説明

可搬型メモリ装置

【課題】
本発明は、様々な電子機器と接続し得る可搬型メモリ装置を提案する。
【解決手段】
外部機器と物理的及び電気的に接続するためのプラグを有し、当該プラグを介して接続された外部機器からの要求に応じて、当該外部機器から与えられるデータを記憶し又は記憶したデータを外部機器に出力する可搬型のメモリ装置において、それぞれ異なる規格のプラグが複数設けるようにしたことにより、それぞれ異なる規格のプラグを、複数の外部機器に搭載されたそれぞれ異なる規格のプラグに対応するレセプタクルに挿入することができ、かくして様々な電子機器と接続し得る可搬型メモリ装置を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型メモリ装置に関し、例えばUSB(Universal Serial Bus)通信機能を具えたメモリ装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、パーソナルコンピュータ等の電子機器とマウスやキーボード等のデバイス機器とを接続させるインターフェースとして、USB−IF(USB Implementers Forum)によって仕様策定が行われているシリアルインターフェイス規格であるUSB規格が広く採用されている。
【0003】
このUSB規格は、デバイス機器に搭載された図9(A)のような電源用端子2、アース用端子3、第1のデータ通信用端子4及び第2のデータ通信用端子5の4つの端子が設けられてなるUSBの標準Aプラグ(以下、これを標準Aプラグ呼ぶ)1を、パーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載されたUSBの標準Aレセプタクル(以下、これを標準Aレセプタクルと呼ぶ)に嵌め込むようにして挿入することによって、電子機器をホストとして、これら電子機器とデバイス機器とをUSB接続し得るようになされたものである。
【0004】
また近年では、このようなパーソナルコンピュータへのUSB規格の普及に伴って、一端側に標準Aプラグ1が搭載された可搬型のUSBメモリが広く流通している。
【0005】
かかる可搬型のUSBメモリは、パーソナルコンピュータに搭載されている標準Aレセプタクルに標準Aプラグ1を嵌め込むようにして挿入し、パーソナルコンピュータとUSB接続することによって、パーソナルコンピュータからの要求に応じて、標準Aプラグ1を介して当該パーソナルコンピュータから与えられるデータを記憶し又は記憶したデータをパーソナルコンピュータに出力することができるようになされている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−78879公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近ではUSBの追加規格として仕様策定されたOTG規格(USB On-The-Go)によって、標準Aプラグや標準Aレセプタクルに比して小型化されたUSBの標準ミニAプラグ(以下、これを標準ミニAプラグと呼ぶ)、USBの標準ミニAレセプタクル及びホストとしてもデバイスとしても機能するデュアルロールデバイスに搭載される標準ミニABレセプタクル(以下、これを標準ミニABレセプタクルと呼ぶ)等の新しい形状のプラグ及びレセプタクルが登場している。
【0007】
このOTG規格においては、例えばディジタルスチルカメラ等の可搬型の電子機器に標準ミニABレセプタクルを搭載したときに、デバイス機器に搭載された図9(B)のような電源用端子7、アース用端子8、第1のデータ通信用端子9、第2のデータ通信用端子10及び識別端子11の5つの端子が設けられてなる標準ミニAプラグ6を、電子機器に搭載された標準ミニABレセプタクルに嵌め込むようにして挿入することによって、電子機器をホストとして、これら電子機器とデバイス機器とをUSB接続することができる。
【0008】
またOTG規格では、標準Aレセプタクルが搭載されたパーソナルコンピュータ等の第1の電子機器及び標準ミニABレセプタクルが搭載されたディジタルスチルカメラ等の可搬型の第2の電子機器間を接続する接続ケーブルを介して、ホストである第1の電子機器と接続することによって、第2の電子機器をデバイスとして、これら第1の電子機器と第2の電子機器とをUSB接続することができる。
【0009】
ここで、USBメモリを媒体として第1又は第2の電子機器からデータを記憶し又は記憶したデータを第2の電子機器又は第1の電子機器に出力することができれば、接続ケーブルを持たないような外出先等においても手軽に第1及び第2の電子機器間のデータの受け渡しができるものと考えられる。
【0010】
しかしながらUSBメモリにおいては、上述のように標準Aプラグ1が搭載されており、標準ミニABレセプタクルとは互換性がなく、標準ミニABレセプタクルに標準Aプラグ1を嵌め込ませることができないために、USB接続することができないという問題がある。
【0011】
そして、ディジタルスチルカメラ等の可搬型の第2の電子機器に標準ミニABレセプタクルの他にさらに標準Aレセプタクルを搭載するのは、小型化が急速に進む現在のディジタルスチルカメラ等の可搬型の第2の電子機器には導入が難しいという問題がある。
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、様々な電子機器と接続し得る可搬型メモリ装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するために本発明においては、外部機器と物理的及び電気的に接続するためのプラグを有し、当該プラグを介して接続された外部機器からの要求に応じて、当該外部機器から与えられるデータを記憶し又は記憶したデータを外部機器に出力する可搬型のメモリ装置において、それぞれ異なる規格のプラグを複数設けるようにした。
【0014】
従って、それぞれ異なる規格のプラグを、複数の外部機器に搭載されたそれぞれ異なる規格のプラグに対応するレセプタクルに挿入することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、外部機器と物理的及び電気的に接続するためのプラグを有し、当該プラグを介して接続された外部機器からの要求に応じて、当該外部機器から与えられるデータを記憶し又は記憶したデータを外部機器に出力する可搬型のメモリ装置において、それぞれ異なる規格のプラグを複数設けるようにしたことにより、それぞれ異なる規格のプラグを、複数の外部機器に搭載されたそれぞれ異なる規格のプラグに対応するレセプタクルに挿入することができ、かくして様々な電子機器と接続し得る可搬型メモリ装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0017】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態によるUSBメモリの構成
図1において、20は全体として本実施の形態によるUSBメモリを示し、本体部21を覆うようにカバー部22がスライド自在に配設されることにより構成されている。
【0018】
本体部21においては、図2に示すように、直方体状に形成された本体部筐体23の長手方向の一端側23Aに標準Aプラグ1が配設されると共に、当該本体部筐体23の他端側23Bに標準ミニAプラグ6が配設されることにより構成されている。これによりUSBメモリ20においては、図3に示すように、標準Aレセプタクル24が搭載されたパーソナルコンピュータ等の第1の電子機器25に対しては、当該標準Aレセプタクル24に標準Aプラグ1を嵌め込む一方(図3(A))、標準ミニABレセプタクル26が搭載されたディジタルスチルカメラ等の第2の電子機器27に対しては、当該標準ミニABレセプタクル26に標準ミニAプラグ6を嵌め込むようにして(図3(B))、これらの第1の電子機器25及び第2の電子機器27に物理的及び電気的に接続することができるようになされている。
【0019】
一方、カバー部22においては、図2(B)からも明らかなように、全体として角筒状に形成されている。そしてカバー部22の内側の高さh及び幅Wはそれぞれ本体部21の本体部筐体23の高さh及び幅Wよりも僅かに大きく形成されており、これにより図1のように本体部21とカバー部22内とを嵌め合わせた状態において、本体部21に対してカバー部22をその長手方向に自在にスライドさせることができるようになされている。
【0020】
この場合において、カバー部22の長さLは、本体部21における本体部筐体23の他端側23Bから標準Aレセプタクル24の先端部までの長さLと、本体部21における本体部筐体23の一端側23Aから標準ミニABレセプタクル26の先端までの長さLとのいずれよりも長くなるように選定されている。
【0021】
これによりこのUSBメモリ20においては、図1(A)又は図1(B)のようにカバー部22を矢印a方向又は矢印a方向と逆方向にスライドさせることによって、本体部21の標準Aプラグ1又は標準ミニAプラグ6のいずれか一方のみを第1の電子機器25又は第2の電子機器27に搭載された標準Aレセプタクル24又は標準ミニABレセプタクル26と接続可能な状態に露出させる一方で、このとき他方の標準ミニAプラグ1又は標準Aプラグ6を第2の電子機器27又は第1の電子機器25に搭載された標準ミニABレセプタクル26又は標準Aレセプタクル24と接続不可能な状態にカバー部22の長手方向の他端部又は一端部において覆い隠すことができるようになされている。
【0022】
また本体部21における本体部筐体23の第1の側面23C及びこれと対向する第2の側面23Dの各一端部には、それぞれその第1の側面23C及び第2の側面23Dの法線方向と垂直な方向に移動自在に、かつ図示しないコイルバネにより当該法線方向に付勢されるようにして、金属材からなる半球状の第1の突起28A、28Bが配設されると共に、カバー部22の内側面22Aには、これら各第1の突起28A、28Bにそれぞれ対向させて、第1の突起28A、28Bよりも僅かに大きい半球形状の第1の窪み29A、29Bが設けられている。
【0023】
この場合これら第1の窪み29A、29Bは、図1(A)のように標準Aプラグ1が完全に露出した所定の位置にカバー部22を位置させたときに、対応する第1の突起28A、28Bと対向するように、それぞれその形成位置が選定されている。
【0024】
これによりこのUSBメモリ20においては、カバー部22をこの位置にまでスライドさせたときに、本体部21の各第1の突起28A、28Bがそれぞれカバー部22の対応する第1の窪み29A、29Bに嵌まり込むことによって、カバー部22をこの位置に固定することができるようになされている。
【0025】
同様に本体部21における本体部筐体23の第1の側面23C及び第2の側面23Dの各他端部には、それぞれその第1の側面23C及び第2の側面23Dの法線方向と垂直な方向に移動自在に、かつ図示しないコイルバネにより当該法線方向に付勢されるようにして、金属材からなる半球状の第2の突起30A、30Bが配設されると共に、カバー部22の内側面22Aには、これら各第2の突起30A、30Bにそれぞれ対向させて、第2の突起30A、30Bよりも僅かに大きい半球形状の第2の窪み31A、31Bが設けられている。
【0026】
この場合これら第2の窪み31A、31Bは、図1(B)のように標準ミニAプラグ6が完全に露出した所定の位置にカバー部22を位置させたときに、対応する第2の突起30A、30Bと対向するように、それぞれその形成位置が選定されている。
【0027】
これによりこのUSBメモリ20においては、カバー部22をこの位置にまでスライドさせたときに、本体部21の各第2の突起30A、30Bがそれぞれカバー部22の対応する第2の窪み31A、31Bに嵌まり込むことによって、カバー部22をこの位置に固定することができるようになされている。
【0028】
さらにカバー部22の内側面22Aには、図2(B)のように第1の窪み29A、29B及び第2の窪み31A、31B間に、これら第1の窪み29A、29B及び第2の窪み31A、31Bの深さに比して浅い深さのガイド溝32A、32Bが形成されており、これにより、図4(A)又は図4(B)のようにカバー部22を矢印a方向又は矢印a方向と逆方向にスライドさせるときに、第1の突起28A、28B及び第2の突起30A、30Bをガイド溝32A、32Bに沿って滑らかに摺動させることができるようになされている。
【0029】
さらに本体部21における本体部筐体23の第1の側面23C及び第2の側面23Dに対して法線方向に形成される第3の側面23Eには、所定の位置に表示LED(Light Emitting Diode)33が配設される一方、カバー部22の一側面22Bには、カバー部22を矢印a方向又は矢印a方向と逆方向にスライドさせて標準Aプラグが完全に露出するような位置又は標準ミニAプラグが完全に露出するような位置に固定させたときに、表示LED33をそれぞれ露出させるような位置に所定形状の第1の窓穴34A及び第2の窓穴34Bが穿設されている。これによりこのUSBメモリにおいては、カバー部22を矢印a方向にスライドさせて標準Aプラグ1が完全に露出するような位置にカバー部22を固定させたときに、第1の窓穴34Aを通じて表示LED33を露出させることができ、カバー部22矢印a方向と逆方向にスライドさせて標準ミニAプラグ6が完全に露出するような位置にカバー部22を固定させたときに、第2の窓穴34Bを通じて表示LED33を露出させることができるようになされている。
【0030】
ここで図6は、本体部21における本体部筐体23の内部構成を示すものである。この図6からも明らかなように、本体部21においては、当該USBメモリ20全体の動作制御を司るCPU(Central Processing Unit)35と、各種制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)36と、CPU35のワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)37と、不揮発性メモリからなる記憶部38と、上述の表示LED33と、USBデバイスコントローラ39がバス40を通じて相互に接続され、USBデバイスコントローラ39に標準Aプラグ1及び標準ミニAプラグ6が電源ラインVbus、アースラインGND及びデータ通信ラインD−、D+を通じて並列に接続されることにより構成されている。
【0031】
この場合CPU35は、標準Aプラグ1がパーソナルコンピュータ等の第1の電子機器25に搭載された標準Aレセプタクル24に嵌め込まれたときに、当該第1の電子機器25から標準Aプラグ1の電源ラインVbus及びUSBデバイスコントローラ39を介して供給される電流を検出すると、USBデバイスコントローラ39を制御して標準Aプラグ1のデータ通信ラインD−、D+をプルアップさせることにより、USBデバイスコントローラ39を当該第1の電子機器25と通信可能な状態にUSB接続させる。
【0032】
そしてCPU35は、この後USBデバイスコントローラ39を介して第1の電子機器25からの書込み要求を受信すると、USBデバイスコントローラ39を制御することにより、その後第1の電子機器25から送信されるデータを記憶部38に与えてこれを記憶させる一方、USBデバイスコントローラ39を介して第1の電子機器25からの読出し要求を受信すると、USBデバイスコントローラ39を制御することにより、指定されたデータを記憶部38から読み出させて、これを標準Aプラグ1を介して第1の電子機器25に送信させる。
【0033】
これと同様にして、CPU35は、標準ミニAプラグ6がディジタルスチルカメラ等の第2の電子機器27に搭載された標準ミニABレセプタクル26に嵌め込まれたときに、当該第2の電子機器27から標準ミニAプラグ6の電源ラインVbus及びUSBデバイスコントローラ39を介して供給される電流を検出すると、USBデバイスコントローラ39を制御して標準ミニAプラグ6のデータ通信ラインD−、D+をプルアップさせることにより、USBデバイスコントローラ39を当該第2の電子機器27と通信可能な状態にUSB接続させる。
【0034】
そしてCPU35は、この後デバイスコントローラ39を介して第2の電子機器27からの書込み要求を受信すると、USBデバイスコントローラ39を制御することにより、その後第2の電子機器27から送信されるデータを記憶部38に与えてこれを記憶させる一方、USBデバイスコントローラ39を介して第2の電子機器27からの読出し要求を受信すると、USBデバイスコントローラ39を制御することにより、指定されたデータを記憶部38から読み出させて、これを標準ミニAプラグ6を介して第2の電子機器27に送信させる。
【0035】
このようにしてこのUSBメモリ20においては、標準Aプラグ1又は標準ミニAプラグ6が第1の電子機器25又は第2の電子機器27に搭載された標準Aレセプタクル24又は標準ミニABレセプタクル26に嵌め込まれたときに、パーソナルコンピュータからの要求に応じて、標準Aプラグ1又は標準ミニAプラグ6を介して当該パーソナルコンピュータから与えられるデータを記憶し又は記憶したデータをパーソナルコンピュータに送信することができるようになされている
【0036】
なおCPU35は、第1の電子機器25又は第2の電子機器27とUSB接続したときに、表示LED33に対して駆動電圧の供給を開始することによって当該表示LED33を点灯させる一方、その後第1の電子機器25又は第2の電子機器27とのUSB接続が切断されたときに、かかる表示LED33への駆動電圧の供給を停止することによって当該表示LED33を消灯させるようになされている。
【0037】
(1−2)第1の実施の形態による動作及び効果
以上の構成において、このUSBメモリ20は、カバー部22を図1(A)の位置にまでスライドさせて標準Aプラグ1を露出させることによって当該標準Aプラグ1を介して第1の電子機器25とUSB接続することができ、またカバー部22を図1(B)の位置にまでスライドさせて標準ミニAプラグ6を露出させることによって、当該標準ミニAプラグ6を介して第2の電子機器27とUSB接続することができる。
【0038】
この場合において、カバー部22を図1(A)の位置に位置させた状態では、標準ミニAプラグ6がカバー部22によって覆われているために、第2の電子機器27と接続不可能な状態にし、またカバー部22を図1(B)の位置に位置させた状態では、標準Aプラグ1がカバー部22によって覆われているために、第1の電子機器25と接続不可能な状態にすることによって、択一的に第1の電子機器25又は第2の電子機器27のみとUSB接続することができる。
【0039】
以上の構成によれば、カバー部22を図1(A)の位置にまでスライドさせて標準Aプラグ1を露出させることによって当該標準Aプラグ1を介して第1の電子機器25とUSB接続することができ、またカバー部22を図1(B)の位置にまでスライドさせて標準ミニAプラグ6を露出させることによって、当該標準ミニAプラグ6を介して第2の電子機器27とUSB接続することができ、かくして様々な電子機器に接続することができる。
【0040】
また、カバー部22を図1(A)の位置に位置させた状態では、標準ミニAプラグ6がカバー部22によって覆われているために、第2の電子機器27と接続不可能な状態にし、またカバー部22を図1(B)の位置に位置させた状態では、標準Aプラグ1がカバー部22によって覆われているために、第1の電子機器25と接続不可能な状態にすることによって、択一的に第1の電子機器25又は第2の電子機器27とUSB接続することができ、かくして2重接続による記憶データの破損等を防止することができる。
【0041】
(2)第2の実施の形態
(2−1)第2の実施の形態によるUSBメモリの構成
図1との対応部分に同一符号を付して示す図6は、第2の実施の形態におけるUSBメモリ50を示し、上述した第1の実施の形態におけるUSBメモリ1(図1)と、電気的制御によって第1の電子機器25又は第2の電子機器27と排他的に接続させることを除いて同様に構成されている。
【0042】
実際上このUSBメモリ50においては、直方体形状に形成された筐体51の一端側51A及び他端側51Bにそれぞれ標準Aプラグ1及び標準ミニAプラグ6が配設されることにより構成されており、当該筐体51の一側面51Cには表示LED33が配設されている。このようにこのUSBメモリ50には、第1の実施の形態によるUSBメモリ1のようなカバー部22が設けられていない。
【0043】
また筐体51の内部には、図5との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、標準Aプラグ1及び標準ミニAプラグ6にそれぞれ対応させて第1のUSBデバイスコントローラ52及び第2のUSBデバイスコントローラ53が配設されている。
【0044】
そして標準Aプラグ1においては、各データ通信ラインD−、D+及びアースラインGNDがそれぞれ第1のUSBデバイスコントローラ52と接続されると共に、標準Aプラグ1の電源ラインVbusがCPU35と接続され、標準ミニAプラグ6においては、各データ通信ラインD−、D+及びアースラインGNDがそれぞれ第2のUSBデバイスコントローラ53と接続されると共に、標準ミニAプラグ6の電源ラインVbusがCPU35と接続されている。
【0045】
この場合CPU35は、標準Aプラグ1がパーソナルコンピュータ等の第1の電子機器25に搭載された標準Aレセプタクル24に嵌め込まれたときに、当該第1の電子機器25から標準Aプラグ1の電源ラインVbusを介して供給される電流を検出すると、第1のUSBデバイスコントローラ52を制御して標準Aプラグ1のデータ通信ラインD−、D+をプルアップさせることにより、第1のUSBデバイスコントローラ52を当該第1の電子機器25と通信可能な状態にUSB接続させる。
【0046】
そしてCPU35は、その後標準ミニAプラグ6がディジタルスチルカメラ等の第2の電子機器27に搭載された標準ミニABレセプタクル26に嵌め込まれたときに、当該第2の電子機器27から標準ミニAプラグ6の電源ラインVbusを介して供給される電流を検出しても、第1の電子機器25とUSB接続されている間は、第2の電子機器27とUSB接続しない。
【0047】
これと同様にして、CPU35は、標準ミニAプラグ6が第2の電子機器27に搭載された標準ミニABレセプタクル26に嵌め込まれたときに、当該第2の電子機器27から標準ミニAプラグ6の電源ラインVbusを介して供給される電流を検出すると、第2のUSBデバイスコントローラ53を制御して標準ミニAプラグ6のデータ通信ラインD−、D+をプルアップさせることにより、第2のUSBデバイスコントローラ53を当該第2の電子機器27と通信可能な状態にUSB接続させる。
【0048】
そしてCPU35は、その後標準Aプラグ1が第1の電子機器25に搭載された標準Aレセプタクル24に嵌め込まれたときに、当該第1の電子機器25から標準Aプラグ1の電源ラインVbusを介して供給される電流を検出しても、第2の電子機器27とUSB接続されている間は、第1の電子機器25とUSB接続しない。
【0049】
(2−2)CPU35のUSB接続処理手順
ここで、上述のようなCPU35による排他的なUSB接続処理は、予めROM36に格納された制御プログラムに基づき、図8に示すUSB接続処理手順RT1に従って行われる。
【0050】
すなわちCPU35は、一方の電源ラインVbus又は電源ラインVbusを介して電流を検出するとこのUSB接続処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、他方の電源ラインVbus又は電源ラインVbusを介して電流が検出されている、つまりすでに標準ミニAプラグ6又は標準Aプラグ1を介して他方の第2の電子機器27又は第1の電子機器25とUSB接続されているか否かを判断する。
【0051】
そしてCPU35は、このステップSP1において否定結果を得るとステップSP2に進み、対応する第1のUSBデバイスコントローラ52又は第2のUSBデバイスコントローラ53を制御して、標準Aプラグ1又は標準ミニAプラグ6のデータ通信ラインD+、D−又はデータ通信ラインD+、D−をプルアップさせてUSB接続処理を開始する。
【0052】
これに対してCPU35は、このステップSP1において肯定結果を得るとステップSP3に進み、対応する第1のUSBデバイスコントローラ52又は第2のUSBデバイスコントローラ53を制御せず、データ通信ラインD+、D−又はデータ通信ラインD+、D−をプルアップさせずに、USB接続処理を行わない。そしてCPU35は、この後ステップSP4に進んでこのUSB接続処理手順RT1を終了する。
【0053】
このようにしてUSBメモリ50においては、先にVbusを介して電流を検出したときに、標準Aプラグ1を介して第1の電子機器25のみとUSB接続し、先にVbusを介して電流を検出したときに、標準ミニAプラグ6を介して第2の電子機器27のみとUSB接続することができるようになされている。
【0054】
(2−3)第2の実施の形態による動作及び効果
以上の構成において、USBメモリ50は、CPU35において一方の電源ラインVbus又は電源ラインVbusを介して電流を検出したときに、他方の電源ラインVbus又は電源ラインVbusを介して電流が検出されているか否かを判断する。
【0055】
これによりUSBメモリ50は、先に電流を検出した第1の電子機器25又は第2の電子機器27のみと標準Aプラグ1又は標準ミニAプラグ6を介して択一的にUSB接続することができる。
【0056】
以上の構成によれば、CPU35において一方の電源ラインVbus又は電源ラインVbusを介して電流を検出したときに、他方の電源ラインVbus又は電源ラインVbusを介して電流が検出されているか否かを判断することにより、先に電流を検出した第1の電子機器25又は第2の電子機器27のみと標準Aプラグ1又は標準ミニAプラグ6を介して択一的にUSB接続することができ、かくして2重接続による記憶データの破損等を防止することができる。
【0057】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本体部筐体23の長手方向の一端側23Aに標準Aプラグ1を配設し、当該本体部筐体23の他端側23Bに標準ミニAプラグ6を配設した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の位置に配設するようにしても良く、また2以上の複数のプラグを配設するようにしても良い。このときUSBメモリは、これら2以上の複数のプラグのうち1つのプラグを物理的又は電気的に択一的にUSB接続させることができる。
【0058】
また上述の実施の形態においては、本体部筐体23の長手方向の一端側23Aに標準Aプラグ1を配設し、当該本体部筐体23の他端側23Bに標準ミニAプラグ6を配設した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、USBの標準Aプラグや標準ミニAプラグ以外の種々の異なる規格によって仕様策定されているプラグを配設するようにしても良い。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ等の第1の電子機器25に搭載された標準Aレセプタクル24に標準Aプラグ1を嵌め込むように挿入し、物理的及び電気的に接続した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パーソナルコンピュータ以外の種々の電子機器に適用するようにしても良く、また挿入されるプラグに対応する標準Aレセプタクル以外の種々のレセプタクルを搭載するようにしても良い。
【0060】
さらに上述の実施の形態においては、ディジタルスチルカメラ等の第2の電子機器27に搭載された標準ミニAレセプタクル26に標準ミニAプラグ6を挿入し、物理的及び電気的に接続した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディジタルスチルカメラ以外の種々の電子機器に適用するようにしても良く、また挿入されるプラグに対応する標準ミニABレセプタクル以外の種々のレセプタクルを搭載するようにしても良い。
【0061】
さらに上述の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ等の第1の電子機器25に搭載された標準Aレセプタクル24及びディジタルスチルカメラ等の第2の電子機器27に搭載された標準ミニAレセプタクル26を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら複数の電子機器にそれぞれ搭載されるこの他種々の異なる規格の挿入されるプラグに対応する複数のレセプタクルを配設するようにしても良い。
【0062】
さらに上述の実施の形態においては、カバー部22をスライドさせ、又は電気的制御によって、択一的にUSB接続を行った場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの両方を同時に適用するようにしても良い。
【0063】
さらに上述の実施の形態においては、CPU35において電流を検出し、先に電流を検出した第1の電子機器25又は第2の電子機器27のみと択一的にUSB接続を行った場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電子機器との接続を検出する等、電流以外の物理的接続を検出して、検出された電子機器のみと電気的に接続をするようにしても良い。
【0064】
さらに上述の実施の形態においては、第1の電子機器25又は第2の電子機器27とUSB接続したときに、当該表示LED33を点灯させる一方、その後第1の電子機器25又は第2の電子機器27とのUSB接続が切断されたときに、当該表示LED33を消灯させた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばデータ通信時に表示LEDを点灯させるようにしても良く、この他種々の動作を表すシグナルとして適用するようにしても良い。
【0065】
さらに上述の実施の形態においては、全体として角筒状に形成されている。そしてカバー部22の内側の高さh及び幅Wはそれぞれ本体部21の本体部筐体23の高さh及び幅Wよりも僅かに大きく形成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばスライドさせたときに、シャッタが連動して動作して他のプラグを完全に遮蔽させるようにしても良く、要は、カバー部を移動させてあるプラグを露出させたときに、他のプラグを使用不可能の状態にさせるこの他種々の構成を適用することができる。
【0066】
さらに上述の実施の形態においては、記憶部38にデータを格納させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば不揮発性のフラッシュメモリ等からなるこの他種々の記録媒体に適用することができる。
【0067】
さらに上述の実施の形態においては、先にVbusを介して電流を検出したときに、標準Aプラグ1を介して第1の電子機器25のみとUSB接続し、先にVbusを介して電流を検出したときに、標準ミニAプラグ6を介して第2の電子機器27のみとUSB接続した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば後に電流を検出した電子機器と電気的に接続するようにしても良く、要は、物理的な接続が検出された1つのプラグのみを、外部機器と電気的に接続するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、USB規格に基づいたプラグを用いた可搬型メモリ装置の他、種々の異なる規格によって仕様策定されている複数のプラグを用いた可搬型メモリ装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1の実施の形態によるUSBメモリの構成を示す略線図である。
【図2】標準Aプラグと標準ミニAプラグの構成を示す略線図である。
【図3】USBメモリの挿入の説明に供する略線図である。
【図4】本体部とカバー部の構成を示す略線図である。
【図5】USBメモリのスライド機構の説明に供する断面図である。
【図6】第1の実施の形態によるUSBメモリの内部構成を示す略線図である。
【図7】第2の実施の形態によるUSBメモリの構成を示す略線図である。
【図8】第2の実施の形態によるUSBメモリの内部構成を示す略線図である。
【図9】USB接続処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1……標準Aプラグ、6……標準ミニAプラグ、20、50……USBメモリ、21……本体部、22……カバー部、23……本体部筐体、24……標準Aレセプタクル、25……第1の電子機器、26……標準ミニABレセプタクル、27……第2の電子機器、28A、28B……第1の突起、29A、29B……第1の窪み、30A、30B……第2の突起、31A、31B……第2の窪み、32A、32B……ガイド溝、35……CPU、39……USBデバイスコントローラ、51……筐体、52……第1のUSBデバイスコントローラ、53……第2のUSBデバイスコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と物理的及び電気的に接続するためのプラグを有し、当該プラグを介して接続された外部機器からの要求に応じて、当該外部機器から与えられるデータを記憶し又は記憶した上記データを上記外部機器に出力する可搬型のメモリ装置において、
それぞれ異なる規格の上記プラグが複数設けられた
ことを特徴とする可搬型メモリ装置。
【請求項2】
上記複数のプラグのうちの任意の1つのプラグのみを露出させるように、移動自在に設けられたカバー部
を具えることを特徴とする請求項1に記載の可搬型メモリ装置。
【請求項3】
いずれかの上記プラグを介して上記外部機器が物理的に検出されたことを検出する検出手段と、
上記検出手段によって上記外部機器との上記物理的な接続が検出された1つの上記プラグについてのみを、上記外部機器と電気的に接続する接続手段と
を具えることを特徴とする請求項1に記載の可搬型メモリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−18687(P2006−18687A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197186(P2004−197186)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】