段階で高速自動分析装置で液体を提供するために液体容器を準備することができ、自動分析装置での液体の抽出は、抽出筒を液体浸透性ゾーンの最小液体浸透性の位置にセッティングしてピペットなどを用いる吸引によって液体容器から液体を抽出することで行う。そうして、自動充填ステーションでの高スループット操作および自動分析装置での高スループット操作が、本発明による液体容器を用いて可能となり、一般的な種類の液体容器に関する先行技術における欠点を受け入れる必要がない。
【0021】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら下記でより詳細に説明する。
【0022】
図1aおよび1bは、抽出筒の液体浸透性ゾーンの開口断面について2つの異なる限度セッティングを有する抽出筒を有する本発明による液体容器の第1の実施形態の断面図である。
【0023】
図2aおよび2bは、抽出筒の液体浸透性ゾーンの液体浸透性について2つの異なる限度セッティングを有する抽出筒を有する本発明による液体容器の第2の実施形態の断面図である。
【0024】
図3aおよび3bは、第2の実施形態の変形形態を示す図である。
【0025】
これらの図面において、鉛直の長手方向断面が、抽出筒3または3aを通って中央になっている。
【0026】
液体容器1は、緒言の部分で記載した形態で自動分析装置で使用される試薬液体容器である。
【0027】
液体容器1には、頂部端にネジ蓋式開口5があり、そこから抽出筒3の管部分7が容器内部中に鉛直方向に延在している。容器土台部9には、頂部に向かって開いている2個の例えば矩形切欠部13を有するカップ状の管ホルダー11がある。図1aおよび1bの見ている方向でわかるように、切欠部13は管ホルダー11の直径方向に反対側で一方が他方の後ろになって並んでいる。
【0028】
管部分7には、管ホルダー11に収容された底部端があり、正確にそれの外周が管ホルダー11の内周に密着して隣接しており、好ましくはそれと接触しながら対向配置されるようになっている。そうして、管ホルダー11は、抽出筒3の管部分7における回転ベアリングを形成しており、その場合に管部分7は2つの所定の回転停止位置の間で垂直回転軸15を中心として回転することができる。この場合、管部分7の全く反対の領域に設けられ、管ホルダー11の最上周囲部より上に延在していない横切欠部17を、管ホルダーの切欠部13に対して回転させることが可能である。切欠部17および13は、管部分7および管ホルダーに横開口を作るものであり、一体となって抽出筒3の液体浸透性ゾーン18を形成しており、このゾーンの有効開口断面は、管部分7の横開口17が管ホルダー11の横開口13と並んでいる程度によって決まる。図1aにおいて、管部分7の横開口17は横開口13と完全に並んでおり、その場合に開口13、17は最大重なりを示す。これは抽出筒3の液体浸透性ゾーン18の最大有効開口断面の限度位置、すなわち液体浸透性ゾーンの液体浸透性の相対的に高いレベルの所定の設定である。この状況で、抽出筒内部と抽出筒3外の容器容量部との間で液体の比較的良好な交換を行うことが可能であり、それは開口5および抽出筒3を通っての液体容器1の充填操作には重要である。
【0029】
ピペットまたは吸引針を用いて上から抽出筒3から吸引することによって液体の抽出を行う次の液体抽出操作では、抽出筒3外の容器容量部での液体の変動が、ごく低いレベルの減衰で急速に抽出筒3の内部に伝わることから、抽出筒内部と抽出筒外の容器容量部との間の良好な液体連通は非常に不利である。この問題は、図1bに示したように、抽出筒3の管ホルダー11に対して管部分7が回転することで、管部分7および管ホルダー11の横開口13および17の共通の有効開口断面を相対的に小さい値にセッティングすることができる図1aおよび1bによる液体容器によって解決される。図1bには、液体抽出操作用に選択すべきであるように、液体浸透性ゾーン18の有効開口断面が小さいゾーン18の最小液体浸透性の限度位置にある抽出筒3を示してある。示した限度セッティングを超えて管部分7が回転するのを防止する回転停止部は、図1aおよび1bでは図示していない。
【0030】
留意すべき点として、ネジ蓋式ノズルの内側表面6と管部分7もしくは管部分7の頂部領域における通気開口部の外周との間にある、外部周囲と容器内部の間の均圧化を行う通気チャンネルやスペーシング用刻み目は、それらが本発明の主要な態様の一部を形成するものではないことから、図には描いていない。しかしながら、そのような通気手段は、実際には設けるべきである。それに関しては、先行技術からの非常に多様な各種提案を用いることができる。この点は、図2aおよび2bによる第2の実施形態にも当てはまる。
【0031】
図2aおよび2bにおける第2の実施形態の場合、機能に関して実質的に図1aおよび1bでの要素に相当する要素には、同一の呼称を用いている。従って、第2の実施形態について理解するために、この点に関して、図1aおよび1bによる第1の実施形態での説明を参照することが可能である。そこで下記の説明は、第1の実施形態と比べた第2の実施形態の相違点に限定することができる。
【0032】
第2の実施形態の場合、液体浸透性ゾーン18の液体浸透性は、容器土台部9に対する管部分7aの持ち上げ運動によって変わる。液体浸透性ゾーンは、抽出−筒管部分7aが図2aにより上昇した場合の方が図2bによりそれが下がっている場合より大きい環状ギャップ19および鋸歯状間隔部21によって画定される。停止手段20および22は、図2aおよび2bでわかるように、管部分7aの持ち上げ調節のために、所定の端部位置が可能となるようにするものである。図2aには、容器1の充填の操作用に設けられた抽出筒3aの限度セッティングを示してある。図2bには、液体抽出操作に有利な抽出筒3aの限度設定を示してある。図2bによる液体浸透性ゾーンの最小液体浸透性のセッティングであっても、ゾーン18を通っての液体の交換は起こり得る。
【0033】
管部分7aの底部端が変更されている第2の実施形態の変形形態を、図3aおよび3bに示してある。
【0034】
図3aおよび3bによる実施形態の場合、管部分7aには、底部端に4つのスペース用網構造22があり、それらは図3bによる管部分7aが低くなった状態で、管部分が土台部9上での閉鎖動作で静止する底部周囲を持たないようになっており、さらには管部分周囲を囲むカラー24も、容器土台部9からのスペースを維持するものであり、その場合に、抽出筒3a内部と抽出筒外の容器容量部の間の液体連通を、液体浸透性が低くなった図3bにおける液体浸透性ゾーン18を介して行うことができる。図3aには、容器1の充填操作用に提供された抽出筒3aのセッティングを示してある。図3bには、液体抽出操作に有利な抽出筒3aの位置を示してある。
【0035】
以上説明した実施形態に対しては多くの変更が考えられる。従って例えば、持ち上げおよび回転運動を組み合わせることで抽出筒を調節することができる。これは特には、抽出筒のネジ作用の動作であることができる。
【0036】
抽出筒は、特には液体容器を充填する前であってもその容器に入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1aおよび1bは、抽出筒の液体浸透性ゾーンの開口断面について2つの異なる限度セッティングを有する抽出筒を有する本発明による液体容器の第1の実施形態の断面図である。
【図2】図2aおよび2bは、抽出筒の液体浸透性ゾーンの液体浸透性について2つの異なる限度セッティングを有する抽出筒を有する本発明による液体容器の第2の実施形態の断面図である。
【図3】図3aおよび3bは、第2の実施形態の変形形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部開口部(5)および管状抽出筒(3)を有する液体容器であって、該管状抽出筒(3)が該開口部(5)と一直線に並んで容器(1)内に延在し、かつ抽出筒(3)中に導入可能な液体抜き取り要素による液体の抜き取りを行うためのものであり、前記抽出筒(3)が容器土台部(9)に隣接する底部端領域に液体浸透性ゾーン(18)を有し、前記液体浸透性ゾーン(18)の液体浸透性に関して、前記抽出筒(3)が、前記容器中に入ったままで、最小液体浸透性のための所定の限度セッティングとより大きい液体浸透性のための所定のセッティングとの間で調節可能であることを特徴とする前記液体容器。
【請求項2】
前記液体浸透性ゾーン(18)が、前記抽出筒(3)の底部端領域に、要求に応じて前記液体浸透性ゾーン(18)の液体浸透性をセッティングするために変更可能な有効開口断面を有する少なくとも一つの開口を有する請求項1に記載の液体容器。
【請求項3】
前記液体浸透性ゾーン(18)の前記有効開口断面を、前記液体−容器土台部(9)に関する、前記抽出筒(3)またはそれの他の部分の回転運動および/または持ち上げ運動によってセッティングすることができ、最小液体浸透性の限度セッティングが所定のラッチング位置および/または所定の停止位置である請求項2に記載の液体容器。
【請求項4】
前記抽出筒(3、3a)の回転および/または持ち上げセッティング動作を、異なる開口断面に割りあてられた少なくとも2つの所定の停止位置および/またはラッチング位置の間で行うことができる請求項3に記載の液体容器。
【請求項5】
前記抽出筒(3)が、前記頂部容器開口(5)から下方向に延在する管部分(7)ならびに前記管部分(7)用の管ホルダー(11)を有しており、この管ホルダーは前記容器土台部上に設けられており、前記管部分(7)および前記管ホルダー(11)を、一方を他方の中に埋め込み、互いに調節することで、前記液体浸透性ゾーン(18)の前記有効開口断面を変えることが可能である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体容器。
【請求項6】
前記液体浸透性ゾーンが、前記抽出筒(3)の前記底部端領域において前記管部分(7)の横開口(17)および前記管ホルダー(11)の横開口(13)を有し、前記管部分(7)の横開口(17)および前記管ホルダー(11)の横開口(13)を互いに関して並べることにより、前記液体浸透性ゾーン(18)の前記有効開口断面を大きくすることが可能である請求項5に記載の液体容器。
【請求項7】
前記抽出筒が前記液体容器中で固定され、その場合には、前記液体容器が開いている場合であっても、通常の取り扱い条件下ではその容器から筒を抜き取ることはできない請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体容器。
【請求項8】
自動分析装置で液体を提供するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体容器を製造する方法であって、
−自動充填ステーションに前記液体容器を提供する段階;
−後の導入段階用に、前記液体容器中の前記抽出筒が、前記液体浸透性ゾーンの液体浸透性のレベルを比較的高くするよう位置設定されているようにする段階;
−前記液体浸透性ゾーンの比較的高レベルの液体浸透性の位置にセッティングした前記抽出筒を有する前記液体容器中に前記抽出筒から前記液体を導入する段階;
−前記液体容器を閉じる段階;
−前記容器からの液体の抽出のための準備段階として、前記液体浸透性ゾーンの最小液体浸透性の位置に前記抽出筒をセッティングする段階
を有する前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−298779(P2008−298779A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−142443(P2008−142443)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】